JP5102147B2 - 建設機械の回転装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン等の建設機械に用いられる履帯案内ローラ、走行装置等の回転装置に関する。
一般に、油圧ショベル等の装軌式車両の下部走行体は、左,右のサイドフレームを有するトラックフレームと、各サイドフレームの一端側に設けられる走行装置と、他端側に設けられる遊動輪と、走行装置の駆動輪(スプロケット)と遊動輪とに巻装される履帯と、履帯を駆動輪および遊動輪に向けて案内する上,下の履帯案内ローラとにより大略構成されている。そして、上述の走行装置、遊動輪、履帯案内ローラ等は、建設機械の回転装置を構成している。
ここで、履帯案内ローラは、通常、サイドフレームに固定して設けられる軸支持部材(固定体)と、この軸支持部材に軸を介して回転可能に支持されるローラ(回転体)と、これら軸支持部材とローラとの間に形成された隙間をシールするフローティングシールとにより構成されている。この場合、フローティングシールは、互いに摺接するシール面をもった一対のシールリングと、固定体および回転体と前記各シールリングとの間にそれぞれ設けられた一対のOリングとにより構成され、固定体に対して回転体が回転するときに、両者間の隙間を液密にシールするものである。
ところで、固定体と回転体との間には、外部に開口する環状の隙間が形成されているため、当該隙間を通じて外部からフローティングシールに向けて土砂、泥水等の異物が侵入することにより、この土砂等の異物によってフローティングシールが損傷してしまう不具合がある。
これに対し、装軌式車両の履帯案内ローラを構成する軸支持部材(固定体)とローラ(回転体)との間の隙間に屈折路を設け、この屈折路内にグリース等の充填剤を充填することにより、隙間内に土砂等の異物が侵入するのを抑えるようにした履帯案内ローラが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
実開平6−51082号公報
しかし、特許文献1による従来技術では、固定体と回転体との間の隙間に侵入した泥水等によって、屈折路に充填剤した充填剤が早期に排出されてしまう。このため、屈折路を通じて土砂等の異物がフローティングシールのシール面に侵入することにより、フローティングシールのシール性が低下してしまうという問題がある。
一方、他の従来技術として、装軌式車両の走行装置を構成する機体側ケーシング(固定体)と、スプロケット側ケーシング(回転体)との間に形成された隙間の中間部にOリングを設け、このOリングによって土砂等の侵入を抑えるものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第2939924号公報
しかし、特許文献2による従来技術では、固定体と回転体との間の隙間内に侵入した土砂等がOリングの周囲に溜まり易く、この土砂等がOリングに付着して固化することにより、Oリングの柔軟性が低下してシール機能が損なわれるという不具合がある。
また、さらに他の従来技術として、装軌式車両の走行装置を構成する固定側ケーシング(固定体)にスクレーパを設け、このスクレーパによって、回転側ケーシング(回転体)と固定体との間の隙間内に侵入した土砂等を除去するものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2007−1540号公報
しかし、特許文献3による従来技術では、固定体に対して回転体が回転するときに、両者の隙間内に侵入した土砂等を、固定体に設けたスクレーパによって除去する構成であるため、例えば固定体に付着した土砂等をスクレーパによって除去するのが難しいという不具合がある。
このため、固定体に付着した土砂等の異物が除去されずに固化し、この固化した異物によってOリングが変形することにより、フローティングシールのシール性が低下してしまうという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、固定体と回転体との隙間内で固化した異物を破砕し、フローティングシールの良好なシール性を長期に亘って維持することができるようにした建設機械の回転装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため本発明は、建設機械の車体に固定して設けられた固定体と、該固定体との間に外部に開口する全周隙間を形成した状態で前記固定体に対し回転可能に設けられた回転体と、前記固定体と回転体との間の隙間をシールするフローティングシールとを備え、前記フローティングシールは、前記固定体の内周側と前記回転体の内周側とに配置され互いに摺接するシール面をもった一対のシールリングと、前記固定体の内周面と前記シールリングとの間および前記回転体の内周面と前記シールリングとの間にそれぞれ設けられた一対のOリングとにより構成してなる建設機械の回転装置に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記固定体のうち前記Oリングの近傍に位置して前記回転体と軸方向で対向する面には、前記回転体に向けて突出する固定体側突起部を設け、前記回転体のうち前記Oリングの近傍に位置して前記固定体と軸方向で対向する面には、前記固定体側突起部とは半径方向で異なる位置で前記固定体に向けて突出する回転体側突起部を設け、前記固定体側突起部は、前記回転体の軸中心に対して一定角度の範囲で円弧状に配置し、前記回転体側突起部は、前記回転体の軸中心を挟んで前記固定体側突起部と対向しつつ一定角度の範囲で円弧状に配置したことにある。
