JP5099027B2 - ダイヤモンド膜の選択的形成方法及びcmpパッドコンディショナー - Google Patents

ダイヤモンド膜の選択的形成方法及びcmpパッドコンディショナー Download PDF

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Description

本発明は、ダイヤモンド膜の選択的形成方法及びこのダイヤモンド膜を切刃に用いたCMPパッドコンディショナーに関する。
近年、常圧の化学気相蒸着(CVD)法によりダイヤモンド膜を形成する技術が開発され、ダイヤモンド膜を電子デバイスや工具等に利用する研究が活発に行われている。このようなダイヤモンド膜は、用途に応じて、母体である基板や切刃等の表面に選択的に形成される場合がある(特許文献1〜3参照)。
ダイヤモンド膜を選択的に形成する手法として、例えば、特許文献1には、基体(母体)の表面にダイヤモンド膜の生成を阻止する性質の膜(以下「阻止膜」とする)を選択的に形成して前記表面をマスキング(マスキング領域)し、この阻止膜に被覆されていない非マスキング領域にのみダイヤモンド膜を成膜する技術が記載されている。
一方、半導体産業の進展とともに、金属、半導体、セラミックスなどの表面を高精度に仕上げる加工方法の必要性が高まっており、特に、半導体ウェーハでは、その集積度の向上とともにナノメーターオーダーの表面仕上げが要求されている。このような高精度の表面仕上げに対応するために、半導体ウェーハに対して、多孔性のCMPパッドを用いたCMP(ケミカルメカニカルポリッシュ)研磨が一般に行われている。
半導体ウェーハ等の研磨に用いられるCMPパッドは、研磨時間が経過していくにつれ目詰まりや圧縮変形を生じ、その表面状態が次第に変化していく。すると、研磨速度の低下や不均一研磨等の好ましくない現象が生じるので、CMPパッドの表面を定期的に研削加工することにより、CMPパッドの表面状態を一定に保って、良好な研磨状態を維持する工夫が行われている。
CMPパッドを研削加工するために用いられるCMPパッドコンディショナーは、例えば、円板状の基板(母体)と、この基板のCMPパッド側を向く表面に形成された複数の切刃とを有している。これらの切刃として、前述のダイヤモンド膜が用いられることがある。
このように、ダイヤモンド膜をCMPパッドコンディショナーの切刃に用いる場合は、ダイヤモンド膜を極力厚膜に形成すると、切刃の耐久性が高められ、工具寿命が延びるので好ましい。
特開平5−209270号公報 特開平6−247794号公報 特開平7−69793号公報
しかしながら、前記非マスキング領域においてダイヤモンド膜を厚膜に形成しようとすると、前記マスキング領域における前記阻止膜の母体側とは反対側を向く表面にもダイヤモンド膜が比較的厚く生成されることとなり、好ましくない。つまり、前記阻止膜の表面にこのようにダイヤモンド膜が形成されると、前記非マスキング領域と前記マスキング領域との境界付近において、非マスキング領域のダイヤモンド膜とマスキング領域のダイヤモンド膜とが、互いに連結してしまうことがある。
このようにダイヤモンド膜同士が連結すると、所望の形状のダイヤモンド膜が得られなくなる。また、薬液により前記阻止膜を取り除く場合、該阻止膜がダイヤモンド膜に被覆されて除去できなくなったり、この阻止膜を除去した後に、ダイヤモンド膜の内部が中空に形成されてしまったりするという問題が生じる。
一方、母体の表面に、ダイヤモンド膜を選択的に形成する他の手法として、例えば、CVD法により前記表面にダイヤモンド膜を均一に成膜し、このダイヤモンド膜に対して選択的にマスキングを施し、該ダイヤモンド膜における非マスキング領域をエッチングによって選択的に除去することが考えられる。