JP5105026B2 - 弾性波共振子及びラダー型フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、弾性表面波共振子や弾性境界波共振子などの弾性波共振子に関する。より詳細には、本発明は、弾性波伝搬方向において交叉幅の極大値が複数現れるように交叉幅重み付けが施されているIDT電極を有する弾性波共振子及び該弾性波共振子を用いたラダー型フィルタに関する。
従来、弾性表面波や弾性境界波を利用した様々な弾性波共振子が提案されている。例えば、下記の特許文献1には、IDT電極において、弾性表面波伝搬方向中央部で交叉幅が大きく、弾性表面波伝搬方向の端部に向かって交叉幅が小さくなるように交叉幅重み付けが施されている構成が開示されている。この構成により、横モードによるスプリアスが抑圧される、とされている。しかしながら、IDT電極の中央部において交叉幅が大きくなるため、最大交叉幅が大きくなってしまう。すなわち、当該IDT電極中央部に消費電力が集中し、耐電力性が劣化する、という問題があった。加えて、最大交叉幅が大きいので、弾性表面波共振子のサイズが大きくなってしまう、という問題もあった。
そこで、下記の特許文献2には、弾性波伝搬方向に極大値が2つ以上存在するように、交叉幅重み付けが施された弾性波共振子が開示されている。図9は、特許文献2に記載の弾性波共振子の電極構造を示す模式的平面図である。
弾性波共振子1001では、圧電基板上に図示の電極構造が形成されている。この電極構造は、IDT電極1002と、IDT電極1002の弾性波伝搬方向両側に配置された反射器1003,1004とを有する。IDT電極1002は交叉幅重み付けされている。すなわち、弾性波伝搬方向において交叉幅が変化している。ここでは、弾性波伝搬方向に沿って交叉幅極大値が2つ存在するように交叉幅重み付けが施されている。異なる電位に接続されている電極同士が弾性波伝搬方向において重なり合っている領域は、図1の包絡線A及びBに囲まれた領域である。図9から明らかなように、弾性波伝搬方向において、交叉幅が極大となる部分が2つ存在する。そのため、交叉幅が極大となる2つの部分E,Fの間に、交叉幅が極小となる部分Gが存在する。
特許第2645674号 WO2007/108269
特許文献2に記載の弾性波共振子では、IDT電極が上記のように交叉幅重み付けされているため、横モードに起因するスプリアスの影響を抑制することが可能であり、かつ、IDT電極の最大交叉幅を小さくすることができる。その結果、耐電力性を改善することが可能となる。また、弾性波共振子のサイズを小さくすることも可能である。
しかしながら、放熱性が充分でないという問題のあることがわかった。すなわち、弾性波共振子1001に高周波電力を印加すると、発熱量が最も大きくなるのは、交叉幅が極大となる部分E,Fである。もっとも、この部分で発生した熱はグラウンド電位に接続されるIDT電極1002の一方のバスバー1002aを、反射器1003,1004のバスバーと共通化することにより放散させることができる。すなわち、交叉幅が極大値となる部分E及びFは、反射器1003,1004に比較的近いため、反射器1003,1004側に熱を逃がすことができる。
これに対して、交叉幅が極小値部分Gは、反射器1003,1004から遠い位置にある。従って、交叉幅が極小である部分Gでは、部分E及びFに比べて発熱量が少ないものの、熱がこもりやすくなる。よって、弾性波共振子の十分な放熱を図ることができないという問題があった。
また、IDT電極1002における放熱性が十分でない場合には、温度変化により共振特性が本来の共振特性からずれるおそれがあった。
本発明の目的は、横モードに起因するスプリアスの影響を低減するための交叉幅重み付けが施されたIDT電極を有する弾性波共振子であって、IDT電極の放熱性を高めることができ、それによって安定な共振特性を得ることを可能とする弾性波共振子を提供することにある。また、本発明の他の目的は、弾性波共振子のIDT電極の放熱性を高め、それによって放熱性に優れかつフィルタ特性の安定なラダー型フィルタを提供することある。
