JP5098359B2 - 超音波による霧生成方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波による霧生成方法及びその装置に関するものであり、更に詳しくは、液体に超音波を照射して気体中に霧を生成させる方法において、繰り返し休止時間を変えて間欠に超音波を照射させることにより、連続超音波照射と比べて、霧生成量の増加と超音波振動子への投入電力の低減を可能とすることを特徴とする霧生成方法及びその装置に関するものである。
従来の先行特許文献には、以下のような事例がある。例えば、タール成分を除去した木酢液を含有する殺菌消臭液を超音波噴霧器により空気中に間欠的に噴霧する、殺菌消臭方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、この技術では、想定している間欠運転は30分ごとに1分噴霧という設定であり、霧化中の超音波振動子におけるエネルギー効率の最適化を、繰り返し照射時間と休止時間の比の選択により図るものではない。また、冷却水を霧化してノズルからミスト噴射させロータに吹き付ける超音波発振器を利用して、水タンクから超音波発振器への冷却水の供給を制御し、超音波霧化によるブレーキ冷却技術が提案されている(特許文献2)が、この技術における間欠とは、冷却水を超音波発信器へ供給する際の電磁弁開閉の制御において必要としているものであり、振動子の間欠駆動ではない。
特開平11−76389号公報 特開平05−215159号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、超音波による霧生成の際に、超音波振動子への投入電力を低減しつつ霧生成量を増加させることができる、新しい技術を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、液体に超音波を照射する際に、超音波の駆動と休止時間の比を制御して該液体中の音圧振幅を高く保持させることにより、霧の生成を増加し、霧の付着と蒸発潜熱による冷却を促進することが可能であることを見出し、また、該液体中の音圧振幅を高く保持させることにより、物理作用と化学作用を同時に得ることも併せて見出し、更に研究を重ね、本発明を完成するに至った。
本発明は、液体に超音波を照射して気体中に霧を生成させる方法において、繰り返し休止時間を変えて間欠に超音波を照射させることで特徴付けられる霧生成方法及びその装置を提供することを目的とするものである。また、本発明は、超音波の駆動と休止時間の比を制御して液体中の音波振幅を高く保持させることにより、霧の生成を増加させ、また、物体への霧の付着と蒸発潜熱による冷却を促進することを可能とする物体の高速冷却方法を提供することを目的とするものである。更に、本発明は、液体中の音圧振幅を高く保持させることにより、物理作用と化学作用を同時に得ることを可能とする液処理プロセスの高速化方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)液体に超音波を照射して気体中に霧を生成させる方法において、繰り返し休止時間を選択付与した間欠超音波を液体に照射することにより、照射前ないし連続超音波を照射する場合と比べて該液体中の音圧振幅を高く保持し霧を生成させることを特徴とする霧生成方法。
(2)繰り返し休止時間を選択付与した超音波を液体に照射することにより、連続超音波照射と比べて、霧生成量を増加させて霧を生成させる、前記(1)記載の霧生成方法。
(3)繰り返し休止時間を選択付与した超音波を液体に照射することにより、ある一定量の霧を生成する際に、連続超音波照射と比べて、超音波振動子への投入電力を低減させる、前記(1)記載の霧生成方法。
(4)前記(1)から(3)のいずれかに記載の霧生成方法を利用して、繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を液体に行うことにより、照射前ないし連続超音波を照射する場合と比べて該液体中の音圧振幅を高く保持し生成させた霧を、物体に接触させて蒸発潜熱の効果を得ることにより、連続超音波照射と比べて、物体を高速に冷却させることを特徴とする物体の高速冷却方法。
(5)繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を液体に行い、生成した霧を、物体に接触させ、一定の冷却効果を得る際に、連続超音波照射と比べて、超音波振動子への投入電力を低減させる、前記(4)記載の物体の冷却方法。
(6)前記(1)から(3)のいずれかに記載の霧生成方法を利用して、繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を液体に行うことにより、照射前ないし連続超音波を照射する場合と比べて該液体中の音圧振幅を高く保持し油成分乃至油水混合液の霧を生成させ、それを機械加工を行う工具へ搬送することで、工具の性能向上及び工具の高速冷却を行うことを特徴とする機械加工の工程における工具の処理方法。
(7)機械加工の工程における処理が、切削・研削加工の工程における処理である、前記(6)記載の処理方法。
(8)超音波乳化と超音波霧化を連続的に行う方法であって、繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を乳化した液体に行うことにより、照射前ないし連続超音波を照射する場合と比べて該液体中の音圧振幅を高く保持することで、微細化した乳化粒子を速やかに霧化することを特徴とする乳化粒子を含む液体の霧生成方法。
