JP2017192163A - 全閉形回転電機 - Google Patents

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【課題】一方通風式の全閉形回転電機の遠心ファンの径の増大を伴わずに冷却を効果的に行う。【解決手段】全閉形回転電機100は、ロータシャフト11および回転子鉄心12とを有する回転子10と、固定子鉄心21および固定子巻線22とを有する固定子20と、回転子鉄心12と固定子20とを収納するフレーム40と、2つの軸受30と、軸受ブラケット45と、冷却用気体を冷却する冷却器61と、冷却器61を収納する冷却器カバー62と、回転軸方向にロータシャフト11の冷却器入口開口63の近傍内の位置に取り付けられた遠心ファン70と、回転軸方向にロータシャフト11の回転子鉄心12を挟んで遠心ファン70の反対側の位置に取り付けられた軸流ファン80とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、全閉形回転電機に関する。
全閉形の回転電機は、回転子と、固定子と、多くは、冷却器とを備えている。回転子は、通常、回転軸回りを回転するロータシャフトと、そのロータシャフトの径方向外側に設けられた回転子鉄心とを有する。また、固定子は、強磁性体の鋼板を軸方向に積層した円筒形状の固定子鉄心と、この固定子鉄心の径方向内側に周方向に互いに間隔をあけて回転軸方向に延びるように形成されたティース部に巻回された固定子コイルを有する。回転子鉄心および固定子鉄心においては、磁束を効果的に通過させられるように一定の面積の磁路が確保されている。
また、回転子鉄心と固定子とを収納する密閉空間内に設けられた冷却器においては、通常、伝熱管の内側を外部からの冷却媒体が流れ、冷却媒体によって冷却された冷却用気体が密閉空間内を流れる。空気などの冷却用気体は、ロータシャフトに取り付けられたファン、すなわち内扇によって駆動されて密閉空間内を循環する。
負荷運転時には、固定子コイルでは主に銅損が発生し、また固定子鉄心および回転子鉄心においては主に鉄損が発生する。このように固定子および回転子に生ずる銅損および鉄損による発熱に対して、固定子コイル等を保護するために固定子および回転子を冷却する必要がある。
従来は、たとえば、固定子鉄心の外周部に冷却フィン(ヒダ)を形成することにより放熱面積を大きくして、フレームと固定子鉄心との間の空間を軸方向に流れる冷却風などにより冷却している例がある(特許文献1)。
特開2013−34332号公報 特開2005−130693号公報
冷却器を有する全閉形回転電機内の冷却用気体の循環の方式としては、両側通風方式(特許文献1)と一方通風方式(特許文献2)とがある。
両側通風方式においては、回転子鉄心および固定子の軸方向の両側から回転子鉄心および固定子に冷却用気体が流入し、固定子の軸方向中央の外表面側から流出する。この冷却用気体は、冷却器を通過後に、再び、回転子鉄心および固定子の軸方向両側から流入する経路で冷却を行う。このため、回転子鉄心および固定子の軸方向両側には、それぞれ軸流ファンが設けられている。あるいは、軸流ファンではなく、遠心ファンが設けられており、これとは逆方向の経路で循環することにより冷却する場合もある。
一方通風方式においては、回転子鉄心および固定子の軸方向の一方の外側から、冷却用気体が流入し、回転子鉄心および固定子の軸方向の反対側から流出し、冷却器を通過後に、再び、回転子鉄心および固定子の軸方向の一方の外側から、回転子鉄心および固定子に流入する経路で冷却を行う。このため、回転子鉄心および固定子の軸方向の一方の外側には、遠心ファンが設けられている。
一方通風式の回転電機に関して、風量を増加させようとする場合には、前記の遠心ファンの径を大きくするという対策をとっている。しかしながら、遠心ファンがフレーム内壁や固定子と干渉しないようにするため、遠心ファンの径を大きくすることには、制限がある。また、径を大きくすると、固定子巻線との干渉を回避するために、遠心ファンの位置を回転軸の外側方向に移動させる必要が生じ、回転電機の寸法を回転軸方向に大きくせざるを得ないという場合も出てくる。
