上記の目的を達成するための有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等についても説明する。
また、本発明において用いた次の述語について、ここで定義をしておく。
本発明に言う入賞球、アウト球の排出口が持つ垂直方向の位相とは、排出口の中心を通る(その中心である必要はないが、その排出口を特定できる部位を通る)垂線を基準とする。
同様に、球収集部(集合板と排出通路盤からなる)の排出通路盤における排出通路が持つ垂直方向の位相とは、排出通路を通る(その中心である必要はないが、その排出口を特定できる部位を通る)垂線を基準とする。
球収集部の集合板とは、各入賞口から入球した遊技球、アウト口から入球運した遊技球を排出通路盤に向けて排出するための誘導板というべきもので、所定数の入賞口の入球を集めて排出通路盤に導いたり、1個の入賞口の遊技球を単独で排出通路盤に導いたりするもので、複数分岐、集合の一体物としても構成されるものである。
この集合板の排出口とは、排出通路盤に向かうところの遊技球の排出口である。
払出ユニットとは、払出機構部、タンク、タンクレール、バイブレータ、ケースレール、払出装置等の遊技球を払い出すための一連の機構がユニット化されたものを言う。
遊技機の本体とは、ここでは、前記セット板を取り付ける対象として引用しているが、この意味において、ここでは内枠がこれに該当することになるも、他に、介在する部材が存在する場合には、それらの部材も含むものであり、要するに前記セット板を取り付けるべき部材の全てを意味するものである。
セット板とは、少なくとも払出ユニット(貯留部、払出装置、誘導通路)を備えるものであり、機構板とも称することができるもので、樹脂成型によって構成されている。
また、集合板の下方領域を制限閉塞するとは、集合板から排出される遊技球の排出通路盤(集合板と位相が異なる)への流動は許容するが、排出通路盤における排出通路とは直線的な連続状態が無いことを意味し、位相変位したことで排出通路盤の前面側スペースからの不正具が直に集合板の下方から侵入し易くなるのを阻止するように閉塞する状態を得ることができる構成を言う。
本発明に係る遊技機は、手段1(請求項1)として、
遊技盤の前面に遊技球が流下可能な領域を形成し、該領域には入球口が備えられるとともに下端部にアウト口が備えられ、前記入球口及び前記アウト口に入球した遊技球が前記遊技盤の裏面側に誘導されるように構成し、前記入賞球、アウト球を収集して機外に排出する球収集部を遊技盤の裏面側に備えた遊技機であって、
前記球収集部は、前記遊技盤の裏面に誘導された遊技球を受けて下方に向けて排出する集合板と、該集合板により排出された遊技球を受けて遊技機下方に排出する排出通路盤と、前記集合板から排出された遊技球を受け止めて前記排出通路盤に誘導するべく、前記集合板の下方領域を制限閉塞する受け板と、を有し、前記排出通路盤に対する少なくとも前記集合板の排出口が持つ垂直方向の位相に対し、該排出通路盤における排出通路が持つ垂直方向の位相が、遊技機の裏面方向に平行に変位させて設けるように構成したことを特徴とする。
このように入賞球、アウト球の排出口が持つ垂直方向の位相に対して、排出通路盤における排出通路が持つ垂直方向の位相を遊技機の裏面方向に平行に変位させているので、遊技機前面の上皿或いは下皿に繋がる遊技球の排出口或いは何らかの手段及びルートでピアノ線等が遊技盤の裏面側に差し込まれて、球収集部の通路を逆流して上部まで到達することを防止できる。例えば、ピアノ線などの不正具をこの通路に通して進入させ、入球口に入球した入賞球が遊技機外部に排出されないように貯留していき、ピアノ線を上下に動かすようにして検出スイッチに不正に検出させるといった不正行為を防止できる。また、排出通路盤の排出通路に侵入してきても、この排出通路と前記入賞球の排出口とが水平方向(遊技機の裏面方向)に変位された状態にあるから、この排出通路からピアノ線を単に進行させてきても、直進させるだけでは入賞球の排出口途中には到達できないのであり、その変位(変位)分だけ急激に曲折させない限りは遊技盤裏面の入賞装置のスイッチを不正操作することは出来ないのである。
そして、前記受け板を設けたことによって、前記集合板と前記排出通路盤とが、上述したように位相を異ならしめてあることによって行い難くなる両者間の遊技球の受け渡しを、この受け板によってスムースに行いながら、その集合板の下方領域を制限閉塞する配置によって、排出通路盤の前面側(遊技盤と排出通路盤の間)から侵入するピアノ線等の不正具の進行を、この受け板で阻止して集合板側に容易に侵入するのを防止でき、集合板側に設けた入賞検出スイッチ等が不正操作されるのを防止できるのである。
手段2(請求項2):手段1の遊技機において、
遊技盤とは別体である遊技機本体に、遊技盤裏面を覆う位置から露出する位置へ変位可能に構成され、遊技球を貯留可能な貯留部と、遊技球の払出動作を行う払出装置と、払出装置の下流側で遊技球を誘導する誘導通路と、を有する払出機構が取り付けられるようにしたセット板を備え、前記排出通路盤は、前記セット板とは別体として樹脂成型され、前記受け板と、前記排出通路の一方の側壁を備える前パーツと、前記排出通路の他方の側壁と、を備える後パーツと、を含む複数の構成体(パーツ)を合わせて形成されるものであり、前記受け板が前記複数の構成体の何れかに設けられると共にそれら複数の構成体の何れかに少なくとも1つの制御基板を取り付けるための取付部を設け、前記前パーツもしくは前記後パーツの少なくとも一方の側壁に凹凸を設けることで、前記複数の構成体が合わされたときに排出通路盤の内部に前記排出通路が形成されるように構成し、該複数の構成体における前パーツ、後パーツの上端側により前記セット板の下端側をはさみ込む態様でそれぞれが連結されていることを特徴とする。
上記排出通路盤を、前後パーツ、受け板を含む複数パーツで構成したことにより、個々のパーツを個別成型することが可能となり、大型の成型機が必要なくなると共に成型容易につき強度を出し易くなり、撓み防止に寄与すると共に上記受け板を設けること、少なくとも1つの制御基板を設けるようにすることも容易であって、また、排出通路の形成も前後パーツの少なくとも一方に凹凸を設けることで合わせによって容易に形成することができる。
加えて、前パーツ、後パーツの上端側により前記セット板の下端側をはさみ込む態様でそれぞれが連結されていることで、セット板と排出通路盤との連結を強固に行い得る。
また、排出通路盤が前後パーツの少なくとも2分割構成で、両者を合わせた結果、両者間に所定の間隔を隔てた箱状部分を構成するので、制御基板を設けるセット板として立体的構造物として強度向上を図ることができると共に前後パーツの一部分が排出通路の前後壁を形成しているので、その後パーツは、一枚の側壁の前後面が制御基板の支持面と排出通路の壁面として有効に利用されることになる。
このように、排出通路盤をセット板と別体として構成したことにより、排出通路盤を多機種にも流用できる。
更に、内枠における遊技盤下方のスペースを空けることができ、例えば、遊技盤固定用のレバーなどを配置するスペースを容易に確保することができる。
このように、従来の、機構板(セット板、排出通路盤)が一体成型されている場合には、それを成型するために大型の成型機が必要であり、そうした大型の成型設備がなければ成型が不可能であるし、また、大型の成型機自体の設備コストも高くつくものであり、また、これに対し、機構板(セット板、排出通路盤)を複数に分けて成型し、別々に遊技機に取り付ける場合には、遊技機の製造工程が複雑になるので、何れの方式も本発明と比較して不利益が大きい。
手段3(請求項3):手段1又は手段2の遊技機において、
前記排出通路盤の後面に少なくとも一つの制御基板が設けられ、且つ、該排出通路盤は、遊技盤裏面を露出する方向に変位して、遊技盤を取り外す空間を形成することが可能であることを特徴とする遊技機。
このように、排出通路盤が制御基板の取り付け部を兼ねることにより、部材点数を削減することができる利点がある。
また、このように構成することで、排出通路盤を変位させることができて、その結果、遊技盤裏面及び遊技盤下方のスペースを露出させることができるので、排出通路盤とセット板とが連結固定されていることで、セット板を変位させると(例えば回動)、遊技盤裏面及び下方のスペースに対する操作、点検等が容易に行い得る。
手段4:手段1乃至手段3の遊技機において、
前記払出通路盤の受け口近傍位置には、前記集合板の排出口の下方で、遊技機の幅方向に受け板が延設され、且つ、該受け板が、遊技球を受け止めて排出通路に導くように遊技機の裏面側に向けて後ろ下がりに傾斜され、前記集合板の排出口と排出通路とを繋ぐ誘導路を形成するように構成されていることを特徴とする。
この後ろ下がりに傾斜された受け板を設け、前記集合板の排出口と排出通路とを繋ぐ誘導路を形成するようにしたことで、排出通路盤の排出通路が前記集合板の排出口に対して遊技機の裏面方向に平行に変位されていても、前記集合板の排出口から出た遊技球を排出通路盤の排出通路にスムースに導くことが出来る。
