本発明にかかる遊技機は、手段1として、
回路基板と第1ケース及び第2ケースを有して内部に回路基板が設けられた基板ユニットであって、前記第1ケース側に設けられる第1封止部と、前記第2ケース側に設けられる第2封止部と、その第1封止部と第2封止部とを連結する封止部材とを有し、その封止部材によって前記第1封止部と第2封止部とが連結されている場合に前記回路基板を取り出すときには基板ユニットを破壊するか或いは所定の部位を切断することを必要とする基板ユニットを備えた遊技機において、
前記第1ケースと、前記第1封止部を有する第1連結部材と、及び前記第2ケースと、前記第2封止部を有する第2連結部材と、が樹脂により別体に成型して構成され、
前記第1ケース及び第2ケースの一側面に前記第1封止部と第2封止部を嵌着することによって前記第1ケースと前記第1封止部が、第2ケースと第2封止部が一体化されるように構成されていることを特徴とする。
本発明において、上記の嵌着とは、凹部に対して凹部と略同形状の外形を有する凸部を落とし入れて身動きならないようにすることの他に係合や係止、及び取り付け方向を一方向に規制する所定部位により規制された状態で一方のケースを所定位置まで移動させるこ
とにより抜き出しが規制されることなどの意味を含むものとする。
遊技機の機種ごとに相違する制御基板の大きさや形状によってケースの設計変更を行なっても、封止部の設計変更を行なう必要はない。かかる観点から、上記の如く、前記第1ケースと、前記第1封止部を有する第1連結部材と、及び前記第2ケースと、前記第2封止部を有する第2連結部材と、が樹脂により別体に成型して構成され、前記第1ケース及び第2ケースの一側面に前記第1封止部と第2封止部を嵌着することによって前記第1ケースと前記第1封止部が、第2ケースと第2封止部が一体化されるように構成すると、ケースの成形型のみを設計変更して封止部の成形型はそのまま使い続けることができる。
これにより、複雑な構造の封止部を含む基板ケースの成形型を、遊技機の機種(ケースの寸法が異なる)ごとに作製する必要がなくなり、基板ケースの製造コストを抑制することができる。また、本発明は、ケースと封止部との連結手段として嵌着という手段を採用している。連結手段としては、接着・溶着などの他の手段も採用し得るが、これら他の手段を採用すると、ケースに対する封止部の位置決め精度を高めるために工数の増加等を招き、製造コストが高くなるおそれがある。そのため、本発明では、工数が少なくてもケースに対する封止部の位置決め精度が高くなる嵌着を連結手段として採用している。
手段2:手段1に記載の遊技機において、
前記第1又は第2ケースの少なくとも何れか一方、及び前記第1又は第2封止部の少なくとも何れか一方に嵌合部が設けられ、かつ、他方に前記嵌合部に嵌合する嵌合片が設けられ、前記嵌合部と前記嵌合片をケースの開口側からケースの一側面に沿って嵌め合わせて両者が嵌着されるように構成され、他方のケースの封止部が、前記一方のケースの封止部に、両ケースの突き合わせ方向において、対向配置されていることを特徴とする。
かかる構成によって、ケース及び封止部の一方に設けた嵌合部と他方に設けた嵌合片とをケースの開口側から嵌め合わせることで、一対のケースを突き合わせた際に各ケースの封止部同士が干渉し、前記ケースから封止部を取り外しできなくなる。
手段3:手段1又は手段2に記載の遊技機において、
前記第1、第2ケースが、それぞれケースと前記封止部とから構成されていることを特徴とする。
何れのケースも、その封止部をケースと別体構成とすることで、両ケースの何れか一方又は両方の封止部の構成が複雑なものであったとしても、別体構成される封止部を汎用性のあるものとして、サイズの異なる種々の機種の基板ケースのシンプルな構成としたケースに適用できて、基板ケースの製作コストを大幅に低減できる。
手段4:手段3に記載の遊技機において、
前記両ケースと封止部との嵌合方向と、両封止部の連結方向とが並行で且つ逆向きに構成され、両封止部の連結において、前記ケースに対して封止部が嵌合離脱の方向に変位可能に構成されている。
前記ケースと封止部とが一体成形されていて、それぞれに製作誤差等があって、ケース同士の突合せと封止部同士の突合せとが面一とならなかった場合(通常ではケース同士がピッタリと突き合わされ、封止部同士の間に隙間が形成される虞がある)には、両ケースの両封止部同士が封止用ピンで連結される際に互いに引き付けられると、ケースと封止部との間に撓みが生じる虞があるが、本発明のように構成することで、嵌合状態は維持しながら、前記封止部がケースから僅かに変位(スライド)して逃げ、撓み発生を回避させることができ、封止完了時に封止部及びケースに歪みを残す事がない。この際、連結時に両封止部が変位可能となったことで、同時に、互いの突合せを面一として密着連結することが可能になり、封止部同士の連結を強固に行い得る。
手段5:手段1乃至手段4に記載の遊技機において、
前記ケース又は前記封止部の何れか一方に嵌合方向に延在する舌片を設けると共に該舌片に爪部を設け、かつ、他方に爪部を係止させる第1のスリットを設けたことを特徴とする。
このように、前記ケース及び前記封止部の一方に設けた爪部を他方に設けた第1のスリットに係止させることで、前記嵌合部と前記嵌合片との嵌合だけの状態に比べ、爪部による係止作用が加わることによって嵌合状態を確固たるものに出来て、一対のケースを突き合わせなくても、一旦爪部の係止が行われれば、ケースから封止部が脱落しなくなる。
なお、第1のスリットは、爪部を係止させることができればいかなる構成であってもよい。例えば、下記実施形態で示す貫通孔に限定されず、有底孔や凹溝であってもよい。
手段6:手段5に記載の遊技機において、
前記第1のスリットが前記封止部に設けた貫通孔であって、前記第1のスリットを遮蔽する遮蔽部を前記封止部に設けたことを特徴とする。
第1のスリットが封止部に設けた貫通孔である場合、第1のスリットに係止した爪部が見えやすくなることがある。前記第1のスリットを遮蔽する遮蔽部を前記封止部に設けることで、第1のスリットに係止した爪部を視認しにくくなる。これにより、ケースと封止部の連結構造を視認し難くしてゴト対策を講じている。
手段7:手段5又は手段6に記載の遊技機において、
前記嵌合部よりも内側にポケット部を設け、前記舌片が、該ポケット部の外側壁部を切欠いて構成されていることを特徴とする。
このように、前記舌片を設けるに際し、ポケット部を構成する外側壁部の一部を利用して舌片を形成することで、別途舌片を形成する必要がなく、部材の兼用によって係止機能を備えることが出来る利点がある。
手段8:手段1〜7のいずれかに記載の遊技機において、
前記封止部を有色樹脂で構成したことを特徴とする。
一般に基板ケースは内部に収納した制御基板を外部から視認できるように透明樹脂で構成されている実情がある。従前の如くケースと封止部を一体成形した場合は、封止部も透明樹脂で構成される。そうすると、封止部の構造が外部から見て分かりやすくなるという欠点が生じる。本発明では、上述のようにケースと封止部とを別体に構成してあるので、ケースを透明樹脂で構成しても封止部を有色樹脂で構成することができる。このように、封止部を有色樹脂で構成すれば、封止部を外部から見てもその構造を確認しにくくなり、外部から視認できることによる予想外の基板ケースの不正な開封を防止することができる。
手段9:手段1〜8のいずれかに記載の遊技機において、
前記嵌合部よりも内側にポケット部を設け、前記ポケット部に前記舌片の弾性変形を規制する樹脂を充填したことを特徴とする。
前記嵌合部よりも内側に設けたポケット部に溶融状態の樹脂を充填してから、ケースと封止部を連結させる。溶融状態の樹脂が固化すると、前記舌片の弾性変形が規制され、舌片の爪部の第1のスリットとの係合が外れるのに必要な弾性変形が得られず、その結果、ケースから封止部を取り外せなくなる。
手段10:手段9に記載の遊技機において、
第1、又は第2ケースのいずれか一方の封止部がケース側を開口させた箱状とされ、前記舌片の弾性変形を規制する樹脂が有色であることを特徴とする。
第1、又は第2ケースのいずれか一方の封止部は不正な開封を防止するという観点から箱状に形成される。この場合、成形上の都合でケース側を開口させた箱状とされる。上記の如く、前記舌片の弾性変形を規制する樹脂を有色とすることで、ケース側からも封止部
内を見えなくすることができる。
手段11:手段4乃至手段10のいずれかに記載の遊技機において、
