JP2014046853A - 電動倍力装置 - Google Patents

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大地 野村
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Abstract

【課題】電動倍力装置において、構造を簡素化し、スペース効率を高めて小型化を可能にする。
【解決手段】ブレーキペダル22の操作に応じてモータ33を制御し、モータ33の回転をボールネジ機構34によって直動部材55の直線運動に変換し、プライマリピストン72を推進してマスタシリンダ19でブレーキ液圧を発生させる。スルーボルト48によりマスタシリンダ19をハウジング32に結合する。戻しバネ62によってバネ受61を介して直動部材55を後退位置へ付勢する。スルーボルト48によってマスタシリンダ19をハウジング32に結合する。フロントハウジング35内において、直動部材55に固定したバネ受61にスルーボルト48を摺動可能に挿通して、直動部材55をハウジング32に対して軸方向に移動可能、かつ、軸回りに回転しないように支持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両のブレーキ装置において、ブレーキペダルの操作量に応じて電動モータによってマスタシリンダのピストンを駆動してブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置に関するものである。
電動倍力装置として、例えば特許文献1及び2に記載されたものが公知である。電動倍力装置は、運転者によるブレーキペダルの操作量に応じてコントローラにより電動モータを制御し、電動モータの回転運動を回転−直動変換機構であるボールネジ機構により直線運動に変換し、マスタシリンダのピストンを推進してブレーキ液圧を発生させる。
このように回転−直動変換機構を備えた電動倍力装置では、電動モータによって回転駆動される回転−直動変換機構の回転部材をハウジングに対して回転可能に支持し、ピストンを推進する直動部材を軸回りに回り止めすると共に軸方向に沿って移動可能に支持する必要がある。そこで、特許文献1に記載された電動倍力装置では、直動部材であるネジ軸をボールスプラインによって回り止めしつつ軸方向に沿って移動可能に支持している。また、特許文献2に記載された電動倍力装置では、ハウジングに形成した突起を直動部材に軸方向に沿って形成したスロットに係合させることにより、直動部材を回り止めしつつ軸方向に沿って移動可能に支持している。
特開2000−233742号公報 特開2011−93492号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載された電動倍力装置では、次のような問題がある。特許文献1に記載されたものでは、ボールスプラインを用いるため、構造が複雑で組立工数がかかり、また、製造コストも高くなる。特許文献2に記載されたものでは、直動部材にスロットを形成するためのスペースが必要であり、直動部材の軸長が長くなる。
本発明は、構造が簡単でスペース効率に優れ、小型化が可能な電動倍力装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る電動倍力装置は、ハウジングと、該ハウジングに設けられてブレーキペダルの操作に応じて作動する電動モータと、前記ハウジング内に収容されて前記電動モータの回転運動を直線運動に変換してマスタシリンダのピストンを推進する回転−直動変換機構と、前記ハウジング内に収容されて前記回転−直動変換機構の直動部材を後退位置へ付勢する戻しバネと、前記ハウジング内の前記戻しバネを収容する空間内に前記直動部材の軸方向に沿って延びて前記マスタシリンダを前記ハウジングに結合するスルーボルトとを備え、前記直動部材は、前記空間内において、前記スルーボルトに係合して前記ハウジングに対して軸回りに回り止めされることを特徴とする。
本発明に係る電動倍力装置によれば、構造を簡素化し、スペース効率を高め、小型化が可能になる。
本発明の一実施形態に係る電動倍力装置の縦断面図である。 図1に示す電動倍力装置の要部を拡大して示す縦断面図である。 図1に示す電動倍力装置のバネ受の正面図である。 図3に示すバネ受のA−A線による断面図である。 図3に示すバネ受の背面図である。 図1に示す電動倍力装置のボールネジ機構の図7におけるB−B線による断面図である。 図に示すボールネジ機構の正面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る電動倍力装置15は、ブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ19に一体に結合されて、マスタシリンダ19のプライマリピストン72(ピストン)を推進する。