手段5:手段1は手段4の遊技機において、
前記排出通路盤の排出通路が、くの字(実施例では遊技機の裏面視において逆くの字)を形成し、その上端部が排出通路盤の末広がりの受け口に繋がれていることを特徴とする。
このように、排出通路盤の排出通路を、くの字を形成するように鋭く屈曲させたことで、万一、この排出通路にピアノ線等が侵入してきたとしても、その鋭く屈曲された排出通路によって排出通路盤の受け口にまで到達させることは難しく、不正防止に寄与することができる。
また、本発明では、排出通路盤が、制御基板を備えるセット板として機能するので、セット板の強度を高める点においても、前記くの字の排出通路を形成することで排出通路盤自体の強度向上を図ることになり、強度を求められるセット板としての機能も同時に果たすことができる。
手段6:手段1乃至手段5の遊技機において、
前記排出通路盤を構成する後面壁が前記入賞球の排出口よりも上方にまで延設され、前記後面壁の上部に、前記排出通路盤の受け口を塞ぐ方向に伸びる侵入規制壁が遊技機の幅方向に延設されるように構成されていることを特徴とする。
上述のように、排出通路と前記入賞球の排出口とが水平方向(遊技機の裏面方向)に変位されたことにより、結果として排出通路盤の後面壁が遊技機の裏面方向に後退し、受け口が遊技機の裏面方向に広がりをもつことになる。万一、何等の手段で上皿に繋がる排出口から球通路樋を通して側壁を破り、遊技盤の後面にピアノ線を挿入させ、排出通路盤の受け口から入賞球の排出口に侵入させようとしても、前述のように侵入規制壁を設けたことで、排出通路盤の受け口からピアノ線を侵入させようとするときに障害となって容易に侵入を許さない。
尚、この侵入規制壁は、例えば、入賞球の排出口を形成する入賞球通路構成壁が遊技盤の裏面の一部に突出している場合、この入賞球通路構成壁に接当するまで伸びているのが好ましいが、必ずしも接当する状態にまで伸びていなくとも外部から侵入するピアノ線等の侵入阻止を困難にする機能は十分に果たすことができる。
また、前記侵入規制壁は、前記後面壁の上部から伸びているものであるから、同時に、前記後面壁の強度を高める補強リブとしても機能するものである。
手段7:手段1乃至手段4の遊技機において、
前記排出通路盤が、その排出通路の幅方向の略中心線上で前後パーツに少なくとも2分割され、ネジ止め連結によって一体化されるように構成され、前記後パーツは、制御基板を設ける平坦な後面を有する側壁を備えると共にその側壁の一部の前面が前記排出通路の後壁を兼ねるように形成され、前記前パーツは、側壁を有すると共にその一部が前記排出通路の前壁を兼ね、他の部分が、両者に設けたネジ用ボス部を介して所定の間隔を隔て前記後パーツに連結固定されることによって箱状部分を形成するように構成されていることを特徴とする。
このように、排出通路盤が前後パーツの少なくとも2分割構成で、両者を合わせた結果、両者間に所定の間隔を隔てた箱状部分を構成するので、制御基板を設けるセット板として立体的構造物として強度向上を図ることができると共に前後パーツの一部分が排出通路の前後壁を形成しているので、その後パーツは、一枚の側壁の前後面が制御基板の支持面と排出通路の壁面として有効に利用されることになる。
そして、前記排出通路の幅方向の略中心線上で前後パーツに分割されているので、排出通路を形成する凹凸を各パーツで分担して成型させることができ、前後パーツの成型が容易となる。
尚、排出通路盤の分割は、3分割以上であっても良いものであり、その分割線は、排出通路の幅方向の略中心線上で前後パーツに分ける以外に、製造上の利点、組み付け上の利点等が見込めれば、適宜の方向、線上で分割してよいものである。
手段8:手段1乃至手段7の遊技機において、
前記排出通路盤の後パーツの側壁の一側端部を切り欠いてセット板の第2パーツとしての重ね連結部に構成すると共に前記切り欠き部分の側壁の下方前面を重ね連結部の連結支持面に構成し、該連結支持面に、払出ユニットを設けたセット板の第1パーツの下端部の重ね連結部の支持面を接当させて連結し、且つ、この連結において、前記第1パーツの下端部の重ね連結部が前記切り欠部分に位置され、この重ね連結部の後面が前記後パーツの側壁の後面に面一となるように構成し、以って前記第1パーツの下端部の重ね連結部の後面が制御基板の支持面の一部を兼ねるように構成してあることを特徴とする。
かかる構成によって、第1パーツと第2パーツの連結が、連結支持面を介しての重ね連結部による強固な連結が得られてセット板の強度を高めることが出来ると共に排出通路盤の後パーツの側壁の一側端部を切り欠くと共に第1パーツの重ね連結部の後面を排出通路盤の後パーツの側壁に面一とすることにより、第1パーツの重ね連結部の後面を制御基板の支持面の一部として用いることができ、このように、ネジ等の連結手段を、上述した前後パーツの間隔を利用して、この空間に位置させることができるので、前述した後パーツの側壁の面一構成が容易に得られるのである。
そして、上述したように、排出通路と前記入賞球の排出口とが水平方向(遊技機の裏面方向)に変位させた状態にあるから、前記排出通路盤の前後パーツの側壁間のスペース広くなり、結果として、前述したネジ等の連結手段をこのスペースに位置させることが容易となり、前述した両重ね連結部の連結が行われても、後パーツの側壁と第1パーツの重ね連結部の後面の面一構成が容易に得られるのである。
また、セット板を、第1及び第2パーツの連結により一体構成としたことで、セット板の成型に際して、セット板を一体成型するのに必要な大型の成型機が不要となり、大型成型設備を備えていなくても容易に成型できる。
そして、第1及び第2パーツの連結により一つのセット板として構成されていて、その第1パーツの取り付け部により遊技機の本体に取り付けられるようにしているので、製造工程を簡略化できる。
また、第1及び第2パーツの連結は、その重ね連結部において行っているので、金属補強部材を用いることなく、この連結部での強度を上げることができ、その結果、元来重量のある払出ユニットを備えていると共にタンクに大量の遊技球が貯留されていることで更に高荷重がかかってもセット板に撓みが生じ難く、遊技球の払い出しに支障を来たさない
さらに、第2パーツに少なくとも一つの制御基板を配設する構成であるので、セット板を開放したときには、前記制御基板を移動させてその裏側を露出させることができ、点検作業を便利に行い得る。
手段9:手段1乃至手段8の遊技機において、
前記第1パーツの取り付け部が、遊技機本体に対して、片軸で縦軸回りに回動するように取り付けられていることを特徴とする。
このように構成することで、遊技盤の取り外し、板替え等に際して便利となる。
即ち、遊技盤を内枠に対して裏側から取り付けるように、内枠の裏側には、遊技盤取り付け部(遊技盤形状に対応する凹部)や固定部(固定具)が配設されており、従って、前記構成を用いてセット板を開放すると、遊技盤や固定具が露出され、この遊技盤を取り外すことが可能になる。このように、セット板を一つの部材として扉状に開放することで、遊技盤の取り外しができて、板替え等に際して非常に便利である。
手段10:手段1乃至手段9の遊技機において、
前記セット板が、前記第1パーツの他端部と前記第2パーツの他端とに連結される第3パーツを備えており、第1、第2及び第3パーツによって中央に開口が形成される枠形状に構成されていることを特徴とする。
このように、セット板が枠フレームの形態を採ることによって、全体としての強度を高めることができる。
そして、中央に開口を形成するようにしたことで、遊技盤裏面に突出するように取り付けられる制御基板又はセンターフレーム裏面突出部をこの中央開口内に納めることができ、これによってセット板を開放することなく制御基板などの点検作業を行うことができる
手段11:手段10の遊技機において、
前記第3パーツの上端部の重ね連結部に上向き面を設け、該上向き面を前記第1パーツに対して接当又は近接状態とするように構成してあることを特徴とする。
このように第3パーツの上端部の重ね連結部に上向き面を設けることで、払出ユニットを備える第1パーツを下方から受けとめて支持する状態が得られ、より強固な連結状態が得られると共に前記連結支持面と合わせて2面が重ね合わされることになって、相互連結状態と荷重支持状態がより強固となる。
手段12:手段8乃至手段11の遊技機において、
前記第1パーツに、前記第2パーツに取り付けられる制御基板と配線により接続される基板を配置してあることを特徴とする。
各種の制御基板、その他の基板は、遊技機の裏面の限られた有効スペースに配置される必要があるが、その際、配線により接続される各基板を、第1及び第2パーツに取り付けても、これらが一体としてセット板が構成されてユニット化されているので、このセット板を遊技機に取り付ける前の工程で各基板の配線を繋ぐことが可能となり、製造時の工程の融通をつけることができる。第1及び第2パーツが連結されてセット板がユニット化されていない場合に、前記基板の配線接続は、遊技機に各セット板パーツを取り付けてから行わなければならず、一連の製造工程において処理できずに製造能率が悪くなるといった不都合があるが、上記の構成によってこうした問題は解消されるのである。
