以下に本発明の実施の形態を説明するが、本明細書に記載の発明と、発明の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本明細書に記載されている発明をサポートする実施の形態が本明細書に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、発明に対応するものとして、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明以外の発明には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、本明細書に記載されている発明の全てを意味するものではない。換言すれば、この記載は、本明細書に記載されている発明であって、この出願では請求されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により出現、追加される発明の存在を否定するものではない。
即ち、本発明の一側面の検知装置は、未知の容量からなる複数の第1の蓄電器(例えば、図26のコンデンサCx1乃至Cx4)の容量を、それぞれ計測する計測部(例えば、図27の計測部113)と、前記複数の第1の蓄電器に電気的に接続され、近接した位置に配置された人体が直接、または、絶縁物を介して間接的に接触する複数の接触部(例えば、図26の電極E1乃至E4)と、前記計測部により計測された複数の第1の蓄電器の容量と、前記第1の蓄電器毎の閾値との比較結果に基づいて、前記接触部に人体が直接、または間接的に接触したか否かを判定する判定部(例えば、図27の制御部112)と、前記計測部により計測された計測結果である複数の第1の蓄電器毎の計測結果を、それぞれ累積的に記憶する記憶部(例えば、図27の記憶部112a)と、前記記憶部に記憶されている計測結果に基づいて、前記複数の第1の蓄電器毎の参照容量を計算する参照容量計算部(例えば、図27の参照値計算部112b)と、前記複数の第1の蓄電器毎の参照容量と、前記計測部により計測された複数の第1の蓄電器毎の計測結果との差分絶対値を計算する差分計算部(例えば、図27の差分計算部112c)と、前記差分計算部により計算された複数の第1の蓄電器毎の差分絶対値和のうち、各第1の蓄電器の差分絶対値を除いた値に基づいて、前記第1の蓄電器毎の閾値を調整する調整部(例えば、図27の閾値調整部112d)とを含む。
既知の容量からなる第2の蓄電器(例えば、図26のコンデンサCs11)と、前記第1の蓄電器(例えば、図26のコンデンサCx1乃至Cx4)とが直列に接続され、一方の端部が接地された回路と、一方の端部が、前記回路の他方の端部に接続されて、かつ、他方の端部が接地された構成の蓄電器であり、前記蓄電器の一方の端部より、前記回路の他方の端部に、自らの充電電圧を印加して、前記第1の蓄電器、および、既知の容量からなる第2の蓄電器に電荷を充電する第3の蓄電器(例えば、図26のコンデンサCa)と、前記第3の蓄電器に充電された電荷の一部を放電すると共に、前記第2の蓄電器に充電された全電荷を放電する第1の放電部(例えば、図2のスイッチSW2)と、前記第1の蓄電器に充電された全電荷を、前記第1の放電部と略同一のタイミングで放電する第2の放電部(例えば、図2のスイッチSW3)と、前記第1の放電部、および、前記第2の放電部の放電回数を計測する回数計測部(例えば、図27のカウンタ112a)と、前記第1の蓄電器の充電電圧と、基準電圧とを比較する比較部(例えば、図27の比較部113b)とをさらに含ませるようにすることができ、前記計測部(例えば、図27の計測部113)には、前記第1の放電部、および、前記第2の放電部による放電が繰り返される場合、前記比較部の比較結果により、前記第1の蓄電器の充電電圧が、前記基準電圧と一致した、または、前記基準電圧より小さくなったとき、そのときの前記回数計測部により計測された放電回数に基づいて、前記第1の蓄電器の容量を計算することにより前記第1の蓄電器の容量を計測させるようにすることができる。
前記第1の放電部には、前記第3の蓄電器(例えば、図26のコンデンサCa)に直列に接続された抵抗を介して、所定の時間(例えば、図7の時刻t1以降の(時刻t(i+1)−時刻ti))だけ前記第3の蓄電器に充電された電荷を放電することにより、前記第3の蓄電器に充電された電荷の一部を放電させるようにすることができる。
前記第3の蓄電器(例えば、図26のコンデンサCa)を所定の充電電圧で充電する充電部をさらに設けるようにさせることができ、前記充電部(例えば、図2の電源Vcc)には、前記第3の蓄電器を直接充電させるようにすることができる。
前記第3の蓄電器を所定の充電電圧で充電する充電部(例えば、図13の電源Vcc)をさらに設けるようにさせることができ、前記第1の放電部は、一方の端部が接地され、他方の端部が前記回路と前記抵抗の間に接続されており、前記充電部は、前記第1の放電部の他方の端部と同位置から、前記第3の蓄電器を充電するようにすることができる。
前記抵抗と並列に、前記第3の蓄電器の方向に対して順方向にダイオード(例えば、図26のダイオードD21)を設けるようにさせることができる。
1の既知の容量からなる第2の蓄電器と、複数の前記第1の蓄電器とを切り替えて直列に接続する切替部(例えば、図27の切替部101)をさらに設けるようにさせることができる。
前記調整部(例えば、図27の閾値調整部112d)には、前記差分計算部により計算された複数の第1の蓄電器毎の差分絶対値和のうち、前記各第1の蓄電器の差分絶対値を除いた値を、前記第1の蓄電器毎の閾値より減算することにより前記閾値を調整させるようにすることができる。
本発明の一側面の検知方法は、未知の容量からなる複数の第1の蓄電器の容量を、それぞれ計測する計測ステップ(例えば、図5のステップS34)と、前記計測部により計測された複数の第1の蓄電器の容量と、前記第1の蓄電器毎の閾値との比較結果に基づいて、前記接触部に人体が直接、または間接的に接触したか否かを判定する判定ステップ(例えば、図28のステップS75,S76)と、前記計測ステップの処理により計測された計測結果である複数の第1の蓄電器毎の計測結果を、それぞれ累積的に記憶する記憶ステップ(例えば、図29のステップS91)と、前記記憶ステップの処理により記憶されている計測結果に基づいて、前記複数の第1の蓄電器毎の参照容量を計算する参照容量計算ステップ(例えば、図29のステップS92)と、前記複数の第1の蓄電器毎の参照容量と、前記計測ステップの処理により計測された複数の第1の蓄電器毎の計測結果との差分絶対値を計算する差分計算ステップ(例えば、図29のステップS93)と、前記差分計算ステップの処理により計算された複数の第1の蓄電器毎の差分絶対値和のうち、各第1の蓄電器の差分絶対値を除いた値に基づいて、前記第1の蓄電器毎の閾値を調整する調整ステップ(例えば、図29のステップS94)とを含む。
尚、プログラムについては、検知方法と同様であるので、その説明は省略する。
図1は、本発明を適用したタッチセンサの実施の形態を示す図である。
マイクロコンピュータ1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、および、ROM(Read Only Memory)などからなり、CPUが、ROMに記憶された所定のプログラムを必要に応じてRAMに展開して、実行することにより各種の処理を実行する。より具体的には、マイクロコンピュータ1は、プログラムを実行することにより、端子P0乃至P2に対して出力信号としてHi、Lowの信号を出力し、HiZ(高インピーダンス状態:入力信号に対して高インピーダンスの状態で信号を受け付けない、出力信号がHiでもLowでもない状態)を設定するすると共に、必要に応じて入力信号(端子の電圧)を測定し、測定結果に応じた処理を実行する。
端子P0は、コンデンサCaに充電する電力を供給する端子であり、Hiに制御されるとき、充電電圧をコンデンサCaに印加する。尚、端子P0は、HiZ(高インピーダンス状態)に制御されるとき、充電を停止する。
端子P1は、コンデンサCaに充電された電荷を抵抗Rを介して放電すると共に、コンデンサCsに充電された電荷を放電する端子であり、Lowに制御されるとき、コンデンサCa,Csに充電された電荷を放電し、HiZに制御されるとき放電を停止する。
端子P2は、コンデンサCxに充電された電荷を放電させると共に、コンデンサCxの充電電圧を測定する端子であり、Lowに制御されるとコンデンサCxに充電された電荷を放電し、HiZに制御されるとコンデンサCxの放電を停止し、さらに、Hiに制御されるとコンデンサCxの充電電圧Vxを測定する。
コンデンサCaは、端子P0より印加される電圧で電荷を充電し、端子P1により抵抗Rを介して電荷を放電する。コンデンサCs,Cxは、直列接続されており、コンデンサCaに充電された電荷により、充電される。
コンデンサCxは、回路構成上の表記であり、電極Eに接触する人体などの静電容量の被計測物を蓄電器として示したものである。従って、コンデンサCxの容量は、電極Eに人体が接触した場合の人体の静電容量であり、人体が電極Eに接触していない場合、非接触状態の静電容量である。
尚、電極Eは、人体が直接接触できる構成としても良いし、絶縁物を介して間接的に接触できる構成としても良いものである。以降の説明においては、電極Eは、人体が絶縁物を介して間接的に接触する形式のものを採用した場合について説明を進めるが、当然のことながら、人体が直接接触する形式のものであって良いことはいうまでもない。ただし、絶縁物を介して接触する形式としている場合、人体が直接接触する形式と比べて、静電容量の変化(人体が、接触している場合と非接触の場合のコンデンサCxの静電容量の差)は、小さくなる。
図2は、図1のタッチセンサの概念を説明する回路図である。