(9)液体中における化学反応と液体の霧化を同時的に行う方法であって、繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を液体に行うことにより、照射前ないし連続超音波を照射する場合と比べて該液体中の音圧振幅を高く保持することで、化学反応処理した液体を連続的に霧化することを特徴とする液処理プロセスの連続化方法。
(10)前記(1)から(3)のいずれかに記載の霧生成方法に使用するための、液体に超音波を照射して気体中に霧を生成させる装置であって、霧を生成させる超音波振動子、連続超音波駆動又は間欠超音波駆動を任意の条件に設定できる信号発生器、その条件を制御する制御手段、及び上記超音波振動子により生成させた霧を物体の表面に付着させて蒸発潜熱の効果により該物体が冷却される温度を測定する熱電対、を具備していることを特徴とする装置。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、液体に超音波を照射して気体中に霧を生成させる方法において、繰り返し休止時間を選択付与した間欠超音波を液体に照射することにより霧を生成させることを特徴とするものである。また、本発明では、繰り返し休止時間を選択付与した超音波を液体に照射することにより、連続超音波照射と比べて、霧生成量を増加させて霧を生成させること、繰り返し休止時間を選択付与した超音波を液体に照射することにより、ある一定量の霧を生成する際に、連続超音波照射と比べて、超音波振動子への投入電力を低減させること、を好ましい実施の態様としている。
また、本発明は、物体を高速冷却する方法であって、繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を液体に行うことにより生成させた霧を、物体に接触させて蒸発潜熱の効果を得ることにより、連続超音波照射と比べて、物体を高速に冷却させること、を特徴とするものである。また、本発明は、機械加工の工程における工具の処理方法であって、前記の霧生成方法を利用して、油成分乃至油水混合液の霧を生成させ、それを機械加工を行う工具へ搬送することで、工具の性能向上及び工具の高速冷却を行うことを特徴とするものである。本発明では、機械加工の工程における処理が、切削・研削加工の工程における処理であること、を好ましい態様としている。
また、本発明は、超音波乳化と超音波霧化を連続的に行う方法であって、繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を乳化した液体に行うことにより、微細化した乳化粒子を速やかに霧化することを特徴とするものである。更に、本発明は、液体中における化学反応と液体の霧化を同時的に行う方法であって、繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を液体に行い、化学反応処理した液体を連続的に霧化することを特徴とするものである。
次に、本発明の霧生成方法及び装置の一例を、図1に示す。図1には、連続的もしくは間欠的に超音波振動子を駆動して液体に超音波を照射し、該液体表面にキャピラリー波を形成することにより霧を生成する装置の一例が示されており、該装置は、霧生成量の変化を検出することを目的として、気体の流動を利用し、物体へ該霧を付着させ、物体に設置した熱電対(温度測定用)により温度を測定する装置を具備している。
すなわち、図1の装置では、超音波振動子に対して、信号発生器を制御して、連続波駆動又は間欠波駆動を行うことにより、繰り返し休止時間を選択付与した超音波を発生させることが可能である。パワーメータ及びパワーアンプを設けた信号発生器をランジュバン振動子(直径45mm)に接続し、滴下した液体に超音波を照射し、生成した霧(ミスト)は、流動させたアルゴンガスにより移動させて、物体(銅板)の表面に付着させ、蒸発潜熱の効果による冷却速度を物体に設置した熱電対により測定し、データはパソコンに記録する。
本発明の装置は、霧を生成させる超音波振動子、連続波駆動又は間欠波駆動を任意の条件に設定する信号発生器、その条件を制御する制御手段、物体の表面に霧を付着させて、該物体の温度を測定する熱電対、を具備していることで特徴付けられる。そして、それらを構成する各構成要素の種類及び制御手段の方式等は特に制限されるものではなく、任意に設計することができる。間欠波駆動における超音波照射サイクル及び超音波休止サイクルの条件は、任意に設定することができる。
本発明において、繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を液体に行うことにより、連続超音波照射と比べて、霧生成量を増加させることができる。また、繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を液体に行い、ある一定量の霧を生成する際に、連続超音波照射と比べて、超音波振動子への投入電力を低減させることができる。また、繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を液体に行い、物体に接触させ、蒸発潜熱の効果を得ることにより、連続超音波照射と比べて、高速に冷却させることができる。