請求項の発明は、前記固定体側突起部と前記回転体側突起部とは、長さ方向の両端部が鋭角部となり、長さ方向の中央部の幅寸法が大きな三日月状に形成したことにある。
請求項の発明は、前記固定体側突起部のうち前記回転体と対面する上面は、長さ方向の中央部の高さ寸法が大きな山形状に形成し、前記回転体側突起部のうち前記固定体と対面する上面は、長さ方向の中央部の高さ寸法が大きな山形状に形成したことにある。
請求項の発明は、前記固定体側突起部および前記回転体側突起部の表面は、表面改質処理を施すことにより硬質部を設ける構成としたことにある。
請求項1の発明によれば、固定体と回転体との間の隙間を通じて侵入した土砂、泥水等の異物が、固定体および回転体のうちフローティングシールのOリングの近傍に位置する面に付着して固化したとしても、固定体に対して回転体が回転することにより、回転体側突起部が、固定体に付着した異物を破砕して除去し、固定体側突起部が、回転体に付着した異物を破砕して除去する。従って、回転体および固定体に付着した異物が固化することにより、フローティングシールのOリングが変形してしまうのを抑えることができる。この結果、フローティングシールの良好なシール性を長期に亘って維持することができ、回転装置の信頼性を高めることができる。
しかも、固定体側突起部と回転体側突起部とを、回転体の軸中心を挟んで対向して配置することにより、これら固定体側突起部と回転体側突起部とによってフローティングシールを外周側から取囲むことができる。このため、固定体と回転体との間の隙間を通じてフローティングシール側へと侵入する土砂等の異物の量を低減することができる。
請求項の発明によれば、固定体および回転体に付着して固化した異物を、三日月状の固定体側突起部および回転体側突起部の両端部に設けた鋭角部によって確実に破砕することができる。また、固定体側突起部および回転体側突起部の長さ方向の中央部の幅寸法を大きくすることにより、回転する回転体側突起部と固定体側突起部とがすれ違うときに、両者の間隔を常に変化させることができる。この結果、固定体側突起部と回転体側突起部との間に固化した異物が残存してしまうことがなく、固化した異物を確実に除去することができる。
請求項の発明によれば、回転体が回転することにより、山形状に形成された固定体側突起部の上面と回転体の対向面との間隔が徐々に変化すると共に、山形状に形成された回転体側突起部の上面と固定体の対向面との間隔が徐々に変化する。これにより、固定体および回転体に付着して固化した異物を、固定体側突起部の上面および回転体側突起部の上面によって徐々に押潰すように破砕することができる。この結果、異物と接触する固定体側突起部および回転体側突起部の接触面積を大きくし、固定体側突起部および回転体側突起部の摩耗量を減少させることができるので、これら固定体側突起部および回転体側突起部の寿命を延ばすことができる。
請求項の発明によれば、固定体側突起部および回転体側突起部の表面に硬質部を設けることにより、これら固定体側突起部および回転体側突起部の摩耗を抑え、その寿命を延ばすことができる。このため、固定体側突起部および回転体側突起部により、固化した異物を確実に破砕することができ、フローティングシールの良好なシール性を維持することができる。
以下、本発明に係る建設機械の回転装置の実施の形態を、油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、図1ないし図8は本発明の第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、油圧ショベルの履帯案内ローラに適用した場合を例示している。
図中、1は建設機械の代表例としての油圧ショベルで、該油圧ショベル1の車体は、自走可能な装軌式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とにより大略構成されている。そして、上部旋回体3の前部側には、作業装置4が俯仰動可能に取付けられ、この作業装置4を用いて掘削作業等を行うものである。
5は下部走行体2を構成するトラックフレームで、該トラックフレーム5は、前,後方向に伸長した左,右のサイドフレーム6を有している(左側のみ図示)。そして、サイドフレーム6の一端側には走行装置7が設けられ、サイドフレーム6の他端側には遊動輪8が設けられている。
ここで、サイドフレーム6は、図2に示すように、下端側が開口し前,後方向に延びた中空な枠体として形成されている。そして、サイドフレーム6の下端部には、前,後方向に延びる厚肉な左,右の下板6A,6Aが設けられ、該各下板6A間には後述の各下履帯案内ローラ11が設けられる構成となっている。
9は走行装置7と遊動輪8との間に巻装された履帯で、該履帯9は、走行装置7によって駆動されることにより、後述する各上履帯案内ローラ10、各下履帯案内ローラ11に案内されつつ走行装置7と遊動輪8との間を周回し、下部走行体2を走行させるものである。
10,10はサイドフレーム6上に回転可能に設けられた2個の上履帯案内ローラで、該各上履帯案内ローラ10は、履帯9を下側から支持することにより該履帯9を走行装置7、遊動輪8に向けて案内するものである。