前記ケース及び前記封止部の他方に前記舌片の先端側を覆うフランジを設けたことを特徴とする。
前記ケース及び前記封止部の他方に設けたフランジにて前記舌片の先端側を覆うことで、舌片に設けた爪部を視認しにくくなり、その爪部を破壊されたりする虞も未然に回避できる。
手段12:手段11に記載の遊技機において、
前記フランジに第2のスリットを設け、かつ、前記ケース本体部又は前記封止部の何れか一方に前記第2のスリットに挿入される凸部を設けたことを特徴とする。
このように、フランジに設けた第2のスリットに凸部を挿入することで、嵌合部と嵌合片の嵌合を補強することができる。
手段13:手段12に記載の遊技機において、
前記一方のケースの前記封止部を嵌着した側部に繋がる両側部に凹溝部を設け、他方のケースの前記封止部を嵌着した側部に繋がる両側部に突条を設けて、前記封止部を嵌着した側部から対向側部の方向にスライドさせて互いに嵌合せしめるように構成したことを特徴とする。
このように、ケースに対する封止部の嵌合方向と、ふたつのケース同士の嵌合方向が、結果として直交する方向であるので、一旦ケース同士の嵌合が完了すれば、対向する封止部がケースから脱落する虞がなくなる。このように、両者の嵌合方向を直交する方向とする簡単な構成を採用することで、ケースの組み付け時にすでに封止部のケースからの脱落を阻止することができる。
手段14:手段13に記載の遊技機において、
前記両封止部の一方の対向面に嵌合凹部を形成し、他方の封止部の一方の対向面に嵌合凸部を形成し、前記嵌合凹部が、前記ケース構成体同士のスライド嵌合の完了時に、前記嵌合凸部を受け止める当たり面を備えていることを特徴とする。
このように、両ケースが封止部において当たり面で嵌合が止められることで、封止部が互いに正確な対向位置となり、封止用ピンをスムースに挿入して封止を行うことができる。
手段15:手段14に記載の遊技機において、
第1、第2ケースの各々の第1のスリットを、前記ケースの合わせ面を線とする線対称的に配置し、かつ、第1、第2ケースの各々の第2のスリットを互いに連通するように設けたことを特徴とする。
換言すると、一対のケースは、舌片及び凸部が対向配置される。これにより、各ケースについてケースと封止部の連結強度が均一化される。つまり、一方のケースと封止部の連結強度が十分に確保されていれば、他方のケースと封止部の連結強度も十分に確保されることになり、各ケースについて連結強度の構造計算をする手間を省くことができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る遊技機の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、便宜上、パチンコ機を挙げて説明するが、本発明は、パチンコ機以外の弾球遊技機(例えばアレンジボール機や雀球遊技機など)、スロットマシン、パチンコ機とスロットマシンとを融合させた融合機(例えば遊技媒体として遊技球を使用するスロットマシン)、その他種々の遊技機(例えばゲームセンタに設置されるいわゆるアーケードゲーム機など)に適用することができる。
(パチンコ機の正面構成)
図1は本実施形態のパチンコ機10の正面図であり、図2は外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。但し、図2では便宜上、下皿ユニット13が内枠12から取り外された状態を示している。
図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、軽量化を図るために、樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
内枠12の構成を、図3も用いて詳細に説明する。図3は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領城内の構成〔釘、センター役物等〕を空白で示している)。
内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、後述する樹脂ベース20と、この樹脂ベース20の後側に取り付けられる遊技盤30とを備えている。
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿19が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。
遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38(図6参照)によって遊技球が遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と後述するセットハンドル228と発射モータ229(図6参照)などで構成されている。音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設
けられたスピーカ(図示略)からの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように、その右側が下皿15に片待ち支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿15の奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃えにくくなっている。
また、前面枠セット14は、図2に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠セット14は内枠12の外側壁(リブ)12b(図3参照)内に嵌まり込むようにして取り付けられている。つまり、この前面枠セット14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠セット14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のものであって、具体的には針金、ピアノ線、セルロイド板等)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠セット14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19(図1参照)が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
図3に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
次に、図4を用いて遊技盤30の構成を説明する。図4は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30は、天入賞口610、一般入賞口600、左右1対の第1始動口601、これら第1始動口601の変形部であって第1始動口601より若干下方に設けられた第2始動口602、遊技領域の略中央に設けられた電動役物ユニット(センター役物)603等を備えている。これらの一般入賞口600、第1始動口601、第2始動口602、電動役物ユニット603等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の天入賞口610、一般入賞口600、第1の始動口601、第2の始動口602に対応する部位には、それぞれ、天入賞口入球センサ609、一般入賞口入球センサ607、第1始動口入球センサ605、第2始動口入球センサ606が設けられており、これらセンサは、図示しない電気配線を通じて後述する主制御基板(主制御装置)に接続されている。そして、天入賞口610、一般入賞口600、第1始動口601、第2始動口602および電動役物ユニット603に遊技球が入球した場合には、上記各検出センサで検出され、この検出センサの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。
尚、上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御基板に取り込まれ、該主制御基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