しかしながら、この場合、ダイヤモンド膜のコンタミネーションが考えられ、また、洗浄等の工程が増え製造が煩雑になるという課題が生じる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ダイヤモンド膜を母体の表面に比較的厚膜に、かつ、精度よく選択的に形成でき、ダイヤモンド膜のコンタミネーションを防止できるダイヤモンド膜の選択的形成方法及びこのダイヤモンド膜を切刃に用いたCMPパッドコンディショナーを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち本発明に係るダイヤモンド膜の選択的形成方法は、母体の表面に、薬液により除去可能とされ、かつ、ダイヤモンド膜の生成を助長する性質の第1膜と、前記第1膜上に配されるとともにダイヤモンド膜の生成を阻止する性質の第2膜と、を選択的に形成して、該表面を、非マスキング領域を有しつつ前記第1、第2膜によりマスキングする工程と、前記薬液を希釈して用い、非マスキング領域における前記表面の部分の周縁部に立設する前記第1膜の壁面を溶解して、該壁面に凹部を形成する工程と、CVD法により、前記表面の部分及び前記凹部にダイヤモンド膜を生成させる工程と、前記薬液により前記第1膜とともに前記第2膜を前記母体の表面から取り除く工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るダイヤモンド膜の選択的形成方法によれば、まず、母体の表面に、ダイヤモンド膜の生成を助長する性質の第1膜と、この第1膜上に配され、ダイヤモンド膜の生成を阻止する性質の第2膜と、が選択的に形成される。つまり、母体の表面には、第1、第2膜により被覆されたマスキング領域と、第1、第2膜に被覆されずに露出した非マスキング領域とが形成される。また、この際、非マスキング領域において露出した母体の表面の部分の周縁部には、該表面に立設するように第1膜の壁面が形成される。また、この第1膜の壁面に連なるように、第2膜にも壁面が形成される。
次いで、薬液を希釈して用い、第1膜の壁面を溶解して、この壁面に凹部を形成する。詳しくは、凹部は、例えば、第1膜の前記壁面において膜厚方向に沿った中央部分が最も窪まされた最深部とされるとともに、該壁面の前記膜圧方向に沿って両端部分に向かうに連れ漸次夫々深さが浅くなるように傾斜して、断面凹曲面状に形成される。
次いで、CVD法によりダイヤモンド膜を成膜すると、ダイヤモンド膜は、非マスキング領域における母体の表面の部分及び第1膜の壁面の凹部に生成されていく。詳しくは、ダイヤモンド膜は、母体の表面に平行に積層するように、該表面上及び第1膜の凹部内に生成されていく。
尚、この際、第2膜の壁面には、ダイヤモンド膜は生成されない。
一方、マスキング領域においては、第2膜の表面(すなわち第2膜における母体側とは反対側を向く表面)にダイヤモンド膜が載る。このように第2膜の表面にダイヤモンド膜が載っても、この第2膜上のダイヤモンド膜と、非マスキング領域に生成されたダイヤモンド膜とは、第2膜の壁面において互いに離間されていることから、前記ダイヤモンド膜同士が連結してしまうことが防止される。さらに、第1膜の壁面に凹部が形成されていることから、該凹部における膜厚方向に沿った第2膜側の端部が庇形状をなし、このような前記端部によって、前記ダイヤモンド膜同士がより確実に離間されるとともに、前述の連結が防止される。
従って、ダイヤモンド膜を比較的厚膜に形成しても、前記ダイヤモンド膜同士が連結してしまい所望のダイヤモンド膜の形状が得られなくなるようなことがない。よって、ダイヤモンド膜を比較的厚膜に、かつ、精度よく選択的に形成でき、種々の要望・用途に対応できる。
また、このように、前記ダイヤモンド膜同士の連結が確実に防止されるので、第1、第2膜を取り除く際、第1、第2膜がダイヤモンド膜に被覆されて除去できなくなったり、第1、第2膜を除去した後に、ダイヤモンド膜の内部が中空に形成されてしまったりすることがない。
また、ダイヤモンド膜が成膜された後は、薬液により第1膜を取り除くことで、第1膜上に配された第2膜及び不要なダイヤモンド膜も該第1膜と共に容易に除去できるので、ダイヤモンド膜の製造がより簡便に行える。
また、ダイヤモンド膜に対して選択的にマスキングを施し、該ダイヤモンド膜における非マスキング領域をエッチングによって選択的に除去するような必要がないので、ダイヤモンド膜のコンタミネーションが防止される。