11,11,…はサイドフレーム6の下端部に設けられた回転装置としての複数個の下履帯案内ローラで、該各下履帯案内ローラ11は、履帯9を走行装置7、遊動輪8に向けて案内するものである。そして、各下履帯案内ローラ11は、図2および図3に示すように、後述の各軸支持部材12、ローラ15、フローティングシール18、固定体側突起部23、第1,第2の回転体側突起部24,25等によって構成されている。
12,12はサイドフレーム6の左,右の下板6Aに固定して設けられた固定体としての左,右の軸支持部材で、これら左,右の軸支持部材12は、例えばカラー等と呼ばれ、後述のローラ支持軸13を支持するものである。ここで、各軸支持部材12は、左,右方向に貫通する軸挿嵌孔12Aを有し、サイドフレーム6の下板6Aにボルト等を用いて固定されている。
また、各軸支持部材12の外周側には、後述のフローティングシール18を収容する円筒状の鍔部12Bが設けられ、該鍔部12Bの環状な軸方向端面12Cは、後述するローラ15の軸方向端面15Eと軸方向で対向している。そして、各軸支持部材12の軸方向端面12Cには、後述の固定体側突起部23が設けられる構成となっている。
13は左,右の軸支持部材12に支持されたローラ支持軸で、該ローラ支持軸13は後述のローラ15を回転可能に支持するものである。ここで、ローラ支持軸13の軸方向(左,右方向)の両端部は、左,右の軸支持部材12の軸挿嵌孔12A内に挿嵌され、抜止めピン14によって軸方向に抜止めされると共に、軸支持部材12に対して廻止めされている。
15はローラ支持軸13により左,右の軸支持部材12に対して回転可能に設けられた回転体としてのローラで、該ローラ15は、中心部に軸挿通孔15Aが形成された段付き円筒体からなり、軸方向の両端側には大径なフランジ部15B,15Bが一体形成されている。ここで、ローラ15の左,右両端側には、軸挿通孔15Aよりも大きな内径寸法を有し、後述のフローティングシール18が装着されるシール装着穴15Cと、該シール装着穴15Cよりも大きな内径寸法を有し、軸支持部材12の鍔部12Bを収容する軸受収容穴15Dとが、軸挿通孔15Aと同心状に形成されている。
また、シール装着穴15Cと軸受収容穴15Dとの間には、軸支持部材12(鍔部12B)の軸方向端面12Cと軸方向で対向する環状な軸方向端面15Eが形成され、該軸方向端面15Eには、後述する第1,第2の回転体側突起部24,25が設けられる構成となっている。さらに、軸挿通孔15Aの軸方向の中央部には、潤滑油を貯留する油溜め室15Fが形成されている。
そして、ローラ15の軸挿通孔15Aには、軸方向の両端側から円筒状のすべり軸受16,16が挿嵌され、ローラ15は、各すべり軸受16を介してローラ支持軸13に回転可能に支持され、左,右のフランジ部15Bによって履帯9が左,右方向に位置ずれするのを規制しつつ、該履帯9を走行装置7、遊動輪8に向けて案内するものである。このとき、ローラ支持軸13とすべり軸受16との摺動面は、ローラ15の油溜め室15Fから供給される潤滑油によって常時潤滑され、この潤滑油は、後述のフローティングシール18によってローラ15内に封止される構成となっている。
17,17は相対回転する軸支持部材12とローラ15との間に形成された左,右の全周の隙間で、該各隙間17は、図3に示すように、軸支持部材12の鍔部12Bとローラ15の軸受収容穴15Dとの間に全周に亘って環状に形成され、ローラ15の外部に開口している。
18,18は左,右の軸支持部材12とローラ15との間に設けられた左,右のフローティングシールで、該フローティングシール18は、回転するローラ15と軸支持部材12との間に形成された隙間17をシールするものである。そして、フローティングシール18は、油溜め室15Fに貯留した潤滑油をローラ15内に封止すると共に、泥水、土砂等の異物がローラ15内に侵入するのを抑えるものである。ここで、フローティングシール18は、図3および図4等に示すように、後述の固定側シールリング19、回転側シールリング20、固定側Oリング21、回転側Oリング22等により構成されている。
19は軸支持部材12側に配置された固定側シールリングで、該固定側シールリング19は、後述の回転側シールリング20と対をなすもので、該回転側シールリング20と対向した状態で、軸支持部材12に設けられた鍔部12Bの内周側に配置されている。ここで、固定側シールリング19は、例えば耐摩耗性、耐食性に優れた金属材料を用いて円筒状に形成され、回転側シールリング20と対面する環状なシール面19Aを有している。また、固定側シールリング19の外周面と鍔部12Bの内周面12Dとの間には、後述の固定側Oリング21が設けられる構成となっている。
20はローラ15側に配置された回転側シールリングで、該回転側シールリング20は、固定側シールリング19と同一部品からなり、ローラ15に設けられたシール装着穴15Cの内周側に配置されている。ここで、回転側シールリング20は、固定側シールリング19のシール面19Aに常時摺接する環状なシール面20Aを有している。また、回転側シールリング20の外周面とシール装着穴15Cの内周面との間には、後述の回転側Oリング22が設けられる構成となっている。
21は軸支持部材12に設けられた鍔部12Bの内周面12Dと固定側シールリング19の外周面との間に挟持された固定側Oリングで、該固定側Oリング21は、例えばブタジエンゴム等の耐油性、弾性を有するゴム材料等を用いて環状に形成されている。そして、固定側Oリング21は、軸支持部材12の鍔部12Bと固定側シールリング19との間をシールすると共に、固定側シールリング19を回転側シールリング20に向けて軸方向に常時押圧するものである。
