JP5104661B2 - 炭素繊維織物および繊維強化プラスチックの製造方法 - Google Patents
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Description
また、本発明の炭素繊維織物の製造方法の好ましい態様によれば、前記コア部の一部に鍔部が構成されており、前記パッケージが前記鍔部により据え置かれていることである。
(a)溶媒または分散媒が水である樹脂溶液(ソリューション:溶媒中に溶質が溶けあっている液体)、
(b)乳濁液(エマルジョン:液体である分散質が分散媒中に分散している液体)
または
(c)懸濁液(サスペンジョン:固体である分散質が分散媒中に分散している液体)
の態様で補助繊維糸条に付着されることが好ましい。
本工程は、たて糸を織機に導く工程である。たて糸に炭素繊維糸条を用い、よこ糸に補助繊維糸条を用いる場合は、炭素繊維糸条を各ボビンから解舒して引き揃えて、直接織機に導いて製織することが好ましい。各ボビンの炭素繊維糸条を、一旦、整経または部分整経(ビーミング)してから、シート状のたて糸群を引き揃えて織機に導くと、特に、総繊度が400〜4,000texである太繊度の炭素繊維糸条を用いた場合、各炭素繊維糸条での厚みムラが発生し易いため、糸条間に糸長の差が生じる場合が多い。上記問題は、整経または部分整経を行わずに、各ボビンから炭素繊維糸条をそれぞれ引き揃えて直接織機に導き製織することによって解消される。
本工程は、よこ糸をたて糸と交錯させて織物を織成する工程である。よこ糸とたて糸との交錯には、例えばシャトル織機、レピア織機、ニードル織機、ウォータージェット織機、エアジェット織機および三次元用特殊織機などの織機を用いることができる。例えば、よこ糸に補助繊維糸条を用い、たて糸に炭素繊維糸条を用いる場合は、エアジェット織機が特に好ましく用いられる。逆に、よこ糸に炭素繊維糸条を用い、たて糸に補助繊維糸条を用いる場合は、シャトル織機またはレピア織機が特に好ましく用いられる。
本工程は、織物を巻き取って巻物にする工程である。本発明で得られる炭素繊維織物は、その開口率は5%未満であることが好ましい。開口率が5%以上であると、本発明の課題であるFRPに成形したときに、FRPにおいて樹脂リッチ部分を形成することとなり、外観品位、特に表面平滑性に優れるものが得られ難いだけでなく、軽量性、耐久性(疲労強度)、耐環境性などに劣る場合がある。開口率は低ければ樹脂リッチ部分を最小限に抑制でき表面平滑性に優れるFRPを得やすいが、成形方法によっては含浸性を損なう場合がある。そのため、開口率は0.5〜3%の範囲内であることが特に好ましい態様である。
たて糸に、炭素繊維糸条(JIS R7601に沿って測定された引張強度4,900MPa、引張弾性率234GPa、総繊度800tex、フィラメント数12,000本、単繊維直径7μm、撚数0ターン/m、扁平率70の扁平状炭素繊維糸条)を用い、よこ糸に、補助繊維糸条としてガラス繊維糸条1(総繊度4.2tex、0.4ターン/cm)を用いて、たて糸密度が2.5本/cm、よこ糸密度が3本/cmである一方向性織物1(炭素繊維目付200g/m2)を製織した。
よこ糸に、補助繊維糸条としてガラス繊維糸条2(繊度1.7tex、0.4ターン/cm)を用いた点、ガラス繊維糸条2として、図2に示す形態、すなわち、ガラス繊維糸条2がコア部3bに巻き取られたパッケージ20中において、表面処理剤の付着量が1重量%を超える非製品部1bと、表面処理剤の付着量が0.5〜1重量%で実質的に一定の製品部2bとが存在し、非製品部1bおよび製品部2bがコア部3bの一部のみを用いた巻姿で、非製品部1bと製品部2bとの巻姿が異なるように、巻き取られたものを用いた点、(B)織成工程のよこ糸の打込において、ガラス繊維糸条2のパッケージ内の非製品部と製品部とを、前記のパッケージの巻姿の形態により判別して、ガラス繊維糸条2の製品部のみを用いて、エアジェット織機にて打ち込んだ点、としたこと以外は、実施例1と同様にして一方向性織物2を得た。
マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂1と、補助繊維糸条としてガラス繊維糸条1とを用いて、補助繊維糸条を一方向に配列した体積含有率が60%のFRP−1を成形した。具体的には、補助繊維糸条をループ状に枷に巻き付け一方向に配列させ、雄型と雌型とでの金型で形成されたキャビティ内に配置し、エポキシ樹脂1(180℃硬化タイプ)を含浸させ、1.5℃/分で180℃の温度まで昇温し、180℃の温度に到達後120分間保持して硬化させ、2.5℃/分で60℃の温度まで降温してFRP−1を得た。前記のFRP−1から試験片を切り出して、JIS−K7078(1991)「炭素繊維強化プラスチックの層間せん断試験方法」に規定される方法に従って層間せん断強度を測定した結果、常温乾燥環境下で98MPa、湿熱処理後の高温環境下で45MPaと、高い値であった。
実施例3と同様にして、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂2(180℃硬化タイプ)と、補助繊維糸条としてガラス繊維糸条2とを用いて、補助繊維糸条を一方向に配列した体積含有率が60%のFRP−3を成形した。前記FRP−3から試験片を切り出して、JIS−K7078(1991)「炭素繊維強化プラスチックの層間せん断試験方法」に規定される方法に従って層間せん断強度を測定した結果、常温乾燥環境下で95MPa、湿熱処理後の高温環境下で50MPaと、実施例3と同等の高い値であった。
