JP5098556B2 - 電動式ブレーキ倍力装置 - Google Patents

電動式ブレーキ倍力装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5098556B2
JP5098556B2 JP2007265080A JP2007265080A JP5098556B2 JP 5098556 B2 JP5098556 B2 JP 5098556B2 JP 2007265080 A JP2007265080 A JP 2007265080A JP 2007265080 A JP2007265080 A JP 2007265080A JP 5098556 B2 JP5098556 B2 JP 5098556B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
brake booster
electric brake
piston
boost
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007265080A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009090900A (ja
Inventor
紀之 今西
哲夫 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2007265080A priority Critical patent/JP5098556B2/ja
Publication of JP2009090900A publication Critical patent/JP2009090900A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5098556B2 publication Critical patent/JP5098556B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、運転者のブレーキペダル操作力を電気的に倍力する電動式ブレーキ倍力装置に関する。
電動式ブレーキ倍力装置として特許文献1の技術が開示されている。この公報には、主ピストンとブーストピストンを備え、運転者のブレーキペダル操作に応じて、電動機によりブレーキペダル操作力を倍力することで、運転者の操作力を軽減しつつ、十分な制動力を確保している。また、電動機の失陥時には、主ピストンとブーストピストンの両方が作動するように構成することで、正常時と同様の応答性を確保している。
特開平10−138909号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、応答性を確保できるものの、運転者のブレーキペダル操作量をアシストするものではないため、十分な制動力が得られないという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、電動機の失陥時であっても、運転者のブレーキペダル踏力をアシストすることで制動力を確保可能な電動式ブレーキ倍力装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電動式ブレーキ倍力装置では、ブーストピストンと主ピストンとの相対移動量が所定量未満のときは遮断状態とされ、所定量以上相対移動したときは連通状態とされる圧力導入路を備えた。

よって、運転者のブレーキペダル踏力を流体圧に基づく推力によりアシストすることが可能となり、制動力を確保することができる。
以下、本発明の電動式ブレーキ倍力装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は本発明の電動式ブレーキ倍力装置を自動車のブレーキ装置に適用した実施例1の縦断面を示している。すなわち、この電動式ブレーキ倍力装置は、ほぼカップ状のケース21と、該ケース21内に軸方向へ摺動自在に設けられ、一端部がブレーキペダルに連係したピストン推力伝達機構22と、該ピストン推力伝達機構22の他端部に連係されて、該ピストン推力伝達機構22の押圧力が伝達されることにより制動力を制御するブレーキ液圧制御機構24と、ケース21内に設けられて、ボールねじ機構25を介してピストン推力伝達機構22の押圧力をアシストする電動機26とを備えている。
前記ピストン推力伝達機構22は、一端部23aがブレーキペダルに連係したプッシュロッド23と、該プッシュロッド23の球状他端部23bに連結された主ピストン27と、該主ピストン27の外周に摺動自在に設けられてケース21内及びブレーキ液圧制御機構24のマスタシリンダ42内に跨がって挿通配置された筒状のブーストピストン28とを備えている。
