JP5103154B2 - インクジェット記録装置及び画像記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及び画像記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5103154B2
JP5103154B2 JP2007323754A JP2007323754A JP5103154B2 JP 5103154 B2 JP5103154 B2 JP 5103154B2 JP 2007323754 A JP2007323754 A JP 2007323754A JP 2007323754 A JP2007323754 A JP 2007323754A JP 5103154 B2 JP5103154 B2 JP 5103154B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
treatment agent
ink
recording medium
droplet ejection
application
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007323754A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009143146A (ja
JP2009143146A5 (ja
Inventor
淳 山野辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2007323754A priority Critical patent/JP5103154B2/ja
Priority to US12/332,785 priority patent/US8215744B2/en
Publication of JP2009143146A publication Critical patent/JP2009143146A/ja
Publication of JP2009143146A5 publication Critical patent/JP2009143146A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5103154B2 publication Critical patent/JP5103154B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/0011Pre-treatment or treatment during printing of the recording material, e.g. heating, irradiating
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/0011Pre-treatment or treatment during printing of the recording material, e.g. heating, irradiating
    • B41M5/0017Application of ink-fixing material, e.g. mordant, precipitating agent, on the substrate prior to printing, e.g. by ink-jet printing, coating or spraying

Description

本発明はインクジェット記録装置及び画像記録方法に係り、特に画像記録後の記録媒体に発生するカール等を防止する画像記録技術に関する。
一般の印刷等で用いられる、アート紙やコート紙等の「塗工紙」や、上質紙等の「非塗工紙」に水性のインクジェットを用いて印刷を行うと、用紙のセルロース繊維間の水素結合の切断、再結合により、「カール」と呼ばれる紙の変形が発生する、という問題が知られている。「カール」の防止策としては、インクに糖類等のカール防止剤を添加する方法や、搬送部の紙抑え機構を強力なものとして強制的にカールを抑える機構を持つ方式などがあるが、いずれも十分にカールを抑えることはできていない。
特許文献1には、インク記録に先立って紙にアルコールを付与し、記録位置では紙が実質的に乾燥した状態に至らしめ、その後に画像を記録する記録装置が開示されており、特許文献1では、セルロース繊維間の水素結合による結合点に存在する水酸基にアルコール液の水酸基が結合することによって、後から水がやってきてもアルコール液の疎水基部分により水分子が排除され繊維同士の結合点に到達できないため、紙が乾燥する過程で、繊維間の結合点の移動が起こりにくくなり、用紙のカールが抑制されるという効果を得ている。
特開2004−136458号公報
しかしながら、特許文献1に記載された紙カール抑制方法及び記録装置では、アルコールを水性インク打滴前に紙に付与するため、インクのハジキや画像のにじみが出るという問題があることが分かった。この問題を解決するために、アルコール液を紙に付与した後に紙表面を乾燥させてしまうと、その後にインクを打滴した際にカールが発生してしまうという問題があることも分かった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、記録媒体にカール等の異常が発生することなく、好ましい画像記録が行われるインクジェット記録装置及び画像記録方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るインクジェット記録装置は、記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録するインクジェット記録装置であって、樹脂成分及び溶媒成分を含有し、前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を与える第1の処理剤を前記記録媒体に付与する第1処理剤付与手段と、前記付与された第1の処理剤を加熱して前記溶媒成分を蒸発させるとともに、前記樹脂成分を皮膜化させることで前記記録媒体に対して液体の浸透を抑制する機能を与える加熱処理手段と、前記加熱処理手段の加熱処理の後に、インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を前記記録媒体に付与する第2の処理剤付与手段と、入力画像データをドットデータに変換する画像処理手段と、前記画像処理手段で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴ヘッドと、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を持った第1の処理剤を記録媒体に付与するので、インク中の色材を凝集させる機能またはインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤の記録媒体に対する浸透を抑制するとともに、インクの記録媒体に対する浸透が抑制され、記録媒体の内部に液体が浸透することで発生するカールを防止することができる。また、第2の処理剤が記録媒体の表面に保持されるので、記録媒体の表面で第2の処理剤とインクがすばやく反応し、インクのはじきやにじみが防止される。本発明は、浸透性を有する記録媒体に対して画像記録を行う場合に、特に効果を発揮する。
第1の処理剤は、第1の処理剤が記録媒体に浸透したとしてもカールを発生しない組成を有している。このような組成例として非水性溶媒(例えば油性溶媒)を用いた溶液が挙げられる。
第1の処理剤を乾燥させる第1の処理剤乾燥手段を備え、第1の処理剤を乾燥させた後に第2の処理剤及びインクを付与する態様が好ましい。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記樹脂成分は、ガラス転移温度がマイナス10℃以上10℃以下である熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする。請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記熱可塑性樹脂の粒子の直径は、0.01マイクロメートル以上5マイクロメートル以下であることを特徴とする。請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記第1の処理剤における前記熱可塑性樹脂の濃度は、1重量パーセント以上40重量パーセント以下であることを特徴とする。請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記第1の処理剤付与手段による第1の処理剤の付与を制御する第1の処理剤付与制御手段と、前記第2の処理剤付与手段による第2の処理剤付与を制御する第2の処理剤付与制御手段と、を備え、前記第1の処理剤付与制御手段は、前記第2の処理剤の付与領域及び前記第2の処理剤の付与領域の周囲領域に前記第1の処理剤を付与するように前記第1の処理剤付与手段を制御し、前記第2の処理剤付与制御手段は、前記インクの打滴領域及び前記インク打滴領域の周囲領域に前記第2の処理剤を付与するように前記第2の処理剤付与手段を制御することを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、第2の処理剤が付与される領域及び第2の処理剤が付
与される領域の周辺領域に第1の処理剤を付与することで、第2の処理剤は第1の処理剤
の付与領域に付与されることになり、記録媒体に対して第2の処理剤が浸透することを確
実に防止することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記第1の処理剤付与手段は第1の処理剤を液滴化して打滴する第1の処理剤打滴ヘッドを含むとともに、前記第2の処理剤付与手段は第2の処理剤を液滴化して打滴する第2の処理剤打滴ヘッドを含み、前記第1の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御する第1の処理剤打滴制御手段と、前記第2の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御する第2の処理剤打滴制御手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、第1の処理剤と第2の処理剤をドットオンドットで塗布することが可能である。また、非画像部への第1の処理剤の付着を抑制することで、非画像部の質感を維持できる。更に、記録媒体の全面に第1の処理剤を付与する場合に比べて第1の処理剤の消費量を減らすことができる。
打滴ヘッドの構成として、液体を吐出する吐出口と、吐出口と連通する液室と、液室内の液体を加圧する加圧手段と、を備える態様が挙げられる。
請求項に記載の発明は、請求項6に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記第1の処理剤打滴制御手段は、前記第2の処理剤打滴ヘッドの打滴点及び前記第2の処理剤打滴ヘッドの打滴点に隣接する打滴点を含む周囲の打滴点に前記第1の処理剤を打滴するように前記第1の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御することを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、効果的に記録媒体のカールを防止するとともに、記録
画像の高画質形成を実現可能である。
第2の処理剤打滴制御手段は、インク打滴ヘッドの打滴点及びインク打滴ヘッドの打滴点に隣接する打滴点を含む周囲の打滴点に第2の処理剤を打滴するように第2の処理剤打滴ヘッドを制御する態様が好ましい。
請求項に記載の発明は、請求項6に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記第1の処理剤打滴制御手段は、前記第2の処理剤打滴ヘッドによって第2の処理剤が打滴された打滴点と同一打滴点に対して、当該打滴点における第2の処理剤のドットよりも大きいサイズを有する第1の処理剤のドットを形成するように前記第1の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御することを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、第1の処理剤のドットのサイズを第2の処理剤のドットのサイズよりも大きくすることで、効果的なカール防止と高画質形成を実現可能である。
第2の処理剤付与制御手段は、インク打滴ヘッドによってインクが打滴された打滴点と同一打滴点に対して、当該打滴点におけるインクのドットよりも大きいサイズを有する第2の処理剤のドットを形成するように前記第2の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御し、第1の処理剤のドット、第2の処理剤のドット、インクのドットの順にドットサイズを小さくする態様がより好ましい。
請求項に記載の発明は、請求項記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記画像処理手段は、前記第1の処理剤の打滴密度が前記第2の処理剤の打滴密度よりも小さくなり、前記第1の処理剤のドットサイズが同一の打滴点に打滴される前記第2の処理剤のドットサイズよりも大きくなるよう前記第1の処理剤のドットデータ及び前記第2の処理剤のドットデータを生成することを特徴とする。請求項10に記載の発明に係るインクジェット記録装置は、記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を有する第1の処理剤を液滴化して前記記録媒体に打滴する第1の処理剤打滴ヘッドと、前記第1の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御する第1の処理剤打滴制御手段と、インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を液滴化して前記記録媒体に打滴する第2の処理剤打滴ヘッドと、前記第2の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御する第2の処理剤打滴制御手段と、入力画像データをドットデータに変換する画像処理手段と、前記画像処理手段で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴ヘッドと、を備え、前記画像処理手段は、前記第1の処理剤の打滴密度が前記第2の処理剤の打滴密度よりも小さくなり、前記第1の処理剤のドットサイズが同一の打滴点に打滴される前記第2の処理剤のドットサイズよりも大きくなるよう前記第1の処理剤のドットデータ及び前記第2の処理剤のドットデータを生成することを特徴とする。
