JP5104357B2 - ラマン増幅装置ならびに分布ラマン増幅システムおよびその立ち上げ方法 - Google Patents
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Description
また、伝送路分布ラマン増幅の利得一定制御を従来技術に照らして高精度化することも他の目的とすることができる。
なお、上記目的に限らず、後述する発明を実施するための最良の形態に示す各構成により導かれる効果であって、従来の技術によっては得られない効果を奏することも本発明の他の目的として位置づけることができる。
(5)さらに、上記(1)において、該伝送特性導出部は、該関数情報保持部で保持する前記関数情報に基づき、該監視信号波長光レベル取得部で取得した前記監視信号波長光の受信レベルを補正した補正値を導出するとともに、該伝送特性導出部で導出した前記監視信号波長光の受信レベルの補正値の異常を判定する監視信号異常判定部をそなえることもできる。
〔A〕第1実施形態の説明
・概略構成
図1は第1実施形態にかかる分布ラマン増幅システムを示す図である。この図1に示す分布ラマン増幅システムは、光伝送路3をそなえるとともに、光伝送路3の一端側および他端側にそれぞれ接続された第1および第2光伝送装置1,2をそなえ、光伝送路3を伝搬する光を分布ラマン増幅するようになっている。
光主信号の一部について分岐器15を介して入力されて、その光パワーPsigoをモニタするものである。又、光監視信号源(OS)13は、光伝送路3を介して第2光伝送装置2に伝送する光監視信号を出力する第1光監視信号源である。合波器16は、光監視信号源13からの光監視信号を分岐器15からの光主信号に合波して、光伝送路3に出力する。
また、光監視信号出力モニタ14は、光監視信号源13から出力される光監視信号の一部について分岐器17を介して入力されて、そのパワーPscoをモニタするものである。
従って、上述の光主信号出力モニタ12および光監視信号出力モニタ14が協働することにより、第1光伝送装置1から送信され光伝送路3に出力される光主信号および第1光監視信号源13から出力される光監視信号のパワーをそれぞれモニタする第1光モニタとしての機能を有している。
また、第2光伝送装置2は、光伝送路を伝搬する光を分布ラマン増幅するラマン増幅装置2Aとしての構成をそなえるとともにEDFA2Bをそなえている。又、分布ラマン増幅装置2Aは、励起光供給部21,光主信号入力モニタ22,光監視信号入力モニタ23,光監視信号受信部24,演算処理部25および制御部26をそなえている。尚、27a,27bは合分波器、28a,28bは分岐器である。
ところで、前述したように、ラマン増幅の利得制御は、ダイナミックな波長数変動に対応する為には光出力一定制御(ALC)では無く、波長情報を転送する必要が無い利得一定制御(AGC)を行なう必要がある。この利得は励起パワーの増減によって制御を行なう。この利得を常に最適に制御するために、入出力光主信号レベル(Psigo/Psigi)を測定する他に、伝送路損失(loss)の測定の為に入出力光監視信号レベル(Psco/Psci)の計4つを測定することが行なわれる。
Gain=loss−(Psigo−Psigi) …(1)
Loss=Psco−Psci …(2)
なお、ラマン増幅を受ける光主信号の入出力レベル(Psigo/Psigi)のみを用いても伝送路損失は求めることはできないが、ラマン利得を得にくい波長に配置した光監視信号の光送受信レベルを用いることで伝送路損失(loss)を測定することができる。従って、この式(1)に示すように、伝送路損失lossの値を用いることにより、光主信号のラマン利得として導出することが想定できるのである。
そこで、第1実施形態における演算処理部25においては、利得値を求める際に、上述の誤差原因を解消するための補正量を加入することによって、導出される利得値の高精度化を図っている。上述の補正量を加入して利得値を導出するため、演算処理部25は、例えば図4に示すように、記憶部25aおよび演算部25bをそなえている。
したがって、演算部25bにおいては、光伝送装置2として光伝送路3に接続、設置するにあたって、接続されることとなる当該光伝送路3の種別から導かれる物理定数を記憶部25aから取り出すとともに、上述した結合ロスに関する情報についても記憶部25aから取り出す。そして、取り出した情報を用いて、上述の第1〜第3関数を特定するパラメータをそれぞれ導出しておき、記憶部25aに蓄積しておくようにする。