また、本発明に係るダイヤモンド膜の選択的形成方法において、前記マスキングする工程は、前記母体の表面に、前記第1膜及び前記第2膜の膜厚の和よりも厚膜に設定された感光性樹脂膜を選択的に形成し、前記感光性樹脂膜及び露出した前記表面の部分に前記第1、第2膜を順次成膜し、前記感光性樹脂膜を前記母体の表面から取り除くことにより、該母体の表面に前記第1、第2膜を選択的に形成することとしてもよい。
また、本発明に係るダイヤモンド膜の選択的形成方法において、前記マスキングする工程は、前記母体の表面に、前記第1、第2膜を順次成膜し、前記第2膜上に、感光性樹脂膜を選択的に形成し、露出した前記第2膜の部分及びこの部分に対応する前記第1膜の部分をエッチングすることにより、前記母体の表面に前記第1、第2膜を選択的に形成することとしてもよい。
本発明に係るダイヤモンド膜の選択的形成方法によれば、比較的容易に、かつ、確実に、母体の表面に第1、第2膜を選択的に形成して、該表面を、非マスキング領域を有しつつ第1、第2膜によりマスキングすることができる。従って、前述のダイヤモンド膜が簡便に精度よく形成できる。
また、本発明は、基板に形成された複数の切刃を用いて、前記基板に対向配置されたCMPパッドに研削加工を施すCMPパッドコンディショナーであって、前記切刃として、前述のダイヤモンド膜の選択的形成方法により形成された前記ダイヤモンド膜を用いることを特徴とする。
本発明に係るCMPパッドコンディショナーによれば、前述のダイヤモンド膜の選択的形成方法により形成された比較的厚膜の前記ダイヤモンド膜からなる切刃を用いているので、切刃の耐久性が高められ、工具寿命が延長する。また、このダイヤモンド膜が、母体である基板に精度よく選択的に形成されるので、研削性能が安定する。
本発明に係るダイヤモンド膜の選択的形成方法によれば、ダイヤモンド膜を母体の表面に比較的厚膜に、かつ、精度よく選択的に形成できる。また、ダイヤモンド膜に対してマスキング及びエッチングを施す必要がないことから、該ダイヤモンド膜のコンタミネーションが防止される。
また、本発明に係るCMPパッドコンディショナーによれば、前記ダイヤモンド膜を切刃に用いているので、切刃の耐久性が高められ、工具寿命が延長する。
本発明の第1の実施形態に係るダイヤモンド膜の選択的形成方法により形成された切刃を有するCMPパッドコンディショナーを示す部分側断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るダイヤモンド膜の選択的形成手順を説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係るダイヤモンド膜の選択的形成手順を説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係るダイヤモンド膜の選択的形成手順を説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係るダイヤモンド膜の選択的形成手順を説明する図である。
第1の実施形態に係るCMPパッドコンディショナー10は、基板に形成された複数の切刃を用いて、基板に対向配置されたCMPパッドに研削加工を施すものである。
CMPパッドコンディショナー10は、例えば、炭化珪素(SiC)からなり略円板状をなす基板1を有している。また、図1に示すように、基板1のCMPパッド側を向く表面1Aには、切刃2が該表面1Aから突出して複数形成されている。
これらの切刃2は、略円板状に夫々形成されており、切刃2のCMPパッド側を向く表面2Aは、基板1の表面1Aに略平行な平面とされている。また、切刃2の壁面(すなわち表面2Aの外周縁部と基板1の表面1Aとを繋ぐ切刃2の外周面)2Bは、その基板1の板厚方向(図1における上下方向)に沿う断面が凸曲面状とされている。これらの切刃2は、後述するダイヤモンド膜の選択的形成方法により成膜されたダイヤモンド膜Dを用いて形成されている。
次に、ダイヤモンド膜の選択的形成方法、及び、これを用いて切刃2を基板1の表面1Aに形成する手順について説明する。
まず、図2(a)、(b)に示すように、母体である基板1の表面1Aに、感光性樹脂膜11を均一に塗布する。感光性樹脂膜11としては、有機溶剤により表面1Aから取り除くことが可能な材料を用いる。また、感光性樹脂膜11の膜厚Taは、例えば、20μm程度に設定される。