そこで、本発明は、一方通風式の全閉形回転電機の遠心ファンの径の増大を伴わずに冷却を効果的に行うことを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明に係る全閉形回転電機は、回転軸方向に延びて回転可能に軸支されたロータシャフトと前記ロータシャフトの径方向外側に設けられた回転子鉄心とを有する回転子と、前記回転子鉄心の径方向外側に設けられた円筒状の固定子鉄心と、前記固定子鉄心内を前記回転軸方向に貫通する固定子巻線とを有する固定子と、前記回転子鉄心と前記固定子とを収納するフレームと、前記ロータシャフトを回転可能に軸支する2つの軸受と、前記軸受をそれぞれ固定支持し前記フレームに接続する軸受ブラケットと、前記回転子および前記固定子を冷却する冷却用気体を冷却する冷却器と、前記冷却器を収納し、前記フレームおよび前記軸受ブラケットとともに密閉空間を形成し、前記フレーム内の空間とは、その内部空間が、冷却器入口開口および冷却器出口開口により連通する冷却器カバーと、前記ロータシャフトの前記冷却器入口開口の前記回転軸方向の位置の近傍内の前記回転軸方向の位置に取り付けられた遠心ファンと、前記ロータシャフトの前記回転子鉄心を挟んで前記遠心ファンの反対側の前記回転軸方向の位置に取り付けられた軸流ファンと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、一方通風式の全閉形回転電機の遠心ファンの径の増大を伴わずに冷却を効果的に行うことができる。
実施形態に係る全閉形回転電機の構成を示す縦断面図である。 実施形態に係る全閉形回転電機の遠心ファンの概念的な構成を示す図1の第II−II線矢視横断面図である。 実施形態に係る全閉形回転電機の軸流ファンの概念的な構成を示す斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る全閉形回転電機について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
図1は、実施形態に係る全閉形回転電機の構成を示す縦断面図である。全閉形回転電機100は、回転子10、固定子20、軸受30、フレーム40、軸受ブラケット45、冷却器61、冷却器カバー62、遠心ファン70および軸流ファン80を有する。
回転子10は、両端を軸受30によってそれぞれ回転可能に軸支され回転軸方向に水平に延びたロータシャフト11と、ロータシャフト11の径方向外側に設けられた円筒状の回転子鉄心12を有する。
固定子20は、固定子鉄心21と複数の固定子巻線22を有する。固定子鉄心21は、回転子鉄心12の径方向外側に、円筒状であり、径方向の内面が回転子鉄心12の径方向の外面に対向するように設けられている。
複数の固定子巻線22は、固定子鉄心21の径方向内側に、円周上に互いに間隔をもって回転軸方向に延びるように形成されたスロット(図示せず)内を回転軸方向に貫通するように配されており、固定子鉄心21の軸方向外側において結線されている。
フレーム40は、固定子20および回転子鉄心12の径方向外側に、これらを収納するように設けられている。2つの軸受ブラケット45は、それぞれフレーム40に周囲を結合され、それぞれ軸受30を支持している。
ロータシャフト11は、2つの軸受30によって、回転可能に軸支されている。2つの軸受30は、それぞれ静止側を、フレーム40に接続されている軸受ブラケット45により静止固定されている。
冷却器61は、フレーム40の上方に設けられている。冷却器カバー62は、冷却器61を収納する。冷却器カバー62は、フレーム40および軸受ブラケット45とともに密閉空間50を形成する。フレーム40内の空間と冷却器カバー62内の空間とは、冷却器入口開口63および冷却器出口開口64とで連通している。
回転子10および固定子20を冷却する冷却用気体(たとえば空気)は、密閉空間50内を循環する。冷却器61は、複数の冷却管(図示せず)を有し、冷却用気体は、冷却管の管外を流れ、冷却気体を冷却する外気あるいは冷却水などの冷却媒体は管内を流れる。
