JP5099027B2 - ダイヤモンド膜の選択的形成方法及びcmpパッドコンディショナー - Google Patents
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Description
すなわち本発明に係るダイヤモンド膜の選択的形成方法は、母体の表面に、薬液により除去可能とされ、かつ、ダイヤモンド膜の生成を助長する性質の第1膜と、前記第1膜上に配されるとともにダイヤモンド膜の生成を阻止する性質の第2膜と、を選択的に形成して、該表面を、非マスキング領域を有しつつ前記第1、第2膜によりマスキングする工程と、前記薬液を希釈して用い、非マスキング領域における前記表面の部分の周縁部に立設する前記第1膜の壁面を溶解して、該壁面に凹部を形成する工程と、CVD法により、前記表面の部分及び前記凹部にダイヤモンド膜を生成させる工程と、前記薬液により前記第1膜とともに前記第2膜を前記母体の表面から取り除く工程と、を備えることを特徴とする。
尚、この際、第2膜の壁面には、ダイヤモンド膜は生成されない。
また、このように、前記ダイヤモンド膜同士の連結が確実に防止されるので、第1、第2膜を取り除く際、第1、第2膜がダイヤモンド膜に被覆されて除去できなくなったり、第1、第2膜を除去した後に、ダイヤモンド膜の内部が中空に形成されてしまったりすることがない。
また、本発明に係るダイヤモンド膜の選択的形成方法において、前記マスキングする工程は、前記母体の表面に、前記第1、第2膜を順次成膜し、前記第2膜上に、感光性樹脂膜を選択的に形成し、露出した前記第2膜の部分及びこの部分に対応する前記第1膜の部分をエッチングすることにより、前記母体の表面に前記第1、第2膜を選択的に形成することとしてもよい。
また、本発明に係るCMPパッドコンディショナーによれば、前記ダイヤモンド膜を切刃に用いているので、切刃の耐久性が高められ、工具寿命が延長する。
CMPパッドコンディショナー10は、例えば、炭化珪素(SiC)からなり略円板状をなす基板1を有している。また、図1に示すように、基板1のCMPパッド側を向く表面1Aには、切刃2が該表面1Aから突出して複数形成されている。
まず、図2(a)、(b)に示すように、母体である基板1の表面1Aに、感光性樹脂膜11を均一に塗布する。感光性樹脂膜11としては、有機溶剤により表面1Aから取り除くことが可能な材料を用いる。また、感光性樹脂膜11の膜厚Taは、例えば、20μm程度に設定される。
また、マスキング領域においては、第2膜13の表面13Aに、ダイヤモンド膜Dが形成される。
また、このように形成されたダイヤモンド膜Dが、CMPパッドコンディショナー10の切刃2に用いられる。
次いで、希釈したフッ酸を用い、第1膜12の壁面12Cを溶解して、この壁面12Cに凹部12Dを形成した後、CVD法によりダイヤモンド膜Dを成膜すると、ダイヤモンド膜Dは、非マスキング領域における基板1の表面1Aの部分及び第1膜12の凹部12Dに生成されていく。
一方、マスキング領域においては、第2膜13の表面13Aにダイヤモンド膜Dが載る。
また、このように、前記ダイヤモンド膜D同士の連結が確実に防止されるので、第1膜12及び第2膜13を取り除く際、第1膜12及び第2膜13がダイヤモンド膜Dに被覆されて除去できなくなったり、第1膜12及び第2膜13を除去した後に、ダイヤモンド膜Dの内部が中空に形成されてしまったりすることがない。
尚、前述の第1の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
次いで、図4(c)に示すように、第2膜13の表面13Aに感光性樹脂膜11を均一に塗布する。
次に、有機溶剤による洗浄を行い、残存した感光性樹脂膜11を表面13Aから取り除く。すなわち、アセトン、メタノール等の薬品を用い、有機洗浄により、マスキング領域に残された感光性樹脂膜11を第2膜13上から除去する。
尚、前述の、残存した感光性樹脂膜11を有機洗浄により表面13Aから除去する手法の代わりに、このダイヤモンド膜Dの成膜時に、前記感光性樹脂膜11を蒸散により表面13Aから除去することとしても構わない。すなわち、ダイヤモンド膜Dの成膜時には、基板1が加熱され、例えば、800℃程度にまで温度上昇するので、この加熱に伴って前記感光性樹脂膜11を蒸散させるとともに、第2膜13上から取り除くようにしても構わない。
このように、基板1の表面1Aに、比較的厚膜のダイヤモンド膜Dが選択的に複数形成され、これらのダイヤモンド膜Dが、CMPパッドコンディショナー10の切刃2に用いられる。
例えば、前述の実施形態では、ダイヤモンド膜DをCMPパッドコンディショナー10の切刃2に用いることとして説明したが、ダイヤモンド膜Dを、それ以外の電子デバイスや工具等に形成し用いることとしてもよい。
また、感光性樹脂膜11、第1膜12、第2膜13及びダイヤモンド膜Dの各膜厚は、前述の実施形態において説明した数値に限定されるものではない。
1A 基板の表面
2 切刃(ダイヤモンド膜)
10 CMPパッドコンディショナー
11 感光性樹脂膜
12 第1膜
12C 第1膜の壁面
12D 凹部
13 第2膜
D ダイヤモンド膜
Ta 感光性樹脂膜の膜厚
Tb 第1膜及び第2膜の膜厚の和
Claims (4)
- 母体の表面に、薬液により除去可能とされ、かつ、ダイヤモンド膜の生成を助長する性質の第1膜と、前記第1膜上に配されるとともにダイヤモンド膜の生成を阻止する性質の第2膜と、を選択的に形成して、該表面を、非マスキング領域を有しつつ前記第1、第2膜によりマスキングする工程と、
前記薬液を希釈して用い、非マスキング領域における前記表面の部分の周縁部に立設する前記第1膜の壁面を溶解して、該壁面に凹部を形成する工程と、
CVD法により、前記表面の部分及び前記凹部にダイヤモンド膜を生成させる工程と、
前記薬液により前記第1膜とともに前記第2膜を前記母体の表面から取り除く工程と、を備えることを特徴とするダイヤモンド膜の選択的形成方法。 - 請求項1に記載のダイヤモンド膜の選択的形成方法であって、
前記マスキングする工程は、前記母体の表面に、前記第1膜及び前記第2膜の膜厚の和よりも厚膜に設定された感光性樹脂膜を選択的に形成し、
前記感光性樹脂膜及び露出した前記表面の部分に前記第1、第2膜を順次成膜し、
前記感光性樹脂膜を前記母体の表面から取り除くことにより、該母体の表面に前記第1、第2膜を選択的に形成することを特徴とするダイヤモンド膜の選択的形成方法。 - 請求項1に記載のダイヤモンド膜の選択的形成方法であって、
前記マスキングする工程は、前記母体の表面に、前記第1、第2膜を順次成膜し、
前記第2膜上に、感光性樹脂膜を選択的に形成し、
露出した前記第2膜の部分及びこの部分に対応する前記第1膜の部分をエッチングすることにより、前記母体の表面に前記第1、第2膜を選択的に形成することを特徴とするダイヤモンド膜の選択的形成方法。 - 基板に形成された複数の切刃を用いて、前記基板に対向配置されたCMPパッドに研削加工を施すCMPパッドコンディショナーであって、
前記切刃として、請求項1〜3のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の選択的形成方法により形成された前記ダイヤモンド膜を用いることを特徴とするCMPパッドコンディショナー。
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