JP5102109B2 - 電動モータ - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、アウタロータにファンブレードが固定された冷却ファン駆動用の電動モータに関するものである。
従来から、自動車のラジエータ冷却用のファンモータとして、アウタロータ型の電動ブラシレスモータが用いられる場合がある。この種の電動モータはステータベースに設けられた複数のティースにコイルを巻装してステータを構成すると共に、有底筒状のロータヨークとこのロータヨークの内周面に配置された永久磁石とでロータを構成し、ロータヨークの回転軸をステータベースに回転自在に支持している。ロータヨークの外周にはファンブレードが設けられ、コイルに電流が供給されるとステータのティースに磁界が形成され、ロータヨークの永久磁石との間に磁気的な吸引力や反発力が生じてロータが回転しファンブレードによって回転軸の軸方向に冷却風を発生させるものである。
この種の電動モータにあっては、回転子であるロータが固定子であるステータの外側で回転するため、ステータの突出端にシャフトを設け、このシャフトに取り付けた軸受けを介してステータにロータが回転自在に支持されているものがある。軸受けは筒状の軸受けホルダ内に保持され、軸受けホルダがステータベースの中心にインサート成形により固定されている(例えば、特許文献1参照)。
実開昭62−68450号公報
しかしながら、上述した従来技術にあっては、コイルから発生した熱により軸受けが熱変形し、軸受けの熱による変形量がステータやロータの熱による変形量と異なる場合には、軸受けの内部隙間が変化して、軸受けの耐久性が低下し、音振性も悪化するという問題がある。
そこで、この発明は、熱による変形の悪影響を受けず耐久性、音振性に優れ、かつ軽量化を可能とする電動モータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、ステータベース(例えば、実施形態におけるステータベース4)に設けられた複数のティース(例えば、実施形態におけるティース13)にコイル(例えば、実施形態におけるコイル17)を巻装してステータ(例えば、実施形態におけるステータS)を構成すると共に、前記ステータの周囲に設けられたロータヨーク(例えば、実施形態におけるロータヨーク60)とこのロータヨークの内周面(例えば、実施形態における周壁61)に配置された永久磁石(例えば、実施形態におけるマグネット62)とでロータ(例えば、実施形態におけるロータR)を構成し、前記ロータの中央部に設けた回転軸(例えば、実施形態における回転軸6)を前記ステータベースの中央部に複数のベアリング(例えば、実施形態における第1ベアリング29、第2ベアリング30)を介して回転自在に支持した電動モータであって、前記ステータベースの中央部に装着孔(例えば、実施形態における装着孔28)を形成し、この装着孔に筒状のベアリングホルダ(例えば、実施形態におけるベアリングホルダ27)を挿入固定し、前記ベアリングホルダには、前記複数のベアリングを構成する第1ベアリング(例えば、実施形態における第1ベアリング29)と第2ベアリング(例えば、実施形態における第2ベアリング30)とが前端部と後端部に各々固定される第1保持部(例えば、実施形態における第1保持部31)と第2保持部(例えば、実施形態における第2保持部32)が形成され、前記ベアリングホルダは、前記第1保持部の前記第2保持部側である後方にあって前記装着孔に中間嵌めによって嵌装される中間嵌め部(例えば、実施形態における中間嵌め部400)と、前記第2保持部に対応する位置にあって僅かな隙間を持って前記装着孔に隙間嵌めで挿入される隙間嵌め部(例えば、実施形態における隙間嵌め部401)とを備え、前記中間嵌め部よりも軸方向前側に前記第1ベアリングを配置し、前記隙間嵌め部の内側部位に前記第2ベアリングを配置したことを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記ステータベースアルミニウムで形成し、前記ベアリングホルダを前記複数のベアリングと同じ鉄製の材料で形成したことを特徴とする。