また、本発明において、繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を液体に行い、物体に接触させ、ある一定の冷却効果を得る際に、連続超音波照射と比べて、超音波振動子への投入電力を低減させることができる。また、上記霧生成量の増加を油成分乃至油水混合液の霧生成に利用し、適切に適量を切削工具等へ搬送することで、工具に付着させた際の切削性能の向上や工具の冷却高速化、また、液の省資源化、周辺に対する飛散防止の観点で、環境低負荷化を図ることができ、これらの方法を、種々の機械加工、環境浄化で応用することが可能となる。
また、本発明において、超音波乳化と超音波霧化の連続化により、微細化した乳化粒子を速やかに超音波霧化することができるため、例えば、切削工具に付着させた際の切削性能の向上や工具の冷却高速化を行うことが可能となる。更に、繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を液体に行い、該液中における化学反応と液体の霧化を同時に行うことで、霧化する該液中に汚染物質が含有する場合の濃度低減、あるいは化学反応処理した該液を引き続き霧化できるため、液処理プロセスの高速化を図ることができる。
本発明において、超音波照射を行う液体としては、例えば、通常の水溶液、乳化成分を含む液体、化学反応を行った液体、特定成分を含む液体、潤滑油等の油成分乃至油水混合液、汚染物質を含む液体等が例示されるが、これらに制限されるものではなく、任意の液体を使用することができる。
本発明では、機械加工の工程における工具の処理方法として、切削・研削加工における潤滑油分乃至油剤を用いた処理方法が例示される。本発明の霧生成方法を利用した切削・研削加工方法において使用し得る潤滑油分乃至油剤に特に制限はなく、例えば、鉱油、油脂、合成油又はこれらの混合物のいずれでも使用することができる。
以下に、本発明における超音波照射の対象となる液体として、好適に使用することができる潤滑油分乃至油剤について説明すると、鉱油としては、例えば、パラフィン基系原油又は混合基系原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分、あるいは潤滑油脱ろう工程により得られるワックス(スラックワックス等)及び/又はガストゥリキッド(GTL)プロセス等により得られる合成ワックス(フィッシャートロプシュワックス、GTLワックス等)を原料とし、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、水素化異性化、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を1つ又は2つ以上適宜組み合わせて精製したパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、ノルマルパラフィン系基油、イソパラフィン系基油が挙げられる。
また、合成油としては、具体的には、プロピレンオリゴマー、ポリブテン、ポリイソブチレン、炭素数5〜20のα−オレフィンのオリゴマー、エチレンと炭素数5〜20のα−オレフィンとのコオリゴマー等のポリオレフィン又はこれらの水素化物;モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン、ポリアルキルベンゼン等のアルキルベンゼン;モノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレン、ジエステル、ポリオールエステル、トリメリット酸エステル等のエステル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、油脂としては、パーム油、パーム核油、菜種油、大豆油、サンフラワー油、並びに品種改良や遺伝子組換操作等によりグリセリドを構成する脂肪酸におけるオレイン酸の含有量が増加したハイオレイック菜種油、ハイオレイックサンフラワー油等の植物油、ラード等の動物油等の天然油脂が挙げられる。
本発明の方法においては、エステルを含有する油剤組成物を用いたときに最も優れた効果を発揮し、特に極微量油剤供給方式を適用した場合に顕著である。このようなエステルとしては、天然物(通常は、動植物等の天然油脂に含まれるもの。)であっても合成物であってもよい。本発明では、得られる油剤組成物の安定性やエステル成分の均一性等の点からは、合成エステルを用いることが好ましい。
合成エステルを構成するアルコールとしては、1価アルコールでも多価アルコールでもよく、また、エステル油を構成する酸としては、一塩基酸でも多塩基酸であってもよい。1価アルコールとしては、通常、炭素数1〜24、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8のものが用いられ、このようなアルコールとしては、直鎖のものでも分枝のものでもよく、また、飽和のものであっても不飽和のものであってもよい。
炭素数1〜24のアルコールとしては、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、直鎖状又は分枝状のプロパノール、直鎖状又は分枝状のブタノール、直鎖状又は分枝状のペンタノール、直鎖状又は分枝状のヘキサノール、直鎖状又は分枝状のヘプタノール、直鎖状又は分枝状のオクタノール、直鎖状又は分枝状のノナノール、直鎖状又は分枝状のデカノール、直鎖状又は分枝状のウンデカノール、直鎖状又は分枝状のドデカノール、直鎖状又は分枝状のトリデカノール、直鎖状又は分枝状のテトラデカノール、直鎖状又は分枝状のペンタデカノール、直鎖状又は分枝状のヘキサデカノール、直鎖状又は分枝状のヘプタデカノール、直鎖状又は分枝状のオクタデカノール、直鎖状又は分枝状のノナデカノール、直鎖状又は分枝状のイコサノール、直鎖状又は分枝状のヘンイコサノール、直鎖状又は分枝状のトリコサノール、直鎖状又は分枝状のテトラコサノール及びこれらの混合物等が挙げられる。
