JP5103868B2 - 燃料電池搭載車両用排気管および燃料電池搭載車両 - Google Patents
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Description
アノード:H2→2H++2e−
カソード:(1/2)O2+2H++2e−→H2O
すなわち、アノードでは水素分子を水素イオンと電子に分解する電気化学反応が行われ、カソードでは、酸素と水素イオンと電子から水を生成する電気化学反応が行われる。したがって、アノードからカソードに向かって外部回路を移動する電子により起電力が生じると共に、カソード側に水が生成される(その水を「生成水」ともいう)。
車両に搭載された燃料電池から排出される排気ガスを、前記車両の外部へ排出するための排気管であって、
一方を閉塞端、他方を開口端とする管状を成し、側面に開口部を備える第1の管部と、
前記開口部に接続され、前記燃料電池から排出された前記排気ガスを、前記第1の管部に導入するための第2の管部と、
を備え、
前記開口部は、
前記閉塞端から所定の距離離れた位置に形成されていると共に、
前記第1の管部は、
前記車両内において配置される際には、前記閉塞端が前記開口端より前側に位置するように配置されることを要旨とする。
前記第1の管部の断面積、および前記開口部の開口面積は、前記第2の管部の断面積以上であることが好ましい。
前記車両内において前記第1の管部が配置される際には、
前記開口部の中心が、前記第1の管部の中心軸と同じ高さ、または前記第1の管部の中心軸より上側に位置するように、配置されることが好ましい。
前記第2の管部は、前記第1の管部に対して平行になるように、前記開口部に接続されることが好ましい。
前記第2の管部は、前記第1の管部に対して垂直になるように、前記開口部に接続されることが好ましい。
燃料電池が搭載された車両であって、
上記の燃料電池搭載車両用排気管が配設されていることを要旨とする。
前記燃料電池搭載車両用排気管中に、前記排気ガスに含まれる水分を分離する気液分離装置が配置され、
前記第1の管部は、前記燃料電池と前記気液分離装置との間に配置されることが好ましい。
A.第1の実施例:
A1.排気管の配置:
A2.燃料電池システムの構成:
A3.排気管の構成:
A4.排気管内の凝縮水の動き:
A5.効果:
B.第2の実施例:
B1.排気管の配置:
B2.排気管の構成:
B3.排気管内の凝縮水の動き:
B4.効果:
C.第3の実施例:
C1.排気管の配置:
C2.排気管の構成:
C3.排気管内の凝縮水の動き:
C4.効果:
D.変形例:
A1.排気管の配置
図1は、本発明の第1の実施例としての排気管100Aの配置を、燃料電池車1000Aの側方から見て示した説明図である。図1に示すように、燃料電池スタック200は、前部座席の床下に配置されている。排気管100Aは、一方が燃料電池スタック200の排気口に接続され、床下をほぼ水平に、車両後方へ排気ガスを案内するように、車両後方に向かって延びている。排気管100Aの車両後方部分には、排気ガス中の水分を分離して車外へ排出するための気液分離装置300と、マフラ400とが配置されている。
図2は、図1の燃料電池車1000Aに搭載される燃料電池スタック200を中心とする燃料電池システム20の構成を示す説明図である。図2に示すように、燃料電池システム20は、燃料電池スタック200と、酸化剤ガスとしての空気を燃料電池スタック200に供給して、燃料電池スタック200から排出された排気ガスを大気へ排出する空気給排系と、燃料ガスとしての水素を燃料電池スタック200に供給して、燃料電池スタック200から排出された未反応の水素を大気へ排出する水素給排系と、を備える。
図3は、本発明の第1の実施例としての排気管100Aの概略構成を示す説明図である。図3において、紙面左を車両前側、紙面右を車両後側、紙面上方を車両上側、紙面下方を車両下側として、燃料電池スタック200および排気管100Aを図示している。図4は、図3におけるA−A切断面を示す断面図である。
図5は、本発明の第1の実施例としての排気管100Aの内部におけるカソードオフガスGおよび凝縮水Wの動きを、模式的に表した説明図である。
燃料電池スタック200の空気排出マニホールド(図示しない)を通って、排気管100A内に導入されたカソードオフガスGは、空気を燃料電池スタック200に供給する際に、エアポンプ740によって加圧されているため、その圧力により、排気管100A内を車両の前方から後方へ向かって流れる(図5における実線矢印)。燃料電池スタック200から排出されたカソードオフガスGに含まれる生成水は、燃料電池スタック200から排出された直後は、燃料電池スタック200とほぼ同じ温度で高温であるため、水蒸気として存在しているが、排気管100Aの内部を移動していく過程で冷却され、水蒸気の一部が凝縮されて、液体の凝縮水になる。この凝縮水は、カソードオフガスGの流れに従って、排気管100A内を流れ、前出の気液分離装置300に導入されると、上記したように、バッファタンク等(図示せず)に貯留されたのち、大気中へ排出される。
以上説明したように、本実施例の排気管100Aを使用すると、車両が減速した場合に、排気管100A内の凝縮水Wが逆流して燃料電池スタック200内に流入するのを防止して、燃料電池スタック200の良好な発電を確保することができる。
B1.排気管の配置:
図6は、本発明の第2の実施例としての排気管100Bの配置を、燃料電池車1000Bの側方から見て示した説明図である。図6に示すように、燃料電池スタック200は、第1の実施例と同様に、前部座席の床下に配置されている。排気管100Bは、一方が燃料電池スタック200の排気口に接続され、床下をほぼ水平に、車両後方へ排気ガスを案内するように、車両後方に向かって延びている。本実施例の排気管100Bは、第1の実施例と同様に第1の管部120Bおよび第2の管部140Bを備えているが、第1の実施例とは異なり、図6に示すように、第1の管部120Bと第2の管部140Bとは、同一の高さで隣り合うように接続されている(後に詳述する)。
図7は、本発明の第2の実施例としての排気管100Bの概略構成を示す説明図である。図7において、紙面左を車両前側、紙面右を車両後側、紙面上方を車両右側、紙面下方を車両左側として、燃料電池スタック200および排気管100Bを図示している。
図8は、本発明の第2の実施例としての排気管100Bの内部におけるカソードオフガスGおよび凝縮水Wの動きを、模式的に表した説明図である。
燃料電池スタック200のカソード(図示しない)から排出されたカソードオフガスは、第2の管部140Bを通って、第1の管部120Bに流入し、そのまま、車両の後方に向かって流れている。一方、上記したように、排気管100Bの中で凝縮された凝縮水Wも、排気管100B内を車両の前方から後方へ向かって、カソードオフガスGの流れと共に、流れている。しかしながら、燃料電池車1000Bが車両前方に直進している場合に、減速すると、第1の管部120内の凝縮水Wは、慣性力により車両の後方から前方に向かって流れる(図8の破線矢印)。
以上説明したように、本実施例の排気管100Bを使用すると、上記した実施例の場合と同様に、車両が減速した場合に、排気管100B内の凝縮水Wが逆流して燃料電池スタック200内に流入するのを防止して、燃料電池スタック200の良好な発電を確保することができる。また、本実施例では、第1の管部120Bと、第2の管部140Bとが、同一の高さに配置されているため、車両の上下方向にスペースをとらない。したがって、車両の上下方向にスペースがない場合に、本実施例の排気管100Bを用いると、特に、好適である。
C1.排気管の配置:
図9は、本発明の第3の実施例としての排気管100Cの配置を、燃料電池車1000Cの側方から見て示した説明図である。図9に示すように、燃料電池スタック200は、第1の実施例と同様に、前部座席の床下に配置されている。排気管100Cは、一方が燃料電池スタック200の排気口に接続され、床下をほぼ水平に、車両後方へ排気ガスを案内するように、車両後方に向かって延びている。本実施例の排気管100Cは、第1の実施例と同様に第1の管部120Cおよび第2の管部140Cを備えているが、第1の実施例とは異なり、図10に示すように、第2の管部140Cと第1の管部120Cとは、互いに直交するように(すなわち、T字になるように)接続されている(後に詳述する)。
図10は、本発明の第3の実施例としての排気管100Cの概略構成を示す説明図である。図10において、紙面左を車両前側、紙面右を車両後側、紙面上方を車両右側、紙面下方を車両左側として、燃料電池スタック200および排気管100Cを図示している。
図11は、本発明の第3の実施例としての排気管100Cの内部におけるカソードオフガスGおよび凝縮水Wの動きを、模式的に表した説明図である。