電動倍力装置15は、入力部材31と、電動で回転するモータ33(電動モータ)と、回転−直動変換機構であるボールネジ機構34と、モータ33が設けられ、ボールネジ機構34を収容するハウジング32とを備えている。ハウジング32は、アルミニウム合金等で形成され、マスタシリンダ19側のフロントハウジング35と、ブレーキペダル22側のリアハウジング36と、これらの間に結合される中間ハウジング37とを有する3分割構造となっている。
フロントハウジング35は、略有底円筒状で底部にマスタシリンダ19の開口端部が嵌合する小径円筒部35aが形成されている。小径円筒部35aは、内周面に環状溝であるシール溝35bが形成されている。シール溝35bには、カップ状のシール部材38が装着されている。フロントハウジング35の開口側が中間ハウジング37の一端部に結合されている。中間ハウジング37は、フロントハウジング35の側方に配置されたモータケース41が結合されて、モータケース41と共にモータ33を収容する。また、中間ハウジング37には、直径方向に配置された一対のスルーボルト48(図1は、一方のみを通る断面図であるため一方のみが図示されている)の基端部が圧入、固定され、このスルーボルト48をフロントハウジング35及びマスタシリンダ19に挿通してナット49を螺着することによって、中間ハウジング37、フロントハウジング35及びマスタシリンダ19が一体に結合されている。中間ハウジング37の他端部には、リアハウジング36が結合されている。リアハウジング36は、その後端部が、車両のエンジンルームと車室との隔壁であるダッシュパネル18に固定される。リアハウジング36の後端部には、突出形成された円筒部36aが設けられ、円筒部36aはダッシュパネル18を貫通して車室内に延ばされている。
ハウジング32の内部には、リアハウジング36の円筒部36aの外方からマスタシリンダ19にかけて入力部材31が挿入されている。入力部材31は、入力ロッド21、プランジャロッド90及び入力ピストン93を備えている。入力ロッド21は、基端部のクレビス21aによってブレーキペダル22に連結される。
プランジャロッド90は、その基端部が入力ロッド21の先端部に揺動可能に連結される。入力ピストン93は、その基端部がプランジャロッド90の先端部に当接し、先端部がサブピストン92を貫通してマスタシリンダ19内に臨んで配置される。
なお、入力ピストン93へのブレーキペダル22の連結は、上記のように機械的に連結してもよく、または、ワイヤで連結してもよい。また、ブレーキペダル22により発生した液圧によって入力ピストン93を動かすように液圧で連結してもよく、要は、ブレーキペダル22の操作力を入力ピストン93に伝達する構造であればよい。
サブピストン92は、円筒形状で、内周部が入力ピストン93の先端の小径部93dに摺動可能かつ液密的に外嵌されてマスタシリンダ19内に挿入されるようになっている。リアハウジング36の円筒部36aには、プランジャロッド90の変位を検出するストロークセンサ23が設けられている。本実施形態においてストロークセンサ23は、操作者によるブレーキ操作量、言い換えれば、ブレーキペダル22の変位、若しくは、入力ロッド21の軸方向の変位を検出するようになっている。
プランジャロッド90は、リアハウジングの36の円筒部に36aによって軸方向に沿って摺動可能に案内され、中間部に形成された大径のフランジ部90bが円筒部36aに形成されたストッパ36bに当接することで後退位置が規定されている。入力ピストン93は、先端側の小径部93d、基端側の中径部93a及び中径部93aに形成された大径のフランジ部93bを有する段付形状となっており、小径部93dと中径93aとの間の段部93eがサブピストン92の後端部に当接可能に形成されている。また、サブピストン92の後端部とフランジ部93bとの間には、圧縮コイルスプリングであるバネ100が介装されている。このバネ100は、入力ピストン93と後述するサブピストン92とが相対変位した際のブレーキペダル22へのペダル反力を調整するものとなっている。