スイッチSW1乃至SW3は、それぞれ端子P0乃至P2の動作状態を端的に示したものである。すなわち、端子P0がHiに制御されると、図2の回路のスイッチSW1は、ONの状態とされ、その結果、電源Vccが、充電電圧VccでコンデンサCaを充電する。一方、端子P0が、HiZに制御されると、スイッチSW1がOFFの状態とされる。また、端子P1が、Lowに制御されると、図の回路のスイッチSW2は、ONにされ、HiZに制御されると、OFFに制御される。
さらに、端子P2が、Lowに制御されると、スイッチSW3は、ONにされ、HiZに制御されるとOFFにされる。また、端子P2が、Hiに制御されると、比較器CompがコンデンサCxの充電電圧Vxと、参照電圧Vrefとを比較し、比較結果を出力する。尚、比較器Compは、後述するマイクロコンピュータ1により実現される機能であり、実際の比較回路ではない。
尚、コンデンサCa,Cs,Cxの充電電圧は、それぞれVa,Vs,Vxで示されるものとする。
次に、図3を参照して、マイクロコンピュータ1により実現される機能について説明する。
制御部11は、マイクロコンピュータ1の動作の全体を制御しており、図示せぬ操作部により動作が指示されると、スイッチ動作部12を制御して、端子P0乃至P2の動作を制御させる。また、制御部11は、計測部13により計測されたコンデンサCxの静電容量の計測結果に基づいて、人体が接触したか否かを判定し、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、またはスピーカなどからなる出力部14を制御して、人体が接触した、または、接触していないという判定結果を提示させる。
端子P0は、スイッチ動作部12よりHiの信号が供給されると、図3には図示しないが、図2のスイッチSW1をONにさせた場合と同様に、電源VccよりコンデンサCaを充電電圧Vccで充電させる。また、端子P0は、スイッチ動作部12によりHiZ状態にされると、図2のスイッチSW1をOFFにさせた場合と同様に、電源VccからコンデンサCaへの電源供給を停止させる。
端子P1は、スイッチ動作部12よりLowの状態にされると、図2のスイッチSW2をONにさせた状態とし、コンデンサCaに充電された電荷を抵抗Rを介して徐々に接地点から放電させると共に、コンデンサCsの充電電荷を接地点から瞬時に全量放電させる。また、端子P1は、スイッチ動作部12よりHiZの状態にされると、図2のスイッチSW2をOFFにさせた状態とし、コンデンサCaと、コンデンサCs,Cxの合成コンデンサとを並列に接続した状態にする。
端子P2は、スイッチ動作部12よりLowの状態にされると、図2のスイッチSW3をONにさせた状態とし、コンデンサCxに充電された充電電荷を放電させる。また、端子P2は、スイッチ動作部12よりHiZの状態にされると、スイッチSW3をOFFにさせた状態とし、コンデンサCxの充電電荷を保持する。さらに、端子P2は、スイッチ動作部12よりHiの状態にされると、コンデンサCxの充電電圧を計測する。
スイッチ動作部12は、内蔵するタイマ12aを参照して、所定の時間間隔毎に、端子P0乃至P2の動作を制御する。より詳細には、スイッチ動作部12は、所定の時間間隔毎に端子P0乃至P2をHi、HiZ、またはLowに所定のパターンで周期的に繰り返し切替える。また、スイッチ動作部12は、所定のパターンで繰り返される動作が1周期終了する度に計測部13にその信号を供給する。
計測部13は、端子P2より供給されてくるコンデンサCxの充電電圧Vxを計測すると共に、参照電圧Vrefと比較し、充電電圧Vxが、参照電圧Vrefと一致したか、または、より小さくなった場合、そのときのカウンタ13aに記憶されている処理回数n、コンデンサCa,Csの静電容量、抵抗R、および電源Vccの充電電圧Vccに基づいて、静電容量を計測する。
計測部13のカウンタ13aは、スイッチ動作部12より、所定のパターンで動作が繰り返される度に供給されてくる信号に基づいて、周期の回数(繰り返し処理回数)nをカウントすると共に、その処理回数nを平均で求めるため、処理回数nを計算した回数m、並びに、m回分の処理回数nの総和Nをカウントする。
比較部13bは、図2における比較器Compに対応する構成であり、端子P2より供給されてくる充電電圧Vxと、参照電圧Vrefとを比較し、充電電圧Vxが参照電圧Vrefと一致したか、または、充電電圧Vxが、参照電圧Vrefより小さくなったとき、そのときのカウンタ13aに記憶されている処理回数n、コンデンサCa,Csの静電容量、抵抗R、および電源Vccの充電電圧Vccに基づいて、コンデンサCxの静電容量を計算し、コンデンサCxの計測結果として制御部11に出力する。
次に、図4のフローチャートを参照して、図1のタッチセンサによるタッチスイッチ動作処理について説明する。
ステップS1において、制御部11は、スイッチ動作部12、および、計測部13の動作状態を初期化させる。
ステップS2において、制御部11は、スイッチ動作部12をスイッチ動作させて、計測部13にコンデンサCxの静電容量の計測処理を実行させる。
ここで、図5のフローチャートを参照して、コンデンサCxの静電容量の計測処理について説明する。
ステップS21において、計測部13は、カウンタ13aのカウンタm,Nを初期化して0にする。
ステップS22において、計測部13は、カウンタ13aのカウンタnを初期化して0にする。
ステップS23において、計測部13のカウンタ13aは、カウンタmを1インクリメントする。
ステップS24において、スイッチ動作部12は、端子P0の出力をHiに制御して、電源VccよりコンデンサCaを充電する。すなわち、端子P0の出力がHiに制御されることにより、図2で示されるスイッチSW1がONの状態となり、電源VccよりコンデンサCaに電力が供給され、コンデンサCaが充電電圧Va=Vccで充電される。
ステップS25において、スイッチ動作部12は、タイマ12aに基づいて、所定の時間tだけ端子P0乃至P2を全てHiZ(高インピーダンス状態)に制御して、コンデンサCaの充電状態を保持する。すなわち、端子P0乃至P2がHiZ状態に制御されることにより、図2で示されるスイッチSW1乃至SW2がOFFの状態にされることにより、コンデンサCaは、充電電圧Va=Vccで充電された状態が維持されることになる。
ステップS26において、計測部13のカウンタ13aは、カウンタnを1インクリメントする。
ステップS27において、スイッチ動作部12は、タイマ12aに基づいて、所定の時間だけ、端子P0をHiZに制御し、端子P1,P2をLowに制御することによりコンデンサCa,Cs,Cxに充電された電荷を放電させる。このとき、コンデンサCs,Cxに充電された電荷は、瞬時に接地部を介して放電されることになるが、コンデンサCaに充電された電荷は、抵抗Rを介してスイッチSW2より接地部に放電されることになるため、電荷の放電がゆっくりと進むことになり、所定の時間t内では、コンデンサCaに充電されていた電荷の一部のみが放電される。
ステップS28において、スイッチ動作部12は、タイマ12aに基づいて、所定の時間tだけ、端子P0乃至P2をHiZ状態に制御することにより、コンデンサCaに充電されている電荷(ステップS27の処理により一部が放電された状態で残されている電荷)がコンデンサCs,Cxに移動し、コンデンサCa,Cs,Cxが充電された状態で保持される。このとき、コンデンサCaと、コンデンサCs,Cxの合成コンデンサとは、並列回路が形成されることになるため、コンデンサCaの充電電圧Vaは、コンデンサCs,Cxの充電電圧Vs,Vcの和に等しい状態となる。さらに、コンデンサCs,Cxの充電電圧VsとVxは、コンデンサCs,Cxの容量の逆数比の関係となる。
ステップS29において、スイッチ動作部12は、タイマ12aに基づいて、所定の時間tだけ、端子P2をHi状態に制御することにより、計測部13は、所定の時間tだけ端子P2によりコンデンサCxの充電電圧Vxを計測させることにより、コンデンサCxの充電電圧を取得する。
ステップS30において、計測部13の比較部13bは、計測されたコンデンサCxの充電電圧Vxが、参照電圧Vrefよりも小さいか否かを判定する。例えば、充電電圧Vxが参照電圧Vrefよりも小さくないと判定された場合、その処理は、ステップS26に戻る。すなわち、ステップS30において、充電電圧Vxが参照電圧Vrefよりも小さいと判定されるまで、ステップS26乃至S30の処理が繰り返され、カウンタnの値が、その繰り返し処理回数に応じてインクリメントされる。
ステップS30において、充電電圧Vxが参照電圧Vrefよりも小さいと判定された場合、ステップS31において、計測部13は、ステップS26乃至S30の処理を繰り返した処理回数の総和Nに今求められた処理回数nを加算する。
ステップS32において、計測部13は、繰り返し処理回数nを求めた回数を示すカウンタmが、予め設定されたカウンタmの上限値M以上であるか否かを判定し、カウンタmが上限値M以上ではないと判定された場合、その処理は、ステップS22に戻る。すなわち、カウンタmが上限値M以上となるまで、ステップS22乃至S32の処理が繰り返されることになる。
ステップS32において、カウンタmが上限値M以上であると判定された場合、ステップS33において、計測部13は、コンデンサCxの充電電圧Vxが、参照電圧Vrefに電圧降下するまでのステップS26乃至S30の処理回数nのM回分の平均値をcountとして求める。
ステップS33において、計測部13は、処理回数nの平均値count、コンデンサCa、Csの容量、ステップS25,S27,S28の処理を実行した所定時間t、電源Vccの充電電圧Vcc、および、参照電圧Vrefに基づいて、コンデンサCxの静電容量を計算し、制御部11に出力し、計測処理を終了する。