請求項に記載した発明は、前記ベアリングホルダを前記複数のベアリングと熱膨張率が同じ材質で形成したことを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、中間嵌め部となっている部分で回転軸の軸中心を出しつつ、隙間嵌め部によりベアリングに嵌め加工や熱膨張による応力がかからないようにして回転軸を支持することができる効果がある。
請求項2に記載した発明によれば、アルミニウムで形成されたステータベースにより軽量化を図りつつ、ベアリングホルダの熱による伸縮をベアリングと同じにしてベアリングの内部空間が変化するのを防止し、ベアリングの耐久性及び音振性の向上を図ることができる効果がある。
請求項に記載した発明によれば、例えば、駆動時にコイル等から発生する熱によりベアリングホルダが過熱して熱膨張しても、このベアリングホルダがこれに保持されたベアリングと熱膨張率が同じ材質であるため、ベアリングベアリングホルダとを熱により同じように変形させることができる。したがって、熱変化によるベアリングホルダとベアリングの伸縮の度合いが同じになり、ベアリングの内部空間が変化することを防止して、ベアリングの耐久性を向上すると共に音振性を向上できる効果がある。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明において図1の左側を前側、図1の右側を後側とする。
図1〜図3において、1はファンモータを示し、このファンモータ1は自動車のラジエータを冷却するためのものである。ファンモータ1は、ブラシレス型の電動モータMとこの電動モータMのロータRに支持されたファンブレード3を備えている。ロータRはアウタロータ型であり、ロータR内にステータSが設けられている。このステータSのステータベース4がファンシュラウド91に取り付けられている。
ステータベース4はアルミニウム製であってラジエータに取り付けられる取付片5を周囲に3箇所備えている。ステータベース4の後面の中央部にはロータRの回転軸6の周囲であって縦壁7により囲まれた部分にセンサユニット8の収納部9が形成され、この収納部9は4個のビス10を介して蓋2によって閉塞されている。
ステータベース4の前面の中央部にはボス部11が設けられている。ボス部11の周囲には段差部12が形成され、この段差部12には放射方向に12個のティース13を備えたステータコア14が配置されている。ステータコア14は3個の固定ボルト15によってボス部11に回転軸6の軸方向から取り付けられている。ステータコア14は磁性材料からなる金属板を回転軸6の軸方向に積層して形成されたもので、各ティース13には絶縁材であるコの字断面形状のインシュレータ16を介してコイル17が巻装されている。
ここで、各インシュレータ16の内壁18には、この内壁18に沿うようにして回転軸6の軸方向に立ち上がるリング状のインシュレータリング19,20がインシュレータ16の付け根部に係止された状態でステータSの前側と後側に一対装着されている。各インシュレータリング19,20の下部には排水性を高めるために90度の角度範囲で高さを低くするための切除部37が設けられている(図2参照)。前述したステータベース4とコイル17が巻装されたステータコア14とでステータSが構成されている。
ステータベース4の前面であってボス部11の周囲には凹部21が形成され、この凹部21に環状のターミナルユニット22が配置されている。ターミナルユニット22には、U相、V相、W相に対応した各コイル17が接続され、ダブルナット23によりU相、V相、W相の端子24が押し付けた状態で固定されている。ここで、凹部21には熱伝達性に優れた樹脂材Jがターミナルユニット22と端子24との周りに充填されコイル17で発生した熱がこの樹脂材Jを介してステータベース4に効果的に熱引きされ速やかに冷却されるようになっている。
図4に示すように、各端子24にはケーブル25が接続され、端子24及びケーブル25は防水チューブ26によって被覆されている。
ステータベース4のボス部11の中央部にはベアリングホルダ27の装着孔28が形成され、ここにベアリングホルダ27が挿入されている。