多価アルコールとしては、通常、2〜10価、好ましくは2〜6価のものが用いられる。2〜10価の多価アルコールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜15量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜15量体)、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜8量体、例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2〜8量体、ペンタエリスリトール及びこれらの2〜4量体、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの多価アルコールの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜10量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜10量体)、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の2〜6価の多価アルコール及びこれらの混合物等が好ましい。
更に好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、及びこれらの混合物等である。これらの中でも、より高い熱・酸化安定性が得られることから、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及びこれらの混合物等が最も好ましい。
エステルを構成するアルコールは、上述したように、1価アルコールであっても多価アルコールであってもよいが、より優れた潤滑性が達成可能となる点、並びに流動点の低いものがより得やすく、冬季及び寒冷地での取り扱い性がより向上する等の点から、多価アルコールであることが好ましい。また、多価アルコールのエステルを用いると、切削・研削加工において、加工物の仕上げ面精度の向上と工具刃先の摩耗防止効果がより大きくなる。
また、エステルを構成する酸のうち、一塩基酸としては、通常、炭素数2〜24の脂肪酸が用いられ、その脂肪酸は直鎖のものでも分枝のものでもよく、また、飽和のものでも不飽和のものでもよい。
具体的には、例えば、酢酸、プロピオン酸、直鎖状又は分枝状のブタン酸、直鎖状又は分枝状のペンタン酸、直鎖状又は分枝状のヘキサン酸、直鎖状又は分枝状のヘプタン酸、直鎖状又は分枝状のオクタン酸、直鎖状又は分枝状のノナン酸、直鎖状又は分枝状のデカン酸、直鎖状又は分枝状のウンデカン酸、直鎖状又は分枝状のドデカン酸、直鎖状又は分枝状のトリデカン酸、直鎖状又は分枝状のテトラデカン酸、直鎖状又は分枝状のペンタデカン酸、直鎖状又は分枝状のヘキサデカン酸、直鎖状又は分枝状のヘプタデカン酸、直鎖状又は分枝状のオクタデカン酸、直鎖状又は分枝状のヒドロキシオクタデカン酸、直鎖状又は分枝状のノナデカン酸、直鎖状又は分枝状のイコサン酸、直鎖状又は分枝状のヘンイコサン酸、直鎖状又は分枝状のドコサン酸、直鎖状又は分枝状のトリコサン酸、直鎖状又は分枝状のテトラコサン酸等の飽和脂肪酸、アクリル酸、直鎖状又は分枝状のブテン酸、直鎖状又は分枝状のペンテン酸、直鎖状又は分枝状のヘキセン酸、直鎖状又は分枝状のヘプテン酸、直鎖状又は分枝状のオクテン酸、直鎖状又は分枝状のノネン酸、直鎖状又は分枝状のデセン酸、直鎖状又は分枝状のウンデセン酸、直鎖状又は分枝状のドデセン酸、直鎖状又は分枝状のトリデセン酸、直鎖状又は分枝状のテトラデセン酸、直鎖状又は分枝状のペンタデセン酸、直鎖状又は分枝状のヘキサデセン酸、直鎖状又は分枝状のヘプタデセン酸、直鎖状又は分枝状のオクタデセン酸、直鎖状又は分枝状のヒドロキシオクタデセン酸、直鎖状又は分枝状のノナデセン酸、直鎖状又は分枝状のイコセン酸、直鎖状又は分枝状のヘンイコセン酸、直鎖状又は分枝状のドコセン酸、直鎖状又は分枝状のトリコセン酸、直鎖状又は分枝状のテトラコセン酸等の不飽和脂肪酸、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの中でも、潤滑性及び取扱性がより高められる点から、特に炭素数3〜20の飽和脂肪酸、炭素数3〜22の不飽和脂肪酸及びこれらの混合物が好ましく、炭素数4〜18の飽和脂肪酸、炭素数4〜18の不飽和脂肪酸及びこれらの混合物がより好ましく、炭素数4〜18の不飽和脂肪酸が更に好ましい。酸化防止性の点からは炭素数4〜18の飽和脂肪酸が好ましい。
多塩基酸としては、炭素数2〜16の二塩基酸及びトリメリット酸等が挙げられる。炭素数2〜16の二塩基酸としては、直鎖のものでも分枝のものでもよく、また、飽和のものでも不飽和のものでもよい。
具体的には、例えば、エタン二酸、プロパン二酸、直鎖状又は分枝状のブタン二酸、直鎖状又は分枝状のペンタン二酸、直鎖状又は分枝状のヘキサン二酸、直鎖状又は分枝状のヘプタン二酸、直鎖状又は分枝状のオクタン二酸、直鎖状又は分枝状のノナン二酸、直鎖状又は分枝状のデカン二酸、直鎖状又は分枝状のウンデカン二酸、直鎖状又は分枝状のドデカン二酸、直鎖状又は分枝状のトリデカン二酸、直鎖状又は分枝状のテトラデカン二酸、直鎖状又は分枝状のヘプタデカン二酸、直鎖状又は分枝状のヘキサデカン二酸、直鎖状又は分枝状のヘキセン二酸、直鎖状又は分枝状のヘプテン二酸、直鎖状又は分枝状のオクテン二酸、直鎖状又は分枝状のノネン二酸、直鎖状又は分枝状のデセン二酸、直鎖状又は分枝状のウンデセン二酸、直鎖状又は分枝状のドデセン二酸、直鎖状又は分枝状のトリデセン二酸、直鎖状又は分枝状のテトラデセン二酸、直鎖状又は分枝状のヘプタデセン二酸、直鎖状又は分枝状のヘキサデセン二酸及びこれらの混合物等が挙げられる。