燃料電池スタック200のカソード(図示しない)から排出されたカソードオフガスGは、第2の管部140Cを通って、第1の管部120Cに流入し、そのまま、車両の後方に向かって流れている。一方、上記したように、排気管100Cの中で凝縮された凝縮水Wも、排気管100C内を車両の前方から後方へ向かって、カソードオフガスGの流れと共に、流れている。しかしながら、燃料電池車1000Cが車両前方に直進している場合に、減速すると、第1の管部120C内の凝縮水Wは、慣性力により車両の後方から前方に向かって流れる(図11の破線矢印)。
以上説明したように、本実施例の排気管100Cを使用すると、上記した実施例の場合と同様に、車両が減速した場合に、排気管100C内の凝縮水Wが逆流して燃料電池スタック200内に流入するのを防止して、燃料電池スタック200の良好な発電を確保することができる。
なお、この発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
20...燃料電池システム
100...排気管
100A...排気管
100B...排気管
100C...排気管
100D...排気管
120...第1の管部
120A...第1の管部
120B...第1の管部
120C...第1の管部
120D...第1の管部
140...第2の管部
140A...第2の管部
140B...第2の管部
140C...第2の管部
140D...第2の管部
160A...閉塞端
160B...閉塞端
160C...閉塞端
170A...開口端
170B...開口端
170C...開口端
180...開口部
180A...開口部
180B...開口部
180C...開口部
200...燃料電池スタック
300...気液分離装置
400...マフラ
420...希釈器
500...排気管
520...水素供給管
540...水素タンク
560...シャットバルブ
580...調圧バルブ
720...空気供給管
740...エアポンプ
1000A...燃料電池車
1000B...燃料電池車
1000C...燃料電池車
L...距離
G...カソードオフガス
W...凝縮水
Claims (8)
- 車両に搭載された燃料電池から排出される排気ガスを、前記車両の外部へ排出するための排気管であって、
一方を閉塞端、他方を開口端とする管状を成し、側面に開口部を備える第1の管部と、
前記開口部に接続され、前記燃料電池から排出された前記排気ガスを、前記第1の管部に導入するための第2の管部と、
を備え、
前記開口部は、
前記閉塞端から所定の距離離れた位置に形成されていると共に、
前記第1の管部は、
前記車両内において配置される際には、前記閉塞端が前記開口端より前側に位置するように配置されることを特徴とする燃料電池搭載車両用排気管。 - 請求項1に記載の燃料電池搭載車両用排気管において、
前記第1の管部の断面積、および前記開口部の開口面積は、前記第2の管部の断面積以上であることを特徴とする燃料電池搭載車両用排気管。 - 請求項1または請求項2に記載の燃料電池搭載車両用排気管であって、
前記車両内において前記第1の管部が配置される際には、
前記開口部の中心が、前記第1の管部の中心軸と同じ高さ、または前記第1の管部の中心軸より上側に位置するように、配置されることを特徴とする燃料電池搭載車両用排気管。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の燃料電池搭載車両用排気管であって、
前記第2の管部は、前記第1の管部に対して平行になるように、前記開口部に接続されることを特徴とする燃料電池搭載車両用排気管。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃料電池搭載車両用排気管であって、
前記第2の管部は、前記第1の管部に対して垂直になるように、前記開口部に接続されることを特徴とする燃料電池搭載車両用排気管。 - 燃料電池が搭載された車両であって、
請求項1ないし請求項5のいずれか一つに記載の燃料電池搭載車両用排気管が配設されていることを特徴とする燃料電池搭載車両。 - 請求項6に記載の燃料電池搭載車両であって、
前記燃料電池搭載車両用排気管中に、前記排気ガスに含まれる水分を分離する気液分離装置が配置され、
前記第1の管部は、前記燃料電池と前記気液分離装置との間に配置されることを特徴とする燃料電池搭載車両。 - 請求項6または請求項7に記載の燃料電池搭載車両であって、
前記燃料電池は、
前記車両の床下に配置されることを特徴とする燃料電池搭載車両。
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