請求項9及び10に記載の発明によれば、第2の処理剤の打滴位置に対して第1の処理剤によるドットを打滴することができ、効果的なカール防止と高画質形成が実現可能である。
請求項11に記載の発明は、請求項6から10いずれか1項に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、記録媒体を所定の方向へ搬送する搬送手段を備え、前記第1の処理剤付与制御手段は、前記インク打滴ヘッドによってインクが打滴される打滴点及び当該打滴点の前記記録媒体の搬送方向下流側の打滴点に第1の処理剤を打滴するように前記第1の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御することを特徴とする。請求項12に記載の発明に係るインクジェット記録装置は、記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を有する第1の処理剤を液滴化して前記記録媒体に打滴する第1の処理剤打滴ヘッドと、前記第1の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御する第1の処理剤打滴制御手段と、インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を液滴化して前記記録媒体に打滴する第2の処理剤打滴ヘッドと、前記第2の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御する第2の処理剤打滴制御手段と、入力画像データをドットデータに変換する画像処理手段と、前記画像処理手段で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴ヘッドと、記録媒体を所定の方向へ搬送する搬送手段と、を備え、前記第1の処理剤打滴制御手段は、前記インク打滴ヘッドによってインクが打滴される打滴点及び当該打滴点の前記記録媒体の搬送方向下流側の打滴点に第1の処理剤を打滴するように前記第1の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御することを特徴とする。
請求項11及び12に記載の発明によれば、インクジェット方式では最初の打滴において打滴異常が発生しやすいので、インクの打滴に先立ち第1の処理剤及び第2の処理剤を打滴することで、第1の処理剤及び第2の処理剤の最初の打滴に打滴異常が発生したとしても第1の処理剤を第2の処理剤の打滴エリアに対して確実に打滴することができる。
第2の処理剤付与制御手段は、前記インク打滴ヘッドによってインクが打滴される打滴点よりも前記記録媒体の搬送方向下流側の打滴点に第2の処理剤を打滴するように前記第2の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御すると、第2の処理剤打滴ヘッドの最初の打滴に打滴異常が発生したとしても、第2の処理剤をインクの打滴領域に対して確実に打滴することが可能となる。
請求項13に記載の発明は、請求項5に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、記録媒体の種類を判断する記録媒体判断手段を備え、前記第1の処理剤付与制御手段は、カールが発生しにくい記録媒体を使用する場合には、カールが発生しやすい記録媒体を用いる場合の前記第1の処理剤の付与量を通常量として、前記通常量よりも第1の処理剤の付与量を減らすように第1の処理剤付与手段を制御することを特徴とする。請求項14に記載の発明に係るインクジェット記録装置は、記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を有する第1の処理剤を前記記録媒体に付与する第1の処理剤付与手段と、前記第1の処理剤付与手段による第1の処理剤の付与を制御する第1の処理剤付与制御手段と、インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を前記記録媒体に付与する第2の処理剤付与手段と、前記第2の処理剤付与手段による第2の処理剤付与を制御する第2の処理剤付与制御手段と、入力画像データをドットデータに変換する画像処理手段と、前記画像処理手段で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴ヘッドと、記録媒体の種類を判断する記録媒体判断手段と、を備え、前記第2の処理剤付与制御手段は、前記インクの打滴領域及び前記インク打滴領域の周囲領域に前記第2の処理剤を付与するように前記第2の処理剤付与手段を制御し、前記第1の処理剤付与制御手段は、前記第2の処理剤の付与領域及び前記第2の処理剤の付与領域の周囲領域に前記第1の処理剤を付与するように前記第1の処理剤付与手段を制御するとともに、カールが発生しにくい記録媒体を使用する場合には、カールが発生しやすい記録媒体を用いる場合の前記第1の処理剤の付与量を通常量として、前記通常量よりも第1の処理剤の付与量を減らすように第1の処理剤付与手段を制御することを特徴とする。
請求項13及び14に記載の発明によれば、記録媒体の種類に応じて第1の処理剤の付与量が最適化されるので、記録媒体のカールを効果的に防止することができるとともに、インクにじみのない高品質の画像記録が実現される。
請求項15に記載の発明は、請求項5、13又は14いずれか1項に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、第2の処理剤の付与量を算出する第2の処理剤付与量算出手段と、インクの付与量を算出するインク付与量算出手段と、を備え、前記第1の処理剤付与制御手段は、前記第2の処理剤の付与量及び前記インクの付与量の総量が所定のしきい値以上の場合には第1の処理剤を付与し、前記第2の処理剤の付与量及び前記インクの付与量の総量が前記しきい値未満の場合には、第1の処理剤を付与しないように前記第1の処理剤付与手段を制御することを特徴とする。請求項16に記載の発明に係るインクジェット記録装置は、記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を有する第1の処理剤を前記記録媒体に付与する第1の処理剤付与手段と、前記第1の処理剤付与手段による第1の処理剤の付与を制御する第1の処理剤付与制御手段と、インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を前記記録媒体に付与する第2の処理剤付与手段と、前記第2の処理剤付与手段による第2の処理剤付与を制御する第2の処理剤付与制御手段と、入力画像データをドットデータに変換する画像処理手段と、前記画像処理手段で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴ヘッドと、第2の処理剤の付与量を算出する第2の処理剤付与量算出手段と、インクの付与量を算出するインク付与量算出手段と、を備え、前記第1の処理剤付与制御手段は、前記第2の処理剤の付与量及び前記インクの付与量の総量が所定のしきい値以上の場合には第1の処理剤を付与し、前記第2の処理剤の付与量及び前記インクの付与量の総量が前記しきい値未満の場合には、第1の処理剤を付与しないように前記第1の処理剤付与手段を制御することを特徴とする
請求項15及び16に記載の発明によれば、第2の処理剤の付与量及びインクの付与量の総量が少量であり、記録媒体にカールが発生する可能性が低い場合には、第1の処理剤を付与しないように第1の処理剤付与を制御するので、第1の処理剤の消費量が低減されるとともに、記録媒体の質感の変化が低減される。
請求項17に記載の発明は、請求項15又は16に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記第2の処理剤付与量算出手段は、前記画像処理手段によって変換された第2の処理剤のドットデータに基づいて第2の処理剤の付与量を算出することを特徴とする。
請求項17に記載の発明によれば、演算によって第2の処理剤の付与量を算出するので、第2の処理剤の付与量の実測が不要である。なお、第2の処理剤のドットデータは、インクのドットデータと同様の方法によって生成可能である。
インク付与量算出手段は、画像処理手段によって変換されたインクのドットデータに基づいてインクの付与量を算出する態様が好ましい。
請求項18に記載の発明は、請求項15から17のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記第2の処理剤付与量算出手段は、複数の領域に分割された前記記録媒体の領域ごとに第2の処理剤の付与量を算出するとともに、前記インク付与量算出手段は、前記領域ごとにインクの付与量を算出し、前記第1の処理剤付与制御手段は、前記領域ごとに第1の処理剤の付与を制御することを特徴とする。
請求項18に記載の発明によれば、画像領域を複数の領域に分割し、当該領域ごとに第2の処理剤の付与量を算出するとともに、当該領域ごとにインクの付与量を算出し、更に、当該領域ごとに第1の処理剤の付与を制御するので、必要な領域のみに第1の処理剤が付与され、第1の処理剤の消費量が低減されるとともに、非画像部の質感を維持することができる。
請求項19に記載の発明は、請求項15から18のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記しきい値は、記録媒体ごとに設定されることを特徴とする。
請求項19に記載の発明によれば、記録媒体の種類に応じて最適な第1の処理剤の付与が行われる。
記インク打滴ヘッドの打滴異常を検出する異常検出手段を備え、前記第1の処理剤付与制御手段は、前記異常検出手段によって検出された打滴異常箇所に対応する記録媒体上の位置には前記第1の処理剤を付与しないように前記第1の処理剤付与手段を制御する態様も好ましい
かかる態様によれば、インク打滴ヘッドの打滴異常によってインクが打滴されない位置には第1の処理剤を付与しないので、当該打滴異常の発生箇所の周辺に打滴されたインクがにじみ、打滴異常に起因するスジムラ等の画像異常の視認性を下げることができる。特に、隣接するドットが互いに重なり合うような高解像度の画像において、ドット被覆率が高い画像を記録する場合に効果を発揮する。
請求項20に記載の発明は、請求項5又は13から19のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記インク打滴ヘッドの打滴異常を検出する異常検出手段を備え、前記第1の処理剤付与制御手段は、前記異常検出手段によって検出された打滴異常箇所に対応する記録媒体上の位置及び前記打滴異常箇所に対応する記録媒体上の位置に隣接する位置には前記第1の処理剤を付与しないように前記第1の処理剤付与手段を制御することにより、前記打滴異常箇所に対応する記録媒体上の位置、及び前記打滴異常箇所に対応する記録媒体上の位置に隣接する位置には前記第1の処理剤を付着させず、前記打滴異常箇所に対応する記録媒体上の位置に隣接する位置に打滴されたインクのドットを、前記打滴異常箇所に対応する記録媒体上の位置へ滲ませることを特徴とする。
請求項20に記載の発明によれば、インク打滴ヘッドに打滴異常が発生しても、当該打滴異常に対応する位置の周辺のインクドットをにじませることで、画像異常の視認性を下げることができる。請求項21に記載の発明は、請求項20に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記第2の処理剤付与制御手段は、前記打滴異常箇所に対応する記録媒体上の位置、及び前記打滴異常箇所に対応する記録媒体上の位置に第2の処理剤を付与しないように前記第2の処理剤付与手段を制御することを特徴とする。
請求項22に記載の発明は、請求項1から21のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記第1の処理剤は、油性溶媒に樹脂粒子を分散させた液体若しくは、油性溶媒に樹脂を溶解させた液体を含むことを特徴とする。
請求項22に記載の発明によれば、第1の処理剤自身が浸透性を有する記録媒体に対して非浸透性または難浸透性を有するので、好ましい。
請求項23に記載の発明は、請求項1から22のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記第1の処理剤は、ワックスを含むことを特徴とする。
請求項23に記載の発明によれば、第1の処理剤が記録媒体に浸透することなく、記録媒体の表面に好ましい第1の処理剤層が形成される。
また、本発明は上記目的を達成するための方法発明を提供する。請求項24に記載の発明に係る画像記録方法は、記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録する画像記録方法であって、樹脂成分及び溶媒成分を含有し、前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を与える第1の処理剤を前記記録媒体に付与する第1の処理剤付与工程と、前記付与された第1の処理剤を加熱して前記溶媒成分を蒸発させるとともに、前記樹脂成分を皮膜化させることで前記記録媒体に対して液体の浸透を抑制する機能を与える加熱処理工程と、前記加熱処理工程の後に、前記第1の処理剤が付与された記録媒体に前記インク中の色材を凝集させる機能或いはインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を付与する第2の処理剤付与工程と、前記第2の処理剤付与工程の後に、入力画像データから変換されたドットデータに従い前記第2の処理剤が付与された記録媒体にインクを打滴するインク打滴工程と、を含むことを特徴とする。