エステルを構成する酸としては、上述したように、一塩基酸であっても多塩基酸であってもよいが、一塩基酸を用いると、粘度指数の向上、酸化安定防止性の向上に寄与するエステルが得られやすくなるので好ましい。
エステルを形成するアルコールと酸との組み合わせは任意であって、特に制限されないが、本発明で使用可能なエステルとしては、例えば、下記のエステルを挙げることができる。
(a)一価アルコールと一塩基酸とのエステル
(b)多価アルコールと一塩基酸とのエステル
(c)一価アルコールと多塩基酸とのエステル
(d)多価アルコールと多塩基酸とのエステル
(e)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と多塩基酸との混合エステル
(f)多価アルコールと一塩基酸、多塩基酸との混合物との混合エステル
(g)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と一塩基酸、多塩基酸との混合エステル
これらの中でも、切削及び研削加工において、より優れた潤滑性が得られる、加工物の仕上げ面精度の向上と工具刃先の摩耗防止効果がより大きい、流動点の低いものがより得やすい、粘度指数の高いものがより得やすく冬季及び寒冷地での取り扱い性が向上する、ミスト性に優れる、等の点から、(b)の多価アルコールと一塩基酸とのエステルであることが好ましい。
天然物由来のエステルの中では、潤滑油の安定性の点から、オレイン酸の含有量が増加したハイオレイックな天然油脂が好ましく、脂肪酸とグリセリンとのトリエステル(以下、単に「トリエステル」という。)であって、該脂肪酸中の40〜98質量%がオレイン酸のものが特に好ましい。このようなトリエステルを用いることによって、潤滑性と熱・酸化安定性との双方を高水準でバランスよく達成することができる。また、当該トリエステルを構成する脂肪酸中のオレイン酸の含有量は、潤滑性と熱・酸化安定性との双方を高水準でバランスよく達成できる点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、また、同様の点から、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
なお、上記のトリエステルを構成する脂肪酸(以下、「構成脂肪酸」という。)中のオレイン酸の割合や、後述するリノール酸等の割合は、日本油化学会制定の基準油脂分析法2.4.2項「脂肪酸組成」に準拠して測定されるものである。
また、トリエステルの構成脂肪酸のうち、オレイン酸以外の脂肪酸としては、潤滑性及び熱・酸化安定性を損なわない限り特に制限されないが、好ましくは炭素数6〜24の脂肪酸である。炭素数6〜24の脂肪酸としては、飽和脂肪酸でもよく、不飽和結合を1〜5個有する不飽和脂肪酸でもよい。また、当該脂肪酸は直鎖状、分枝鎖状のいずれであってもよい。更に、分子内にカルボキシル基(−COOH)以外に水酸基(−OH)を1〜3個有していてもよい。
このような脂肪酸としては、具体的には、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ガドレイン酸、エルシン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、リカン酸、アラキドン酸、クルバドン酸等が挙げられる。これらの脂肪酸の中でも、潤滑性と熱・酸化安定性との両立の点で、リノール酸が好ましく、トリエステルを構成する脂肪酸の1〜60質量%(より好ましくは2〜50質量%、更に好ましくは4〜40質量%。)がリノール酸であることがより好ましい。
更に、上記のトリエステルにおいては、潤滑性と熱・酸化安定性との両立の点で、構成脂肪酸中の0.1〜30質量%(より好ましくは0.5〜20質量%、更に好ましくは1〜10質量%。)が炭素数6〜16の脂肪酸であることが好ましい。炭素数6〜16の脂肪酸の割合が0.1質量%未満であると熱・酸化安定性が低下する傾向にあり、他方、30質量%を超えると潤滑性が低下する傾向にある。
また、上記のトリエステルの総不飽和度は0.3以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましい。トリエステルの総不飽和度が0.3より大きくなると、本発明に係る油剤組成物の熱・酸化安定性が悪くなる傾向にある。なお、本発明でいう総不飽和度とは、ポリウレタン用ポリエーテルの代わりにトリエステルを用いる以外は、JIS K 1557−1970「ポリウレタン用ポリエーテル試験方法」に準じて、同様の装置・操作法により測定される総不飽和度をいう。
トリエステルとしては、構成脂肪酸中のオレイン酸の割合等が上記の条件を満たすものであれば、合成により得られるものを用いてもよく、あるいは当該トリエステルを含有する植物油等の天然油を用いてもよいが、人体に対する安全性の点から、植物油等の天然油を用いることが好ましい。このような植物油としては、菜種油、ひまわり油、大豆油、トウモロコシ油、キャノーラ油が好ましく、中でもひまわり油、菜種油及び大豆油が特に好ましい。