その他に、遊技盤30の左右端には、上記一般入賞口600を備えた装飾部材630が設けられる一方、遊技盤30の下方には、上記第1始動口601、第2始動口602を備えた補助ユニット608が設けられている。また、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。さらに、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、同様の機能を有する風車が配設されている。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、図3に示す奥面50aについての遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返さわるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55(図3参照)が取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。本実施形態では、レールユニット50の少なくとも左側を遊技盤30に強固に締結するために、レールユニット50の左側はその右側よりも多いネジで遊技盤30に締結されているので、レールユニット
50の左側についての遊技盤30への密着性を上げることかでき、遊技球の球飛びを良くすることができる。レールユニット50の左側が遊技盤30に対してぐらついているとこのレールユニット50に出射された遊技球の勢いが当該ぐらつきにより吸収されてしまうからである。
さらに本実施形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部および左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図4のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図4のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されている。本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51および外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領城の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される、これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになり、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタ68が取り付けられている、前面枠セット14を内枠12から開放した状能(図3の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、本パチンコ機10においては、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
図3に示すように、樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られた証紙などのシール(図4のS1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
また、図3に示すように、内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
図3に示すように、内枠12の上側には、前面枠セット14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠セット14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パテンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、前面枠セット14が閉じられると、図5に示す前面枠セット14の金属製の補強板131,132が図3に示す内枠12の一対の金具92に接触するようになっており、前面枠セット14のアースが確保されている。
ここで、前述した前面枠セット14について、図1,図5を参照しつつより詳細に説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度および支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1および図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール52の左端部はもちろん、内レール51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊
技を楽しむ遊技領城において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度および支持強度が確保可能となっている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり遊技状態時や羽根開放時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。
その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
また、図1に示すように、前面枠セット14の左側の小窓107付近を前面側(図1の紙面手前側)に必要以上に突出しないようにしている。こうすることで、パチンコ機10の左側に設けられたカードサンドの球貸し装置から直接に上皿19に遊技球を貸し出す際に、当該球貸し装置のノーズ部(いわゆる象の鼻)の先端排出口を好適に上皿19の上方位置に位置させることができ、当該球貸し装置のノーズ部から貸し出される遊技球を上皿19で受けることかできる。
前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側および上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。このように補強板132,133の連結部に樹脂パーツ135を介在させているので、ノイズが補強板131〜134でループすることを防止できる。また、図5の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられ
ており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりが防止できる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となる。故に、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されるようになっている。
また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14が開閉可能に装着されるようになる。
(パチンコ機の背面構成)
次に、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図であり、図7はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板および電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構および保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202および裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
一方、図8は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態でその構成を示す背面図であり、図9は内枠12を後方より見た斜視図である。ここでは図8および図9を用いて内枠1
2および遊技盤30の裏面構成を説明する。
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り換えることができるよう構成されており、図8にはロック状態を示す。遊技盤30の左右3ヵ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で内枠外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具である。