図5、図6に示すように、ベアリングホルダ27は鉄製で筒状の部材であって、前端部と後端部に各々第1ベアリング29と第2ベアリング30が嵌着固定される第1保持部31と第2保持部32が有段成形されている。このように第1ベアリング29と第2ベアリング30と同じ鉄製(熱膨張率も同じ)の部材でベアリングホルダ27を形成することで、ベアリングホルダ27と第1、2ベアリング29,30との相対的な熱による伸縮の度合いを同じにしている。
したがって、ベアリングホルダ27をアルミニウム製にした場合に比較して、第1ベアリング29と第2ベアリング30の熱による伸縮に基づく内部隙間の変化を大幅に低減し、第1ベアリング29と第2ベアリング30の音振性能を向上すると共に寿命を延ばすことができる。また、ベアリングホルダ27を設けることで、ステータコア14を交換しないでベアリングホルダ27のみ変更して第1、2ベアリング29,30のサイズ、つまり回転軸6の軸径の異なるものに使用できる。
ベアリングホルダ27の第1保持部31の首元部の周囲にはフランジ部33が3箇所形成され、このフランジ部33をビス34によってステータベース4のボス部11に固定するようになっている。また、第1保持部31の前端部周縁には外側に延びるウォータシールドリング部35が形成され、このウォータシールドリング部35は排水性を高めるため下部が90度の角度範囲で切除された切除部38となっている。ベアリングホルダ27の中央部には第1保持部31側に回転軸6を遊挿する挿通孔36が形成されている。
ベアリングホルダ27の外周部には軽量化に寄与する縮径部40が全周に亘って形成され、ボス部11の装着孔28との間に環状の隙間部41が形成されるようになっており、縮径部40の下部にはベアリングホルダ27の内部に連通する連通孔42が開口形成されている。縮径部40はベアリングホルダ27の後端部に周方向で3箇所に形成された連通溝43を介してボス部11の装着孔28の後端側に位置するセンサユニット8の収納部9に連通している。
ここで、ベアリングホルダ27の外周部は縮径部40の前側と後側で装着孔に28に嵌装されるが、前側は第1保持部31の後方にあって装着孔28に中間嵌めによって嵌装される中間嵌め部400として形成され、後側は第2保持部32に対応する位置にあって僅かな隙間を持って装着孔28に隙間嵌めで挿入される隙間嵌め部401として形成されている。
したがって、中間嵌め部400に対応する位置、つまり中間嵌め部400の内側部位には第1ベアリング29は配置されておらず、中間嵌め部400よりも前側に第1ベアリング29が配置されることとなり、隙間嵌め部401に対応する位置、つまり隙間嵌め部401の内側部位に第2ベアリング30が配置されることとなる。
このようにベアリングホルダ27を介して、間接的に第1ベアリング29と第2ベアリング30とを装着孔28に取り付けているため、直接的に第1ベアリング29と第2ベアリング30とを装着孔28に嵌装した場合のように、熱による伸縮時に悪影響を受けることはない。
また、中間嵌め部400により回転軸6の軸中心を出しつつ、隙間嵌め部401により第1ベアリング29、第2ベアリング30に嵌め加工や熱膨張によって作用する応力がかからないように回転軸6を支持することができる。
図1に示すように、ステータベース4のボス部11の下部には隙間部41に連通する位置に連通孔44が下部に向かって形成されている。この連通孔44はボス部11の外周壁であってターミナルユニット22の配置部位に開口し、後述する水抜き部100を介して外部に開放されている。
ボス部11の装着孔28はベアリングホルダ27の後端部よりも後方の部分が前述したセンサユニット8の収納部9として形成され、収納部9の縦壁7の内壁は装着孔28と一致している。この収納部9に回転軸6の後端ネジ部45にナット46により固定され回転軸6と共に回転する円盤状のセンサマグネット47が収容されている。そして、図4に示すように、センサマグネット47に対応してステータベース4のビス孔48に扇状のセンサケース49がビス50により固定されている。センサマグネット47とセンサケース49とでセンサユニット8を構成している。
センサケース49は内部に回路部品56が収容された部材であって、図7に示すようにセンサケース49の両端部にはセンサケース49の縦壁58にステータベース4のビス孔48にビス50(図3、4参照)により締め付けられる一対の取付片51が形成されている。この取付片51にはセンサマグネット47の回転周面に沿ってセンサケース49を移動可能とする位置決め用の取付長孔52が形成されている。