第1の処理剤を付与後に第1の処理剤を乾燥させる乾燥工程を含む態様が好ましい。請求項25に記載の発明に係る画像記録方法は、記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録する画像記録方法であって、前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を有する第1の処理剤を液滴化して前記記録媒体に打滴する第1の処理剤打滴工程と、インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を液滴化して前記記録媒体に打滴する第2の処理剤打滴工程と、入力画像データをドットデータに変換する画像処理工程と、前記画像処理工程で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴工程と、を含み、前記画像処理工程は、前記第1の処理剤の打滴密度が前記第2の処理剤の打滴密度よりも小さくなり、前記第1の処理剤のドットサイズが同一の打滴点に打滴される前記第2の処理剤のドットサイズよりも大きくなるよう前記第1の処理剤のドットデータ及び前記第2の処理剤のドットデータを生成することを特徴とする。請求項26に記載の発明に係る画像記録方法は、記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録する画像記録方法であって、前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を有する第1の処理剤を液滴化して前記記録媒体に打滴する第1の処理剤打滴工程と、インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を液滴化して前記記録媒体に打滴する第2の処理剤打滴工程と、入力画像データをドットデータに変換する画像処理工程と、前記画像処理工程で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴工程と、記録媒体を所定の方向へ搬送する搬送工程と、を含み、前記第1の処理剤打滴工程は、前記インク打滴工程によってインクが打滴される打滴点及び当該打滴点の前記記録媒体の搬送方向下流側の打滴点に第1の処理剤を打滴するように前記第1の処理剤の打滴を制御することを特徴とする。請求項27に記載の発明に係る画像記録方法は、記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録する画像記録方法であって、前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を有する第1の処理剤を前記記録媒体に付与する第1の処理剤付与工程と、インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を前記記録媒体に付与する第2の処理剤付与工程と、入力画像データをドットデータに変換する画像処理工程と、前記画像処理工程で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴工程と、記録媒体の種類を判断する記録媒体判断工程と、を含み、前記第2の処理剤付与工程は、前記インクの打滴領域及び前記インク打滴領域の周囲領域に前記第2の処理剤を付与し、前記第1の処理剤付与工程は、前記第2の処理剤の付与領域及び前記第2の処理剤の付与領域の周囲領域に前記第1の処理剤を付与するとともに、カールが発生しにくい記録媒体を使用する場合には、カールが発生しやすい記録媒体を用いる場合の前記第1の処理剤の付与量を通常量として、前記通常量よりも第1の処理剤の付与量を減らすように第1の処理剤を付与することを特徴とする。請求項28に記載の発明に係る画像記録方法は、記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録する画像記録方法であって、前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を有する第1の処理剤を前記記録媒体に付与する第1の処理剤付与工程と、インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を前記記録媒体に付与する第2の処理剤付与工程と、入力画像データをドットデータに変換する画像処理工程と、前記画像処理工程で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴ヘッドと、第2の処理剤の付与量を算出する第2の処理剤付与量算出工程と、インクの付与量を算出するインク付与量算出工程と、を含み、前記第1の処理剤付与工程は、前記第2の処理剤の付与量及び前記インクの付与量の総量が所定のしきい値以上の場合には第1の処理剤を付与し、前記第2の処理剤の付与量及び前記インクの付与量の総量が前記しきい値未満の場合には、第1の処理剤を付与しないことを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を持った第1の処理剤を記録媒体に付与するので、インク及びインク中の色材を凝集させる機能またはインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤が記録媒体に浸透することがなく、記録媒体内に液体が浸透することで発生するカールを防止することができる。本発明は、浸透性を有する記録媒体に対して画像記録を行う場合に、特に効果を発揮する。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔画像記録方法の説明〕
図1(a)〜(c)には、本発明の実施形態に係る画像記録方法を模式的に図示した。本例に示す画像記録方法は、図1(a)に図示する浸透抑制剤付与工程と、図1(b)に図示する処理液付与工程と、図1(c)に示すインク打滴工程と、を含んで構成されている。
図1(a)に示す浸透抑制剤付与工程は、用紙16に水及び親水的な有機溶剤の浸透を抑制する浸透抑制剤(第1の処理剤;液滴化された浸透抑制剤を符号1で図示)を付与する。浸透抑制剤としては、有機溶剤にラテックスを分散した溶液、有機溶剤にポリマーを溶解した溶液、ワックス等が好適に用いられる。有機溶剤としては、メチルエチルケトン、石油類等の非水性溶剤(溶剤自体が紙のカールを発生させないもの)が好適に用いられる。なお、溶媒が水等のカールを発生させる溶媒であっても、用紙16の種類及び第1の処理剤の付与量によっては使用可能である。
浸透抑制剤の付与方法としては、インクジェット方式による打滴や(ノズル51から浸透抑制剤を微液滴化して打滴する態様を図1(a)に図示)、スプレー塗布、ローラ塗布等が好適に用いられる。インクジェット方式を適用する場合には、浸透抑制剤を後述する色材入りインクの打滴箇所及びその周辺のみに選択的に付与することができ、好適である。更に、浸透抑制剤を付与した後に、加熱処理を施して浸透抑制剤の溶媒成分を蒸発させるとともに、樹脂成分(ラテックス、溶解ポリマーなど)を皮膜化させることが好ましい。
また、図1(b)に示す処理液付与工程は、浸透抑制剤付与工程によって用紙16の表面に浸透抑制剤層1Aが形成された後に、後述の色材入りインク(図1(c)に符号3で図示)中の色材(顔料もしくは染料)を凝集若しくは増粘させる成分を持つ物質(処理液、第2の処理剤;図1(b)に微液滴化した処理液2を図示)を付与する。
処理液の具体例として、インクと反応してインク中の色材を析出あるいは不溶化させる処理液や、インク中の色材を含む半固体状の物質(ゲル)を生成する処理液等が挙げられる。そして、インクと処理液との反応を引き起こす方法として、インク中のアニオン性の色材と処理液中のカチオン性の化合物を反応させる方法や、互いにpHの異なるインクと処理液を混合させることでインクのpHを変化させてインク中の顔料の分散破壊を起こし顔料を凝集させる方法、処理液中に含有する多価金属塩との反応によりインク中の顔料の分散破壊を起こし顔料を凝集させる方法などが挙げられる。
処理液の付与方法としては、浸透抑制剤の付与方法と同様に、インクジェット方式による打滴(ノズル51’から処理液を微液滴化して打滴する態様を図1(b)に図示)、スプレー塗布、ローラ塗布等が好適に用いられる。インクジェット方式を適用する場合には、処理液を後述する色材入りインクの打滴箇所及びその周辺のみに選択的に付与することができ、好適である。
上述したように浸透抑制剤を予め付与している場所(浸透抑制剤層1A上)に処理液を付与するため、処理液は用紙16の内部へ浸透しづらくなっている。なお、後述のインク中の色材成分が凝集した後に、用紙16(浸透抑制剤層1A)と接着せず処理液層2A中に浮遊してしまうことを防止するために、処理液を付与した後(処理液層2Aが形成された後)に処理液中の溶媒を乾燥(蒸発)させることが好ましい。
図1(c)に示すインク打滴工程は、インクジェット方式で入力画像に対応したドット3Aを形成するために、ノズル51”からインク液滴3を打滴する。即ち、予め処理液層2Aが形成された領域に対して画像データに応じてインク液滴を打滴し、用紙16上に所望の画像を記録する。
上述した画像記録方法によれば、浸透抑制剤の機能によって処理液2及びインク液滴3の溶媒成分の用紙16内への浸透が抑制され、画像記録後の記録媒体にカールが発生しない。また、処理液2が用紙16に浸透せずに用紙16の表面に保持されるので、用紙16(処理液層2A)に着弾したインク液滴3は用紙16の表面にすばやく定着し、インクのにじみ等の画像異常の発生が防止される。
〔装置構成〕
次に、図1(a)〜(c)に示した画像記録方法が適用される画像形成装置(インクジェット記録装置)について説明する。図2は本例に示すインクジェット記録装置10の全体構成図である。
図2に示すように、インクジェット記録装置10は、CMYK各色に対応するヘッド12C,12M,12Y,12Kを含むインク打滴部12から、用紙搬送部14によって所定の用紙搬送方向Aに搬送される用紙16に対して、CMYK各色のインクを打滴して所望のカラー画像を記録するオンデマンド方式の画像記録装置である。
インクジェット記録装置10は、浸透抑制剤(図1(a)参照)を用紙16に付与する浸透抑制剤付与部18と、浸透抑制剤中の溶媒を乾燥させる浸透抑制剤乾燥部20と、乾燥処理が施された浸透抑制剤層(図1(a),(b)参照)に処理液を付与する処理液付与部22と、処理液中の溶媒を乾燥させる処理液乾燥部24と、上述したインク打滴部12と、インク中の溶媒を乾燥させるインク乾燥部26と、インク色材を用紙16に定着させる処理を施す定着加圧部28と、を含んで構成されている。
即ち、用紙搬送部14に保持された用紙16は図2における左から右へ搬送され、先ず浸透抑制剤付与部18から浸透抑制剤が付与され、浸透抑制剤付与部18の用紙搬送方向下流側に設けられる浸透抑制剤乾燥部20によって乾燥処理が施される。その後、浸透抑制剤乾燥部20の用紙搬送方向下流側に設けられる処理液付与部22から処理液が付与され、更に、処理液付与部22の用紙搬送方向下流側に設けられる処理液乾燥部24によって乾燥処理が施される。
次に、処理液乾燥部24の用紙搬送方向下流側に設けられるインク打滴部12から画像データに応じてインク液滴が打滴され、インク打滴部12の用紙搬送方向下流側に設けられるインク乾燥部26によって乾燥処理が施される。
用紙搬送部14には、複数のローラに巻き掛けられた無端状のベルトの表面に用紙16を保持して搬送するベルト搬送や、ドラムの外周面に用紙16を保持し、ドラムを所定の回動方向に回動させてドラムの外周面上で用紙16を搬送するドラム搬送などの方式が好適に用いられる。また、用紙搬送部14に用紙16を保持する方式には、エアの吸引によるエア吸着、静電気による静電吸着、用紙の端部をニップ保持する方式などの様々な方式を適用することができる。
本例の浸透抑制剤付与部18及び処理液付与部22にはインクジェット方式(インクジェットヘッド)が好適に用いられる。もちろん、インクジェット方式に代わり、塗布ローラ等の塗布部材による塗布方式やスプレー方式などの方式を適用してもよい。
本例の各乾燥部には共通の構成が適用される。即ち、本例に示す各乾燥部では、媒体上方から(用紙16の画像記録面側から)乾燥処理が施される。乾燥処理は赤外線乾燥と乾燥風の併用が好ましい。また、インク中の溶媒の乾燥に代わり、もしくは乾燥と併用して、多孔質ローラによる溶媒吸収を行ってもよい。また、用紙16を保持する構造体(例えば、ベルトやドラムの内部)にヒータを内蔵する態様を適用することも可能である。
インクの打滴量は浸透抑制剤の打滴量や処理液の打滴量よりも多くなるので、インク打滴部12の後段に設けられるインク乾燥部26は、他の乾燥処理部よりも容量を大きくし、強力に乾燥させるように構成する態様が好ましい。
インク乾燥部26の用紙搬送方向下流側に設けられる定着加圧部28では、色材凝集体に対して、0.5〜2.0MPa程度の圧力と70〜100℃程度の加熱をかけ、インク中の分散ポリマーを溶融させ、用紙16(図1(a),(b)に図示する浸透抑制剤層1A)との密着を強化することが好ましい。また、定着加圧部28に代わって、用紙16の表面(画像記録面)ラミネート処理を施してもよい。
定着加圧部28の用紙搬送方向には、センサ30が設けられている。センサ30は、用紙16に記録された画像を撮像する撮像素子(CCD)を含んで構成される。本例のインクジェット記録装置10では、センサ30による撮像結果に基づいて、インク打滴部12の色ごとに異常(インクの吐出異常)の有無が判断される。
センサ30は、カラー画像を読み取り可能に構成されている。例えば、RGBの各色に対応したフィルタRGBの各色に対応したセンサを別個に備えてもよいし、所定の配列で並べられたRGBの各色に対応したカラーフィルタを備える構成でもよい。また、撮像素子を1列に並べたラインセンサを用いてもよいし、撮像素子を2次元状に並べたエリアセ ンサを用いてもよい。
図示は省略するが、インクジェット記録装置10には、用紙搬送部14に用紙16を供給する給紙部が設けられている。複数種類の用紙(記録媒体)を利用可能な構成にした場合(用紙16が収容されるマガジンを複数備える場合)、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体を各マガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切なインク吐出及び処理液付与、浸透抑制剤の付与を実現するようにインク吐出制御及び処理液付与制御、浸透抑制剤付与制御を行うことが好ましい。
