JP5098708B2 - プラズマ処理用ガス供給管ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマCVD法によりプラスチック容器などの内面に被膜を形成する真空成膜装置の構成部材として使用する、ガス供給管ユニットの構造に関する。
プラスチック容器の酸素遮断性を向上させることを主目的として、酸化珪素被膜やダイヤモンドの結晶構造に近い炭素被膜を容器の内外面に施すことが、盛んに行われている。この処方をされた容器は、プラスチック単層のポリエステルあるいはポリエチレン容器の酸素透過度が、上記被膜の無い場合の1/10あるいは1/20にまで低下し、その結果内容物の酸化の進み方が緩慢になることで商品寿命が延び、品質の向上を図ることが可能となった。従って、従来はEVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂)やポリアミドといったガスバリア性樹脂を用いて、多層成型の容器を必要としていた領域にも単層成型の容器が使われるようになった。
ガスバリア性樹脂を用いずに、プラスチック容器の内面に酸化珪素被膜や炭素被膜等の高いガスバリア性を有する被膜を形成する方法として、プラズマCVD法を用いた内面蒸着方法が提案されている。この方法は、原料ガスを化学変化させて薄膜を生成する。通常は、プラスチック容器よりも若干大きい空間に該容器を正立または倒立させ、真空ポンプで排気しながら容器内部に原料ガスを送り、容器内部が50Paから0.5Paの圧力となる領域で、高周波やマイクロ波でガスを励起させて反応を促進させ、薄膜を形成する。
容器の成膜での問題点のひとつは、ガス供給管の膜生成物付着である。容器内面に成膜するために、口元内径よりも細い管を容器内部に挿入して原料ガス及び反応ガスを噴出させる必要があるが、まさに容器の内部で盛んに反応が行なわれるため、ガス供給管の壁面にも反応生成物が付着してしまう。生成物はガス供給管との密着性が悪ければ容易に剥落するし、密着性が良くても膜が厚く堆積したところへプラズマによる発熱で膨張と収縮を繰り返すことにより凝集破壊が生じて、やはり膜は剥がれ落ちる。そして剥がれた膜の切片が容器に残ると、内容物の安全性が損なわれる危険に直面する。そのため、安全性の確保のための工夫が提案されている。
例えば特許文献1では、多孔質で形成されたパイプの端面および側面に適宜直径0.2mmの孔を開けたガス供給管が提案されている。これは孔から容器の複数箇所に向けて成膜ガスを放出させて、ガス供給管に付着する生成物は多孔質面に食いつかせて剥落を防止するという工夫である。この方法は膜の密着性を物理的に向上させガス供給管の交換時期を伸ばす効果があるけれども、付着した膜が厚くなるとガス放出孔を覆ってしまうこと、膜を剥がす工程ではガス放出孔を変形させないようアルカリ液に浸漬するなど化学的な方法での除去が必要となり、物理的な除去方法と比べて遥かに時間がかかること、その間にも成膜作業をするためには予備のガス供給管を用意しなければならず費用が嵩むということもあり、コストの掛かる方法であった。
特開2006−249576号公報
本発明は、ガス供給管に多量の反応生成物が付着するという現象に対して、その膜が剥がれて成膜後の容器内部に残存することを防ぐと同時に、成膜作業に支障なく付着した膜の除去作業ができるように工夫したガス供給管の構造を提案するものである。
請求項1記載の発明は、プラズマ処理室内に保持された容器の内面に被膜を形成する真空成膜装置に用いるプラズマ処理用ガス供給管ユニットであって、該プラズマ処理用ガス供給管ユニットは、容器内に挿入される端部にガスの噴き出しノズルを有するガス供給管と、該ガス供給管を着脱可能に覆うような円筒パイプからなるガス供給管カバーとが配されて、ガス供給管の先端部とガス供給管カバーの先端部との間を着脱可能に埋めるノズル
