JP5102885B2 - 電子制御装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内部に回路基板を搭載した樹脂ケースと、この樹脂ケースから間隔を置いた2つの開口を持ち、内部で連通した連通孔を備えた電子制御装置の製造方法に関する。
電子化が進む中、複数本の外部との電気的接続用端子を樹脂でインサート成形した樹脂ケース本体において、ケース周囲の温度変化に伴うケース内部空気の内圧変化に対し、内圧を緩和するために、ケース内部と外部とを連通した連通孔が設けられる。
また、外部側の連通孔開口は、水の浸入を防ぐため、コネクタ内にパッキン等のシール部材で防水する処置が一般的に採用されている。
更に、コネクタの方向も部品の取付けスペースに対応するため、樹脂ケース本体に対して、ほぼ直角方向に曲げることが求められる。
なお、樹脂ケース本体には、本体内部に電子部品を搭載した回路基板の保護にゲルが用いられるため、このゲルが外部へ流れ出さないようにする必要があった。
このような場合の従来技術として、特許文献1では、ケース内とコネクタ部内側を通気するコの字状の金属パイプをインサート部材としてケース樹脂材内部へ一体にインサート成形して、ケース内圧の上昇を防ぐ手法が採られている。
その他の技術として、特許文献2では、まず、ケースを成形する金型で3方向に開口した開口孔を有する連通孔を形成し、樹脂が冷却固化した後、金型から取り出す。次に、成形とは別の二次加工作業において、3方向に開口した開口孔の一ヶ所に対し、加熱した治具を用いて開口近傍の樹脂を溶かし込むことにより、開口を塞いでいた。更に、塞いだ開口の上部及びその周囲に接着剤を塗布し、硬化させる手法が採られていた。
特開平8-338279号公報 特開2004-55829号公報
従来技術の問題点として、コの字状の金属パイプをインサート部材としてケース樹脂材内部へ一体にインサート成形する手法においては、インサート部材のコスト分が発生すると共に、成形作業でインサート部材を金型へセットする作業時間が必然的に生じる。これらは、何れもケース本体を成形及び製作するに当たって、コストアップに繋がっている。
また、特許文献2の技術の問題点も、ケース本体の製作に当たってのコストアップである。すなわち、二次加工作業で発生する作業費や接着剤の材料費、更に接着剤を硬化させる硬化時間やこれら工程を行うための設備費等、何れもがコストアップの原因であった。
本発明の目的は、一次加工成形後において、二次加工工程を廃止することが出来、容易かつ安価な製造方法により、内部で連通した連通孔を有する樹脂ケースを備えた電子制御装置を経済的に製造することである。
本発明はその一面において、内部に回路基板を搭載した樹脂ケースと、この樹脂ケースの樹脂中実部内に2ヶ所の屈曲部を持って連通し、外部の2方向へ間隔を置いた2つの開口を持った連通孔を備えた電子制御装置であって、前記連通孔は、2つの開口にそれぞれ連なる2つの開口孔と、2つの前記開口孔の最深部間を連結するとともに、一端を延長して樹脂ケースの外部に開口させた連通路とから成る電子制御装置の製造方法において、2つの前記開口孔のうち前記連通路の開口部に近い方の前記開口孔の1つに開口孔形成ピンを押し込み、近傍の樹脂を予熱して前記連通路の開口部へ押し込むことによって、前記連通路の開口部を塞ぐステップを備えたことを特徴とする。
本発明の望ましい実施態様においては、2つの開口孔をそれぞれ形成する第1,第2の開口孔形成ピンと、前記連通路の一端を延長して樹脂ケースの外部に開口させた開口孔を形成する第3の開口孔形成ピンとをモールド型内に配置して、溶融樹脂材を流し込むステップと、前記連通路の延長開口部の近傍における樹脂材を予熱しながら、前記第3の開口孔形成ピンを抜き取るステップと、前記第1または第2の開口孔形成ピンの一方の先端部により、前記予熱した樹脂材を前記連通路の延長部に押し込み、その開口部を塞ぐステップと、溶融樹脂材を冷却するステップと、前記第1,第2の開口孔形成ピンを抜き取るステップと、前記樹脂材の固化後に、前記モールド型から樹脂ケースを取り出すステップを備えている。
本発明の望ましい実施態様においては、前記第3の開口孔形成ピンは、円弧状に湾曲しており、この第3の開口孔形成ピンを抜き取るステップは、その円弧の延長方向に抜き取るステップである。
本発明の望ましい実施態様においては、前記開口部を塞ぐステップは、この開口部に先端が当接する第1または第2の前記開口孔形成ピンの先端に、予め、段差を形成するステップと、この段差を利用して、予熱した樹脂材を前記連通路の延長部に押し込むステップとを含む。
本発明の望ましい実施態様によれば、容易かつ安価な製造方法により、連通路の延長線上に開口のない連通孔を形成した樹脂ケース本体を得ることで、成形後において、不要な開口部を塞ぐための二次加工工程を廃止することが出来、間隔を置いた2つの開口を持ち、内部で連通した連通孔を有する樹脂ケースを備えた電子制御装置を経済的に製造することができる。