すなわち、上述の処理をまとめると、ステップS24の処理により、図6の第1ステップの処理が実行され、すなわち、図2のスイッチSW1がONの状態にされる。この処理は、コンデンサCaが充電されるだけの処理であるので、スイッチSW2,SW3は、ONでもOFFでもよい。
結果として、図6の第1ステップの処理により、図7の左部で示されるように、時刻t0において、端子P0が、Hiに制御されることにより、図2のスイッチSW1がONの状態にされて、コンデンサCaが充電電圧Va=Vccで充電される。尚、図7においては、スイッチSW2,SW3がONとなっているが(端子P1,P2がLowであるが)、上部のコンデンサCxの充電電圧は、スイッチSW2,SW3がOFFであって、抵抗Rを介して充電された場合の充電電圧Vx=V_hiを示している。このとき、コンデンサCs,Cxは、直列に接続されているので、Va=Vx+Vcが成り立つことになる。また、コンデンサCs,Cxは、直列に接続されているので、充電電圧Vx,Vcの比率は、Vx:Vs=1/Cs:1/Cxとなる。
尚、図7において、上部のグラフは、太い実線が、コンデンサCaの充電電圧Vaを示し、点線がコンデンサCxの充電電圧Vxを示す。さらに、その下には、端子P2の動作状態が示されており、計測は、端子P2を介して計測部13によりコンデンサCx(の充電電圧Vx)が計測される状態を示し、HiZは、高インピーダンス状態、すなわち、端子P2が出力を行っていない状態を示し、OUT_Lは、Lowに設定された状態を示している。
端子P2の下には、端子P1の動作状態が示されており、HiZは、高インピーダンス状態、すなわち、端子P1が出力を行っていない状態を示し、OUT_Lは、Lowに設定された状態を示している。端子P1の下には、端子P0の動作状態が示されており、HiZは、高インピーダンス状態、すなわち、端子P0が出力を行っていない状態を示し、OUT_Lは、Lowに設定された状態を示している。
また、その下には、スイッチSW3乃至SW1の動作状態がそれぞれ示されている。尚、スイッチSW1の動作は、端子P0に連動して、端子P0がHiに設定されたときのみ、ONの状態にされ、それ以外のときオフの状態である。また、スイッチSW2,SW3の動作は、端子P1,P2に連動して、端子P1,P2がLowに設定されたときのみ、ONの状態にされ、それ以外のときOFFの状態である。また、図7上で示される各種の処理タイミングは、マイクロコンピュータ1で実装されるプログラムにより、例えば、図7上で同一のタイミングであっても、処理の手順により多少前後することがあるが、動作全体からみて十分無視できるレベルである。
さらに、ステップS25の処理により、図6の第2ステップの処理が実行され、すなわち、図2のスイッチSW1乃至SW3がOFFの状態にされる。結果として、図6の第2ステップの処理により、図7の左部で示されるように、時刻t1において、端子P0乃至P2が、HiZに制御されることにより、図2のスイッチSW1乃至SW3がOFFの状態にされて、コンデンサCaが充電電圧Va=Vccで充電されたままの状態が保持される。
そして、ステップS27の処理により、図6の第3ステップの処理が実行され、すなわち、図2のスイッチSW1がOFFにされ、スイッチSW2,SW3がONにされる。結果として、図6の第3ステップの処理により、図7の左部で示されるように、時刻t2において、端子P1,P2が、Lowに制御されることにより、図2のスイッチSW2,SW3がONの状態にされて、コンデンサCx,Csに充電されていた電荷の全量が放電されると共に、コンデンサCaに充電されていた電荷が抵抗Rを介してゆっくりと一部のみが放電される。
さらに、ステップS28の処理により、図6の第4ステップの処理が実行され、すなわち、図2のスイッチSW1乃至SW3がOFFにされる。結果として、時刻t3において、コンデンサCaより時刻t2乃至t3間(時間t)で一部抵抗Rを介して電荷が放出された後、コンデンサCaに残っている電荷によりコンデンサCa,Cs,Cxが充電された状態で維持される。すなわち、時刻t2乃至t3間で、コンデンサCaの充電電荷が一部放出されることにより、図7で示されるように、コンデンサCaの充電電圧Vaは、減少する。従って、上述したように、第1ステップの処理で、スイッチSW1,SW2がOFFにされていた場合、コンデンサCxに充電されていた充電電圧Vxも、これに伴って、当初の充電電圧V_hiよりも減少することになる。しかしながら、コンデンサCs,Cxの充電電圧Vs,Vxの比率は一定のまま維持される。
そして、ステップS29の処理により、図6の第5ステップの処理、すなわち、図2のスイッチSW1乃至SW3がOFFのままであるが、時刻t4において、計測部13が、端子P2を介してコンデンサCxの充電電圧Vxを計測し、計測した充電電圧Vxが、参照電圧Vrefよりも小さくない限り、ステップS26乃至S30の処理、すなわち、図6の第3ステップの処理乃至第5ステップの処理が繰り返される。
すなわち、上述した処理は、図7における時刻T1(=時刻t2)乃至T2(=時刻t5)において実行される処理であるが、図6で示される第3ステップの処理乃至第5ステップの処理が繰り返されることにより、図7で示されるように、同様の処理が、時刻T2乃至T3、時刻T3乃至T4、時刻T4乃至T5・・・、と繰り返されることとなる。
結果として、第3ステップの処理乃至第5ステップの処理がなされる度に、コンデンサCaの充電電圧が減少すると共に、コンデンサCxの充電電圧も減少することになる。
そこで、コンデンサCxの充電電圧Vxが参照電圧Vrefに減少するまでの第3ステップの処理乃至第5ステップの処理の繰り返し処理回数countに基づいて、コンデンサCxの静電容量を求めることができる。
すなわち、上述したように、コンデンサCxの充電電圧VxとコンデンサCsの充電電圧Vsの和が、コンデンサCaの充電電圧Vaであるので、第3ステップの処理乃至第5ステップの処理が繰り返されることにより、コンデンサCaの充電電圧Vaが減少するとき、コンデンサCxの充電電圧Vxも、コンデンサCaの充電電圧Vaと一定の比率を維持したまま減少し続けることになる。
従って、例えば、図7で示されるように、コンデンサCxの充電電圧Vxと、参照電圧Vrefとの差が大きいほど、コンデンサCxの充電電圧Vxを参照電圧Vrefに到達するための、図6の第3ステップの処理乃至第5ステップの処理回数は多くなり、逆に、コンデンサCxの充電電圧Vxと、参照電圧Vrefとの差が小さいほど、コンデンサCxの充電電圧Vxを参照電圧Vrefに到達するための、図6の第3ステップの処理乃至第5ステップの処理回数は少ないといえる。
すなわち、図7の左部においては、コンデンサCxの充電電圧Vxの最初の充電電圧Vxは、Vx=V_hiであり、図7の右部におけるコンデンサCxの充電電圧Vxの最初の充電電圧Vxである、Vx=V_lowよりも参照電圧Vrefとの差は大きい。このため、図7の左部においては、コンデンサCxの充電電圧Vxが参照電圧Vrefに減少するまでの図6の第3ステップの処理乃至第5ステップの処理回数は7回(時刻T1乃至T8)であるのに対して、図7の右部においては、コンデンサCxの充電電圧Vxが参照電圧Vrefに減少するまでの図6の第3ステップの処理乃至第5ステップの処理回数は5回(時刻T1乃至T6)であり、繰り返し処理回数が少ない。
結果として、図8で示されるように、コンデンサCxの静電容量が大きい方が(コンデンサCxの初期の充電電圧Vxが低い方が)少ない処理回数で充電電圧Vxを参照電圧Vrefに減少させることができる。図8においては、横軸が、処理回数countを示し、縦軸が電圧を示している。また、図8においては、細線がコンデンサCaの充電電圧Vaを示し、太線がコンデンサCxの静電容量が10pFの場合の充電電圧Vxの変化を示し、点線がコンデンサCxの静電容量が11pFの場合の充電電圧Vxの変化を示している。図8においては、コンデンサCxの静電容量が11pFの場合、処理回数countが100回で参照電圧Vref(=Vcc/2)に減少しているのに対して、コンデンサCxの静電容量が10pFの場合、処理回数countが200回で参照電圧Vref(=Vcc/2)に減少しており、コンデンサCxの静電容量が大きい方が、少ない処理回数countで参照電圧Vrefに減少していることが示されている。尚、図8においては、コンデンサCsの静電容量が12pF、抵抗Rが10kΩ、コンデンサCaの静電容量が0.1μF、および、図7の時刻t1以降における時間t(=時刻t(i+1)−時刻ti)が2μSである。
つまり、図5のフローチャートにおけるステップS34の処理においては、このような性質に基づいて、上述した図6の第3ステップの処理および第5ステップの処理の繰り返し処理回数countからコンデンサCxの静電容量が求められている。
すなわち、図2におけるコンデンサCa、抵抗R、およびスイッチSW2の関係は、図9で示される閉回路として表すことができる。コンデンサCaは、充電電圧Va=Vccで充電されているものとする。
スイッチSW2がONの状態にされると、コンデンサCaの充電電圧Vaは、図10で示されるように、スイッチがONにされた状態が継続している時間tの経過と共に減衰していく。この関係は、以下の式(1)のように表すことができる。
Va=Vcc×e^(−(スイッチSW2のON時間)/(Ca×R))
・・・(1)
ここで、「^」は指数を表す。スイッチSW2がONの状態で継続している時間は、上述した図6の第3ステップの処理乃至第5ステップの処理の各処理時間が時間Tで一定である場合、繰り返し処理回数count×時間Tであると考えることができる。従って、上述の式(1)は、以下の式(2)で表されることになる。すなわち、図7においては、時刻t1以降において、(時刻t(i+1)−時刻ti)は、時間tであるので、各処理時間(図6の第3ステップの処理乃至第5ステップの処理が1回なされる時間)は3tとなる。
Va=Vcc×e^(−(count×3t)/(Ca×R))