Loss_a=Psco−(Psci−Gainsc−Pscnoise) …(4)
すなわち、前述の式(1),(2)と式(3),(4)とを比較すると、伝送路損失を導出する際には、ラマン励起により生じている監視信号光の雑音量Psignoiseおよび監視信号光の利得による増分Gainscを式(2)から導かれる結果から除去することができる。又、利得値を導出する差異には、上述のPsignoiseおよびGainscのほか、主信号光波長帯における雑音量Psignoiseについても、式(1)から導かれる結果から除去することができる。このようにして、第1実施形態によれば、式(1),(2)の場合よりも導出される伝送路損失やラマン利得の精度を高める(誤差を少なくする)ことができる。
なお、演算部25bで求められた利得値については、制御部26に出力される。これにより、制御部26においては、演算部25bからの利得値に基づいて、ラマン利得値が安定化するように、励起光供給部21に対する励起光パワーを制御することができる。従って、制御部26は、伝送特性導出部をなす演算処理部25で導出したラマン利得が一定となるように励起光供給部21で供給する励起光を制御する励起光制御部として機能する。
上述の構成により、第1実施形態においては、光伝送路3を介して第1光伝送装置1から第2光伝送装置2に対して光主信号を伝送する場合においては、第2光伝送装置2をなすラマン増幅装置2Aにおいて光伝送路3をラマン励起することにより、光主信号のSNを改善させている。このとき、ラマン増幅装置2Aにおいては、演算処理部25および制御部26により、波長数変動によっても安定的なラマン増幅を実現するため、ラマン利得が目標値に安定するように励起光パワーを制御している。
前述の第1実施形態においては、演算部25bにおいては、光伝送装置2として光伝送路3に接続、設置するにあたって、接続されることとなる当該光伝送路3の種別から導かれる物理定数を記憶部25aから取り出して、第1〜第3関数を特定する傾き等のパラメータをそれぞれ導出するようになっている。
3関数をラマン励起パワーとGainscの関係を係数が高い関数と定義する事で、入力監視
信号光レベルについての補正値についての誤差は、GainscとPscnoiseとの間で相殺され、精度の高いラマン利得値として導出することができるので、結果的にはラマン利得を正常に制御する事が出来る。
〔B〕第2実施形態の説明
図8は第2実施形態にかかる分布ラマン増幅システムを示す図である。図8に示す分布ラマン増幅システムは、前述の第1実施形態におけるもの(図1参照)に比して、制御部26Bに、演算処理部25で演算された伝送路損失の値に基づいてアラームを出力する損失異常出力部26aをそなえている点が異なっている。尚、これ以外の構成については前述の第1実施形態の場合と同様であり、図8中、図1と同一の符号はほぼ同様の部分を示している。尚、第1実施形態の場合と同様の励起光制御を行なうこととしてもよい。
〔C〕第3実施形態の説明
図9は第3実施形態にかかる分布ラマン増幅システムを示す図である。図9に示す分布ラマン増幅システムは、第1実施形態におけるものに比して、制御部26Cに、演算処理部25からの光監視信号の受信レベルの補正値の値に基づいて、光監視信号の異常としてアラームを出力する監視信号異常出力部26bをそなえている点が異なっている。尚、これ以外の構成については前述の第1実施形態の場合と同様であり、図9中、図1と同一の符号はほぼ同様の部分を示している。尚、第1実施形態の場合と同様の励起光制御を行なうこととしてもよい。
〔D〕第4実施形態の説明
図10は第4実施形態にかかる分布ラマン増幅システムを示す図である。図10に示す分布ラマン増幅システムは、第1,第2光伝送装置4,5間において、双方向に光主信号および光監視信号を伝搬させるための構成をそなえている。このため、第1光伝送装置4から第2光伝送装置5へ光主信号および光監視信号を伝搬させるための光伝送路3Aとともに、反対方向、即ち第2光伝送装置5から第1光伝送装置4へ光主信号および光監視信号を伝搬させるための光伝送路3Bをそなえている。
図11は図10に示す分布ラマン増幅システムの立ち上げの際に、上述の第1〜第3関数を特定するパラメータを測定により導出する処理を説明するためのフローチャートである。
ついで、ラマン励起を行なわないときの光監視信号レベルを測定する。即ち、第2光伝送装置5における演算処理部25において、第1光監視信号源13が出力する光監視信号の(第1光伝送装置4からの)送信レベルPscoに関する情報とともに、(第2光伝送装置5での)受信レベルPsci_pumpoffに関する情報を取得する(ステップA2)。