図1、図3に示すように、ステータベース4の下部には収納部9の縦壁7から径方向に延びるリブ部53が設けられ、このリブ部53内に排水通路54が形成されている。排水通路54の上端は収納部9内に連通し、排水通路54の下端を直線的に開放せずネジで閉塞し開口端55が前側に折り曲げられてステータベース4の前面で開口して外部に開放されている。尚、センサケース49内の回路部品56にはハーネス57が接続されている。
図8、図9において、Rはロータを示し、このロータRは主としてステータSを前面から覆う有底円筒状のロータヨーク60とロータヨーク60の周壁61の内面にステータSのコイル17に対応して配置されたマグネット62とで構成されている。
ロータヨーク60の底壁63の中央部には前側に突出するボス64が形成され、ボス64内に回転軸6が圧入されている。回転軸6の先端部はボス64の端面から突出し、この突出部分がネジ部65となっていて、ここにナット66を締め付けてロータヨーク60のボス64に回転軸6が固定されている。回転軸6にはロータヨーク60の底壁63に裏側から当接するカラー67が設けられ、このカラー67に当接するように回転軸6の前端側から第1ベアリング29が圧入固定されている。ロータヨーク60の底壁63には周壁61の接続部近傍に周方向に沿って複数の水抜き孔68が形成されている。
ロータヨーク60の周壁61は底壁63よりも厚肉に形成され、周壁61内面にはマグネットカバー69が圧入固定されている。ロータヨーク60の周壁61の開口縁70はステータベース4の前面に対向配置され、ステータベース4の前面との間に隙間71を形成するべく近接する位置まで延出している(図1参照)。
図10、図11に示すように、マグネットカバー69は板材を円筒状に形成したもので、後部の開口縁が拡径されて拡径部72として成形され、この拡径部72がロータヨーク60の周壁61の内面に圧入固定されるものである。前部の開口縁には内側に向かう内フランジ部73が形成されている。拡径部72から内フランジ部73に至る周壁74はロータヨーク60の周壁61内面よりもやや小さな直径となっており、この周壁74とロータヨーク60の周壁61内面との間に収容部75が形成され、この収容部75にマグネットホルダ76を介して区画された8箇所にマグネット62が装着されている(図1、図8参照)。
マグネットカバー69には内フランジ部73と周壁74との稜線部分に周方向に複数の水抜き孔59が形成されている。ここで、マグネットカバー69の水抜き孔59はロータヨーク60の水抜き孔68に対して径方向でやや内側に位置しており、ロータヨーク60の水抜き孔68は回転軸6の軸方向後方に位置するマグネット62に対して充填される充填剤Zの注入口として有効利用できるようになっている。
図1、図8、図9に示すように、ロータヨーク60の底壁63のボス64の周囲には取付孔77が3箇所形成され、この取付孔77に底壁63裏面からウォータシールドリング80がリベット81止めされている。
図12に示すように、ウォータシールドリング80は内輪部82と外輪部83と底部84とで構成された環状部材であって、外輪部83は斜め後方外側に向かうほど直径が大きくなるように立ち上げ形成され、内輪部82は回転軸6の軸方向に沿って立ち上げ形成されている。外輪部83の周縁部はインシュレータリング19の周壁内側であって高さ方向の中途部に近接しており、内輪部82はベアリングホルダ27のウォータシールドリング部35の外側に近接し、ウォータシールドリング部35の周囲を遮る位置まで立ち上がるようになっている。
したがって、図13に示すように、ウォータシールドリング80の外輪部83とインシュレータリング19の周壁との間には、水の浸入経路長さを確保するために、蛇行して長い経路(矢印参照)であるラビリンス部98が形成され、ウォータシールドリング80の内輪部82とベアリングホルダ27のウォータシールドリング部35との間にも、蛇行して長い経路(矢印参照)であるラビリンス部99が形成されることとなる。
よって、ウォータシールドリング部35には下部が90度の角度範囲で切除された切除部38が設けられているため、ラビリンス部99は下部において、この切除部38から水が排出できることとなる。