なお、ロール状に巻かれた長尺の連続用紙等を用いる場合には、浸透抑制剤付与部18の前段に用紙16を所定の長さにカットするカッターが設けられている。裁断用のカッターの構成例を挙げると用紙16の幅以上の長さを有する固定刃と、該固定刃に沿って移動する丸刃とから構成され、印字裏面側に固定刃が設けられ、用紙16の搬送路を挟んで印字面側に丸刃が配置される構成が挙げられる。
また、図示は省略するが、インクジェット記録装置10には、インク打滴部12の各ヘッド12C,12M,12Y,12Kにインクを供給するインク貯蔵/装填部を備えている。インク貯蔵/装填部は、各ヘッド12C,12M,12Y,12Kに対応する色のインクを貯蔵するインク供給タンク(図7に符号60で図示)を有し、各色のインクは所要のインク流路を介して各ヘッド12C,12M,12Y,12Kと連通されている。また、インク貯蔵/装填部は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有する部材が用いられる。
なお、上述したインク貯蔵/装填部と同様に、浸透抑制剤付与部18に対して浸透抑制剤を供給する構成を備えるとともに、処理液付与部22に対して処理液を供給する構成を備えている。また、本例に示すインクジェット記録装置10は上述した構成以外にも、用紙搬送部14の用紙を保持する面の汚れを除去するクリーニング処理部や、用紙搬送路上における用紙16の位置を検出する位置検出センサ、インク打滴部12の周辺など装置各部の温度を検出する温度センサ、画像記録後の用紙16を装置外部に排出する排紙部、上述した各部を用紙搬送路上と所定の退避位置との間を移動させる移動機構などを備えている。
〔印字部の説明〕
次に、インク打滴部12について詳説する。図3に示すように、インク打滴部12の各ヘッド12C,12M,12Y,12Kは、用紙16における画像記録領域の最大幅に対応する長さを有し、そのインク吐出面には画像記録領域の全幅にわたりインク吐出用のノズル(図4に符号51で図示)が複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている。
ヘッド12C,12M,12Y,12Kは、用紙16の搬送方向(副走査方向;符号Aで図示)に沿って上流側からシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),黒(K)の色順に配置され、それぞれのヘッド12C,12M,12Y,12Kが用紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に延在するように固定設置される。
用紙16の全幅をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッドを各色インクに対してそれぞれ設ける構成によれば、用紙搬送方向について、用紙16とインク打滴部12の各ヘッド12C,12M,12Y,12Kとを相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち、1回の副走査で)、用紙16の画像記録領域に画像を形成することができる。これにより、ヘッド12C,12M,12Y,12Kが用紙搬送方向と直交する主走査方向に往復動作するシリアル(シャトル)型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、プリント生産性を向上させることができる。
本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
〔ヘッドの構造〕
次に、ヘッド12C,12M,12Y,12Kの構造について詳説する。ヘッド12C,12M,12Y,12Kの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってヘッドを示す。なお、浸透抑制剤付与部18に含まれるインクジェットヘッド(浸透抑制剤ヘッド)及び処理液付与部22に含まれるインクジェットヘッド(処理液ヘッド)にもヘッド50と同様の構成を適用することができるので、本例のインクジェット記録装置10に含まれるインクジェットヘッドについて、ヘッド12C,12M,12Y,12Kを用いて説明する。
図4(a)はヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図4(b)はその一部の拡大図である。また、図4(c)はヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図5はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図4(a),(b)中の5−5線に沿う断面図)である。
用紙16上に形成されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド50は、図4(a),(b)に示すように、インク滴の吐出孔であるノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(副走査方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
主走査方向に用紙16の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図4(a)の構成に代えて、図4(c)に示すように、複数のノズル51が2次元に配列された短尺のヘッドモジュール50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで用紙16の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。また、図示は省略するが、短尺のヘッドモジュールを一列に並べてラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。図5に示すように、各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。共通流路55はインク供給源たるインク供給タンク(図5中不図示、図7に符号60で図示)と連通しており、該インク供給タンクから供給されるインクは図5の共通流路55を介して各圧力室52に分配供給される。
圧力室52の天面を構成し共通電極と兼用される振動板56には個別電極57を備えた圧電素子58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによって圧電素子58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
かかる構造を有するインク室ユニット53を図6に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd×cosθとなり、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙16の幅方向(用紙16の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるラインまたは複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図4(a),(b)に示すようなマトリクス状に配置されたノズル51を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。即ち、ノズル51-11、51-12、51-13、51-14、51-15、51-16を1つのブロックとし(他にはノズル51-21、…、51-26を1つのブロック、ノズル51-31、…、51-36を1つのブロック、…として)、用紙16の搬送速度に応じてノズル51-11、51-12、…、51-16を順次駆動することで用紙16の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙16とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるラインまたは複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
そして、上述の主走査によって記録される1ライン(或いは帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向といい、上述の副走査を行う方向を副走査方向という。なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。
また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表される圧電素子58の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
本発明の適用範囲はライン型ヘッドによる印字方式に限定されず、用紙16の幅方向の長さに満たない短尺のヘッドを用紙16の幅方向に走査させて当該幅方向の印字を行い、1回の幅方向の印字が終わると用紙16を幅方向と直交する方向に所定量だけ移動させて、次の印字領域の用紙16の幅方向の印字を行い、この動作を繰り返して用紙16の印字領域の全面にわたって印字を行うシリアル方式を適用してもよい。
〔供給系の構成〕
図7はインクジェット記録装置10におけるインク(浸透抑制剤、処理液)供給系の構成を示した概要図である。インク供給タンク60はヘッド50にインクを供給する基タンクであり、先に説明したインク貯蔵/装填部に含まれる。インク供給タンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
図7に示すように、インク供給タンク60とヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図7には示さないが、ヘッド50の近傍又はヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ヘッド50のインク吐出面の清掃手段としてクリーニングブレード66が設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニット(メンテナンス手段)は、不図示の移動機構によってヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置からヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によってヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、ヘッド50に密着させることにより、ノズル面をキャップ64で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、圧電素子58が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(圧電素子58の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)圧電素子58を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ64(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き、ダミー吐出)が行われる。
また、ヘッド50内のインク(圧力室52内)に気泡が混入した場合、圧電素子58が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合にはヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室52内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード66はゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構によりヘッド50のインク吐出面に摺動可能である。インク吐出面にインク液滴または異物が付着した場合、クリーニングブレード66をインク吐出面に摺動させることでインク吐出面を拭き取り、インク吐出面を清掃する。
〔制御系の説明〕
図8は、インクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システム制御部72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、定着加圧制御部79、プリント制御部80、画像バッファメモリ(不図示)、ヘッドドライバ84、浸透抑制剤制御部90、処理液付与制御部92、演算部94等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。
画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像やセンサ30によって読み取られた画像の読取データ、演算部94による演算後のデータ(画像処理後の画像)等を一旦格納する記憶手段であり、システム制御部72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システム制御部72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システム制御部72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御し、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
画像メモリ74には、システム制御部72のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、画像メモリ74は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。画像メモリ74は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。また、システム制御部72等を構成するプロセッサ類に内蔵されるメモリを画像メモリ74として用いてもよい。