Gain_scpumpinit=Psci_pumpon−Psci_noiseinit−Psci_pumpoff …(5)
さらに、第2光監視信号源13−2からの光監視信号を通じて、光伝送装置4の光アンプ11がオフ制御されるとともに、励起光供給部21からの励起光の供給によるラマン励起により生じた光伝送路3Aからの雑音量について、主信号波長成分を演算処理部25で取得する。
〔E〕その他
上述した各実施形態にかかわらず、請求項記載の本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
2,5 第2光伝送装置
2A,1C,2C ラマン増幅装置
3,3A,3B 光伝送路
11,2B,29 光アンプ
12,12−2 光主信号出力モニタ
13,13−2 監視信号源
14 監視信号出力モニタ
15,17,28a,28b,28a−1,28b−1 分岐器
16,27a,27b,27a−1,27b−1 合波器
21,21−1 励起光供給部
21a ラマン励起光源
22,22−1 光主信号入力モニタ
23,23−1 監視信号入力モニタ
24,24−1 監視信号受信部
25,25−1 演算処理部
25a 記憶部
25b 演算部
251 補正量導出部
252 補正演算部
26,26B,26C,26−1 制御部
26a 損失異常出力部
26b 監視信号異常出力部
261,263 比較部
262,264 閾値保持部
Claims (8)
- 光伝送路を伝搬する光をラマン増幅するラマン増幅装置であって、
前記ラマン増幅のための励起光を前記光伝送路に供給する励起光供給部と、
前記光伝送路を介して伝送される主信号波長光の送信および受信レベルに関する情報を取得する主信号波長光レベル取得部と、
前記光伝送路を介して伝送される、前記主信号波長と異なる監視信号波長光の送信および受信レベルに関する情報を取得する監視信号波長光レベル取得部と、
該励起光供給部で供給する励起光パワーに対する、該監視信号波長光についての前記ラマン増幅による雑音量および利得を導出する関数についての情報と、該主信号波長光についての前記ラマン増幅による雑音量を導出する関数の情報とを関数情報としてそれぞれ保持する関数情報保持部と、
該関数情報保持部で保持する各関数情報に基づき、該励起光供給部で供給する励起光パワーに対応した、該監視信号波長光についての前記ラマン増幅による雑音量および利得と、該主信号波長光についての前記ラマン増幅による雑音量とを導出するとともに、前記導出した該監視信号波長光についての前記ラマン増幅による雑音量および利得に関する情報と、該監視信号波長光レベル取得部で取得した情報とに基づいて、伝送特性として前記光伝送路での損失特性を導出するとともに、前記導出した該主信号波長光についての前記ラマン増幅による雑音量に関する情報と、該主信号波長光レベル取得部で取得した情報と、前記導出した損失特性とに基づいて、ラマン利得を導出する伝送特性導出部と、をそなえたことを特徴とする、ラマン増幅装置。 - 該関数情報保持部で前記関数情報として保持する関数は、前記光伝送路の物理定数および該励起光供給部からの前記励起光の前記光伝送路への結合効率に応じて導出されたものであることを特徴とする、請求項1記載のラマン増幅装置。
- 該伝送特性導出部で導出したラマン利得が一定となるように該励起光供給部で供給する励起光を制御する励起光制御部をそなえたことを特徴とする、請求項1記載のラマン増幅装置。
- 該伝送特性導出部で導出した前記損失特性の異常を判定する損失異常判定部をそなえたことを特徴とする、請求項1記載のラマン増幅装置。
- 該伝送特性導出部は、該関数情報保持部で保持する前記関数情報に基づき、該監視信号波長光レベル取得部で取得した前記監視信号波長光の受信レベルを補正した補正値を導出するとともに、
該伝送特性導出部で導出した前記監視信号波長光の受信レベルの補正値の異常を判定する監視信号異常判定部をそなえたことを特徴とする、請求項1記載のラマン増幅装置。 - 光伝送路をそなえるとともに、該光伝送路の一端側および他端側にそれぞれ接続された第1および第2光伝送装置をそなえ、該光伝送路を伝搬する光を分布ラマン増幅する分布ラマン増幅システムであって、
該第1光伝送装置に、
光主信号の波長帯域外に波長が設定され、前記光伝送路を介して該第2光伝送装置に伝送する光監視信号を出力する第1光監視信号源をそなえるとともに、