本発明の実施例1による電子制御装置における連通孔付き樹脂ケース本体の回路基板搭載後の要部断面図。 図1における樹脂ケース本体の全体正面図。 図2における樹脂ケース本体のA-A断面図。 図3における開口孔形成ピンの配置を示す断面図。 図4における開口孔形成ピンの組み合わせ断面図。 図5におけるモールド金型内の樹脂充填前の断面図。 図6におけるモールド金型内の樹脂充填時の断面図。 図7におけるモールド金型内の樹脂硬化時の断面図。 図8におけるモールド金型からの開口孔形成ピン引き抜き時の断面図。 図9におけるP部拡大図。 図10における開口孔への予熱樹脂材の押し込み動作時の断面図。 図11の動作後の樹脂硬化時断面図。 図12の動作後の開口孔形成ピン抜き取り動作時断面図。 図13の動作後のさらなる開口孔形成ピン抜き取り動作時断面図。 本発明の実施例2による電子制御装置における連通孔付き樹脂ケース本体の回路基板搭載後の要部断面図。 図15における樹脂ケース本体の全体正面図。 図16における樹脂ケース本体のB-B断面図。 図17における開口孔形成ピンの配置を示す断面図。 図18における開口孔形成ピンの組み合わせを示す断面図。 図19におけるモールド金型への樹脂充填前の断面図。 図20におけるモールド金型内の樹脂充填時の断面図。 図21におけるモールド金型内の樹脂硬化時の断面図。 図22におけるモールド金型からの開口孔形成ピン引き抜き動作断面図。 図23におけるQ部拡大図。 図24における開口孔への予熱樹脂材の押し込み動作時の断面図。 図25の動作後の樹脂硬化時断面図。 図26の動作後の開口孔形成ピン抜き取り動作時断面図。 図27の動作後のさらなる開口孔形成ピン抜き取り動作時断面図。 本発明の参考例1による電子制御装置における連通孔付き樹脂ケース本体の回路基板搭載後の要部断面図。 図29に図示の樹脂ケース本体の断面図。 図30の樹脂ケース本体のモールド金型における樹脂充填前断面図。 図31のモールド金型における樹脂充填時S部拡大断面図。 図32のモールド金型における樹脂硬化時断面図。 図33のモールド金型における開口孔形成ピン動作時断面図。 図34のモールド金型における開口孔形成ピン動作時断面図。 図35のモールド金型における開口孔形成ピン動作時断面図。 図36のモールド金型における樹脂硬化時断面図。 図37のモールド金型における製品突き出し動作時断面図。 本発明の参考例2による電子制御装置における連通孔付き樹脂ケース本体の回路基板搭載後の要部断面図。 図39に図示の樹脂ケース本体の断面図。 図40の樹脂ケース本体のモールド金型における樹脂充填前断面図。 図41のモールド金型における樹脂充填時断面図。 図42のモールド金型における開口孔形成ピン動作時断面図。 図43の動作後の開口孔形成ピン抜き取り動作時断面図。 図44の動作後のさらなる開口孔形成ピン抜き取り動作時断面図。
以下に、図面を参照して、本発明の望ましい実施例について説明する。
図1は、本発明の実施例1による電子制御装置101における連通孔付き樹脂ケース1本体の回路基板9を搭載後の要部断面図である。図2は、図1に示す樹脂ケース本体の全体正面図、図3は、図2に示す樹脂ケース本体のA-A断面図である。
この樹脂ケース1本体は、図2に示すように、樹脂5中に、インサート品として複数本の金属製の接続用端子3を規則的に配置している。これら端子3の対称的な配置となる反対側においても、複数本の金属製の接続用端子8が規則的に配置されている。また、樹脂ケース1本体の取付け用に、アルミ製のベース4がインサートされている。更に、この樹脂ケース1本体には、インターフェイスコネクタ6が有り、図3の断面図で示すように、前記コネクタ6内と樹脂ケース1本体の内部7とを連通する連通孔2が設けられている。前記連通孔2は、樹脂ケース1本体の中実内部に2つの屈曲部を持ち、2a,2b,2cの3方向に屈曲した連通孔である。
なお、この樹脂ケース1本体とは別工程で、図1に示すように、アルミベース11と樹脂ケース1本体との嵌合部に接着剤12aを塗布し、アルミベース11と樹脂ケース1本体とを嵌合させている。更に、樹脂ケース1内部7の前記アルミベース11の上面に接着剤12bを塗布し、予め電子部品10を配置した回路基板9を搭載して、接着剤12a,12bを硬化処理して、樹脂ケース1本体と一体化した。
また、インサートした夫々の接続用端子3,8は、一体化した樹脂ケース1本体内部7の回路基板9とアルミワイヤ13をボンディング接合して、電子制御装置101を構成している。このように構成した樹脂ケース1本体内部7には、回路基板9および電子制御装置101を保護するため、回路基板9上及びボンディング接合上に、軟質な液状のゲル14が塗布される。更に、樹脂カバー15と樹脂ケース1本体の嵌合部位に接着剤16を塗布し、樹脂カバー15と樹脂ケース1本体を嵌合させ、前記ゲル14及び接着剤16を同時に硬化処理した。