モータ33は、コントローラからの制御電流によって作動して電動倍力装置15に駆動力を提供する。モータ33は、出力軸42、ロータ43、マグネット44、ステータ45及びこれらを収容するモータケース41等を有するブラシレスDCモータとなっている。出力軸42の先端部には、モータ33の出力をボールネジ機構34に伝達するための歯付のプーリ46が取付けられている。モータ33は、出力軸42の回転を検出して検出信号をコントローラに送信する回転検出器としてのレゾルバ47を有する。なお、回転検出器として本実施形態では、レゾルバ47を使用しているが、ロータリエンコーダやホール素子等を用いてもよい。また、モータ33は、本実施形態のブラシレスDCモータのほか、ブラシ付DCモータ、ACモータ等とすることができるが、制御性や静粛性や耐久性等の観点からはDCブラシレスモータが望ましい。
ボールネジ機構34は、プライマリピストン72と同軸上に配置された円筒状の直動部材55と、直動部材55が挿入された円筒状の回転部材57と、これらの間に形成された螺旋状のネジ溝55aに装填された複数の転動体であるボール56(鋼球)とを備えている。直動部材55は、リアハウジング36の円筒部36a内に挿入されてハウジング32内で軸方向に沿って移動可能、かつ、軸回りに回転しないように支持されている。回転部材57は、ハウジング32内で一対のベアリング51によって軸回りに回転可能かつ軸方向に移動しないように支持されている。そして、ボールネジ機構34は、モータ33の駆動力によって回転部材57を回転させることにより、ネジ溝55a内をボール56が転動して直動部材55が軸方向に移動するようになっている。
直動部材55の前端部には、フロントハウジング35内に配置されたバネ受61がCリング63によって結合されている。図3乃至図5に示すように、バネ受61は、大径部61A及び小径部61Bを有し、これらの間に段部61Cが形成された段付円筒状で、大径部61Aの外周部に直径方向に突出する一対の案内部64が一体に形成されている。バネ受61は、小径部61Bに直動部材55の前端部を挿通して、その先端の外周溝63A(図6参照)にCリング63を装着することによって直動部材55に軸方向に固定する。また、バネ受61の小径部61Bの内周部には、直径方向の2箇所に径方向内側に突出する凸部65が形成され、凸部65を直動部材55の前端部に形成された一対のスロット66(図6及び図7参照)に係合することにより、バネ受61と直動部材55とを軸回りに回転しないように結合する。バネ受61の一対の案内部64には、案内穴64Aが軸方向に沿って貫通され、これらの案内穴64Aにスルーボルト48が摺動可能に挿通されて、バネ受61をハウジング32に対して軸方向に沿って移動可能、かつ、軸回りに回転しないように支持している。これにより、直動部材55は、バネ受61を介してハウジング32に対して軸方向に沿って移動可能、かつ、軸回りに回転しないように支持されている。
フロントハウジング35内に形成される空間35c、詳細には、フロントハウジング35と中間ハウジング37とで形成される空間35cには、フロントハウジング35の底部とバネ受61との間に圧縮コイルバネである戻しバネ62が介装されている。戻しバネ62の端部がバネ受61の大径部61Aに挿入され、これを段部61Cで受けて、戻しバネ61のバネ力により、直動部材55が後退位置へ向けて付勢されている。バネ受61の段部61Cと戻しバネ62との間に環状のリテーナ67が挟持され、リテーナ67の内周のフランジ部によってプライマリピストン72の後端のフランジ部を保持することにより、プライマリピストン72とバネ受61及び直動部材55とが連結されている。このように、直動部材55は、ハウジング32内、特にフロントハウジング35内に形成され戻しバネ62が収容される空間35cにおいて、バネ受61の案内穴64Aを介してスルーボルト48に摺動可能に係合して、ハウジング32に対して軸回りに回り止めされるようになっている。
直動部材55の後退位置は、戻しバネ62の付勢によってばね受61が中間ハウジング37に当接することにより規定されている。直動部材55は、モータ33の駆動力が伝達されない状態の時には、戻しバネ62の付勢力によって後退位置に復帰するようになっている。直動部材55内には、入力部材31のプランジャロッド90及び入力ピストン93が移動可能に配置されるようになっている。
なお、バネ受61の小径部61Bと直動部材55との軸回りの回り止めは、上述の凸部65とスロット66との係合のほか、スプライン、キー、二面取り等の公知の回り止め手段を用いることができる。