モータドライバ76は、システム制御部72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバである。図8には、装置内の各部に配置されるモータ(アクチュエータ)を代表して符号88で図示されている。例えば、図8に示すモータ88には、図1の用紙搬送部14の駆動源として機能するモータや、各部の移動機構のモータ、図7のクリーニングブレード66を移動させる機構のモータなどが含まれる。
ヒータドライバ78は、システム制御部72からの指示にしたがって、ヒータ89を駆動するドライバである。図8には、インクジェット記録装置10に備えられる複数のヒータを代表して符号89で図示されている。例えば、図8に示すヒータ89には、図1の浸透抑制剤乾燥部20のヒータや、処理液乾燥部24のヒータ、インク乾燥部26のヒータなどが含まれている。
プリント制御部80は、システム制御部72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ84及び浸透抑制剤制御部90、処理液付与制御部92に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、ヘッドドライバ84を介してヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。また、当該画像データに基づいて浸透抑制剤制御部90を介して浸透抑制剤付与部18の浸透抑制剤付与量や付与タイミングが制御されるとともに、処理液付与制御部92を介して処理液付与部22の処理液付与量や付与タイミングが制御される。
プリント制御部80には不図示の画像バッファメモリが備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリに一時的に格納される。また、プリント制御部80とシステム制御部72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84は、プリント制御部80から与えられる画像データに基づいてヘッド12C,12M,12Y,12Kの圧電素子58に印加される駆動信号を生成するとともに、該駆動信号を圧電素子58に印加して圧電素子58を駆動する駆動回路を含んで構成される。なお、図8に示すヘッドドライバ84には、ヘッド50の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース70を介して外部から入力され、画像メモリ74に蓄えられる。この段階では、RGBの画像データが画像メモリ74に記憶される。
画像メモリ74に蓄えられた画像データは、システム制御部72を介してプリント制御部80に送られ、該プリント制御部80においてインク色ごとのドットデータに変換される。即ち、プリント制御部80は、入力されたRGBのラスターデータをKCMYの4色のドットデータに変換するRIP処理を行う。プリント制御部80で生成されたドットデータは、不図示の画像バッファメモリに蓄えられる。なお、浸透抑制剤のドットデータや処理液のドットデータも同様に生成される。
演算部94は、センサ30から得られた検出信号に所定の信号処理を施す機能を有するブロックである。例えば、センサ30の読取信号からドットの欠陥(形状の異常、位置の異常)の情報を生成し、当該吐出異常情報をプリント制御部80に提供する。プリント制御部80では、当該吐出異常情報に基づいて画像データ(ドットデータ)の補正が行われる。
不図示のプログラム格納部には各種制御プログラムが格納されており、システム制御部72の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、実行される。プログラム格納部はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。外部インターフェースを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記録媒体のうち、複数の記録媒体を備えてもよい。なお、プログラム格納部は動作パラメータ等の記憶手段(不図示)と兼用してもよい。
〔浸透抑制剤及び処理液の付与方法の説明〕
次に、浸透抑制剤及び処理液の付与方法について詳述する。前述のように、浸透抑制剤および処理液はローラ塗布等のような全面塗布でもよいが、本例ではインクジェット方式を適用することで、インクに対してドットオンドットで処理液を打滴することができ、更に、処理液に対してドットオンドットで浸透抑制剤を打滴することができるので、非画像部(インクのドットが配置されない部分)の質感を変えることなく維持することができ、また、処理液及び浸透抑制剤の消費量の低減化にも寄与する。
更に、以下に示す打滴方法では、処理液及び浸透抑制剤を色材入りインクの打滴箇所及びその周辺のみに選択的に付与する方式を適用している。図9(a)〜(c)には、インク及び処理液、浸透抑制剤の付与例を模式的に図示する。
図9(a)に示すドット配置100には、インクによるドット102の配置を表している。インクドットはCMYK各色の論理和であり、CMYK各色のうち1色でもドットが存在する場合にはドットが配置されるとしている。また、図9(b)に示すドット配置110は処理液によるドット112の配置を表し、図9(c)に示すドット配置120は浸透抑制剤によるドット122の配置を表している。
図9(a)〜(c)には、浸透抑制剤、処理液、インクの順に付与面積を小さくする態様を図示している。言い換えると、図9(a)に示すインク打滴領域(インクドット102が形成される領域)とその周辺に処理液を打滴し(図9(b)に示す処理液ドット112を形成し)、処理液打滴領域(処理液ドット112が形成される領域)とその周辺に浸透抑制剤を打滴する(浸透抑制剤ドット122を形成する)という構成が好ましい。
インク打滴領域の周辺に処理液を打滴する方法、処理液打滴領域の周辺に浸透抑制剤を打滴する方法として、図9(a)〜(c)にはインク打滴部(インクの打滴点、インクドット102が形成されている部分)とその上下左右に処理液を打滴し、さらに処理液打滴部(処理液の打滴点、処理液ドット112が形成されている部分)の上下左右に浸透抑制剤を打滴する例を示した。なお、上下左右に加え、右斜め上、左斜め上、右斜め下、左斜め下を加えてもよい。「打滴点」とは、画像上(用紙上)においてドットを形成し得る位置である。
即ち、図9(a)〜(c)に態様では、インクによるドット、処理液によるドット、浸透抑制剤によるドットの大きさを変えずに、インクの打滴点に隣接する打滴点を含む周囲の打滴点に処理液を打滴するように処理液の打滴点をインクの打滴点よりも増やすとともに、処理液の打滴点に隣接する打滴点を含む周囲の打滴点に浸透抑制剤を打滴するように、浸透抑制剤の打滴点を処理液の打滴点よりも増やして、インク、処理液、浸透抑制剤の打滴点を決める方法が挙げられる。
言い換えると、図9(a)〜(c)に示す態様では、インクドット102の周囲を囲むように処理液ドット112が形成されるとともに、処理液ドット112の周囲を囲むように浸透抑制剤ドット122が形成される。なお、図9(a)〜(c)にはインク打滴領域の外側に1ドット分の処理液打滴領域を設け、更に、処理液打滴領域の外側に1ドット分の浸透抑制剤打滴領域を設ける態様を例示したが、インク打滴領域の外側に2ドット分以上の処理液打滴領域を設けてもよいし、処理液打滴領域の外側に2ドット分以上の浸透抑制剤打滴領域を設けてもよく、記録画像(記録画像のインクドット密度)に応じて適宜決めるとよい。
図9(a)〜(c)に示す態様によれば、処理液の打滴領域を囲むように処理液に先立って浸透抑制剤を打滴するので、浸透抑制剤が存在しない領域に処理液が着弾することがなく、確実に用紙16のカールが防止される。また、インクの打滴領域を囲むようにインクに先立って処理液を打滴するので、処理液が存在しない領域にインクが着弾することがなく、確実にインクと処理液を反応させることができる。
図10(a)〜(c)には、インク、処理液、浸透抑制剤の順に打滴量を増やした場合のドット配置の例を示している。即ち、図10(a)〜(c)には処理液及び浸透抑制剤のドット数を変更せずに、処理液ドット132、浸透抑制剤ドット142の大きさを変更する態様を示す。図10(a)に示すドット配置100は、図9(a)に示すインクドット102のドット配置と同一であり説明は省略する。
図10(b)に示すドット配置130は処理液ドット132の配置を表し、処理液ドット132は、図10(a)に示すインクドット102と同一打滴点に形成されるとともに、インクドット102よりも大きいサイズを有している。また、図10(c)に示すドット配置140は、浸透抑制剤ドット142のドット配置を表し、浸透抑制剤ドット142はインクドット102及び処理液ドット132と同一打滴点に形成されるとともに、処理液ドット132によりも大きいサイズを有している。
なお、処理液ドット132のサイズをインクドット102のサイズよりも大きくするには、処理液の打滴量をインクの打滴量よりも多くする代わりに、処理液に含有する界面活性剤の含有量を調整して処理液をインクよりも濡れ広がるよう調整してもよい。更に、打滴量の調整と界面活性剤の含有量の調整を組み合わせてもよい。また、浸透抑制剤ドット142のサイズを処理液ドット132のサイズよりも大きくする方法にも同様の方法を適用することができる。
インクドット102の面積に対する処理液ドット132の面積は、1.2倍以上3.0倍以下が好ましく、より好ましくは1.5倍以上2.0倍以下である。また、処理液ドット132の面積に対する浸透抑制剤ドット142の面積は、1.2倍以上4.0倍以下が好ましく、より好ましくは1.5倍以上2.0倍以下である。
図10(a)〜(c)に示す態様によれば、インクのドット配置を浸透抑制剤のドット配置(処理液のドット配置)に利用でき、制御系の演算負荷の低減化に寄与する。
図11(a)〜(c)には、浸透抑制剤、処理液、インクの順に打滴密度を上げるという態様を図示する。図11(a)に示すドット配置100は、インクドット102のドット配置を表し、図9(a)及び図10(a)に図示したドット配置100と同一である。図11(b)に示すドット配置150は処理液ドット152のドット配置であり、図11(a)に示すインクドット102のドット配置100に対してドット密度が主走査方向及び副走査方向ともに1/2になっており、処理液ドット152の範囲内にインクドット102が1つでも存在する場合には、対応する処理液ドットが打滴される。
図11(c)に示すドット配置160は浸透抑制剤ドット162によるドット配置を表し、図11(b)に示す処理液ドット152のドット配置150に対して主走査方向及び副走査方向ともにドット密度が1/2になっており、浸透抑制剤ドット162の範囲内に処理液ドット152が存在する場合には、対応する浸透抑制剤ドット162が打滴される。例えば、インクドット102のドット密度が1200dpiの場合には、処理液ドット152のドット密度を600dpiとし、浸透抑制剤ドット162のドット密度を300dpiとする。
言い換えると、図11(a)〜(c)に示す態様では、インクに対して処理液の打滴密度を粗くするとともに、処理液に対して浸透抑制剤の打滴密度を更に粗くして、図11(a)に示すインクドット102の周囲に図11(b)に示す処理液ドット152を形成し、更に、処理液ドット152に対して図11(c)に示す浸透抑制剤ドット162を形成している。
図11(a)〜(c)に示す態様によれば、インク打滴用のヘッド12C,12M,12Y,12Kに対して、処理液付与部22(処理液打滴用ヘッド)および浸透抑制剤付与部18(浸透抑制剤打滴用ヘッド)のノズル密度を小さくすることができる(即ち、図6におけるノズルピッチPを大きくすることができる)ので、ヘッドの製造コストを下げることができる。また、インク打滴用のヘッド12C,12M,12Y,12Kに対して、処理液付与部22(処理液打滴用ヘッド)及び浸透抑制剤付与部18(浸透抑制剤打滴用ヘッド)の吐出周波数を下げることができるので、処理液付与部22(処理液打滴用ヘッド)及び浸透抑制剤付与部18(浸透抑制剤打滴用ヘッド)の制御部位の負荷を低減することができる。
図12(a)〜(c)には、インク打滴部の前2ドット分に浸透抑制剤及び処理液を打滴する画像パターンを図示する。図12(a)に示すドット配置100は、図9(a)等に示したインクドット102のドット配置である。図12(a)における符号Bで示す矢印線は、打滴方向(用紙16の搬送方向と反対方向)を示し、図12(a)の上側から下側に向かって順にインクドット102が打滴される。なお、図12(a)〜(c)の各打滴点に対して、同図中当該打滴点の上側に位置する打滴点を「下流側の打滴点」と呼ぶこととする。即ち、下流側の打滴点の方が先に打滴されることとなる。
図12(b)に示すドット配置170は処理液ドット172のドット配置であり、図12(a)に示すインクドット102の前側(先の打滴順側)の1ドット分には、図12(b)に示す処理液ドット172が打滴されている。また、図12(c)に示すドット配置180は浸透抑制剤ドット182のドット配置であり、図12(b)に示す処理液ドット172の前側の1ドット分には、図12(c)に示すように浸透抑制剤ドット182が打滴されている。
言い換えると、図12(a)〜(c)に示しドット配置では、インクドットの打滴点の1つ前の(1つ下流側の)打滴点とインクドットの打滴点には処理液ドットが打滴されるとともに、処理液ドットの打滴点の1つ前(1つ下流側の)の打滴点と処理液ドットの打滴点には浸透抑制剤ドットが打滴される。なお、浸透抑制剤及び処理液は略透明であるため、それらがインクドットの打滴点に対して下流側の打滴点に打滴されても、ほとんど視認されないため、このような制御を行うことによる画像の劣化はほとんど起こらない。
以上まとめると、図12(a)〜(c)に示す態様によれば、浸透抑制剤及び処理液の吐出不良、特に、始動時やインターバル後の最初の(1発目の)吐出における吐出不良を防止することができる。
〔浸透抑制剤塗布制御の説明〕
次に、本例の画像記録における浸透抑制剤の付与(処理液の付与)について詳述する。
<第1実施形態>
図13は、第1実施形態に係る浸透抑制剤付与の制御を示すフローチャートである。
画像記録中に当該浸透抑制剤付与処理が開始されると、先ず、画像記録に用いられる紙情報(用紙の種類)を取得する(ステップS10)。紙情報は、給紙トレイに取り付けられたICタグ(情報記録媒体)から自動的に取得してもよいし、オペレータによって入力してもよい。また、テストプリントを印刷し、実際に作業者がカールの状態を判断してもよい。