前記主ピストン27は、小径軸状に形成され、後端部27aに前記プッシュロッド23の球状他端部23bが回動自在に連結されていると共に、先端部27bにブーストピストン28の先端側周壁に径方向に貫通形成されて、後述の第1リリーフポート37aと連通する通孔29を開閉する第1弁体30が設けられている。また、主ピストン27の外周面のほぼ中央位置には、ブーストピストン28の内周面に摺接して第1弁体30との間に有する筒状溝31をシールするシールリング32が設けられている。また、主ピストン27を初期位置に付勢するリターンスプリング28bが設けられている。
前記ブーストピストン28は、ケース21内部に位置する外筒部33とマスタシリンダ42内に位置するピストン弁34とを一体に連結してなり、外筒部33は、大径な後端部外周面に螺旋状の雄ねじ溝35が形成されている。一方、ピストン弁34は、外周面のほぼ中央位置にマスタシリンダ42の周壁に形成された後述する第1液圧通路37の第1リリーフポート37aを開閉する第2弁体38が設けられていると共に、前端部外周面にマスタシリンダ42の第1液室46aをシールする第1シール部材39が設けられ、また、後端部外周面に第2弁体38側部の第2環状通路40をシールする第2シール部材41が設けられている。
前記ブレーキ液圧制御機構24は、前述した筒状のマスタシリンダ42と、該マスタシリンダ42の一端部に有するリザーバタンク43と、マスタシリンダ42の周壁内に軸方向に沿って形成されて、リザーバタンク43とマスタシリンダ42内とを連通する第1液圧通路37と、マスタシリンダ42内に摺動自在に配置されて、前後のスプリング45a,45bによって中立位置に付勢されるフリーピストン弁44と、該フリーピストン弁44の前後に形成された第1,第2液室46a,46bとを備えている。
そして、前記フリーピストン弁44は、主ピストン27とブーストピストン28との摺動位置に応じてマスタシリンダ42内とリザーバタンク43とを連通する第2液圧通路47の第2リリーフポート47aを開閉制御するようになっている。また、ブーストピストン28の第2弁体38と第2シール部材41との間には、筒状溝31内にリークしたブレーキ液を第2環状通路40内に流入させる第1回収用通路孔34aが形成されている。一方、前記第1リリーフポート37aの側部には、第2環状通路40内のブレーキ液を第1液圧通路37内に戻す第2回収用通路孔37bが形成されている。
前記電動機26は、ケース21の内周面に固定された円筒状のステータ48と、該ステータ48の内周側に回転自在に設けられたロータ49とを備えており、このロータ49は、円環状の比較的肉厚に形成され、後述するボールねじケースを介してベアリング50aにより回転自在に支持されている。尚、支持力を高めるために他に複数のベアリング等を備えてもよく特に限定しない。
前記ボールねじ機構25は、ロータ49の内周部に一体に有する筒状の前記ボールねじケース51の内周面に螺旋状に形成されたボール雌ねじ溝52と、前記ブーストピストン28の前記外筒部33の外周面の雄ねじ35と、該両ねじ溝35,52間に転動自在に介装された鋼鉄製のボール53とから構成されている。
さらに、前記ボールねじケース51の後部端外周面には、ロータ49の外周に巻装されたコイル54に接続された筒状のコンミュテータ55が被嵌されている。該コンミュテータ55の外周面には、図外の電力供給源に導通された給電触子たる導通スプリング56a,56bを介してブラシ57a,57bが弾接されている。したがって、コイル54には、図外のブレーキペダルの踏力(または操作変位量)を検出する踏力検出手段から出力信号に応じてコントローラ制御電流が導通スプリング56a,56b、ブラシ57a,57b、コンミュテータ55を介して出力されるようになっている。
尚、このボールねじ機構25は可逆性のねじリードが設定されており、電動機26が非作動状態において、ブーストピストン28がスプリング45bもしくは46aによって押し戻されると、電動機26を回転させながら初期位置に戻されるように構成されている。
ケース21のマスタシリンダ側側面には、失陥時アシスト圧供給機構10が取り付けられている。この失陥時アシスト圧供給機構10は、ハウジング3と、ハウジングに取り付けられた空気圧ポンプ1と、空気圧ポンプ1により加圧された空気を蓄圧するタンク2と、予め設定された所定圧(アシスト力として必要な空気圧よりも高い圧)を越えると自動的に開弁するフェールセーフバルブ4から構成されている。
空気圧ポンプ1には、ケース21内に挿通されたポンプ駆動軸1aと、ポンプ駆動軸1aに係合された従動ギヤ1bが取り付けられている。尚、ロータ49の外周には駆動ギヤ49aが形成されており、従動ギヤ1bと噛み合っている。すなわち、ロータ49が回転駆動されると、この回転力により空気圧ポンプ1が空気を加圧してタンク2内に空気圧を蓄圧する。ロータ49は正逆回転の両方が成されるため、例えば、空気圧ポンプとしてプランジャポンプ等を備えている場合には、いずれの回転によっても加圧された空気を吐出可能であるが特に限定しない。