回転部材57の軸方向中間部の外周側には、歯付プーリであるプーリ58がスプライン結合等によって取付けられている。このプーリ58と、モータ33の出力軸42に取付けられた歯付のプーリ46との間に歯付ベルトであるゴム製のベルト53が巻装されている。これらにより、ベルト伝動機構が構成され、モータ33によって回転部材57が所定の減速比で回転駆動される。
なお、ベルト伝動機構として、歯付のベルト及びプーリを用いず、Vベルト及びVプーリ等や金属ベルト、樹脂ベルトを用いてもよいが、本実施形態のように歯付のベルト及びプーリとすることが、伝達効率の向上及び低騒音化の観点で望ましい。また、ベルト伝動機構の代りに、歯車伝動機構、チェーン伝動機構等の他の公知の伝動機構を用いることができ、あるいは、伝達機構を介さずにモータによって回転部材57を直接駆動(ダイレクトドライブ)するようにしてもよい。また、ベルト伝動機構に、歯車減速機構等の減速機構を組み合わせて設けて減速比を調整するようにしてもよい。さらに、ベルト伝動機構に、歯車減速機構等の減速機構を併設して設け、この減速機構をベルトが切断した際のバックアップとして用いてもよい。
マスタシリンダ19は、タンデム型であり、有底筒状に形成されたシリンダ本体73の内部のシリンダボア74内に、円筒状のプライマリピストン72及び有底円筒状のセカンダリピストン71が軸方向に直列に配置されている。シリンダボア74内における、プライマリピストン72とセカンダリピストン71との間には、プライマリ室76が形成され、また、セカンダリピストン71とシリンダ本体73の底部との間には、セカンダリ室75が形成されている。プラマリピストン72には、サブピストン92が摺動可能かつ液密的に挿入され、サブピストン92には、入力ピストン93の小径部93dが摺動可能かつ液密的に挿入されている。サブピストン92の前端部は、フランジ状の大径部98が形成され、この大径部98の後端部にプライマリピストン72の前端部が当接している。大径部98の外周部は、シリンダボア74との間に隙間が形成されるようになっている。
シリンダ本体73の側壁の上部には、プライマリ室76及びセカンダリ室75にそれぞれ連通するリザーバポート73b、73aが設けられている。これらのリザーバポート73b、73aには、ブレーキ液を貯留するリザーバ77が接続されている。シリンダ本体73のシリンダボア74に形成された内周溝には、その軸方向において各リザーバポート73b、73aを挟むように一対のピストンシール81、82及び79、80がそれぞれ装着されている。ピストンシール81、82及び79、80は、シリンダボア74とプライマリ及びセカンダリピストン72、71との間をシールしている。プライマリピストン72の側壁及びセカンダリピストン71の円筒部の側壁には、それぞれ径方向に貫通するピストンポート95a、71aがそれぞれ複数、形成されている。
プライマリピストン72に形成された内周溝には、軸方向においてピストンポート95aを挟むように一対のピストンシール96、97aが装着されて、サブピストン92との間をシールしている。また、ピストンシール97aの後端側には、ピストンシール97bが設けられており、ピストンシール97aの失陥時の補償を行うようになっている。サブピストン92の側壁には、径方向に貫通する複数のピストンポート95bが形成されている。サブピストン92の内周部には、ピストンシール103が装着されてサブピストン92と入力ピストン93の小径部93dとの間をシールしている。ピストンシール103は、ピストンポート95bに対してサブピストン92の後端側に配置されている。ピストンポート95bは、入力ピストン93の位置にかかわらず、プライマリ室76に常時連通するようになっている。
プライマリ室76内には、一端がセカンダリピストン71に当接し、他端がサブピストン92に当接する圧縮コイルバネである大径の戻しバネ99a及び小径の戻しバネ99bが配置されている。戻しバネ99a及び99bは、そのバネ力により、プライマリピストン72及びサブピストン92を後退位置へ向けて付勢しており、サブピストン92の大径部98をプライマリピストン72の前端部に当接させている。小径の戻しバネ99bには伸縮可能なリテーナ102が挿入され、リテーナ102によって戻しバネ99bが所定の圧縮状態で保持され、そのバネ力に抗して圧縮可能となっている。大径の戻しバネ99aは、プライマリピストン72を直接、後退位置へ向けて付勢するようになっている。一方、小径の戻しバネ99bは、サブピストン92を後退位置へ向けて付勢することで、サブピストン92の大径部98をプライマリピストン72の前端部に当接させるとともに、このサブピストン92の大径部98を介してプライマリピストン72を後退位置へ向けて付勢するようになっている。また、セカンダリ室75には、一端がシリンダ本体73の底部に当接し、他端がセカンダリピストン71に当接する戻しバネ106が配置されている。戻しバネ106は、そのバネ力により、セカンダリピストン71を後退位置へ向けて付勢している。戻しバネ106には、伸縮可能なリテーナ102aが挿入され、リテーナ102aによって戻しバネ106が所定の圧縮状態で保持され、そのバネ力に抗して圧縮可能となっている。