22はローラ15に設けられたシール装着穴15Cの内周面と回転側シールリング20の外周面との間に挟持された回転側Oリングで、該回転側Oリング22は、固定側Oリング21と同一部品からなっている。そして、回転側Oリング22は、ローラ15のシール装着穴15Cと回転側シールリング20との間をシールすると共に、回転側シールリング20を固定側シールリング19に向けて軸方向に常時押圧するものである。
これにより、固定側シールリング19のシール面19Aと、回転側シールリング20のシール面20Aとは、固定側Oリング21と回転側Oリング22から付与される軸方向の押圧力によって適正に摺接し、軸支持部材12に対するローラ15の回転を許しながら、当該軸支持部材12とローラ15との間の隙間17を液密にシールすることにより、ローラ15内に潤滑油を封止し、かつ、土砂、泥水等の異物が、軸支持部材12とローラ15との間の隙間17を通じてローラ15内に侵入するのを阻止する構成となっている。
23は軸支持部材12に設けられた固定体側突起部で、該固定体側突起部23は、ローラ15が軸支持部材12に対して回転するときに、このローラ15の軸方向端面15E等に付着して固化した土砂等の異物を破砕するものである。ここで、固定体側突起部23は、図3ないし図5に示すように、軸支持部材12のうち固定側Oリング21の近傍に位置する軸方向端面12Cに設けられ、該軸方向端面12Cからローラ15に向けて軸方向に突出している。そして、固定体側突起部23は、図5に示すように、ローラ15の軸中心Oを中心として一定角度(ほぼ180度)の範囲で円弧状に延びる突起体からなり、例えば鍛造等の手段を用いて軸支持部材12の軸方向端面12Cに一体形成されている。
この場合、固定体側突起部23は、軸支持部材12の軸方向端面12Cから三角形の断面形状をもって突出し、ローラ15の軸方向端面15Eに向けて延びている(図3参照)。また、図5に示すように、固定体側突起部23の長さ方向の両端部は、槍状の鋭角部23Aとなり、ローラ15の軸中心Oを中心とする半径方向における固定体側突起部23の幅寸法は、各鋭角部23Aから長さ方向の中央部23Bに向けて徐々に大きくなるように形成されている。従って、固定体側突起部23は、長さ方向の中央部の半径方向における幅寸法が最も大きくなり、全体として三日月状に形成されている。
さらに、固定体側突起部23の表面には、レーザを用いた金属表面の急速な加熱冷却による表面硬化処理、タングステンカーバイド系サーメット等の溶射による金属表面への硬質皮膜形成等の表面改質処理を施すことにより、長さ方向の全域に亘って表面硬度が高い硬質部23Cが設けられている。
24,25はそれぞれローラ15に設けられた第1,第2の回転体側突起部で、これら第1,第2の回転体側突起部24,25は、ローラ15が軸支持部材12に対して回転するときに、軸支持部材12の軸方向端面12C等に付着して固化した土砂等の異物を破砕するものである。ここで、第1,第2の回転体側突起部24,25は、ローラ15のうち回転側Oリング22の近傍に位置する軸方向端面15Eに設けられ、固定体側突起部23とはローラ15の軸中心Oを中心とする半径方向で異なる位置で、軸方向端面15Eから軸支持部材12に向けて軸方向に突出している。
そして、第1,第2の回転体側突起部24,25は、図5に示すように、ローラ15の軸中心Oを挟んで固定体側突起部23と対向しつつ、ローラ15の軸中心Oを中心として一定角度(ほぼ180度)の範囲で円弧状に延びる突起体からなり、例えば鍛造等の手段を用いてローラ15の軸方向端面15Eに一体形成されている。
この場合、図5ないし図8に示すように、第1の回転体側突起部24は、軸支持部材12に設けられた固定体側突起部23よりも内周側に配置され、第2の回転体側突起部25は、固定体側突起部23よりも外周側に配置されており、ローラ15が回転したときに、これら固定体側突起部23、第1,第2の回転体側突起部24,25が、互いに干渉しないように構成されている。
ここで、第1,第2の回転体側突起部24,25は、ローラ15の軸方向端面15Eから三角形の断面形状をもって突出し、軸支持部材12の軸方向端面12Cに向けて延びている(図3参照)。また、図5に示すように、第1の回転体側突起部24の長さ方向の両端部は、槍状の鋭角部24Aとなり、ローラ15の軸中心Oを中心とする半径方向における第1の回転体側突起部24の幅寸法は、各鋭角部24Aから長さ方向の中央部24Bに向けて徐々に大きくなるように形成されている。また、第2の回転体側突起部25の長さ方向の両端部は、槍状の鋭角部25Aとなり、ローラ15の軸中心Oを中心とする半径方向における第2の回転体側突起部25の幅寸法は、各鋭角部25Aから長さ方向の中央部25Bに向けて徐々に大きくなるように形成されている。
従って、第1,第2の回転体側突起部24,25は、それぞれ長さ方向の中央部の半径方向における幅寸法が最も大きくなり、全体として三日月状に形成されている。これにより、図6ないし図8に示すように、回転する第1,第2の回転体側突起部24,25が、固定体側突起部23とすれ違うときに、第1,第2の回転体側突起部24,25と固定体側突起部23との間隔が常に変化する構成となっている。
さらに、第1,第2の回転体側突起部24,25の表面には、レーザによる焼入れ、金属溶射等の表面改質処理を施すことにより、長さ方向の全域に亘って表面硬度が高い硬質部24C,25Cがそれぞれ設けられている。