一方、画像記録において、画像データに基づきインクのドットデータ及び処理液のドットデータが生成され(ステップS100)、単位面積ごとのインクの打滴量及び処理液の打滴量が算出される(ステップS102)。浸透抑制剤を打滴する場合には、ステップS102において画像領域(インクが付与される領域)を複数の領域に分割し、領域ごとにインク及び処理液の打滴量が算出される。画像領域の分割方法として、各領域が等しい面積となるように分割する方法が挙げられる。
各画像領域の1辺の長さは、100mm以下が好ましく、50mm以下がさらに好ましい。また、浸透抑制剤をローラ等で塗布する場合には、画像領域を複数の領域に分割することはせず、画像領域全体に対して処理液及びインクの打滴量を算出する。言い換えると、浸透抑制剤をローラ等で塗布する場合には、画像領域全体を「単位面積」として扱う。
ステップS10において紙情報が取得されると、当該用紙はカールが発生する紙であるか否かが判断される(ステップS12)。「カールが発生しない紙」とは、OHPシートやプラスチック基材等のセルロースのない媒体、インクジェット専用紙等のセルロースの上に既に浸透遮断層が形成されている紙が挙げられる。ステップS12において使用される用紙はカールが発生しない紙であると判断されると(YES判定)、浸透抑制剤を付与せずに画像記録が実行される(ステップS16)。
ステップS12においてカールが発生する紙であると判断されると(NO判定)、当該用紙はカールが発生しやすい紙であるか否かが判断される(ステップS18)。「カールが発生しにくい紙」とは、段ボール、厚紙等の厚みが厚い紙、アート紙、コート紙等の溶媒の浸透が遅い紙(難浸透性媒体)が挙げられる。また、「カールが発生しやすい紙」とは、上質紙、微塗工紙等の溶媒の浸透が速い紙(浸透性媒体)が挙げられる。
ステップS18においてカールが発生しやすい紙であると判断されると(ステップS20)、ステップS102で求められた打滴量と予め設定されたしきい値(しきい値1)が比較される(ステップS22)。ステップS22において、打滴量が所定のしきい値1よりも小さい場合(カールが発生しない程度の打滴量の場合)には(NO判定)、ステップS16に進み、浸透抑制剤を付与せずに画像記録が行われる。一方、ステップS22において、打滴量がしきい値1よりも大きい場合(カールが発生する可能性がある打滴量の場合)には、通常の量の浸透抑制剤が付与され(ステップS24)、画像記録が行われる。
また、ステップS18においてカールしにくい紙であると判断されると(NO判定)、ステップS102で求められた打滴量と予め設定されたしきい値(しきい値2)が比較される(ステップS28)。ステップS28において、打滴量がしきい値2よりも小さい場合(カールが発生しない程度の打滴量の場合)には(NO判定)、ステップS16に進み、浸透抑制剤を付与せずに画像記録が行われる。一方、ステップS28において打滴量がしきい値2よりも大きい場合(カールが発生する可能性がある打滴量の場合)には、浸透抑制剤が少量付与され(ステップS30)、画像記録が行われる。
即ち、本例に示す浸透抑制剤の付与制御では、インク及び処理液の打滴量を算出した領域ごとに打滴としきい値1,2が比較され、領域ごとに浸透抑制剤の付与の有無が判断され、領域ごとに浸透抑制剤の付与が制御される。
ステップS24における「通常量」とは、処理液の打滴量に対して処理液が浸透しない効果を発揮するために決められたドットサイズ及びドット数に応じて浸透抑制剤を付与することを意味し、ステップS30における「浸透抑制剤の少量付与」とは、前記「通常量」のドットサイズ及びドット数に対して、ドットを間引いたり液滴量を小さくしたりすることを意味する。
なお、本例で示した「カールが発生しない紙」、「カールが発生しにくい紙」、「カールが発生しやすい紙」といった分類は便宜的なものであって、紙(媒体)の種類ごとに浸透抑制剤を付与するものであるか、浸透抑制剤を付与するものについては少量付与とするか、通常付与とするかを予め実験等によって求めデータベース化して記憶しておき、紙情報の取得時に当該データベースを参照して浸透抑制剤の付与について判断することが好ましい。
このように構成された第1実施形態における浸透抑制剤付与制御によれば、使用される用紙の種類に応じて、カールしない紙を用いる場合には浸透抑制剤を付与せずに画像記録を行い、カールしにくい紙を用いる場合には浸透抑制剤を通常量よりも少量付与し、更に、カールしやすい紙を用いる場合に浸透抑制剤を通常量付与するように構成されるので、紙(記録媒体)の種類に応じた好ましい浸透抑制剤の付与が行われる。
また、画像領域を複数に分割し、分割領域ごとに浸透抑制剤の付与を制御するので、画像の内容に応じたより好ましい浸透抑制剤の付与が行われる。
<第2実施形態>
次に、浸透抑制剤付与制御の第2実施形態について説明する。以下に説明する第2実施形態では、インクの打滴不良(不吐出、打滴位置や打滴量のずれ)によって浸透抑制剤の吐出の有無を変更するように制御が行われる。
図2等に示すフルライン型ヘッドを用いたシングルパス方式の画像記録では、インクの打滴不良が起こると、その箇所(吐出不良ノズルに対応する画像上の位置)がスジムラとなって視認される。本例では、このようなスジムラを解消する方法として、予めテストパターン等によってスジムラが発生する箇所(吐出不良ノズル)を認識し、その箇所(吐出不良ノズルと認識されたノズルに対応する画像上の位置)にのみ(または、その箇所と周辺箇所に)浸透抑制剤を付与しないことにより、その箇所のインクがにじみ、スジムラの視認性を下げることができる。浸透抑制剤とともに処理液も付与しないという態様にしてもよい。
図14(a)〜(c)には、第2実施形態におけるドット配置を示す。図14(a)〜(c)において中央のノズル51Aが不吐出になっているとすると、中央のノズル(不吐出ノズル)51Aに対応する打滴点(図14(a)に破線で図示したドットの打滴点)及びその左右に隣接する打滴点(図14(b)中破線で図示したドットの打滴点)へは浸透抑制剤、処理液を吐出しないように、浸透抑制剤及び処理液の打滴が制御される。
これにより、インクドットがにじみ(図14(c)には、符号102’で滲んで所定のサイズよりも大きくなったドットを図示)、スジムラの視認性を下げることができる。
なお、吐出異常の検出には以下に説明する方法が用いられる。
先ず、テストパターンの印字を行い、図1に示すセンサ30を用いて当該テストパターンを読み取り、ドット情報の取り込みを行う。取り込んだドット情報に基づいて各々のドットの濃度及び中心座標を算出する。当該テストパターンでは、すべてのノズルから同じ量のインク液滴を吐出させて、すべてのノズルに対応するドットが形成される。
なお、図4(a)に示すようにノズル51がマトリクス配置されている場合には、各々のドットが重ならないように離れた位置に打滴し、例えば、階段状のテストパターンを形成する。
このようにして求められた各ノズルにおけるドットの中心座標(ドットの位置)及びドットの濃度と理論上のドットの中心座標及びドットの濃度を比較して、各ノズルについて吐出異常(不吐出、ドット位置の異常、ドットの濃度の異常)の有無が判断される。なお、吐出異常の検出方法は、上述した方法以外の方法を用いることも可能である。
上述した第2実施形態に係る浸透抑制剤付与制御によれば、インクの吐出異常を検出するとともに吐出異常が発生しているノズルを特定し、少なくとも吐出異常ノズルに対応する打滴点の用紙搬送方向と直交する方向の隣接打滴点には浸透抑制剤及び処理液を付与しないように浸透抑制剤の付与及び処理液の付与が制御されるので、吐出異常ノズルに隣接するノズルから吐出されたインクが用紙上でにじみ、当該インクによりドットが所定のサイズよりも大きくなることで、吐出異常ノズルに起因するスジムラの視認性を低減することができる。
〔材料の説明〕
次に、本例に適用される浸透抑制剤に用いられる材料について説明する。本例に適用される浸透抑制剤は熱可塑性樹脂を含有している。
本例の浸透抑制剤に用いられる熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tは、−10℃以上100℃以下が好ましく、10℃以上70℃以下がさらに好ましく、30℃以上50℃以下が更に好ましい。
熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tが低いと、吐出の際にノズル面近傍で皮膜を形成しやすくなってしまい、浸透抑制剤の吐出の安定性が低下するという問題がある。一方、熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tが高いと皮膜を形成する際に多大な熱をかける必要が発生するという問題がある。また、熱可塑性樹脂の形態は、樹脂が後述する溶媒に溶解若しくは粒子状態で分散されている形態があるが、浸透抑制剤を吐出する場合には粒子状態で分散させた方が溶液全体の粘度を下げることができ、好ましい。粒子の場合には粒子径は、0.01μm異常5μm以下の範囲が好ましく、0.05μm異常1μm以下の範囲がさらに好ましい。粒子径が小さすぎると紙の内部に粒子が浸透してしまって表面で皮膜が形成できないという問題があり、粒子径が大きすぎると熱をかけても十分な皮膜を形成できず、吐出時にノズルに粒子が詰まるという問題がある。熱可塑性樹脂の重量パーセント濃度は、1wt%以上40wt%以下の範囲が好ましく、5wt%以上30wt%以下の範囲がさらに好ましく、10wt%以上20wt%以下の範囲がさらに好ましい。
熱可塑性樹脂の濃度が低いと熱可塑性樹脂同士が十分に皮膜を形成せず、一部に欠陥ができてしまうという問題があり、濃度が高いと液の保存安定性が悪く(樹脂が析出する)、粘度が高すぎるという問題がある。
本例で用いる熱可塑性樹脂は、上述したガラス転移温度T、粒子径、重量パーセント濃度の各条件を満たすものであればいずれでもよく、具体的には、オレフィン重合体及び共重合体、塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン共重合体、アルカン酸ビニル重合体及び共重合体、アルカン酸アリル重合体及び共重合体、スチレン及びその誘導体の重合体及び共重合体、オレフィン−スチレンオレフィン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、アクリロニトリル共重合体、メタクリロニトリル共重合体、アルキルビニルエ−テル共重合体、アクリル酸エステル重合体及び共重合体、メタクリル酸エステル重合体及び共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、イタコン酸ジエステル重合体及び共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド共重合体、メタクリルアミド共重合体、水酸基変性シリコン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、アミド樹脂、水酸基及びカルボキシル基変性ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、環化ゴム−メタクリル酸エステル共重合体、環化ゴム−アクリル酸エステル共重合体、複素環を含有する共重合体(複素環として例えば、フラン環、テトラヒドロフラン環、チオフェン環、ジオキサン環、ジオキソフラン環、ラクトン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、1,3−ジオキセタン環等)、セルロース系樹脂、脂肪酸変性セルロース系樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
次に、上述した熱可塑性樹脂を溶解若しくは分散させる非水溶媒について述べる。本例に用いる非水溶媒としては、上述した熱可塑性樹脂を安定的に溶解若しくは分散させておくことができ、溶媒自身が紙に浸透してもカールを起こさない、若しくはカールが軽微であるものであればよい。具体的には、直鎖状もしくは分枝状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素又は芳香族炭化水素、及びこれらのハロゲン置換体を用いることができる。例えばオクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(アイソパー;エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール;シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ;スピリッツ社の商品名)等を単独あるいは混合して用いることができる。
本例では、記録媒体(用紙)上にカラー画像を記録するインクジェット記録装置を例示したが、本発明の適用範囲はインクジェット記録装置に限定されず、浸透性を有する記録媒体に対して液体を用いてパターンなどの形状を形成する画像形成装置や液体吐出装置などに広く適用することが可能である。
本発明に係る画像記録方法を説明する概念図 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図 図2に示すインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 図2に示すヘッドの構成例を示す平面透視図 図6中5−5線に沿う断面図 図4に示すヘッドのノズル配列を示す拡大図 図2に示すインクジェット記録装置におけるインク供給系の構成を示す概要図 図2に示すインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 本発明に係る画像記録方法におけるドット配置を示す概念図 図9に示すドット配置の他の態様を示す概念図 図9に示すドット配置の更に他の態様を示す概念図 図9〜図11に示すドット配置の更に他の態様を示す概念図 本発明の第1実施形態に係る浸透抑制剤付与制御の流れを示すフローチャート 本発明の第2実施形態に係る浸透抑制剤付与制御を説明する概念図
符号の説明
1…浸透抑制剤、2…処理液、3…インク液滴、10…インクジェット記録装置、12…印字部、16…記録媒体、30…センサ、72…システム制御部、74…画像メモリ、80…プリント制御部、84…ヘッドドライバ、90…浸透抑制剤ヘッドドライバ、92…処理液ヘッドドライバ、94…演算部