図1に示すように、ロータヨーク60の底壁63の前面には6個のビス85を介して樹脂製のファンボス86が取り付けられている。ファンボス86はロータヨーク60の底壁63のボス64の周囲に立ち上がる肩部87を備え、ロータヨーク60の底壁63を覆う底壁部88とロータヨーク60の周壁61を中途部まで覆う周壁部89とを備えていて、周壁部89にはファンブレード3が固定されている。ここで、ファンボス86の底壁部88の外周部分はロータヨーク60の底壁63に対して離間するべく有段形成され、ロータヨーク60の水抜き孔68を閉塞しないようになっている。
ファンボス86の周壁部89の開口縁の近傍には断面コの字状で環状の防水リング90が取付片5を介してファンシュラウド91に固定され、ロータヨーク60の周壁61の開口縁70とステータベース4の前面との間に形成された隙間71を外側から覆う位置に配置されている。
したがって、ファンボス86の開口縁と防水リング90の前側フランジ部90aとの間には、幅の狭い隙間97が形成されている。
ステータベース4の前面にはロータヨーク60の周壁61の内面に近接して、ロータヨーク60の開口縁70よりも回転軸6の軸方向前側に延び、周壁61と回転軸6の軸方向に沿う方向で重なり合うように配置されるリング部92が形成されている。このリング部92の端縁はコイル17の後端部よりも前側に延び、端末部分にはロータヨーク60の周壁61の内面近傍に向かう突条93が設けられている。ここで、図2に示すように突条93は下部が90度の角度範囲で切除されていて(図2参照)、この部分においてロータヨーク60の周壁61とリング部92との間が水抜き部100として構成されている。
よって、図14に示すように、ロータヨーク60の開口縁70とステータベース4の前面との間に、水の浸入経路長さを確保するために、ロータヨーク60の周壁61の開口縁70とステータベース4の前面との間の隙間71に連通するラビリンス部94が形成されることとなる。
ここで、このラビリンス部94はリング部92とロータヨーク60の周壁61の内面との間から突条93により更に外側に回り込んでおり、蛇行して長い経路(矢印参照)となっている。
したがって、上記実施形態によれば、ファンモータ1が駆動してロータRが回転すると、ファンボス86に設けたファンブレード3により回転軸6の軸方向に冷却風が発生してラジエータに熱交換用の冷却風を供給することができる。
ところで、ファンモータ1が駆動すると、コイル17が発熱して、ステータベース4のボス部11の温度が上昇する。この熱はステータベース4のボス部11の装着孔28のベアリングホルダ27に伝達され、更に、第1ベアリング29、第2ベアリング30の温度を上昇させるが、これらベアリングホルダ27と第1、2ベアリング29,30は両者とも鉄製の部材であるため同じように熱膨張する。したがって、両者が同じ材料で形成されていない場合(熱膨張率が異なる場合)に比較して、第1、2ベアリング29,30の内部空間が変化するのを防止できる。その結果、内部空間が変化した場合に生ずるガタツキを防止し、第1、2ベアリング29,30の耐久性を向上できる共に騒音の発生を防止して音振性を向上できる。
また、ステータベース4、ボス部11を備えたステータSがアルミニウムで形成されているため全体を軽量化しつつ、第1、2ベアリング29,30の耐久性及び音振性の向上を図ることができる。
ここで、ファンモータ1のロータRはステータSを前面から覆っており、このステータSはファンボス86により覆われているため、前側からの水の浸入を阻止することができるが、図15に示すように、ファンボス86の外周部に水が掛かった場合であっても、ファンボス86の開口縁と防水リング90の前側フランジ部90aとの間が幅の狭い隙間97となっているため、ここからは水が浸入し難く防水上有利である。
そして、仮にこの隙間97から流れ込み(以下水の流れを矢印で示す)、ロータヨーク60の周壁61の開口縁70とステータベース4の前面との間の隙間71から内部に浸入したとしても、隙間71を閉塞するように配置されたリング部92により阻止される。