ハウジング3内には、空気圧ポンプ1とタンク2及びフェールセーフバルブ4と連通しハウジング3の外側に開口する開口部を有する空気圧導入路3aが形成されている。空気圧導入路3aの開口部にはO−リング5が設けられ、マスタシリンダ42と気密性を確保した状態で取り付けられている。
マスタシリンダ42には、空気圧導入路3aの開口部と連通する位置に径方向導入路24aが形成され、外筒部33を収装する円筒内側に貫通形成されている。径方向導入路24aの軸方向両側には、それぞれカップシール6が設けられ、径方向導入路24aから導入される空気圧は外筒部33の外周全体に導入された空気圧が作用しつつ気密性を確保している。
外筒部33には、ブレーキペダル非作動時であって、ブーストピストン28が初期位置であるとき、径方向導入路24aと軸方向において一致する位置に外筒部径方向導入路33aが形成されている。この外筒部径方向導入路33aは、主ピストン27を収装する外筒内周に貫通形成されている。尚、前述のカップシール6の位置は、ブーストピストン28が初期位置において径方向導入路24aと外筒部径方向導入路33aとが気密性を確保できる位置に配置されている。
主ピストン27には、ブレーキペダル非作動時において、外筒部径方向導入路33aの内周側開口部の軸方向両側となる位置にO−リング7が取り付けられている。また、主ピストン27には小径部27cが形成されている。図1中において右側のO−リング7のプッシュロッド23側には、小径部27cと外筒部33内周との間の空間に失陥時圧力室9が形成されている。
プッシュロッド23と外筒部33の内周との間にはカップシール8が設けられている。これにより、失陥時圧力室9が高圧となったときは、図1中の右側O−リング7と、カップシール8により気密性を確保する。尚、カップシール8は失陥時圧力室9側が高圧になったときのみシール性を発揮し、それ以外の時すなわち大気圧のときは失陥時圧力室9の外側から空気を導入可能に作用する。
〔制御ロジック〕
次に、制御ロジックについて説明する。実施例1の電動式ブレーキ倍力装置では、電動機26の作動状態を制御する倍力コントローラと、主ピストン27のストローク量を検出する第1ストロークセンサと、ブーストピストン28のストローク量を検出する第2ストロークセンサとを備えている。
倍力コントローラでは、第1ストロークセンサにより検出されたストローク量に基づいて主ピストン27とブーストピストン28とが一体に移動するように、言い換えると、相対移動量が0となるブーストピストン28の目標ストローク量を算出する。そして、算出された目標ストローク量となるように電動機26を回転駆動し、主ピストン27とブーストピストン28との相対移動量が0となるようにフィードバック制御が成される。これにより、主ピストン27とブーストピストン28の面積比に応じた倍力比を得ることができる。尚、目標ストローク量を算出する際には、第1ストロークセンサ信号に限らず、運転者のブレーキペダル踏力を検出する踏力センサを別途備え、この値から目標ストローク量を算出してもよく、特に限定しない。
以下、本実施例1の作用について説明する。
〔通常作動時〕
まず、車両の走行中にブレーキペダルを踏み込むと、それに連動してプッシュロッド23が図1の左方向に押圧される。したがって、主ピストン27が、同方向にストローク移動して第1弁体30により連通路29を閉止すると同時に、ブーストピストン28の中空部28a内のブレーキ液を図中左方向に押圧し、これによって、第1液室46a内のブレーキ液を左方向へ押し出す。
ここで、かかるプッシュロッド23のストローク量が所定以上になると、それを検出した第1ストロークセンサからの出力信号によって倍力コントローラから電動機26のスプリング56a,56bに制御電流が出力される。これによって、ロータ49とボールねじケース51が一体に回転して、各ボール53を介してブーストピストン28が主ピストン27の外周面上を前方へ直線状にスライド移動し、第2弁体38で第1リリーフポート37aを閉止すると共に、マスタシリンダ42の第1液室46a内のブレーキ液を図中左方向に押圧する。
図2は通常作動時におけるブレーキ液圧発生状態を表す断面図である。すなわち、主ピストン27による第1液室46aのブレーキ液の押圧力に対してアシスト力が付与された形になる。したがって、フリーピストン弁44は、マスタシリンダ42の第1液室46aに作用した高いブレーキ液圧によって図中左方向へ移動して、第2リリーフポート47aを閉止しながらマスタシリンダ42の第2液室46b内のブレーキ液圧を押圧する。したがって、第1ブレーキ液通路61と第2ブレーキ液通路62から各ホィールシリンダに圧送して制動力を付与する。