該第1光伝送装置から送信され該光伝送路に入力する光主信号および該第1光監視信号源から出力される前記光監視信号のパワーをそれぞれモニタする第1光モニタをそなえ、
該第2光伝送装置に、前記光伝送路から該第2光伝送装置に入力され受信される前記光主信号および光監視信号の光波長帯のパワーをそれぞれモニタする第2光モニタをそなえるとともに、
該第1および第2光伝送装置の一方または双方に、前記分布ラマン増幅のための励起光を前記光伝送路に供給する励起光供給部をそなえ、
かつ、該第1および第2光伝送装置の一方に、
該第1および第2光モニタからのモニタ結果をもとに、対向装置との間で前記光伝送路を介して伝送される主信号波長光の送信および受信レベルに関する情報を取得する主信号波長光レベル取得部と、
該第1および第2光モニタからのモニタ結果をもとに、前記対向装置との間で前記光伝送路を介して伝送される、前記主信号波長と異なる監視信号波長光の送信および受信レベルに関する情報を取得する監視信号波長光レベル取得部と、
該励起光供給部で供給する励起光パワーに対する、該監視信号波長光についての前記ラマン増幅による雑音量および利得を導出する関数情報と、該主信号波長光についての前記ラマン増幅による雑音量を導出する関数情報とをそれぞれ保持する関数情報保持部と、
該関数情報保持部で保持する各関数情報に基づき、該励起光供給部で供給する励起光パワーに対応した、該監視信号波長光についての前記ラマン増幅による雑音量および利得と、該主信号波長光についての前記ラマン増幅による雑音量とを導出するとともに、前記導出した該監視信号波長光についての前記ラマン増幅による雑音量および利得に関する情報と、該監視信号波長光レベル取得部で取得した情報とに基づいて、伝送特性として前記光伝送路での損失特性を導出するとともに、前記導出した該主信号波長光についての前記ラマン増幅による雑音量に関する情報と、該主信号波長光レベル取得部で取得した情報と、前記導出した損失特性とに基づいて、ラマン利得を導出する伝送特性導出部と、をそなえたことを特徴とする、分布ラマン増幅システム。 - 該第2光伝送装置に、光主信号の波長帯域外に波長が設定されて該第1光伝送装置に伝送すべき光監視信号を出力する第2光監視信号源をそなえるとともに、
該第1光モニタの入力側に、入力される光主信号を増幅する光アンプがそなえられ、該光アンプは、該第2光監視信号源からの光監視信号を通じてオンオフ制御可能に構成されたことを特徴とする、請求項6記載の分布ラマン増幅システム。 - 請求項7記載の分布ラマン増幅システムの立ち上げ方法であって、
該励起光供給部からの前記励起光の供給とともに該第1光伝送装置から該光伝送路への光主信号の伝搬をオフとしつつ、該監視信号波長光レベル取得部において、該第1光監視信号源が出力する前記光監視信号の前記送信および受信レベルに関する情報を取得し、
該励起光供給部からの前記励起光の供給をオンとして、該監視信号波長光レベル取得部において、該第1光監視信号源が出力する前記光監視信号の前記送信および受信レベルに関する情報を取得し、
該第1光監視信号源からの前記光監視信号の出力を一定時間オフする一方、前記オフとしている一定時間において、該励起光供給部からの前記励起光の供給によるラマン励起で生じた前記光伝送路からの雑音量について、前記監視信号波長成分を該監視信号波長光レベル取得部で取得し、
該第2光監視信号源からの光監視信号を通じて該光アンプがオフ制御されるとともに、該励起光供給部からの前記励起光の供給によるラマン励起により生じた前記光伝送路からの雑音量について、前記主信号波長成分を該主信号波長光レベル取得部で取得し、
前記取得した前記光監視信号の前記送信および受信レベルに関する情報および前記監視信号波長成分の雑音量に基づいて、該励起光供給部で供給する励起光パワーに対する、監視信号波長帯における前記ラマン増幅による雑音量および利得を導出する関数をそれぞれ定立するとともに、当該各関数を定義するパラメータを前記関数情報として該関数情報記憶部に記憶し、
前記取得した前記主信号波長成分の雑音量に基づいて、該励起光供給部で供給する励起光パワーに対する、主信号波長帯における前記ラマン増幅による雑音量を導出する関数を定立するとともに、当該関数を定義するパラメータを前記関数情報として該関数情報記憶部に記憶することを特徴とする、分布ラマン増幅システムの立ち上げ方法。
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