また、隙間71の水はロータヨーク60の回転動作により遠心力で外側に排出されると共に、排出されない場合であっても、隙間71を入り口として連なるラビリンス部94が蛇行しており、水が内部に浸入し難くいため、内部への水の浸入が抑制される。よって、浸入した水が第1ベアリング29、第2ベアリング30に至るのを防止できるため、第1ベアリング29、第2ベアリング30における潤滑剤の流出を抑え、第1ベアリング29、第2ベアリング30の潤滑性能を維持し、音振性能及び耐久性の向上を図ることができる。
ところで、ラビリンス部94において、勢いが弱められた水は、ここからそのまま下側に流れるものと、ステータSの前側に流れるものとに分かれるが、多くが下側に流れることで前側から第1ベアリング29や第2ベアリング30に向かう水の量が少なくなるため、第1ベアリング29と第2ベアリング30にとって防水上有利である。ここで、下側に流れた水の大部分は、そのままリング部92に沿って下側に案内され、突条93が切除されたリング部92とロータヨーク60の周壁61との間の水抜き部100から隙間71を通りファンボス86の開口縁と防水リング90の前側フランジ部90aとの間の隙間97を経て速やかに排水される。
そして、ラビリンス部94から前側に流れた水はウォータシールドリング80の外輪部83とインシュレータリング19の周壁との間のラビリンス部98によりそれ以上の浸入を阻止され、インシュレータリング19の周壁に沿って下部に案内され、インシュレータリング19の切除部37からマグネットカバー69の水抜き孔59を経て、ロータヨーク60の底壁63の外周側に設けた水抜き孔68へ移動し、ここからファンボス86の周壁部89内を下に案内され、ファンボス86の開口縁と防水リング90の前側フランジ部90aとの間の隙間97を経て速やかに排水される。したがって、ラビリンス部94とラビリンス部98とにより二重に水の浸入を防止できるため、確実に第1ベアリング29と第2ベアリング30への被水を防止することができる。
また、ラビリンス部98からウォータシールドリング80の外輪部83と内輪部82との間に水が到達しても、勢いを無くしたこの水の大部分は、ウォータシールドリング80の内輪部82とベアリングホルダ27のウォータシールドリング部35との間に形成されたラビリンス部99によりそれ以上の浸入を阻止され、ベアリングホルダ27の周壁に沿って下部に案内され、ウォータシールドリング部35の切除部38からウォータシールドリング80の外輪部83に案内され、マグネットカバー69の水抜き孔59に至る。そして、前述と同様に水抜き孔68へ移動し、ここからファンボス86の周壁部89内を下に案内され、ファンボス86の開口縁と防水リング90の前側フランジ部90aとの間の隙間97を経て速やかに排水される。
ここで、ベアリングホルダ27の外側に延びるウォータシールドリング部35が設けられているため、ベアリングホルダ27の外周面の水を前側に流れ込まないようにして効果的に受け止め、それ以上の浸入を防止することができると共に、スムーズに下方に案内し、ウォータシールドリング部35の切除部38から速やかに排出することができる。
したがって、ラビリンス部94とラビリンス部98に加えてラビリンス部99も加わり三重に水の浸入を防止でき、とりわけ第1ベアリング29の直前に設けたラビリンス部99の下部において切除部38から効果的に排水できることもあって、第1ベアリング29が水に晒されることを確実に防止でき、第1ベアリング29,第2ベアリング30の潤滑剤の流出を抑え、第1ベアリング29,第2ベアリング30の潤滑性能を維持して、音振性及び耐久性の向上を図ることができる。
また、ベアリングホルダ27の内部において温度変化により内部の空気が膨張収縮しても、この空気は連通孔42、隙間部41を経て、連通孔44、水抜き部100及び隙間71から逃がし、あるいは連通孔42、隙間部41、連通溝43、収納部9を経て排水通路54、開口端55及び隙間71から逃がすことができる。よって、第1ベアリング29、第2ベアリング30内部が密封されている場合のように、グリスが内圧変化により外部に流出することがなくなり潤滑切れによる音振性能の悪化や耐久性の低下を防止することができる。
そして、このようにベアリングホルダ27の内部空間が外部と連通していることにより、万一、ファンモータ1が冠水、水没した場合であっても、内部の水は前述した経路から速やかに下部の隙間71から排水される。