・・・(2)
一方、図11で示されるように、図6の第5ステップの処理においては、スイッチSW1乃至SW3がOFFにされているのでコンデンサCaの充電電圧Vaは、コンデンサCs,Cxの充電電圧Vs,Vxの和になると共に、充電電圧Vs,Vxの比率は、Vs:Vx=1/Cx:1/Csである(ここで、Cs,Cxは、コンデンサCs,Cxの静電容量である)。
従って、コンデンサCxの充電電圧Vxは、以下の式(3)で示される。
Vx=Vcc((1/Cx)/((1/Cx)+(1/Cs)))
×e^(−(count×3t)/(Ca×R))
・・・(3)
結果として、コンデンサCxの充電電圧Vxが参照電圧Vrefと一致する場合、以下の式(4)が成立することになる。
Vref=Vcc((1/Cx)/((1/Cx)+(1/Cs)))
×e^(−(count×3t)/(Ca×R))
・・・(4)
以上の関係からコンデンサCxの静電容量は以下の式(5)により求められることになる。
Cx=Cs(1−(Vcc/Vref)×e^(−(count×3t)/(Ca×R)))
・・・(5)
式(5)より、例えば、コンデンサCsの静電容量が10pF、抵抗Rが10kΩ、コンデンサCaの静電容量が0.1μF、および、時間tが2μSであった場合、コンデンサCxと処理回数countの関係は、図12で示されるような関係となる。図12においては、コンデンサCxの静電容量が8pF近傍である場合、1pF当たり処理回数countにして約20回分の分解能で静電容量Cxが求められることになる。
ただし、以上の処理においては、繰り返し処理により、コンデンサCxの充電電圧Vxを減少させて、参照電圧Vrefと一致した条件で、上述した式(5)によりコンデンサCxの静電容量が求められることになるので、最初の充電時に、コンデンサCxの充電電圧Vxが、参照電圧Vrefよりも大きいことが前提となる。従って、参照電圧Vrefは、以下の式(6)を満たす必要がある。
Vref/Vcc<(1/Cs)/((1/Cx)+(1/Cs))
・・・(6)
以上の処理においては、時刻t1以降の時間t(=時刻t(i+1)−時刻ti)が短いほど分解能を高めることが可能であるが、逆に、時間tが短すぎると処理回数countが増えてしまうことになる。タッチセンサの場合(電極Eが絶縁物を介して間接的に人体と接触する構成であるタッチセンサの場合)、人体が接触した場合の静電容量が11pF近傍の値であり、非接触の場合の静電容量が10pF近傍の値であることがわかっているので、上述した式(6)の条件を満たし、さらに、以下の式(7)の関係が満たされていれば、時間tを短くすることで高分解能にすることが可能となると共に、少ない処理回数で未知のコンデンサCxの静電容量を求めることが可能となる。
Vref/Vcc≒(1/Cs)/((1/Cx)+(1/Cs))
・・・(7)
すなわち、参照電圧Vrefを、コンデンサCaの充電電圧VaのときのコンデンサCxの充電電圧Vxに近い値に設定すれば、繰り返し処理回数を少なくすることができ、その分、時間tを短くして高分解能にすることが可能となる。
結果として、従来のように、未知のコンデンサの静電容量を計測する際、充電電圧を0から繰り返し処理により充電させてから求めるよりも、少ない処理回数で、かつ、高精度に未知のコンデンサの静電容量を求めることが可能となる。従って、例えば、電極Eの構成が、人体が絶縁物を介して間接的に接触するような構成などであって、コンデンサCxの静電容量の変化が小さい場合(人体が接触した場合と非接触の場合のコンデンサCxの静電容量の変化量が小さい場合)であっても、静電容量の変化量に応じて上述の式(6),式(7)の関係を満たすように参照電圧Vrefと充電電圧Vccを設定することで高精度、かつ、高速に静電容量を検出することが可能となる。
また、図5のフローチャートにおけるステップS31乃至S33の処理により、処理回数nのM回分の平均値を処理回数countとして求めることになるため、例えば、1回の測定で、リップルノイズなどが発生した場合においても正確に処理回数を求めることが可能となる。尚、リップルノイズの発生の有無を検出させ、リップルノイズが検出されなかった場合、Mを1とするようにして、平均値を求めるための繰り返し処理を少なくすることで、処理速度を向上させるようにしても良い。
ここで、図4のフローチャートの説明に戻る。
ステップS3において、制御部11は、計測部13より供給された未知のコンデンサCxの静電容量に基づいて、人体が電極Eに接触したか否かを判定する。より詳細には、人体の静電容量は、11pF近傍の値であるので、制御部11は、計測部13より供給されたコンデンサCxの静電容量が11pF近傍の閾値Cxthであるか否かを判定することにより、人体が電極Dに接触しているか否かを判定する。すなわち、例えば、(11×0.95)pF<Cxth<(11×1.05)pFとして、閾値Cxthが設定されていた場合、制御部11は、コンデンサCxの静電容量Cx=Cxthであるとき、すなわち、(11×0.95)pF<Cx<(11×1.05)pFのとき、人体が接触しているとみなし、それ以外のとき、人体が接触していないと判定する。
例えば、ステップS3において、人体が接触していると判定された場合、ステップS4において、制御部11は、出力部14を制御して、人体が接触していることを提示し、その処理は、ステップS2に戻る。
一方、ステップS3において、人体が接触していないと判定された場合、ステップS5において、制御部11は、出力部14を制御して、人体が接触していないことを提示させ、その処理は、ステップS2に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
以上によれば、少ない処理回数countで、かつ、高精度に未知のコンデンサCxの静電容量を検出することが可能となるので、人体の接触の有無を正確にかつ高速で認識することが可能となる。
尚、接触する物体が、予め人体であることがわかっているため、適当な参照電圧Vrefを予め設定することで高速に、処理することが可能となっているが、例えば、接触する物体の静電容量が不明であるような場合、時間tを長くして、すなわち、低分解能の状態で、参照電圧Vrefを変化させながら、粗く静電容量を検出した後、その検出された静電容量に基づいて、コンデンサCxの充電電圧Vxに近い参照電圧Vrefを設定し直した後、時間tを短くして高精度で検出するようにしても良い。
以上においては、端子P0乃至P2の3個の端子からなるマイクロコンピュータ1を用いてタッチセンサを構成する例について説明してきたが、例えば、端子P0,P1の機能を1個に集約するようにしても良い。
すなわち、図1のタッチセンサの場合、回路構成としては、図2で示されるように、スイッチSW1とスイッチSW2が抵抗Rを挟んだ構成となっていたため、同一の端子で制御することができない。しかしながら、図13で示されるように、スイッチSW1を抵抗Rを挟んだ反対の位置に接続したような回路構成とすることにより、スイッチSW1,SW2を1個の端子で制御することが可能となる。
図14は、スイッチSW1,SW2を1個の端子で制御するようにしたタッチセンサの構成を示している。マイクロコンピュータ21には、端子P11,P12の2端子が設けられている。端子P12の機能は、図1のマイクロコンピュータ1の端子P2と同様であるが、図14における端子P11は、図1における端子P0,P1の両方の機能を備えている。尚、図14において、図1と同一の構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
端子P11は、スイッチ動作部31よりHiの状態にされると、図13のスイッチSW1をONの状態にし、コンデンサCaに電源Vccの電源電圧Vccで充電させる。また、端子P11は、スイッチ動作部31よりHiZの状態にされると、図13のスイッチSW1,SW2をOFFの状態にし、図2のスイッチSW2をOFFにさせた状態とし、コンデンサCaと、コンデンサCs,Cxの合成コンデンサとを並列に接続した状態にする。さらに、端子P11は、スイッチ動作部31よりLowの状態にされると、図13のスイッチSW2をONにさせた状態とし、コンデンサCaに充電された電荷を抵抗Rを介して徐々に接地点から放電させると共に、コンデンサCsの充電電荷を接地点から瞬時に全量放電させる。尚、端子P12は、図1の端子P2と同様のものであるので、その説明は省略する。
次に、図15を参照して、図14のマイクロコンピュータ21により実現される機能について説明する。尚、図15において、図3のマイクロコンピュータ1により実現される機能と対応する機能については、同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
スイッチ動作部31は、基本的には、図3のスイッチ動作部12と同様の機能を有するものであり、内蔵するタイマ31aを参照して、所定の時間間隔毎に、端子P11,P12の動作を制御する。より詳細には、スイッチ動作部31は、所定の時間間隔毎に端子P11,P12の動作状態を所定のパターンで周期的に繰り返し切替える。また、スイッチ動作部31は、所定のパターンで繰り返される動作が1周期終了する度に計測部13にその信号を供給する。
次に、図14のタッチセンサによるタッチスイッチ動作処理について説明するが、図4のフローチャートを参照して説明した処理のうち、異なるのはステップS2の計測処理のみであるので、図14のタッチセンサによる計測処理についてのみ図16のフローチャートを参照して説明する。