ここで、樹脂ケース1本体において、ケース周囲の温度変化に伴うケース内部空気の内圧変化に対し、内圧を緩和するために、ケース内部7と外部とを連通した連通孔2が設けられる。本発明の要部であるこの連通孔2は、図1に示すように、中実な樹脂ケース1本体の内部に2ヶ所の屈曲部を持ち、開口に連なる開口孔2a,2cを、連通路2bで連結する構成である。すなわち、ゲル14の上面高さ14aよりも上方に、開口を配置する必要があり、開口孔2aの開口は、止む無く、回路基板9搭載面にほぼ直角方向の開口とならざるを得ない。この結果、連通孔2は、この開口孔2aと、コネクタ6内に配置され、同方向に外部へ向かって開口した開口孔2cと、回路基板9搭載面にほぼ平行方向に伸び、前記2つの開口孔2aと2cの最深部間を連結する連通路2bから成る。
連通路2bは、本実施例では、直線状に形成されているが、前述した理由で、その延長上に開口を設けることは出来ない。このような連通路2bを形成するための後述する工夫の結果として、本実施例では、開口孔2aに、階段状の段差を有しているところに特徴がある。
本実施例1による電子制御装置の製造方法について、図4〜図14を用いて説明する。
モールド型内にインサート品を夫々所定の位置へセットし、樹脂ケース1型内へ樹脂5を充填した直後は、図4に示すように、3本の開口孔形成ピン2aa、2bb、2ccで連通孔2を形成する。なお、判り易くするため、図5〜図14においては、図を一部簡略化する。図5に示すように、開口孔形成ピン2bbは、開口孔形成ピン2aa及び2ccと夫々互いに接触する部位を有している。樹脂5を充填する前のモールド型内では、図6に示すように配置し、更に、予めヒータ18を開口孔形成ピン2aaの先端部近傍に埋設し、樹脂5の充填直前においては、ヒータ18へ通電し、開口孔形成ピン2aaの先端部近傍を加熱する。
次に、図7に示すように、モールド型内のキャビティ17へ溶融した樹脂5aを充填し、各開口孔形成ピンを包み込む。この時、ヒータ18は通電した状態に維持する。溶融樹脂5aの充填が終わると同時に、溶融樹脂5aは金型の冷却作用で冷やされ、金型と接触している樹脂表面から樹脂の内部へと樹脂硬化が始まる。ここで、前記ヒータ18を通電したままの状態で持続することで、開口孔形成ピン2aaの先端部近傍は加熱されるため、開口孔形成ピン2aaの先端部近傍のみ、溶融樹脂5aの樹脂硬化に遅れが生じる。この硬化の遅れにより、図8に示すように、開口孔形成ピン2aaの先端部近傍には、樹脂硬化5bしないで溶融した状態の、溶融樹脂5a部位を発生させることが可能となる。この状態から、図9に示すように開口孔形成ピン2bbを、ピンと同一平行方向の後方2bb’へ移動させる。この時、連通路2bにおいては、一時的に、開口2b’が形成される。
図10〜図14は、図9のP部の拡大図である。図10に示す前記後方2bb’への移動完了と同時に、図11に示すように、開口孔形成ピン2aaを開口孔形成ピン2bbで形成した連通路2bとほぼ直角に交差する方向へ2aa’のように前進させる。そして、開口孔形成ピン2aaの開口孔形成ピン2bbと接触していた面を連通路2b内壁となる樹脂面まで押し上げ圧着させる。ここで、予め開口孔形成ピン2aaの先端部には階段上の段差が溶融樹脂5a側に設けてあり、前進2aa’の移動に伴い前記階段上の段差で溶融樹脂5aは連通路2bの開口2b’空間へと押し出される。この押し出された溶融樹脂5aは溶融状態であることから高粘性を有しているため、開口2b’の空間形状に合わせて形態が変化しながら流れ込む。流れ込んだ溶融樹脂5aは、開口2b’空間となる樹脂5bと開口孔形成ピン2bb先端面の間で流れが制約され、また連通路2b側においては、開口孔形成ピン2aaで流路が遮断される。これにより、流れ込んだ溶融樹脂5aは密閉した空間内に押し込まれるため、溶融樹脂5a内部に内圧が加わり、この内圧により溶融樹脂5aは開口2b’空間内において、空隙がなく壁面樹脂と一体的に密着させることが出来る。これにより、一時的に形成した開口2b’空間は、溶融樹脂5aで埋まり、開口は存在しなくなる。
更に、図12に示すように押し込みの完了と同時に、ヒータ18の通電を遮断する。これにより、溶融樹脂5aは、開口2b’空間内壁の樹脂5bと、開口孔形成ピン2bb先端面及び開口孔形成ピン2aaの接触部位間で冷却が行われ、周りの樹脂と同様に樹脂硬化5bする。樹脂硬化完了後、図13に示すように、開口孔形成ピン2bbをピンと同一平行方向の後方2bb’’へ後退させ、図14に示すように、製品の突き出し19により、樹脂ケース1本体を金型から取り出す。
したがって、取り出した樹脂ケース1本体においては、溶融樹脂埋め込みにより、連通路2bの延長上には開口の無い樹脂ケース1本体を得ることが出来る。
尚、本実施例では、成形樹脂5にPBT樹脂を用いた。成形樹脂材は、前記樹脂に限定されるものではなく、他の熱可塑性樹脂であれば実現可能であり、樹脂に無機材料のガラス繊維や有機材料の炭素繊維等のフィラ-を充填した樹脂を用いることが出来る。