本発明に係る弾性波共振子は、圧電基板と、前記圧電基板上に形成されたIDT電極とを備える。IDT電極は弾性波伝搬方向において交叉幅の極大値が複数現れるように交叉幅重み付けされている。本発明においては、前記IDT電極において、前記複数現れる交叉幅極大値の部分に挟まれた、弾性波伝搬方向に沿って現れる1以上の交叉幅極小値の部分のうち、少なくとも一つの交叉幅極小値部分に設けられた放熱用電極がさらに備えられ、前記放熱用電極の弾性波伝搬方向に沿う方向寸法幅をAとし、伝搬する弾性波の波長の1/2の寸法をBとしたときに、B<Aとされている。より好ましくは、2.5B≦Aであり、それによって放熱性をさらに高めることができる。
本発明に係る弾性波共振子では、上記放熱用電極が、1以上の交叉幅極小値部分の全てに設けられていることが好ましい。それによって、放熱性をより一層高めることができる。
本発明に係る弾性波共振子の他の特定の局面では、前記放熱用電極が、弾性波伝搬方向と直交する方向に延び、かつ弾性波伝搬方向と直交する方向において、ギャップを隔てて対向されている第1,第2の放熱用電極を有する。この場合、第1,第2の放熱用電極の長さは等しくともよい。第1,第2の放熱用電極の長さが等しい場合には、第1の放熱用電極と第2の放熱用電極を経由して熱を第1,第2の放熱用電極に均一に放散させることができる。
また、上記第1,第2の放熱用電極の長さは異なっていてもよい。その場合には熱の放散する方向に方向性を持たせることができる。
本発明に係る弾性波共振子では、好ましくは、前記放熱用電極の面積が、残りの電極指の面積よりも大きくされている。この場合には、放熱性をより一層高めることができる。
本発明に係る弾性波共振子では、好ましくは前記IDT電極が一対のバスバーを有し、前記IDT電極の一方のバスバーと、前記IDT電極の弾性波伝搬方向両側に配置されている反射器とが共通化されている。
本発明に係るラダー型フィルタは、弾性波共振子からなる直列腕共振子及び並列腕共振子を有し、直列腕共振子及び並列腕共振子を構成している弾性波共振子の少なくとも1つの弾性波共振子が、本発明に従って構成された弾性波共振子からなる。従って、弾性波共振子のIDT電極における放熱性が高められるので、ラダー型フィルタの放熱性を高めることができる。それによって、安定なフィルタ特性を得ることができる。
本発明に係る弾性波共振子では、弾性波伝搬方向に沿って複数の交叉幅極大値が現れるように交叉幅重み付けされているので、横モードによる影響を抑制することができる。しかも、交叉幅極小値部分において発生した熱を、放熱用電極により速やかに放散させることができる。従って、例えば高周波電力の印加によりIDT電極が発熱したとしても、放熱性を高めることができる。よって、共振特性の安定な弾性波共振子を提供することができる。
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係る弾性波共振子の電極構造を示す模式的平面図であり、(b)は、該弾性波共振子の模式的正面断面図であり、(c)は変形例を説明するための拡大平面図である。 図2は、第1の実施形態の弾性波共振子に高周波電力を印加した場合の発熱の状態を模式的に示す平面図である。 図3は、第1の実施形態及び比較例の弾性波共振子のインピーダンス周波数特性を示す図である。 図4は、第1の実施形態及び比較例の弾性波共振子の位相特性を示す図である。 図5は、第1の実施形態及び比較例の弾性波共振子のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。 図6は、第1の実施形態及び比較例の弾性波共振子のS11リターンロス特性を示す図である。 図7は、本発明の他の実施形態としてのラダー型フィルタの回路構成を模式的に示す回路図である。 図8(a)は比較例として用意した弾性波共振子の模式的平面図であり、(b)は該比較例の弾性波共振子における発熱分布を模式的に示す平面図である。 図9は、従来の弾性波共振子の電極構造を示す模式的平面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a),(b)は、本発明の一実施形態に係る弾性波共振子の電極構造を示す模式的平面図及び該弾性波共振子の模式的正面断面図である。