このように、外筒部33の回転力をボールねじ機構25を介して直接的に主ピストン27全体に伝達するのではなく、まず外筒部33を介してブーストピストン28に伝達するため、ペダルの操作力は、プッシュロッド23からダイレクトに主ピストン27に作用するが、マスタシリンダ42内のブレーキ液に対するアシスト力はブーストピストン28の独自のスライド移動によって速やかに付与される。
図4は運転者のブレーキペダル踏力に対する発生液圧の関係を表す特性図である。主ピストン27の外周面にブーストピストン28を摺動自在に設けたため、操作部,補助機構部(49,28,51,53)の慣性質量による慣性モーメントの大きな影響が回避され、ブーストピストン28の速やかな移動によって第1液室46a内のブレーキ液にアシスト力を付与するため、図4の実線で示すように、ブレーキペダル踏み込み時からブレーキ装置の制動力発生時までの応答時間が短くなり、ブレーキング操作のフィーリングが良好になる。
また、ロータ49は薄肉ではなく、比較的厚肉に形成したため、トルク定数が大きくなって小さな電流で大きな回転トルクを得ることができる。この結果、消費電力が少なくなり、バッテリの小型化が図れる。尚、ブレーキペダルの踏み込みを解除すると、ブーストピストン28は、スプリング45a,45bのばね力で後退移動し、初期位置に戻される。
尚、通常作動時は、運転者のブレーキペダル操作の度に電動機26が作動する。このとき、電動機26の作動に応じて空気圧ポンプ1が作動して圧縮された空気がタンク2内に送り込まれて蓄圧される。ここで、タンク2の容量は、後述する倍力失陥時において複数回のブレーキアシストが可能な容量とされており、例えば、ディーラーや修理工場まで移動するのに必要な作動回数を確保すればよく、特に限定しない。
電動機26はブレーキペダル操作の度に作動するため、タンク2内に所定の空気圧が確保されると、それ以上蓄圧する必要はない。このときは、フェールセーフバルブ4から余分な空気圧が排出され、タンク2内の空気圧は所定圧力に維持される。このように、実施例1では、失陥時アシスト圧供給機構10において空気を蓄圧することとしたため、空気圧ポンプ1が作動さえすればいつでも蓄圧することができる。また、過剰な空気はそのまま外部に排出しても、他の要素に何ら影響を与えないため、ブレーキ液等を蓄圧する場合に比べて簡単な構成によってアシスト力を確保できる。
〔倍力失陥時〕
次に、倍力失陥時の作用について説明する。ここで、倍力失陥時とは、主に電動機26が正常に作動できず、電動機26による倍力作用が得られない状態を表す。図3は倍力失陥時におけるブレーキ液圧発生状態を表す断面図である。尚、既に失陥時アシスト圧供給機構10によってタンク2内には所定の空気圧が蓄圧されているものとする。
電動機26が非作動状態にあっては、ブーストピストン28は初期位置であり、それ以上動くことはない。また、上述したように、ボールねじ機構25は可逆性のねじリードが設定されていることから、例えば倍力作用の途中で電動機26が非作動状態となると、やはりブーストピストン28は初期位置に戻されることとなる。ブーストピストン28が初期位置であるため、空気圧導入路3a,径方向導入路24a及び外筒部径方向導入路33aは連通状態となる。
このとき、主ピストン27は運転者のブレーキペダル操作力によって作動するものであるため、図中左方向に移動する。言い換えると、ブーストピストン28と主ピストン27は軸方向に相対移動する。
すると、外筒部径方向導入路33aの内周側開口部は、失陥時圧力室9と連通するため、空気圧が主ピストン27をマスタシリンダ側に押し出すように作用する。これにより、運転者のブレーキペダル操作力をアシストすることで、高い液圧を発生させる。図4の点線は実施例1の倍力失陥時におけるペダル踏力−液圧特性を表す。
すなわち、主ピストン27とブーストピストン28がO−リング7によって区画された領域以上に相対移動すると、一気に空気圧によるアシスト力が加算され、その後は、このアシスト力に加えて運転者のブレーキペダル踏力に応じて液圧が発生する。
〔急制動時〕
次に、急制動時の作用について説明する。基本的には倍力失陥時の作用と同じである。急制動時のように運転者がブレーキペダルを急激に踏み込んだ場合、電動機26の作動が応答性の観点から追いつかず、特に制動初期において主ピストン27のみがストロークする。すると、主ピストン27とブーストピストン28とが相対移動し、失陥時圧力室9内に空気圧が導入され、高い初期制動力を得ることができる。その後、電動機26の作動が主ピストン27の作動に追従してくると、通常のブレーキ倍力制御に自動的に切り替わる。