尚、図16のフローチャートにおけるステップS41乃至S43、および、ステップS49乃至S54の処理については、図5のフローチャートを参照して説明したステップS21乃至S23、および、ステップS29乃至S34の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS44において、スイッチ動作部31は、端子P11の出力をHiに制御して、電源VccよりコンデンサCaを充電する。すなわち、端子P11の出力がHiに制御されることにより、図13で示されるスイッチSW1がONの状態となり、電源Vccより抵抗Rを介して、コンデンサCaに電力が供給され、コンデンサCaが徐々に充電し、最終的にコンデンサCaを充電電圧Vccで充電する。
ステップS45において、スイッチ動作部31は、タイマ31aに基づいて、所定の時間tだけ端子P11,P12を全てHiZ(高インピーダンス状態)に制御して、コンデンサCaの充電状態を保持する。すなわち、端子P11,P12がHiZ状態に制御されることにより、図13で示されるスイッチSW1乃至SW3がOFFの状態にされることにより、コンデンサCaは、充電電圧Va=Vccで充電された状態が保持されることになる。
ステップS46において、計測部13のカウンタ13aは、カウンタnを1インクリメントする。
ステップS47において、スイッチ動作部31は、タイマ31aに基づいて、所定の時間tだけ、端子P11,P12をLowに制御することによりコンデンサCa,Cs,Cxに充電された電荷を放電させる。このとき、コンデンサCs,Cxに充電された電荷は、瞬時に接地部を介して放電されることになるが、コンデンサCaに充電された電荷は、抵抗Rを介してスイッチSW2より接地部に放電されることになるため、電荷の放電がゆっくりと進むことになるため、所定の時間t内では、充電されていた電荷の一部のみが放電される。
ステップS48において、スイッチ動作部31は、タイマ31aに基づいて、所定の時間tだけ、端子P11,P12をHiZ状態に制御することにより、コンデンサCaに充電されている電荷(ステップS47の処理により一部が放電された状態で残されている電荷)がコンデンサCs,Cxに移動し、コンデンサCa,Cs,Cxが充電された状態で保持される。このとき、コンデンサCaと、コンデンサCs,Cxの合成コンデンサとは、並列回路が形成されることになるため、コンデンサCaの充電電圧Vaは、コンデンサCs,Cxの充電電圧Vs,Vcの和に等しい状態となる。さらに、コンデンサCs,Cxの充電電圧VsとVxの充電電圧は、コンデンサCs,Cxの容量の逆数比の関係となる。
結果として、ステップS44の処理により、図17の第1ステップの処理が実行され、すなわち、図13のスイッチSW1がONの状態にされる。この処理は、コンデンサCaが充電されるだけの処理であるので、スイッチSW2はOFF、SW3は、ONでもOFFでもよい。結果として、図17の第1ステップの処理により、図18の左部で示されるように、時刻t0において、端子P11が、Hiに制御されることにより、図13のスイッチSW1がONの状態にされて、コンデンサCaが充電電圧Va=Vccで充電される。ただし、図7と比較してもわかるように、図1のタッチセンサにおいては、スイッチSW1がONにされると同時にコンデンサCaの充電電圧Vaが、Vccに達するが、図18で示されるように、図14のタッチセンサにおいては、電源VccからコンデンサCaに供給される電力は抵抗Rを介して供給されるため、充電に時間が掛かる。
尚、図18において、上部のグラフは、太い実線が、コンデンサCaの充電電圧Vaを示し、点線がコンデンサCxの充電電圧を示す。さらに、その下には、端子P12の動作状態が示されており、計測は、端子P12を介して計測部13によりコンデンサCxが計測される状態を示し、HiZは、高インピーダンス状態、すなわち、端子P12が出力を行っていない状態を示し、OUT_Lは、Lowに設定された状態を示している。
端子P12の下には、端子P11の動作状態が示されており、OUT_Hは、端子P11を介して電源VccよりコンデンサCaに電力が供給されて、充電電圧Vccで充電される状態を示している。HiZは、高インピーダンス状態、すなわち、端子P11が出力を行っていない状態を示し、OUT_Lは、Lowに設定された状態を示している。
さらに、その下には、スイッチSW3乃至SW1の動作状態がそれぞれ示されている。尚、スイッチSW1の動作は、端子P11に連動して、端子P11がHiに設定されたとき、ONの状態にされ、HiZのときオフの状態にされ、さらに、Lowに設定されたとき、スイッチSW2がONの状態にされる。このように、端子P11のみで、スイッチSW1,SW2を制御することができる。スイッチSW3の動作は、端子P12に連動して、端子P12がLowに設定されたときのみ、ONの状態にされ、それ以外のときオフの状態である。
さらに、ステップS45の処理により、図17の第2ステップの処理が実行され、すなわち、図13のスイッチSW1乃至SW2がOFFの状態にされる。結果として、図17の第2ステップの処理により、図18の左部で示されるように、時刻t1において、端子P11,P12が、HiZに制御されることにより、図13のスイッチSW1乃至SW3がOFFの状態にされて、コンデンサCaが充電電圧Va=Vccで充電されたままの状態が保持される。
そして、ステップS47の処理により、図17の第3ステップの処理が実行され、すなわち、図13のスイッチSW1がOFFにされ、スイッチSW2,SW3がONにされる。結果として、図17の第3ステップの処理により、図17の左部で示されるように、時刻t2において、端子P11が、Lowに制御されることにより、図13のスイッチSW2,SW3がONの状態にされて、コンデンサCx,Csに充電されていた電荷の全量が放電されると共に、コンデンサCaに充電されていた電荷が抵抗Rを介してゆっくりと放電される。
さらに、ステップS48の処理により、図17の第4ステップの処理が実行され、すなわち、図13のスイッチSW1乃至SW3がOFFにされる処理が実行される。結果として、時刻t3において、コンデンサCaより時刻t2乃至t3間で一部抵抗Rを介して電荷が放出された後、コンデンサCaに残っている電荷によりコンデンサCa,Cs,Cxが充電された状態で維持される。すなわち、時刻t2乃至t3間で、コンデンサCaの充電電荷が一部放出されることにより、図18で示されるように、コンデンサCaの充電電圧Vaは、減少する。従って、上述したように、図17の第1ステップの処理で、スイッチSW1,SW2がOFFにされていた場合、コンデンサCxに充電されていた充電電圧Vx=V_hiもこれに伴って減少することになる。しかしながら、コンデンサCs,Cxの充電電圧Vs,Vxの比率は一定のまま維持される。
そして、ステップS49の処理により、図17の第5ステップの処理が実行される。すなわち、図13のスイッチSW1乃至SW3がOFFのままであるが、時刻t4において、計測部13が、端子P12を介してコンデンサCxの充電電圧Vxを計測し、計測された充電電圧Vxが、参照電圧Vrefよりも小さくない限り、ステップS46乃至S50の処理、すなわち、図17の第3ステップの処理乃至第5ステップの処理が繰り返される。
結果として、図14のタッチセンサは、図1のタッチセンサと同様に、高速で、かつ、高精度に人体の接触非接触を検出することが可能となるだけでなく、マイクロコンピュータ21により制御すべき端子が2個で済むため、製造上のコストを低減させることが可能となる。
尚、図18で示されるように、図14のタッチセンサにおいても、コンデンサCaの充電電圧VaがVa=VccであるときのコンデンサCxの充電電圧Vxが、参照電圧Vrefに近い値である方が、繰り返し処理回数が少ないのは同様である。すなわち、図18の左部においては、コンデンサCaの充電電圧VaがVa=VccであるときのコンデンサCxの充電電圧VxがV_hiであって、繰り返し処理回数が7回で充電電圧Vxが参照電圧Vrefに到達しているのに対して、図18の右部においては、コンデンサCaの充電電圧VaがVa=VccであるときのコンデンサCxの充電電圧VxがV_low(<V_hi)であって、繰り返し処理回数が5回で充電電圧Vxが参照電圧Vrefに到達しており、コンデンサCaの充電電圧VaがVa=VccであるときのコンデンサCxの充電電圧Vxが小さく、参照電圧Vrefに近いほど繰り返し処理回数が少ないことが示されている。
以上においては、1個の電極Eにより人体が接触(絶縁物を介して接触)しているか否かを判定する例について説明してきたが、図14のタッチセンサにおける構成を複数に設けるようにして、複数の電極を用いて、複数の位置において人体の接触非接触を検出させるようにしても良い。
例えば、図19で示されるように、4個の電極E1乃至E4を備えた構成を4個並列に設けて、検出するようにしても良い。尚、図19においては、コンデンサCa1乃至Ca4が図14におけるコンデンサCaに、コンデンサCs1乃至Cs4が、図14におけるコンデンサCsに、コンデンサCx1乃至Cx4が、図14におけるコンデンサCxに、抵抗R1乃至R4が、図14における抵抗Rに、電極E1乃至E4が、図14における電極Eにそれぞれ対応するものであり、いずれも同一のものである。また、対応してマイクロコンピュータ51には、端子P21乃至P28の8個の端子が設けられており、端子P21,P23,P25,P27が、端子11に、端子P22,P24,P26,P28が端子12にそれぞれ対応しており同一のものである。マイクロコンピュータ51は、端子P21,P22を用いて電極E1における人体の接触非接触を計測し、端子P23,P24を用いて電極E2における人体の接触非接触を計測し、端子P25,P26を用いて電極E3における人体の接触非接触を計測し、さらに、端子P27,P28を用いて電極E4における人体の接触非接触を計測する。
ただし、マイクロコンピュータ51は、端子P22,P24,P26,P28で計測されるコンデンサCx1乃至Cx4の充電電圧Vx1乃至Vx4は、同時に計測されるわけではなく、例えば、端子P21,P22を用いて電極E1における人体の接触非接触を計測した後、端子P23,P24を用いて電極E2における人体の接触非接触を計測し、その後、端子P25,P26を用いて電極E3における人体の接触非接触を計測し、さらにその後、端子P27,P28を用いて電極E4における人体の接触非接触を計測する。そして、この処理が順次繰り返されることにより、電極E1乃至E4における人体の接触非接触が順番に検出される。