弾性波共振子1は、弾性表面波を利用した弾性表面波共振子である。本実施形態の弾性波共振子1は、レイリー波を利用して共振特性を得ている。もっとも、本発明においては、漏洩弾性波以外の弾性波を用いることができ、レイリー波に限らず、ラブ波を用いてもよい。弾性波共振子1は、圧電基板2を有する。圧電基板2は、本実施形態では、ニオブ酸リチウムからなる。もっとも、圧電基板2は、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム、水晶、ダイヤモンド、ランガサイト、4ホウ酸リチウムなどの他の圧電単結晶により構成されていてもよい。また、圧電基板2は、圧電セラミックスからなるものであってもよい。また、圧電基板2は、絶縁体に圧電薄膜を積層した構造を有していてもよい。
圧電基板2上にIDT電極3が形成されている。IDT電極3の弾性表面波伝搬方向両側に反射器4,5が配置されている。
図1(b)に示すように、本実施形態では、周波数温度特性を改善するために、絶縁膜6が形成されている。絶縁膜6は、IDT電極3及び反射器4,5を被覆するように形成されている。絶縁膜6は、本実施形態では、酸化ケイ素からなる。もっとも、酸化ケイ素に限らず絶縁膜6は窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化チタン、窒化チタンまたは酸化タンタルなどの様々な誘電体材料により形成することができる。また、これらの絶縁材料からなる複数の層を積層することにより絶縁膜6を形成してもよい。
IDT電極3及び反射器4,5は、適宜の金属もしくは合金により形成することができる。本実施形態では、IDT電極3は、Pt膜とAl膜とを積層した構造を有する。また、IDT電極3のバスバー3a,3bと図示しない引き回し配線では、上記Pt膜及びAl膜を積層してなる積層金属膜上にさらに抵抗補助膜を積層してもよい。抵抗補助膜としては、Al、Au、Ni、Ti、Cr、Pt、Cu、WまたはAgなどの金属を用いることができる。抵抗補助膜はこれらの金属からなる金属膜を複数層積層したものであってもよい。また、これらの金属を主体とする合金により抵抗補助膜が形成されてもよい。
IDT電極3は、図1(a)に示すように、一対の櫛形電極を有し、かつ弾性表面波伝搬方向において交叉幅の極大値が複数現れるように交叉幅重み付けされている。言い換えれば、IDT電極3は、交叉幅重み付けされており、弾性表面波伝搬方向と直交する方向の外側に、第1の包絡線Aと、第2の包絡線Bとを有する。包絡線とは、一方の電位に接続される複数本の電極指の先端を結ぶことにより形成される仮想線である。
第1の実施形態の弾性波共振子1では、包絡線A,Bに囲まれた領域は、2個の菱形の領域を有するように形成されている。2個の菱形の領域は、弾性表面波伝搬方向に連なっている。もっとも、図1(a)に示されているように、2個の菱形の領域は頂点同士で連結されてはいない。より具体的には、図1(a)の矢印で示す部分、すなわち菱形の領域において、弾性表面波伝搬方向両側の端部H,I,Jにおける交叉幅は0とはならず、最大交叉幅の20%の交叉幅を有するように交叉幅重み付けが施されている。この端部での交叉幅は横モードスプリアスを低減できる程度小さくすればよく、好ましくは最大交叉幅の50%以下であり、より好ましくは最大交叉幅の25%以下である。
なお、反射器4,5は、弾性表面波伝搬方向と直交する方向に延びる複数本の電極指を両端のバスバー4a,4b,5a,5bで短絡した構造を有する。