以上説明したように、実施例1にあっては下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(1)ブレーキペダルに連結された主ピストン27と、電動機26により推力を発生する推力発生部材(ボールねじ機構25及び外筒部33)と、ブーストピストン28と、主ピストン27及び/又はブーストピストン28の作動により液圧を発生させるマスタシリンダ42と、流体圧(空気圧)を蓄圧する蓄圧手段(タンク2)と、主ピストン27に推力を付与可能な失陥時圧力室9と、タンク2と失陥時圧力室9とを接続すると共に、外筒部33と主ピストン27との相対移動量が所定量未満のときは遮断状態とされ、所定量以上相対移動したときは連通状態とされる圧力導入路(3a,24a,33a)とを備えた。よって、運転者のブレーキペダル踏力を流体圧に基づく推力によりアシストすることが可能となり、制動力を確保することができる。
(2)蓄圧手段(タンク2)に流体圧を供給するポンプ1を備えた。よって、タンク2内の圧力を使った場合でも、再度圧力を蓄圧することができる。
(3)ポンプ1は、電動機26の作動により駆動することとした。よって、通常制御時の作動によってタンク2内に圧力を蓄圧することができる。
(4)タンク2の流体圧が予め設定した所定値以下となるように減圧するフェールセーフバルブ4を設けた。よって、ポンプ1の駆動量を特に制御せずとも、タンク2内の圧力を所定値に設定することができる。
(5)流体圧は気体とした。よって、空気圧ポンプ1が作動さえすればいつでも蓄圧することができる。また、過剰な空気はそのまま外部に排出しても、他の要素に何ら影響を与えないため、ブレーキ液等を蓄圧する場合に比べて簡単な構成によってアシスト力を確保できる。
(6)運転者のブレーキペダル操作状態量を検出する操作状態量検出手段(第1ストロークセンサ)と、操作状態量検出手段(第1ストロークセンサ)により検出されたブレーキペダル操作状態量に基づいて、主ピストン27とブーストピストン28との相対移動量目標値を算出し、相対移動量目標値となるように前記電動機の作動を制御する倍力制御手段(コントローラ)と、を備えた。
すなわち、相対移動量が制御対象であるため、失陥時には相対移動量が制御できなくなる。これを利用して、自動的に圧力導入路の開閉が行われることで、電気的な失陥時であっても、確実にアシスト作動を実現できる。
次に、実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。
図5は実施例2の構成を表す断面図である。実施例2の失陥時アシスト圧供給機構10には、空気圧ポンプ1を駆動する専用のモータ70と、このモータ70の駆動を制御するモータコントローラ72と、タンク2内の圧力を検出する圧力センサ71とが設けられている。モータコントローラ72は、圧力センサ71から検出されたセンサ値に基づいてタンク2内の圧力が所定値を維持するようにモータ70の駆動状態を制御する。よって、他の駆動機構等の状態に影響を受けることなく制御することができる。
電動機26には電源1から電力が供給され、モータ70には電源1とは異なる系統の電源2から電力が供給されている。これにより、電源1が遮断された場合であっても、モータ70の電源を確保することができる。よって、失陥時にはタンク2内に蓄圧された空気圧によるアシストに加え、モータ70の駆動によって低下分の圧力を補うことで、複数回のブレーキペダル操作に伴うアシストを達成できる。
次に、実施例3について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。
図6は実施例3の構成を表す断面図である。実施例3の失陥時アシスト圧供給機構10は、空気圧ポンプ1が別体とされており、チューブやホースを介して空気圧導入路3aと接続されている。
空気圧ポンプ1は、電源を用いることなく駆動する箇所を動力源として駆動するものであり、例えば、エンジンのカムシャフトの回転駆動力、エンジンのクランクシャフトの回転駆動力といった動力を用いてもよい。これにより、電動機26が失陥したとしても、エンジンが駆動していれば確実にアシスト力を得ることができる。
また、ドライブシャフトDSの回転駆動力を動力として用いてもよい。すなわち、ブレーキペダル操作によって制動力が必要なシーンは、基本的には走行時である。走行中とは車輪が回転している状態であることから、ドライブシャフトDSのように車輪と一体に回転する部材を動力として用いることで、確実にアシスト力を得ることができる。
次に、実施例4について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。
図7は実施例4の構成を表す断面図である。実施例4の失陥時アシスト圧供給機構10は、電動式ブレーキ倍力装置とは別体に設けられている。具体的には実施例3において空気圧ポンプ1が取り付けられた位置に失陥時アシスト圧供給機構10のユニットが取り付けられ、このユニットの空気圧導入路はチューブやホースを介して径方向導入路24aと接続されている。これにより、電動式ブレーキ倍力装置の構成をコンパクトとしつつ、失陥時にアシスト圧を供給することができる。