遊技盤30の中央には電動役物ユニット603が配置されている一方、電動役物ユニット603の下側には第1始動口601および第2始動口602を備えた補助ユニット608が配置されている。遊技盤30の裏面には、電動役物ユニット603、補助ユニット608、および、装飾部材630を取り囲むようにして、遊技球回収機構を備えた裏枠セット(図示せず)が取り付けられている。また、遊技盤30の下方には、内枠12に樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、一般入賞口600等に入賞した遊技球は何れも前記裏枠セットの回収通路を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられており、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、さらにその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となるので、不正行為を防止することができる。なお、図9において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。
また、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12にはその右端部に長尺状の支持金具235が取り付けられており、その構成を図10に示す。図10に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット用の支持孔部237が形成されると共に、上方2ヵ所に裏パックユニット用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。
その他、第2制御基板ユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット用の支持金具と裏パックユニット用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挾み込んで支持するための回動式の固定具である。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構部352より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、または排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。すなわち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。図8に示すように、遊技球分配部245は、その上方位置に位置する後述の払出機構部352(図18参照)とは別体としている。図8に示すように、遊技球分配部245は、内枠12にネジで締結固定されており、パチンコ機10の上皿19の排出口67(図3参照)から異物を挿入操作するなどしても動かない、つまり遊技球分配部245が奥側に押されて遊技球分配部245と内枠12との間に隙間が空くようなことが無いし、この隙間に異物を押入するなどによる不正を防止できる。
また、内枠12の下端部には、下皿15に設置されたスピーカの背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
次に、第1制御基板ユニット201を、図11〜図14を用いて説明する。図11は第1制御基板ユニット201の正面図、図12は同ユニット201の斜視図、図13は同ユニット201の分解斜視図、図14は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主制御基板を具備しており、この主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ケース263に収容された構成とされる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主制御基板)または図示しない表示制御装置からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ケース265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して前記表示制御装置および音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明または半透明の樹脂成型品であっても良い。
そして、一方の基板搭載面252上に主制御装置261(主制御基板)が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置261および音声ランプ制御装置
262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図12等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できる。また、各制御装置が効率良く設置できるようになる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、電動役物ユニット603やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図13および図14に示すように、主制御基板用の基板搭載面252には、左右2ヵ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ケース263には、その裏面の左右2ヵ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合が回避できる。また、主制御装置261は、裏パックユニット203の軸線を軸心として開き、第1制御基板ユニット201を軸線を軸心として開いた後に、この第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主制御基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
取付台251には、図12等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図8等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図8等に示す被締結孔232にはめ込むこと等により、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定されるようになる。
次に、第2制御基板ユニット202を、図15〜図17を用いて説明する。図15は第2制御基板ユニット202の正面図、図16は同ユニット202の斜視図、図17は同ユニット202の分解斜視図である。但し、図16では便宜上、カードユニット接続基板314が取付台301から取り外された状態を示している。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312および電源制御装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源制御装置313により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ケース315,316,317,318にそれぞれ収容された構成とされる。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源制御装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源制御装置313の基板ケース317上に払出制御装置311が搭載されている。
また、取付台301には、図15等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図9等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図9等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、裏パックユニット203の正面図を図18に示し、分解斜視図を図19に示す。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面および上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも電動役物ユニット(センター役物)603を囲むのに十分な大きさを有する(但し、本実施形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の前記表示制御装置等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図19に示す払出通路359等を通じて上皿19に供給される。