このとき、上述したように、コンデンサCa1乃至Ca4は、いずれも抵抗R1乃至R4により充電に時間が掛かるため、各コンデンサCa1乃至Ca4の容量が求められてから充電を開始すると充電の待ち時間が発生し、処理時間がかかりすぎてしまう恐れがある。
そこで、図20で示されるように、静電容量を計算している間に、次の静電容量を求めようとするコンデンサCaの充電を開始させるようにしてもよい。すなわち、例えば、図20の上段で示されるように、マイクロコンピュータ51は、端子P21,P22を用いて時刻t0乃至t100までの間にコンデンサCa1を充電し、時刻t100において、図17における第3ステップ乃至第5ステップの処理を繰り返す処理を開始する。このとき、マイクロコンピュータ51は、時刻t100以降において、コンデンサCx2の静電容量を求めるために、図20の中段で示されるように、図17における第3ステップ乃至第5ステップの処理を繰り返す処理に入ったところで、端子P23,P24を用いて、例えば、時刻t200において、コンデンサCa2の充電を開始させる。そして、マイクロコンピュータ51は、コンデンサCx1の静電容量が求められた時刻t210において、コンデンサCa2の充電が完了しているので、コンデンサCx2の静電容量を求めるために、図17における第3ステップ乃至第5ステップの処理を繰り返す処理に入る。同様にして、コンデンサCx3の静電容量を求めるために、図17における第3ステップ乃至第5ステップの処理を繰り返す処理に入ったところで、端子P25,P26を用いて、例えば、時刻t300において、コンデンサCa3の充電を開始させる。そして、マイクロコンピュータ51は、コンデンサCx2の静電容量が求められた時刻t310において、コンデンサCa3の充電が完了しているので、コンデンサCx3の静電容量を求めるために、図17における第3ステップ乃至第5ステップの処理を繰り返す処理に入る。
このように、コンデンサCx1乃至Cx4の静電容量を求めるために、図17における第3ステップ乃至第5ステップの処理の繰り返し処理に入っているタイミングで、次に処理しようとしている電極に対応するコンデンサCa1乃至Ca4の充電を行うことにより、充電による待ち時間を短縮させることができるので、複数の位置で人体の接触非接触を検出する場合においても、高速で、かつ、高精度に人体の接触非接触を検出することが可能となる。
また、上述したように、マイクロコンピュータは、複数の端子があっても、同時に3個以上の端子を用いた処理をしていない。さらに、コンデンサCaおよび抵抗Rは、最初に充電された後、繰り返し処理により充電電荷が放出されるだけのものであるので、複数のコンデンサCs,Cx、および電極Eと並列に接続されていてもよい。従って、例えば、図21で示されるように、コンデンサCa1および抵抗R1からなる端子P32に、電極E1における人体の接触非接触を検出するためのコンデンサCs1,Cx1の端子P31と、電極E2における人体の接触非接触を検出するためのコンデンサCs2,Cx2の端子P33とをそれぞれ並列に接続し、さらに、コンデンサCa2および抵抗R2からなる端子P35に、電極E3における人体の接触非接触を検出するためのコンデンサCs3,Cx3の端子P34と、電極E4における人体の接触非接触を検出するためのコンデンサCs4,Cx4の端子P36とをそれぞれ並列に接続するようにしてもよい。
図21のタッチセンサの場合、マイクロコンピュータ61は、電極E1の人体の接触非接触は、端子P31,P32を制御して計測し、電極E2の人体の接触非接触は、端子P32,P33を制御して計測し、電極E3の人体の接触非接触は、端子P34,P35を制御して計測し、電極E4の人体の接触非接触は、端子P35,P36を制御して計測することになる。
結果として、マイクロコンピュータ61は、6個の端子で4箇所の人体の接触非接触を検出するタッチセンサを制御することが可能となるので、タッチセンサの製造コストを低減させることが可能となる。
さらに、上述した複数の人体の接触非接触の検出をするタッチセンサは、図14で示されるタッチセンサの構成に限らず、例えば、図1のタッチセンサの構成であっても実現することが可能であり、例えば、図22で示されるように構成しても良い。図22のタッチセンサにおいては、図1の端子P0に対応する端子P41と、端子P1に対応する端子P42、抵抗R、およびコンデンサCaが設けられ、端子P2に対応する端子が4個並列に設けられている。すなわち、端子P43には、電極E1への人体の接触の有無を検出するためのコンデンサCs1,Cx1が接続され、端子P44には、電極E2への人体の接触の有無を検出するためのコンデンサCs2,Cx2が接続され、端子P45には、電極E3への人体の接触の有無を検出するためのコンデンサCs3,Cx3が接続され、さらに、端子P46には、電極E4への人体の接触の有無を検出するためのコンデンサCs4,Cx4が接続されている。
図22のタッチセンサの場合、マイクロコンピュータ71は、電極E1への人体の接触の有無は、端子P41乃至P43を制御して計測し、電極E2への人体の接触の有無は、端子P41,P42,P44を制御して計測し、電極E3への人体の接触の有無は、端子P41,P42,P45を制御して計測し、電極E4への人体の接触の有無は、端子P41,P42,P46を制御して計測することになる。
以上によれば、結果として、マイクロコンピュータ71は、6個の端子で4箇所の人体の接触の有無を検出するタッチセンサを制御することが可能となる。
以上においては、コンデンサCa1乃至Ca4を充電させるにあたり、抵抗R1乃至R4を介して、電荷を充電させる例について説明してきたが、抵抗R1乃至R4を介して充電させることにより充電時間が遅延していた。そこで、充電に際して、抵抗R1乃至R4を介さずにコンデンサCa1乃至Ca4を充電できる構成とすることにより、充電時間を短縮させるようにしても良い。
例えば、図23で示されるように、ダイオードD1をコンデンサCa1の方向に対して順方向に、抵抗R1と並列に接続することにより(ダイオードD1のアノードをコンデンサCa1と抵抗R1との中間位置に接続し、カソードを端子P21と抵抗R1の中間位置に接続することにより)、充電に際しては、ダイオードD1を介してコンデンサCa1に電荷が充電されるので、抵抗R1を介するよりも高速で充電を完了させることが可能となる。同様にして、ダイオードD2乃至D4についても、それぞれ抵抗R2乃至R4と並列に、コンデンサCa2乃至Ca4の方向に対して順方向に接続することで、コンデンサCa2乃至Ca4の充電に必要とされる時間を短縮させることが可能となる。尚、図23のタッチセンサにおいては、図19のタッチセンサにおける構成と同様の構成に、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。また、図23のタッチセンサの動作については、コンデンサCa1乃至Ca4の充電時間が短縮される他は、図19のタッチセンサにおける動作と同様であるので、その説明も省略する。
さらに、同様に、図24で示されるように、ダイオードD11,D12を、抵抗R1,R2に対してそれぞれ並列に、コンデンサCa1,Ca2の方向に対して順方向に接続するようにすることで、コンデンサCa1,Ca2の充電時間を短縮するようにしても良い。
また、図22のタッチセンサを、図14のタッチセンサで示されるように、スイッチSW1,SW2を1個の端子で制御するようにすると、図25のタッチセンサのような構成となる。このとき、ダイオードD21を、抵抗Rに並列に、かつ、コンデンサCaの方向に対して順方向に接続することにより、端子数を6端子から5端子に減らすことが可能になると共に、コンデンサCaの充電時間を短縮することが可能となる。図25のタッチセンサにおいて、図22のタッチセンサと異なるのは、マイクロコンピュータ71に代えてマイクロコンピュータ81を設け、ダイオードD21を抵抗Rに並列に設けた点である。
すなわち、図25のタッチセンサにおいては、充電に必要とされていた端子P41が不要となるので、マイクロコンピュータ81は、端子P51乃至P55の5端子でコンデンサCx1乃至Cx4の容量を測定することが可能となる。尚、図25のタッチセンサによる各コンデンサCx1乃至Cx4の容量の計測処理は、図14におけるタッチセンサによる計測処理を、それぞれ4回繰り返すのみであるので、その動作の説明は、省略するものとする。
図25で示されるようなタッチセンサにより、充電時間を短縮することができるので、コンデンサCx1乃至Cx4の容量の計測処理を高速にさせることが可能になると共に、端子数を減らすことにより部品点数を減らすことが可能となるので、製造に掛かるコストを低減させることが可能となる。
さらに、以上においては、コンデンサCx1乃至Cx4の容量を計測するために、既知の容量のコンデンサCs1乃至Cs4がそれぞれ設けられていたが、コンデンサCx1乃至Cx4の計測処理は、それぞれ独立して実行されるので、共通の既知のコンデンサを設けて、各コンデンサCx1乃至Cx4の計測処理のタイミングに切り替えて使用するようにしてもよい。
図26は、共通の既知の容量のコンデンサを設けて、各コンデンサCx1乃至Cx4の計測処理のタイミングに併せて切り替えて使用するようにしたタッチセンサの実施の形態の構成例を示している。尚、図26のタッチセンサの構成において、図25のタッチセンサと同様の構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