そして、プライマリ及びセカンダリピストン72、71、並びに、サブピストン92が後退位置にあるとき、プライマリピストン72のピストンポート95aは一対のピストンシール81、82の間に配置され、サブピストン92のピストンポート95bは一対のピストンシール96、97の間に配置される。このとき、リザーバ77とプライマリ室76とがリザーバポート73b及びピストンポート95a、95bを介して連通される。また、セカンダリピストン71のピストンポート71aは、一対のピストンシール79、80の間に配置される。このとき、リザーバ77とセカンダリ室75とがリザーバポート73a及びピストンポート71aを介して連通される。これにより、ブレーキパッドの摩耗等に対して、リザーバ77からプライマリ室76及びセカンダリ室75に適宜ブレーキ液を供給して、各ホイールシリンダ17にブレーキ液を補充する。
プライマリピストン72及びサブピストン92が前進してプライマリピストンのピストンポート95aが一方のピストンシール81を越えて前進し、セカンダリピストン71が前進してそのピストンポート71aが一方のピストンシール79を越えて移動すると、リザーバポート73b、73aとピストンポート95a、71aとの間が、それぞれピストンシール81、79によって遮断される。これにより、プライマリ室76及びセカンダリ室75がリザーバ77から遮断されて、プライマリ及びセカンダリピストン72、71の前進に伴って、プライマリ室76及びセカンダリ室75が加圧されていくことになる。
また、プライマリピストン72が後退位置にあり、サブピストン92が入力ピストン93と共に前進し、サブピストン92のピストンポート18がプライマリピストン72の一方のピストンシール96を越えて移動すると、ピストンシール96によりプライマリピストン72のピストンポート95aがプライマリ室76から遮断される。これにより、プライマリ室72とリザーバ77との連通が遮断されて、入力ピストン93及びサブピストン92の前進によりプライマリ室76が加圧される。
プライマリ室72に対して、プライマリピストン72の受圧面積Aは、外周側のピストンシール81と内周側のピストンシール96とによって規定される。サブピストン92の受圧面積Bは、外周側のピストンシール96と内周側のピストンシール103によって規定される。また、入力ピストン93の受圧面積Cは、外周側のピストンシール103によって規定される。そして、プライマリピストン72、サブピストン92及び入力ピストン93の受圧面積A、B及びCの関係はA>B>Cとなっている。
プライマリ室76及びセカンダリ室75Bは、2系統の液圧回路によって液圧制御ユニット(図示せず)介して各車輪の液圧ブレーキ装置のホイールシリンダに接続されている。このように2系統の液圧回路を用いることにより、万一、一方が失陥した場合でも、他方の液圧回路によって制動機能を維持することができる。
液圧制御ユニットは、電動ポンプ、アキュムレータ、液圧センサ、及び、増圧弁、減圧弁等の電磁制御弁を備え、コントローラにより各車輪のホイールシリンダに供給する液圧を減圧する減圧モード、保持する保持モード及び増圧する増圧モードを実行する。これにより、各車輪に適切に制動力を配分する制動力配分制御、アンチロックブレーキ制御、アンダーステア及びオーバステアを抑制して車両の挙動を安定させる車両安定性制御、坂道発進補助制御、トラクション制御、一定の車間を保持する車両追従制御、走行車線を保持する車線逸脱回避制御、障害物回避制御等の様々なブレーキ制御を行うことができる。
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
なお、マスタシリンダ19では、プライマリ室75の加圧により、セカンダリピストン71を介してセカンダリ室76も同様に加圧されるので、以下の説明においては、プライマリ室75側の作動についてのみ説明する。
(非制動状態時)
非制動状態では、図1及び図2に示すように、プライマリピストン72は、戻しバネ62のバネ力によりボールネジ機構34の直動部材55と共に後退位置にある。また、サブピストン92は、戻しバネ99a、99b、106のバネ力により、大径部98の端部がプライマリピストン72の前端部に当接して位置決めされる後退位置にある。そして、入力ピストン93は、バネ100のバネ力によりプランジャロッド90に当接し、プランジャロッド90のフランジ部90bがリアハウジング36の円筒部36aのストッパ36bに当接して位置決めされる後退位置にある。上述したように、この非制動状態においては、リザーバ77とプライマリ室76とがリザーバポート73b及びピストンポート95a、95bを介して連通されているので、プライマリ室76は大気圧状態となっている。
(通常制動時)
ブレーキペダル22が操作されて入力ロッド21及びプランジャロッド90を介して入力ピストン93が前進すると、プランジャ90の変位、すなわち入力部材31の変位がストロークセンサ23によって検出される。この検出信号を受けたコントローラは、入力部材31の変位に基づく目標位置にプライマリピストン72を到達させるためにモータ33を駆動し、回転検出器であるレゾルバ47の検出に応じてモータ33の回転をフィードバック制御する。なお、レゾルバ47に代えて、直動部材55の位置を検出する図示しない変位センサ、または、マスタシリンダ19の液圧を検出する図示しない液圧センサ等の検出に基づいてモータ33を制御するようにしてもよい。
モータ33の回転により、プーリ46、58及びベルト53を介してボールネジ機構34の回転部材57が回転駆動されて直動部材55が前進することで、プライマリピストン72を推進する。このとき、サブピストン92は、その大径部98がプライマリピストン72の前端部に当接しているので、プライマリピストン72と共に前進する。これにより、マスタシリンダ19のプライマリ室76は、入力ピストン93(受圧面積C)、プライマリピストン72(受圧面積A)及びサブピストン92(受圧面積B)によって加圧される。マスタシリンダ19で発生したブレーキ液圧は、2系統の管路によって液圧制御ユニットに供給され、更に、各車輪のホイールシリンダに供給されて制動力を発生させる。
マスタシリンダ19のプライマリ室76の液圧は、入力ピストン93(受圧面積C)を介してブレーキペダル22に反力としてフィードバックされる。この反力がフィードバックされることにより、プライマリピストン72、サブピストン92及び入力ピストン93の受圧面積A、B及びCの合計面積に対する入力ピストン93の受圧面積Cの比率に基づき電動倍力装置1の基本的な入出力特性が決定されるようになっている。また、入力ピストン93とプライマリピストン72及びサブピストン92との相対位置を調整することにより、バネ100のバネ力により入力ピストン93(すなわちブレーキペダル22)に対する反力を加減して入出力特性を制御することができる。このとき、入力ピストン93に対して、プライマリピストン72の位置を前方に調整することにより入力に対する出力の度合いが大きくなり、後方に調整することにより入力に対する出力の度合いが小さくなる。これにより、倍力制御、ブレーキアシスト制御、車間車両安定性制御、車間制御、回生協調制御等の種々のブレーキ制御を実行することができる。
ブレーキペダル22の踏込みを解除すると、入力ピストン93、プライマリピストン72、及びサブピストン92が図2乃至4に示す後退位置に後退して、マスタシリンダ19のブレーキ液圧が解除され、ホイールシリンダ17の液圧が解除されて制動が解除される。
(回生制動時)
回生協調制御では、制動時に車輪の回転により発電機を駆動して、運動エネルギを電力に変換して回収する回生制動を行ない、コントローラによりモータ33を制御して回生制動分だけマスタシリンダ19のブレーキ液圧を減圧することにより、ブレーキペダル22の操作量に応じた所望の制動力を得る。詳細には、回生制動時にコントローラは、通常制動時に比して、マスタシリンダ19の液圧を減圧する分だけモータ33によるプライマリピストン72の前進量を小さく、すなわち、プライマリピストン72の目標位置を通常制動時の目標位置よりも後退側(ブレーキぺダル22側)に設定してモータ33を制御する。このとき、通常制動時に比べてサブピストン92の後端部とフランジ部93bとの間隔が小さくなるので、通常制動時に比べて入力ピストン93へのバネ100のバネ力が大きくなり、マスタシリンダ19の減圧により減少する液圧反力を補完してブレーキペダル22の操作力を適正化するようにしている。
(倍力失陥時)
コントローラ、モータ33、あるいは、ボールネジ機構34等の失陥によりボールネジ機構34の直動部材55が後退位置から前進できなくなった場合、すなわち、倍力失陥時について説明する。操作者のブレーキペダル22の操作により、先ず、入力ロッド21、プランジャロッド90及び入力ピストン93が前進する。この場合、モータ33は作動することができず、ボールネジ機構34の直動部材55は前進せず、プライマリピストン72及びサブピストン92も前進しない。このとき、入力ピストン93の段部93eがサブピストン92の後端部に当接するまでは、マスタシリンダ19のプライマリ室76が、ピストンポート95a、95bを介してリザーバ77に連通されたままとなっているので、マスタシリンダ19はブレーキ液圧を発生しない。入力部材31の前進が続いて入力ピストン93の段部93eがサブピストン92の後端部に当接すると、サブピストン92が、入力ピストン93と共に移動する。これにより、大径部98がプライマリピストン72の前端部から離間してプライマリピストン72から独立して前進する。そして、入力部材31の前進により、サブピストン92のピストンポート95bがピストンシール96を超える位置までサブピストン92が移動すると、プライマリ室76がリザーバ77から遮断され、プライマリ室76は、入力ピストン93及びサブピストン92によって加圧される。
このようにして、倍力失陥時においてもブレーキペダル22の操作、すなわち、操作者の踏力により、ブレーキ液圧を発生させることができ、制動機能を維持することができる。このとき、入力ピストン93とサブピストン92が、入力ピストン93の受圧面積Cとサブピストン92の受圧面積Bとの合計面積(B+C)でプライマリ室76を加圧してブレーキ液圧を発生させる。したがって、従来の受圧面積の小さい入力ピストン(例えば、本実施形態における受圧面積C)のみによりブレーキ液圧を発生させる場合、あるいは、入力ピストン及びプライマリピストンによってマスタシリンダの全断面積を受圧面積としてブレーキ液圧を発生させる場合に比して、適度な受圧面積によってブレーキ液圧を発生させることができる。このため、ブレーキペダル22の操作力及びストロークを好適に行うことができる。
なお、プライマリピストン72、サブピストン92及び入力ピストン93の受圧面積A、B及びCの関係は、必ずしもA>B>Cでなくてもよく、通常制動時において所望の倍力を得ることができ、また、失陥時においてブレーキペダル22の操作力及びストロークを適正化できるように、適宜設定すればよい。
本実施形態に係る電動倍力装置15は、フロントハウジング35内の戻しバネ62を収容する空間35c内に延びるスルーボルト48に、バネ受61を介して直動部材55を係合して、その軸回りの回り止めを行うことにより、フロントハウジング35内のスペースを有効利用して、回り止めによる軸方向の寸法の増大を抑えることができ、電動倍力装置の小型化を可能にしている。バネ受61は、その外周部に形成した案内部64の案内穴64Aにスルーボルト48を摺動可能に挿通して軸回りの回り止めを行うので、直動部材55の軸から離れた部位を支持することになり、回り止めによりスルーボルト48に作用する横力が小さくなる。その結果、案内穴84Aとスルーボルト48との摺動抵抗を軽減することができ、機械効率及び耐久性を向上させることができる。また、回り止めの構造を簡素化して、製造コストを低減することができる。
15…電動倍力装置、19…マスタシリンダ、22…ブレーキペダル、32…ハウジング、33…モータ(電動モータ)、34…ボールネジ機構(回転−直動変換機構)、48…スルーボルト、55…直動部材、62…戻しバネ、72…プライマリピストン(ピストン)

Claims (1)

  1. ハウジングと、該ハウジングに設けられてブレーキペダルの操作に応じて作動する電動モータと、前記ハウジング内に収容されて前記電動モータの回転運動を直線運動に変換してマスタシリンダのピストンを推進する回転−直動変換機構と、前記ハウジング内に収容されて前記回転−直動変換機構の直動部材を後退位置へ付勢する戻しバネと、前記ハウジング内の前記戻しバネを収容する空間内に前記直動部材の軸方向に沿って延びて前記マスタシリンダを前記ハウジングに結合するスルーボルトとを備え、
    前記直動部材は、前記空間内において、前記スルーボルトに係合して前記ハウジングに対して軸回りに回り止めされることを特徴とする電動倍力装置。
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