ところで、ロータRの前面に冷却風の入り口を設けていないため、ファンモータ1の内部に冷却風を取り込むことはできないが、コイル17に発生した熱は熱伝導性能の高い樹脂材Jを介してステータベース4によって熱引きされるため、コイル17の過熱を抑えて効果的に冷却できる。
そして、ベアリングホルダ27の外周部の前側は装着孔28に中間嵌めによって嵌装される中間嵌め部400として形成され、後側は僅かな隙間を持って装着孔28に隙間嵌めで挿入される隙間嵌め部401として形成されており、中間嵌め部400の内側部位には第1ベアリング29は配置されておらず、中間嵌め部400よりも前側に第1ベアリング29が配置され、隙間嵌め部401の内側部位に第2ベアリング30が配置されることとなるため、中間嵌め部400により回転軸6の軸中心を出しつつ、隙間嵌め部401により第1ベアリング29、第2ベアリング30に嵌め加工や熱膨張によって作用する応力がかからないように回転軸6を支持することができる。
この発明は、上記実施形態に限られるものではなく、例えば、ベアリングホルダ27を第1、2ベアリング29、30と同様に鉄製の部材で形成した場合について説明したが、熱膨張率が同じ材質であり、かつ第1、2ベアリング29、30の内部空間に生ずる変化が無視できる程度のものであれば、両者を異なる材質としてもよい。また、ファンボス86にファンブレード3を設けた場合について説明したが、ファンボス86を設けないでロータヨーク60の周壁61に直接ファンブレード3を設けてもよい。また、マグネット62としてはネオジマグネット、フェライトマグネットを用いることができる。
この発明の実施形態のファンモータの断面図である。 図1のステータの正面図である。 センサユニットを省略した図2の背面図である。 図1の背面図である。 図1のベアリングホルダの拡大断面図である。 図5の正面図である。 センサケースの正面図である。 図1のロータの断面図である。 図8の正面図である。 図1のマグネットカバーの側面図である。 図10の正面図である。 図1のウォータシールドリングの断面図である。 図1の要部拡大図である。 図1の要部拡大図である。 水の流れを示す断面図である。
符号の説明
4 ステータベース
6 回転軸
13 ティース
17 コイル
27 ベアリングホルダ(軸受けホルダ)
28 装着孔
29 第1ベアリング(軸受け)
30 第2ベアリング(軸受け)
60 ロータヨーク
61 周壁(内周面)
62 ネオジマグネット(永久磁石)
400 中間嵌め部
401 隙間嵌め部
R ロータ
S ステータ

Claims (3)

  1. ステータベースに設けられた複数のティースにコイルを巻装してステータを構成すると共に、前記ステータの周囲に設けられたロータヨークとこのロータヨークの内周面に配置された永久磁石とでロータを構成し、前記ロータの中央部に設けた回転軸を前記ステータベースの中央部に複数のベアリングを介して回転自在に支持した電動モータであって、前記ステータベースの中央部に装着孔を形成し、この装着孔に筒状のベアリングホルダを挿入固定し、前記ベアリングホルダには、前記複数のベアリングを構成する第1ベアリングと第2ベアリングとが前端部と後端部に各々固定される第1保持部と第2保持部が形成され、前記ベアリングホルダは、前記第1保持部の前記第2保持部側である後方にあって前記装着孔に中間嵌めによって嵌装される中間嵌め部と、前記第2保持部に対応する位置にあって僅かな隙間を持って前記装着孔に隙間嵌めで挿入される隙間嵌め部とを備え、前記中間嵌め部よりも軸方向前側に前記第1ベアリングを配置し、前記隙間嵌め部の内側部位に前記第2ベアリングを配置したことを特徴とする電動モータ。
  2. 前記ステータベースアルミニウムで形成し、前記ベアリングホルダを前記複数のベアリングと同じ鉄製の材料で形成したことを特徴とする請求項1記載の電動モータ。
  3. 前記ベアリングホルダを前記複数のベアリングと熱膨張率が同じ材質で形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電動モータ。
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