JP5099111B2 - 両面研磨装置 - Google Patents
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Description
従来の研磨加工方法は、操業開始時等の前加工バッチの研磨スピードを基にして、本加工バッチの研磨時間を算出し、狙い厚さになるように仕上げている。
そして、この研磨加工時の仕上がり厚さのズレが平坦度悪化の原因の一つとなっている。
定寸装置の一例として、ウェーハ厚さを直接計測する光学方式や、渦電流方式、静電容量方式、水晶板を入れて共振によりウェーハ厚さを計測する方式(トランザット方式)が存在する(例えば特許文献1参照)。
その際必要になるのがセンサーホルダー107であり、そのセンサーホルダー107の先端(下端)にセンサー106が保持されている。
このセンサーホルダー107の内部は熱伝導低減のため空洞となっており、例えばスーパーインバー材等のような金属製材料で作られ、上定盤102上面から吊り下げる形で取り付けられている。
そこで、本発明者等はこの誤差が低減できない原因について調査したところ、センサーホルダーに上記したような熱膨張対策をしているにも関わらず、加工中に発生する熱が上定盤からセンサーホルダーに伝達され、センサーホルダーが膨張・収縮してセンサーの位置のズレが発生してしまうことが誤差の大きな原因であることが判明した。
このように、前記石英が、線膨張係数が5.4×10−7/K以下のものであれば、研磨時に発生する熱によってセンサーホルダーが膨張及び収縮するのをより確実に抑制できる。
このように、前記センサーホルダーが水冷できるものであれば、センサーホルダーの熱変動を抑制できるものとなるので、研磨時に発生する熱によってセンサーホルダーが膨張又は収縮するのをより効果的に抑制できるものとなる。
近年、高平坦化を達成した半導体ウェーハを安定して製造するために、研磨する半導体ウェーハの仕上がり厚さを検出しながら研磨を行う、いわゆる定寸研磨が行われている。
このウェーハの仕上がり厚さの検出は、上定盤の回転軸方向に設けられた貫通孔内のウェーハに近い所にセンサーホルダーで保持されたセンサーを配置し、このセンサーを用いてウェーハの厚さを検出しながらウェーハの両面研磨を行い、狙い厚さになるように仕上げている。
図1に示すように、本発明の両面研磨装置1は、少なくとも、研磨布4が貼付された上定盤2および下定盤3と、上定盤2及び下定盤3の間で半導体ウェーハWを保持するための保持孔(不図示)が形成されたキャリア5とを具備するものである。
また、上定盤2には回転軸方向に貫通孔8が設けられている。そして、この貫通孔8に研磨中のウェーハWの厚さを検出するセンサー6が配置されている。
また、センサー6は、例えば渦電流センサーや静電容量センサー等のような非接触でウェーハWの厚さを精度良く検出できるものが望ましい。
このとき、石英は、特に線膨張係数が5.4×10−7/K以下のものであることが好ましい。
このように、センサーホルダー7が水冷できるものであれば、上記したように、センサーホルダー7の材質を線膨張係数が非常に低く、変形し難いものとしている上、更にセンサーホルダー7の熱変動自体を抑制できるものとなるので、ウェーハの研磨加工時に発生する熱によってセンサーホルダー7が膨張及び収縮するのをより効果的に抑制できるものとなる。
図2に示すように、センサーホルダー7の形状は筒状であり、そのサイズは特に限定されることはないが、図1に示すような上定盤2の貫通孔8に接触しない程度に内径を小さくすることができる。センサーホルダー7の形状が筒状であれば、冷却効果を高めることができ、センサーホルダー7が上定盤2の貫通孔8に接触しなければ、研磨加工中に発生する熱が上定盤2からセンサーホルダー7に伝熱し難くなるので好ましい。
また、センサー6はセンサーホルダー7の最下端の位置に、例えばネジで固定される等して保持される。このようにしてセンサー6をセンサーホルダー7によって保持することによって、センサー6をよりウェーハの近くに配置でき、ウェーハの厚さを精度良く検出できる。
またここで、センサーホルダー7の導入口9から導入する冷却水を、例えば上記した定盤を冷却するための冷却経路から分岐して導入する構成とすることができる。このような構成であれば、上定盤2とセンサーホルダー7の温度差を低減してセンサーホルダー7の温度変化を抑制できるので好ましい。
この際、センサーを図2に示すような本発明の両面研磨装置の石英材(線膨張係数5.4×10−7/K)のセンサーホルダーにより保持した場合と、図3に示すような従来の両面研磨装置のスーパーインバー材(線膨張係数1.0×10−6/K)のセンサーホルダーにより保持した場合のセンサーで検出した金属板までの距離の変化量を評価した。
ウェーハ: 直径300mm、P−型、結晶方位<110>
研磨布: 単一発泡ウレタンパッド
研磨スラリー: NaOHベースコロイダルシリカ
加工加重: 100−200g/cm2
図4(A)(B)に示すように、本発明の両面研磨装置を用いた場合は、従来の両面研磨装置を用いた場合と比較して、検出した金属板までの距離の変化量がかなり小さくなっている。このときの研磨前と研磨後の検出距離の差は、従来のもので0.58μmであったのに対し、本発明では0.06μmであり、センサーホルダーの変形が大幅に改善されている。
図1に示すような本発明の両面研磨装置を用いて、センサーによりウェーハの厚さを検出しながらウェーハの両面研磨を行った。このとき、狙い厚さを775μmに設定し、センサーによる検出が狙い厚さとなったときに研磨を停止するようにした。
ここで、センサーは渦電流センサーを用い、水冷構造のない筒状の石英材のセンサーホルダー(実施例1)、及び図2に示すような水冷構造の石英材のセンサーホルダー(実施例2)によってセンサーを保持するようにした。
両面研磨装置: 不二越機械製両面研磨装置
ウェーハ: 直径300mm、P−型、結晶方位<110>
研磨布: 単一発泡ウレタンパッド
研磨スラリー: NaOHベースコロイダルシリカ
加工加重: 100−200g/cm2
厚さの誤差に関する結果を表1に示す。表1に示すように、実施例1、2とも後述する比較例の結果と比べ誤差の平均値が小さくなっていることが分かる。また、水冷構造のセンサーホルダーを用いた実施例2は実施例1と比べ誤差の平均値がおよそ半減していることが分かる。
また、SFQR(max)の結果を表2に示す。表2に示すように、実施例1、2の結果は後述する比較例の結果と比べ小さくなっていることが分かる。このことにより、本発明の両面研磨装置によって、ウェーハ厚さを精度よく検出して、狙い厚さに対して適切なタイミングで研磨を停止することにより平坦度も改善できると言える。
図3に示すようなスーパーインバー材からなり、水冷もされていないセンサーホルダーを有する従来の両面研磨装置を用いた以外、実施例1と同様にしてウェーハを両面研磨し、実施例1と同様に評価した。
その結果、表1に示すように、ウェーハの厚さと狙い厚さとの誤差は、実施例1、2と比べ悪化していることが分かる。
また、表2に示すように、SFQR(max)も同様に実施例1、2と比べ悪化していることが分かる。
6…センサー、 7…センサーホルダー、 8…貫通孔、 9…導入口、
10…排出口、 11…ネジ穴、 12…胴体部。
Claims (4)
- 少なくとも、研磨布が貼付された上下の定盤と、該上下の定盤間でウェーハを保持するための保持孔が形成されたキャリアと、前記上定盤の回転軸方向に設けられた貫通孔に配置され、研磨中の前記ウェーハの厚さを検出するセンサーと、該センサーを保持するセンサーホルダーとを有する両面研磨装置であって、
前記センサーホルダーは前記上定盤の貫通孔内に収容され、材質が石英であることを特徴とする両面研磨装置。 - 前記石英は、線膨張係数が5.4×10−7/K以下のものであることを特徴とする請求項1に記載の両面研磨装置。
- 前記センサーホルダーは水冷できるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の両面研磨装置。
- 前記センサーホルダーは、形状が前記上定盤の貫通孔内に収容される筒状であり、該筒形状の最下端の位置に前記センサーを保持するものであり、前記筒の内部に冷却水を導入する導入口と、前記冷却水を排出する排出口を有するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の両面研磨装置。
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