以上、容易かつ安価な製造方法により、連通路2bの延長線上に開口のない連通孔2を形成した樹脂ケース1本体を得ることで、成形後における二次加工工程を廃止することが出来る。したがって、電子制御装置101として、本製法により得た樹脂ケース1を用いることで、図1に示すように、樹脂ケース1本体内部7側の連通路2bの開口が、ゲル14の上面高さ14aよりも上にあり、ゲル14の連通孔2への流れ出しはない。孔詰まりやコネクタ6内部へのゲル14の漏れも生じない。
本実施例1によれば、容易かつ安価な製造方法により、樹脂ケース1本体内部7に回路基板9を保護するゲル14が外部に流れ出すことのない、高信頼性の電子制御装置101を実現することが出来る。
次に、図15は、本発明の実施例2による電子制御装置12aにおける連通孔付き樹脂ケース1本体の回路基板9を搭載後の要部断面図である。図16は、図15に示す樹脂ケース本体の全体正面図、図17は、図16に示す樹脂ケース本体のB-B断面図である。
この樹脂ケース21本体は、図16に示すように、樹脂5中にインサート品として複数本の金属製の接続用端子3を規則的に配置している。これら端子3の対称的な配置となる反対側においても、複数本の金属製の接続用端子8が規則的に配置されている。また、樹脂ケース21本体の取付け用に、アルミ製のベース4がインサートされている。更に、この樹脂ケース21本体には、インターフェイスコネクタ6が有り、図17の断面図で示すように、前記コネクタ6内と樹脂ケース21本体内部7とを連通する連通孔22が設けられている。前記連通孔22は、樹脂ケース21本体の中実内部に2つの屈曲部を持ち、22a,22b,22cの3方向に屈曲した連通孔である。
なお、この樹脂ケース21本体とは別工程で、図15に示すように、アルミベース11と樹脂ケース21本体との嵌合部に接着剤12aを塗布し、アルミベース11と樹脂ケース21本体とを嵌合させている。更に、樹脂ケース21内部7の前記アルミベース11の上面に接着剤12bを塗布し、予め電子部品10を配置した回路基板9を搭載して、接着剤12a,12bを硬化処理して、樹脂ケース21本体と一体化した。
また、インサートした夫々の接続用端子3,8は、一体化した樹脂ケース21本体内部7の回路基板9とアルミワイヤ13をボンディング接合して、電子制御装置121を構成している。このように構成した樹脂ケース21本体内部7には、回路基板9および電子制御装置121を保護するため、回路基板9上及びボンディング接合上に、軟質な液状のゲル14が塗布される。更に、樹脂カバー15と樹脂ケース21本体の嵌合部位に接着剤16を塗布し、樹脂カバー15と樹脂ケース21本体の嵌合させ、前記ゲル14及び接着剤16を同時に硬化処理した。
ここで、この実施例においても、樹脂ケース1本体において、ケース周囲の温度変化に伴うケース内部空気の内圧変化に対し、内圧を緩和するために、ケース内部7と外部とを連通した連通孔2が設けられる。本発明の要部であるこの連通孔22は、図15に示すように、中実な樹脂ケース21本体の内部に2ヶ所の屈曲部を持ち、開口に連なる開口孔22a,22cを、連通路22bで連結する構成である。すなわち、ゲル14の上面高さ14aよりも上方に、開口を配置する必要があり、開口孔22aの開口は、止む無く、回路基板9搭載面にほぼ直角方向の開口とならざるを得ない。この結果、連通孔22は、この開口孔22aと、コネクタ6内に配置され、同方向に外部へ向かって開口した開口孔22cと、回路基板9搭載面にほぼ平行方向に伸び、前記2つの開口孔22aと22cの最深部間を連結する連通路22bから成る。
連通路22bは、本実施例では、円弧状に湾曲して形成されている。前述した理由で、その延長上に開口を設けることは出来ない。このような連通路22bを形成するための実施例1と同様の工夫の結果として、本実施例でも、開口孔22aの開口に、階段状の段差を有している。
本実施例2による電子制御装置の製造方法について、図18〜図28を用いて以下説明する。
モールド型内にインサート品を夫々所定の位置へセットし、樹脂ケース21型内の樹脂5を充填した直後は、図18に示すように、3本の開口孔形成ピン22aa、22bb、22ccで連通孔22を形成する。なお、判り易くするため、図19〜図28においては図を一部簡略化して説明する。図19に示すように、開口孔形成ピン22bbは、開口孔形成ピン22aa及び22ccと夫々互いに接触する部位を有している。
この実施例2では、開口孔形成ピン22bbが、円弧状に湾曲しているところに特徴がある。樹脂5を充填する前のモールド型内では、図20に示すように配置し、更に予めヒータ18を開口孔形成ピン22aaの先端部近傍に埋設し、樹脂5を充填する直前においては、ヒータ18へ通電し、開口孔形成ピン22aaの先端部近傍を加熱する。