WO2007/108269に記載されているように、上記のようにIDT電極3が交叉幅重み付けされているので、横モードによる影響を抑制することができる。それによって、反共振周波数のQ値を高めることができる。また、耐電力性を高めることができる。
本実施形態の弾性波共振子1の特徴は、上記のように交叉幅重み付けが施されたIDT電極3において、交叉幅極大値を示す部分E,F間に存在する交叉幅極小値部分Iにおいて、第1,第2の放熱用電極8,9が形成されていることにある。第1の放熱用電極8は、IDT電極3の一方のバスバー3aに接続されている。第2の放熱用電極9は、他方のバスバー3bに接続されている。なお、一方のバスバー3aは、反射器4,5の一方のバスバー4a,5aと共通化されている。従って、バスバー3aがグラウンド電位に接続される。バスバー3bはホット側のバスバーであり、第2の放熱用電極9はホット側のバスバー3bに接続されている。なお、バスバー3aは、必ずしもグラウンド電位に接続されていなくてもよい。
本実施形態では、第1,第2の放熱用電極8,9の弾性波伝搬方向に沿う寸法を幅Aとした場合、この幅AがIDT電極の他の電極指に比べて相対的に太くされている。すなわち、伝搬する弾性波の波長の1/2をBとしたときに、放熱用電極の幅AはB<Aである。ここで、伝搬する弾性波の波長の1/2の寸法は、IDT電極指の周期の半分、すなわち間挿しあうIDT電極の隣り合う電極指の間隔となる。したがって、B<Aとされている場合、放熱用電極の幅Aが他の電極指の幅よりも相対的に大きくなる。それによって、第1,第2の放熱用電極からなる放熱用電極の面積が、他の電極指の面積よりも大きくされている。従って、交叉幅極小値部分Gで発生した熱をバスバー3aまたはバスバー3bに速やかに放散させることができる。
なお、本実施形態では、第1,第2の放熱用電極8,9が形成されているが、第1の放熱用電極8または第2の放熱用電極9のみが形成されていてもよい。
なお、本実施形態では、放熱用電極が第1,第2の放熱用電極8,9により構成されている。この場合、放熱用電極の面積とは、第1,第2の放熱用電極の面積の合計をいうものとする。また、放熱用電極に対比される残りの電極指の面積における電極指とは、バスバー3aまたは3bに接続されている任意の電極指をいうものとする。
より好ましくは、2.5B≦Aであり、その場合には、放熱性をより一層高めることができる。
図1(c)に拡大して示すように第1の放熱用電極8の長さと第2の放熱用電極9の長さは異なっている。従って、相対的に長い第1の放熱用電極8側に熱を効果的に放散させることができる。よって、放熱方向に方向性を持たせることができる。また、放熱用電極8が接続されているバスバー3aが反射器4,5のバスバーに連ねられているので、IDT電極3で発生した熱をより効果的に放散させることができる。
なお、本実施形態では、第1の放熱用電極8と第2の放熱用電極9の長さが等しくともよい。その場合には、発生した熱を、第1の放熱用電極8と第2の放熱用電極9に均等に放散させることができる。それによって、IDT電極3における発熱分布の偏りを小さくすることができる。
なお、放熱性を改善するための放熱経路を確保するためには、バスバーのような金属体に当該放熱用電極が連なっていればよい。例えば、外部接続端子などの金属パッドやランドのような金属パターンに放熱用電極が接続されていても、本発明の効果は得られる。また、前述したとおり、当該放熱用電極がグラウンドに接続されていれば、より一層放熱性が改善される。
次に具体的な実験例に基づき本発明の効果を明らかにする。
ニオブ酸リチウムからなる圧電基板2上に、Pt膜及びAl膜をこの順序で積層してなる積層金属膜からなるIDT電極3及び反射器4,5を形成した。なお、IDT電極3において、電極指を除く部分、すなわちバスバー3a,3bには、さらに、抵抗補助膜材料としてAl膜を積層した。しかる後、絶縁膜6として、SiO膜を積層した。各金属膜及び絶縁膜6の厚みは以下の通りである。