タンクレール356と、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360とが一体化となるようにユニット化されている。つまり、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本の
ネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ONまたは電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
また、裏パック351には、図18等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図8等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図8等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図8等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。このとき、図8等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。
なお、図6,図18に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。
なお、図8に示すように、裏パックユニット203は、被締結孔240およびナイラッチ386と、固定具241とによって、内枠12の裏面に着脱自在に取り付けられている。このように固定具241も用いているので、タンク355に供給される遊技球の重みで裏パックユニット203が内枠12から外れてしまうことを防止している。
以上、パチンコ機の正面側及び背面側の構成につき説明したが、次に、本発明に関する最も重要な部分、即ち基板ケース263について詳述する。なお、本発明は主制御装置261の基板ケース263のみならず、副制御装置(例えば前記表示制御装置、音声ランプ制御装置262、払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313など)の基板ケース315〜318(例えば図15〜17に示す封止機構319)にも適用できるが、説明が重複するので、便宜上、以下の実施形態では主制御装置261の基板ケース263(図11乃至図13に示す封止機構264)に適用した場合についてのみ説明する。
図20は基板ケース263の概略分解斜視図である。基板ケース263は、図20に示すように、一対のケース構成体(第1、第2ケース)400,500からなる。ここでは、一方のケース構成体400を基板ボックスと称し、他方のケース構成体500をボックスカバーと称する。
基板ボックス400もボックスカバー500(第1、第2ケース)もともに、透明樹脂
からなるケース本体部410,510と、有色樹脂、ここでは、青色樹脂(その他、黒色、白色、赤色、青色、黄色など)からなる封止ユニット420,520とを別体に構成してある。各封止ユニット420,520は、複数、ここでは5個の封止部421,421,…(第1、又は第2封止部),521,521,…(第1、又は第2封止部)を連結したものであって、それぞれケース本体部410,510の一側面に嵌着される。
ボックス側ケース本体部410及びカバー側ケース本体部510は、互いに組み付けることで図示しない制御基板を収容するための収容空間を形成する。この実施形態では、ボックス側ケース本体部410の両側縁部に凹溝部411,411を設ける一方、カバー側ケース本体部510の両側縁部に突条511,511を設けてある。そして、凹溝部411,411に突条511,511をスライド嵌合させて、ボックス側ケース本体部410とカバー側ケース本体部510を組み付ける構成としている。
このように、一対のケース構成体400,500が、それぞれケース本体部410,510と前記封止部421,521(第1、又は第2封止部)とから構成されているのである。従って、何れのケース構成体400,500も、その封止部421,521(第1、又は第2封止部)をケース本体部410,510と別体構成とすることで、両ケース構成体400,500の何れか一方又は両方の封止部421,521の構成が複雑なものであったとしても、別体構成される封止部421,521(第1、又は第2封止部)を汎用性のあるものとして、サイズの異なる種々の機種の基板ケース263のシンプルな構成としたケース本体部410,510に適用できて、基板ケース263の製作コストを大幅に低減できるのである。
図21はボックス側ケース本体部410の内側から見た要部拡大斜視図で、図22はカバー側ケース本体部510の内側から見た要部拡大斜視図である。図21に示すように、ボックス側ケース本体部410は、その一側面、詳しくは、凹溝部411を設けた両側縁部の相互間の一側面であって上記スライド嵌合の終端側の面の両端部には、ボックス側封止ユニット420を嵌着するための一対の嵌合部412,412を設けてある。
同様に、図22に示すように、カバー側ケース本体部510の突条511を設けた両側縁部の相互間の一側面であって上記スライド嵌合の始端側の面の両端部には、カバー側封止ユニット520(第1連結部材又は第2連結部材)を嵌着するための一対の嵌合部512,512を設けてある。それぞれの嵌合部412,512は、互いに対向する側と、各ケース本体部410,510の開口側(内面側)とを開口させた溝状、つまり矩形状の隣接する二辺を開口させた溝状とされる。
前記両ケース構成体400,500のケース本体部410,510と封止部421,521との嵌合方向と、両封止部421,521(第1、又は第2封止部)の連結方向とが並行で且つ逆向きに構成され、両封止部421,521の連結において、前記ケース本体部410,510に対して封止部421,521(第1、又は第2封止部)が嵌合離脱の方向に変位可能に構成されている。
このように、前記ケース本体部410,510と封止部421,521(第1、又は第2封止部)とが一体成形されていて、それぞれに製作誤差等があって、ケース本体部410,510同士の突合せと封止部421,521同士の突合せとが面一とならなかった場合(通常ではケース本体部410,510同士がピッタリと突き合わされ、封止部421,521同士の間に隙間が形成される虞がある)には、両ケース構成体400,500の両封止部421,521同士が封止用ピン700で連結される際に互いに引き付けられると、ケース本体部410,510と封止部421,521との間に撓みが生じる虞があるが、本発明のように構成することで、嵌合状態は維持しながら、前記封止部421,52
1がケース本体部410,510から僅かに変位(スライド)して逃げ、撓み発生を回避させることができ、封止完了時に封止部421,521及びケース本体部410,510に歪みを残す事がない。この際、同時に、両封止部421,521同士の突合せを面一として密着連結することが可能になり、封止部421,521同士の連結を強固に行い得る。
各嵌合部412,512の内側には、それぞれポケット部413,513を設けてある。各ポケット部413,513は、ケース本体部410,510の幅方向ほぼ全域に渡って形成され、各ケース本体部410,510と同じ側に開口した溝状とされる。各ポケット部413,513の外側壁部には、一対の舌片414,414,514,514と一対の凸部415,415,515,515を設けてある。
前記各舌片414,514は、ポケット部413,513の外側壁部413A,513Aを切欠いて構成され、ケース本体部410,510の底面側から開口側に向かって延在している。各舌片414,514の先端部外側面には、先端側に向かって先細りとなった断面テーパー状の爪部416,516を設けてある。尚、ポケット部413,513の内側壁部413B,513Bは、ケース本体部410,510の側壁を兼ねている。