キャップを有し、該ノズルキャップはガス供給管カバーとガス供給管の中心軸を一致させる機能を兼ね備え、かつ、外径がガス供給管カバーよりも僅かに大きく、また、自身の上面と側面で構成される交角部の断面形状が円弧ないしは面取りされた形状であることを特徴とするプラズマ処理用ガス供給管ユニットである。
請求項記載の発明は、上記ガス供給管カバーの一部に、該カバーの内壁面とガス供給管の外壁面で囲まれる空間の排気を促進するために、排気用通路が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理用ガス供給管ユニットである。
請求項記載の発明は、上記ガス供給管カバーの内径が上記ガス供給管の外径より0.5mmから2mmの間で大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ処理用ガス供給管ユニットである。
請求項記載の発明は、上記ガス供給管カバーの外表面の表面粗さが、基準長さ5mmの十点平均粗さで20μm以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のプラズマ処理用ガス供給管ユニットである。
請求項1により、成膜による反応生成物がガス供給管には付着せず、その外周に設置した金属性のガス供給管カバーに付着するようになった。ガス供給管カバーはガス供給管から容易に着脱可能であり、汚染の具合により随時取り出し清掃することが可能となった。もし成膜作業中にガス供給管カバーを取り外しても、予備のカバーを設置すれば作業を継続可能であり、この交換に要する中断時間はガス供給管の本体を交換する場合に比較すると、非常に短時間である。またパイプを若干加工しただけのものであるから、予備部品を備えるコストはガス供給管の予備品を準備する場合に比べると遥かに小さい。よってコスト軽減をも実現できる。
ガス供給管カバーを取り付けると容器口内径との隙間が小さくなることで、容器挿入の際に容器口内面を傷つける危険は増大したが、ノズルキャップを設置することで、容器挿入時に容器口内面が接触するのは外形寸法最大のノズルキャップだけであり、しかも接触の危険がある箇所はR付けあるいは面取りされているので、容器口内面に傷が付かず容器
の品質を損なうことなく、上記効果を維持することが可能となった。
請求項により、ガス供給管カバーに排気用通路を設けることでガス供給管カバーとガス供給管本体に囲まれた空間に存在する空気などのガスの排気を促進することができるので、排気時間を延長することなく、異常放電の発生なしに請求項1と同様の効果を維持することが可能となった。
請求項により、ガス供給管カバーとガス供給管との隙間を最適化でき、ガス供給管カバーの着脱が容易に行えるだけでなく、隙間が小さ過ぎる場合の排気支障や異常放電、隙間が大き過ぎる場合のガス供給管外壁でのプラズマ反応による膜形成を防ぐことが可能となった。
請求項により、ガス供給管カバーの外表面に形成される被膜の付着力が強くなるため、成膜工程中に被膜が剥がれて容器内面への形成被膜の品質に悪影響を与えることが無い。
以下、図面に従って、実施形態を説明する。
図1はガス供給管の側壁全体をガス供給管カバーで覆うように取り付けた状態を示す模式図である。ガスの噴き出しノズル側A部の拡大模式図を図2に、ガス供給源側B部の拡大模式図を図5に示す。
ガス供給管2は金属材料の中空丸棒で、軸方向にガス流路が延びているが、ガスの入り口はB部のガス供給管取り付けナット7によりガス供給源に確実に接続しており、ガスの出口は噴き出しノズル3で均一に適量が噴き出す構造になっている。
本発明の重要な特徴は、プラスチック容器の内面成膜において、従来からあるガス供給管2に容易に着脱可能なガス供給管カバー1を追加することで、今まではガス供給管2に付着していた反応生成物を、もっぱらガス供給管カバー1に付着せしめるようにしたことにある。ガス供給管カバー1はその内径をガス供給管2の外径よりも0.5mmから2mmの間で大きくすることにより、カバーの着脱に支障なく、かつ、プラスチック容器口を通るガス供給管ユニットの挿入もスムーズに行える。