次に、図21に示すように、モールド型内のキャビティ27へ溶融した樹脂5aを充填し、各開口孔形成ピンを包み込む。この時、ヒータ18は通電した状態に維持する。溶融樹脂5aの充填が終わると同時に、溶融樹脂5aは金型の冷却作用で冷やされ、金型と接触している樹脂表面から樹脂の内部へと樹脂硬化が始まる。ここで、前記ヒータ18を通電したままの状態で持続することで、開口孔形成ピン22aaの先端部近傍は加熱されるため、開口孔形成ピン22aaの先端部近傍のみ、溶融樹脂5aの樹脂硬化に遅れが生じる。この硬化の遅れにより、図22に示すように、開口孔形成ピン22aaの先端部近傍には、樹脂硬化5bしないで溶融した状態の、溶融樹脂5a部位を発生させることが可能となる。この状態から、図23に示すように開口孔形成ピン22bbを、図19に示す半径Raの円弧状湾曲の延長湾曲線上22bb’へ移動させる。この湾曲により、電子部品10を搭載した回路基板9を避けて、開口孔形成ピン22bbを引き抜くことができる。このとき、連通路22bにおいては一時的に開口22b’が形成される。
図24〜図28は、図23のQ部の拡大図である。図24に示す後方22bb’への移動完了と同時に、図25に示すように開口孔形成ピン22aaを開口孔形成ピン22bbで形成した連通路22bとほぼ直角に交差する方向へ22aa’のように前進させ、開口孔形成ピン22aaの開口孔形成ピン22bbと接触していた面を連通路22b内壁となる樹脂面まで押し上げ圧着させる。ここで予め開口孔形成ピン22aaの先端部には階段上の段差が前記溶融樹脂5a側に設けてあり、前進22aa’の移動に伴い前記階段上の段差で溶融樹脂5aは連通路22bの開口22b’空間へと押し出される。この押し出された溶融樹脂5aは、溶融状態であることから高粘性を有しているため、開口22b’の空間形状に合わせて形態が変化しながら流れ込む。流れ込んだ溶融樹脂5aは、開口22b’空間となる樹脂5bと開口孔形成ピン22bb先端面の間で流れが制約され、また連通路22b側においては、開口孔形成ピン22aaで流路が遮断される。これにより流れ込んだ溶融樹脂5aは、密閉した空間内に押し込むため、溶融樹脂5a内部に内圧が加わり、この内圧により溶融樹脂5aは開口22b’空間内において、空隙がなく壁面樹脂と一体的に密着させることが出来る。これにより一時的に形成した開口22b’空間は、溶融樹脂5aで埋まり、開口は存在しなくなる。
更に、図26に示すように押し込みの完了と同時に、ヒータ18の通電を遮断する。これにより、溶融樹脂5aは、開口22b’空間内壁の樹脂5bと、開口孔形成ピン22bb先端面及び開口孔形成ピン22aaの接触部位間で冷却が行われ、周りの樹脂と同様に樹脂硬化5bする。樹脂硬化完了後、図27に示すように、開口孔形成ピン22bbをピンと同一平行方向の後方22bb’’へ後退させ、図28に示すように、製品の突き出し19により、樹脂ケース21本体を金型から取り出す。
したがって、取り出した樹脂ケース21本体においては、溶融樹脂埋め込みにより、連通路22bの延長上には開口の無い樹脂ケース21本体を得ることが出来る。
以上、容易かつ安価な製造方法により、連通路22bの延長線上に開口のない連通孔22を形成した樹脂ケース21本体を得ることで、成形後における二次加工工程を廃止することが出来る。したがって、電子制御装置121として、本製法により得た樹脂ケース21を用いることで、図15に示すように樹脂ケース21本体内部7側の連通路22bの開口が、ゲル14上面高さ14aよりも上にあり、ゲル14の連通孔22への流れ出しはない。孔詰まりやコネクタ6内部付根へのゲル14漏れも生じない。
さらに、開口孔形成ピン22bbを引き抜くときに、基板9が邪魔にならず、作業が容易となる。すなわち、回路基板9搭載面に略平行方向で断面が等しく且つ同一湾曲形状を有する連通路22bを、図19,図23に示すピンの円弧状湾曲の延長線上後方22bb’へ引き抜くことができる。このため、図16,図17に示すように、連通路22bの位置と略同一平面の対面に、接続用端子8及び封止ゲル14が存在する製品構造の制約に対しても、開口孔形成ピン22bbの引き抜き線22bb’とは交差せず、作業上の制約が無くなる。このことで、連通路22bの長さが長い製品や、樹脂ケース21の内部が狭い製品形状の制約に対しても、設置が可能であり大幅に設計自由度が向上する。
本実施例2によれば、容易かつ安価な製造方法により、樹脂ケース21本体内部7に回路基板9を保護するゲル14が外部に流れ出すことのない、高信頼性の電子制御装置121を実現することが出来る。
[参考例1]
次に、図29は、本発明の参考例1による電子制御装置121における連通孔付き樹脂ケース1本体の回路基板9を搭載後の要部断面図である。この樹脂ケース21本体は、樹脂5中にインサート品として、複数本の金属製の接続用端子3を規則的に配置している。また、樹脂ケース31本体の取付け用に、アルミ製のベース4がインサートされている。更に、この樹脂ケース31本体には、インターフェイスコネクタ6が有り、前記コネクタ6内と樹脂ケース31本体内部7とを連通する連通孔32が設けられている。前記連通孔32は、中実樹脂内に2つの屈曲部を有し、2つの開口孔32a,32cと、1つの連通路32bの3方向の孔から成る。