Claims (28)

  1. 記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録するインクジェット記録装置であって、
    樹脂成分及び溶媒成分を含有し、前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を与える第1の処理剤を前記記録媒体に付与する第1処理剤付与手段と、
    前記付与された第1の処理剤を加熱して前記溶媒成分を蒸発させるとともに、前記樹脂成分を皮膜化させることで前記記録媒体に対して液体の浸透を抑制する機能を与える加熱処理手段と、
    前記加熱処理手段の加熱処理の後に、インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を前記記録媒体に付与する第2の処理剤付与手段と、
    入力画像データをドットデータに変換する画像処理手段と、
    前記画像処理手段で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴ヘッドと、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記樹脂成分は、ガラス転移温度がマイナス10℃以上10℃以下である熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記熱可塑性樹脂の粒子の直径は、0.01マイクロメートル以上5マイクロメートル以下であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記第1の処理剤における前記熱可塑性樹脂の濃度は、1重量パーセント以上40重量パーセント以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記第1の処理剤付与手段による第1の処理剤の付与を制御する第1の処理剤付与制御手段と、
    前記第2の処理剤付与手段による第2の処理剤付与を制御する第2の処理剤付与制御手段と、
    を備え、
    前記第1の処理剤付与制御手段は、前記第2の処理剤の付与領域及び前記第2の処理剤の付与領域の周囲領域に前記第1の処理剤を付与するように前記第1の処理剤付与手段を制御し、
    前記第2の処理剤付与制御手段は、前記インクの打滴領域及び前記インク打滴領域の周囲領域に前記第2の処理剤を付与するように前記第2の処理剤付与手段を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記第1の処理剤付与手段は第1の処理剤を液滴化して打滴する第1の処理剤打滴ヘッドを含むとともに、前記第2の処理剤付与手段は第2の処理剤を液滴化して打滴する第2の処理剤打滴ヘッドを含み、
    前記第1の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御する第1の処理剤打滴制御手段と、
    前記第2の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御する第2の処理剤打滴制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記第1の処理剤打滴制御手段は、前記第2の処理剤打滴ヘッドの打滴点及び前記第2の処理剤打滴ヘッドの打滴点に隣接する打滴点を含む周囲の打滴点に前記第1の処理剤を打滴するように前記第1の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御することを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記第1の処理剤打滴制御手段は、前記第2の処理剤打滴ヘッドによって第2の処理剤が打滴された打滴点と同一打滴点に対して、当該打滴点における第2の処理剤のドットよりも大きいサイズを有する第1の処理剤のドットを形成するように前記第1の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御することを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記画像処理手段は、前記第1の処理剤の打滴密度が前記第2の処理剤の打滴密度よりも小さくなり、前記第1の処理剤のドットサイズが同一の打滴点に打滴される前記第2の処理剤のドットサイズよりも大きくなるよう前記第1の処理剤のドットデータ及び前記第2の処理剤のドットデータを生成することを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  10. 記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録するインクジェット記録装置であって、
    前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を有する第1の処理剤を液滴化して前記記録媒体に打滴する第1の処理剤打滴ヘッドと、
    前記第1の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御する第1の処理剤打滴制御手段と、
    インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を液滴化して前記記録媒体に打滴する第2の処理剤打滴ヘッドと、
    前記第2の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御する第2の処理剤打滴制御手段と、
    入力画像データをドットデータに変換する画像処理手段と、
    前記画像処理手段で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴ヘッドと、
    を備え、
    前記画像処理手段は、前記第1の処理剤の打滴密度が前記第2の処理剤の打滴密度よりも小さくなり、前記第1の処理剤のドットサイズが同一の打滴点に打滴される前記第2の処理剤のドットサイズよりも大きくなるよう前記第1の処理剤のドットデータ及び前記第2の処理剤のドットデータを生成することを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 記録媒体を所定の方向へ搬送する搬送手段を備え、
    前記第1の処理剤打滴制御手段は、前記インク打滴ヘッドによってインクが打滴される打滴点及び当該打滴点の前記記録媒体の搬送方向下流側の打滴点に第1の処理剤を打滴するように前記第1の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御することを特徴とする請求項6から10いずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  12. 記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録するインクジェット記録装置であって、
    前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を有する第1の処理剤を液滴化して前記記録媒体に打滴する第1の処理剤打滴ヘッドと、
    前記第1の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御する第1の処理剤打滴制御手段と、
    インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を液滴化して前記記録媒体に打滴する第2の処理剤打滴ヘッドと、
    前記第2の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御する第2の処理剤打滴制御手段と、
    入力画像データをドットデータに変換する画像処理手段と、
    前記画像処理手段で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴ヘッドと、
    記録媒体を所定の方向へ搬送する搬送手段と、
    を備え、
    前記第1の処理剤打滴制御手段は、前記インク打滴ヘッドによってインクが打滴される打滴点及び当該打滴点の前記記録媒体の搬送方向下流側の打滴点に第1の処理剤を打滴するように前記第1の処理剤打滴ヘッドの打滴を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
  13. 記録媒体の種類を判断する記録媒体判断手段を備え、
    前記第1の処理剤付与制御手段は、カールが発生しにくい記録媒体を使用する場合には、カールが発生しやすい記録媒体を用いる場合の前記第1の処理剤の付与量を通常量として、前記通常量よりも第1の処理剤の付与量を減らすように第1の処理剤付与手段を制御することを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  14. 記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録するインクジェット記録装置であって、
    前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を有する第1の処理剤を前記記録媒体に付与する第1の処理剤付与手段と、
    前記第1の処理剤付与手段による第1の処理剤の付与を制御する第1の処理剤付与制御手段と、
    インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を前記記録媒体に付与する第2の処理剤付与手段と、
    前記第2の処理剤付与手段による第2の処理剤付与を制御する第2の処理剤付与制御手段と、
    入力画像データをドットデータに変換する画像処理手段と、
    前記画像処理手段で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴ヘッドと、
    記録媒体の種類を判断する記録媒体判断手段と、
    を備え、
    前記第2の処理剤付与制御手段は、前記インクの打滴領域及び前記インク打滴領域の周囲領域に前記第2の処理剤を付与するように前記第2の処理剤付与手段を制御し、
    前記第1の処理剤付与制御手段は、前記第2の処理剤の付与領域及び前記第2の処理剤の付与領域の周囲領域に前記第1の処理剤を付与するように前記第1の処理剤付与手段を制御するとともに、カールが発生しにくい記録媒体を使用する場合には、カールが発生しやすい記録媒体を用いる場合の前記第1の処理剤の付与量を通常量として、前記通常量よりも第1の処理剤の付与量を減らすように第1の処理剤付与手段を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
  15. 第2の処理剤の付与量を算出する第2の処理剤付与量算出手段と、
    インクの付与量を算出するインク付与量算出手段と、
    を備え、
    前記第1の処理剤付与制御手段は、前記第2の処理剤の付与量及び前記インクの付与量の総量が所定のしきい値以上の場合には第1の処理剤を付与し、前記第2の処理剤の付与量及び前記インクの付与量の総量が前記しきい値未満の場合には、第1の処理剤を付与しないように前記第1の処理剤付与手段を制御することを特徴とする請求項5、13又は14いずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  16. 記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録するインクジェット記録装置であって、
    前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を有する第1の処理剤を前記記録媒体に付与する第1の処理剤付与手段と、
    前記第1の処理剤付与手段による第1の処理剤の付与を制御する第1の処理剤付与制御手段と、
    インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を前記記録媒体に付与する第2の処理剤付与手段と、
    前記第2の処理剤付与手段による第2の処理剤付与を制御する第2の処理剤付与制御手段と、
    入力画像データをドットデータに変換する画像処理手段と、
    前記画像処理手段で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴ヘッドと、
    第2の処理剤の付与量を算出する第2の処理剤付与量算出手段と、
    インクの付与量を算出するインク付与量算出手段と、
    を備え、
    前記第1の処理剤付与制御手段は、前記第2の処理剤の付与量及び前記インクの付与量の総量が所定のしきい値以上の場合には第1の処理剤を付与し、前記第2の処理剤の付与量及び前記インクの付与量の総量が前記しきい値未満の場合には、第1の処理剤を付与しないように前記第1の処理剤付与手段を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
  17. 前記第2の処理剤付与量算出手段は、前記画像処理手段によって変換された第2の処理剤のドットデータに基づいて第2の処理剤の付与量を算出することを特徴とする請求項15又は16に記載のインクジェット記録装置。
  18. 前記第2の処理剤付与量算出手段は、複数の領域に分割された前記記録媒体の領域ごとに第2の処理剤の付与量を算出するとともに、前記インク付与量算出手段は、前記領域ごとにインクの付与量を算出し、
    前記第1の処理剤付与制御手段は、前記領域ごとに第1の処理剤の付与を制御することを特徴とする請求項15から17のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  19. 前記しきい値は、記録媒体ごとに設定されることを特徴とする請求項15から18のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  20. 前記インク打滴ヘッドの打滴異常を検出する異常検出手段を備え、
    前記第1の処理剤付与制御手段は、前記異常検出手段によって検出された打滴異常箇所に対応する記録媒体上の位置及び前記打滴異常箇所に対応する記録媒体上の位置に隣接する位置には前記第1の処理剤を付与しないように前記第1の処理剤付与手段を制御することにより、前記打滴異常箇所に対応する記録媒体上の位置、及び前記打滴異常箇所に対応する記録媒体上の位置に隣接する位置には前記第1の処理剤を付着させず、前記打滴異常箇所に対応する記録媒体上の位置に隣接する位置に打滴されたインクのドットを、前記打滴異常箇所に対応する記録媒体上の位置へ滲ませることを特徴とする請求項5又は13から19のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  21. 前記第2の処理剤付与制御手段は、前記打滴異常箇所に対応する記録媒体上の位置、及び前記打滴異常箇所に対応する記録媒体上の位置に第2の処理剤を付与しないように前記第2の処理剤付与手段を制御することを特徴とする請求項20に記載のインクジェット記録装置。
  22. 前記第1の処理剤は、油性溶媒に樹脂粒子を分散させた液体若しくは、油性溶媒に樹脂を溶解させた液体を含むことを特徴とする請求項1から21いずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  23. 前記第1の処理剤は、ワックスを含むことを特徴とする請求項1から22のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  24. 記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録する画像記録方法であって、
    樹脂成分及び溶媒成分を含有し、前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を与える第1の処理剤を前記記録媒体に付与する第1の処理剤付与工程と、
    前記付与された第1の処理剤を加熱して前記溶媒成分を蒸発させるとともに、前記樹脂成分を皮膜化させることで前記記録媒体に対して液体の浸透を抑制する機能を与える加熱処理工程と、
    前記加熱処理工程の後に、前記第1の処理剤が付与された記録媒体に前記インク中の色材を凝集させる機能或いはインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を付与する第2の処理剤付与工程と、
    前記第2の処理剤付与工程の後に、入力画像データから変換されたドットデータに従い前記第2の処理剤が付与された記録媒体にインクを打滴するインク打滴工程と、
    を含むことを特徴とする画像記録方法。
  25. 記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録する画像記録方法であって、
    前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を有する第1の処理剤を液滴化して前記記録媒体に打滴する第1の処理剤打滴工程と、
    インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を液滴化して前記記録媒体に打滴する第2の処理剤打滴工程と、
    入力画像データをドットデータに変換する画像処理工程と、
    前記画像処理工程で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴工程と、
    を含み、
    前記画像処理工程は、前記第1の処理剤の打滴密度が前記第2の処理剤の打滴密度よりも小さくなり、前記第1の処理剤のドットサイズが同一の打滴点に打滴される前記第2の処理剤のドットサイズよりも大きくなるよう前記第1の処理剤のドットデータ及び前記第2の処理剤のドットデータを生成することを特徴とする画像記録方法。
  26. 記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録する画像記録方法であって、
    前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を有する第1の処理剤を液滴化して前記記録媒体に打滴する第1の処理剤打滴工程と、
    インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を液滴化して前記記録媒体に打滴する第2の処理剤打滴工程と、
    入力画像データをドットデータに変換する画像処理工程と、
    前記画像処理工程で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴工程と、
    記録媒体を所定の方向へ搬送する搬送工程と、
    を含み、
    前記第1の処理剤打滴工程は、前記インク打滴工程によってインクが打滴される打滴点及び当該打滴点の前記記録媒体の搬送方向下流側の打滴点に第1の処理剤を打滴するように前記第1の処理剤の打滴を制御することを特徴とする画像記録方法。
  27. 記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録する画像記録方法であって、
    前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を有する第1の処理剤を前記記録媒体に付与する第1の処理剤付与工程と、
    インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を前記記録媒体に付与する第2の処理剤付与工程と、
    入力画像データをドットデータに変換する画像処理工程と、
    前記画像処理工程で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴工程と、
    記録媒体の種類を判断する記録媒体判断工程と、
    を含み、
    前記第2の処理剤付与工程は、前記インクの打滴領域及び前記インク打滴領域の周囲領域に前記第2の処理剤を付与し、
    前記第1の処理剤付与工程は、前記第2の処理剤の付与領域及び前記第2の処理剤の付与領域の周囲領域に前記第1の処理剤を付与するとともに、カールが発生しにくい記録媒体を使用する場合には、カールが発生しやすい記録媒体を用いる場合の前記第1の処理剤の付与量を通常量として、前記通常量よりも第1の処理剤の付与量を減らすように第1の処理剤を付与することを特徴とする画像記録方法。
  28. 記録媒体上に色材を含有するインクを用いて画像を記録する画像記録方法であって、
    前記記録媒体に対して液体が浸透することを抑制する機能を有する第1の処理剤を前記記録媒体に付与する第1の処理剤付与工程と、
    インク中の色材を凝集させる機能又はインクドットを増粘させる機能を有する第2の処理剤を前記記録媒体に付与する第2の処理剤付与工程と、
    入力画像データをドットデータに変換する画像処理工程と、
    前記画像処理工程で変換されたドットデータに従って、前記記録媒体にインク打滴を行うインク打滴ヘッドと、
    第2の処理剤の付与量を算出する第2の処理剤付与量算出工程と、
    インクの付与量を算出するインク付与量算出工程と、
    を含み、
    前記第1の処理剤付与工程は、前記第2の処理剤の付与量及び前記インクの付与量の総量が所定のしきい値以上の場合には第1の処理剤を付与し、前記第2の処理剤の付与量及び前記インクの付与量の総量が前記しきい値未満の場合には、第1の処理剤を付与しないことを特徴とする画像記録方法。
JP2007323754A 2007-12-14 2007-12-14 インクジェット記録装置及び画像記録方法 Expired - Fee Related JP5103154B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007323754A JP5103154B2 (ja) 2007-12-14 2007-12-14 インクジェット記録装置及び画像記録方法
US12/332,785 US8215744B2 (en) 2007-12-14 2008-12-11 Image forming method and image forming apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007323754A JP5103154B2 (ja) 2007-12-14 2007-12-14 インクジェット記録装置及び画像記録方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009143146A JP2009143146A (ja) 2009-07-02
JP2009143146A5 JP2009143146A5 (ja) 2010-08-19
JP5103154B2 true JP5103154B2 (ja) 2012-12-19