このように、前記嵌合部412,512よりも内側にポケット部413,513を設け、前記舌片414,514が、該ポケット部413,513の外側壁部413A,513Aを切欠いて構成されているので、前記舌片414,514を設けるに際し、ポケット部413,513を構成する外側壁部413A,513Aの一部を利用して舌片414,514を形成することで、別途舌片414,514を形成する必要がなく、部材の兼用によって係止機能を備えることが出来るのである。
前記各凸部415,515は、各舌片414,514の幅方向外側に位置するポケット部413,513の外側壁部413A,513Aの一部をケース本体部410,510の開口側へ突出させた構成とされる。この実施形態では、舌片414,514を構成する切欠きに隣接した外側部分を略矩形状に突出させて凸部415,515を形成してある。
次に、図23乃至図26を参照してボックス側封止ユニット420カバー側封止ユニット520(第1連結部材又は第2連結部材)の構成について説明する。図23はボックス側封止ユニット420(第1連結部材又は第2連結部材)の拡大斜視図で、図24はボックス側封止ユニット420(第1連結部材又は第2連結部材)の背面図(ボックス側ケース本体部410側から見た図)で、図25はカバー側封止ユニット520(第1連結部材又は第2連結部材)の拡大斜視図で、図26はボックス側封止ユニット420(第1連結部材又は第2連結部材)とカバー側封止ユニット520(第1連結部材又は第2連結部材)とを突き合わせた状態を示す斜視図である。
ボックス側封止ユニット420(第1連結部材又は第2連結部材)とカバー側封止ユニット520(第1連結部材又は第2連結部材)はともに5個の封止部421,421,…(第1、又は第2封止部),521,521,…(第1、又は第2封止部)を連結したものである。各封止部421,521(第1、又は第2封止部)は、封止用ピン700(図26参照)にて封止連結される。
ボックス側封止ユニット420(第1連結部材又は第2連結部材)は、5個のボックス側封止部421,421,…を連結部422にて連結してある。各ボックス側封止部421は、図23,24に示すように、ケース本体部410側を開口させた箱状とされ、カバー側封止部521(第1連結部材又は第2連結部材)との突合せ側の面に封止用ピン700を挿し通すための挿通孔421aを設けた構成とされる。連結部422は断面視略E形
状となっている。つまり、この連結部422は、ケース本体部410側の端部と、その反対側(外側)の端部と、それらの中間部とに、カバー側封止部521との突合せ方向のほぼ全域に渡って壁状に形成されると共に、カバー側封止部521との突合せ側とは反対側を底状に閉塞するように形成され、ボックス側封止部421,421同士を強固に連結している。
また、ボックス側封止ユニット420(第1連結部材又は第2連結部材)の両端部には、嵌合部412に嵌着させるための嵌合片424,424を設けてある。各嵌合片424は、矩形状の隣接する二辺を開口させた溝状の嵌合部412に嵌合する矩形板状とされる。
一方、ボックス側封止ユニット420のケース本体部410側の面を構成する連結部422であって、両端とその内側のボックス側封止部421(第1連結部材又は第2連結部材)の相互間の連結部422には、図24に示すように、爪部416,416を係止させるための第1のスリット425,425を設けてある。
また、ボックス側封止ユニット420は、カバー側封止ユニット520との突合せ側でかつボックス側ケース本体部410側の部位に、舌片414,414(図21参照)の先端部を覆うようにフランジ426を設けてある。フランジ426には、凸部415,415(図21参照)を挿入するための第2のスリット427,427を設けてある。第2のスリット427,427は、両端のボックス側封止部421,421と対応する位置に配設されている。
カバー側封止ユニット520(第1連結部材又は第2連結部材)は、図26に示すように、5個のカバー側封止部521,521,…を第1の連結部522aにて互い連結すると共に、各カバー側封止部521,521,…を第2の連結部522bにて板状部523と連結してある。
各カバー側封止部521は、ケース本体部510の底面側に相当する側を開口させた略有底角筒状とされ、図25に示すように、ケース本体部510の開口側に相当する底部に封止用ピン700を挿し通すための挿通孔521aを形成した構成とされる。挿通孔521aは対向する一対の円弧形状とされ、その両側には切欠きを設けて軽量化及び材料費の抑制を図っている。また、カバー側封止部521は、図26に示すように、対向する一対の側壁に切欠きを設けて一対の舌片521b,521bを形成してある。各舌片521bの内面側には、封止用ピン700を仮留めするための保持部521cを設けてある。保持部521cは、各舌片521bの内面側に縦列に配設した、保持部521cの中心に向かって先細りの断面テーパー状の爪部521c1,521c2からなる(詳しくは図27参照)。
前記一方のケース構成体である基板ボックス400のケース本体部410の前記封止部420(第1、又は第2封止部)を嵌着した側部に繋がる両側部に凹溝部411を設け、他方のケース構成体であるボックスカバー500のケース本体部510の前記封止部520(第1、又は第2封止部)を嵌着した側部に繋がる両側部に突条511を設けて、前記封止部421,521を嵌着した側部から対向側部の方向にスライドさせて互いに嵌合せしめるように構成してある。
このように、ケース本体部410,510に対する封止部421,521(第1、又は第2封止部)の嵌合方向と、ふたつのケース構成体である基板ボックス400とボックスカバー500同士の嵌合方向が、結果として直交する方向であるので、一旦基板ボックス400とボックスカバー500同士の嵌合が完了すれば、対向する封止部421,521
がケース本体部410,510から脱落する虞がなくなる。このように、両者の嵌合方向を直交する方向とする簡単な構成を採用することで、基板ボックス400とボックスカバー500の組み付け時にすでに封止部421,521のケース本体部410,510からの脱落を阻止することができるのである。
図26、図28に示すように、第1の連結部522a及び第2の連結部522bは、ボックス側封止ユニット420(第1連結部材又は第2連結部材)の連結部422に比べて割れやすい構成となっている。すなわち、ボックス側封止ユニット420の連結部422がカバー側封止部521との突合せ方向のほぼ全域に渡って壁状に形成されているのに対し、第1の連結部522a及び第2の連結部522bは、カバー側封止部521の開口側の端部のみを板状部523と連結するように幅の狭い薄板状に形成されている。
板状部523は、その両端部に嵌合部512に嵌着させるための嵌合片524,524を備えている。各嵌合片524は、矩形状の隣接する二辺を開口させた溝状の嵌合部512に嵌合する矩形板状とされる。また、板状部523は、両端とその内側のカバー側封止部521の相互間に相当する部位に、爪部516,516を係止させるための第1のスリット525,525を設けてある。さらに、板状部523のボックス側封止ユニット420との突合せ側の端部には、舌片514,514(図22参照)の先端部を覆うようにフランジ526を設けてある。フランジ526には、凸部515,515(図22参照)を挿入するための第2のスリット527,527を設けてある。第2のスリット527,527は、両端のカバー側封止部521,521と対応する位置に配設されている。
ここで、図27を参照して封止用ピン700について説明する。封止用ピン700は、展性に優れた軟性金属材料、ここではアルミ合金(その他、真鍮や銅など)からなる管状の部材である。図27に示すように、封止用ピン700は、基端側から順に、カバー側封止部521に係止させるフランジ701と、前記各挿通孔421a,521aに挿し通す円筒状の筒状部702と、封止用ピン700の基端側(フランジ701側)から挿入したネジ800を螺合させる螺合部703を有する。フランジ701は、カバー側封止部521の内形に対応する略矩形状とされる。つまり、カバー側封止部521の内周部は、封止用ピン700のフランジ701を相対回転不能に係合させる係合部となっている。
筒状部702は、ボックス側封止部421の挿通孔421aと略同径とされる。筒状部702の長さは、フランジ701の先端側の面をカバー側封止部521の底壁面521dに接触させた状態で、筒状部702の一部(先端部)がボックス側封止部421の挿通孔421aから突出する長さとされる。螺合部703の内外径はともに、筒状部702の内外径よりも小径に形成してある。また、封止用ピン700の肉厚は、筒状部702も螺合部703もほぼ同じ厚さとされる。また、封止用ピン700の長さは、フランジ701をカバー側封止部521の保持部521cに仮留めした状態で、螺合部703の先端部がカバー側封止部521の挿通孔521aに届かない長さとされる。封止用ピン700を保持部521cに仮留めした状態で、ボックス側ケース本体部410とカバー側ケース本体部510の相対移動を許容するためである。
次に、上記の如く構成された基板ケース263の組立工程及び封止工程について説明する。
基板ボックス400は、ボックス側ケース本体部410の嵌合部412,412にボックス側封止ユニット420(第1連結部材又は第2連結部材)の嵌合片424,424を嵌合させていくと、ボックス側ケース本体部410の舌片414,414がポケット部413側に弾性変形する。嵌合部412,412の奥まで嵌合片424,424を嵌合させると、舌片414,414がボックス側封止ユニット420の第1のスリット425,4
25に係止し、舌片414,414の係止を解除しない限り、嵌合部412,412から嵌合片424,424が抜けなくなる。これにより、ボックス側ケース本体部410とボックス側封止ユニット420とが連結され、基板ボックス400が組み立てられる。
ボックスカバー500も基板ボックス400と同様に組み立てられる。すなわち、カバー側ケース本体部510の舌片514,514をポケット部513側に弾性変形させながら、カバー側ケース本体部510の嵌合部512,512にカバー側封止ユニット520(第1連結部材又は第2連結部材)の嵌合片524,524を嵌合させていく。嵌合部512,512の奥まで嵌合片524,524を嵌合させると、舌片514,514がカバー側封止ユニット520の第1のスリット525,525に係止し、舌片514,514の係止を解除しない限り、嵌合部512,512から嵌合片524,524が抜けなくなる。これにより、カバー側ケース本体部510とカバー側封止ユニット520とが連結され、ボックスカバー500が組み立てられる。
なお、本実施形態では、図28に示すように、基板ボックス400とボックスカバー500の組み立てに際して、各ポケット部413,513に舌片414,514の弾性変形を規制する樹脂430,530(例えば樹脂系の接着剤)を予め溶融状態で充填しておく。基板ボックス400とボックスカバー500をそれぞれ組み立てたのち、溶融状態の前記樹脂430,530が固化すると、舌片414,514をポケット部413,513側へ弾性変形させることができなくなる。このように、第1のスリット425,525に対する舌片414,514の係止を解除できなくすることで、各ケース本体部410,510から各封止ユニット420,520を取り外せなくなる。
また、少なくとも基板ボックス400側に使用される樹脂430は有色とされる。ボックス側封止部421はゴト対策として有色樹脂で構成されているので、その外側から内部を覗くことができない(但し、ボックス側ケース本体部410側からを除く。)。しかし、ボックス側封止部421は成形上の都合でボックス側ケース本体部410側を開口させてあるため、ボックス側ケース本体部410側からその内部を覗くことができる。上記の如く、舌片414の弾性変形を規制する樹脂430を有色とすることで、ボックス側ケース本体部410側からもボックス側封止部421の内部を覗くことができなくなる。このように、ボックス側封止部421の内部を外部から完全に見えなくすることで、ゴト対策が講じられる。
次に、図29を参照して上記基板ケース263を封止する工程について説明する。図29(A)〜(E)は、上記基板ケース263のボックス側封止部421、カバー側封止部521及び封止用ピン700からなる封止機構264の断面図である。
図29(A)は、封止用ピン700がカバー側封止部521の保持部521cに仮留めされた状態を示している。この状態から爪部521c2,521c2の傾斜に沿って封止用ピン700を押し込むと、舌片521b,521bが徐々に拡開して、封止用ピン700がカバー側封止部521の奥に押し込まれる。カバー側封止部521の内周形状を封止用ピン700のフランジ701の輪郭形状に対応させて形成してあるので、封止用ピン700はカバー側封止部521の内周面に沿って案内され、筒状部702がカバー側封止部521及びボックス側封止部421の挿通孔521a,421aに差し込まれる。
図29(B)は、封止用ピン700をカバー側封止部521の奥に押し込んでカバー側封止部521の挿通孔521a及びボックス側封止部421の挿通孔421aに挿し通した状態を示している。同図(B)の状態で、封止用ピン700の基端側から軸力発生手段の一部としてのネジ800を差し込む。ネジ800の外径は、螺合部703の内径よりも若干大径とされる。このため、同図(B)のようにネジ800を封止用ピン700に差し
込んだだけでは、ネジ800の先端が螺合部703の内周側上端位置に形成される段部に担持されるだけの状態となる。
図29(C)は、同図(B)の状態から封止用ピン700の螺合部703にネジ800を、図示しないドライバーを用いてねじ込んで螺合させた状態を示している。この実施形態では、同図(A)(B)に示すように、螺合部703の内径面に予めねじ切り加工を施していない。つまり、同図(C)のように、螺合部703の内径よりも外径の大きいネジ800をねじ込むことで螺合部703の内面がねじ切り加工されながらネジ800が螺進する(図29(E)参照)。
図29(D)は、同図(C)の状態からさらにネジ800をねじ込んで締め付けた状態を示している。ネジ頭801(鍔部)がフランジ701に接触した状態でネジ800を締め付けると、ネジ800の軸線方向の移動が阻止された状態で回動されるので、螺進方向とは逆向きで、封止用ピン700の筒状部702に軸方向の大きな圧縮力が付与され、封止用ピン700の筒状部702が、拡径方向に塑性変形を来たして座屈し、カシメが行われる。つまり、封止用ピン700の筒状部702は螺合部703よりも大径であるので、軸方向の剛性が螺合部703よりも小さい。このため、ネジ800の締め付けにより螺合部703が基端側に引き寄せられると、筒状部702が圧縮されてボックス側封止部421の挿通孔421aから突出した部分が塑性変形を来たして拡径し、ボックス側封止部421に係止させる係止部704が形成される。
係止部704が形成されたのちネジ800は封止用ピン700に取り付けたままでも取り外してもどちらでも構わないが、通常は取り外す。ネジ800を取り付けたままにしておくと、基板ケース263を検査等で開封して再度他の封止部で封印を行うときに、これを抜いて用いれば、わざわざ別のネジを用意する必要がなく便利である。さらに、封止用ピン700のせん断力に対する剛性が高められるという利点もある。なお、図29(E)は、係止部704が形成されたのちネジ800を封止用ピン700から取り外した状態を示している。
以上の図21(A)〜(E)の工程により基板ケース263は封印される。封止機構264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期にかつ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封止機構264のうち一つの封止機構264を使用することにより基板ケース263の封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合などにより基板ケース263を開封する場合には、封印に供されている封止機構264を破壊する。
詳しくは、図30に示すように、カバー側封止部521の第2の連結部522bを切断する。そうすると、同図のように、当該カバー側封止部521が封止用ピン700にてボックス側封止部421と連結された状態であっても、ボックス側ケース本体部410とカバー側ケース本体部510の相対移動が可能になる。その後、再度封印処理する場合は、封印に使用されていない他の一つの封止機構264に対して図29(A)〜(E)に示した各工程を行う。破壊された封止機構264の個数により基板ケース263の開封を行った旨の履歴が残され、基板ケース263を見ることで不正な開封が行われた旨を容易に発見できる。