次いで、図2(c)に示すように、この感光性樹脂膜11をパターニングする。詳しくは、表面1A上において、感光性樹脂膜11を、ダイヤモンド膜を成膜する部位に対応して残すように、選択的に除去する。
次に、真空蒸着装置を用いて、図2(d)に示すように、選択的に形成された感光性樹脂膜11及び該感光性樹脂膜11に被覆されずに露出した表面1Aの部分に、第1膜12、第2膜13を順次蒸着し成膜する。第1膜12は、フッ酸等の薬液により除去可能とされ、かつ、ダイヤモンド膜の生成を助長する性質の材料からなり、例えば、SiOを用いることができる。また、第2膜13は、ダイヤモンド膜の生成を阻止する性質の材料からなり、例えば、Alを用いることができる。
また、例えば、第1膜12の膜厚は10μm程度とされ、第2膜13の膜厚は第1膜12よりも薄膜の1μm程度に設定される。詳しくは、第2膜13の膜厚は、ダイヤモンド膜の成膜時に蒸散せず、かつ、ダイヤモンド膜の生成を阻止できる程度に設定されていればよい。また、第1膜12及び第2膜13の膜厚の和Tbは、感光性樹脂膜11の前記膜厚Taよりも小さい値に設定される。
次に、有機溶剤による洗浄を行い、残存した感光性樹脂膜11を表面1Aから取り除く。詳しくは、感光性樹脂膜11の上部及び側部には第1膜12及び第2膜13が夫々配されているが、前述のように、前記膜厚Taは前記膜厚Tbよりも大きい値に設定されている。従って、感光性樹脂膜11は、基板1の表面1Aに直接成膜された第1膜12上における第2膜13の基板1側とは反対側を向く表面13Aよりも、前記反対側へ突出して形成されている。つまり、感光性樹脂膜11において基板1の表面1Aに立設された壁面11Cの上端部が露出しているので、この上端部から感光性樹脂膜11が溶解して、確実に除去されるようになっている。また、この際、感光性樹脂膜11の上部に形成された第1膜12及び第2膜13の部分も、図3(e)に示すように、この感光性樹脂膜11が除去されるのに伴って取り除かれる。
このような工程を経て、第1膜12及び第2膜13が、基板1の表面1Aに選択的に形成される(マスキング工程)。つまり、基板1の表面1Aには、第1膜12及び第2膜13に被覆されたマスキング領域と、第1膜12及び第2膜13に被覆されずに露出した非マスキング領域とが夫々形成される。
次いで、フッ酸を過酸化水素水で希釈したものを用い、非マスキング領域における表面1Aの部分の周縁部に立設する第1膜12の壁面12Cを溶解して、図3(f)に示すように、該壁面12Cに凹部12Dを形成する。詳しくは、凹部12Dは、第1膜12の壁面12Cにおいて膜厚方向に沿った中央部分が最も窪まされた最深部とされるとともに、該壁面12Cの前記膜圧方向に沿って両端部分に向かうに連れ漸次夫々深さが浅くなるように傾斜して、断面凹曲面状に形成される。
次いで、図3(g)に示すように、ダイヤモンド成膜装置を用い、CVD法によりダイヤモンド膜Dを成膜すると、非マスキング領域では、このダイヤモンド膜Dは、表面1Aの部分及び第1膜12の凹部12Dに生成されていく。詳しくは、非マスキング領域において、ダイヤモンド膜Dは、基板1の表面1Aに対して平行に積層するように、該表面1A上及び第1膜12の凹部12D内に生成されていき、該ダイヤモンド膜Dの表面2A(すなわちダイヤモンド膜Dにおいて基板1側とは反対側を向く表面)が平面に形成される。また、ダイヤモンド膜Dの膜厚は、成膜時間により制御することができ、例えば、5μm程度に設定される。
この際、第2膜13において、第1膜12の壁面12Cに連なるように形成される壁面13Cには、ダイヤモンド膜Dは生成されない。
また、マスキング領域においては、第2膜13の表面13Aに、ダイヤモンド膜Dが形成される。
次いで、フッ酸を用いて、基板1の表面1Aから第1膜12を取り除く。尚、前述のように、第1膜12上には第2膜13及びダイヤモンド膜Dが形成されているが、第1膜12が除去されることにより、図3(h)に示すように、第1膜12と共にこれらの第2膜13及びダイヤモンド膜Dも表面1Aから取り除かれる。
このように、基板1の表面1Aに、略円板状のダイヤモンド膜Dが選択的に複数形成される。また、図示のように、ダイヤモンド膜Dの表面2Aの外周縁部と基板1の表面1Aとを繋ぐ壁部2Bは、第1膜12の凹部12Dの形状に対応して、その膜厚方向に沿う断面が凸曲面状に形成される。
また、このように形成されたダイヤモンド膜Dが、CMPパッドコンディショナー10の切刃2に用いられる。
以上説明したように、本実施形態に係るダイヤモンド膜Dの選択的形成方法によれば、母体である基板1の表面1Aに、ダイヤモンド膜Dの生成を助長する性質の第1膜12と、この第1膜12上に配され、ダイヤモンド膜Dの生成を阻止する性質の第2膜13と、が選択的に形成され、表面1Aには、第1膜12及び第2膜13により被覆されたマスキング領域と、被覆されずに露出した非マスキング領域とが形成される。
次いで、希釈したフッ酸を用い、第1膜12の壁面12Cを溶解して、この壁面12Cに凹部12Dを形成した後、CVD法によりダイヤモンド膜Dを成膜すると、ダイヤモンド膜Dは、非マスキング領域における基板1の表面1Aの部分及び第1膜12の凹部12Dに生成されていく。
一方、マスキング領域においては、第2膜13の表面13Aにダイヤモンド膜Dが載る。
このように第2膜13の表面13Aにダイヤモンド膜Dが載っても、この第2膜13上のダイヤモンド膜Dと、非マスキング領域に生成されたダイヤモンド膜Dとは、第2膜13の壁面13Cにおいて互いに離間されていることから、前記ダイヤモンド膜D同士が連結してしまうことが防止される。さらに、第1膜12の壁面12Cに凹部12Dが形成されていることから、該凹部12Dにおける膜厚方向に沿った第2膜13側の端部が庇形状をなし、このような前記端部によって、前記ダイヤモンド膜D同士がより確実に離間されるとともに、前述の連結が防止される。
従って、ダイヤモンド膜Dを比較的厚膜に形成しても、前記ダイヤモンド膜D同士が連結してしまい所望のダイヤモンド膜Dの形状が得られなくなるようなことがない。よって、非マスキング領域において、ダイヤモンド膜Dを比較的厚膜に、かつ、精度よく選択的に形成でき、種々の要望・用途に対応できる。
また、このように、前記ダイヤモンド膜D同士の連結が確実に防止されるので、第1膜12及び第2膜13を取り除く際、第1膜12及び第2膜13がダイヤモンド膜Dに被覆されて除去できなくなったり、第1膜12及び第2膜13を除去した後に、ダイヤモンド膜Dの内部が中空に形成されてしまったりすることがない。
また、ダイヤモンド膜Dが成膜された後は、フッ酸により第1膜12を取り除くことで、第1膜12上に形成された第2膜13及び不要なダイヤモンド膜Dも該第1膜12と共に容易に除去できるので、ダイヤモンド膜Dの製造がより簡便に行える。
また、成膜されたダイヤモンド膜Dに対して、マスキング及びエッチングを施す必要がないことから、ダイヤモンド膜Dのコンタミネーションが防止される。すなわち、従来では、基板1の表面1Aにダイヤモンド膜Dを選択的に形成するための手法として、例えば、CVD法により表面1Aにダイヤモンド膜Dを均一に成膜した後、このダイヤモンド膜Dに対して選択的にマスキングを施し、該ダイヤモンド膜Dにおける非マスキング領域をエッチングによって選択的に除去することが行われていた。この場合、ダイヤモンド膜Dのコンタミネーションが考えられ、また、洗浄等の工程が増え製造が煩雑になるが、本実施形態ではこのようなコンタミネーションが確実に防止でき、また、製造が比較的容易となる。
また、基板1の表面1Aに感光性樹脂膜11を選択的に形成し、第1膜12及び第2膜13を成膜した後、感光性樹脂膜11を除去することで第1膜12及び第2膜13を表面1Aに選択的に形成することとしているので、該表面1Aに対するマスキングが精度よく確実に行える。また、製造工程が簡便となる。
また、本実施形態に係るCMPパッドコンディショナー10によれば、前述のダイヤモンド膜Dの選択的形成方法により形成された比較的厚膜のダイヤモンド膜Dからなる切刃2を用いているので、切刃2の耐久性が高められ、工具寿命が延長する。また、このダイヤモンド膜Dが、母体である基板1に精度よく選択的に形成されるので、研削性能が安定する。
次に、本発明の第2の実施形態に係るダイヤモンド膜の選択的形成方法について説明する。
尚、前述の第1の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
まず、真空蒸着装置を用いて、図4(a)、(b)に示すように、母体である基板1の表面1Aに、第1膜12及び第2膜13を順次蒸着し成膜する。
次いで、図4(c)に示すように、第2膜13の表面13Aに感光性樹脂膜11を均一に塗布する。
次いで、図4(d)に示すように、この感光性樹脂膜11をパターニングする。詳しくは、感光性樹脂膜11を、ダイヤモンド膜を成膜する部位以外の部分に対応して残すように、選択的に除去する。
次いで、ドライエッチングを施し、第2膜13において感光性樹脂膜11に被覆されずに露出した部分、及び、前記部分に対応する第1膜12の部分を取り除くとともに、図5(e)に示すように、基板1の表面1Aにおいてダイヤモンド膜を成膜させる部分を露出させる。尚、このドライエッチングとしては、リアクティブイオンエッチングを用いることが好ましい。
このような工程を経て、第1膜12、第2膜13及び感光性樹脂膜11が、基板1の表面1Aに選択的に形成される(マスキング工程)。つまり、基板1の表面1Aには、第1膜12、第2膜13及び感光性樹脂膜11に被覆されたマスキング領域と、第1膜12、第2膜13及び感光性樹脂膜11に被覆されずに露出した非マスキング領域とが夫々形成される。
次に、有機溶剤による洗浄を行い、残存した感光性樹脂膜11を表面13Aから取り除く。すなわち、アセトン、メタノール等の薬品を用い、有機洗浄により、マスキング領域に残された感光性樹脂膜11を第2膜13上から除去する。
次いで、フッ酸を過酸化水素水で希釈したものを用い、非マスキング領域における表面1Aの部分の周縁部に立設する第1膜12の壁面12Cを溶解して、図5(f)に示すように、該壁面12Cに凹部12Dを形成する。
次いで、図5(g)に示すように、ダイヤモンド成膜装置を用い、CVD法によりダイヤモンド膜Dを成膜すると、非マスキング領域では、このダイヤモンド膜Dは、表面1Aの部分及び第1膜12の凹部12Dに生成されていく。
尚、前述の、残存した感光性樹脂膜11を有機洗浄により表面13Aから除去する手法の代わりに、このダイヤモンド膜Dの成膜時に、前記感光性樹脂膜11を蒸散により表面13Aから除去することとしても構わない。すなわち、ダイヤモンド膜Dの成膜時には、基板1が加熱され、例えば、800℃程度にまで温度上昇するので、この加熱に伴って前記感光性樹脂膜11を蒸散させるとともに、第2膜13上から取り除くようにしても構わない。
次いで、図5(h)に示すように、フッ酸を用いて、基板1の表面1Aから第1膜12を取り除くとともに、該第1膜12上に配された第2膜13及び不要なダイヤモンド膜Dを除去する。
このように、基板1の表面1Aに、比較的厚膜のダイヤモンド膜Dが選択的に複数形成され、これらのダイヤモンド膜Dが、CMPパッドコンディショナー10の切刃2に用いられる。
以上説明したように、本実施形態に係るダイヤモンド膜Dの選択的形成方法によれば、比較的容易に、かつ、確実に、基板1の表面1Aに第1膜12及び第2膜13を選択的に形成して、該表面1Aを、非マスキング領域を有しつつ第1膜12及び第2膜13によりマスキングすることができる。従って、前述のダイヤモンド膜Dが簡便に精度よく形成できる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、ダイヤモンド膜DをCMPパッドコンディショナー10の切刃2に用いることとして説明したが、ダイヤモンド膜Dを、それ以外の電子デバイスや工具等に形成し用いることとしてもよい。
また、ダイヤモンド膜Dの形状は、前述の略円板状に限定されるものではない。すなわち、略円板状以外の略矩形板状やそれ以外の略多角形板状とされていても構わない。
また、前述の実施形態では、SiCからなる基板1を母体として、基板1上にダイヤモンド膜Dを成膜することとしたが、この母体として、SiC以外の炭化タングステン(WC)や窒化珪素(Si)又はそれ以外の化合物や金属等を用いても構わない。