Family

ID=40914345

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007323754A Expired - Fee Related JP5103154B2 (ja) 2007-12-14 2007-12-14 インクジェット記録装置及び画像記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5103154B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3061618A1 (en) * 2015-02-27 2016-08-31 Seiko Epson Corporation Ink jet recording method and ink set
US9573388B2 (en) 2014-11-10 2017-02-21 Seiko Epson Corporation Printing method and printing apparatus

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011088278A (ja) * 2009-10-20 2011-05-06 Seiko Epson Corp 液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法
JP6409354B2 (ja) 2013-10-02 2018-10-24 セイコーエプソン株式会社 記録方法
JP2016030356A (ja) * 2014-07-28 2016-03-07 セイコーエプソン株式会社 印刷装置、印刷方法、印刷物
JP6589340B2 (ja) * 2015-02-27 2019-10-16 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録方法
JP6485183B2 (ja) * 2015-04-17 2019-03-20 セイコーエプソン株式会社 印刷装置
JP2017114969A (ja) * 2015-12-22 2017-06-29 富士ゼロックス株式会社 塗工液、塗工液カートリッジ、記録媒体、記録媒体製造装置、及び記録媒体製造方法
JP7061852B2 (ja) * 2017-08-25 2022-05-02 理想科学工業株式会社 加飾された多孔質材の製造方法
WO2020137323A1 (ja) * 2018-12-26 2020-07-02 富士フイルム株式会社 印刷物の製造方法及び印刷装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007268845A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Kyocera Mita Corp インクジェット記録方法およびその装置
JP2007276400A (ja) * 2006-04-11 2007-10-25 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置、画像形成方法、及び画像形成プログラム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9573388B2 (en) 2014-11-10 2017-02-21 Seiko Epson Corporation Printing method and printing apparatus
EP3061618A1 (en) * 2015-02-27 2016-08-31 Seiko Epson Corporation Ink jet recording method and ink set

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009143146A (ja) 2009-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5103154B2 (ja) インクジェット記録装置及び画像記録方法
US8215744B2 (en) Image forming method and image forming apparatus
US7422318B2 (en) Image forming apparatus
JP4855992B2 (ja) 液体循環装置、画像形成装置、及び液体循環方法
US7594722B2 (en) Image forming apparatus and method
JP4895729B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2006326983A (ja) インクジェット記録装置及び方法
JP4950099B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
US20060071991A1 (en) Image forming apparatus and image forming method
JP2006248041A (ja) インクジェット記録装置及び方法
JP4845651B2 (ja) 画像形成装置
JP2005306025A (ja) インクジェット記録装置及び液塗布方法
JP4085429B2 (ja) 画像形成方法及び装置
JP2008213333A (ja) インクジェット記録方法及び装置
JP2007261088A (ja) 液体吐出装置及び液体吐出ヘッドのメンテナンス方法
JP2006088578A (ja) 画像形成装置及び方法
JP2009226851A (ja) インクジェット記録装置及び画像記録方法
US20050219296A1 (en) Droplet discharge control method and liquid discharge apparatus
JP2005313635A (ja) 打滴制御方法及び液吐出装置
US7273267B2 (en) Bubble-eliminating liquid filling method, droplet discharging apparatus, and inkjet recording apparatus
US20050057608A1 (en) Inkjet recording head and image formation apparatus
JP4799535B2 (ja) 画像形成方法及び装置
JP4042123B2 (ja) 画像形成装置並びに打滴制御方法
JP5252701B2 (ja) 画像記録方法及びインクジェット記録装置
JP3807429B2 (ja) 画像形成装置並びに打滴制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100707

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100707

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120302

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120925

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121001

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5103154

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees