JP2008218820A - ウェーハとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウェーハの強度を低下させる原因となる応力集中部(厚板部と薄板部の連結部分)の角張りと、ウェーハの表面の荒れを同時に低減できるウェーハの製造方法とウェーハを提供する。
【解決手段】 本発明のウェーハ2の製造方法は、ウェーハ2の外周縁からαだけ内側にオフセットされている境界線に沿った範囲において、ウェーハ2の表面から裏面に向けて伸びているトレンチ6を形成する工程と、ウェーハ2の表面から、トレンチ6よりも内側の領域のウェーハ2の表面が、トレンチ6の底面に達するまで、トレンチ6の内側に存在する半導体を除去する工程を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウェーハの外周縁から内側にオフセットされた位置を伸びている境界線の内側の領域が薄板化されているウェーハと、その製造方法に関する。即ち、境界線の内側の領域が薄板化されているとともに、その境界線の外側に厚板部が存在しており、その厚板部が薄板部を保護する保護フレームとして機能するウェーハと、その製造方法に関する。
携帯電話等の小型装置に組み込む半導体デバイスの小型化に伴い、半導体チップを薄板化したいとする要求が高まってきている。また、大電力を制御する半導体デバイスでは、半導体チップの表面と裏面に電極を形成し、半導体チップの厚み方向に電流を流すことがある。この形式では、半導体チップの厚みが半導体装置の性能に直結する。このために、半導体チップを薄板化したいとする要求がここにも存在する。このため、半導体チップを形成するウェーハを薄板化することが必要となってきている。
しかしながら、ウェーハを薄板化すると、ウェーハの強度が損なわれるという問題が生じる。薄板化されたウェーハには、たわみやクラックが生じやすい。薄いウェーハは、搬送時の衝撃によって割れやすい。また、薄いウェーハを熱処理すると、熱膨張等に起因して撓みやすい。近年では直径が300mmに達する大口径のウェーハを形成することが可能となってきているが、大型のウェーハを薄板化すると、上述したような薄板化した際の問題が顕著に現れる。薄板化されたウェーハは、ハンドリングが難しくなる。
薄板化したウェーハを支持板に接着することによって補強し、補強した状態で加工工程を進める技術が知られている。しかしながら、この方法では、支持板の貼り剥がし工程が追加され、製造コストが高くなるという問題が生じる。また、ウェーハと支持板を接着する接着材の耐熱性が低いために、ウェーハを熱処理することが困難となるという問題が生じてしまう。
そこで、ウェーハの外周縁から内側にオフセットされた位置を伸びている境界線の内側の領域のみが薄板化されているウェーハの開発が進められている。このタイプのウェーハは、境界線の外側に存在する厚板部が、薄板部を保護する保護フレームとして機能する。このタイプのウェーハによると、薄板部を補強した状態で、薄板部を必要な厚みにまで薄板化することができる。
特許文献1に、ウェーハの周辺部以外の領域(内側領域)を、エッチング、研磨、あるいはサンドブラスト等の手法を用いて薄板化し、周辺部に厚板部を残存させる技術が開示されている。
特開2004−281551号公報
特許文献1の技術によれば、薄板部の周囲に残存している厚板部によって薄板部が補強されるので、ウェーハをハンドリングしやすくなる。しかしながら、なおも改良の余地が残されている。
特許文献1の技術によって製造されるウェーハは、厚板部と薄板部の連結部にシャープな角部が形成される。そのために、その角部には応力が集中しやすい。特許文献1の技術によって製造されるウェーハは、厚板部と薄板部の連結部で破損しやすい。
等方性エッチングを用いてウェーハの薄板部を形成する場合、サイドエッチングによって厚板部の内壁までが削り取られてしまう。あるいは、マイクロエッチングによって、厚板部と薄板部の連結部が過剰に削り取られてしまうことがある。
研磨やサンドブラストによって薄板部を形成する場合、厚板部の内壁と薄板部の表面に微小なクラックや荒れ等の傷が生じることがある。厚板部の内壁と薄板部の表面に上記のような欠陥が生じると、ウェーハが脆弱化してしまう。
本発明者は、厚板部と薄板部の連結部に応力が集中しづらいウェーハを実現すると、ウェーハをハンドリングしやすくなることを確認した。そのためには、異方性エッチングを利用して、厚板部を形成する工程と、薄板化する工程を分けて実施するのが有利であることを確認した。
本発明は、ウェーハの外周縁から内側にオフセットされた位置を伸びている境界線の内側の領域が薄板化されているウェーハを製造する方法に関する。即ち、内側に存在する薄板部を外側に存在する厚板部が取り囲んでいるウェーハを製造する方法に関する。
本発明の方法は、境界線に沿った範囲に異方性エッチングを施すことによって、境界線に沿ってウェーハの表面から裏面に向けて伸びるトレンチを形成する工程と、ウェーハの表面から、トレンチの内側に存在するウェーハの表面がトレンチの底面に達するまで、トレンチの内側に存在する半導体を除去する工程を備えている。
本方法では、異方性エッチングを施すことによって、境界線に沿って一巡するトレンチを形成する。トレンチを形成することによって、ウェーハは、トレンチの内側と外側の領域に分けられ、外側の領域が厚板部となる。この段階で厚板部が形成される。本方法では、その後に、トレンチの内側に存在する半導体を除去する。トレンチの深さは、そのウェーハを用いて作成する半導体チップの厚みに応じて調整することができる。トレンチの深さを予め調整しておくことによって、トレンチの内側に存在するウェーハの表面がトレンチの底面に達するまで除去工程を継続すると、トレンチの内側のウェーハの厚みが、そのウェーハを用いて作成する半導体チップの厚みに応じた厚みとなるまで薄板化される関係を得ることができる。
異方性エッチングによってトレンチを形成すると、トレンチの側壁と底面の境界は丸みを帯びた形状にエッチングされる。しかも、トレンチの側壁は、エッチングの際に生じる副生成物によって保護されるために平滑面となる。本方法で形成されるトレンチの外側の側壁は厚板部の内壁となり、トレンチの外側の側壁と底面の境界は厚板部と薄板部の境界ないしは連結部となる。平滑な内面を持つ厚板部と、丸みを帯びた厚板部と薄板部の連結部を得ることができる。
本方法で得られるウェーハは、厚板部と薄板部の連結部が丸みを帯びており、連結部に応力が集中しづらい。厚板部の内面は平滑であって、厚板部の強度が高い。薄板化するための除去工程では、薄板部に必要とされる表面粗さを確保できる除去方法を採用することができる。本方法で得られるウェーハは、薄板部を必要な薄さにまで薄板化しても、ハンドリングしやすい。
トレンチ形成工程の後に、トレンチ内にウェーハよりも高いヤング率を有する材料を充填する工程を備えており、トレンチ内に充填した材料を残存させた状態で薄板化することもできる。
上記の方法では、例えば金属等のウェーハよりもヤング率の高い材料をトレンチ内に埋め込むことができる。あるいは、カーボン含有シリコン等のように成膜可能な材料であれば、化学蒸着等の手法を用いてトレンチ内に充填することができる。トレンチ内部に充填する材料は、ウェーハよりもヤング率が高ければよく、特に限定されない。例えば、ウェーハがシリコンで構成されるのであれば、シリコンよりもヤング率が高い材料をトレンチ内に充填すればよい。
トレンチ内部に充填された材料は、薄板化した後も残存する。即ち、ウェーハよりもヤング率の高い材料が厚板部の内壁を覆っているウェーハを得ることができる。厚板部の内壁を覆っている材料は、厚板部を補強する。あるいは、薄板化処理の段階で、厚板部の内壁を保護する。
本方法によると、ウェーハよりも高いヤング率を有する材料がウェーハの厚板部を補強するので、中央領域が薄板化された大型のウェーハであっても、そのハンドリングを容易化する。
本発明のウェーハの製造方法では、トレンチ幅の7〜9倍の深さに達するまで異方性エッチングを継続することが好ましい。
トレンチ幅に対して深さが浅すぎる場合、トレンチ内の内壁を平滑に形成することが難しい。トレンチ幅に対して深さが深すぎる場合は、そのような形状のトレンチを形成すること自体が困難である。このような知見に基づき、発明者が試験したところ、トレンチの深さがトレンチ幅の7〜9倍の深さに達するまで異方性エッチングを継続することで、その内壁が平滑に形成され、かつ、底面と側面の境界部分にR形状を有するトレンチが形成可能であることが確認された。本方法によると、厚板部と薄板部の連結部が良好なR形状を備えており、しかも厚板部の内壁が平滑なウェーハを製造することができる。
本発明のウェーハの製造方法の除去工程では、ウェーハを機械的に研磨してもよい。
機械的に研磨する場合、研磨工程よりも前の工程でトレンチが形成されているので、研磨機器で研磨する部位(トレンチの内側の領域、あるいは、薄板部)と、その周辺部(トレンチの外側の領域、即ち、厚板部の内壁)との間にクリアランスが保たれる。よって、研磨機器がウェーハの厚板部の内壁に接触しない。厚板部の内壁に、研磨機器との接触に起因する微小なクラックや荒れ等の傷が生じることを防ぎ、内壁の平滑さを保つことができる。ウェーハの表面の傷や荒れを低減し、ウェーハの強度を補強することができる。
本発明のウェーハの製造方法の除去工程では、ウェーハに等方性エッチングを施してもよい。
等方性エッチングを施しても、トレンチの内側の領域を薄板化することができる。例えば、トレンチ内の外側の壁壁(厚板部の内壁)から、内壁に連続する底面の一部(トレンチの側壁と底面間に存在するコーナ部に連続する底面)までをマスクしておけば、マスキングされた部位はエッチングされない。ウェーハの表面に、サイドエッチングやマイクロエッチング等の荒れを生じさせることがない。
本発明によると、厚板部の内壁と、厚板部と薄板部の連結部分に、等方性エッチングに起因する歪みや荒れ等が生じることを防ぐことができる。ウェーハの表面の傷や荒れを低減し、ウェーハの強度を補強することができる。
本発明はまた、ウェーハの外周縁から内側にオフセットされた位置を伸びている境界線よりも内側の領域が薄板化されており、境界線の外側に存在している厚板部の内壁を、ウェーハよりも高いヤング率を有する材料が被覆しているウェーハを提供する。
上記のウェーハは、例えば、本明細書に開示されている製造方法を用いて作成することができる。すなわち、境界線に沿った範囲に異方性エッチングを施して、境界線に沿ってウェーハの表面から裏面に向けて伸びているトレンチを形成する工程と、トレンチ内にウェーハよりも高いヤング率を有する材料を充填する工程と、トレンチ内に充填した高ヤング率を有する材料を残存しながら、ウェーハの表面から、トレンチの内側に存在するウェーハの表面がトレンチの底面に達するまで、トレンチの内側に存在する半導体を除去する工程を実施して作成することができる。この場合、ウェーハは、厚板部と薄板部を連結する部分がR形状を有しており、ウェーハよりも高いヤング率を有する材料が、ウェーハのR形状の連結部分と厚板部の内壁を覆っている。
なお、本発明のウェーハは、上述した方法以外の製造方法で作成することもできる。例えば、薄板部を形成した後に、高ヤング率を有する材料を厚板部の内壁に塗布するか、あるいは接着して作成してもよい。
本発明によると、ウェーハよりも剛性の高い材料が厚板部の内壁に沿って形成されているため、強度が補強されたウェーハを提供することができる。薄板化されたウェーハのハンドリングを容易化することができる。
本発明によると、ウェーハの表面を平滑に形成するとともに、ウェーハの強度を補強することができる。破損しにくく、強度のあるウェーハを提供することができる。ウェーハのハンドリングが容易化され、半導体装置を高歩留まりで作成することが可能となる。
最初に、以下に説明する実施例の主要な特徴を列記する。
(形態1) ウェーハの外周縁から内側にオフセットされた位置を伸びている境界線に沿った範囲と、その境界線の内側の領域内に分布している複数個の範囲に、高アスペクト比のドライエッチングを実施する。その後に、境界線の内側の領域に表面が、トレンチの底面に達するまで、境界線の内側の領域に存在する半導体を除去する。
(形態2) トレンチ内に充填する材料は、ウェーハよりも高いヤング率を有し、かつ、成膜可能な材料である。
本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。以下の説明において、トレンチ幅に対するトレンチの深さの比を、アスペクト比という。なお、トレンチがウェーハの外周縁に沿って一巡するように形成されている場合は、トレンチ幅は、径方向に測定した幅を意味する。
(第1実施例)
図1に、本実施例のウェーハ2の作成工程を表わす図を示す。図1(a)に示す加工前のウェーハ2は、シリコンで構成されており、平面視すると円形である。ウェーハ2の下面側には、半導体チップが必要する半導体構造が既に形成されている。ウェーハ2は、約700μm程度の厚みを有しており、その厚みは全面において均一である。700μm程度の厚みを有していれば、比較的簡単にハンドリングすることができる。
例えば、小型の半導体デバイスを作成する場合や、表面と裏面に1対の主電極を備える半導体装置を製造する場合には、ウェーハを薄板化する必要がある。よって、ウェーハの強度を保ちつつ、半導体装置が作成される領域のウェーハを薄板化しなければならない。以下では、ウェーハの外周縁から内側にオフセットされた位置を伸びている境界線の内側の領域が薄板化されているウェーハ2の製造方法について説明する。
まず、ウェーハ2の上面にレジストマスク4を形成する(図1(b)を参照)。レジストマスク4は、例えば、ウェーハ2の上面にスピンコート手法を用いてフォトレジスト液等のレジスト材料を塗布して形成することができる。図1(b)に示す工程では、レジストマスク4の表面において、ウェーハ2の外周縁から内側にαμmだけオフセットされた位置を伸びている境界線に沿った範囲に存在しているフォトレジスト液を感光させ、その部分のレジスト材料を除去することで、ウェーハ2の一部を露出させる。
境界線は、ウェーハ2の外周縁に沿って一巡するように形成されているので、レジストマスク4に形成される露出部分もまた、外周縁に沿って一巡している。
なお、オフセット量α(すなわち、図1(e)の厚板部10の幅)は、ウェーハ2の直径と、境界線の内側の領域(すなわち、図1(e)に示す薄板部8)の厚みと、境界線の外側の領域(すなわち、厚板部10)の厚みおよび/または形状と、ウェーハ2の反りや撓みの許容値等の、種々の条件に応じて適宜決定される。例えば、ウェーハ2の直径が6インチの場合と12インチの場合とでは、薄板部8の面積が異なるために、必要となる厚板部の幅αも異なってくる。また、薄板部8と厚板部10の厚みが薄いほど、厚板部10の幅αを大きくする必要がある。また、厚板部10にアラインメント用のノッチ(切欠き)が設けられている場合は、その部分に応力が集中するために、ノッチ部分を加味したオフセット量αを設定する必要がある。この場合、例えば、厚板部の幅αは、ノッチが設けられていない領域と、ノッチが設けられている領域とにおいて、異なる値をとってもよい。さらに、ウェーハ2の加工設備側で許容できるウェーハ2の変形量の大きさに応じて、オフセット量αを決定することができる。
次に、ウェーハ2を露出させた部分(境界線に沿った範囲)において、ウェーハ2の表面から裏面に向けて伸びているトレンチ6を形成する(図1(c)を参照)。トレンチ6は、ウェーハ2を露出させた部分に、ウェーハ2の表面から裏面に向けて異方性エッチングを施して形成することができる。トレンチ6は、ウェーハ2の直径方向のトレンチ幅がxμmであり、厚み方向の深さがyμmである。すなわち、トレンチ6のアスペクト比はy/xであり、7≦y/x≦9を満たす範囲内で決定されている。
上述の工程では、ドライエッチングを用いてトレンチ6を形成する。図2に、トレンチ6のエッチング処理を説明する図を示す。ドライエッチングには、例えば、フッ素系ガスをエッチングガスとして用いることができる。レジストマスク4からウェーハ2を露出させた部分では、ウェーハ2の表面から裏面に向かう方向(すなわち、図2の矢印D1で示す方向)から、プラズマ化したフッ素系ガスがウェーハ2の表面に打ち込まれる。プラズマガスが接触した部分、すなわち、トレンチ6の底面では、ウェーハ2のシリコンとプラズマガスのフッ素が化学反応を起こし、SiF等の揮発性のシリコン反応物12が生成される。生成されたシリコン反応物12はトレンチ6の底面から矢印D2やD3で示す方向へ放出され、凝縮する。凝縮した副生成物14は、トレンチ6の内壁に付着する。副生成物14がトレンチ6の内壁に付着することで、内壁をプラズマガスから保護する役割を果たす。この一方で、エッチングを継続している間は、トレンチ6の底面では上述した化学反応が起こり続け、トレンチ6は、D1方向に向かって深さを増していく。
トレンチ6のアスペクト比が7〜9であると、適量の副生成物14が内壁に付着し、トレンチ6の内壁を平滑に形成することができるとともに、トレンチ6の底面を丸みを帯びた形状に形成することができる。仮に、トレンチ6のアスペクト比が小さすぎる場合(例えば、アスペクト比がy/x<7の場合)は、例えば、高アスペクト比のトレンチ形成に適したボッシュ法を用いた場合、トレンチ6の内壁を平滑に形成することができない。ボッシュ法では、トレンチ6の内壁に段差が形成されるが、アスペクト比が7を超えると、その段差が消え、平滑になることが知られている。この一方で、トレンチ6のアスペクト比が大きすぎる場合(例えば、アスペクト比が9<y/xの場合)は、副生成物14が付着する内壁の面積に対してトレンチ6の底面積が小さく、トレンチ6が極端に細長い構造となるので、そのアスペクト比を保った状態で所望の深さにまでエッチングを施すことができない。アスペクト比が7〜9を保たれるような条件でエッチングを継続することで、その内壁が平滑に形成され、かつ、内壁と底面の連結部分が丸みを帯びたR形状のトレンチ6を形成することが可能となる。
上記の方法によって境界線に沿って一巡するトレンチ6を形成した後に、ウェーハ2からレジストマスク4を除去する処理を施す(図1(d)を参照)。レジストマスク4は、例えば、剥離液を用いるか、アッシング等の手法を用いて除去することができる。
次いで、図1(e)に示すように、ウェーハ2の表面から、トレンチ6の内側の領域のウェーハ2の表面が、トレンチ6の底面に達するまで、トレンチ6の内側に存在する半導体を除去する処理を実施する。ウェーハ2の外周縁から内側にαだけオフセットされている境界線の内側に、薄板化された薄板部8を形成することができる。このとき、トレンチ6の外側の厚板部10は、厚みのある状態で残されている。すなわち、トレンチ6の内壁のうち、内側にある内壁が除去され、外側にある内壁と、この内壁と底部を連結する丸みを帯びた連結部分が残される。厚板部10と薄板部8の連結部分が丸みを帯びたR形状を有するウェーハ2を製造することができる。
なお、この工程では、機械的に研磨する手法を用いてもよいし、ウェットエッチング等の等方性エッチングを用いてもよい。
図1(e)に示す工程で機械的に研磨する手法を用いる場合、この研磨工程よりも前の工程(すなわち、図1(c)に示した工程)においてトレンチ6が形成されているので、研磨機器で研磨する部位(すなわち、トレンチ6の内側の領域、あるいは、薄板部8)とウェーハ2の周辺部(トレンチ6の外側の側壁、あるいは、厚板部10の内壁)との間にクリアランスが保たれる。すなわち、研磨機器がウェーハ2の厚板部10の内壁に接触しない。厚板部10の内壁に、研磨機器との接触に起因する微小なクラックや荒れ等の傷が生じることを防ぐことができる。
なお、研磨によって薄板部8を形成する場合、図1(d)に示したレジストマスク4の除去工程は、省略することもできる。例えば、トレンチ6の形成後に、厚板部10の厚みを調整する必要がない場合や、厚板部10の表面からレジストマスク4を除去する必要がない場合等には、図1(c)に示した工程を実施した後に、直接的に図1(e)に示したウェーハ2を薄板化する工程を実施してもよい。
図1(e)に示す工程にウェットエッチング等の等方性エッチングを用いる場合は、厚板部10の内壁から内壁と連結する底面の一部までをマスクしておけば、マスキングされた部位はエッチングされない。厚板部10の内壁や、内壁と底面の連結部分に、サイドエッチングやマイクロエッチング等による荒れを生じさせることがない。トレンチ6の内側に存在する部位だけがエッチングによって除去され、厚板部10の内壁や、厚板部10と薄板部8の連結部分に、等方性エッチングに起因する歪みや荒れ等が生じることを防ぐことができる。
図1(a)〜(e)に示した一連の処理を実施することで、外周縁に沿って形成されている厚板部10と、厚板部10よりも内側において厚板部10と一体に形成されている薄板部8を備えているウェーハ2を作成することができる。ウェーハ2では、厚板部10と薄板部8の連結部分がスムースなR形状に形成されている。連結部分に応力集中が生じることを防ぐことができる。
さらに、図1に示した作成方法では、トレンチ6を形成することによってウェーハ2の厚板部10の内壁を形成してからトレンチ6の内側の領域を薄板化するので、ウェーハ2の厚板部10の内壁と薄板部8の表面のそれぞれを平滑に形成することができる。ウェーハ2の強度を補強するとともに、ハンドリングを容易化することができる。
また、図1(c)に示した工程で、外周に沿って一巡するトレンチ6を形成した後に、トレンチ6の内側の領域にもドライエッチングを施して、複数個のトレンチ7を形成してもよい(図3と図4を参照)。
図1(c)に示すように、トレンチ6を形成した直後のトレンチ6の内側の領域は、トレンチ6の外側(厚板部10)と同じ厚みを持っている。そのトレンチ6の内側の領域に、例えば、図3と図4に示すように、格子状に分散されている複数の位置でドライエッチングを施すことで、トレンチ7を形成することができる。トレンチ7は、トレンチ6と同様のアスペクト比を有しており、ウェーハ2のトレンチ6の内側には、厚板部10と同じ厚みをもつ表面が柱状に残される。次いで、残された柱をエッチング等によって除去することで、図1(e)に示すような薄板部8を形成することができる。
この方法によると、トレンチ6の内側に存在する半導体を段階的に除去するので、エッチングのみを用いた場合でも、比較的に短時間で薄板部8を形成することができる。
上記の方法によると、ウェーハ2の厚板部10と薄板部8の連結部分をスムースなR形状に形成することができるので、その連結部分の付近に応力が集中することがない。さらに、上記の方法によると、厚板部10の内壁と薄板部8の表面のそれぞれの傷や荒れを低減し、平滑に形成することができる。ウェーハ2の強度を補強し、ハンドリングを容易化することができる。
(第2実施例)
図5に、本実施例のウェーハ2の製造工程を表わす。図5(a)〜(d)では、図1(a)〜(d)と同様の工程を実施する。すなわち、加工前のウェーハ2(図5(a)を参照)に対して、レジストマスク4を形成する処理(図5(b)を参照)と、トレンチ6を形成する処理(図5(c)を参照)と、レジストマスク4を除去する処理(図5(d)を参照)を実施する。
なお、レジストマスク4を除去する処理は、本実施例においても、第1実施例と同様に省略できる場合がある。また、図3と図4に示したように、トレンチを形成する工程において、トレンチ6の内側にトレンチ7を形成してから薄板部8を形成してもよい。
図5(e)に示す工程では、図5(c)に示した工程で形成したトレンチ6内に、ウェーハ2よりも高いヤング率を有する材料16を充填する。本実施例では、トレンチ6の内部に充填する材料16として、シリコンで構成されるウェーハ2よりもヤング率が高く、かつ、成膜可能な材料を用いる。例えば、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、CVDダイヤモンド等のカーボン材料を含有するシリコンを用いることができる。この場合、充填する材料16は、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の手法を用いてトレンチ6に充填することができる。
CVD等の手法を用いて材料16をトレンチ6に充填する場合には、図5(e)に示したように、ウェーハ2の表面にも被膜が形成される。この場合には、CMP(Chemical Mechanical Polishing)やエッチバック等の手法を用いて、ウェーハ2の表面に被膜した材料16を取り除く処理を実施する(図5(f)を参照)。
図5(g)に示す工程では、ウェーハ2の表面から、トレンチ6の内側の領域の表面がトレンチ6の底面に達するまで、トレンチ6の内側に存在する半導体を除去する。除去方法は、第1実施例と同様に、機械的に研磨する方法を用いてもよいし、エッチングする方法を用いてもよい。いずれの方法を用いる場合であっても、トレンチ6内に充填した材料16は除去されずに、残存している。
図5(a)〜図5(g)に示した一連の処理を実施することで、その外周縁に沿って形成されている厚板部10と、厚板部10の内側に、厚板部10と一体に形成された薄板部8と、厚板部10の内壁をウェーハ2よりも高いヤング率を有する材料16で被覆したウェーハ2を作成することができる(図6を参照)。
本実施例のウェーハ2は、図5(g)に示したように、厚板部10と薄板部8を連結する部分がスムースで丸みを帯びたR形状を有しており、ウェーハ2よりも高いヤング率を有する材料16が、ウェーハ2のR形状の部分と厚板部10の内壁を覆っている。シリコンよりも剛性の高い材料16がウェーハ2の厚板部10の内壁に沿って形成されているため、強度が補強されたウェーハ2を提供することができる。薄板化されたウェーハ2のハンドリングを容易化することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
第1実施例のウェーハの作成工程を表わす図である。 トレンチのエッチング処理を説明する図である。 ウェーハの平面図である。 図3のウェーハのI−I断面図である。 第2実施例のウェーハの作成工程を表わす図である。 ウェーハの平面図である。
符号の説明
2:ウェーハ
4:レジストマスク
6,7:トレンチ
8:薄板部
10:厚板部
12:シリコン反応物
14:副生成物
16:材料

Claims (6)

  1. ウェーハの外周縁から内側にオフセットされた位置を伸びている境界線の内側の領域が薄板化されているウェーハの製造方法であり、
    前記境界線に沿った範囲に異方性エッチングを施すことによって、前記境界線に沿って前記ウェーハの表面から裏面に向けて伸びるトレンチを形成するトレンチ形成工程と、
    前記ウェーハの表面から、前記トレンチの内側に存在する前記ウェーハの表面が前記トレンチの底面に達するまで、前記トレンチの内側に存在する半導体を除去する除去工程、
    を備えているウェーハの製造方法。
  2. 前記トレンチ形成工程の後に、前記トレンチ内にウェーハよりも高いヤング率を有する材料を充填する工程を備えており、
    前記除去工程では、前記トレンチ内に充填した前記材料を残存させることを特徴とする請求項1に記載のウェーハの製造方法。
  3. 前記トレンチ形成工程では、トレンチ幅の7〜9倍の深さに達するまで異方性エッチングを継続することを特徴とする請求項1または2に記載のウェーハの製造方法。
  4. 前記除去工程では、ウェーハを機械的に研磨することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のウェーハの製造方法。
  5. 前記除去工程では、ウェーハに等方性エッチングを施すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のウェーハの製造方法。
  6. ウェーハの外周縁から内側にオフセットされた位置を伸びている境界線の内側の領域が薄板化されているウェーハであり、
    前記境界線よりも外側に存在している厚板部の内壁を、ウェーハよりも高いヤング率を有する材料が被覆していることを特徴とするウェーハ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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