本実施の形態による下履帯案内ローラ11は上述の如き構成を有するもので、油圧ショベル1の走行時に履帯9が周回駆動されると、各下履帯案内ローラ11のローラ15は、軸支持部材12に対して回転することにより、履帯9を走行装置7、遊動輪8へと案内する。
このとき、フローティングシール18の回転側シールリング20はローラ15と一体に回転し、この回転側シールリング20のシール面20Aが、固定側シールリング19のシール面19Aに摺接することにより、回転するローラ15と軸支持部材12との間を液密にシールすることができる。これにより、フローティングシール18によってローラ15内に潤滑油を保持し、この潤滑油によって、ローラ支持軸13とすべり軸受16との摺動面等を適正に潤滑することにより、ローラ15を円滑に回転させることができる。
また、油圧ショベル1が泥濘地等を走行するときには、軸支持部材12とローラ15との間に形成された隙間17内に土砂、泥水等の異物が侵入するが、この異物がローラ15内に侵入するのをフローティングシール18によって阻止することができ、ローラ支持軸13とすべり軸受16との摺動面等を保護することができる。
しかし、軸支持部材12とローラ15との間の隙間17内に侵入した異物の一部は、軸支持部材12の軸方向端面12C、ローラ15の軸方向端面15E等に付着して固化し、この固化した異物は、やがてフローティングシール18の固定側Oリング21、回転側Oリング22に干渉してこれらを変形させるようになる。
これに対し、本実施の形態では、軸支持部材12の軸方向端面12Cに、ローラ15の軸方向端面15Eに向けて突出する固定体側突起部23を設け、ローラ15の軸方向端面15Eに、軸支持部材12の軸方向端面12Cに向けて突出する第1,第2の回転体側突起部24,25を設ける構成としている。
このため、ローラ15の回転に伴い、図6ないし図8に示すように、第1,第2の回転体側突起部24,25がローラ15の軸中心Oを中心として回転する。これにより、軸支持部材12の軸方向端面12Cに付着して固化した異物は、第1,第2の回転体側突起部24,25によって破砕することができ、ローラ15の軸方向端面15Eに付着して固化した異物は、固定体側突起部23によって破砕することができる。
また、ローラ15が回転している間は、軸支持部材12とローラ15との隙間17内に侵入した異物は、固定体側突起部23、第1,第2の回転体側突起部24,25によって常に攪拌されているので、この異物が軸支持部材12の軸方向端面12C、ローラ15の軸方向端面15E等に付着して固化するのを未然に防止することができる。
従って、軸支持部材12の軸方向端面12C、ローラ15の軸方向端面15E等に、土砂、泥水等の異物が付着して固化するのを確実に防止することができる。この結果、フローティングシール18の固定側Oリング21、回転側Oリング22が、固化した異物によって変形するのを抑え、これら各Oリング21,22が適度な弾性を保つことにより、フローティングシール18の良好なシール性を長期に亘って維持することができ、下履帯案内ローラ11の信頼性を高めることができる。
また、固定体側突起部23、第1,第2の回転体側突起部24,25の表面には、それぞれ表面改質処理による硬質部23C,24C,25Cが設けられているので、これら固定体側突起部23、第1,第2の回転体側突起部24,25によって、固化した異物を確実に破砕することができる。また、固定体側突起部23、第1,第2の回転体側突起部24,25の摩耗を抑え、その寿命を延ばすことができる。
また、ローラ15が回転するときには、図6ないし図8に示すように、固定体側突起部23、第1,第2の回転体側突起部24,25によって、フローティングシール18を常に外周側から取囲むことができる。この結果、固定体側突起部23、第1,第2の回転体側突起部24,25がラビリンスシールとしても作用し、軸支持部材12とローラ15との間の隙間17を通じてフローティングシール18側に侵入する異物の量を低減することができる。
さらに、固定体側突起部23の長さ方向の両端部を槍状の鋭角部23Aとし、第1,第2の回転体側突起部24,25の長さ方向の両端部を、それぞれ槍状の鋭角部24A,25Aとしている。これにより、ローラ15の軸方向端面15Eに付着して固化した異物を、固定体側突起部23の鋭角部23Aによって確実に破砕することができ、軸支持部材12の軸方向端面12Cに付着して固化した異物を、第1,第2の回転体側突起部24,25の鋭角部24A,25Aによって確実に破砕することができる。
しかも、固定体側突起部23の半径方向における幅寸法を、各鋭角部23Aから長さ方向の中央部23Bに向けて徐々に大きくなるように形成し、第1の回転体側突起部24の半径方向における幅寸法を、各鋭角部24Aから長さ方向の中央部24Bに向けて徐々に大きくなるように形成し、第2の回転体側突起部25の半径方向における幅寸法を、各鋭角部25Aから長さ方向の中央部25Bに向けて徐々に大きくなるように形成している。これにより、図6ないし図8に示すように、第1,第2の回転体側突起部24,25と固定体側突起部23とがすれ違うときに、両者の間隔を常に変化させることができる。この結果、固定体側突起部23と第1,第2の回転体側突起部24,25との間に、固化した異物が残存してしまうことがなく、固化した異物を確実に破砕して除去することができる。
次に、図9ないし図11は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、固定体側突起部の上面と回転体側突起部の上面とを、それぞれ山形状に形成したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、31は本実施の形態による下履帯案内ローラを示し、該下履帯案内ローラ31は、上述した第1の実施の形態によるものとほぼ同様に、軸支持部材12、ローラ15、フローティングシール18、後述の固定体側突起部32、第1,第2の回転体側突起部33,34等によって構成されるものの、固定体側突起部32、第1,第2の回転体側突起部33,34の構成が、第1の実施の形態によるものとは異なるものである。
32,32は軸支持部材12に設けられた固定体側突起部で、該各固定体側突起部32は、ローラ15が軸支持部材12に対して回転するときに、このローラ15の軸方向端面15E等に付着して固化した土砂等の異物を破砕するものである。ここで、固定体側突起部32は、軸支持部材12の軸方向端面12Cに周方向に180度の間隔をもって設けられ、該軸方向端面12Cからローラ15に向けて軸方向に突出している。そして、各固定体側突起部32は、ローラ15の軸中心Oを中心として一定角度(ほぼ90度)の範囲で円弧状に延びる突起体からなり、例えば鍛造等の手段を用いて軸支持部材12の軸方向端面12Cに一体形成されている。
この場合、各固定体側突起部32は、図9および図10に示すように、軸支持部材12の軸方向端面12Cから四角形の断面形状をもって突出し、ローラ15の軸方向端面15Eに向けて延びている。ここで、固定体側突起部32は、長さ方向の両端部32Aから中央部32Bに向けて軸方向の高さ寸法が徐々に大きくなり、固定体側突起部32のうちローラ15の軸方向端面15Eと対面する上面32Cは、長さ方向の中央部における軸方向の高さ寸法が最大となる山形状に形成されている。
また、固定体側突起部32の表面には、レーザを用いた金属表面の急速な加熱冷却による表面硬化処理、タングステンカーバイド系サーメット等の溶射による金属表面への硬質皮膜形成等の表面改質処理を施すことにより、長さ方向の全域に亘って表面硬度が高い硬質部32Dが設けられている。
33,33はローラ15に設けられた第1の回転体側突起部を示し、34,34は同じくローラ15に設けられた第2の回転体側突起部を示し、これら各第1,第2の回転体側突起部33,34は、ローラ15が軸支持部材12に対して回転するときに、軸支持部材12の軸方向端面12C等に付着して固化した土砂等の異物を破砕するものである。そして、各第1,第2の回転体側突起部33,34は、ローラ15のうち回転側Oリング22の近傍に位置する軸方向端面15Eに設けられ、各固定体側突起部32とはローラ15の軸中心Oを中心とする半径方向で異なる位置で、軸方向端面15Eから軸支持部材12に向けて軸方向に突出している。
ここで、第1の回転体側突起部33,33は、ローラ15の軸方向端面15Eに周方向に180度の間隔をもって設けられ、該軸方向端面15Eから軸支持部材12に向けて軸方向に突出している。そして、各第1の回転体側突起部33は、ローラ15の軸中心Oを中心として一定角度(ほぼ90度)の範囲で円弧状に延びる突起体からなり、例えば鍛造等の手段を用いてローラ15の軸方向端面15Eに一体形成されている。
一方、第2の回転体側突起部34,34も、ローラ15の軸方向端面15Eに周方向に180度の間隔をもって設けられ、該軸方向端面15Eから軸支持部材12に向けて軸方向に突出している。そして、各第2の回転体側突起部34も、ローラ15の軸中心Oを中心として一定角度(ほぼ90度)の範囲で円弧状に延びる突起体からなり、例えば鍛造等の手段を用いてローラ15の軸方向端面15Eに一体形成されている。
この場合、各第1の回転体側突起部33は、軸支持部材12に設けられた各固定体側突起部32よりも内周側に配置され、各第2の回転体側突起部34は、各固定体側突起部32よりも外周側に配置されており、ローラ15が回転したときに、これら固定体側突起部32、第1,第2の回転体側突起部33,34が、互いに干渉しないように構成されている。
ここで、各第1の回転側突起部33は、ローラ15の軸方向端面15Eから四角形の断面形状をもって突出し、軸支持部材12の軸方向端面12Cに向けて延びている。また、各第1の回転体側突起部33は、長さ方向の両端部33Aから中央部33Bに向けて軸方向の高さ寸法が徐々に大きくなり、第1の回転体側突起部33のうち軸支持部材12の軸方向端面12Cと対面する上面33Cは、長さ方向の中央部における軸方向の高さ寸法が最大となる山形状に形成されている。さらに、第1の回転体側突起部33の表面には、レーザを用いた金属表面の急速な加熱冷却による表面硬化処理、タングステンカーバイド系サーメット等の溶射による金属表面への硬質皮膜形成等の表面改質処理を施すことにより、長さ方向の全域に亘って表面硬度が高い硬質部33Dが設けられている。
一方、各第2の回転体側突起部34も、ローラ15の軸方向端面15Eから四角形の断面形状をもって突出し、軸支持部材12の軸方向端面12Cに向けて延びている。また、各第2の回転体側突起部34も、長さ方向の両端部34Aから中央部34Bに向けて軸方向の高さ寸法が徐々に大きくなり、第2の回転体側突起部34のうち軸支持部材12の軸方向端面12Cと対面する上面34Cは、長さ方向の中央部における軸方向の高さ寸法が最大となる山形状に形成されている。また、第2の回転体側突起部34の表面にも、長さ方向の全域に亘って硬質部34Dが設けられている。
本実施の形態による下履帯案内ローラ31は上述の如き構成を有するもので、本実施の形態においても、ローラ15の回転に伴い、第1,第2の回転体側突起部33,34がローラ15の軸中心Oを中心として回転することにより、軸支持部材12の軸方向端面12Cに付着して固化した異物を、第1,第2の回転体側突起部33,34によって破砕することができ、ローラ15の軸方向端面15Eに付着して固化した異物を、固定体側突起部32によって破砕することができる。
然るに、本実施の形態によれば、固定体側突起部32の上面32Cを、長さ方向の中央部における軸方向の高さ寸法が最大となる山形状に形成し、第1,第2の回転体側突起部33,34の上面33C,34Cを、長さ方向の中央部における軸方向の高さ寸法が最大となる山形状に形成したので、固定体側突起部32の上面32Cとローラ15の軸方向端面15Eとの間隔が、ローラ15の回転に応じて増減すると共に、第1,第2の回転体側突起部33,34の上面33C,34Cと軸支持部材12の軸方向端面12Cとの間隔が、ローラ15の回転に応じて増減する。
これにより、ローラ15の軸方向端面15Eに付着して固化した異物を、固定体側突起部32の上面32Cによって徐々に押潰すように破砕し、軸支持部材12の軸方向端面12Cに付着して固化した異物を、第1,第2の回転体側突起部33,34の上面33C,34Cによって徐々に押潰すように破砕することができる。従って、固定体側突起部32と異物との接触面積を大きくすることができ、第1,第2の回転体側突起部33,34と異物との接触面積を大きくすることができる。この結果、固定体側突起部32、第1,第2の回転体側突起部33,34の摩耗量を減少させることができるので、これら固定体側突起部32、第1,第2の回転体側突起部33,34の寿命を延ばすことができる。
次に、図12ないし図14は参考例を示し、本参考例は、固定体側突起部と回転体側突起部とを、回転体の軸中心を中心として環状に配置された複数の棒状突起部により構成したことにある。なお、本参考例では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、41は参考例による下履帯案内ローラを示し、該下履帯案内ローラ41は、上述した第1の実施の形態によるものとほぼ同様に、軸支持部材12、ローラ15、フローティングシール18、後述の固定体側突起部42、第1,第2の回転体側突起部43,44等によって構成されるものの、固定体側突起部42、第1,第2の回転体側突起部43,44の構成が、第1の実施の形態によるものとは異なるものである。
42は軸支持部材12に設けられた固定体側突起部で、該固定体側突起部42は、ローラ15の軸方向端面15E等に付着して固化した土砂等の異物を破砕するものである。ここで、固定体側突起部42は、ローラ15の軸中心Oを中心として環状に配置された複数個の短尺な円柱状の棒状突起部42A,42A,…からなり、例えば鍛造等の手段を用いて軸支持部材12の軸方向端面12Cに一体形成されている。また、各棒状突起部42Aの表面には、レーザを用いた金属表面の急速な加熱冷却による表面硬化処理、タングステンカーバイド系サーメット等の溶射による金属表面への硬質皮膜形成等の表面改質処理を施すことにより硬質部42Bがそれぞれ設けられている。
43,44はそれぞれローラ15に設けられた第1,第2の回転体側突起部で、これら第1,第2の回転体側突起部43,44は、軸支持部材12の軸方向端面12C等に付着して固化した土砂等の異物を破砕するものである。ここで、第1の回転体側突起部43は、ローラ15の軸中心Oを中心として環状に配置された複数個の短尺な円柱状の棒状突起部43A,43A,…により構成され、第2の回転体側突起部44は、ローラ15の軸中心Oを中心として環状に配置された複数個の短尺な円柱状の棒状突起部44A,44A,…により構成されている。また、第1の回転体側突起部43の各棒状突起部43Aの表面には、表面改質処理を施すことにより硬質部43Bがそれぞれ設けられ、第2の回転体側突起部44の各棒状突起部44Aの表面にも、表面改質処理を施すことにより硬質部44Bがそれぞれ設けられている。
参考例による下履帯案内ローラ41は上述の如き構成を有するもので、本参考例においても、ローラ15の回転に伴い、第1,第2の回転体側突起部43,44がローラ15の軸中心Oを中心として回転することにより、軸支持部材12の軸方向端面12Cに付着して固化した異物を、第1,第2の回転体側突起部43,44によって破砕することができ、ローラ15の軸方向端面15Eに付着して固化した異物を、固定体側突起部42によって破砕することができる。
然るに、参考例によれば、固定体側突起部42を環状に配置された複数個の棒状突起部42Aによって構成すると共に、第1,第2の回転体側突起部43,44をそれぞれ環状に配置された複数個の棒状突起部43A,44Aによって構成している。このため、これら複数の棒状突起部42A,43A,44Aが固化した異物に連続的に衝合することにより、固化した異物を確実に破砕することができる。また、各棒状突起部42A,43A,44Aがほぼ均等に摩耗することにより、固定体側突起部42、第1,第2の回転体側突起部43,44の一部が集中的に摩耗するのを抑えることができ、固定体側突起部42、第1,第2の回転体側突起部43,44の寿命を延ばすことができる。