図26のタッチセンサにおいて、図25のタッチセンサと異なるのは、マイクロコンピュータ81に代えてマイクロコンピュータ91が設けられ、コンデンサCs1乃至Cs4が削除されて、コンデンサCs11が設けられ、さらに、マイクロコンピュータ91により、切替部101が実現されている点である。切替部101は、一方の端部が、端子P61に接続された端子101aに接続され、他方の端部が、端子101b乃至101eに切り替えられる。切替部101の端子101b乃至101eは、それぞれマイクロコンピュータ91の端子P63乃至P66に接続されている。コンデンサCs11は、一方の端部が端子P61に接続され、他方の端部が端子P62に接続されている。尚、切替部101は、マイクロコンピュータ91により実現される機能であって、実際にハードウェアの切替スイッチが設けられているものではない。
すなわち、コンデンサCx1の静電容量を計測する場合、マイクロコンピュータ91は、切替部101を端子101bに接続し、図25におけるコンデンサCs1に代えて、コンデンサCs11を用いることにより、コンデンサCx1の静電容量を計測する。また、同様にして、コンデンサCx2乃至Cx4の静電容量を計測する場合、マイクロコンピュータ91は、それぞれ切替部101を端子101c乃至101eに接続し、図25におけるコンデンサCs2乃至Cs4に代えて、コンデンサCs11を用いることにより、コンデンサCx2乃至Cx4の静電容量を計測する。
このような構成とすることにより、計測対象となるコンデンサCx1乃至Cx4がこれ以上の数となっても、既知の容量のコンデンサCsが1個あれば計測できるため、部品点数を削減することが可能となり、コストを低減させることが可能となる。
以上においては、コンデンサCx1乃至Cx4の静電容量を計測することにより、複数の端子E1乃至E4に人体の接触の有無を検知する例について説明してきたが、電極E1乃至E4により、例えば、操作ボタンが構成されているような場合、電極E1乃至E4が相互に近接した状態で配置されていると、操作しようとしている操作ボタンと共に、隣接する操作ボタンに誤って接触してしまい、複数の電極に対して跨った状態で接触することで、計測されるコンデンサCx1乃至Cx4の静電容量が変化してしまい、誤検知されてしまう恐れがある。
そこで、複数のコンデンサCx1乃至Cx4の静電容量に基づいて、電極E1乃至E4のそれぞれについて人体が接触したことを示す閾値Cx1th乃至Cx4thを調整することで、誤検出を低減させるようにしても良い。
図27は、複数のコンデンサCx1乃至Cx4の静電容量に基づいて、電極E1乃至E4のそれぞれについて人体が接触したことを示す閾値Cx1th乃至Cx4thを調整するようにした図26のタッチセンサにおけるマイクロコンピュータ91により実現される機能の構成例を示している。尚、図27において実現される機能において、図15で示される機能と同様の機能については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略するものとする。
図27において、図15と異なる点は、制御部11、計測部13、およびスイッチ動作部31に代えて、スイッチ動作部111、制御部112、および計測部113を設けた点である。スイッチ動作部111は、制御部112により動作が制御され、タイマ111aのタイマ動作に伴って、端子P61乃至P66の動作を切り替えると共に、切替部101の動作を制御する。計測部113は、計測部13と略同様の機能を実現するが、端子P61,P63乃至P66からの出力信号に基づいて電極E1乃至E4に対応するコンデンサCx1乃至Cx4の静電容量を計測し、それぞれの計測結果を制御部112に供給する。
制御部112は、記憶部112a、参照値計算部112b、差分計算部112c、および、閾値調整部112dを備えており、基本的に制御部11と同様の機能を実現する。制御部112は、計測部113より供給されてくるコンデンサCx1乃至Cx4と、それぞれ対応する閾値Cx1th乃至Cx4thとに基づいて、電極E1乃至E4への人体の接触の有無を検知すると共に、コンデンサCx1乃至Cx4に基づいて、閾値Cx1th乃至Cx4thを調整する。
より詳細には、記憶部112aは、コンデンサCx1乃至Cx4の計測結果のうち、それぞれ直近の所定数の計測結果を記憶する。参照値計算部112bは、記憶部112aに記憶されているコンデンサCx1乃至Cx4の直近の所定数の計測結果の平均値を求め、コンデンサCx1乃至Cx4の参照値Cx1ave乃至Cx4aveとして求める。差分計算部112cは、各参照値Cx1ave乃至Cx4aveと、それぞれの最新の計測結果であるコンデンサCx1乃至Cx4の静電容量Cx1乃至Cx4との差分絶対値ΔCx1乃至ΔCx4を求める。閾値調整部112dは、差分絶対値ΔCx1乃至ΔCx4に基づいて、閾値Cx1th乃至Cx4thを調整する。
次に、図28のフローチャートを参照して、図26のタッチセンサによる、タッチスイッチ動作処理について説明する。尚、図28のフローチャートにおけるステップS71,S72,S76乃至S78の処理については、図4のフローチャートにおけるステップS1乃至S5の処理と、同様であるので、その説明は省略するものとする。
すなわち、ステップS72の処理により、例えば、コンデンサCx1の計測処理が終了すると、ステップS73において、制御部112は、全てのコンデンサCx1乃至Cx4の計測処理が終了したか否かを判定し、例えば、全てのコンデンサCx1乃至Cx4の計測処理が終了していないと判定された場合、ステップS74において、スイッチ動作部111を制御して、切替部101を端子101c乃至101eのいずれかに接続させて、処理は、ステップS72に戻る。すなわち、コンデンサCx1乃至Cx4のそれぞれについて計測処理が実行されて、静電容量が求められるまで、切替部101が端子101b乃至101eに順次切り替えられて、ステップS72乃至S74の処理が繰り返される。
そして、ステップS73において、計測部113が、コンデンサCx1乃至Cx4のそれぞれの静電容量を求め、制御部112に供給した場合、ステップS75において、閾値調整処理が実行される。
ここで、図29のフローチャートを参照して、閾値調整処理について説明する。
ステップS91において、制御部112は、記憶部112aに計測部113より供給されてきたコンデンサCx1乃至Cx4のそれぞれの最新の計測結果であるCx1−n乃至Cx4−nを加えて、直近の所定数として、例えば、n個の計測結果を記憶させる。すなわち、記憶部112aには、コンデンサCx1乃至Cx4のそれぞれについて、直近のn個の計測結果であるCx1−n・・・Cx1−1,Cx2−n・・・Cx2−1,Cx3−n・・・Cx3−1,Cx4−n・・・Cx4−1が記憶されている。尚、ここで、「−」以下は、n個の計測結果である静電容量を識別するための符号であり、nに近い値ほど新しい計測結果である。
ステップS92において、制御部112は、参照値計算部112bを制御して、コンデンサCx1乃至Cx4の直近のn個の計測結果の平均値を、参照値として計算させる。すなわち、参照値計算部112bは、コンデンサCx1の静電容量の参照値Cx1ave(=(Cx1−1)+(Cx1−2)+・・・+(Cx1−n))/n)、コンデンサCx2の静電容量の参照値Cx2ave(=(Cx2−1)+(Cx2−2)+・・・+(Cx2−n))/n)、コンデンサCx3の静電容量の参照値Cx3ave(=(Cx3−1)+(Cx3−2)+・・・+(Cx3−n))/n)、および、コンデンサCx4の静電容量の参照値Cx4ave(=(Cx4−1)+(Cx4−2)+・・・+(Cx4−n))/n)をそれぞれ求める。
ステップS93において、制御部112は、差分計算部112cを制御して、コンデンサCx1乃至Cx4のそれぞれの参照値Cx1ave乃至Cx4aveと、最新の計測結果(Cx1−n乃至Cx4−n)との差分絶対値を計算させる。すなわち、差分計算部112cは、コンデンサCx1乃至Cx4について、それぞれ差分絶対値ΔCx1(=|(Cx1−n)−Cx1ave|),ΔCx2(=|(Cx2−n)−Cx2ave|),ΔCx3(=|(Cx3−n)−Cx3ave|),ΔCx4(=|(Cx4−n)−Cx4ave|)を求める。
ステップS94において、制御部112は、閾値調整部112dを制御して、各差分絶対値に基づいて、閾値Cx1th乃至Cx4thを調整する。より詳細には、閾値調整部112dは、以下の式(8)を演算することにより、閾値Cx1th乃至Cx4thを調整する。
Cx1th’=Cx1th−(ΔCx2+ΔCx3+ΔCx4)
Cx2th’=Cx2th−(ΔCx1+ΔCx3+ΔCx4)
Cx3th’=Cx3th−(ΔCx1+ΔCx2+ΔCx4)
Cx4th’=Cx4th−(ΔCx1+ΔCx2+ΔCx3)
・・・(8)
ここで、Cx1th’乃至Cx4th’は、調整後の閾値であり、Cx1th乃至Cx4thは、調整前の閾値(同時に操作されることを禁止しないときの閾値)である。すなわち、閾値Cx1th’乃至Cx4th’は、n番目のコンデンサCx1乃至Cx4の計測結果Cx1−n乃至Cx4−nに対応して調整された閾値であり、閾値Cx1th乃至Cx4thは、調整前の閾値である。
すなわち、調整後の閾値Cx1th’乃至Cx4th’は、それぞれ他の電極E1乃至E4の接触による静電容量が検出されると、他の電極の静電容量と参照値との差分絶対値和の分だけ調整前の閾値Cx1th乃至Cx4thより減少される。このため、複数の電極で静電容量が検出されていると、いずれの電極も閾値が低下することにより、人体の接触を検知する感度が低下するので、誤検出が低減される。
以上のような処理により、ステップS76において、各コンデンサCx1乃至Cx4の計測結果、および調整後の閾値Cx1th’乃至Cx4th’に基づいて、電極E1乃至E4への人体の接触の有無が検知される。
すなわち、以上のように閾値が調整されることにより、例えば、4個の電極E1乃至E4が近接して一列に配置され、その内1つの電極の静電容量のみが変動した場合、その他の静電容量の閾値は変動するが、それ自身の閾値は変わらないので、通常通りの感度で接触の有無が判定される。
一方、複数の電極の静電容量が同時に変動した場合、式(8)で示されるように、閾値が小さくなるので、通常の接触による静電容量では、閾値を超え難い状態となり、人体の接触があっても接触があると判定され難い状態となる。
また、1つの電極にだけ、通常の接触により人体の接触が検知された電極に対応するコンデンサCxの静電容量が閾値近傍の値である場合、それ自身の閾値は変更されないため、人体の接触が検知されることにより静電容量が変わったとしても、その電極に対しての接触の有無の判定には影響しない。したがって、電極E1乃至E4の全てに水がかかった場合、または外部からのノイズを受けた場合等のように、複数の電極が同時に影響を受ける場合にのみ、いずれの電極に対しても人体の接触を検知し難い状態にすることが可能になり、誤検出が発生しやすい状態でのみ、誤検出を低減させることが可能となる。ただし、人体の接触を検知し難い状態となっても、感度が低減されるものの、人体の接触を検知することは可能である。
このため、例えば、携帯機器等に設けられたタッチセンサの場合、携帯機器をポケットに入れたときにポケット内の別の金属に複数の電極が接触したり、金属の机の上にタッチセンサの電極の複数が接触するように載置される等により、発生する誤動作を防止することが可能となる。
また、例えば、電極E1のみに人体が接触した場合、コンデンサCx1の計測結果のみが大きく変動し、他のコンデンサCx2乃至Cx4の計測結果の変動量がほとんどないため、閾値Cx1th’は閾値Cx1thに対して変動しない。このため、初期設定の感度(単独で設けられた場合の感度)で、電極E1に対応するコンデンサCx1の静電容量の変化により人体の接触の有無を判定することができる。このとき、コンデンサCx1以外のコンデンサCx2乃至Cx4の閾値Cx2th’乃至Cx4th’は、閾値Cx2th乃至Cx4thに対して、それぞれコンデンサCx1の計測値の差分ΔCx1だけ小さくなるため、先にコンデンサCx1により人体の接触を検知した場合、それ以外のコンデンサCx2乃至Cx4による人体の検出感度は悪くなり、人体の接触が検知され難くなるので、操作したい電極に正しく接触されているときには、正しく接触を検出しつつ、誤検出を低減させることが可能となる。
さらに、1の電極E1に人体が接触した後、接触状態を維持したまま、それ以外の、例えば、電極E2に接触した場合、すなわち、コンデンサCx1のみが人体が接触したときの静電容量となった場合、コンデンサCx1は通常の感度で人体の接触を検知するが、コンデンサCx1が人体の接触を検知した状態のままでは、それ以外のコンデンサCx2乃至Cx4の感度が悪くなっているため、他の電極E2乃至E4に接触しても人体の接触が検知され難い。また、電極E1に対応するコンデンサCx1の閾値Cx1th’は、人体の接触が検知されている間、人体の接触が検知されたときの閾値Cx1th’を維持するため、その後に他の電極E2乃至E4に人体が接触しても、コンデンサCx1の閾値Cx1th’は変動せず、電極E1との接触を離さない限り、他の電極E2乃至E4に対応するコンデンサCx2乃至Cx4の計測結果の影響により、人体の接触は、適正に検知されれることになる。
また、2箇所以上の電極E1乃至E4が同時に人体に接触した場合、コンデンサCx1乃至Cx4のいずれもが人体の接触を検知するまでは、お互いの差分ΔCx1乃至ΔCx4の影響を受け、閾値Cx1th’乃至Cx4th’のいずれもが閾値Cx1th乃至Cx4thに対して小さくなる。そのため、いずれの電極E1乃至E4においても、接触の感度が悪くなりどちらも人体の接触を検知し難くなる。すなわち、コンデンサCx1の閾値Cx1th’は、コンデンサCx2乃至Cx4の計測値の差分絶対値和分(ΔCx2+ΔCx3+ΔCx4)だけ閾値Cx1thよりも小さくなるため、同時に接触された電極が多ければ多いほど、感度が悪くなる方向に閾値が変化することになり、人体の接触が検知され難くなる。結果として、人が誤って機器の操作板に触れることにより複数の電極を同時押しする場合以外にも、携帯機器に搭載されたタッチセンサを金属の机の上に置いたり、携帯機器をポケットに入れて操作面と人体が近付いたり、または、操作面に水がかかることにより発生し得る影響による誤動作を低減させることが可能となる。
さらに、1の電極E1に接触した後に他の電極E2に接触し、その後、最初に接触した電極E1の指を離した場合、最初の電極E1により人体の接触が検知しない状態になるまでは、後に接触した電極E2は人体の接触が検知され難いが、両方の電極E1,E2に接触した状態から電極E1の接触を離した後に徐々にΔCx1が小さくなり、同時にコンデンサCx2の閾値Cx2th’が大きくなり、コンデンサCx2の静電容量が、閾値Cx2th’を超えた段階で電極E2が人体の接触を検知する。そして、電極E1の接触がなくなった後、電極E2への人体の接触が検知されている間は、コンデンサCx1の閾値Cx1th’が小さくなっているので、再度、電極E1に接触した場合、今度は電極E1による人体の接触が検知され難くなる。
また、同時に2箇所以上の電極に接触した後、例えば、1箇所の電極E1だけ残して他の電極から接触を離した場合、同時に接触したとき、どの電極も人体の接触が検知されないが、例えば、電極E1以外の接触が離れることにより、コンデンサCx1の閾値Cx1th’が元に戻るため、コンデンサCx1の閾値Cx1th’を超えた段階で電極E1が人体の接触を検知する。
尚、以上においては、2箇所以上の複数箇所で同時に接触した場合、感度を低下させることにより、人体の接触があったことを誤検出しないようにする例について説明してきたが、感度を低下させるのみであって、完全に人体の接触を検出しないようにしたものではないため、同時に接触することにより、いずれも人体の接触が検知されてしまう可能性がある。このように複数の電極で接触を検知した場合のため、予め電極の優先順位を設定しておき、複数の電極で接触を検知したときは、優先度の高い電極において人体の接触を検知するようにしても良い。
また、電極間において、物理的に感度が異なっているような場合、差分絶対値による比を求めて、閾値にその比を乗じるなどして調整することにより、例えば、最大2倍程度にまで感度の差を低減して使用するようにしても良い。
さらに、複数の電極で同時に接触が検知されることで、動作を認識するモードも存在するようなアプリケーションプログラムの場合、複数の電極で同時に接触が検知されるように対応させるようにしても良い。
尚、以上においては、未知のコンデンサCxの静電容量を求めることにより、人体の接触非接触を計測する例について説明してきたが、静電容量の変化に基づいて、計測できるものであれば、その他の計測装置に応用しても良く、例えば、圧力に応じて電極間距離が変化することにより、静電容量が変化するような構成を設けるようにすることで、静電容量の計測により圧力を計測する圧力センサを構成するようにしても良い。
以上によれば、未知の静電容量を、安価な装置により高精度で、高速に測定することが可能になると共に、静電容量の測定結果に基づいて、人体の接触非接触を高精度で高速に判定することが可能となる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行させることが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに記録媒体からインストールされる。
図30は、図1,図14,図19,図21,図22,図25,図26のマイクロコンピュータ1,21,51,61,71,81,91の電気的な内部構成をソフトウェアにより実現する場合のパーソナルコンピュータの一実施の形態の構成を示している。パーソナルコンピュータのCPU1001は、パーソナルコンピュータの全体の動作を制御する。また、CPU1001は、バス1004および入出力インタフェース1005を介してユーザからキーボードやマウスなどからなる入力部1006から指令が入力されると、それに対応してROM(Read Only Memory) 1002に格納されているプログラムを実行する。あるいはまた、CPU1001は、ドライブ1010に接続された磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリを含むリムーバブルメディア1011から読み出され、記憶部1008にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory) 1003にロードして実行する。これにより、上述した図1,図14,図19,図21,図22,図25,図26のマイクロコンピュータ1,21,51,61,71,81,91の機能が、ソフトウェアにより実現されている。さらに、CPU1001は、通信部1009を制御して、外部と通信し、データの授受を実行する。
プログラムが記録されている記録媒体は、図30に示すように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア1011により構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM1002や、記憶部1008に含まれるハードディスクなどで構成される。
尚、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は、もちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。
1 マイクロコンピュータ, 11 制御部, 12 スイッチ動作部, 12a タイマ, 13 計測部, 13a カウンタ, 13b 比較部, 21 マイクロコンピュータ, 31 スイッチ動作部, 31a タイマ