JP5105014B1 - 管状体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶性熱可塑性樹脂を含む組成でも、膜厚バラツキの小さな管状体が得られる管状体の製造方法を提供すること。
【解決手段】加熱源を持つ筒状部と、筒状部の内部に挿入され、軸体及び軸体の外周面に螺旋状に設けられた突起部を持つ搬送部材であって、供給部、圧縮部及び計量部を順次持つ搬送部材と、を備える押出成形機を用いて、一端から他端へ向けて筒状部内部で、加熱源の加熱と共に、搬送部材の回転により、結晶性熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を溶融しつつ、混練して搬送した後、溶融した樹脂組成物を押出成形して管状体を成形する工程と、を有し、結晶性熱可塑性樹脂の示差走査熱量計による結晶溶融終了温度と結晶溶融開始温度との差を△Tm(℃)、搬送部材の直径をD(mm)、搬送部材の圧縮部の長さをLc(mm)としたとき、式(1):(△Tm/10)−3<Lc/D<(△Tm/10)+1の関係を満たす管状体の製造方法である。
【選択図】図3

Description

本発明は、管状体の製造方法
押出成形を用いた管状体の製造方法に関して、特許文献1には、感光体ドラムピッチと押出成形機のスパイラル溝条数及び管状体内周長の関係を数式化して、膜厚バラツキを低減する方法が提案されている。
また、特許文献2には、「成形加工性に対し溶融粘度の温度依存性を調整し、靭性の高い脂肪族ポリアミド樹脂を用いた中間転写ベルト」が提案されている。
特許第4266792号明細書 特許第4401939号明細書
本発明の課題は、結晶性熱可塑性樹脂を含む組成でも、膜厚バラツキの小さな管状体が得られる管状体の製造方法を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
結晶性熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を準備する工程と、
加熱源を持つ筒状部と、前記筒状部の内部に挿入され、軸体及び前記軸体の外周面に螺旋状に設けられた突起部を持つ搬送部材であって、供給部、圧縮部及び計量部に区分される搬送部材と、を備える押出成形機を用いて、一端から他端へ向けて筒状部内部で、前記加熱源の加熱と共に、前記搬送部材の回転により、前記樹脂組成物を溶融しつつ、混練して搬送した後、溶融した前記樹脂組成物を押出して管状体を成形する工程と、
を有し、
前記結晶性熱可塑性樹脂の示差走査熱量計による結晶溶融終了温度と結晶溶融開始温度との差を△Tm(℃)、前記搬送部材の直径をD(mm)、前記搬送部材の圧縮部の長さをLc(mm)としたとき、下記式(1)の関係を満たし、
且つ前記結晶性熱可塑性樹脂の溶融開始位置と溶融終了位置が、前記搬送部材の圧縮部内で生じるようにする管状体の製造方法。
・式(1):(△Tm/10)−3<Lc/D<(△Tm/10)+1
請求項2に係る発明は、
結晶性熱可塑性樹脂が、芳香族ジカルボン酸化合物とアルキル基数が9個以上13個以下の脂肪族ジアミン化合物とから誘導される繰り返し単位構造を少なくとも有する半芳香族ポリアミド樹脂である請求項1に記載の管状体の製造方法。
請求項1、2に係る発明によれば、上記式(1)を満たさない場合に比べ、結晶性熱可塑性樹脂を含む組成でも、膜厚バラツキの小さな管状体が得られる管状体の製造方法を提供できる。
本実施形態に係る管状体の製造方法に用いる押出成形機の樹脂溶融搬送部の周辺を示す模式図である。 本実施形態に係る管状体の製造方法に用いる押出成形機の本実施形態に係る管状体ユニットを示す概略斜視図である。 本実施形態に係る管状体の製造方法に用いる押出成形機のスクリューを示す概略側面図である。 示差走査熱量計から求められるDSC曲線の一例を示す模式図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
本実施形態に係る管状物の製造方法では、まず、結晶性熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を準備する。
具体的には、例えば、一軸溶融混練機又は二軸溶融混練機により、結晶性熱可塑性樹脂と必要に応じてその他添加剤とを溶融混練し、粒子状の樹脂組成物(以下、「樹脂ペレット」と称する)を得る。
次に、押出成形機10を用いて、樹脂ペレット(樹脂組成物)を押出して管状体を成形する。
ここで、押出成形機10について説明する。
押出成形機10は、例えば、図1に示すように、樹脂供給部20と、樹脂溶融搬送部30と、管状成形部40と、冷却部50と、を備えている。
樹脂溶融搬送部30は、例えば、図1〜図2に示すように、外周面側に加熱源31を持つ筒状部32(以下、「バレル32」と称する)と、バレル32内部に挿入された搬送部材33(以下、「スクリュー33」と称する)と、を備える。なお、加熱源31としては、高温媒体の流通管、ヒータ等が挙げられる。