本発明を適用したパチンコ機10は、上述の如く、ケース本体部410,510と封止ユニット420,520とを別体に構成しているので、遊技機の機種ごとに相違する制御基板の大きさや形状によってケース本体部410,510の設計変更を行なっても、複数の封止部421,521を含む封止ユニット420,520の設計変更を行なう必要がな
い。かかる観点から、ケース本体部410,510の成形型のみを設計変更して封止ユニット420,520の成形型はそのまま使い続けることができる。
これにより、遊技機の機種ごとに複雑な構造の封止部421,521を含む基板ケース263の成形型の作製が不要で、簡単な構造のケース本体部410,510の成形型のみを作製すればよいから、基板ケース263の製造コストを抑制することができる。また、上記の如く、ケース本体部410,510と封止ユニット420,520との連結手段として嵌着構造を採用することで、ケース本体部410,510に対する封止ユニット420,520の位置決め精度を高めることができる。
また、ケース本体部410,510に嵌合部412,512を設ける一方、封止ユニット420,520に嵌合部412,512に嵌合する嵌合片424,524を設け、嵌合部412,512と嵌合片424,524をケース本体部410,510の開口側から嵌め合わせてあるので、基板ボックス400とボックスカバー500を突き合わせた際に、各々の封止ユニット420,520が干渉し、ケース本体部410,510から封止ユニット420,520を取り外しできなくなる。
なお、上記実施形態では、ケース本体部410,510に嵌合部412,512を設ける一方、封止ユニット420,520に嵌合部412,512に嵌合する嵌合片424,524を設けてあるが、ケース本体部410,510に嵌合片を設け、封止ユニット420,520に嵌合部を設けるようにしても構わない。つまり、ケース本体部410,510及び封止ユニット420,520の一方に嵌合部を設け、かつ、他方に前記嵌合部に嵌合する嵌合片を設け、前記嵌合部と前記嵌合片をケース本体部の開口側から嵌め合わせてあればよい。
また、ケース本体部410,510に嵌合方向に延在する舌片414,514を設けると共に該舌片414,515に爪部416,516を設け、かつ、封止ユニット420,520に爪部416,516を係止させる第1のスリット425,525を設けてあるので、基板ボックス400とボックスカバー500を突き合わせなくても、ケース本体部410,510から封止ユニット420,520が脱落しにくくなる。なお、上記実施形態では、ケース本体部410,510に舌片414,514及び爪部416,516を設ける一方、封止ユニット420,520に第1のスリット425,525を設けてあるが、ケース本体部410,510に嵌合片を設け、かつ、封止ユニット420,520に嵌合部を設けた場合には、ケース本体部410,510に第1のスリットを設け、かつ、封止ユニット420,520に舌片及び爪部を設けるようにしてもよい。つまり、ケース本体部410,510及び封止ユニット420,520の一方に嵌合方向に延在する舌片を設けると共に該舌片に爪部を設け、かつ、他方に爪部を係止させる第1のスリットを設けてあればよい。
また、上記実施形態では、ボックス側封止ユニット420(第1連結部材又は第2連結部材)の連結部422を断面視略E形状としてあるので、連結部422のボックス側ケース本体部410側の部分に設けた第1のスリット425が貫通孔であっても、連結部422のボックス側ケース本体部410側とは反対側の部分と中間の部分とが第1のスリット425を遮蔽する遮蔽部となって、第1のスリット425に係止させた爪部416を外側から視認しにくくなっている。これにより、ボックス側ケース本体部410とボックス側封止ユニット420の連結構造を視認しにくくしてゴト対策を講じている。
また、本発明を適用したパチンコ機10は、上述の如く、ケース本体部410,510と封止ユニット420,520(第1連結部材又は第2連結部材)とを別体に構成しているので、ケース本体部410,510は内部に収納した制御基板を外部から視認できるよ
うに透明樹脂で構成する一方、封止ユニット420,520を有色樹脂で構成することができる。このように、封止ユニット420,520を有色樹脂で構成すれば、封止部421,521を外部から見てもその構造を確認しにくくなり、基板ケース263の不正な開封を防止することができる。
また、嵌合部412,512よりも内側にポケット部413,513を設け、ポケット部413,513に溶融状態の樹脂430,530を充填してから、ケース本体部410,510と封止ユニット420,520(第1連結部材又は第2連結部材)を連結させるようにしてあるので、溶融状態の樹脂430,530が固化すると、舌片414,514の弾性変形が規制され、ケース本体部410,510から封止ユニット420,520を取り外せなくなる。しかも、舌片414の弾性変形を規制する樹脂430を有色とすることで、ボックス側封止部421がボックス側ケース本体部410側を開口させた箱状とされていても、当該開口部を樹脂430にて遮蔽することができ、ボックス側ケース本体部410側からもボックス側封止部421の内部を見えなくすることができる。
また、封止ユニット420,520(第1連結部材又は第2連結部材)に舌片414,514の先端側を覆うフランジ426,526を設けることで、舌片414,514及び該舌片414,514に設けた爪部416,516を視認しにくくなる。つまり、ケース本体部410,510のポケット部413,513の開口部を閉塞する如く封止ユニット420,520にフランジ426,526を設けることで、基板ボックス400とボックスカバー500を分離した状態でも舌片414,514及び爪部416,516の存在を確認しにくくなる。
なお、上記実施形態では、封止ユニット420,520(第1連結部材又は第2連結部材)にフランジ426,526を設けてあるが、ケース本体部410,510に嵌合片を設け、かつ、封止ユニット420,520に嵌合部を設けた場合には、ケース本体部410,510にフランジを設けるようにしてもよい。つまり、ケース本体部410,510及び封止ユニット420,520の他方に、一方に設けた舌片の先端側を覆うフランジを設けてあればよい。
また、上記のフランジ426,526に第2のスリット427,527を設け、かつ、ケース本体部410,510に第2のスリット427,527に挿入される凸部415,515を設けてあるので、嵌合部412,512と嵌合片424,524の嵌合を補強することができる。
また、上記実施形態では、ボックス側封止ユニット420(第1連結部材又は第2連結部材)の第1のスリット425と、カバー側封止ユニット520(第1連結部材又は第2連結部材)の第1のスリット525とを線対称で、即ち、両ケース構成体400,500の合わせ面、具体的には、ボックス側ケース本体部410とカバー側ケース本体部510との合わせ面を線としての線対称で配置し、かつ、ボックス側封止ユニット420の第2のスリット427と、カバー側封止ユニット520の第2のスリット527とを互いに連通するように設けてある。換言すれば、ボックス側ケース本体部410の舌片414及び凸部415と、カバー側ケース本体部510の舌片514及び凸部515とが対向配置される。これにより、各ケース本体部410,510と封止ユニット420,520の連結強度が均一化される。
以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなくその要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、ボックス側封止部421とカバー側封止部521の封止連結構造として、封止用ピン700のカシメを利用したリベットタイプのものを示したが、封止連結構造については従来
構造をはじめ今後開発されるであろう新規な構造も使用することもできる。
また、上記実施形態では、基板ボックス400及びボックスカバー500がともに、ケース本体部410,510と封止ユニット420,520とを別体に構成してあるが、少なくともいずれか一方を別体構成とすればよい。つまり、基板ボックス400又はボックスカバー500のいずれか一方の封止部421又は521が複雑な構造で、他方の封止部521又は421が極めて簡単な構造である場合には、基板ボックス400又はボックスカバー500のいずれか一方のみをケース本体部410又は510と封止ユニット420又は520に分けて構成し、他方はケース本体部510又は410と封止ユニット520又は420とを一体に成形してもよい。