ここで、天然の植物油の多くは総不飽和度が0.3を超えるものであるが、その精製工程で水素化等の処理により総不飽和度を小さくすることが可能である。また、遺伝子組み替え技術により総不飽和度の低い植物油を容易に製造することができる。例えば、総不飽和度が0.3以下であり、かつオレイン酸が70質量%以上のものとして、高オレイン酸キャノーラ油等、80質量%以上のものとして、高オレイン酸大豆油、高オレイン酸ひまわり油、高オレイン酸菜種油等を例示することができる。
アルコール成分として多価アルコールを用いた場合に得られるエステルは、多価アルコール中の水酸基全てがエステル化された完全エステルでもよく、水酸基の一部がエステル化されず水酸基のまま残存する部分エステルでもよい。また、酸成分として多塩基酸を用いた場合に得られる有機酸エステルは、多塩基酸中のカルボキシル基全てがエステル化された完全エステルでもよく、あるいはカルボキシル基の一部がエステル化されずカルボキシル基のままで残っている部分エステルであってもよい。
エステルの沃素価は、好ましくは0〜80、より好ましくは0〜60、更に好ましくは0〜40、更により好ましくは0〜20、最も好ましくは0〜10である。また、本発明に係るエステルの臭素価は、好ましくは0〜50gBr/100g、より好ましくは0〜30gBr/100g、更に好ましくは0〜20gBr/100g、最も好ましくは0〜10gBr/100gである。エステルの沃素価や臭素価がそれぞれ前記の範囲内であると、得られる潤滑油の酸化防止性がより高められる傾向にある。なお、ここでいう沃素価とは、JIS K 0070「化学製品の酸価、ケン化価、エステル価、沃素価、水酸基価および不ケン化価物の測定方法」の指示薬滴定法により測定した値をいう。また、臭素価とは、JIS K 2605「化学製品―臭素価試験方法−電気滴定法」により測定した値をいう。
また、更に良好な潤滑性能を付与するためには、エステルの水酸基価が0.01〜300mgKOH/gであり、ケン価が100〜500mgKOH/gであることが好ましい。本発明において、更に高い潤滑性を得るためのエステルの水酸基価の上限値は、より好ましくは200mgKOH/gであり、最も好ましくは150mgKOH/gであり、一方、その下限値は、より好ましくは0.1mgKOH/gであり、更に好ましくは0.5mgKOH/gであり、更に好ましくは1mgKOH/gであり、更により好ましくは3mgKOH/gであり、最も好ましくは5mgKOH/gである。また、エステルのケン化価の上限値は、更に好ましくは400mgKOH/gであり、一方、その下限値は、更に好ましくは200mgKOH/gである。
なお、ここでいう水酸基価とは、JIS K 0070「化学製品の酸価、ケン化価、エステル価、沃素価、水酸基価および不ケン化価物の測定方法」の指示薬滴定法により測定した値をいう。また、ケン化価とは、JIS K 2503「航空潤滑油試験方法」の指示薬滴定法により測定した値をいう。
エステルの動粘度については、特に制限はないが、40℃における動粘度は、好ましくは200mm/s以下であり、より好ましくは100mm/s以下であり、更に好ましくは75mm/s以下であり、特に好ましくは50m/s以下である。また、エステルの動粘度は、好ましくは1mm/s以上であり、より好ましくは3mm/s以上であり、更に好ましくは5mm/s以上である。
エステルの流動点及び粘度指数には、特に制限はないが、流動点は−10℃以下であることが好ましく、更に好ましくは−20℃以下である。粘度指数は100以上200以下であることが望ましい。
また、本発明の霧生成方法を用いた切削・研削加工方法において、使用し得る潤滑油分は、1種又は2種以上の界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系の界面活性剤が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩、石油スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルキルアリル硫酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、硫酸化油(ロート油等)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、HLB2〜10、好ましくは5〜10のものを用いることができる。HLBがこの範囲未満のものは、水の可溶化能力に乏しく、安定な可溶化系を作ることができない。一方、HLBがこの範囲を越えるものは、潤滑油基油への溶解性に乏しく、貯蔵時の安定性に問題があるため、それぞれ好ましくない。
具体的には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンアビエチルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルチオエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールエチレンジアミン、ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンジ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンジ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤;エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールモノ脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンセスキ脂肪酸エステル、ソルビタンジ脂肪酸エステル、ソルビタントリ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、等の多価アルコール系非イオン界面活性剤;脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド等のアルキロールアミド系非イオン界面活性剤;及びこれらの混合物等が挙げられる。
なお、上記非イオン界面活性剤のポリオキシエチレン部分には、エチレンオキシド単独以外にも、プロピレンオキシドやブチレンオキシド等、炭素数3〜4の他のアルキレンオキシドがエチレンオキシド10モルに対して2モル未満、好ましくは1モル未満の割合でランダム付加又はブロック付加したものも含まれる。
これらの中でも、安定した水可溶化系が得られるという点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル等のポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤;エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ペンタエリストリトールモノ脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンセスキ脂肪酸エステル、ソルビタンジ脂肪酸エステル、ソルビタントリ脂肪酸エステル等の多価アルコール系非イオン界面活性剤;及びこれらの混合物等が好ましく用いられる。
これらの非イオン界面活性剤としては、より具体的には、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンパルミチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、エチレングリコールモノラウレート、エチレングリコールモノミリステレート、エチレングリコールモノパルミテート、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールモノオレエート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノミリステレート、プロピレングリコールモノパルミテート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノオレエート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノミリステート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノミリステート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールジオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキラウレート、ソルビタンセスキミリステート、ソルビタンセスキパルミテート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジラウレート、ソルビタンジミリステート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリラウレート、ソルビタントリミリステート、ソルビタントリパルミテート、ソルビタントリステアレート、ソルビタントリオレエート、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの中でも、特に好ましいものは、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル及びこれらの混合物等に代表されるポリオキシエチレン系、ペンタエリスリトールジオレエート、ソルビタンモノオレエートで代表される多価アルコール系のノニオン系界面活性剤である。
カチオン系の界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アミンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも、特に希釈安定性に優れる点から、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤又はそれらの混合物が好ましく、ノニオン系界面活性剤単独がより好ましく、その中でも、特に潤滑性に優れる点から、ポリオキシエチレンモノオレエートのようなポリオキシアルキレン脂肪酸エステル及びペンタエリスリトールジオレエートのような多価アルコール脂肪酸エステルが最も好ましい。
本発明において、界面活性剤の含有量は、組成物全量基準で好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、界面活性剤を使用しない場合及び含有量がこの下限値に達しない場合には、多量の水を系中に可溶化させることが困難となる恐れがある。界面活性剤の含有量の上限値は、40質量%以下、好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下であり、含有量がこの上限値を越える場合には、界面活性剤の基油成分への溶解性が乏しくなり、貯蔵時の安定性に問題が生ずる恐れがあるため好ましくない。また、界面活性剤の添加量の下限は特に定めないが、排水処理性の観点からは、添加量がより少ないことが望ましい。