樹脂供給部20は、例えば、バレル32の一端に連結された筒状部材21(以下、「ホッパー21」と称する)を備える。
管状成形部40は、例えば、バレル32の他端に連結された成形用押出口金41(以下、「押出ダイ41」と称する)を備える。
冷却部50は、例えば、冷却源51を備える。なお、冷却源51としては、サイジングダイ等が挙げられる。
ここで、スクリュー33は、例えば、図3に示すように、フルフライト型のスクリューであり、軸体33Aと、軸体33Aの外周面に螺旋状に設けられた突起部33Bと、で構成されている。
なお、スクリュー33としては、一つの突起部33Bが等ピッチで螺旋状に配置された1条が基本のフルフライト型のスクリューが、樹脂組成物に対して過剰な熱エネルギーとせん断エネルギーを与えることなく、適切な可塑化能力を持つ汎用性があることから好適であるが、これに限られず、マイレイファー型、スパイラルマドック型等の様々な形態のスクリューを適用してもよい。
スクリュー33は、軸体33Aから突出した突起部33Bを含めた直径D(最大直径)が長手方向に渡って変動がないものである。但し、スクリュー33をバレル32内部への挿入し易くするために、スクリュー33の挿入側先端の直径を他端の直径よりも小さく設計する場合(例えば0.05mm以上0.2以下の範囲で小さく設計する場合)もあるが、その差は僅かであり、実質的に変動がないものである。
スクリュー33は、例えば、樹脂組成物の供給側の一端から他端に向けて、供給部34Aと、圧縮部34Bと、計量部34Cと、の順に区分けされる。
供給部34Aは、樹脂組成物の供給側の一端部において、軸体33Aの直径が押出側よりも小さく、且つ変動がない領域である。つまり、供給部34Aは、樹脂組成物の供給側の一端部において、軸体33A外周面からの突起部33Bの高さが、押出側よりも大きく且つ変動がない領域である。
圧縮部34Bは、樹脂組成物の供給側から押出側に向かって、漸次又は段階的に軸体33Aの直径が大きくなってゆく領域である。つまり、圧縮部34Bは、樹脂組成物の供給側から押出側に向かって、軸体33A外周面からの突起部33Bの高さが漸次又は段階的に小さくなる領域である。
計量部34Cは、樹脂組成物の押出側の他端部において、軸体33Aの直径が供給側よりも大きく且つ変動がない領域である。つまり、供給部34Aは、樹脂組成物の供給側の一端部において、軸体33A外周面からの突起部33Bの高さが供給側よりも小さく且つ変動がない領域である。
押出成形機10による樹脂組成物の成形について説明する。
押出成形機10では、バレル32の一端へホッパー21から樹脂ペレットが投入されると、一端から他端へ向けてバレル32内部で、加熱源31の加熱と共に、スクリュー33の回転により、樹脂組成物を溶融しつつ、混練して搬送する。そして、溶融・混練した樹脂組成物をバレル32の他端から押出ダイ41へ押出し、管状に成形する。
具体的には、まず、スクリュー33の供給部34Aにおいて、ホッパー21から投入された樹脂ペレットをスクリュー33の回転力により搬送しつつ、加熱源31により加熱されたバレル32からの伝熱によって樹脂ペレットの温度を上昇させる(図2(A)参照)。
次に、スクリュー33の圧縮部34Bにおいて、加熱源31により加熱されたバレル32からの伝熱とスクリュー33の回転に伴うせん断力とによって、樹脂ペレットを溶融開始させ、半溶融樹脂組成物とすると共に、供給部34Aから押し出されてくる樹脂ペレットの推力とスクリュー33の突起部33B間で形成される溝(スクリュー溝)で発生する半溶融樹脂組成物の推力により、半溶融樹脂を計量部34Cに搬送する(図2(B)参照)。
次に、スクリュー33の計量部34Cにおいて、加熱源31により加熱されたバレル32からの伝熱によって、半溶融樹脂組成物を完全溶融させると共に、スクリュー33の回転に伴うせん断力及び圧縮部34Bから押される圧力により溶融樹脂組成物を可塑化し、押出ダイ41内部で適切な流動性を保つ状態を形成する(図2(C)参照)。
次に、バレル32(スクリュー33の計量部34C)から押し出された溶融樹脂組成物を押出ダイ41により管状に溶融押出して、かつ延伸させながら引き取り、その管状に押出された樹脂組成物の内周面及び外周面を冷却源51により冷却する。
特に、管状に押出された樹脂組成物の内周面と外周面を同時に冷却させながら延伸すると、結晶化の均一性が確保され、かつ延伸により樹脂分子が配列して分子鎖が伸びることによる、得られる管状体の緊張状態が得られると考えられ、表面の平滑性が得られると共に、表面強度が適度に向上する。
その後、得られた管状体は、例えば、目的とする幅に切断される。
上記工程を経て、樹脂組成物を含んで構成された管状物を製造する。