手段13:手段11及び手段12の遊技機において、
前記第3パーツの上端部の重ね連結部の連結支持面が垂直に形成され、前記第1パーツの他端の重ね連結部の垂直の連結支持面に接当するよう構成され、且つ、前記上向き面が前記連結支持面の上縁から遊技機の前面側に向けて突出する補強リブに形成されていることを特徴とする。
このように、第3パーツが第1パーツを下から支持する上向き面を、第3パーツの重ね連結部の補強を行う補強リブに形成することで、第1パーツの支持機能と重ね部材の補強機能とを兼ね備えることができて、比較的強度を出し難い樹脂成型の第1パーツと第3パーツの連結強度を高めながら、上向き面と垂直な連結支持面の2面でもって相互に作用する荷重を伝達させあい、撓み発生を回避できることになる。
手段14:手段11乃至手段13の遊技機において、
前記第3パーツの上端部の重ね連結部の近傍位置に上向き段部が屈曲成型で形成され、該上向き段部から、前記連結支持面に直交して遊技機の前面側に伸びる上向きの立板が形成され、前記第1パーツの他端部から前記立板の外側に沿って前記上向き段部に接当又は近接する状態に垂下するガイド板が設けられていることを特徴とする。
このように、第3パーツの上端部に上向き段部を屈曲成型で設けることで、この段部の形成による第3パーツの強度を構造的に増強させることができながら、立板を形成することで、第1パーツと第3パーツとの組み付け、連結に際して、第1パーツを、上方から第3パーツに被せるときに(或いは第3パーツを下方から第1パーツに係入するときに、この立板に沿って移動させることで、位置あわせを楽に行い得ることができる。
また、遊技機の前面側に向けて伸びる前記ガイド板は、前記上向き段部に接当又は近接する状態に構成されているので、万一、タンクへの遊技球の異常貯留等で想定外の荷重が第1パーツに加わり、その他端部が撓むような事態が起きたとしても、その他端部のガイド板の長さのある下端が前記上向き段部の上面に線接触(板の厚みで見ると面接触でもある)で接当して支持されることになり、屈曲成型により構造的に強化された上向き段部において、ガイド板を介して第1パーツの撓みを受け止めることができる。
手段15:手段10乃至手段14の遊技機において、
前記第3パーツの上端部の重ね連結部に、その外周縁に沿って立板に連続する状態で前記補強リブが延長されており、この補強リブと立板の内側にネジ止め用ボスが一体成型されていることを特徴とする。
このように、第3パーツを第1パーツに連結するための所定長さのネジを螺合させるのに必要なボス(本来、成型パーツの肉厚は比較的薄いものである:約3mm前後)を前記補強リブと一体とし、また、立板と一体とすることで、更にこのボスが支柱となって重ね連結部の強度を構造的に高めることができ、より頑丈な両者の連結が可能となる。
手段16:手段10乃至手段15の遊技機において、
前記第3パーツの下端部の重ね連結部の近傍位置に、屈曲成型による下向き支持面が形成され、前記第2パーツの他端部の重ね連結部の近傍位置に、前記下向き支持面に接当する屈曲成型による上向き支持面が形成されていることを特徴とする。
このように、第2パーツと第3パーツとの連結において、連結支持面の圧接による連結だけでなく、下向き支持面と上向き支持面との接当によって、この箇所において荷重を支持するようにすることで、連結部の局所的な荷重分担を減らし、合わせて屈曲成型による下向き支持面と上向き支持面の構造的な強度増加を図ることができて、全体として強固な連結状態を得ることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る遊技機の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、便宜上、パチンコ機を挙げて説明するが、本発明は、パチンコ機以外の弾球遊技機(例えばアレンジボール機や雀球遊技機など)、その他、遊技球を用いる種々の形態の遊技機に適用することができる。
(パチンコ機の正面構成)
図1は本実施形態のパチンコ機10の正面図であり、図2は外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。但し、図2では便宜上、下皿ユニット13が内枠12から取り外された状態を示している。
図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、軽量化を図るために、樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリルーブタジエンースチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
内枠12の構成を、図3も用いて詳細に説明する。図3は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領城内の構成〔釘、センター役物等〕を空白で示している)。
内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、後述する樹脂ベース20と、この樹脂ベース20の後側に取り付けられる遊技盤30とを備えている。
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿19が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置(図外)によって遊技球が遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と後述するセットハンドル228と発射モータ229(図6参照)などで構成されている。音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカ(図示略)からの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように、その右側が下皿15に片待ち支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿15の奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃えにくくなっている。
また、前面枠セット14は、図2に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠セット14は内枠12の外側壁(リブ)12b(図3参照)内に嵌まり込むようにして取り付けられている。つまり、この前面枠セット14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠セット14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のものであって、具体的には針金、ピアノ線、セルロイド板等)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠セット14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19(図1参照)が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
図3に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
次に、図4を用いて遊技盤30の構成を説明する。図4は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30は、天入賞口610、一般入賞口600、左右1対の第1始動口601、これら第1始動口601の変形部であって第1始動口601より若干下方に設けられた第2始動口602、遊技領域の略中央に設けられた電動役物ユニット(センター役物)603等を備えている。これらの一般入賞口600、第1始動口601、第2始動口602、電動役物ユニット603等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の天入賞口610、一般入賞口600、第1の始動口601、第2の始動口602に対応する部位には、それぞれ、天入賞口入球センサ609、一般入賞口入球センサ607、第1始動口入球センサ605、第2始動口入球センサ606が設けられており、これらセンサは、図示しない電気配線を通じて後述する主制御基板(主制御装置)に接続されている。そして、天入賞口610、一般入賞口600、第1始動口601、第2始動口602および電動役物ユニット603に遊技球が入球した場合には、上記各検出センサで検出され、この検出センサの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。