なお、この樹脂ケース31本体とは別工程で、図29に示すように、接着剤12を塗布し、アルミベース11と樹脂ケース31本体とを嵌合させる。更に、樹脂ケース31内部7のアルミベース11の上面に接着剤12を塗布し、予め電子部品10を配置した回路基板9を搭載して、接着剤12を硬化処理して樹脂ケース31本体と一体化した。
また、インサートした夫々の接続用端子は、一体化した樹脂ケース31本体内部の回路基板9とアルミワイヤ13をボンディング接合して電子制御装置131を構成している。樹脂ケース31本体内部7には、回路基板9および電子制御装置131を保護するため、回路基板9上及びボンディング接合上に軟質な液状のゲル14が塗布される。更に、樹脂カバー15と樹脂ケース31本体の嵌合部位に接着剤16を塗布し、樹脂カバー15と樹脂ケース31本体を嵌合させ、ゲル14及び接着剤16を同時に硬化処理した。
ここで、本発明の要部をなす連通孔32は、図29に示すように、回路基板9搭載面のほぼ直角方向に形成する樹脂ケース31本体内部7の開口孔32a及びコネクタ6内に配置する開口孔32cと、これらの先端同士を連絡させる連通路32bからなる。この連通路32bは、樹脂ケース31のコネクタ6の外側への開口を持たず、モールド型内で図30に示すように樹脂ケース31本体が成形される。
この回路基板9搭載面のほぼ直角方向に開口した開口を配置させずに、モールド型内で樹脂ケース31本体を成形する製法について、図31〜図38を用いて説明する。
モールド型内にインサート品を夫々所定の位置へセットし、樹脂ケース31型内に樹脂5を充填した直後は、図31に示すように、3本の開口孔形成ピン32aa、32bb、32ccで、3つの直線孔を形成する。なお、判り易くするため、図31〜図38においては、図を一部簡略化して説明する。図31に示すように、開口孔形成ピン32bbは、開口孔形成ピン32aa及び32ccと夫々互いに接触する部位を有している。ここで、開口孔形成ピン32bbが、外面まで伸びたコネクタ6の開口部を取り巻くように、樹脂溜部39を設ける。また、樹脂溜部39の外周及びコネクタ外面に接する位置に押し込みピンガイド33を配置し、押し込みピンガイド33の内部には、複数本のヒータ38を埋設する。さらに、押し込みピンガイド33内側には、開口孔形成ピン32bbを取り巻くように摺動する押し込みピン34を配置している。
樹脂5を充填する前のモールド型内では、図31に示すように配置し、樹脂5の充填直前において、ヒータ38へ通電し、樹脂溜部39の外周を加熱する。次に、図31のS部拡大図である図32に示すように、モールド型内のキャビティ37及び樹脂溜部39へ溶融した樹脂5aを充填し、溶融した樹脂5aで各開口孔形成ピンを包み込む。この時、ヒータ38は通電したままの状態を持続させる。溶融樹脂5aの充填が終わると同時に、溶融樹脂5aは金型の冷却作用で冷やされ、金型と接触している樹脂表面から樹脂の内部へと樹脂硬化が始まる。ここで、ヒータ38を通電したままの状態に維持することで、樹脂溜部39の外周は加熱され、その周囲のみ溶融樹脂5aの樹脂硬化に遅れが生じる。この硬化の遅れにより、図33に示すように、樹脂溜部39の内部には樹脂硬化5bしないで、溶融した状態の溶融樹脂5a部位を発生させることが可能となる。この状態から、図34に示すように、開口孔形成ピン32bbを、まっすぐ後方32bb’へ移動させる。この時、連通路32bには、一時的に開口32b’が形成される。図34に示す後方22bb’移動完了と同時に、図35に示すように、開口孔形成ピン32ccを開口孔形成ピン32bbで形成した連通路32bとほぼ直角に交差する方向へ前進32cc’させる。これにより、開口孔形成ピン32ccの開口孔形成ピン32bbと接触していた面を連通路32b内壁となる樹脂面まで押し上げ圧着させる。ここで、図36に示すように、押し上げ圧着完了と同時に、押し込みピン34を開口32b’側の前方へ移動させる。この移動に伴い、樹脂溜部39内部の溶融樹脂5aは、連通路32bの開口32b’空間へと押し出される。この押し出された溶融樹脂5aは、溶融状態であることから高粘性を有しているため、開口32b’の空間形状に合わせて形態が変化しながら流れ込む。流れ込んだ溶融樹脂5aは、開口32b’空間となる樹脂5bと開口孔形成ピン32cc先端側面の間で流れが制約され、また、連通路32b側においては、開口孔形成ピン32ccで流路が遮断される。これにより、流れ込んだ溶融樹脂5aは、密閉した空間内に押し込まれるため、溶融樹脂5a内部に内圧が加わり、この内圧により、溶融樹脂5aを開口32b’空間内において、空隙なく壁面樹脂と一体的に密着させることが出来る。これにより、一時的に形成した開口32b’空間は、溶融樹脂5aで埋まり、開口は存在しなくなる。更に、図37に示すように、押し込みの完了と同時に、ヒータ38の通電を遮断する。これにより、溶融樹脂5aは冷却され、周りの樹脂と同様に樹脂硬化5bする。樹脂硬化完了後、図38に示すように、開口孔形成ピン32bb及び押し込みピンガイド33と押し込みピン34を開口孔形成ピン32bbと同一方向33’へ後退させ、製品の突き出し19により、樹脂ケース31本体を金型から取り出す。
したがって、取り出した樹脂ケース31本体は、溶融樹脂埋め込みにより、連通路32bに開口のない樹脂ケース31本体を得ることが出来る。
以上、容易かつ安価な製造方法により連通路32bに開口のない樹脂ケース31本体を得ることで、成形後における二次加工工程を廃止することが出来る。これにより、図29に示すように、樹脂ケース31本体内部7側の連通孔32の開口が、ゲル14上面高さ14aよりも上にあり、連通孔32の内部へゲル14の流れ出しはない。孔詰まりやコネクタ6内部付根へのゲル14漏れも生じない。
参考例1によれば、容易かつ安価な製造方法により、樹脂ケース31本体内部7に回路基板9を保護するためのゲル14が外部に流れ出すことのない高信頼性の電子制御装置131を実現することが出来る。
尚、本参考例1の効果としては、特に、樹脂ケース内部が箱状で、且つ回路基板搭載面の略平行面において樹脂で覆われ、内部側への開口孔形成ピンの後退が困難でまた内部側への連通路形成ピンの設置が不可能な製品構造の制約に対しても対応できる。すなわち、開口孔形成ピン32bbを、樹脂ケース31のコネクタ6外側に設置するため、開口孔形成ピン32bbの配置や長さ及び移動量において制限が無く容易に設置可能となる。このため、製品形状の制約に対しても大幅に設計自由度の向上を図ることができる。
また、実施例1,2と同様に、インサート部材のコスト分や成形作業でインサート部材を金型へセットする作業時間も生じない。また、二次加工作業で発生する作業費や接着剤の材料費、更に、接着剤を硬化させる硬化時間や、これら工程を行うための設備費等も発生しないので、大幅なコスト低減を図ることができる。
[参考例2]
次に、図39は、本発明の参考例2による電子制御装置141における連通孔付き樹脂ケース41本体の回路基板9を搭載後の要部断面図である。この樹脂ケース41本体は、樹脂5中にインサート品として複数本の金属製の接続用端子3を規則的に配置している。また、樹脂ケース41本体の取付け用に、アルミ製のベース4がインサートされている。更に、この樹脂ケース41本体には、インターフェイスコネクタ6が有り、前記コネクタ6内と樹脂ケース41本体内部7とを連通する連通孔42が設けられている。この連通孔42は、円弧状に湾曲した開口孔42abと、直線状の開口孔42cとを連結した通路である。
なお、この樹脂ケース41本体とは別工程で、図39に示すように、嵌合部に接着剤12aを塗布して、アルミベース11と樹脂ケース41本体とを嵌合させている。更に、樹脂ケース41内部7の前記アルミベース11上面に接着剤12bを塗布し、予め電子部品10を配置した回路基板9を搭載して、接着剤12a、12bを硬化処理して樹脂ケース41本体と一体化した。
また、インサートした夫々の接続用端子は、一体化した樹脂ケース41本体内部の回路基板9とアルミワイヤ13をボンディング接合して電子制御装置141を構成している。樹脂ケース31本体内部7には、回路基板9および電子制御装置141を保護するため、回路基板9上及びボンディング接合上に軟質な液状のゲル14が塗布される。更に、樹脂カバー15と樹脂ケース41本体の嵌合部位に接着剤16を塗布し、樹脂カバー15と樹脂ケース41本体の嵌合させ、ゲル14及び接着剤16を同時に硬化処理した。
本発明の要部をなす連通孔42は、前述したように、図39に示す円弧状に湾曲した開口孔42abと、直線状の開口孔42cとを連結した通路である。開口孔42abは、その湾曲線上に突き出した突き出し通路49を形成し、前記突き出した通路の開口が回路基板9搭載面に斜め方向で、かつゲル14の上面より上に突き出すように配置され、モールド型内で図40に示すように樹脂ケース41本体を成形した。
この参考例2による樹脂ケース41本体の製法について、図41〜図45を用いて以下説明する。
モールド型内にインサート品を夫々所定の位置へセットし、樹脂ケース41型内への樹脂5の充填直後は、図41に示すように、2本の開口孔形成ピン42aabb、42ccで形成する。なお、判り易くするため、図41〜図45においては、図を一部簡略化して説明する。図41に示すように、開口孔形成ピン42aabbは、開口孔形成ピン42ccと夫々互いに接触する部位を有している。
ここで、開口孔形成ピン42aabbは、円弧状に湾曲した形状でることから、湾曲半径Rbを有し、更に、湾曲開口孔42abの湾曲線上に突き出した突き出し通路49を形成している。
樹脂5を充填する前のモールド型内では、図41に示すように配置した。次に、図42に示すように、モールド型内のキャビティ47へ溶融した樹脂5aを充填し、溶融した樹脂5aで各開口孔形成ピンを包み込む。溶融樹脂5aの充填が終わると同時に、溶融樹脂5aは金型の冷却作用で冷やされ、金型と接触している樹脂表面から樹脂の内部へと樹脂硬化が始まる。図43に樹脂硬化完了後の状態を示す。この状態から、図44に示すように、開口孔形成ピン42aabbを図41に示すピンの同一湾曲線上の後方42aabb’へ移動させる。ここで、開口孔形成ピン42aabbが円弧状に湾曲し、且つ同一湾曲線上で後方に移動させることによって、湾曲開口孔42abの途中でアンダーカットにならずに後退させることが可能である。同時に、樹脂ケース41本体内部7の方向に突き出した突き出し通路49を形成することが出来る。
次に、図45に示すように製品の突き出し19により、樹脂ケース41本体を金型から取り出す。これにより、図39に示すように、湾曲開口孔42abの湾曲線上に突き出した突き出し通路49を有し、その開口が回路基板9搭載面に斜めに突き出し、且つゲル14の上面より上に位置する構成の、図40に示す樹脂ケース41本体を成形できる。
以上、容易かつ安価な製造方法により、樹脂ケース41本体内部7に湾曲線上に突き出した通路49及び突き出した通路の開口が回路基板搭載面のゲルの上面より上に配置されている樹脂ケース41本体を得ることができる。これにより、成形後における二次加工工程を廃止することが出来る。
これによって、ゲル14の連通孔42内部への流れ出しはなく、孔詰まりやコネクタ6内部付根へのゲル14漏れも生じない。本参考例2によれば、容易かつ安価な製造方法により、樹脂ケース41本体内部7に回路基板9を保護するためのゲル14が外部に流れ出すことのない高信頼性の電子制御装置141を実現することが出来る。また、本参考例2では、特に、連通孔を形成するのに、開口孔形成ピン42aabb単独の動作で可能であり、他の開口孔形成ピンとの連動動作が無いため、金型構造も容易で、金型設計の自由度向上が図れる。また、他の実施例と同様に、インサート部材のコスト分や成形作業でインサート部材を金型へセットする作業時間も生じない。また、二次加工作業で発生する作業費や接着剤の材料費、更に接着剤を硬化させる硬化時間やこれら工程を行うための設備費等も発生せず、大幅なコスト低減が図れる。
本発明は、自動車分野における流入空気量を測定するエアフローセンサや空気量調整するスロットルポジションセンサ、アクセル開度を調整するアクセル開度センサ、これらセンサを一連に制御構成するための各種センサなどに利用できる。また、同様に課題を持つ如何なる機器にも適用できる。
1,21,31,41…樹脂ケース、2,2a,2b,2c,22,22a,22b,22c,32,32a,32b,32c,42,42ab,42c…連通孔、2aa,2bb,2cc,22aa,22bb,22cc,32aa,32bb,32cc,42aabb,42cc…開口孔形成ピン、2aa’,2bb’,2bb’’,22aa’,22bb’,22bb’’,32bb’,32cc’,33’,42aabb’…ピン動作、3,8…端子、4,11…ベース、5,5a,5b…樹脂、6…コネクタ、7…樹脂ケース内部、9…回路基板、10…電子部品、12a,12b,16…接着剤、13…アルミワイヤ、14…ゲル、14a…ゲル上面高さ、15…カバー、17,27,37,47…キャビティ、18,38…ヒータ、19…製品突き出し、33…押し込みピンガイド、34…押し込みピン、39…樹脂溜部、49…突き出し通路、101,121,131,141…電子制御装置、Ra,Rb…湾曲半径。

Claims (2)

  1. 内部に回路基板を搭載した樹脂ケースと、この樹脂ケースの樹脂中実部内に2ヶ所の屈曲部を持って連通し、外部の2方向へ間隔を置いた2つの開口を持った連通孔を備えた電子制御装置の製造方法であって、
    一端側に段差形状を有する第1の開口孔形成ピンの一端側と、第2の開口孔形成ピンの一端側と、を第3の開口孔形成ピンに接触するように樹脂ケース型内の所定の位置に配置し、溶融樹脂を充填するステップと、
    前記第1の開口孔形成ピンの段差近傍の樹脂をヒータで予熱しながら、前記第3の開口孔形成ピンを樹脂から抜き取るステップと、
    前記予熱した樹脂を前記第1の開口孔形成ピンの一端側に設けられた段差部で押し込むことにより、前記第3の開口孔形成ピンを抜き取ることにより生じる開口部を塞ぐステップと、
    を備えることを特徴とする電子制御装置の製造方法。
  2. 請求項において、前記第3の開口孔形成ピンは、円弧状に湾曲しており、この第3の開口孔形成ピンを抜き取るステップは、その円弧の延長方向に抜き取るステップであることを特徴とする電子制御装置の製造方法。
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