以上、本願発明の実施例1〜4について説明したが、上記構成に限られずるものではなく、他の構成であっても適用できる。具体的には、主ピストンとブーストピストンとが中立ばねによって連結された電動式ブレーキ可変倍力装置に対しても同様に適用可能である。このシステムでは、通常制御時において主ピストンとブーストピストンとの相対移動量を所定量に設定することで、倍力比を1以上もしくは1未満に制御する。失陥時には、主ピストンが作動すると、中立ばねを介してブーストピストンも移動するため、電動機に連結された推力発生部材とブーストピストンとが相対移動を行う。よって、この場合には、ブーストピストンと推力発生部材とが相対移動した場合に圧力導入路が主ピストンの圧力室に導入されるように構成すればよい。
また、実施例では、空気圧を導入するシステムを示したが、ブレーキ液や他の流体を用いてアシスト圧を供給するシステムとしてもよい。
また、ポンプ等を備えず、蓄圧手段として高圧ガスが封入されたタンクを備えた構成としてもよい。この場合、ポンプ等の構成が不要となり、低コストで失陥時のアシスト力を確保することができる。
また、油圧を用いる場合には、車両に搭載された他の油圧システム(油圧式自動変速機や油圧式パワーステアリング装置)の油圧を流用してアシスト力を得る構成としてもよい。
実施例1の電動式ブレーキ倍力装置の縦断面である。 実施例1の通常作動時におけるブレーキ液圧発生状態を表す断面図である。 実施例1の倍力失陥時におけるブレーキ液圧発生状態を表す断面図である。 運転者のブレーキペダル踏力に対する発生液圧の関係を表す特性図である。 実施例2の電動式ブレーキ倍力装置の縦断面である。 実施例3の電動式ブレーキ倍力装置の縦断面である。 実施例4の電動式ブレーキ倍力装置の縦断面である。
符号の説明
1 空気圧ポンプ
1a ポンプ駆動軸
1b 従動ギヤ
2 タンク
3 ハウジング
3a 空気圧導入路
4 フェールセーフバルブ
5 O−リング
6 カップシール
7 O−リング
8 カップシール
9 失陥時圧力室
10 失陥時アシスト圧供給機構
21 ケース
22 ピストン推力伝達機構
23 プッシュロッド
24 ブレーキ液圧制御機構
24a 径方向導入路
26 電動機
27 主ピストン
28 ブーストピストン
42 マスタシリンダ
48 ステータ
49a 駆動ギヤ
70 モータ
71 圧力センサ
72 モータコントローラ

Claims (9)

  1. ブレーキペダルに連結された主ピストンと、
    電動機により推力を発生する推力発生部材と、
    前記推力発生部材により作動するブーストピストンと、
    前記主ピストン及び/又は前記ブーストピストンの作動により液圧を発生させるマスタシリンダと、
    流体圧を蓄圧する蓄圧手段と、
    前記主ピストンに推力を付与可能な圧力室と、
    前記蓄圧手段と前記圧力室とを接続すると共に、前記ブーストピストンと前記主ピストンとの相対移動量が所定量未満のときは遮断状態とされ、所定量以上相対移動したときは連通状態とされる圧力導入路と、
    を備えたことを特徴とする電動式ブレーキ倍力装置。
  2. 請求項1に記載の電動式ブレーキ倍力装置において、
    前記蓄圧手段に流体圧を供給するポンプを備えたことを特徴とする電動式ブレーキ倍力装置。
  3. 請求項2に記載の電動式ブレーキ倍力装置において、
    前記ポンプは、前記電動機の作動により駆動することを特徴とする電動式ブレーキ倍力装置。
  4. 請求項2に記載の電動式ブレーキ倍力装置において、
    前記ポンプは、ポンプ駆動用モータの作動により駆動することを特徴とする電動式ブレーキ倍力装置。
  5. 請求項2に記載の電動式ブレーキ倍力装置において、
    前記ポンプは、車輪の回転により駆動することを特徴とする電動式ブレーキ倍力装置。
  6. 請求項2に記載の電動式ブレーキ倍力装置において、
    前記ポンプは、内燃機関の回転により駆動することを特徴とする電動式ブレーキ倍力装置。
  7. 請求項1ないし6いずれか1つに記載の電動式ブレーキ倍力装置において、
    前記蓄圧手段の流体圧が予め設定した所定値以下となるように減圧するフェールセーフバルブを有することを特徴とする電動式ブレーキ倍力装置。
  8. 請求項1ないし7いずれか1つに記載の電動式ブレーキ倍力装置において、
    前記流体圧は気体であることを特徴とする電動式ブレーキ倍力装置。
  9. 請求項1ないし8いずれか1つに記載の電動式ブレーキ倍力装置において、
    運転者のブレーキペダル操作状態量を検出する操作状態量検出手段と、
    前記操作状態量検出手段により検出されたブレーキペダル操作状態量に基づいて、前記主ピストンと前記ブーストピストンとの相対移動量目標値を設定する目標値設定手段と、
    前記相対移動量目標値となるように前記電動機の作動を制御する倍力制御手段と、
    を備えたことを特徴とする電動式ブレーキ倍力装置。