尚、上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御基板に取り込まれ、該主制御基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
その他に、遊技盤30の左右端には、上記一般入賞口600を備えた装飾部材630が設けられる一方、遊技盤30の下方には、上記第1始動口601、第2始動口602を備えた補助ユニット608が設けられている。また、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。さらに、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、同様の機能を有する風車が配設されている。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、図3に示す奥面50aについての遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返さわるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55(図3参照)が取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。本実施形態では、レールユニット50の少なくとも左側を遊技盤30に強固に締結するために、レールユニット50の左側はその右側よりも多いネジで遊技盤30に締結されているので、レールユニット50の左側についての遊技盤30への密着性を上げることかでき、遊技球の球飛びを良くすることができる。レールユニット50の左側が遊技盤30に対してぐらついているとこのレールユニット50に出射された遊技球の勢いが当該ぐらつきにより吸収されてしまうからである。
さらに本実施形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部および左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図4のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図4のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されている。本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51および外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領城の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される、これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになり、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタ68が取り付けられている、前面枠セット14を内枠12から開放した状能(図3の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、本パチンコ機10においては、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
図3に示すように、樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られた証紙などのシール(図4のS1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
また、図3に示すように、内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
図3に示すように、内枠12の上側には、前面枠セット14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠セット14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パテンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、前面枠セット14が閉じられると、図5に示す前面枠セット14の金属製の補強板131,132が図3に示す内枠12の一対の金具92に接触するようになっており、前面枠セット14のアースが確保されている。
ここで、前述した前面枠セット14について、図1,図5を参照しつつより詳細に説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度および支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1および図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール52の左端部はもちろん、内レール51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領城において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度および支持強度が確保可能となっている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり遊技状態時や羽根開放時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
また、図1に示すように、前面枠セット14の左側の小窓107付近を前面側(図1の紙面手前側)に必要以上に突出しないようにしている。こうすることで、パチンコ機10の左側に設けられたカードサンドの球貸し装置から直接に上皿19に遊技球を貸し出す際に、当該球貸し装置のノーズ部(いわゆる象の鼻)の先端排出口を好適に上皿19の上方位置に位置させることができ、当該球貸し装置のノーズ部から貸し出される遊技球を上皿19で受けることかできる。
前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側および上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。このように補強板132,133の連結部に樹脂パーツ135を介在させているので、ノイズが補強板131〜134でループすることを防止できる。また、図5の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりが防止できる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となる。故に、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されるようになっている。
また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14が開閉可能に装着されるようになる。
(パチンコ機の背面構成)
次に、本発明の特徴とする第1、第2及び第3パーツ401,402,405からなるセット板400を備えたパチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図であり、外枠11が外された状態を示し、図7は、同様のパチンコ機10の背面構成を示すが、ここでは払出制御装置311等(後述の「第2制御基板ユニット202」)が取り外された状態を示す。
図8は、セット板400について、主要部品毎に分解して、パチンコ機の裏面側から見た分解斜視図であり、図9は、セット板について、主要部品毎に分解して、パチンコ機の前面側から見た分解斜視図であり、図10は、セット板400の第1パーツ401の端部と第3パーツ405の全体とを拡大し、裏面側から見た斜視図であり、図11は、前記第2パーツ402の要部の縦断側面を示す。
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台(図15参照)に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板および電源基板は、セット板400の第2パーツ402を構成する排出通路盤217にユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201(図13参照)」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜202やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施形態では4カ所)の係止固定具によって脱落しないように固定されている。係止固定具は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り換えることができるように遊技盤30の左右3ヵ所の係止固定具は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で内枠外方へ張り出さないよう構成されている。