図2は、実施形態に係る全閉形回転電機の遠心ファンの概念的な構成を示す図1の第II−II線矢視横断面図である。遠心ファン70は、複数の遠心ファン羽根71、遠心ファン取付けカラー72、遠心ファン外側回転ガイド73、および遠心ファン内側回転ガイド74を有する。
遠心ファン70は、遠心ファン取付けカラー72を介して、ロータシャフト11に取り付けられている。なお、遠心ファン取付けカラー72を設けずに直接ロータシャフト11に遠心ファン外側回転ガイド73および遠心ファン内側回転ガイド74を取り付けてもよい。遠心ファン70の取り付けられている位置は、回転軸方向に冷却器入口開口63の近傍である。
複数の遠心ファン羽根71は、周方向に互いに間隔をあけて設けられている。複数の遠心ファン羽根71のそれぞれは、遠心ファン外側回転ガイド73および遠心ファン内側回転ガイド74の間に配され、遠心ファン外側回転ガイド73および遠心ファン内側回転ガイド74により両側を支持されている。
遠心ファン70は、軸方向に流入する冷却用気体を吸い込み、遠心ファン羽根71を通過した後に、遠心ファン70の径方向外側から、冷却器カバー62内に流出する。なお、遠心ファン外側回転ガイド73および遠心ファン内側回転ガイド74の径方向外側に、周方向に囲むような静止した環状の容器が設けられていることでもよい。この場合は、環状の容器のうち、周方向に冷却器入口開口63に面している部分に開口が有り、この部分から冷却用気体が流出することでもよい。
図3は、実施形態に係る全閉形回転電機の軸流ファンの概念的な構成を示す斜視図である。軸流ファン80は、複数の軸流ファン羽根81および軸流ファン取付けカラー82を有する。軸流ファン取付けカラー82は、円筒状であり、ロータシャフト11の径方向外側に密着して取り付けられている。複数の軸流ファン羽根81のそれぞれは、軸流ファン取付けカラー82に取り付けられている。なお、軸流ファン取付けカラー82を設けずに直接軸流ファン羽根81をロータシャフト11に取り付けてもよい。
軸流ファン80の取り付けられている位置は、回転軸方向に冷却器出口開口64の近傍である。軸流ファン80の場合は、冷却器出口開口64からフレーム40に流入した冷却用気体は、回転軸方向に軸流ファン80に流入し、回転軸方向に流出する。
フレーム40と遠心ファン70側の軸受ブラケット45との結合部分を内側から覆うように、遠心ファン側ガイド41が設けられている。遠心ファン側ガイド41は、冷却用気体の流動の際の抵抗を減らすために、内面が滑らかな曲面となっている。
フレーム40と軸流ファン80側の軸受ブラケット45との結合部分を内側から覆うように、軸流ファン側ガイド42が設けられている。軸流ファン側ガイド42は、内面が冷却用気体の流動の際の抵抗を減らすために、滑らかな曲面となっている。
以上のように構成された本実施形態に係る全閉形回転電機100においては、運転中は、ロータシャフト11が回転し、ロータシャフト11に取り付けられた遠心ファン70および軸流ファン80が回転する。
遠心ファン70は、回転子鉄心12および固定子20側から冷却用気体を吸い込み、径方向に吐き出す。フレーム40内は、軸受ブラケット45とフレーム40との接続部の内側に遠心ファン側ガイド41が設けられており、冷却器入口開口63に流入する冷却用気体の圧力損失が低く抑えられる。
冷却器入口開口63に流入した冷却用気体は、冷却器61にて熱を除去され温度が低下した後に、冷却器出口開口64からフレーム40内に流入する。フレーム40内に流入した冷却用気体は、軸流ファン80によって回転軸方向に押し出され、再び、回転子鉄心12および固定子20側に流入し、回転子鉄心12および固定子20を冷却する。
なお、冷却器出口開口64からフレーム40内に流入した後、軸流ファン80に流入するまでの空間では、軸受ブラケット45とフレーム40との接続部の内側に軸流ファン側ガイド42が設けられており、冷却器出口開口64に流入する冷却用気体の圧力損失が低く抑えられる。
以上のように、冷却用気体が通過する際の通風抵抗が最も大きくなる回転子鉄心12および固定子20への流れの入口に軸流ファン80を設置することにより、冷却用気体を循環させる駆動力となる循環ヘッドが大きくなる。この際、軸流ファン80を設置する空間は、元々、空間のある部分である。このため、配置への影響もほとんどない。