よこ糸に、補助繊維糸条としてガラス繊維糸条3(デンプン糊剤および植物油をそれぞれ10および2.5重量%含むデンプン系集束剤、繊度34tex、0.4ターン/cm)を用いた点、ガラス繊維糸条3として、ガラス繊維糸条3がコアに巻き取られたパッケージ中において、表面処理剤の付着量が0.4〜0.8重量%で実質的に一定の製品部のみが存在し、製品部がコアの全長を用いた巻姿で、巻き取られたものを用いた点、(B)織成工程のよこ糸の打込において、ガラス繊維糸条3のパッケージ内の製品部のみを判別せずに用いた点、としたこと以外は、実施例1と同様にして一方向性織物3を得た。
実施例3と同様にして、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂1と、補助繊維糸条としてガラス繊維糸条3とを用いて、補助繊維糸条を一方向に配列した体積含有率が60%のFRP−5を成形した。前記のFRP−5から試験片を切り出して、JIS−K7078(1991)「炭素繊維強化プラスチックの層間せん断試験方法」に規定される方法に従って層間せん断強度を測定した結果、常温乾燥環境下で100MPa、湿熱処理後の高温環境下で測定不能なレベルで10MPa以下と、特に湿熱処理後の高温環境下において大幅に低い値であった。
よこ糸に、実施例1と同様のガラス繊維糸条1を用い、ガラス繊維糸条1として、図3に示す形態、すなわち、ガラス繊維糸条1がコア部3cに巻き取られたパッケージ30中において、非製品部1cと製品部2cとが区別されずにコア部3cの全長を用いた巻姿で、巻き取られたものを用いた点、(B)織成工程のよこ糸の打込において、よこ糸の長さを測長して、ガラス繊維糸条1のパッケージ内の非製品部と製品部を判別した点、としたこと以外は、実施例1と同様にして一方向性織物4を得た。
2a、2b、2c:製品部
3a、3b、3c:コア部
4a、4b、4c:鍔部(コア部の一部)
10、20、30:補助繊維糸条のパッケージ
Claims (9)
- 炭素繊維糸条および前記炭素繊維糸条より総繊度が細繊度でかつ紡糸時に直接付着された、接着成分を必須成分として含有する表面処理剤が付着した補助繊維糸条からなる炭素繊維織物の製造方法であって、前記補助繊維糸条がコア部に連続して巻き取られたパッケージ中において、連続した補助繊維糸条のパッケージ巻始側に位置する表面処理剤の付着量が過多な非製品部と、パッケージ巻終側に位置する表面処理剤の付着量が実質的に一定の製品部とが存在し、非製品部と製品部との巻姿は、非製品部がコア部の一部のみを用いた巻姿であり、かつ、製品部が非製品部を覆ってコア部の全長を用いた巻姿となるよう、実質的に異なるように巻き取られており、前記コア部の露出範囲によりパッケージ内の非製品部と製品部とを判別して、前記補助繊維糸条の製品部のみを用いて製織する炭素繊維織物の製造方法。
- コア部の一部に鍔部が構成されており、前記パッケージが前記鍔部により据え置かれている、請求項1に記載の炭素繊維織物の製造方法。
- 補助繊維糸条がガラス繊維糸条であり、その総繊度が1〜10texの範囲内でその単繊維直径が3〜6μmの範囲内であり、表面処理剤に接着成分としてシランカップリング剤が含まれている、請求項1または2に記載の炭素繊維織物の製造方法。
- 非製品部の表面処理剤の付着量が1.5重量%を超え15重量%未満であり、かつ、製品部の表面処理剤の付着量が0.1〜1.5重量%の範囲内である、請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維織物の製造方法。
- 炭素繊維糸条をたて糸とし、補助繊維糸条をよこ糸として用い、かつ、前記補助繊維糸条をよこ糸として打ち込む際に、コア部の露出範囲の変化をセンサーで検知して前記補助繊維糸条の供給を自動的に停止する、請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維織物の製造方法。
- センサーで検知した後、補助繊維糸条の供給を自動的に停止する動作と連動して、別途用意している補助繊維糸条の供給を開始する、請求項5に記載の炭素繊維織物の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の炭素繊維織物の製造方法により得られた炭素繊維織物とマトリックス樹脂とで構成される繊維強化プラスチックの製造方法であって、前記マトリックス樹脂と補助繊維糸条とを用いて補助繊維糸条を一方向に配列した体積含有率が53〜65%の試験片を成形したとき、前記試験片が、常温乾燥環境下での層間せん断強度が85MPa以上であり、かつ、湿熱処理後の高温環境下での層間せん断強度が35MPa以上である補助繊維糸条とマトリックス樹脂とを組み合わせて繊維強化プラスチックを得る繊維強化プラスチックの製造方法。
- 試験片が、90°方向の常温乾燥環境下での曲げ強度が70MPa以上であり、かつ、湿熱処理後の高温環境下での曲げ強度が30MPa以上である補助繊維糸条とマトリックス樹脂とを組み合わせて繊維強化プラスチックを得る、請求項7に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
- マトリックス樹脂がエポキシ樹脂であり、表面処理剤と前記マトリックス樹脂とが相溶するものを選択して用いる、請求項7または8に記載の繊維強化プラスチックの製造方法。
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