なお、図示はしていないが、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具は樹脂製のI型のレバー形状の留め具であり、上記排出通路がセット板400側(遊技機の裏面後方側)に移動(変位)した為、スペースが空き、このレバーを設置できた。更に、セット板400が開いた状態では、このレバーが露出されることになるので、ロック及びロック解除操作を行い易い状態となる。
図4にも示すように、遊技盤30の中央には電動役物ユニット603が配置されている一方、電動役物ユニット603の下側には第1始動口601および第2始動口602を備えた補助ユニット608が配置されている。遊技盤30の裏面には、電動役物ユニット603、補助ユニット608、および、装飾部材630を取り囲むようにして、遊技球回収機構を備えた裏枠セット(図示せず)が取り付けられている。
また、図8及び図9に示すように、遊技盤30の下方には、内枠12に樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図4に示す一般入賞口600等に入賞した遊技球は何れも前記裏枠セットの回収通路を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。前記排出通路盤217が二つ割りの構造とされている点については、後に詳述する
また、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202やセット板400の第1パーツ401を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12にはその右端部に長尺状の支持金具235が取り付けられており、その構成を図12に示す。図12に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット用の支持孔部237が形成されると共に、上下方2ヵ所にセット板用の支持孔部237,238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ上下の方向で同軸心状の支持孔が形成されている。
そして、セット板400の第1パーツ401には、図6乃至図9に示すように、その右端部に上下一対の縦軸心の支軸385が設けられており、この支軸385を図12に示す支持孔部237,238に上方から挿通させることで、セット板400が内枠12に対して開閉可能に支持される。
その他、図6乃至図9に示すように、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構部352より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、または排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。
即ち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。図8に示すように、遊技球分配部245は、前記第1パーツ401にネジで締結固定されており、パチンコ機10の上皿19の排出口67(図3参照)から異物を挿入操作するなどしても動かない、つまり遊技球分配部245が奥側に押されて遊技球分配部245と内枠12との間に隙間が空くようなことが無いし、この隙間に異物を押入するなどによる不正を防止できる。
また、内枠12の下端部には、下皿15に設置されたスピーカの背後を囲むための樹脂製のスピーカボックスが取り付けられており、このスピーカボックスにより低音域の音質改善が図られている。
次に、第1制御基板ユニット201を、図13〜図16を用いて説明する。図13は第1制御基板ユニット201の正面図(パチンコ機の裏面から見た)、図14は同ユニット201の斜視図、図15は同ユニット201の分解斜視図、図16は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主制御基板を具備しており、この主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ケース263に収容された構成とされる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主制御基板)または図示しない表示制御装置からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ケース265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して前記表示制御装置および音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明または半透明の樹脂成型品であっても良い。
そして、一方の基板搭載面252上に主制御装置261(主制御基板)が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置261および音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図14等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できる。また、各制御装置が効率良く設置できるようになる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、電動役物ユニット603やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図15および図16に示すように、主制御基板用の基板搭載面252には、左右2ヵ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ケース263には、その裏面の左右2ヵ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合が回避できる。また、主制御装置261は、セット板400を開き、第1制御基板ユニット201を、軸線を軸心として開いた後に、この第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる主制御基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
取付台251には、図14等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を支持金具に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を被締結孔にはめ込むこと等により、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定されるようになる。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ケース315,316,317,318にそれぞれ収容された構成とされる。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源制御装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314は取付台の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源制御装置313の基板ケース317上に払出制御装置311が搭載されている。
(特徴構成:セット板)
次に、図6乃至図11に基づいて、本発明の特徴とする第1、第2及び第3パーツ401,402,405からなるセット板400に関して詳細な説明をする。
本発明の特徴とする第1、第2及び第3パーツ401,402,405からなるセット板400を備えたパチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図であり、外枠11が外された状態を示し、図7は、同様のパチンコ機10の背面構成を示すが、ここでは払出制御装置311等(後述の「第2制御基板ユニット202」)が取り外された状態を示す。
図8は、セット板400について、主要部品毎に分解して、パチンコ機の裏面側から見た分解斜視図であり、図9は、セット板400について、主要部品毎に分解して、パチンコ機の前面側から見た分解斜視図であり、図10は、セット板400の第1パーツ401の端部と第3パーツ405の全体とを拡大し、裏面側から見た斜視図であり、図11は、主にセット板400の第2パーツ402の縦断側面図である。
セット板400は例えばABS樹脂により成型されており、このセット板の第3パーツ405には、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354の一側部が開閉自在に枢着されている。この保護カバー部354は、左右側面および上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも電動役物ユニット(センター役物)603を囲むのに十分な大きさを有する(但し、本実施形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。この保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。
また、この保護カバー354は、図示はないが、主制御基板のコネクタ接続部分を覆い、ROMなどが搭載されている部分は覆わないような大きさに構成されており、更に、軸の逆側にネジ留め部があり、これを破断ネジで留めることにより保護カバーの開放が出来なくなるように構成し、以って、不正に基板が取り付けられる等の不正行為を防止できるようにしている。
また、保護カバー部354の他側部は、図示していないが、その上下方向の略中間位置において、側縁からの切り込みによって舌片状の係合部を形成しており、前記一側部の枢着による開閉操作に際して、これを閉じるときに、前記係合部の外側に形成された突起部が第1パーツ401の側壁に内接して弾性変形しつつ嵌合され、該突起部がその側壁の端部を過ぎると弾性復元して前記側壁の端部に突起部が係合するように構成されている。
この係合部を弾性変形させて前記突起部の係合を解除してやることで、この保護カバー部354を、前記枢着軸を中心にして回動させて開くことができる
次に、前記セット板400の第1パーツ401について述べると、遊技盤30とは別体に構成されたセット板400が遊技機であるパチンコ機10の裏面側に配置され、このセット板400に払出ユニット404が取り付けられている。この払出ユニット404とは、払出機構部352、タンク355、タンクレール356、バイブレータ360、ケースレール357、払出装置358等の遊技球を払い出すための一連の機構がユニット化されたものを言う。
前記セット板400は、パチンコ機10の上部一端(裏面視では左端)から他端側(右端)に伸び、次いでパチンコ機10の一側部(右側部)に沿って垂下して、裏面視において逆L字状に形成されると共に前記払出ユニット404を備えるように構成された第1パーツ401と、少なくとも一つの制御基板を配設するように構成され、パチンコ機10の下部に幅方向に配設される第2パーツ402とで構成されている。この実施例では、前記少なくとも一つの制御基板は、払出制御装置311の制御基板をいう。
前記第1パーツ401の下部と第2パーツ402の一端部に夫々重ね連結部401A,402Aを設けて、該重ね連結部401A,402Aで互いに連結固定するように構成されており、且つ、前記第1パーツ401の取り付け部、ここでは、上下一対の下向きに突設された支軸385によってパチンコ機10の本体に取り付けられている。このパチンコ機10の本体とは、ここでは、第1パーツ401が取り付けられる内枠12を言う。
上記の払出ユニット404の払出機構部352について述べると、第1パーツ401に形成されたタンク355の設置場所に、上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、横方向2列(この実施例では2条の溝状構造が採用されている)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図外)等を通じて上皿19に供給される。
前記タンク355は、図7及び図8に示すように、その両端部においてネジ留め部355A及び355Bが突設され、前記第1パーツ401の上部の裏面に、前記タンク355の本体部を嵌めこむことができるように突出されたボス部401E,401Fに、裏面側から接当されて、ネジ355a及び355bによって止められている。
また、同様に、前記タンクレール357についても、ネジ357a等によって第1パーツ401の上部の裏面にネジ留めされている。
タンクレール356と、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360とが一体化となるようにユニット化されている。つまり、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ONまたは電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
なお、図6に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。
そして、図8、図9、図10に示すように、前記第1及び第2パーツ401,402の重ね連結部401A,402Aが、面接当を介して相互の荷重が伝達されるように、夫々比較的大きな面積を有する連結支持面401B、402Bを備えている。この構成は、樹脂成型により大きな強度が望めない場合にも、第1及び第2パーツ401,402の連結を単なる連結手段だけの連結とするのではなく、この連結部分に相互に接当する連結支持面401a、402aを備えることで、特に重量のある第1パーツ401と他方の第2パーツ402との間の荷重伝播(垂直荷重のみではなく、全体の連結状態においては種々の方向の荷重がかかる)を面接当で受け止めるようにすることができて、局所的な連結部分に負荷が掛かる事を避け、全体として強固な連結状態を得ることができるようにするためのものである。
更に、図10に示すように、前記第1パーツ401は、前記タンク355からなる前記貯留部500の一側壁に沿って上下方向に伸びる側壁支持部501と、該側壁支持部501に連続すると共に前記貯留部500の底壁に沿って前後方向に伸びる底壁支持部502と、該底壁支持部502に連続すると共に下方に垂下する連結部401Bと、を有するとともに、少なくとも前記側壁支持部501に対して前記貯留部500を固定してある(図7及びその説明参照)。
そして、前記第3パーツは、前後方向に伸びる第2底壁支持部(上向き面405cを有する)503と、該第2底壁支持部503に連続すると共に上下方向に伸びる第2連結部(連結支持面405aを有する)504とを有し、前記第1パーツ401の連結部401B及び前記第3パーツ405の第2連結部504が、夫々対向する面(連結支持面401b,連結支持面405a)を有してその所定箇所で互いに連結固定するように構成されている。また、前記連結固定がされたときに、前記第1パーツ401の底壁支持部502の下方に、前記第3パーツ405の上向き面405cを有する第2底壁支持部503が接当若しくは近接するように構成してある。これらの構成については、後にも言及する。
また、上述したように、前記第1パーツ401の取り付け部、即ち、上下一対の下向きに突設された支軸385が、パチンコ機の本体である内枠12に対して、片軸(片側支持)で縦軸回りに回動するように取り付けられている。このように構成することで、遊技盤30の取り外し、板替え等に際して、第1パーツ401を扉のように開くことができるので便利となる。
即ち、遊技盤30を内枠12に対して裏側から取り付けるように、内枠12の裏側には、遊技盤30取り付け部(遊技盤形状に対応する凹部)や固定部(固定具)が配設されており、従って、前記構成を用いてセット板400を開放すると、遊技盤30や固定具が露出され、この遊技盤30を取り外すことが可能になる。このように、セット板400を一つの部材として扉状に開放することで、遊技盤の取り外しができて、板替え等に際して非常に便利となるのである。
更に、本発明においては、前記セット板400は、前記第1パーツ401の他端部と前記第2パーツ402の他端とに連結される第3パーツ405を備えており、第1、第2及び第3パーツ401,402,405によって中央に開口が形成される枠形状に構成されているのである。このように、セット板400が枠フレームの形態を採ることによって、全体としての強度を高めているのである。そして、中央に開口を形成するようにしたことで、遊技盤30裏面に突出するように取り付けられる制御基板乃至センターフレーム裏面突出部をこの中央開口内に納めることができ、これによってセット板400を開放することなく制御基板などの点検作業を行うことができる。
上記第1パーツ401の前記他端部と、前記第2パーツ402の他端部と、前記第3パーツ405の上下端部とに夫々重ね連結部401B、402B、405A,405Bが設けられ、これらの重ね連結部401B、402B、405A,405Bは、面接当を介して相互の荷重が伝達されるように、上記連結支持面401a、402aと同様に比較的面積のある連結支持面401b,402b,405a,405bを備えている。このように構成することで、第3パーツ405と第1及び第2パーツ401,402との連結を、面接当を介して強固に連結できて、全体が枠フレームとなった状態で、相互に荷重を十分に伝播させて荷重を全体として受け止めて対向でき、局所的な撓み等を未然に回避でき、これによって遊技球がタンク355に大量に貯留されてタンク355が傾くことを未然に防止できる
更に、前記第3パーツ405の上端部の重ね連結部405Aに上向き面405cを設け、該上向き面405cを前記第1パーツ401の底面に対して近接状態で連結が行われるように構成してある。このように第3パーツ405の上端部の重ね連結部405Aに上向き面405cを設けることで、払出ユニット404を備える第1パーツ401を下方から受けとめて支持する状態が得られ、より強固な連結状態が得られると共に前記連結支持面405aと合わせて2面が重ね合わされることになって、面接当の相互連結状態と前記近接固定による荷重支持状態がより強固となる。
また、前記第1パーツ401に、前記第2パーツ402に取り付けられる制御基板と配線により接続される基板を配置してある。具体的には、前記第2パーツ402に取り付けられる制御基板は、払出制御装置311の制御基板であり、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381である。
このように構成することで、次の便宜が図れる。
即ち、各種の制御基板は、遊技機の裏面の限られた有効スペースに配置される必要があるが、その際、配線により接続される各基板を、第1及び第2パーツ401,402に取り付けても、これらが一体としてセット板400が構成されてユニット化されているので、このセット板400を遊技機に取り付ける前の工程で各基板の配線を繋ぐことが可能となり、製造時の工程の融通をつけることができる。第1及び第2パーツ401,402が連結されてセット板400がユニット化されていない場合には,前記基板の配線接続は、パチンコ機に各セット板パーツを取り付けてから行わなければならず、一連の製造工程において処理できないところから製造能率が悪くなるといった不都合があるが、上記のように構成することで、このような問題は解消されるのである。
更に、前記第3パーツ405の上端部の重ね連結部405Aの連結支持面405aが垂直に形成され、前記第1パーツ401の他端の重ね連結部401Bの垂直の連結支持面401bに接当するよう構成され、且つ、前記上向き面405cが前記連結支持面405aの上縁からパチンコ機の前面側に向けて突出する補強リブ405Dに形成されている。かかる構造は、第3パーツ405が第1パーツ401を下から支持する上向き面405cを、第3パーツ405の重ね連結部405Aの補強を行う補強リブ405Dに形成することで、第1パーツ401の支持機能と、第3パーツ405自体の重ね連結部405Aの補強機能とを兼ね備えさせるもので、比較的強度を出し難い樹脂成型の第1パーツ401と第3パーツ405の連結強度を高めながら、上向き面405cと垂直な連結支持面405aの2面でもって相互に作用する荷重を伝達させあい、撓み発生を回避できることになる。
更に、前記第3パーツ405の上端部の重ね連結部405Aの近傍位置に上向き段部405Eが屈曲成型で形成され、該上向き段部405Eから、前記連結支持面405aに直交してパチンコ機の前面側に伸びる上向きの立板406が形成され、前記第1パーツ401の他端部から前記立板406の外側に沿って前記上向き段部405Eに近接する状態に垂下するガイド板407が設けられている。前記立板406は、図9及び図10に示すように、パチンコ機の前面側に向かう程幅が狭くなるように、側面視で三角形をなすように構成されている。このように、第3パーツ405の上端部に上向き段部405Eを屈曲成型で設けることで、この段部405Eの形成による第3パーツ405の強度を構造的に増強させることができながら、立板406を形成することで、第1パーツ401と第3パーツ405との組み付け、連結に際して、第1パーツ401を、上方から第3パーツ405に被せるときに(或いは第3パーツ405を下方から第1パーツ401に係入するときに、この立板406に沿ってガイドさせながら移動させることで、位置あわせを楽に行い得ることができる。
また、パチンコ機の前面側に向けて伸びる前記ガイド板407は、前記上向き段部405Eに接当又は近接する状態に構成されているので、万一、タンク355への遊技球の異常貯留等(詰まりによる)で予想以上の荷重が第1パーツ401に加わり、その他端部が撓むような事態が起きたとしても、その他端部のガイド板407の長さのある下端が前記上向き段部405Eの上面に線接触(板の厚みで見ると面接触でもある)で接当して支持されることになり、屈曲成型により構造的に強化された上向き段部405Eにおいて、ガイド板407を介して第1パーツ401の撓みを受け止めることができる。
更に、前記第3パーツ405の上端部の重ね連結部405Aに、その外周縁に沿って前記立板406に連続する状態で前記補強リブ405Dが延長されており、この補強リブ405Dと立板406の内側に、ネジ止め用ボス408、ここでは3個所定の間隔で一体成型されている。その1個は、重ね連結部405Aの上縁側に配置され、2個が外側縁の立板406の内側の広幅部に一体的に配置されている。前記重ね連結部405Aは、図8乃至図10に示されているように、ここでは、裏面視で、全体としては矩形であるが、外側に位置する上部コーナーが斜めにカットされた角落ち形状に構成され、この形状に対応させて、第1パーツ401の端部のガイド板407が、この角落ち形状に沿うように屈曲形成されている。勿論、この形状に合わせて前記補強リブ405Dもその角落ち形状の外周縁に沿って伸びている。
このように、第3パーツ405を第1パーツ401に連結するための所定長さのネジを螺合させるのに必要なボス(因みに、この実施例では3mmの肉厚としている)を前記補強リブ405Dと一体とし、また、立板406と一体とすることで、更にこのボスが支柱となって重ね連結部405Aの強度を構造的に高めることができる
他方、第1パーツ401側の重ね連結部401Bにも、前記ネジ止め用ボス407に対向する位置にネジ止め用ボス409が夫々設けられている(図10参照)。
また、前記第3パーツ405の下端部の重ね連結部405Bの近傍位置に、屈曲成型による下向き支持面405dが形成され、前記第2パーツ402の他端部の重ね連結部402Bの近傍位置に、前記下向き支持面405dに接当する屈曲成型による上向き支持面402dが形成されている。このように、第2パーツ402と第3パーツ405との連結において、両連結支持面402b,405bの圧接による連結だけでなく、下向き支持面405dと上向き支持面402dとの接当によって、この箇所において荷重を支持するようにすることで、重ね連結部405,402同士の局所的な荷重分担を減らし、合わせて屈曲成型による下向き支持面405dと上向き支持面402dの構造的な強度増加を図ることができて、全体として強固な連結状態を得ることができる。
(球収集部と排出通路盤)
遊技盤30の裏面下方には、アウト口から排出されたアウト球、入賞口を通過した入賞球を収集して機外へ排出するための球収集部420が設けられている。
この球収集部420は、遊技盤30の裏面側で、入賞球、アウト球を誘導し、収集し、下方に排出する集合板421と、該集合板421から排出された遊技球を受けて遊技機下方に排出する排出通路盤217とから構成されている。この排出通路盤217は、受け口418、遊技盤30の後面の一部等、これらの入賞球、アウト球を収集するための構成要素からなる。前記集合板421は、この実施例では、明瞭な図示はないが、遊技盤30の複数の入賞口からの入賞球を集めるように分岐された通路が集合され、この実施例では、2つの排出口に至る形状とされている。これは、アウト口の遊技球を誘導する集合板421の部分が含まれていない。また、勿論のことながら、幾つに集合させるかは、遊技盤30の入賞口の配置によって設計されるもので、2つの排出口である必要性はない。
そして、前記排出通路盤217は、セット板400の第2パーツ402の構成要素となるものである。
この第2パーツ402の排出通路盤217は、二つ割り構成とされており、図11に基づき、簡略に述べる。
この実施例では、前記排出通路盤217は、分割ライン410で前後の方向に分割できる二つ割りの前後パーツ403A,403Bを所定の位置でネジ止めすることによって連結して構成されているものである。この排出通路盤217には、内部に排出通路218が形成され、上部にパチンコ機10の幅方向に長く形成された受け口418が設けられている。従って、入賞球は、遊技盤30の裏面の通路419(実際には、各入賞口に対応して設けられている集合板421と遊技盤30の裏面壁により夫々形成されている)を通り、また、アウト球は、遊技盤30面上からアウト口36を通り、前記受け口418を通って下方の排出通路218に至り、パチンコ機10の外に排出されるように構成されている。
そして、この第2パーツ405の左右端部には、第1パーツ401の下端部の重ね連結部401Bと、第3パーツの下端部の重ね連結部405Bとに重ね合わされて連結される重ね連結部402A,402Bが設けられ、これらの重ね連結部402A,402Bには、それぞれ、前記第1パーツ401の下端部の重ね連結部401Bの連結支持面401b及び第3パーツの下端部の重ね連結部405Bの連結支持面405bに夫々対応する連結支持面402a,402bが設けられている。
更に、排出通路盤217の構造について、主に図11に基づき、また、図8及び図9を参照し、他の図面を引用しながら以下詳述する。
前記球収集部420の排出通路盤217を構成するに、該球収集部420に対する入賞球の排出口422(実際は複数の入賞口に対応して複数存在するが、ここでは一つについて言及する)が持つ垂直方向の位相P1に対し、該排出通路盤217における排出通路218が持つ垂直方向の位相P2が、遊技機10の裏面方向に平行に変位されるように構成されており、且つ、前記排出通路盤217を、その後面に制御基板、ここでは払出制御装置311の制御基板等を設けて、セット板400の一部、即ち、第2パーツとして構成している。
このように入賞球、アウト球の排出口422が持つ垂直方向の位相P1に対して、排出通路盤217における排出通路218が持つ垂直方向の位相P2を遊技機10の裏面方向に平行に変位させているので、ヒーター器具等を用い、遊技機10前面の上皿19に繋がる遊技球の排出口67から球通路樋69を通して機構板(セット板)の一部を破り、ピアノ線等が差し込まれて排出通路盤217の排出通路218に侵入してきても、この排出通路218と前記入賞球の排出口422とが水平方向(遊技機の裏面方向)に変位された状態にあるから、前記排出通路218からピアノ線を単に進行させてきても、直進させるだけでは入賞球の排出口422の中には到達できないのであり、その変位分だけ急激に曲折させない限りは遊技盤30裏面の入賞装置のスイッチ423を不正操作することは出来ないのである。
そして、前記排出通路盤217自体をセット板400の一部、第2パーツ402として機能させ、これに少なくとも一つの制御基板として、払出制御装置311の制御基板を設けるようにしてあるので、上述した如く不正防止機能を発揮すると同時に制御基板を設けることでセット板402としての機能も発揮できると共に他のセット板、第1パーツ401との組み合わせにより協同してセット板400全体としての強度向上に寄与することができる。
更に、前記排出通路盤217の受け口の受け口418の近傍位置には、前記入賞球の排出口422の下方で、前記集合体421の下方領域を制限閉塞し、前記集合体から排出された遊技機を受け止めて前記排出通路盤に誘導するべく遊技機10の幅方向に受け板424が延設され、且つ、該受け板424が、遊技球を受け止めて排出通路218にスムースに導くように遊技機10の裏面側に向けて後ろ下がりに傾斜され、前記入賞球の排出口422と排出通路218とを繋ぐ誘導路425を形成するように構成されている。この後ろ下がりに傾斜された受け板424を設け、前記入賞球の排出口422と排出通路218とを繋ぐ誘導路425を形成するようにしたことで、排出通路盤217の排出通路218が入賞球の排出口422に対して遊技機10の裏面方向に平行に変位されていても、入賞球の排出口422から出た遊技球を排出通路盤217の排出通路218にスムースに導くことが出来る。
また、前記排出通路盤217の排出通路218が、くの字(実施例では遊技機の裏面視において逆くの字)を形成し、その上端部が排出通路盤217の末広がりの受け口の受け口418に繋がれている。このように、何らかの手段によって、この排出通路218にピアノ線等が侵入してきたとしても、容易に入賞装置のスイッチ423まで進行できるものではない。また、前記排出通路盤217が、払出制御装置311の制御基板を備えるセット板400の第1パーツ401として機能するので、セット板400の強度を高める点において有益であり、また、前記くの字の排出通路218を形成することで排出通路盤217自体の強度向上を図ることになり、強度を求められるセット板400としての機能も同時に果たすことができる。
次いで、前記排出通路盤217を構成する後面壁217Aが前記入賞球の排出口422よりも上方にまで延設され、前記後面壁217Aの上部に、前記排出通路盤217の受け口の受け口418を塞ぐ方向に伸びる侵入規制壁426が遊技機10の幅方向に延設され、該侵入規制壁426が排出通路盤217の後面壁217Aの補強リブとしても機能するように構成されている。このように、排出通路218と前記入賞球の排出口422とが水平方向(遊技機の裏面方向)に変位されたことにより、結果として排出通路盤217の後面壁217Aが遊技機10の裏面方向に後退し、受け口418が遊技機10の裏面方向に広がりをもつことになる。従って、万一、何等の手段で上皿19に繋がる排出口67から球通路樋69を通して側壁を破り、遊技盤10の後面にピアノ線を挿入させ、排出通路盤217の受け口418から入賞球の排出口422に侵入させようとしても、前述のように侵入規制壁426を設けたことで、排出通路盤217の受け口418からピアノ線を侵入させようとするときに障害となって容易に侵入を許さないのである。
尚、この侵入規制壁426は、例えば、入賞球の排出口422を形成する入賞球通路構成壁が遊技盤の裏面の一部に突出している場合、この集合板421に接当するまで伸びているのが好ましいが、本実施例のように、必ずしも接当する状態にまで伸びていなくとも外部から侵入するピアノ線等の侵入阻止を困難にする機能は十分に果たすことができる。
更に、前記排出通路盤217が、その排出通路218の幅方向の略中心線上で前後パーツ217A,217Bに2分割され、ネジ止め連結によって一体化されるように構成されている。前記後パーツ217A,217Bは、払出制御装置311の制御基板を設ける平坦な後面を有する側壁を備えると共にその側壁の一部の前面が前記排出通路218の後壁を兼ねるように形成され、前記後パーツ217Bは、側壁を有すると共にその一部が前記排出通路218の前壁を兼ね、他の部分が、両者に設けたネジ用ボス部427を介して所定の間隔を隔て前記後パーツ217Bに連結固定されることによって箱状部分を形成するように構成されている。このように、排出通路盤217が前後パーツ217A,217Bの2分割構成で、両者を合わせた結果、両者間に所定の間隔を隔てた箱状部分を構成するので、払出制御装置311の制御基板を設けるセット板として立体的構造物として強度向上を図ることができるのであり、前後パーツ217A,217Bの一部分が排出通路218の前後壁を形成しているので、その後パーツ217Bは、一枚の側壁の前後面が払出制御装置311の支持面と排出通路218の壁面として有効に利用されることになる。
また、前記排出通路盤217の後パーツ217Bの側壁の一側端部を切り欠いてセット板400の第2パーツ402としての重ね連結部402Aに構成すると共に前記切り欠き部分428の側壁の下方前面を重ね連結部の連結支持面402aに構成し、該連結支持面402aに、払出ユニット202を設けたセット板400の第1パーツ401の下端部の重ね連結部401Aの支持面401aを接当させて連結し、且つ、この連結において、前記第1パーツ401の下端部の重ね連結部401Aが前記切り欠部分428に位置され、この重ね連結部401Aの後面が前記後パーツ217Bの側壁の後面に面一となるように構成し、以って前記第1パーツ401の下端部の重ね連結部401Aの後面が払出制御装置311の支持面の一部を兼ねるように構成してある。
このように構成したことによって、第1パーツ401と第2パーツ402の連結が、連結支持面401a,402aを介しての重ね連結部401A,401Bによる強固な連結が得られてセット板400の強度を高めることが出来ると共に排出通路盤217の後パーツ217Bの側壁の一側端部を切り欠くと共に第1パーツ401の重ね連結部401Aの後面を排出通路盤217の後パーツ217Bの側壁に面一とすることにより、第1パーツ401の重ね連結部401A,の後面を払出制御装置311の支持面の一部として用いることができ、このように、ネジ等の連結手段を、上述した前後パーツ217A,217Bの間隔を利用して、この空間に位置させることができるので、前述した後パーツ217Bの側壁の面一構成が容易に得られるのである。
そして、上述したように、排出通路218と前記入賞球の排出口422とが水平方向(遊技機の裏面方向)に変位させた状態にあるから、前記排出通路盤217の前後パーツ217A,217Bの側壁間のスペースが広くなり、結果として、前述したネジ等の連結手段をこのスペースに位置させることが容易となり、前述した両重ね連結部401A,401Bの連結が行われても、後パーツ217Bの側壁と第1パーツ401の重ね連結部401Aの後面の面一構成が容易に得られるのである。