また、遠心ファン70のみが設けられている場合は、遠心ファンの径を増大させると、固定子巻線22と干渉するため、遠心ファンの取り付け位置を軸方向外側にするために、回転電機の軸方向長さの増大が必要となる。一方、本実施形態においては、遠心ファン70の径の増大を伴うことなく、循環ヘッドを増大することができる。
さらに、軸受ブラケット45とフレーム40との接続部の内側に、遠心ファン側ガイド41および軸流ファン側ガイド42を設けることにより、冷却用気体が循環流路を一巡するときの圧力損失、すなわち一巡抵抗が低下する。この際、コーナー部への追設であるため、配置への影響はほとんどない。
以上のように、冷却用気体の循環が増加し、かつ一巡抵抗が低下することから、冷却用気体の循環能力が向上する。
したがって、一方通風式の全閉形回転電機の遠心ファンの径の増大を伴わずに、冷却を効果的に行うことができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
さらに、実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…回転子、11…ロータシャフト、12…回転子鉄心、20…固定子、21…固定子鉄心、22…固定子巻線、30…軸受、40…フレーム、41…遠心ファン側ガイド、42…軸流ファン側ガイド、45…軸受ブラケット、50…密閉空間、61…冷却器、62…冷却器カバー、63…冷却器入口開口、64…冷却器出口開口、70…遠心ファン、71…遠心ファン羽根、72…遠心ファン取付けカラー、73…遠心ファン外側回転ガイド、74…遠心ファン内側回転ガイド、80…軸流ファン、81…軸流ファン羽根、82…軸流ファン取付けカラー、100…全閉形回転電機

Claims (4)

  1. 回転軸方向に延びて回転可能に軸支されたロータシャフトと前記ロータシャフトの径方向外側に設けられた回転子鉄心とを有する回転子と、
    前記回転子鉄心の径方向外側に設けられた円筒状の固定子鉄心と、前記固定子鉄心内を前記回転軸方向に貫通する固定子巻線とを有する固定子と、
    前記回転子鉄心と前記固定子とを収納するフレームと、
    前記ロータシャフトを回転可能に軸支する2つの軸受と、
    前記軸受をそれぞれ固定支持し前記フレームに接続する軸受ブラケットと、
    前記回転子および前記固定子を冷却する冷却用気体を冷却する冷却器と、
    前記冷却器を収納し、前記フレームおよび前記軸受ブラケットとともに密閉空間を形成し、前記フレーム内の空間とは、その内部空間が、冷却器入口開口および冷却器出口開口により連通する冷却器カバーと、
    前記ロータシャフトの前記冷却器入口開口の前記回転軸方向の位置の近傍内の前記回転軸方向の位置に取り付けられた遠心ファンと、
    前記ロータシャフトの前記回転子鉄心を挟んで前記遠心ファンの反対側の前記回転軸方向の位置に取り付けられた軸流ファンと、
    を備えることを特徴とする全閉形回転電機。
  2. 前記遠心ファンが設けられている側の前記軸受ブラケットと前記フレームとの結合部分を内側から覆うように設けられ滑らかな曲面を有する遠心ファン側ガイドをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の全閉形回転電機。
  3. 前記軸流ファンが設けられている側の前記軸受ブラケットと前記フレームとの結合部分を内側から覆うように設けられ滑らかな曲面を有する軸流ファン側ガイドをさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の全閉形回転電機。
  4. 前記遠心ファンの径方向長さおよび前記軸流ファンの径方向への回転軸中心からの長さは、前記固定子巻線の径方向内側への前記回転軸中心からの長さよりも短いことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の全閉形回転電機。
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