なお、上述した第1の実施の形態では、軸支持部材12に1個の固定体側突起部23を設け、ローラ15に2個の回転体側突起部24,25を設けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、ローラ15に1個の回転体側突起部を設け、軸支持部材12に2個以上の固定体側突起部を設ける構成としてもよく、軸支持部材12に複数個の固定体側突起部を設け、ローラ15に複数個の回転体側突起部を設ける構成としてもよい。このことは、第2の実施の形態についても同様である。
また、上述した各実施の形態では、建設機械の回転装置として、油圧ショベル1の下履帯案内ローラ11(31,41)を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図1に示す油圧ショベル1の走行装置7、遊動輪8等のフローティングシールを備えた他の回転装置にも広く適用することができる。
本発明の第1の実施の形態による下履帯案内ローラを備えた油圧ショベルを示す正面図である。 下履帯案内ローラの軸支持部材、ローラ、フローティングシール、固定体側突起部、回転体側突起部等を図1中の矢示II−II方向からみた断面図である。 図2中の固定体側突起部、回転体側突起部、フローティングシール等を拡大して示す要部拡大断面図である。 固定体側突起部が設けられた軸支持部材と、回転体側突起部が設けられたローラとを示す一部破断の分解斜視図である。 軸支持部材、ローラ、固定体側突起部、回転体側突起部等を図3中の矢示V−V方向からみた断面図である。 図5中の固定体側突起部と回転体側突起部との位置関係を示す動作説明図である。 回転体側突起部が回転した状態を示す図6と同様な動作説明図である。 回転体側突起部がさらに回転した状態を示す図6と同様な動作説明図である。 第2の実施の形態による固定体側突起部、回転体側突起部、フローティングシール等を拡大して示す要部拡大断面図である。 固定体側突起部が設けられた軸支持部材と、回転体側突起部が設けられたローラとを示す一部破断の分解斜視図である。 軸支持部材、ローラ、固定体側突起部、回転体側突起部等を図9中の矢示XI−XI方向からみた断面図である。 参考例による固定体側突起部、回転体側突起部、フローティングシール等を拡大して示す要部拡大断面図である。 固定体側突起部が設けられた軸支持部材と、回転体側突起部が設けられたローラとを示す一部破断の分解斜視図である。 軸支持部材、ローラ、固定体側突起部、回転体側突起部等を図12中の矢示IVX−IVX方向からみた断面図である。
符号の説明
1 油圧ショベル
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
11,31,41 下履帯案内ローラ(回転装置)
12 軸支持部材(固定体)
15 ローラ(回転体)
17 隙間
18 フローティングシール
19 固定側シールリング
19A,20A シール面
20 回転側シールリング
21 固定側Oリング
22 回転側Oリング
23,32,42 固定体側突起部
23A,24A,25A 鋭角部
23B,24B,25B 中央部
23C,24C,25C,32D,33D,34D,42B,43B,44B 硬質部
24,33,43 第1の回転側突起部
25,34,44 第2の回転側突起部
32C,33C,34C 上面
42A,43A,44A 棒状突起部

Claims (4)

  1. 建設機械の車体に固定して設けられた固定体と、該固定体との間に外部に開口する全周隙間を形成した状態で前記固定体に対し回転可能に設けられた回転体と、前記固定体と回転体との間の隙間をシールするフローティングシールとを備え、前記フローティングシールは、前記固定体の内周側と前記回転体の内周側とに配置され互いに摺接するシール面をもった一対のシールリングと、前記固定体の内周面と前記シールリングとの間および前記回転体の内周面と前記シールリングとの間にそれぞれ設けられた一対のOリングとにより構成してなる建設機械の回転装置において、
    前記固定体のうち前記Oリングの近傍に位置して前記回転体と軸方向で対向する面には、前記回転体に向けて突出する固定体側突起部を設け、前記回転体のうち前記Oリングの近傍に位置して前記固定体と軸方向で対向する面には、前記固定体側突起部とは半径方向で異なる位置で前記固定体に向けて突出する回転体側突起部を設け
    前記固定体側突起部は、前記回転体の軸中心に対して一定角度の範囲で円弧状に配置し、
    前記回転体側突起部は、前記回転体の軸中心を挟んで前記固定体側突起部と対向しつつ一定角度の範囲で円弧状に配置する構成としたことを特徴とする建設機械の回転装置。
  2. 前記固定体側突起部と前記回転体側突起部とは、長さ方向の両端部が鋭角部となり、長さ方向の中央部の幅寸法が大きな三日月状に形成してなる請求項に記載の建設機械の回転装置。
  3. 前記固定体側突起部のうち前記回転体と対面する上面は、長さ方向の中央部の高さ寸法が大きな山形状に形成し、前記回転体側突起部のうち前記固定体と対面する上面は、長さ方向の中央部の高さ寸法が大きな山形状に形成してなる請求項に記載の建設機械の回転装置。
  4. 前記固定体側突起部および前記回転体側突起部の表面は、表面改質処理を施すことにより硬質部を設ける構成としてなる請求項1,2または3に記載の建設機械の回転装置。
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