また、第1膜12にSiOを用い、第2膜13にAlを用いることとして説明したが、これらに限定されるものではない。すなわち、第1膜12は、薬液により除去可能とされ、かつ、ダイヤモンド膜Dの生成を助長する性質の材料であればよく、SiO以外の白金(Pt)等であってもよい。また、第2膜13は、ダイヤモンド膜Dの生成を阻止する性質の材料であればよく、Al以外の酸化アルミ(AlO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン(Ti)等であってもよい。尚、第2の実施形態の第2膜13にAlOを用いる場合、図4(d)において非マスキング領域に配された第2膜13の部分を、熱リン酸により選択的に取り除くこととしてもよい。
また、第1膜12を除去可能な薬液として、フッ酸を用いることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、薬液として、フッ酸以外のフッ素系薬品、例えば、バッファードフッ酸等を用いても構わない。
また、感光性樹脂膜11、第1膜12、第2膜13及びダイヤモンド膜Dの各膜厚は、前述の実施形態において説明した数値に限定されるものではない。
また、第2の実施形態では、第2膜13において感光性樹脂膜11に被覆されずに露出した部分、及び、前記部分に対応する第1膜12の部分をドライエッチングにより取り除くこととしたが、これに限らず、ウェットエッチングにより取り除くこととしても構わない。
1 基板(母体)
1A 基板の表面
2 切刃(ダイヤモンド膜)
10 CMPパッドコンディショナー
11 感光性樹脂膜
12 第1膜
12C 第1膜の壁面
12D 凹部
13 第2膜
D ダイヤモンド膜
Ta 感光性樹脂膜の膜厚
Tb 第1膜及び第2膜の膜厚の和

Claims (4)

  1. 母体の表面に、薬液により除去可能とされ、かつ、ダイヤモンド膜の生成を助長する性質の第1膜と、前記第1膜上に配されるとともにダイヤモンド膜の生成を阻止する性質の第2膜と、を選択的に形成して、該表面を、非マスキング領域を有しつつ前記第1、第2膜によりマスキングする工程と、
    前記薬液を希釈して用い、非マスキング領域における前記表面の部分の周縁部に立設する前記第1膜の壁面を溶解して、該壁面に凹部を形成する工程と、
    CVD法により、前記表面の部分及び前記凹部にダイヤモンド膜を生成させる工程と、
    前記薬液により前記第1膜とともに前記第2膜を前記母体の表面から取り除く工程と、を備えることを特徴とするダイヤモンド膜の選択的形成方法。
  2. 請求項1に記載のダイヤモンド膜の選択的形成方法であって、
    前記マスキングする工程は、前記母体の表面に、前記第1膜及び前記第2膜の膜厚の和よりも厚膜に設定された感光性樹脂膜を選択的に形成し、
    前記感光性樹脂膜及び露出した前記表面の部分に前記第1、第2膜を順次成膜し、
    前記感光性樹脂膜を前記母体の表面から取り除くことにより、該母体の表面に前記第1、第2膜を選択的に形成することを特徴とするダイヤモンド膜の選択的形成方法。
  3. 請求項1に記載のダイヤモンド膜の選択的形成方法であって、
    前記マスキングする工程は、前記母体の表面に、前記第1、第2膜を順次成膜し、
    前記第2膜上に、感光性樹脂膜を選択的に形成し、
    露出した前記第2膜の部分及びこの部分に対応する前記第1膜の部分をエッチングすることにより、前記母体の表面に前記第1、第2膜を選択的に形成することを特徴とするダイヤモンド膜の選択的形成方法。
  4. 基板に形成された複数の切刃を用いて、前記基板に対向配置されたCMPパッドに研削加工を施すCMPパッドコンディショナーであって、
    前記切刃として、請求項1〜3のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の選択的形成方法により形成された前記ダイヤモンド膜を用いることを特徴とするCMPパッドコンディショナー。
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