JP5098510B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

この発明は燃料電池システムに関する。更に具体的には、電解質とその両側に配置された一対の電極と、一対の電極にそれぞれ相対して配置されるセパレータとを備える燃料電池システムに関するものである。
例えば、特開2003−59514号公報には、複数のセルが積層されたスタック型の燃料電池が開示されている。この従来技術の燃料電池において、各セルのアノード極には燃料である水素が供給され、カソード極には酸化ガスである空気が供給される。各極に水素又は酸素が供給されると触媒作用により電気化学反応が起こり、電気エネルギーが取り出される。また、この電気化学反応においてカソード極では水が生成される。
ここで、燃料電池の電気化学反応で発生した生成水は、カソード極の空気流路を塞ぎ、カソード極での空気の円滑な流れを阻害する原因となる場合がある。カソード極に空気が円滑に供給されなくなると、燃料電池内で安定した発電が行なわれず、十分なエネルギーを取り出すことができない事態が起こりうる。従って燃料電池の安定した発電を確保するためには、カソード極の空気流路内の生成水を除去することが重要となる。
このため上記従来技術の燃料電池は、空気流路内の水を除去するために空気流路内の空気圧を上昇させる空気給排気機構を有している。この空気給排気機構は、スパイラル状の溝を設けた円柱を空気供給用のマニホールド(空気供給管)内に配置した構造となっている。また、円柱表面と空気供給管の内壁との間には、空気が流通できるギャップが開けられている。
燃料電池の運転中は、ギャップ部分から各セルの空気流路に一定量の空気が供給される。このとき円柱の回転と共に円柱表面の溝部が回転する。その結果、円柱の溝部がセルの各空気流路入口に順次向かい合うこととなる。このように溝部と空気流路入口とが向かい合っている間はギャップから供給される一定量の空気よりも多い量の空気が空気流路内に供給される。つまり空気流路内には高い空気圧で空気が供給されることとなる。上記従来技術によれば、このように一時的に空気流路に供給する空気圧を上昇させることで、空気流路に滞留する水を排出することができるとしている。
特開2003−59514号公報 特開平09−312168号公報 特開2004−342372号公報
上記従来技術では、空気流路の上流側にのみ溝部を有する円柱を設置し、円柱の回転によって定期的に空気流路に供給する空気量を増量させることで、空気流路内の除去を行なっている。しかし燃料電池の運転状態によって、電気化学反応により発生する水量や空気流路内に滞留する水量は常に一定なものではなく異なるものである。また、燃料電池の運転状態によって、必要な燃料や空気(酸化剤)の量も異なっている。従って生成水を必要に応じて効果的に除去しつつ、燃料や空気(酸化剤)の不足を防止するためには、その燃料電池の運転状況に応じた制御を行なうことができるようにすることが望まれる。
また、上記従来技術では、供給用のマニホールドから流入する空気量を、スパイラル状の溝を流れる分だけ増量するのみである。従って空気流路内での圧力の上昇は小さく、生成水が多い場合などには、流路を塞ぐ生成水を十分に除去できない場合が考えられる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、燃料や酸化剤の不足を抑えつつ、流路内の水をより効果的に除去できるように改良した燃料電池システムを提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池システムであって、
電解質と、前記電解質の両側にそれぞれ配置された一対の電極と、を備える複数の膜−電極接合体と、
前記膜−電極接合体を挟むように配置され、前記一対の電極のうち、一方の電極と対向する対向面において、該一方の電極それぞれに反応剤を流通させる反応剤流路を備えた複数のセパレータと、
前記複数のセパレータを積層方向に貫通し、かつ、前記反応剤流路の入口に接続し、前記一方の電極に供給する反応剤を、前記反応剤流路に流通させる供給マニホールドと、
前記複数のセパレータを積層方向に貫通し、かつ、前記反応剤流路の出口に接続し、前記一方の電極から前記反応剤流路を介して排出される排剤を流通させる排出マニホールドと、
前記供給マニホールドに配置され、前記反応剤流路の入口の、開閉状態を変化させる入口開閉手段と、
前記排出マニホールドに配置され、前記反応剤流路の出口の、開閉状態を変化させる出口開閉手段と、
燃料電池の運転モードに応じて、前記入口開閉手段と前記出口開閉手段とを制御して、第1状態と第2状態とを切り替える制御手段と、を備え、
前記第1状態は、前記複数のセパレータのうちいずれかのセパレータである第1セパレータの前記反応剤流路の入口が閉鎖され出口が開放され、前記第1セパレータとは異なる他のいずれかのセパレータである第2セパレータの前記反応剤流路の入口が開放され出口が閉鎖された状態と、前記第1セパレータの前記反応剤流路の入口が開放され出口が閉鎖され、前記第2セパレータの前記反応剤流路の入口が開放され出口が閉鎖された状態と、が繰り返される状態であり
前記第2状態は、前記第1セパレータの反応剤流路の入口出口とが共に開放され、前記第2セパレータの入口と出口とが共に閉鎖された状態と、前記第1セパレータの反応剤流路の入口と出口とが共に閉鎖され、前記第2セパレータの入口と出口とが共に開放された状態と、が繰り返される状態である、ことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、燃料電池の運転モードが、停止状態の燃料電池を起動させる際の起動モードであるか否かを判定する起動モード判定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記起動モードであると判定された場合に、前記第2状態となるように制御することを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、燃料電池の運転モードが、運転状態の燃料電池を停止させる際の停止モードであるか否かを判定する停止モード判定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記停止モードであると判定された場合に、前記第1状態となるように制御することを特徴とする。
第4の発明は、第1から第3のいずれか1の発明において、燃料電池の運転中に、フラッディングの発生を検出するフラッディング検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記フラッディングが検出された場合に、前記複数のセパレータにおいて、前記反応剤流路の入口が開放されるタイミングと、出口が閉鎖又は開放されるタイミングとがずれ、かつ、前記反応剤流路の入口が閉鎖されるタイミングと、出口が閉鎖又は開放されるタイミングとがずれている第3状態となるように、前記入口開閉手段及び前記出口開閉手段を制御することを特徴とする。
第5の発明は、第1から第4のいずれか1の発明において、燃料電池の通常運転中に、
燃料電池の発電量を検出する発電量検出手段と、
前記発電量に応じて、前記反応剤流路の入口の開閉状態を変化させる速度と、前記反応剤流路の出口の開閉状態を変化させる速度とを設定する開閉速度設定手段と、
を更に、備え、
前記制御手段は、設定された速度に応じて、前記反応剤流路の入口及び前記反応剤流路の出口の開閉状態が変化するように制御することを特徴とする。
第6の発明は、第1から第5のいずれか1の発明において、
前記入口開閉手段は、前記供給マニホールド内に回転可能に設置された回転体であって、
前記制御手段は、前記回転体の回転を制御して、前記反応剤流路の入口の開口面積を変化させることで、前記反応剤流路の入口の開閉状態を制御することを特徴とする。
第7の発明は、第6の発明において、前記入口開閉手段は、
前記供給マニホールド内に回転可能に設置された回転軸と、
前記回転軸の周囲に螺旋状に配置され、前記回転軸の回転と共に回転して前記反応剤流流路の入口との接触面積を変化させることで、該反応剤流路の入口の開口面積を変化させる螺旋部材と、
を備えることを特徴とする。
第8の発明は、第6の発明において、前記入口開閉手段は、
前記供給マニホールド内に回転可能に設置された回転軸と、
前記回転軸の周囲に配置され、前記回転軸の回転と共に回転して前記反応剤流路の入口との接触面積を変化させることで、該反応剤流路の入口の開口面積を変化させる回転部材と、
を備えることを特徴とする。
第9の発明は、第1から第8のいずれか1の発明において、
前記出口開閉手段は、前記排出マニホールド内に回転可能に設置された回転体であって、
前記制御手段は、前記回転体の回転を制御して、前記反応剤流路の出口の開口面積を変化させることで、前記反応剤流路の出口の開閉状態を制御することを特徴とする。
第10の発明は、第9の発明において、前記出口開閉手段は、
前記排出マニホールドに回転可能に設置された回転軸と、
前記回転軸の周囲に螺旋状に配置され、前記回転軸の回転と共に回転して前記反応剤流路の出口との接触面積を変化させることで、該反応剤流路の出口の開口面積を変化させる螺旋部材と、
を備えることを特徴とする。
第11の発明は、第9の発明において、前記出口開閉手段は、
前記排出マニホールドに回転可能に設置された回転軸と、
前記回転軸の周囲に配置され、前記回転軸の回転と共に回転して前記反応剤流路の出口との接触面積を変化させることで、該反応剤流路の出口の開口面積を変化させる回転部材と、
を備えることを特徴とする。
第12の発明は、第1から第11のいずれか1の発明において、
前記入口開閉手段は、前記供給マニホールド内に回転可能に設置された回転体であり、
前記出口開閉手段は、前記入口開閉手段と同形状に構成され、かつ、前記排出マニホールド内に回転可能に設置された回転体であり、
前記制御手段は、前記入口開閉手段と前記出口開閉手段との回転を同位相とすることで、前記第1状態に制御し、前記入口開閉手段と前記出口開閉手段との回転を180度ずらした逆位相とすることで、前記第2状態に制御することを特徴とする。
第13の発明は、第1から第12のいずれか1の発明において、前記一方の電極は、カソード極であることを特徴とする。
第1の発明によれば、燃料電池システムは、一方の電極それぞれへの反応剤流路の入口の開閉状態を変化させる入口開閉手段と、反応剤流路の出口の開閉状態を変化させる出口開閉手段とを有している。また、反応剤流路の入口の開閉状態と出口の開閉状態とは、燃料電池の運転モードに応じて、入口が開放状態のときに出口が閉鎖状態となる第1状態と、入口と出口が共に開放又は閉鎖状態となる第2状態に切り替えて制御される。従って、燃料電池の運転状態に応じて、一方の電極への反応剤の流通量や流路内の圧力を変化させることができる。
第2の発明によれば、燃料電池の運転モードが起動モードである場合に、入口が開放状態のとき出口も開放状態となり、入口が閉鎖状態のときに出口も閉鎖状態となるように制御される。この状態では、入口、出口が共に開放状態となるときに、反応剤が流通することとなるため、反応剤をスムーズに流通させることができ、起動時に反応剤流路をより早く置換することができる。特にここでは、ある反応剤流路の入口、出口共に閉鎖している状態において、他の反応剤流路の入口、出口が共に開放している状態とすることができる。このため同じ反応剤の流量でも、入口出口が開放されている反応剤流路に反応剤を集中させて供給することができ、反応剤流路を流通する反応剤の流速をあげることができる。これにより反応剤流路間でのバラツキを小さくし、確実に反応剤流路に残留する気体を置換することができる。
第3の発明によれば、燃料電池の運転モードが停止モードである場合に、入口の開放状態のとき出口が閉鎖状態となり、入口が閉鎖状態のとき出口が開放状態となるように制御される。ここでは、入口が開放状態、出口が閉鎖状態のときに、入口側から反応剤が吸気され、入口が閉鎖状態、出口が開放状態のときに、出口側から排剤が排出される。従って、反応剤流路内の圧力変化を大きくすることができ、同じ反応剤の流量でも、燃料電池の運転停止時に迅速に滞留する生成水を効率的に除去することができる。
第4の発明によれば、燃料電池の運転中にフラッディングが検出された場合に、反応剤流路の入口が開放状態又は閉鎖状態となるタイミングと、出口が開放状態又は閉鎖状態となるタイミングが、共に一致しないように制御される。従って、フラッディングが発生した場合には、反応剤の供給を確保しつつ、反応剤流路の圧力変動を大きくすることができ、フラッディング時に迅速に滞留内の水を除去することができる。
第5の発明によれば、燃料電池の通常運転中は、その発電量に応じて反応剤流路の入口の開閉状態を変化させる速度と出口の開閉状態を変化させる速度とが決定される。これにより、発電量に応じて、不足なく十分な反応剤を供給できるように設定することができる。
第6〜第12の何れかの1の発明によれば、入口開閉手段又は出口開閉手段は、マニホールド内に回転可能に設置された回転体であり、制御手段はこの回転体の回転を制御することで、入口又は出口の開口面積を変化させる。これにより、1つの部品だけで同時に各電極の流路の開閉状態を変更することができ、より簡易なシステムで、生成水の除去や、反応剤による置換を確実なものとすることができる。
第13の発明によれば、入口開閉手段は及び出口開閉手段は、カソード極側に設置される。これにより、カソード極で水が生成される燃料電池において、フラッディングの発生をより効果的に防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
[実施の形態のシステムの構成について]
図1はこの発明の実施の形態1における燃料電池システムの全体構成について説明するための模式図である。図1に示すシステムは燃料電池10を有している。燃料電池10の両側にはエンドプレート12が配置されている。エンドプレート12に挟まれた燃料電池10の内部には、複数のセル14が積層されている。セル14それぞれは、電解質膜(電解質)と、その両側に配置された一対の電極であるカソード極とアノード極とからなる膜−電極接合体(MEA)を有している。またMEAの両側にはセパレータが配置されている。後述するように、セパレータのカソード極に接する面には空気を流通させるための空気流路(反応剤流路)が形成されている。セパレータのアノード極に接する面には燃料としての水素が供給されるための燃料流路が形成されている。
燃料電池10には、各セル14のセパレータを貫通して、空気流路の空気を給・排気するための空気供給マニホールド18及び空気排出マニホールド20が形成されている。空気供給マニホールド18内には、後述の供給スクリューロータ30(入口開閉手段)が配置されている。空気排出マニホールド20内には、後述の排出スクリューロータ32(出口開閉手段)が配置されている。供給スクリューロータ30及び排出スクリューロータ32には、それぞれその回転を制御するモータ34、36が取り付けられている。図示を省略するが、モータ34、36には各スクリューロータ30、32の回転数及び位相に応じた出力を発する計器類が取り付けられている。
燃料電池10の空気供給マニホールド18は空気導入口(図示せず)において、燃料電池10外部の空気供給管40に接続している。一方、空気排出マニホールド20は、空気排出口(図示せず)において、燃料電池10外部の空気排出管42に接続している。空気供給管40には、その内部の圧力に応じた出力を発する入口圧力センサ44が取り付けられ、空気排出管42には、その内部の圧力に応じた出力を発する出口圧力センサ46が取り付けられている。入口圧力センサ44及び出口圧力センサ46の出力を検出することで、燃料電池10の入口圧及び出口圧を検出することができる。また、燃料電池10には、発電する電流に応じた出力を発する電流計48が取り付けられている。
なお図示を省略するが、燃料電池10には、各セル14のセパレータを貫通して、各セル14の燃料流路の水素を給・排気するための燃料供給マニホールド及び燃料排出マニホールドが形成されている。燃料供給マニホールドは燃料電池10外部の燃料供給管を介して燃料供給源に接続している。即ち、燃料供給源から供給される燃料としての水素は、燃料供給管及び燃料供給マニホールドを介して各セル14の燃料流路に供給される。
図1に示す燃料電池システムは制御装置50を有している。制御装置50には、モータ34、36に取り付けられた計器類、入口圧力センサ44、出口圧力センサ46及び電流計48が接続されて、これらの計器等の出力信号を受けて燃料電池10の運転状態に関する情報を検出する。また、制御装置50は燃料電池10の運転に必要な各部材に接続されて燃料電池10の運転を制御する。例えば、制御装置50は、スクリューロータ30、32のモータ34、36に接続され、これらに制御信号を発することでスクリューロータ30、32の回転等を制御する。
図2は、この発明の実施の形態1の燃料電池システムのスクリューロータについて説明するための模式図である。なお、図2においては説明の簡略化のため、各セル14のうち空気流路16のみを模式的に拡大して示している。空気流路16はその両端においてそれぞれ、燃料電池10の空気供給マニホールド18及び空気排出マニホールド20に接続している。これにより空気供給マニホールド18から空気流路16内に空気が流入し、空気オフガス(排剤)が空気排出マニホールド20に排出される。
空気供給マニホールド18内に設置されたスクリューロータ30は、モータ34に接続する回転軸60を有している。回転軸60の周囲にはスクリュー状に形成されたスクリュー部62(螺旋部材)が取り付けられている。回転軸60は、制御装置50からの制御信号によって、その回転数、回転開始位置等が制御されて、モータ34の回転に連動して回転する。この回転軸60の回転に連動しスクリュー部62が回転する。
スクリュー部62は、少なくとも空気供給マニホールド18内の、空気流路16との接続部(入口)を含む部分の内壁(以下「流入口面」とする)、即ち、図2の断面においては空気供給マニホールド18の下線が示す面に相対する位置にあるときに、その流路入口に接するように配置されている。また、スクリュー部62の回転軸60方向の幅Wと、この回転軸60方向の断面における隣接するスクリュー部62の間隔Dは同一となっている。
ここでスクリュー部62は、流入口面に相対する位置にあり、その位置においてセル14の空気流路16の入口に相対している場合には、その部分の入口を塞ぐ。また回転軸60の回転に伴ってスクリュー部62が回転すると、入口とスクリュー部62との接面が次第にずれて、入口の開口面積は次第に変化する。具体的に、図2に示す回転方向に回転軸60が回転すると、スクリュー部62と入口との接面は見かけ上、紙面右方向にずれる。このように回転軸60の回転によってスクリュー部62との接面が移動することで、空気流路16の入口は、閉鎖状態から次第にその開口面積が増加し、スクリュー部62が接しない位置に移動して完全に開放状態となり、開放状態から次第に開口面積が減少し、スクリュー部62が完全に接して再び閉鎖状態となる。
一方、空気排出マニホールド20内に設置された排出スクリューロータ32は、供給スクリューロータ30と同一のものである。具体的に、排出スクリューロータ32は、モータ36に接続する回転軸64を有している。回転軸64の周囲には、スクリュー状に形成されたスクリュー部66(螺旋部材)が取り付けられている。回転軸64は制御装置50からの制御信号によって、その回転数、回転開始位置等が制御されて、モータ36の回転に連動して回転する。この回転軸64の回転に連動しスクリュー部66が回転する。
スクリュー部66は、少なくとも空気排出マニホールド20の空気流路16との接続部(出口)を含む部分の内壁(以下「排出口面」とする)、即ち、図2の断面においては空気排出マニホールド20の上線が示す面に相対する位置にあるときに、この排出口面に接するように配置されている。またスクリュー部66の回転軸64方向の幅Wと、この回転軸64方向の断面における隣接するスクリュー部66間隔Dとは、同一である。
スクリュー部66は、排出口面に相対する位置にあり、その位置においてセル14の空気流路16の出口に相対している場合には、その部分の出口を塞ぐ。また回転軸64の回転に伴ってスクリュー部66が回転すると、出口とスクリュー部66との接面が次第にずれて、出口の開口面積が次第に変化する。具体的に、図2に示す回転方向に回転軸64が回転すると、スクリュー部66と出口との接面は見かけ上紙面右方向にずれる。このように回転軸64の回転によって、スクリュー部66との接面が移動することで、空気流路16の出口は、閉鎖状態から次第にその開口面積を増やし、スクリュー部66が接しない位置まで移動すると完全に開放状態となり、開放状態から次第に開口面積が減少し、スクリュー部66が完全に接する位置まで移動すると再び閉鎖状態となる。
図3及び図4は、この発明の実施の形態1において、供給スクリューロータ30及び排出スクリューロータ32の回転による空気流路16の開閉のタイミング及びその際の圧力変化を説明するための模式図である。なお、図3(a)及び図4(a)では、模式的に1のセル14に接するスクリュー部62、66の位置の変化を円形のグラフ状に図示し、それに接する空気流路16のみを表し、図3(b)及び図4(b)ではその状態における圧力変化を表している。
図3の例では、供給スクリューロータ30と排出スクリューロータ32との回転を同時角度(同位置)から開始し、同じ回転数で回転させた場合、即ち、スクリュー部62、66の位置が同じになる同位相となるように回転軸60、64を回転させた場合を表している。この例では、空気流路16は入口が完全に閉鎖されている間、出口が完全に開放され、入口が完全に開放されている間、出口が完全に閉鎖された状態になる(第1状態)。
一方、図4の例では、供給スクリューロータ30と排出スクリューロータ32との回転を180度ずらした開始位置から開始し、同じ回転数で回転させた場合、即ち、スクリュー部62、66の位置が180度ずれた逆位相となるように、回転軸60、64を回転させた場合を表している。この例では、空気流路16は、入口が完全に閉鎖するタイミングで出口も完全に閉鎖し、入口が完全に開放されるタイミングで出口も完全に開放されるようになる(第2状態)。
具体的に、図3(a)に示すセル14の[1]の状態では、空気流路16の入口・出口の半分程度がスクリュー部62、66に接面し、半分程度開口している状態となっている。この状態では、入口圧力差ΔPにより空気流路16内に大気が流入し、図3(b)に示すようにセル14内の圧力が比較的高い状態となる。
[1]の状態から、回転軸60、64の回転により、各スクリュー部62、66が移動して[2]〜[4]の状態となると、入口が閉鎖し出口が開放された状態となる。通常、燃料電池10の運転中は、空気排出マニホールド20側の圧力(出口圧)が小さい状態とされているため、入口側が閉鎖されて出口が開口すると、空気流路16からの空気オフガスの排出が進み、空気流路16内は次第に出口圧程度の低い状態となる。
その後、[5]の状態となって、入口、出口が共に開放されると空気流路16内の圧力は一気に上昇し、空気流路16内には強い勢いで空気が導入されることとなる。この圧力変動による空気流入の勢いによって、空気流路16内に滞留する水を排水することができる。
更に、スクリュー部62、66が回転して[6]〜[8]の状態のように、空気流路16の入口は完全に開放状態となり、出口は閉鎖状態となると、空気流路16から空気が排出されなくなるため、図3(b)に示すように、空気流路16内の圧力は上昇し高い状態となる。その後再び、[1]の状態となる。
燃料電池10の運転を停止する停止モードにおいては、次回の起動等に備えるため空気流路16内の排水を十分に行なっておくことが望ましい。従って、入口圧を上昇させて、出入口圧力差ΔPを大きくする。この状態でスクリュー部62、66の位置関係を図3に示す同位相の関係とする。これにより、ある空気流路16において、入口が開放状態、出口が閉鎖状態のときに、入口側から空気が吸気され、入口が閉鎖状態、出口が開放状態のときに、出口側から空気及び滞留する水が排出される。従って、空気流路16内の圧力変化を大きくすることができ、同じ空気流量でも、燃料電池の停止モードにおいて迅速に滞留する生成水を効率的に排水することができる。つまり、ここでは出入口圧力差ΔPを大きくした状態で、空気流路16への空気の流入状態と閉鎖状態とを短期間に繰り返すことで、空気流路16内の圧力変動を大きくして排水性を向上させることができる。
また停止モードでは、回転数Reを、流路長Lに応じて変化させた回転数とする。これに圧力の共振状態が発生し、圧力変動をより大きくすることができ、排水性を向上させることができると考えられる。従って、ここでの回転数Reは、回転数Re=ke×音速C/流路長Lとされる。なお「ke」は係数であり、実験等により予め定めることができる。
一方、図4に示すように、スクリュー部62、66が逆位相とされると、入口と出口との開閉タイミングが同じとなる。つまり、ある空気流路16において、入口が開放するタイミングで出口も開放し、入口が閉鎖するタイミングで出口も閉鎖する。具体的に、図4の[1]の状態のように、入口、出口ともに開放された状態から、[2]〜[3]の状態のように入口、出口ともに閉鎖した状態となり、再び[4]状態のように入口、出口が共に開いた状態となり、[1]の状態に戻る。このように、入口、出口の開き、閉じを同じタイミングにすることで、空気流路16内に空気流入の状態と、空気が流入しない状態とが繰り返される。
燃料電池10を停止状態から起動させる際の起動モードの場合には、図4の逆位相に制御する。これにより、ある空気流路16の入口、出口が共に開放状態となるときに空気が流通することとなるため、空気流路16内に空気をスムーズに流通させることができる。更に、ある空気流路16の入口、出口共に開放しているときに、入口、出口が共に閉鎖している状態となっている他の空気流路が存在する。このため同じ空気の流量でも、入口、出口が開放されている空気流路16に空気を集中的に供給することができ、空気流路16を流通する空気の流速をあげることができる。従って、セル間でのバラツキを小さくし、起動モードの場合に、確実に空気流路に残留する気体を置換することができる。このように、起動モードにおいては逆位相とすることで、空気流路16内のガス置換を十分に行なってより早い状態で安定した発電を行なうことができるようにする。
なお、起動モードでは、個々のセルのガス置換を確実に行なうため、スクリューロータ30、32を比較的ゆっくりと回転させる。具体的に回転軸60、64の回転数Rsは、流路体積分の気体が置換されるように、Rs=ks×気体掃気流量/流路体積Vとされる。なお、ここで「ks」は係数であり、実験等により予め定めることができる。
また、燃料電池10の通常運転中には、例えば、生成水が増加してその排出をしたい場合には同位相側に変化させ、生成水を保持したい場合には逆位相側に変化させるように制御する。
この状態で、燃料不足、酸素不足を起こさないように、放電電流に比例した高速回転数で回転軸60、62を回転させる。このように回転軸60、64を回転して空気流路16の入口及び出口の開閉速度を速めることで、発電量が大きくなる場合に多くの空気が導入されるようにする。このため実施の形態1では燃料電池10の通常運転中の回転数Rは、回転数R=k×放電電流Iにより求めるものとする。ここで「k」は係数であり、実験等によって予め定めることができる。
また、高負荷時には係数「k」を大きくするように変化させることで、更に回転数Rを上昇するように設定する。これにより高出力時にはより早い速度で圧力変動を起こすことでより多くの空気を導入することができ、生成水の除去と空気の導入を効率良く行なうことが得できるようにする。また、スクリューロータ30、32の回転方向を考慮すれば、回転数Rを上昇させることで、空気をより奥側のセルにまで運ぶことができる。つまり、スクリューロータ30、32を助勢ポンプとして機能させて、酸欠となりやすい状態において流量を上昇させることができる。
以上のように、実施の形態1では、燃料電池10の起動モードにおいて、スクリューロータ30、32を逆位相で制御し、停止モードになると同位相に切り替える。これにより、その運転状態に応じた空気流量及び圧力変動を起こすことができ、排水性を向上させて、燃料電池の発電性能を向上させることができる。
図5は、この発明の実施の形態1において制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図5のルーチンは燃料電池10の運転中一定時間ごとに繰り返し実行されるルーチンである。
図5のルーチンでは、まず燃料電池10の運転が行なわれているか否かが判定される(S100)。ステップS100において、燃料電池10の運転が認められない場合には、スクリューロータ30、32の制御も不要であるから、一旦このルーチンを終了する。
一方、ステップS100において、燃料電池10の運転が行なわれていることが認められた場合、燃料電池10の入口圧と出口圧との圧力差ΔPが求められる(S102)。ここでは制御装置50により入口圧力センサ44及び出口圧力センサ46の出力が読み取られ、この出力から入口圧及び出口圧が求められ、両者の差が演算されることで圧力差ΔPが求められる。
次に、現在の燃料電池10の運転モードが、燃料電池10の停止状態から起動する際の起動モード中であるか否かが判定される(S104)。ステップS104において、起動モードであることが認められると、供給スクリューロータ30及び排出スクリューロータ32は起動モードに制御される。
具体的に、まず、供給スクリューロータ30と排出スクリューロータ32は逆位相で回転するように設定される(S106)。つまり、図3に示すように、回転軸60、64の回転開始角度が、180度ずれるように制御される。
次に、両スクリューロータ30、32の回転軸60、64の回転数Rsが演算される(S108)。起動モードの回転数Rsは、予め制御装置50に記憶されている回転数Rsの演算式に従って求められる。具体的に、起動モードの回転数Rsは、回転数Rs=ks×気体掃気量/空気流路体積Vに従って求められる。
次に、起動回転数Rsに応じて、回転軸60、64の回転が制御される(S110)。ここでは、制御装置50から回転数及び逆位相となるように制御信号が送られ、モータ34、36による回転が制御される。これにより空気流路16の体積Vに応じた必要な空気を空気流路16に導入し、起動時のパージを迅速に行なうことができる。
一方、ステップS104で燃料電池10の運転モードが起動モードであることが認められない場合、次に、燃料電池10の運転状態が、停止モードであるか否かが判定される(S112)。ステップS112において停止モードであることが認められた場合、供給スクリューロータ30及び排出スクリューロータ32は、停止モードに制御される。即ち、まず、図4のように、供給スクリューロータ30と排出スクリューロータ32とが同位相となるように設定される(S114)。つまり、回転軸60、64の回転開始角度が同じになるように設定される。これにより両スクリューロータ30、32の回転が開始すると、空気流路16の入口が開いて出口が閉じた状態、あるいは入口が閉じて出口が開いた状態が繰り返されることとなる。
次に、出入口圧力差ΔPが大きくなるように制御される(S116)。具体的には入口圧力が大きくなるように制御される。ここでの入口圧力は、排水を十分に行なうことができる圧力として、予め実験等によって定められ制御装置50に記憶されている。
次に、停止モードにおける回転数Reが演算される(S118)。停止モードにおける回転数Reは、流路長Lに応じたものとなるように設定される。具体的には、予め制御装置に記憶された演算式に従って演算される。ここでは、回転数Re=ke×音速C/流路長Lの演算式で演算される。
その後、設定された位相及び回転数Reに制御されて両スクリューロータ30、32の回転が制御される(S110)。具体的には、制御装置50から制御信号が発せられ、これにより回転軸60、64に取り付けられたモータ34、36が制御されることで、スクリュー部62、66が同位相及び回転数Reで回転することとなる。
一方、ステップS112において、燃料電池10の停止モード中であることが認められない場合、燃料電池10の運転モードは、通常運転モードであると判断される。この場合、まず、燃料電池10の電流が検出される(S120)。電流は燃料電池10に取り付けられた電流計48の出力が制御装置50に取り込まれ、この出力に従って検出される。
次に、スクリューロータ30、32は通常運転モードに制御される。即ち、まず両スクリューロータ30、32の回転数Rが演算される(S122)。通常運転モードでの回転数Rは、予め制御装置50に記憶された演算式に従って演算される。具体的にここでは、空気通路16に供給される空気不足やフラッディングを防止するため、ステップS118で検出された現在の電流Iに比例するよう、回転数R=k×放電電流Iに従って求められる。
次に、スクリューロータ30、32の位相が演算される(S124)。ここでは燃料電池10の運転状態に応じて、生成水の除去を行ないたい場合には同位相側へ、生成水を保持したい場合には逆位相側へ変化するように、現在のスクリューロータ30、32の位相に対する補正量が求められ、位相が決定される。
その後、モータ34、36による回転軸60、64の回転数及び位相がステップS122、S124において求められた回転数R及び位相に設定されて、スクリューロータ30、32が制御される(S110)。
以上説明したように、実施の形態1では、空気流路16の空気の流通をスクリューロータ30、32の回転によって制御することができる。これにより、空気流路16内に圧力変動を起こし、また空気の流通量を増加・減少させることができる。従って、必要に応じて空気流路16に溜まった生成水を排出すると共に、迅速に空気流路16のパージを行なうことができる。
なお、実施の形態1では、起動モードでスクリューロータ30、32を逆位相とし、停止モードにおいて同位相とする場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではない。例えば、同位相、逆位相のみに固定せず、停止モードにおいて、ある程度位相がずれるようにしてもよい。このように位相をずらすことによっても、空気流路16内にある程度の圧力変動量を変化させることができるため、空気流路に滞留する生成水を必要に応じて効果的に排出することができる。これについては、実施の形態2においても同様である。
また、この発明における通常の運転モードにおけるスクリューロータ30、32の制御は、実施の形態1に説明したものに限るものではない。例えば、スクリューロータ30、32の位相差を大きくすることで、入口及び出口の開閉タイミングをずらし、圧力変動を大きくすることができると考えられる。従って、スクリューロータ30、32は、例えばフラッディングが起きたことが検出された場合などに、位相差が大きくなるように制御することも有効である。なお、このような場合の位相差は、空気流路の幅やスクリュー部62、66の間隔等によって異なるものであるから、これらを考慮して圧力変動が大きくなる位相差に設定すればよい。なお、フラッディングは各セル14のセル電圧をモニターすることで、検出することができる。これについては、実施の形態2においても同様である。
また、実施の形態1では、各回転数R、Rs、Reの演算の式について説明したが、この発明において回転数はこれに限るものではない。各モードにおける回転数は、効果的にそのモードにおいて必要な、パージや生成水の除去等を行なうことができるものであればよい。また回転数をそれぞれの運転モードに応じて変化させるものに限るものでもなく、常に一定の回転数としてもよい。これについては、実施の形態2においても同様である。
また、実施の形態1では、1のセル14の空気流路16のそれぞれの開口面積がスクリュー部62、66により制御される場合について説明した。しかし、この発明においてはこれに限るものではなく、例えば複数のセル群ごとに、空気流路16を開閉する幅でスクリュー部62、66を設けて、複数のセル群ごとに空気流路16の開閉を制御することとすることもできる。この場合には、そのセル群ごとに、空気流路16の入口と出口の開放及び閉鎖のタイミングが同位相、逆位相となるようにすることで、上記の実施の形態1の制御を適用することができる。これについては、実施の形態2においても同様である。
また、入口側と出口側で同じ形状のスクリューロータ30、32を用い、各スクリューロータのスクリュー部62、66の幅Wとスクリュー部間の間隔Dとが同一である場合について説明した。スクリューロータ30、32をこのような同一形状とすることで、開始角度を制御するだけで容易に同位相及び逆位相の制御を実現することができる。しかし、この発明において開閉手段はこれに限るものではなく、入口側と出口側とで異なる形状のスクリューロータを用いたものとすることもできる。この場合には、図3、図4の同位相、逆位相の状態が実現されるように、各スクリューロータを別個に制御すればよい。
また、実施の形態1では、空気流路16側にのみスクリューロータ30、32を設ける場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、燃料流路側に同様のスクリューロータを設けることもできる。例えば、燃料流路側にスクリューロータを設置した上で、上記の起動モードと同様の制御を行なうことにより、起動時に燃料流路内をより早く燃料でパージすることができる。これについては、実施の形態2においても同様である。
また、実施の形態1では、固体高分子型の燃料電池を想定して説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、膜−電極接合体をセパレータで隔離して複数積層したスタック構造を有するものであれば、他の燃料電池にも適用することができる。
なお、図5の制御のルーチンにおいて、例えば、ステップS106、S110、又はS114が実行されることで、この発明の「制御手段」が実現し、ステップS104が実行されることで「起動モード判定手段」が実現し、ステップS112が実行されることで「停止モード判定手段」が実現し、ステップS120が実行されることで「発電量検出手段」が実現し、ステップS122が実行されることで「開閉速度設定手段」が実現する。
実施の形態2.
実施の形態2の燃料電池のシステム構成は、入口開閉手段及び出口開閉手段であるロータの形状が異なる点を除いて、実施の形態1と同じものである。図6及び図7は、実施の形態2の入口開閉手段及び出口開閉手段の構成を説明するための模式図である。
図6に示すように、実施の形態2の供給ロータ70及び排出ロータ80は、回転軸72、82のそれぞれに、スクリュー部62、66に替えて、複数の半円板74、84が取り付けられて構成されている。半円板74、84は、複数のセル群の積層方向の全長と同じの厚みを有している。また、半円板74は、流入口面に相対する位置にあるときに、その入口に接し、入口を塞ぐように構成されている。同様に、半円板84は、複数のセル群の排出口面に相対する位置にあるときに、その出口に接し、出口を塞ぐように構成されている。
隣接する半円板74、84は、互いに回転軸72、82を中心に一定角度ずつずらすようにして回転軸72、82に取り付けられている。従って、回転軸72、82が回転すると、図7に示すように隣接するセル群ごとに、入口及び出口の開度が少しずつ異なるものとなる。
ここで、供給ロータ70と排出ロータ80とは同一の形状に構成されている。つまり、半円板74、84の配置は、供給ロータ70と排出ロータ80とで同じ間隔、同じ角度のずれをもって配置されている。従って、回転軸72、82が同じ回転角度から回転を開始すると同位相に動くように設定される。つまり、あるセル群では入口が開放状態となり出口が閉鎖状態となる。一方、他のセル群では、入口が閉鎖状態となり、出口が開放状態となる。従って、図3に説明したような同位相の状態が実現される。
一方、回転開始角度が180度ずらされて回転を開始すると、あるセル群では入口及び出口が共に開放し、あるセル群では入口及び出口が共に閉鎖した状態となる。これにより、実施の形態1と同様に図4の逆位相の状態が実現される。なお、実施の形態2の各ロータ70、80の制御は、図5のルーチンと同じルーチンにより実行される。
なお、入口開閉手段及び出口開閉手段は、実施の形態1及び2に説明した構成に限るものではない。この発明において入口開閉手段及び出口開閉手段は空気流路16を開閉し、かつ他のセル又はセル群との間で、入口及び出口の開閉状態を異なるように制御できるものであれば、他の形状としてもよい。例えば、入口又は出口に接し、これらを完全に閉鎖できる蓋状の部材をセル間隔ごとに配置してこれを横方向(つまりセルの積層方向)に徐々にシフトすることで、同様の制御を行なうことができる。
また、入口側と出口側で同じ形状の開閉手段を用いる場合について説明した。このように同じ形状のものを用いることで、開始角度を調整するだけで容易に同位相及び逆位相の制御を実現することができる。しかし、この発明において開閉手段はこれに限るものではなく、入口側と出口側とで異なる形状の開閉手段を用いたものとすることもできる。
また、以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に限定されるものではない。また、実施の形態において説明する構造や、方法におけるステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
なお、以上の実施の形態において、例えば、セル14の電解質膜は、この発明の「電解質」に該当し、アノード極及びカソード極は「一対の電極」に、空気供給マニホールド18は「供給マニホールド」に、空気排出マニホールド20は「排出マニホールド」に、供給スクリューロータ30及び供給ロータ70は「入口開閉手段」に、排出スクリューロータ32及び排出ロータ80は「出口開閉手段」に、制御装置50は「制御手段」にそれぞれ該当する。また、例えば、回転軸60、72は、この発明における入口開閉手段の「回転軸」に、回転軸64、82は出口開閉手段の「回転軸」に、スクリュー部62は入口開閉手段の「螺旋部材」に、スクリュー部66は出口開閉手段の「螺旋部材」に、半円板74は入口開閉手段の「回転部材」に、半円板84は出口開閉手段の「回転部材」にそれぞれ該当する。
この発明の実施の形態1における燃料電池システムの構成について説明するための模式図である。 この発明の実施の形態1における燃料電池システムの構成について説明するための模式図である。 この発明の実施の形態1における燃料電池の起動モードにおけるバルブの開閉状態について説明するための図である。 この発明の実施の形態1における燃料電池の停止モードにおけるバルブの開閉状態について説明するための図である。 この発明の実施の形態1において、燃料電池システムの制御装置が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態2における燃料電池のバルブについて説明するための図である。 この発明の実施の形態2における燃料電池システムについて説明するための図である。
符号の説明
10 燃料電池
12 エンドプレート
14 セル
16 空気流路
18 空気供給マニホールド
20 空気排出マニホールド
30 供給スクリューロータ
32 排出スクリューロータ
34、36 モータ
40 空気供給管
42 空気排出管
44、46 圧力センサ
48 電流計
50 制御装置
60、64 回転軸
62、66 スクリュー部
70 供給ロータ
80 排出ロータ
72、82 回転軸
74、84 半円板

Claims (13)

  1. 電解質と、前記電解質の両側にそれぞれ配置された一対の電極と、を備える複数の膜−電極接合体と、
    前記膜−電極接合体を挟むように配置され、前記一対の電極のうち、一方の電極と対向する対向面において、該一方の電極それぞれに反応剤を流通させる反応剤流路を備えた複数のセパレータと、
    前記複数のセパレータを積層方向に貫通し、かつ、前記反応剤流路の入口に接続し、前記一方の電極に供給する反応剤を、前記反応剤流路に流通させる供給マニホールドと、
    前記複数のセパレータを積層方向に貫通し、かつ、前記反応剤流路の出口に接続し、前記一方の電極から前記反応剤流路を介して排出される排剤を流通させる排出マニホールドと、
    前記供給マニホールドに配置され、前記反応剤流路の入口の、開閉状態を変化させる入口開閉手段と、
    前記排出マニホールドに配置され、前記反応剤流路の出口の、開閉状態を変化させる出口開閉手段と、
    燃料電池の運転モードに応じて、前記入口開閉手段と前記出口開閉手段とを制御して、第1状態と第2状態とを切り替える制御手段と、を備え、
    前記第1状態は、前記複数のセパレータのうちいずれかのセパレータである第1セパレータの前記反応剤流路の入口が閉鎖され出口が開放され、前記第1セパレータとは異なる他のいずれかのセパレータである第2セパレータの前記反応剤流路の入口が開放され出口が閉鎖された状態と、前記第1セパレータの前記反応剤流路の入口が開放され出口が閉鎖され、前記第2セパレータの前記反応剤流路の入口が開放され出口が閉鎖された状態と、が繰り返される状態であり
    前記第2状態は、前記第1セパレータの反応剤流路の入口出口とが共に開放され、前記第2セパレータの入口と出口とが共に閉鎖された状態と、前記第1セパレータの反応剤流路の入口と出口とが共に閉鎖され、前記第2セパレータの入口と出口とが共に開放された状態と、が繰り返される状態である
    とを特徴とする燃料電池システム。
  2. 燃料電池の運転モードが、停止状態の燃料電池を起動させる際の起動モードであるか否かを判定する起動モード判定手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記起動モードであると判定された場合に、前記第2状態となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 燃料電池の運転モードが、運転状態の燃料電池を停止させる際の停止モードであるか否かを判定する停止モード判定手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記停止モードであると判定された場合に、前記第1状態となるように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 燃料電池の運転中に、フラッディングの発生を検出するフラッディング検出手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記フラッディングが検出された場合に、前記複数のセパレータにおいて、前記反応剤流路の入口が開放されるタイミングと、出口が閉鎖又は開放されるタイミングとがずれ、かつ、前記反応剤流路の入口が閉鎖されるタイミングと、出口が閉鎖又は開放されるタイミングとがずれている第3状態となるように、前記入口開閉手段及び前記出口開閉手段を制御することを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の燃料電池システム。
  5. 燃料電池の通常運転中に、
    燃料電池の発電量を検出する発電量検出手段と、
    前記発電量に応じて、前記反応剤流路の入口の開閉状態を変化させる速度と、前記反応剤流路の出口の開閉状態を変化させる速度とを設定する開閉速度設定手段と、
    を更に備え、
    前記制御手段は、設定された速度に応じて、前記反応剤流路の入口及び前記反応剤流路の出口の開閉状態が変化するように制御することを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の燃料電池システム。
  6. 前記入口開閉手段は、前記供給マニホールド内に回転可能に設置された回転体であって、
    前記制御手段は、前記回転体の回転を制御して、前記反応剤流路の入口の開口面積を変化させることで、前記反応剤流路の入口の開閉状態を制御することを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の燃料電池システム。
  7. 前記入口開閉手段は、
    前記供給マニホールド内に回転可能に設置された回転軸と、
    前記回転軸の周囲に螺旋状に配置され、前記回転軸の回転と共に回転して前記反応剤流流路の入口との接触面積を変化させることで、該反応剤流路の入口の開口面積を変化させる螺旋部材と、
    を備えることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記入口開閉手段は、
    前記供給マニホールド内に回転可能に設置された回転軸と、
    前記回転軸の周囲に配置され、前記回転軸の回転と共に回転して前記反応剤流路の入口との接触面積を変化させることで、該反応剤流路の入口の開口面積を変化させる回転部材と、
    を備えることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システム。
  9. 前記出口開閉手段は、前記排出マニホールド内に回転可能に設置された回転体であって、
    前記制御手段は、前記回転体の回転を制御して、前記反応剤流路の出口の開口面積を変化させることで、前記反応剤流路の出口の開閉状態を制御することを特徴とする請求項1から8の何れか1項記載の燃料電池システム。
  10. 前記出口開閉手段は、
    前記排出マニホールドに回転可能に設置された回転軸と、
    前記回転軸の周囲に螺旋状に配置され、前記回転軸の回転と共に回転して前記反応剤流路の出口との接触面積を変化させることで、該反応剤流路の出口の開口面積を変化させる螺旋部材と、
    を備えることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システム。
  11. 前記出口開閉手段は、
    前記排出マニホールドに回転可能に設置された回転軸と、
    前記回転軸の周囲に配置され、前記回転軸の回転と共に回転して前記反応剤流路の出口との接触面積を変化させることで、該反応剤流路の出口の開口面積を変化させる回転部材と、
    を備えることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システム。
  12. 前記入口開閉手段は、前記供給マニホールド内に回転可能に設置された回転体であり、
    前記出口開閉手段は、前記入口開閉手段と同形状に構成され、かつ、前記排出マニホールド内に回転可能に設置された回転体であり、
    前記制御手段は、前記入口開閉手段と前記出口開閉手段との回転を同位相とすることで、前記第1状態に制御し、前記入口開閉手段と前記出口開閉手段との回転を180度ずらした逆位相とすることで、前記第2状態に制御することを特徴とする請求項1から11の何れか1項記載の燃料電池システム。
  13. 前記一方の電極は、カソード極であることを特徴とする請求項1から12の何れか1項記載の燃料電池システム。
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