また、ガス供給管カバー1の外面にはその付着物が容易には剥落しないように、細かい凹凸で覆われるように表面加工を施している。金属製円筒パイプ形状のガス供給管カバー1にサンドブラスト加工を施すことにより、カバーの外表面に細かい凹凸が形成され、表面汚染の原因となる油脂分を除去する効果と相俟って、反応生成物としての被膜の付着力が強くなるからである。
もともとガス供給管2に反応生成物が付着することは全く不要なことであるが、構造上不可避なことでもある。反応生成物は基材である樹脂と密着するように設計されているので、ガス供給管2も樹脂製であれば反応生成物は化学的に密着するのだが、プラズマによる発熱は正常な反応でも部分的には摂氏100℃を超え、異常放電では推定で500℃を越えるため、連続的に使用することは一般的には不可能であり、通常は金属を使うことが普通である。そこで反応生成物の密着性の不足を補うために、ガス供給管2の表面を荒らして、物理的に密着力を高めることが行なわれてきた。しかし、ガス供給管2の一端は固定されているので取り外しが容易でないことから、容易に着脱可能なガス供給装置が必要とされた。また生産時には継続した生産を行うことによる生産効率の向上の要請もあり、予備部品と交換して継続生産するために予備部品の作製費用を軽減する必要もあった。
本発明ではガス供給管2の外周にガス供給管カバー1なる円筒パイプを設置して、汚れがひどくなったガス供給管カバー1は適宜取り出し、予備のガス供給管カバー1に交換して成膜作業をすぐさま再開できる手段を提案している。請求項1ではガス供給管カバー1はガス供給管2に挿し込んであるだけなので、非常に着脱が容易であり、汚染度合の確認や交換作業がごく短時間に実行できる。従来は一端が接続固定されたガス供給管2のガス供給源側からの取り外し交換作業が必要であったことと比較すると、大きな作業時間の短縮である。
ガス供給管カバー1の設置については、異常放電を防止する対策をとっておく必要がある。具体的にはガス供給管2との隙間にある気体分子を排出しやすくするため、ガス供給管カバー1の内径とガス供給管2の外径との寸法差が0.5mmから2mmの間にあることが妥当である。0.5mm以下では2本の管が僅かに曲がっても接触して排気に支障が出て異常放電が生じやすい。また、2mmよりも大きいと、成膜ガスによるプラズマ反応が生じて、ガス供給管外壁に膜が付着しやすい。以上のことを防ぐために、ガス供給管カバーとガス供給管とは適度な隙間を保って設置することが重要である。
また、ガス供給管カバー1の表面は反応生成物が物理的に密着しやすいように、意図的に荒らしてある。その方法は一般に行なわれている金属表面加工なら何でも良いが、十点平均粗さが20ミクロン以上(基準長さ5mmの場合)あると密着性が格段に向上する。また、荒らした表面の形状が楔型の凹みやアンダーカット形状が多いとよく、そのような表面状態を再現するには、サンドブラスト加工が最適である。ただし表面を荒らして膜の密着性が向上するとはいっても、膜の厚さが大きくなると、温度変化や機械的な衝撃で膜の凝集破壊を起こすため、適宜交換して膜の剥離作業を行なう必要はある。堆積した膜を剥がす方法はサンドブラストが有効である。
ガス供給管カバー1はガス供給管2に代わって膜を付着させ、生産性に支障なく容器の品質維持を実現できるが、これを使うことの弊害のひとつとして、容器を挿入する際にガス供給管カバー1と接触する危険性が挙げられる。これは容器口内径との隙間が少なくなるためであり、接触した場合はガス供給管カバー1によって容器天面、あるいは口内面に変形、亀裂が生じて、容器の気密性を維持できない場合もありうる。その場合のことを考慮して、ガス供給管2のノズル側にノズルキャップ4なるものを取り付けることを考案した。これはガス供給管カバー1の端面と容器が接触しないように端面を覆うものであり、また中心軸をガス供給管2と一致させることで、両者の隙間を均一化する機能を兼ね備えて異常放電を防止することも可能である。そしてもし容器口元部が接触した場合でも、外径がガス管カバー1より僅かに大きく鋭角部のないノズルキャップ4との接触となり、容器側の変形や傷つきを極力防ぐことが可能である。ノズルキャップ4は、外面にクロームめっきなどを施しておけば、接触時に容器に酸化金属が転移することも防止できる。
ところでガス供給管カバー1の外径は容器口内径よりも出来るだけ小さくしたいので、使用するパイプの肉厚はせいぜい1mm、通常は0.5mm程度である。これは容器との干渉を防ぐという理由はもちろんのこと、場合によっては容器のガス排気性を良好に保つためにも重要である。というのも容器内部のガス置換速度と膜物性との関係は緊密であり、たとえば同一の成膜条件でありながら容器口近傍に障害物を設置すると、成膜後の容器の酸素透過度に差異が生じることがある。これは、容器口近傍の障害物のために排気性能に差異が生じ、膜物性に影響を与えたと理解される。従って容器の性能に影響しないよう、ガス供給管カバー1の厚さは出来るだけ小さくするべきである。
このような事情もあり、ガス供給管カバー1は薄肉のパイプで作られるため、カバー天面に傷つき防止のために有効な面取りや断面の円弧状化(R付け)を行なうことは実質的に不可能である。ここにノズルキャップ4を取り付ける必要性が存在し、ノズルキャップ4の上面と側面で構成される交角部は面取りまたは円弧状化(R付け)部分41とする。
ガス供給管カバー1を使うことによるもうひとつの弊害は、ガス供給管カバー1とガス供給管2、あるいはノズルキャップ4も含めて構成される空間にある気体分子の排気に障害がでることである。他の場所と比べて分子密度の高い空間には、プラズマを発生させる電磁界エネルギーが集中して、アーク放電が発生しやすくなる。これが生じると他の空間へのプラズマのエネルギー供給が減少するため、適正な成膜が出来なくなる。そのため、
排気用通路5を設けて排気を促進させることが重要である。アーク放電の発生はノズルキャップ4がなく隙間が開放されている場合であっても、ガス供給管カバー1やガス供給管2が曲がっていれば両者が接触するので通気が滞るためである。排気用通路5を設けるに当たっては、ガス供給管2の容器側では圧力が高い一方、他端では低圧なので、反容器側から排出するように加工した方が良い。通路の形状はパイプを切り欠いても孔をあけても良いし、ガス供給管カバー1を短めにしてガス供給管2に吊り下げるようにして通路を確保しても良い。
ガス供給管2の側面はガス供給管カバー1に覆われるため、噴き出しノズル3はガス供給管2の端面にのみ、別部品を埋め込むように設置される。ガス供給管2のノズルは、直径0.5mmの孔または隙間が0.5mmのスリットであり、できればその孔径乃至スリット隙間に対して奥行き寸法は10倍以上であることが望ましい。この寸法は、ガス供給管内部にプラズマが生じない寸法の目安である。また、孔径またはスリット隙間がこの程度であれば、噴き出しノズル3が生成物の付着で塞がれることはない。この加工については、レーザーで穴あけをする方法や、鋳造という方法が挙げられる。
ノズルキャップ4のガス供給管2への取り付け方法は、図3に示すように、ノズルキャップ4をガス供給管2とガス供給管カバー1との先端部の隙間に嵌め込むやり方が簡単である。この場合、ノズルキャップ4の側面は約5度の傾斜を持つテーパー形状とし、くさび型に嵌め込むことで容易に着脱ができる。また、図4に示すように、ガス供給管カバー1とノズルキャップ4を一体として結合ピンまたはミニチュアねじ6を用いて、ガス供給管2に固定することもできる。また、ノズルキャップ4とガス供給管2を直接ねじで結合する方法も、着脱が容易でガス漏れの少ない確実な方法である。取り外しやすさのため、ノズルキャップ4の外周を六角面に加工してスパナで回転させてもよいし、ガス噴出し口3に六角レンチ掛け8を加工してもよい。(図6参照)可能であれば、ガス供給管2に取り付けている噴き出しノズル3をノズルキャップ4に取り付ければ、目詰まりを起こした場合の交換が容易となる。あるいはガス供給管カバー1とノズルキャップ4を側面から結合ピンあるいはミニチュアねじ6で固定した状態でガス供給管2に被せる方法でも良い。取り付け関係部分の寸法に余裕のない場合は後者の方が作りやすい。
プラズマCVD法で酸化珪素薄膜をコーティングするために使用できる原料ガスについては、主ガスとしてヘキサメチルジシロキサンの他、トリメチルシロキサンなどを用いることが可能で、これにより酸化珪素薄膜の成膜が可能になる。また、反応ガスとしては、酸素の他、オゾン、二酸化炭素などを用いることが可能である。
プラズマCVD法で炭素膜をコーティングするために使用できる原料ガスについては、主ガスとしてメタン、アセチレンなどを用いることが可能で、これにより炭素膜の成膜が可能になる。また、キャリアガスとしては、アルゴンの他、ヘリウムなど不活性ガスを用いることが可能である。
プラスチック容器に成膜する場合、樹脂構成は単層のポリエステルまたはポリエチレン乃至ポリプロピレン、ポリスチレン製であるか、または成膜面がこれらの樹脂で成形された多層容器である。
以下に、本発明の実施例を比較例とともに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。結果を表1に示す。
口元口内径が30mm、胴部直径が60mm、容器高さが200mm、満水量が500mlで40gのポリエステル製中空容器を延伸ブロー成形してその内側に酸化珪素皮膜の
成膜を試みた。そこでガス供給管2の外径が6.35mm、肉厚が2mm、先端から5mmまでは外径を0.4mm小さくした。ガス供給管カバー1は外径が9mm、肉厚が1mm、長さが300mm、外側面はJIS R6001で規定された粒度#24の研磨剤を用いてサンドブラスト加工で荒らした後にガス供給管カバー1の十点平均粗さを基準長さ5mmで計測した。ノズルキャップ4は最大径が10mmでガス供給管2に挿し込む部分の高さは15mmあり、両者の上面位置が一致するように、嵌合部を加工した。嵌合は緩く簡単にスライドできる程度にした。ガス供給管2、ガス供給管カバー1及びノズルキャップ4の材質はSUS303とした。ガス供給管カバーとノズルキャップとはミニチュアねじで結合した。ガス供給管2には噴き出しノズル3として幅0.2mm長さ2mm奥行き2.5mmのスリットを2本有する外径3mm長さ5.3mmの円筒形状の市販部品を嵌合した。そして容器を毎回入れ替えながら成膜を行い、1000回目、2000回目、3000回目の容器をサンプル数3で抜き取り、それぞれの容器内面を蒸留水ですすぎ、その水を濾過したフィルターを200倍に拡大した映像で確認できる粒子の数が10個以上あった本数を記録した。また、異常放電の回数、3000回でガス供給管カバー1を交換してから成膜を再開するまでの時間を計測して、以上の結果を表1に示した。
実施例1のうち、JIS R6001で規定された粒度#12の研磨剤を用いて同様にガス管カバー1をサンドブラスト加工して十点平均粗さの計測を行い、更に成膜とサンプリングを同様に実施後、粒子数の確認、異常放電の回数、成膜再開までの時間の計測を行い、以上の結果を表1に示した。
実施例1のうち、ガス供給管カバー1は外径が8mm、肉厚が0.5mm、長さが300mmとし、サンドブラスト加工して十点平均粗さの計測を行い、更に成膜とサンプリングを同様に実施後、粒子数の確認、異常放電の回数、成膜再開までの時間の計測を行い、以上の結果を表1に示した。
<比較例1>
実施例1のうち、ガス供給管カバー1の外側面をJIS R6001で規定された粒度#100の研磨剤を用いてサンドブラスト加工して十点平均粗さの計測を行い、更に成膜とサンプリングを同様に実施後、粒子数の確認、異常放電の回数、成膜再開までの時間の計測を行い、以上の結果を表1に示した。
<比較例2>
実施例4のうち、ガス供給管カバー1とノズルキャップ4は用いず、ガス供給管2の外側面にJIS R6001で規定された粒度#24の研磨剤を用いてサンドブラスト加工で荒らした後にガス供給管2の十点平均粗さを計測した。更に成膜とサンプリングを同様に実施後、粒子数の確認、異常放電の回数、成膜再開までの時間の計測を行い、以上の結果を表1に示した。
<比較例3>
実施例5のうち、ガス供給管本体のサンドブラストは行なわず、成膜とサンプリングを同様に実施後、粒子数の確認、異常放電の回数、成膜再開までの時間の計測を行い、以上の結果を表1に示した。本体のサンドブラストは行なわず、他は同じ条件で成膜してサンプリングし、粒子の数を数えた。結果を表1に示した。
上記の実施例および比較例の計測結果を表1に示す。実施例1〜3は、いずれもガス供給管カバーが本発明のガス供給管ユニットを構成するように使われた例であり、成膜時の部品交換のための中断時間が短く、異常放電の発生も無く、更に余分に付着した膜の剥がれによる異物とみなされる粒子の増加も小さい。これに対して、実施例4〜6は比較例1〜3に相当する。ガス供給管カバーの表面粗さの小さい実施例4(比較例1)では、粒子増加が大きい。また、実施例5(比較例2)は、本発明に述べるガス供給管カバーとノズルキャップを設けていない構造であって、成膜時の部品交換のための中断時間が長くなる。また、実施例6(比較例3)では、実施例5と同様の構造である上、ガス供給管本体の表面粗さも小さいので、成膜時の部品交換のための中断時間が長くなるだけでなく、粒子増加も大きい。
Figure 0005098708
ガス供給管カバーの取り付け状態を示した模式図。 図1−A部の一例を示したA部の拡大模式図。 図1−A部にノズルキャップを加えた例を示したA部の拡大模式図。 ガス供給管カバーとノズルキャップをガス供給管に固定する状態を示す図1−A部の他の例の拡大模式図。 図1−B部の一例を示したB部の拡大模式図。 噴き出しノズルをノズルキャップに取り付けた一例を示した模式図。
符号の説明
A・・・ガス供給管ユニットの内、ガス噴き出しノズル側の端部付近
B・・・ガス供給管ユニットの内、ガス供給源側の端部付近
1・・・ガス供給管カバー
2・・・ガス供給管
3・・・噴き出しノズル
4・・・ノズルキャップ
5・・・排気用通路
6・・・結合ピンまたはミニチュアねじ
7・・・ガス供給管取り付けナット
8・・・六角レンチ掛け
9・・・ノズルキャップ結合ねじ
11・・・排気用通路の出口
41・・・ノズルキャップの面取りまたは円弧状化(R付け)部分

Claims (4)

  1. プラズマ処理室内に保持された容器の内面に被膜を形成する真空成膜装置に用いるプラズマ処理用ガス供給管ユニットであって、該プラズマ処理用ガス供給管ユニットは、容器内に挿入される端部にガスの噴き出しノズルを有するガス供給管と、該ガス供給管を着脱可能に覆うような円筒パイプからなるガス供給管カバーとが配されて、ガス供給管の先端部とガス供給管カバーの先端部との間を着脱可能に埋めるノズルキャップを有し、該ノズルキャップはガス供給管カバーとガス供給管の中心軸を一致させる機能を兼ね備え、かつ、外径がガス供給管カバーよりも僅かに大きく、また、自身の上面と側面で構成される交角部の断面形状が円弧ないしは面取りされた形状であることを特徴とするプラズマ処理用ガス供給管ユニット。
  2. 上記ガス供給管カバーの一部に、該カバーの内壁面とガス供給管の外壁面で囲まれる空間の排気を促進するために、排気用通路が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理用ガス供給管ユニット。
  3. 上記ガス供給管カバーの内径が上記ガス供給管の外径より0.5mmから2mmの間で大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ処理用ガス供給管ユニット。
  4. 上記ガス供給管カバーの外表面の表面粗さが、基準長さ5mmの十点平均粗さで20μm以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のプラズマ処理用ガス供給管ユニット。
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