IDT電極3及び反射器4,5:Al膜の厚み=130nm、Pt膜の厚み=30nm
抵抗補助膜:Al膜の厚み=2000nm
絶縁膜6:SiO膜の厚み=600nm
IDT電極3については電極指ピッチを950nmとし、図1(a)に示すように、2つの交叉幅極大値が弾性波伝搬方向に存在するように交叉幅重み付けを施した。IDT電極3における放熱用電極8,9以外の電極指の幅は475nmとした。
放熱用電極8,9はIDT電極3と同時に同じ材料で形成した。放熱用電極8,9の幅A=2375nmとした。また、第1の放熱用電極8の長さは12500nm、第2の放熱用電極9の長さは6200nmとした。
従って、第1,第2の放熱用電極8,9の面積の合計Sは44.4125μmとなる。他方、残りの電極指の内、最も面積の大きい電極指の面積は、交叉幅極大値分布における電極指の面積であり、幅475nm×長さ54000nm=25.65μmである。従って、放熱用電極8,9の面積の合計Sは、最も長い電極指の面積よりも大きい。
比較のために、第1,第2の放熱用電極8,9が設けられず、第1,第2の放熱用電極8,9が設けられている部分に、残りの電極指と同じ幅の電極指が形成されている、すなわち、第1,第2の放熱用電極8,9の幅を残りの電極指の幅と同一としたことを除いては、上記実施例と同様にして比較例の弾性波共振子を形成した。
図8(a)は、このようにして用意した比較例の弾性波共振子111の電極構造を示す模式的平面図である。図8(a)に示すように、第1,第2の放熱用電極8,9に代えて、残りの電極指と同じ幅の電極指112a,112bが形成されている。
上記のようにして用意した実施例及び比較例の弾性波共振子111に0.8Wの高周波電力を印加し、赤外線サーモグラフィを用いて発熱分布を測定した。実施例の弾性波共振子における発熱分布を図2に略図的平面図で示す。図2において、クロスのハッチングで付す領域が、特に温度が高い領域を示す。この領域Kは、交叉幅が極大値部分の周囲に広がっており、交叉幅極小値部分Iでは、温度がさほど高くなっていないことがわかる。
これに対して、図8(b)に示すように、比較例の弾性表面波共振子の発熱分布では、矢印Lで示す高温部分が交叉幅極大値部分E,Fだけでなく、交叉幅極小値部分Iにまで至っていることがわかる。
従って、図2と図8(b)の対比から明らかなように、上記実施例によれば、第1,第2の放熱用電極8,9を設けたことにより、交叉幅極小値部分において発生した熱を効果的に放散させ得ることがわかる。
図2及び図8(b)から明らかなように、反射器4,5に近い部分では、IDT電極3において発生した熱が反射器4,5側に放散され、高温部分がIDT電極3の反射器4,5側に近接している部分に至っていないことがわかる。
また、上記弾性表面波共振子の実施例と比較例の共振特性を測定した。結果を図3〜図6に示す。図3はインピーダンス周波数特性を、図4は位相特性を、図5はインピーダンススミスチャートを、図6はS11リターンロス特性を示す。図3〜図6において、実線は実施例の結果を、破線は比較例の結果を示す。
図3〜図6から明らかなように、実施例と比較例において、共振−反共振特性に変化は見られない。これより、本実施形態では、共振子の設計を変更することなく、放熱性を改善することが可能であることがわかる。
よって、本実施形態によれば、上記実施例及び比較例の対比から明らかなように、第1,第2の放熱用電極8,9を設けたことにより、放熱性を効果的に高めることができる。従って、実施用時の共振特性の変化を抑制することができる。よって、安定な共振特性を有する弾性表面波共振子を提供することができる。
なお、図1(a)では、交叉幅極大値が現れる部分が2箇所であったが、3以上の交叉幅極大値が現れるようにIDT電極が重み付けされていてもよい。その場合、交叉幅極小値部分が複数現れるが、好ましくは、複数の交叉幅極小値部分の全てにおいて、上記実施形態と同様の放熱用電極が設けられていることが望ましい。もっとも、複数の交叉幅極小値部分の少なくとも1箇所において、上記放熱用電極が設けられていればよく、全ての交叉幅極小値部分に放熱用電極が必ずしも設けられずともよい。
また、上記実施形態では、弾性波共振子として弾性表面波を利用した弾性波共振子につき説明したが、本発明は、弾性境界波を利用した弾性境界波共振子にも適用することができる。
図7は、本発明が適用されるラダー型フィルタの一例を示す回路図である。ラダー型フィルタ51では、入力端子52と出力端子53との間において互いに直列に直列腕共振子S1,S2が接続されている。直列腕共振子S1,S2により直列腕が構成されている。直列腕共振子S1,S2の間の接続点Xとグラウンド電位との間に並列腕共振子P1が接続されている。並列腕共振子P1により並列腕が構成されている。
直列腕共振子S1,S2及び並列腕共振子P1の少なくとも1つに、上記実施形態の弾性波共振子1を用いることにより、本実施形態のラダー型フィルタ51を構成することができる。この場合、上記実施形態の弾性波共振子1では、放熱性が高められており、共振特性が安定化するため、ラダー型フィルタ51のフィルタ特性の安定化を図ることができる。
なお、本発明のラダー型フィルタは、図7に示した回路構成を有するものに限定されない。すなわち、任意の数の直列腕共振子及び並列腕共振子を有するラダー型フィルタに本発明を適用することができる。
1…弾性表面波共振子
2…圧電基板
3…IDT電極
3a,3b…バスバー
4,5…反射器
4a,4b,5a,5b…バスバー
6…絶縁膜
8,9…第1,第2の放熱用電極
51…ラダー型フィルタ
52…入力端子
53…出力端子
P1…並列腕共振子
S1,S2…直列腕共振子
111…弾性波共振子
112a,112b…電極指

Claims (8)

  1. 圧電基板と、
    前記圧電基板上に形成されたIDT電極とを備え、
    前記IDT電極が弾性波伝搬方向において交叉幅の極大値が複数現れるように交叉幅重み付けされており、
    前記IDT電極において、前記複数現れる交叉幅極大値の部分に挟まれた、弾性波伝搬方向に沿って現れる1以上の交叉幅極小値の部分のうち、少なくとも一つの交叉幅極小値の部分に設けられた放熱用電極をさらに備え、
    前記放熱用電極の弾性波伝搬方向に沿う方向寸法幅をAとし、伝搬する弾性波の波長の1/2の寸法をBとしたときに、B<Aである、弾性波共振子。
  2. 前記放熱用電極が、前記1以上の交叉幅極小値部分のすべてに設けられている、請求項1に記載の弾性波共振子。
  3. 前記放熱用電極が、弾性波伝搬方向と直交する方向に延び、かつ弾性波伝搬方向と直交する方向において、ギャップを隔てて対向されている第1,第2の放熱用電極を有する、請求項1または2に記載の弾性波共振子。
  4. 前記第1,第2の放熱用電極の長さが等しい、請求項3に記載の弾性波共振子。
  5. 前記第1,第2の放熱用電極の長さが異なっている、請求項3に記載の弾性波共振子。
  6. 前記放熱用電極の面積が、残りの電極指の面積よりも大きい、請求項1〜5のいずれか1項に記載の弾性波共振子。
  7. 前記IDT電極が一対のバスバーを有し、前記IDT電極の一方のバスバーと、前記IDT電極の弾性波伝搬方向両側に配置されている反射器が共通化されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性波共振子。
  8. 弾性波共振子からなる直列腕共振子及び並列腕共振子を有するラダー型フィルタであって、
    前記直列腕共振子及び並列腕共振子を構成している弾性波共振子の少なくとも一つの弾性波共振子が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の弾性波共振子からなる、ラダー型フィルタ。
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