JP2007265080A 2007-10-11 2007-10-11 電動式ブレーキ倍力装置 Expired - Fee Related JP5098556B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007265080A JP5098556B2 (ja) 2007-10-11 2007-10-11 電動式ブレーキ倍力装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007265080A JP5098556B2 (ja) 2007-10-11 2007-10-11 電動式ブレーキ倍力装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009090900A JP2009090900A (ja) 2009-04-30
JP5098556B2 true JP5098556B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=40663302

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007265080A Expired - Fee Related JP5098556B2 (ja) 2007-10-11 2007-10-11 電動式ブレーキ倍力装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5098556B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5672430B2 (ja) * 2010-03-31 2015-02-18 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブレーキ制御装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50141041A (ja) * 1974-04-30 1975-11-12
JP2002264796A (ja) * 2001-03-12 2002-09-18 Toyota Motor Corp ブレーキ装置
US8500213B2 (en) * 2005-09-26 2013-08-06 Hitachi, Ltd. Electrically Actuated Booster

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009090900A (ja) 2009-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5800951B2 (ja) ブレーキ装置
JP4756247B2 (ja) 電動倍力装置
US9499149B2 (en) Brake hydraulic pressure generator
JP5110286B2 (ja) ブレーキ装置
JP4890378B2 (ja) ブレーキ装置
JP2014069666A (ja) 電動倍力装置
WO2015046308A1 (ja) 車両用ブレーキ液圧制御システム
JP2010023594A (ja) 電動倍力装置
JP2014046853A (ja) 電動倍力装置
JP5125533B2 (ja) 車両用制動装置
JP4853282B2 (ja) 車両用制動装置
JP6004575B2 (ja) ブレーキ制御装置
JP2008081033A (ja) 電動倍力装置
JP5098556B2 (ja) 電動式ブレーキ倍力装置
JP6238647B2 (ja) 電動倍力装置
JP2011131886A (ja) 電動倍力装置
JP4826952B2 (ja) 電動倍力装置
JP6257028B2 (ja) 車両用ブレーキ液圧制御システム
JP6327975B2 (ja) ブレーキ装置
JP6202741B2 (ja) ブレーキ液圧発生装置
JP5901316B2 (ja) ブレーキ装置
JP6838214B2 (ja) 電動倍力装置
JP5872252B2 (ja) 液圧発生装置
JP2012136151A (ja) ブレーキ装置
JP6373091B2 (ja) ブレーキ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120119

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120301

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120828

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120910

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees