JP5098399B2 - 出力管理装置およびこれを備える車両並びに出力管理方法,車両の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、充放電可能な蓄電手段の出力を管理する出力管理装置およびこれを備える車両並びに出力管理方法,車両の制御方法に関する。
従来、この種の出力管理装置としては、車両に搭載され、アクセル開度やエンジンの始動要求に基づいてバッテリの定格出力を超える超過出力要求がなされたときには、アクセル開度やバッテリの温度に基づいて超過出力を設定し、設定した超過出力までのバッテリの出力を許可するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、アクセル開度やバッテリの温度に基づいて超過出力を設定することにより、バッテリの性能を発揮するものとしている。
特開2002−58113号公報
このように、搭載しているバッテリの性能を十分に発揮することによりバッテリを小型化したりバッテリの電力を用いるモータの性能アップを図ることは重要な課題の一つとして考えられている。ここで、バッテリの出力特性は、バッテリの種類によって大きく異なる場合があるから、バッテリからの出力の設定もバッテリの種類に対応したものが求められる。特に、冷間時にエンジンを始動する際にはバッテリから十分な出力が得られない場合が多いから、バッテリの性能を十分に発揮できるようにすることが望ましい。
本発明の出力管理装置および出力管理方法は、二次電池などの蓄電手段の性能を発揮することを目的の一つとする。また、本発明の車両および車両の制御方法は、二次電池などの蓄電手段の性能を発揮して内燃機関の始動性をより向上させることを目的の一つとする。
本発明の出力管理装置およびこれを備える車両並びに出力管理方法,車両の制御方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
充放電可能な蓄電手段の出力を管理する出力管理装置であって、
前記蓄電手段の残容量を演算する残容量演算手段と、
前記蓄電手段の温度を検出する温度検出手段と、
前記蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされていないときには該定格出力を該蓄電手段の出力制限に設定し、前記蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされているときには前記演算された蓄電手段の残容量と前記検出された蓄電手段の温度とに基づいて前記定格出力を超える出力を該蓄電手段の出力制限に設定する出力制限設定手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の出力管理装置では、蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされていないときには定格出力を蓄電手段の出力制限に設定し、蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされているときには蓄電手段の残容量と蓄電手段の温度とに基づいて定格出力を超える出力を蓄電手段の出力制限に設定する。したがって、蓄電手段の性能をより発揮することができる。ここで、「蓄電手段」として高残容量依存性の出力特性を有するもの、例えばリチウムイオン二次電池を用いるものとすれば出力管理装置の効果をより顕著なものとすることができる。
こうした本発明の出力管理装置において、前記出力制限設定手段は、前記蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされているときには、前記演算された蓄電手段の残容量が大きいほど大きくなる傾向に前記出力制限を設定する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の出力管理装置において、前記出力制限設定手段は、前記蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされているときには、前記検出された蓄電手段の温度が充放電に適した適正温度に近づくほど大きくなる傾向に前記出力制限を設定する手段であるものとすることもできる。
さらに、駆動装置に搭載された本発明の出力管理装置において、前記駆動装置は、内燃機関と、充放電可能な蓄電手段と、該蓄電手段の充放電を伴って前記内燃機関を始動する始動手段とを備え、前記出力制限設定手段は、前記検出された蓄電手段の温度が所定温度未満の状態で前記内燃機関を始動する際に前記蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされているとして、前記演算された蓄電手段の残容量と前記検出された蓄電手段の温度とに基づいて前記出力制限を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段の性能を発揮して内燃機関の始動性をより向上させることができる。この態様の本発明の出力管理装置において、前記出力制限設定手段は、前記検出された蓄電手段の温度が所定温度未満の状態で前記内燃機関を始動する際には、該始動が完了するまでの時間に亘って前記演算された蓄電手段の残容量と前記検出された蓄電手段の温度のもとで該蓄電手段から出力できる最大出力を前記出力制限に設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、低温時の蓄電手段の性能を発揮して内燃機関の始動性をよりスムーズに行なうことができる。
本発明の車両は、
内燃機関と、
充放電可能な蓄電手段と、
該蓄電手段の充放電を伴って前記内燃機関を始動する始動手段と、
前記蓄電手段の出力を管理する上述した各態様のいずれかの本発明の出力管理装置と、
前記内燃機関の始動が要求されたときには、前記出力管理装置によって設定された前記出力制限の範囲内で前記内燃機関が始動されるよう前記始動手段を制御する始動制御手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の車両では、上述した各態様のいずれかの本発明の出力管理装置によって設定された蓄電手段の出力制限の範囲内で内燃機関が始動されるよう始動手段を制御するから、蓄電手段の能力を発揮して内燃機関の始動性をより向上させることができる。
こうした本発明の車両において、前記始動手段は、前記車軸に連結された駆動軸に接続されると共に該駆動軸に対して独立して回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力により前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力可能な電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機とを備える手段であるものとすることもできる。この場合、前記電力動力入出力手段は、動力を入出力する発電機と、前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と前記駆動軸の3軸に接続され該3軸のうちの2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に入出力する3軸式動力入出力手段とを備える手段であるものとすることもできる。
本発明の出力管理方法は、
充放電可能な蓄電手段の出力を管理する出力管理方法であって、
前記蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされていないときには該定格出力を該蓄電手段の出力制限に設定し、前記蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされているときには該蓄電手段の残容量と温度とに基づいて該定格出力を超える出力を該蓄電手段の出力制限に設定する
ことを特徴とする。
この本発明の出力管理方法によれば、蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされていないときには定格出力を蓄電手段の出力制限に設定し、蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされているときには蓄電手段の残容量と蓄電手段の温度とに基づいて定格出力を超える出力を蓄電手段の出力制限に設定する。したがって、蓄電手段の性能をより発揮することができる。ここで、「蓄電手段」として高残容量依存性の出力特性を有するもの、例えばリチウムイオン二次電池を用いるものとすれば出力管理装置の効果をより顕著なものとすることができる。
本発明の車両の制御方法は、
内燃機関と、充放電可能な蓄電手段と、該蓄電手段の充放電を伴って前記内燃機関を始動する始動手段とを備える車両の制御方法であって、
前記蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされていないときには該定格出力を該蓄電手段の出力制限に設定し、前記蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされているときには該蓄電手段の残容量と温度とに基づいて該定格出力を超える出力を該蓄電手段の出力制限に設定し、
前記内燃機関を始動する際には、前記設定された蓄電手段の出力制限の範囲内で前記内燃機関が始動されるよう前記始動手段を制御する
ことを特徴とする。
この本発明の車両の制御方法によれば、蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされていないときには定格出力を蓄電手段の出力制限に設定し、蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされているときには蓄電手段の残容量と蓄電手段の温度とに基づいて定格出力を超える出力を蓄電手段の出力制限に設定し、内燃機関を始動する際には、設定された蓄電手段の出力制限の範囲内で内燃機関が始動されるよう始動手段を制御する。したがって、蓄電手段の性能を発揮して内燃機関の始動性をより向上させることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることに
なる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、高い残容量依存性と高い温度依存性の出力特性をもつリチウムイオン二次電池として構成されており、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、車両のシステム起動に伴ってエンジン22を始動する際の動作について説明する。図2は実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるシステム起動時始動制御ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図3はこうしたエンジン22の始動制御に用いられるバッテリ50の出力制限Woutを管理するためのバッテリECU52により実行される出力管理ルーチンの一例を示すフローチャートである。ここで、システム起動時始動制御ルーチンは、イグニッションスイッチ80がオンされて車両のシステム起動を行なう際にエンジン22の冷却水温が所定温度未満などの所定のエンジン始動条件が成立しているときに実行される。また、出力管理ルーチンは、所定時間毎(例えば8msec毎)に繰り返し実行される。以下に、まず、システム起動時始動制御ルーチンについて説明し、その後、システム起動時始動制御ルーチンで用いられる出力管理ルーチンについて説明する。
システム起動時始動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、モータMG1の回転数Nm1やエンジン22の回転数Ne,バッテリ50の出力制限Woutなどの制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1の回転数Nm1は、回転位置検出センサ43により検出されるモータMG1の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、エンジン22の回転数Neは、エンジン22に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサなどにより検出されて求められた回転数NeをエンジンECU24から通信により入力するものとした。出力制限Woutは、図3に例示する出力管理ルーチンにより設定される出力制限WoutをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、始動時のトルクマップとエンジン22の始動開始からの経過時間tとに基づいてモータMG1のモータトルクTm1tmpを設定する(ステップS110)。エンジン22の始動時にモータMG1のモータトルクTm1tmpを設定するトルクマップの一例とエンジン22の回転数Neの変化の様子の一例とを図4に示す。実施例のトルクマップは、エンジン22の始動指示がなされた時間t1の直後からレート処理を用いて比較的大きなトルクをモータトルクTm1tmpに設定してエンジン22の回転数Neを迅速に増加させる。エンジン22の回転数Neが共振回転数帯を通過したか共振回転数帯を通過するのに必要な時間以降の時間t2にエンジン22を安定して回転数Nref以上でモータリングすることができるトルクをモータトルクTm1tmpに設定し、電力消費や駆動軸としてのリングギヤ軸32aにおける反力を小さくする。そして、エンジン22の回転数Neが回転数Nrefに至った時間t3からレート処理を用いてモータトルクTm1tmpを値0とし、エンジン22の完爆が判定された時間t5から発電用のトルクをモータトルクTm1tmpに設定する。ここで、回転数Nrefは、エンジン22の燃料噴射制御や点火制御を開始する回転数である。
続いて、入力したバッテリ50の出力制限Woutを入力したモータMG1の回転数Nm1で割ったものをモータMG1から出力してもよいトルクの上限としてのトルク制限Tm1maxに設定し(ステップS120)、設定したトルク制限Tm1maxとモータトルクTm1tmpとのうち小さい方をモータMG1のトルク指令Tm1*に設定する(ステップS130)。いま、車両のシステム起動に伴ってエンジン22を始動するときを考えているから、リングギヤ軸32aの回転は停止している。このため、損失を考えなければ、モータMG2から如何なるトルクが出力されてもモータMG2は電力消費しない。したがって、式(1)を用いてトルク制限Tm1maxを設定すると共にこのトルク制限Tm1maxを上限としてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定することにより、バッテリ50の出力制限Woutの範囲内でエンジン22をモータリングすることができる。
Tm1max=Wout/Nm1 (1)
トルク指令Tm1*を設定すると、設定したトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いて次式(2)によりモータMG2から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm2*を設定し(ステップS140)、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する(ステップS150)。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*,Tm2*に相当するトルクがモータMG1,MG2から出力されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。エンジン22をモータリングしているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を図5に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。式(2)を用いてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、エンジン22のモータリングに伴ってリングギヤ軸32aに出力されるトルク(−Tm1*/ρ)はモータMG2からの出力されるトルクによってキャンセルされるから、リングギヤ軸32aにはトルクは何ら作用しない。
Tm2*=(Tm1*/ρ)/Gr (2)
そして、エンジン22の回転数Neが燃料噴射制御や点火制御を開始する回転数Nref以上に至っているか否かを判定する(ステップS160)。エンジン22のモータリングを開始した直後を考えると、エンジン22の回転数Neは小さく、回転数Nrefには至っていない。このとき、この判定では否定的な結論がなされ、燃料噴射制御や点火制御が開始されることなくステップS100に戻ってステップS100〜S160の処理を繰り返す。エンジン22のモータリングが継続されてステップS160でエンジン22の回転数Neが回転数Nref以上に至ったと判定されると、燃料噴射制御と点火制御とが開始されるよう制御信号をエンジンECU24に送信し(ステップS170)、エンジン22が完爆したと判定されるまで待って(ステップS180)、本ルーチンを終了する。
次に、システム起動時始動制御ルーチンに用いられるバッテリ50の出力管理ルーチンについて説明する。出力管理ルーチンが実行されると、バッテリECU52のCPUは、まず、温度センサ51からのバッテリ50の電池温度Tbやバッテリ50の残容量SOCを入力し(ステップS200)、エンジン22が始動中か否かを判定すると共に入力した電池温度Tbが所定温度Tbref未満か否かを判定する(ステップS210,S220)。ここで、所定温度Tbrefは、バッテリ50の定格出力の範囲内でエンジン22の始動を良好に行なうことができるか否かを判定するための閾値であり、例えば−15℃や−10℃,−5℃などのようにバッテリ50の性能によって予め設定されている。エンジン22が始動中でないと判定されたり電池温度Tbが所定温度Tbref以上と判定されたときには、出力制限設定用マップとして通常時用のマップを設定すると共に(ステップS230)、設定した通常時用の出力制限設定用マップを用いて入力した残容量SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50の出力制限Woutを設定して(ステップS240)、本ルーチンを終了する。通常時用の出力制限設定用マップの一例を図6に示す。通常時用の出力制限設定用マップは、バッテリ50の定格出力を設定するためのマップとして作成されているものである。
一方、エンジン22が始動中で且つ電池温度Tbが所定温度Tbref未満のときには、出力制限設定用マップとして冷間始動時用のマップを設定すると共に(ステップS250)、設定した冷間始動時用の出力制限設定用マップを用いて入力した残容量SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50の出力制限Woutを設定して(ステップS260)、本ルーチンを終了する。冷間始動時用の出力制限設定用マップの一例を図7に示す。なお、図中の破線に、通常時用の出力制限設定用マップの一部を示した。図示するように、冷間始動時用の出力制限設定用マップでは、同一の残容量SOCおよび電池温度Tbのもとで通常時用の出力制限設定用マップで設定されるバッテリ50の定格出力を超える出力が出力制限Woutとして設定され、具体的には、エンジン22の始動を開始してからその始動が完了するまでに亘って(例えば1秒や2秒など)残容量SOCと電池温度Tbのもとでバッテリ50から出力できる最大電力またはそれよりも若干小さい電力として設定され、残容量SOCが大きいほど且つ電池温度Tbが適正温度(バッテリ50が最適に動作する温度)に近いほど大きくなる傾向に設定される。前述したように、バッテリ50はリチウムイオン二次電池として構成されており、リチウムイオン二次電池は高い残容量依存性の出力特性をもつことが知られているから、電池温度Tbに加えて残容量SOCも考慮に入れて出力制限Woutを設定することにより、バッテリ50の能力を最大限発揮させることができる。極低温時にエンジン22を始動する際に通常時用の出力制限設定用マップを用いてバッテリ50の出力制限Woutを設定すると、電池温度Tbの低下に伴って出力制限Woutには比較的小さな値が設定されるから、ステップS120で計算されるトルク制限Tm1maxも小さくなり、ステップS130でモータMG1のトルク指令Tm1*は大きく制限される。このため、エンジン22の回転数Neが共振回転数帯に長く留まって車両に振動が生じたり、場合によってはエンジン22を始動することができなくなる。実施例では、極低温時にエンジン22を始動する際には、冷間始動時用の出力制限設定用マップを用いて出力制限Woutを設定するから、バッテリ50の能力を発揮してエンジン22の始動をスムーズに行なうことができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、電池温度Tbが所定温度Tbref未満の状態でエンジン22を始動する際には、冷間始動時用の出力制限設定用マップを用いて残容量SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50の定格出力を超える出力を出力制限Woutに設定し、設定した出力制限Woutの範囲内でエンジン22をモータリングして始動するから、バッテリ50の能力を発揮させて極低温時のエンジン22の始動をスムーズに行なうことができる。しかも、電池温度Tbが所定温度Tbref以上のときには、通常時用の出力制限設定用マップを用いてバッテリ50の定格出力を出力制限Woutに設定するから、バッテリ50に過大な負担が掛かるのをできる限り抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、電池温度Tbが所定温度Tbref以上の状態でエンジン22を始動する際には定格出力をバッテリ50の出力制限Woutに設定するものとしたが、定格出力を超える出力をバッテリ50の出力制限Woutに設定するものとしてもよい。この場合、残容量SOCと電池温度Tbとに基づいて定格出力を超える出力を出力制限Woutに設定するものとしてもよいし、残容量SOCと電池温度Tbとに基づいて定格出力を設定すると共に定格出力を超える分の超過出力を電池温度Tbに基づいて設定し超過出力を定格出力に加えたものを出力制限Woutに設定するものとしてもよいし、残容量SOCと電池温度Tbとに基づいて定格出力を設定すると共に設定した定格出力に所定値を加えたものを出力制限Woutに設定するものとしてもよい。
実施例ハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図8の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図8における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図9の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22と動力分配統合機構30とモータMG1,MG2とを備えるものとしたが、エンジンからの動力を変速して車軸に接続された駆動軸に出力する変速機と、駆動軸に動力を出力する電動機と、エンジンをクランキングするクランキング用電動機と、両電動機と電力をやり取りするバッテリとを備えるものとしてもよい。
実施例では、バッテリの出力管理をハイブリッド自動車20,120,220に搭載されたバッテリ50の出力管理に適用するものとして説明したが、ハイブリッド自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載されたバッテリの出力管理装置の形態や建設設備などの移動しない設備に組み込まれたバッテリの出力管理装置の形態としても構わない。さらに、こうした出力管理装置の制御方法の形態としてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、バッテリ50の充放電電流を積算して残容量SOCを演算するバッテリECU52が「残容量演算手段」に相当し、温度センサ51が「温度検出手段」に相当し、通常時には通常時用の出力制限設定用マップを用いて定格出力をバッテリ50の出力制限Woutに設定し、電池温度Tbが所定温度Tbref未満でエンジン22を始動するときには冷間始動時用の出力制限設定用マップを用いて残容量SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50の出力制限Woutを設定する図3の出力管理ルーチンを実行するバッテリECU52が「出力制限設定手段」に相当する。また、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1と動力分配統合機構30とモータMG2との組み合わせが「始動手段」に相当し、バッテリ50の出力制限Woutの範囲内でエンジン22がモータリングされるようモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してモータECU40に送信すると共にエンジン22の回転数Neが回転数Nref以上に至ったときに燃料噴射制御と点火制御の開始指示をエンジンECU24に送信する図2のシステム起動時始動制御ルーチンを実行するハイブリッド用電子制御ユニット70とトルク指令Tm1*,Tm2*を受けてモータMG1,MG2を制御するモータECU40と燃料噴射制御と点火制御の開始指示を受けてエンジン22を制御するエンジンECU24とが「始動制御手段」に相当する。また、モータMG1と動力分配統合機構30との組み合わせが「電力動力入出力手段」に相当する。また、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当する。ここで、「蓄電手段」としては、リチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ50に限定されるものではなく、ニッケル水素二次電池などの他のタイプの蓄電手段としても構わない。「残容量演算手段」としては、バッテリ50の充放電電流を積算して残容量SOCを演算するものに限定されるものではなく、蓄電手段の残容量を演算するものであれば如何なるものであっても構わない。「出力制限設定手段」としては、通常時には通常時用の出力制限設定用マップを用いて定格出力をバッテリ50の出力制限Woutに設定し、電池温度Tbが所定温度Tbref未満でエンジン22を始動するときには冷間始動時用の出力制限設定用マップを用いて残容量SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50の出力制限Woutを設定するものに限定されるものではなく、蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされていないときには定格出力を蓄電手段の出力制限に設定し、蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされているときには蓄電手段の残容量と温度とに基づいて定格出力を超える出力を蓄電手段の出力制限に設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「始動制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とモータECU40とエンジンECU24との組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機として構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせて4以上の軸に接続されるものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる作動作用を有するものなど、駆動軸と出力軸と発電機の回転軸との3軸に接続され3軸のうちのいずれかに軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車製造産業に利用可能である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるシステム起動時始動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 実施例のバッテリECU52により実行される出力管理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 始動時のトルクマップの一例とエンジン22の回転数Neの変化の様子の一例とを示す説明図である。 エンジン22をモータリングしているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 通常時用の出力制限設定用マップの一例を示す説明図である。 冷間始動時用の出力制限設定用マップの一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (12)

  1. 内燃機関と、充放電可能な蓄電手段と、該蓄電手段の充放電を伴って前記内燃機関を始動する始動手段とを備える駆動装置に搭載され、前記蓄電手段の出力を管理する出力管理装置であって、
    前記蓄電手段の残容量を演算する残容量演算手段と、
    前記蓄電手段の温度を検出する温度検出手段と、
    前記内燃機関の冷間始動時でない通常時には前記演算された残容量と前記検出された温度とに基づいて定格出力を前記蓄電手段の出力制限に設定し、前記内燃機関の冷間始動時には該内燃機関の始動を開始してからその始動が完了するまでに亘って前記演算された残容量と前記検出された温度のもとで前記定格出力を超えて該蓄電手段から出力できる最大出力を該蓄電手段の出力制限に設定する出力制限設定手段と
    を備える出力管理装置。
  2. 前記出力制限設定手段は、前記内燃機関の冷間始動時には、同一の残容量および温度のもとで前記通常時に設定される定格出力を超える出力を前記蓄電手段の出力制限に設定する手段である請求項1記載の出力管理装置。
  3. 前記出力制限設定手段は、前記蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされているときには、前記演算された蓄電手段の残容量が大きいほど大きくなる傾向に前記出力制限を設定する手段である請求項1または2記載の出力管理装置。
  4. 前記出力制限設定手段は、前記蓄電手段の定格出力を超える出力の要求がなされているときには、前記検出された蓄電手段の温度が充放電に適した適正温度に近づくほど大きくなる傾向に前記出力制限を設定する手段である請求項1ないし3いずれか1項に記載の出力管理装置。
  5. 前記蓄電手段は、高残容量依存性の出力特性を有する手段である請求項1ないしいずれか1項に記載の出力管理装置。
  6. 前記蓄電手段は、リチウムイオン二次電池である請求項記載の出力管理装置。
  7. 内燃機関と、
    充放電可能な蓄電手段と、
    該蓄電手段の充放電を伴って前記内燃機関を始動する始動手段と、
    前記蓄電手段の出力を管理する請求項1ないしいずれか1項に記載の出力管理装置と、
    前記内燃機関の始動が要求されたときには、前記出力管理装置によって設定された前記出力制限の範囲内で前記内燃機関が始動されるよう前記始動手段を制御する始動制御手段と
    を備える車両。
  8. 前記始動手段は、前記車軸に連結された駆動軸に接続されると共に該駆動軸に対して独立して回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力により前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力可能な電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機とを備える手段である請求項記載の車両。
  9. 前記電力動力入出力手段は、動力を入出力する発電機と、前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と前記駆動軸の3軸に接続され該3軸のうちの2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に入出力する3軸式動力入出力手段とを備える手段である請求項記載の車両。
  10. 内燃機関と、充放電可能な蓄電手段と、該蓄電手段の充放電を伴って前記内燃機関を始動する始動手段とを備える駆動装置に搭載され、前記蓄電手段の出力を管理する出力管理方法であって、
    前記内燃機関の冷間始動時でない通常時には前記蓄電手段の残容量と該蓄電手段の温度とに基づいて定格出力を蓄電手段の出力制限に設定し、前記内燃機関の冷間始動時には該内燃機関の始動を開始してからその始動が完了するまでに亘って前記残容量と前記温度のもとで前記定格出力を超えて前記蓄電手段から出力できる最大出力を該蓄電手段の出力制限に設定する
    ことを特徴とする出力管理方法。
  11. 前記内燃機関の冷間始動時には、同一の残容量および温度のもとで前記通常時に設定される定格出力を超える出力を前記蓄電手段の出力制限に設定することを特徴とする請求項10記載の出力管理方法。
  12. 内燃機関と、充放電可能な蓄電手段と、該蓄電手段の充放電を伴って前記内燃機関を始動する始動手段とを備える車両の制御方法であって、
    前記内燃機関の冷間始動時でない通常時には前記蓄電手段の残容量と該蓄電手段の温度とに基づいて定格出力を蓄電手段の出力制限に設定し、前記内燃機関の冷間始動時には該内燃機関の始動を開始してからその始動が完了するまでに亘って前記残容量と前記温度のもとで前記定格出力を超えて前記蓄電手段から出力できる最大出力を該蓄電手段の出力制限に設定し、
    前記内燃機関を始動する際には、前記設定された蓄電手段の出力制限の範囲内で前記内燃機関が始動されるよう前記始動手段を制御する
    車両の制御方法。
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