以上説明した本実施形態に係る管状体の製造方法では、結晶性熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を準備する工程と、加熱源31を持つバレル32(筒状部)と、前記筒状部の内部に挿入されたスクリュー33(搬送部材)と、を備える押出成形機を用いて、一端から他端へ向けてバレル32内部で、加熱源31の加熱と共に、スクリュー33の回転により、樹脂組成物を溶融しつつ、混練して搬送した後、溶融した樹脂組成物を押出して管状体を成形する工程と、を経て、管状体を製造する。
ここで、結晶性熱可塑性樹脂は構造により加熱時の溶融挙動(溶融挙動)が異なるため、加工条件を固定して連続的に製造する押出成形法を利用して、結晶性熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を管状体に成形する場合、適切に押出成形するための条件選択範囲が狭いばかりでなく、条件を外れると成形される管状体の膜厚のバラツキが生じ易いのが現状である。
そこで、本実施形態に係る管状体の製造方法では、下記式(1)の関係(望ましくは下記式(1−2)の関係を満たすことにより、スクリュー33の圧縮部34Bで、溶融挙動の異なる結晶性熱可塑性樹脂に対して確実に溶融開始させ、溶融開始した結晶性熱可塑性樹脂がスクリュー33の計量部34Cへ搬送されることが見出された。
その結果、本実施形態に係る管状体の製造方法では、溶融した樹脂組成物の押出量の変動が抑制され、成形される管状体の膜厚のバラツキ発生が抑制される。
・式(1): (△Tm/10)−3<Lc/D<(△Tm/10)+1
・式(1−2):(△Tm/10)−2<Lc/D<(△Tm/10)
式(1)〜式(1−3)中、△Tmは、結晶性熱可塑性樹脂の示差走査熱量計による結晶溶融終了温度と結晶溶融開始温度との差(℃)を示す。
Dは、スクリュー33(搬送部材)の直径(mm)を示す。
Lcは、スクリュー33(搬送部材)の圧縮部34Bの長さ(mm)を示す。
ここで、バレル32内部において、スクリュー33による樹脂ペレットの溶融及び可塑化について、より詳細に説明すると、以下の理論が知られている。
ホッパー21から供給され、スクリュー33の突起部33B間で形成される溝(以下、「スクリュー溝」と称する)に堆積した樹脂ペレットは、スクリュー33の供給部34Aでスクリュー33の回転による推進力で前方(押出ダイ側)へ送られると同時に加熱源31により加熱されたバレル32からの伝熱によって融点近くまで加熱され、溶融を開始する(図2(A)参照)。
次に、スクリュー33の圧縮部34Bで更に加熱され大部分の樹脂ペレットが溶融を開始する。この際、溶融を開始した樹脂ペレットは、スクリュー溝の深さ(突起部33B高さ)がスクリュー33の前方に進むにつれて浅くなるため、スクリュー33とバレル32と間のせん断力によりスクリュー溝から滑りを生じて前方に回り込み、後方(樹脂組成物供給側)からの樹脂ペレットの推力と合わせて、樹脂ペレットと溶融樹脂とが混合して前進する。前進につれてスクリュー溝がスクリュー33前方に進むにつれて浅くなる影響で、樹脂ペレットと溶融樹脂との混合物は圧縮され、更にせん断力を受けることにより完全溶融して、スクリュー33の計量部34Cに運ばれる(図2(B)参照)。
なお、スクリュー33の計量部34Cは。そのスクリュー溝断面積が、供給部34Aのスクリュー溝断面積に対して小さいが(例えば1/3程度)、この断面積比の逆数を圧縮比と呼び、スクリュー33の設計要素である。
スクリュー33の圧縮部34Bでの樹脂ペレットの溶融は、加熱源31により加熱されたバレル32からの伝熱と、昇温して軟化した樹脂ペレットにかかる回転するスクリュー33とバレル32との間に発生するせん断力によるせん断発熱と、により進行する。
樹脂ペレットの溶融開始が、スクリュー溝の深さ(突起部33B高さ)が暫減する圧縮部34Bより後方(つまり供給部34A)であると、スクリュー溝の深さ(突起部33B高さ)がスクリュー33前方に進むにつれて浅くなることに伴う溶融樹脂にかかる推力が発生せず、供給部34Aから送られる樹脂ペレットの推力のみとなり易く、半溶融樹脂の塊を前進させる推力が得られ難くなる。このため、半溶融状態の樹脂ペレットがスクリュー溝に堆積したまま移動せず、スクリュー33の回転付加が上昇し、回転停止(以下、「トルクオーバー」と称する)が発生し易くなる。
また、樹脂ペレットの溶融終了が、スクリュー溝の深さ(突起部33B高さ)が暫減する圧縮部34Bより前方(つまり計量部34C)であると、半溶融状態の樹脂ペレットがスクリュー溝の深さの浅い計量部34Cに入ることができ難くなるため、堆積したまま移動し難く、やはり、トルクオーバーが発生し易い。
したがって、樹脂ペレットの溶融開始位置と溶融終了位置は、スクリュー33の圧縮部34B内である必要がある。
ここで、結晶性熱可塑性樹脂の結晶溶融開始温度と結晶溶融終了温度は、樹脂の結晶構造及び分子量分布によって様々な値をとるが、示差走査熱量計(DSC)による昇温時の溶融吸熱ピークの立ち上り温度が結晶溶融開始温度に相当し、立ち下り温度が結晶溶融終了温度に相当する。一般には、組成が単純で分子量分布の狭い結晶性熱可塑性樹脂は、結晶溶融開始温度と結晶溶融終了温度の差が小さく、組成に異構造を含んでいたり、分子量分布が広い結晶性熱可塑性樹脂は、その差が大きい。
このため、結晶性熱可塑性樹脂の溶融開始位置と溶融終了位置が、スクリュー33の圧縮部34B内で生じるように、加熱源31によるバレル32の温度と、スクリュー33の回転数を制御して。結晶性熱可塑性樹脂の溶融を適切な位置で行わなければならない。
この際、結晶溶融開始温度と結晶溶融終了温度の差が大きい結晶性熱可塑性樹脂に対しては圧縮部34Bの長いスクリュー33が適切であり、その差が小さい結晶性熱可塑性樹脂に対しては圧縮部34Bの短いスクリュー33が適切である。
また、結晶溶融開始温度と結晶溶融終了温度の差が小さい結晶性熱可塑性樹脂に対して、圧縮部34Bの長いスクリュー33を適用した場合には、スクリュー溝の深さ(突起部33B高さ)がスクリュー33前方に進むにつれて浅くなる度合いが小さく、圧縮部34Bの入り口側の狭い範囲で急激に溶融した溶融樹脂を前方に輸送する推力が不足し、溶融樹脂の搬送量が脈動し易くなる。
したがって、結晶性熱可塑性樹脂における結晶溶融開始温度と結晶溶融終了温度の差の大きさに応じた圧縮部34Bの長さを持つスクリュー33を選択することが、結晶性熱可塑性樹脂の溶融作用と搬送作用を安定させ、その溶融樹脂の搬送量を維持するために重要となる。
つまり、本実施形態に係る管状体の製造方法において、上記式(1)を満たすこととは、結晶性熱可塑性樹脂における結晶溶融開始温度と結晶溶融終了温度の差の大きさに応じた圧縮部34Bの長さを持つスクリュー33を選択することを意味しており、上記式(1)を満たすことにより、溶融した樹脂組成物の押出量の変動が抑制され、成形される管状体の膜厚のバラツキ発生が抑制される。
そして、トルクオーバーの発生も回避される。加えて、押出成形により連続して、管状体の膜厚のバラツキが抑えられた管状体が得られることから、生産性の向上によるコスト低減も図られる。
なお、本実施形態に係る管状体の製造方法に得られる管状体は、膜厚バラツキが抑制されることから、管状体を中間転写ベルトとして用いた電子写真用画像形成装置では、色ずれが抑制された画像が得られる。
スクリュー33(搬送部材)の好適な特性について説明する。
スクリュー33の直径D(mm)は、25mm以上60mm以下(望ましくは30mm以上50mm以下、より望ましくは30mm以上45mm以下)の範囲内にあることがよい。
スクリュー33の直径D(mm)は、軸体33Aから突出した突起部33Bを含めた最大直径を示す。
但し、上述のように、スクリュー33をバレル32内部への挿入し易くするために、スクリュー33の挿入側先端の直径を他端の直径よりも小さく設計する場合(例えば0.05mm以上0.2以下の範囲で小さく設計する場合)もあるが、このときのスクリュー33の直径Dは挿入側先端と他端との直径の平均とする。
スクリュー33の圧縮部34Bの長さLc(mm)は、50mm以上540mm以下(望ましくは60mm以上240mm以下))の範囲内にあることがよい。
スクリュー33の供給部34Aの長さLs(mm)は、200mm以上900mm(望ましくは250mm以上780mm以下)の範囲内にあることがよい。
スクリュー33の供給部34Aにおける軸体33Aの直径Dsは、18mm以上30mm以下の範囲内にあることがよい。
スクリュー33の供給部34Aにおける突起部33Bの高さTsは、3.2mm以上10mm以下の範囲内にあることがよい。
スクリュー33の計量部34Cの長さLm(mm)は、150mm以上720mm(望ましくは200mm以上600mm以下)の範囲内にあることがよい。
スクリュー33の計量部34Cにおける軸体33Aの直径Dmは、32mm以上37mmの範囲内にあることがよい。
スクリュー33の計量部34Cにおける突起部33Bの高さTmは、1.5mm以上3.8mm)の範囲内にあることがよい。
樹脂組成物について説明する。
樹脂組成物は、結晶性熱可塑性樹脂と、必要に応じて、その他添加剤と、を含んで構成されている。樹脂組成物は、結晶性熱可塑性樹脂を主成分として含む(例えば組成物全体に対して80%以上で結晶性熱可塑性樹脂を含む)。
結晶性熱可塑性樹脂について説明する。
結晶性熱可塑性樹脂の示差走査熱量計による結晶溶融終了温度は、樹脂種にもよるが、190℃以上380℃以下の範囲内にあることがよい。
結晶性熱可塑性樹脂の示差走査熱量計による結晶溶融開始温度は、樹脂種にもよるが、160℃以上350℃以下の範囲内にあることがよい。
結晶性熱可塑性樹脂の示差走査熱量計による結晶溶融終了温度と結晶溶融開始温度との差(結晶溶融終了温度−結晶溶融開始温度)は、樹脂種にもよるが、80℃以下の範囲内にあることがよい。
なお、このような溶融特性を持つ結晶性熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を押出成形する際に加熱する温度(バレル32内で樹脂を溶融させる温度:加熱条件)は、示差走査熱量計から得られるDSC曲線に基づく融点および、融点における樹脂の溶融粘度により決定するが、例えば、160℃以上400℃以下(望ましくは200℃以上350℃以下)の範囲内が挙げられる。
ここで、結晶性熱可塑性樹脂とは、温度の上昇により可塑化すると共に、示差走査熱量計から求められるDSC曲線において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものをいう。
具体的には、例えば、結晶性熱可塑性樹脂とは、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを意味する。
また、示差走査熱量計による結晶溶融終了温度及び結晶溶融開始温度は、示差走査熱量計(DSC)から測定されるDSC曲線(図4参照)から求める。一例として示す図4のDSC曲線において、結晶溶融開始温度はT1で示す溶融吸熱ピークの立ち下り温度、結晶溶融終了温度はT2で示す溶融吸熱ピークの立ち上り温度として求められる温度である。
示差走査熱量計(DSC)のDSC曲線の測定方法(条件)は、以下の通りである。
結晶溶融開始温度と結晶溶融終了温度について、以下の測定装置・測定条件を用いて評価を実施した。
・装置:示差走査熱量計DSC−60 株式会社島津製作所
・加熱速度:10℃/min
・冷却速度:−10℃/min
・試料量:10mg以上16mg以下
・雰囲気ガス:窒素
結晶性熱可塑性樹脂として具体的として、代表的なものは、例えば、芳香族ジカルボン酸化合物と炭素数が9個以上13個以下の脂肪族ジアミン化合物とから誘導される繰り返し単位構造を少なくとも有する半芳香族ポリアミド樹脂が挙げられる。
この半芳香族ポリアミド樹脂を含む管状体を中間転写ベルトとして用いた電子写真用画像形成装置では、中間転写ベルトの表面の圧縮弾性率が比較的高く、良好なクリーニング性とその維持性が得られ、同時に繰り返し屈曲疲労に代表される耐亀裂進展性に対しても良好な長寿命化が図られる。
なお、非晶性熱可塑性樹脂には、結晶性熱可塑性樹脂(半芳香族ポリアミド樹脂)に匹敵する引張弾性率等の機械強度を持つ樹脂は存在するが、繰り返し屈曲疲労が弱く、非晶性熱可塑性樹脂を含む管状体を屈曲の激しい中間転写ベルトとして適用する場合、屈曲疲労を改善するために補強層を管状体端部に設ける必要があり、補強層自体の製造と貼り付け加工による工数増加によるコストの面で不利である。
半芳香族ポリアミド樹脂について説明する。
半芳香族ポリアミド樹脂は、芳香族ジカルボン酸化合物とアルキル基数が9個以上12個以下の脂肪族ジアミン化合物とから誘導される繰り返し単位構造を少なくとも有する半芳香族ポリアミド樹脂である。
具体的には、半芳香族ポリアミド樹脂は、例えば、芳香族ジカルボン酸化合物と脂肪族ジアミン化合物との重縮合体等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸化合物は、芳香環を(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環等)を持つジカルボン酸化合物である。
芳香族ジカルボン酸化合物として具体的には、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4―フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジ安息香酸、4,4‘−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4−ジカルボン酸、ジフェニルスルホンー4,4―ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルカルボン酸等が挙げられる。
これらの中も、例えば、経済性、ポリアミドの性能の観点からテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が望ましく、テレフタル酸がより望ましい。
脂肪族ジアミン化合物は、アルキル基数(つまり炭素数)が9個以上13個以下(望ましくは9個以上12個以下、望ましくは10個以上11個以下)の脂肪族ジアミン化合物である。
ここで、脂肪族ジアミン化合物のアルキル基数とは、脂肪族ジアミン化合物において、2つのアミノ基が連結する脂肪族基(アルキル基)の炭素数を意味している。
管状体のクリーニング性の観点からは、脂肪族ジアミン化合物のアルキル基数が9個未満では、半芳香族ポリアミド樹脂のアミノ基濃度が高く、吸湿による圧縮弾性率が低下すると考えられ、管状体のクリーニング性が低下してしまうことがある。
一方、本アルキル基数が13個を超えると、半芳香族ポリアミド樹脂の芳香環濃度が低くなり、やはり、圧縮弾性率が低下し、剛性と共に表面硬度も低下すると考えられ、管状体のクリーニング性が低下してしまうことがある。
その結果、脂肪族ジアミン化合物のアルキル基数を9個以上13個以下の範囲とすると、管状体のクリーニング性の低下が抑制される。
また、管状体の電気抵抗の観点からは、脂肪族ジアミン化合物のアルキル基数が9個未満では、半芳香族ポリアミド樹脂の溶融後の冷却化に伴う結晶化により、半芳香族ポリアミド樹脂中からカーボンブラックが排除されて、カーボンブラックが凝集体を形成し、その結果、導電経路を形成すると考えられ、電気抵抗が低下してしまうことがある。
一方、本アルキル基数が12個を超えると、半芳香族ポリアミド樹脂中の芳香環濃度が低くなり、半芳香族ポリアミド樹脂の分子間凝集力が低下し、カーボンブラックの分散状態が損なわれてしまう。
その結果、脂肪族ジアミン化合物のアルキル基数を上記範囲とすると、管状体の電気抵抗の維持姓が向上する。
脂肪族ジアミン化合物として具体的は、例えば、直鎖状脂肪族アルキレンジアミン(例えば、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン等)、分岐鎖状脂肪族アルキレンジアミン(例えば、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,3−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,4−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,5−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、3−メチル−1,8−オクタンジアミン、4−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、1,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,5−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,2−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等)、環状脂肪族アルキレンジアミン(例えば、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−2,5,6−トリメチルシクロヘキサン等)が挙げられる。
これらの中も、例えば、ポリアミド性能や環境保護等の観点から、1,10−デカンジアミン(デカメチレンジアミン)、1,11−ウンデカンジアミンが望ましく、1,10−デカンジアミン(デカメチレンジアミン)がより望ましい。
半芳香族ポリアミド樹脂は、芳香族ジカルボン酸化合物と脂肪族ジアミン化合物との重縮合体が挙げられるが、機能を損ねない範囲で、当該重縮合体に他の単量体を重合させたもの(例えばポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体等)であってもよい。
ここで、ポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体において、ポリエーテル鎖を構成するポリエーテルとしては、例えば、アルキレンの炭素数が2個以上6個以下(望ましくは2個以上4個以下)のポリアルキレングリコールが挙げられ、具体的には例えば、ポリテトラメチレングリコール(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、これらの共重合体(例えば、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体等)等が挙げられる。
その他添加剤について説明する。
その他添加剤としては、導電剤が挙げられる。導電剤としてはカーボンブラックが代表的なものとして挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等が挙げられる。
その他添加剤としては、例えば、管状体の熱劣化を防止するための酸化防止剤や、流動性を向上させるための界面活性剤等周知の添加剤も挙げられる。
なお、本実施形態に係る管状体の製造方法により、得られる管状体は、例えば、画像形成装置用のベルト(例えば、中間転写ベルト、記録媒体搬送転写ベルト)に適用され得る。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、「phr」は、樹脂100質量部に対する質量部を示す。
(実施例1)
結晶性熱可塑性樹脂としてポリアミド10T(ダイセルエボニック社製:Vestamid F2001:芳香族ジカルボン酸化合物であるテレフタル酸と脂肪族ジアミン化合物である1,10−デカンジアミンとの縮合体:芳香族ジカルボン酸化合物が持つ芳香環がベンゼン環で、脂肪族ジアミン化合物のアルキル基数が10個)100部に対して、導電剤としてカーボンブラック(キャボット社:M880)20部を、2軸溶融混練機(パーカーコーポレーション社製 HK−25D)を用いて、主要バレル温度280℃、モータートルク150N・m以上170N・m以下の範囲にて溶融混練し、樹脂ペレットとした。
次に、単軸押出成形機(三葉製作所社製 40V24D−HB)のバレルに、フルフライト型スクリュー(1)[直径D=40mm、圧縮部長さLc=200mm、Lc/D=5]を挿入し、押出ダイとしてクロスヘッド金型を装着し、主要バレル温度280℃にて、管状体を押出成形し、冷却の後に、切断し、Φ160mm、膜厚100μm、長さ250mmの管状体を得た。
なお、押出成形時のモータートルクは定格の60%以上70%以下の範囲内、樹脂圧力は8MPa以上14MPa以下の範囲内であり、押出成形中にトルク異常の現象は発生しなかった。
(実施例2)
結晶性熱可塑性樹脂としてポリアミド12(宇部興産社製:Ubestar 3030XU:脂肪族ジアミン化合物のアルキル基数が12個)100部に対して、導電剤としてカーボンブラック(キャボット社:M880)28部を、2軸溶融混練機(パーカーコーポレーション社製 HK−25D)を用いて、主要バレル温度230℃、モータートルク150N・m以上170N・m以下の範囲にて溶融混練し、樹脂ペレットとした。
次に、単軸押出成形機(三葉製作所社製 40V24D−HB)のバレルに、フルフライト型スクリュー(2)[直径D=40mm、圧縮部長さLc=80mm、Lc/D=2]を挿入し、押出ダイとしてクロスヘッド金型を装着し、主要バレル温度230℃にて、管状体を押出成形し、冷却の後に、切断し、Φ160mm、膜厚100μm、長さ250mmの管状体を得た。
なお、押出成形時のモータートルクは定格の55%以上70%以下の範囲内、樹脂圧力は6MPa以上12MPa以下の範囲内であり、押出成形中にトルク異常の現象は発生しなかった。
(実施例3)
結晶性熱可塑性樹脂としてポリアミド9T(クラレ社:Genestar N1000D:芳香族ジカルボン化合物であるテレフタル酸と脂肪族ジアミン化合物である1−9ノナンジアミン/2メチル−1,8−オクタンジアミンとの縮合体:芳香族ジカルボン酸化合物が持つ芳香環がベンゼン環で、脂肪族ジアミン化合物のアルキル基数が9個))100部に対して、導電材としてカーボンブラック(キャボット社:M880)21部を、2軸溶融混練機(パーカーコーポレーション社製 HK−25D 41D)を用いて、主要バレル温度290℃、モータートルク150N・m以上170N・m以下の範囲にて溶融混練し、樹脂ペレットとした。
単軸押出成形機(三葉製作所社製 40V24D−HB)のバレルに、フルフライト型スクリュー(2)[直径D=40mm、圧縮部長さLc=80mm、Lc/D=2]を挿入し、押出ダイとしてクロスヘッド金型を装着し、主要バレル温度290℃にて、管状体を押出成形し、冷却の後に、切断し、Φ160mm、膜厚100μm、長さ250mmの管状体を得た。
なお、押出成形時のモータートルクは定格の60%以上70%以下の範囲内、樹脂圧力は7MPa以上15MPa以下の範囲内であり、押出成形中にトルク異常の現象は発生しなかった。
(実施例4)
フルフライト型スクリュー(2)[直径D=40mm、圧縮部長さLc=240mm、Lc/D=6]を用いた以外は実施例1と同様に管状体を押出成形し、冷却の後に、切断し、Φ160mm、膜厚100μm、長さ250mmの管状体を得た。
なお、押出成形時のモータートルクは定格の55%以上70%以下の範囲内、樹脂圧力は8MPa以上15MPa以下の範囲内であり、押出成形中にトルク異常の現象は発生しなかった。
(比較例1)
実施例1において、単軸押出成形機(三葉製作所社製 40V24D−HB)のバレルに、フルフライト型スクリュー(2)[直径D=40mm、圧縮部長さLc=80mm、Lc/D=2]を挿入した以外は、実施例1と同様にして管状体を成形したところ、モータートルクが上限をオーバーし、管状体が得られなかった。
(比較例2)
実施例2において、単軸押出成形機(三葉製作所社製 40V24D−HB)のバレルに、フルフライト型スクリュー(1)[直径D=40mm、圧縮部長さLc=200mm、Lc/D=5]を挿入し、実施例2と同様にして管状体を成形したところ、モータートルクは定格の10%以上70%以下の範囲内、樹脂圧力上は0MPa以上11MPa以下の範囲内となると共に、吐出量が不安定になり、膜厚のバラツキがある管状体しか得られなかった。
(比較例3)
実施例3において、単軸押出成形機(三葉製作所社製 40V24D−HB)のバレルに、フルフライト型スクリュー(1)[直径D=40mm、圧縮部長さLc=200mm、Lc/D=5]を挿入し、実施例3と同様にして管状体を成形したところ、モータートルクは定格の15%以上70%以下の範囲内、樹脂圧力上は0MPa以上25MPa以下の範囲内となると共に、吐出量が不安定になり、膜厚のバラツキがある管状体しか得られなかった。
(比較例4)
実施例3において、単軸押出成形機(三葉製作所社製 40V24D−HB)のバレルに、フルフライト型スクリュー(1)[直径D=40mm、圧縮部長さLc=240mm、Lc/D=6]を挿入し、実施例3と同様にして管状体を成形したところ、モータートルクは定格の20%以上70%以下の範囲内、樹脂圧力上は2MPa以上20Pa以下の範囲内となると共に、吐出量が不安定になり、膜厚のバラツキがある管状体しか得られなかった。
(評価)
−膜厚−
各例で得られた管状体の膜厚を測定した。
膜厚は、マイクロメーターを用いて、管状体1本当たり軸方向3点、周方向8点測定し、平均値(平均膜厚)、膜厚最大値と膜厚最小値の差を調べた。膜厚最大値と膜厚最小値の差を膜厚バラツキとした。
−電気抵抗特性−
各例で得られた管状体について、常温常湿(温度22℃、湿度55RH%)環境下で、電圧100Vを印加して測定したときの表面抵抗率を評価した。
−色ずれ特性−
各例で得られた管状体を中間転写ベルトとして、画像形成装置「富士ゼロックス社製C2250」に搭載し、10℃/10%RHの低温低湿環境下(転写時における中間転写ベルト表面での用紙剥離にともなう放電が起きやすい環境下)で、連続、100枚の画像出力した後、色ずれ評価を行った。
ここで、色ずれ評価は以下の基準で評価した。
A:色ずれなし
B:わずかに色ずれがあるが許容レベル
C:色ずれ大(許容できないレベル)
−環境依存性−
各例で得られた管状体について、低温低湿(温度10℃、湿度10RH%)環境下で、電圧100Vを印加して測定したときの表面抵抗率と、高温高湿(温度30℃、湿度85RH%)環境下で、電圧100Vを印加して測定したときの表面抵抗率と、をそれぞれ測定し、その差を環境依存性として評価した。
−電圧依存性−
各例で得られた管状体について、常温常湿(温度22℃、湿度55RH%)環境下で、電圧100Vを印加して測定したときの表面抵抗率と、常温常湿(温度22℃、湿度55RH%)環境下で、電圧1000Vを印加して測定したときの表面抵抗率と、をそれぞれ測定し、その差を電圧依存性として評価した。
−圧縮弾性率評価−
各例で得られた管状体について、常湿時の圧縮弾性率E1、飽和吸湿時の圧縮弾性率E2、その差分(E1−E2)について調べた。
−クリーニング維持性−
各例で得られた管状体を中間転写ベルトとして、画像形成装置「富士ゼロックス社製C2250」に搭載し、28℃/85%RHの高温高湿環境下で、連続、50,000枚の画像出力した後、ハーフトーン(マゼンダ30%)画像について、クリーニング維持性の確認を行った。
ここで、クリーニング不良の発生は以下の基準で評価した。
A:クリーニング不良による白抜けの発生無し
B:クリーニング不良により僅かな白抜けの発生あり(許容レベル)
C:クリーニング不良により顕著な白抜けが発生(許容できない)
各例の詳細と共に、以上の評価結果を表1及び表2に一覧にして示す。
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、膜厚のバラツキが抑制された管状体が得られることがわかる。
また、本実施例で得られた管状体は、色ずれ特性、電気特性、圧縮弾性率、クリーニング維持性等の評価についても、良好な結果が得られていることがわかる。
10 押出成形機
20 樹脂供給部
21 筒状部材(ホッパー)
30 樹脂溶融搬送部
31 加熱源
32 筒状部(バレル)
33 搬送部材(スクリュー)
33A 軸体
33B 突起部
34A 供給部
34B 圧縮部
34C 計量部
40 管状成形部
41 成形用押出口金(押出ダイ)
50 冷却部
51 冷却源

Claims (2)

  1. 結晶性熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を準備する工程と、
    加熱源を持つ筒状部と、前記筒状部の内部に挿入され、軸体及び前記軸体の外周面に螺旋状に設けられた突起部を持つ搬送部材であって、供給部、圧縮部及び計量部に区分される搬送部材と、を備える押出成形機を用いて、一端から他端へ向けて筒状部内部で、前記加熱源の加熱と共に、前記搬送部材の回転により、前記樹脂組成物を溶融しつつ、混練して搬送した後、溶融した前記樹脂組成物を押出して管状体を成形する工程と、
    を有し、
    前記結晶性熱可塑性樹脂の示差走査熱量計による結晶溶融終了温度と結晶溶融開始温度との差を△Tm(℃)、前記搬送部材の直径をD(mm)、前記搬送部材の圧縮部の長さをLc(mm)としたとき、下記式(1)の関係を満たし、
    且つ前記結晶性熱可塑性樹脂の溶融開始位置と溶融終了位置が、前記搬送部材の圧縮部内で生じるようにする管状体の製造方法。
    ・式(1):(△Tm/10)−3<Lc/D<(△Tm/10)+1
  2. 結晶性熱可塑性樹脂が、芳香族ジカルボン酸化合物とアルキル基数が9個以上13個以下の脂肪族ジアミン化合物とから誘導される繰り返し単位構造を少なくとも有する半芳香族ポリアミド樹脂である請求項1に記載の管状体の製造方法。
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