また、本発明の霧生成方法を用いた切削・研削加工方法において使用し得る潤滑油分は、洗浄液の腐敗を防止できる点から、1種又は2種以上の塩基性化合物を含有することが好ましい。塩基性化合物としては、トリエタノールアミンのようなアルカノールアミンやカルボン酸カリウム塩のようなアルカリ金属石鹸等を挙げることができる。
また、本発明の霧生成方法を用いた切削・研削加工方法において使用し得る潤滑油分は、切削性能及び工具寿命がより高められる点から、油性剤を含有することが好ましい。このような油性剤としては、(B−1)アルコール、(B−2)カルボン酸、(B−3)不飽和カルボン酸の硫化物、(B−4)下記一般式(1)で表される化合物、(B−5)下記一般式(2)で表される化合物、(B−6)ポリオキシアルキレン化合物、(B−7)エステル、(B8)多価アルコールのヒドロカルビルエーテル、(B−9)アミン等を挙げることができる。
[式(1)中、Rは炭素数1〜30の炭化水素基を表し、aは1〜6の整数を表し、bは0〜5の整数を表す。]
[式(2)中、Rは炭素数1〜30の炭化水素基を表し、cは1〜6の整数を表し、dは0〜5の整数を表す。]
(B−1)アルコールは、1価アルコールでも多価アルコールでもよい。より高い切削性能及び工具寿命が得られる点から、炭素数1〜40の1価アルコールが好ましく、更に好ましくは炭素数1〜25のアルコールであり、最も好ましくは炭素数8〜18のアルコールである。具体的には、上記基油のエステルを構成するアルコールの例を挙げることができる。これらのアルコールは、直鎖状でも分枝を有していてもよく、また、飽和でも不飽和でもよいが、酸化防止性の点から、飽和であることが好ましい。
(B−2)カルボン酸は、1塩基酸でも多塩基酸でもよい。より高い切削性能及び工具寿命が得られる点から、炭素数1〜40の1価のカルボン酸が好ましく、更に好ましくは炭素数5〜25のカルボン酸であり、最も好ましくは炭素数5〜20のカルボン酸である。具体的には、上記基油としてのエステルを構成するカルボン酸の例を挙げることできる。これらのカルボン酸は、直鎖状でも分枝を有していてもよく、飽和でも不飽和でもよいが、酸化防止性の点から、飽和カルボン酸であることが好ましい。
(B−3)不飽和カルボン酸の硫化物としては、例えば、オレイン酸の硫化物を挙げることができる。
(B−4)上記一般式(1)で表される化合物において、Rで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例としては、例えば、炭素数1〜30の直鎖又は分枝アルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアルキルシクロアルキル基、炭素数2〜30の直鎖又は分枝アルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜30のアルカリール基、及び炭素数7〜30のアラルキル基を挙げることができる。
これらの中では、炭素数1〜30の直鎖又は分枝アルキル基であることが好ましく、更に好ましくは炭素数1〜20の直鎖又は分枝アルキル基であり、更に好ましくは炭素数1〜10の直鎖又は分枝アルキル基であり、最も好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分枝アルキル基である。炭素数1〜4の直鎖又は分枝アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、直鎖又は分枝のプロピル基及び直鎖又は分枝のブチル基を挙げることができる。
水酸基の置換位置は任意であるが、2個以上の水酸基を有する場合には、隣接する炭素原子に置換していることが好ましい。aは好ましくは1〜3の整数であり、更に好ましくは2である。bは好ましくは0〜3の整数であり、更に好ましくは1又は2である。一般式(1)で表される化合物の例としては、p−tert−ブチルカテコールを挙げることができる。
(B−5)上記一般式(2)で表される化合物において、Rで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例としては、前記一般式(1)中のRで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例と同じものを挙げることができ、また、好ましいものの例も同じである。水酸基の置換位置は任意であるが、2個以上の水酸基を有する場合には、隣接する炭素原子に置換していることが好ましい。cは好ましくは1〜3の整数であり、更に好ましくは2である。dは好ましくは0〜3の整数であり、更に好ましくは1又は2である。一般式(2)で表される化合物の例としては、2,2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレンを挙げることができる。
(B−6)ポリオキシアルキレン化合物としては、例えば、下記一般式(3)又は(4)で表される化合物を挙げることができる。
O−(RO)−R (3)
[式(3)中、R及びRは各々独立に水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、eは数平均分子量が100〜3500となるような整数を表す。]
A−[(RO)−R (4)
[式(3)中、Aは、水酸基を3〜10個有する多価アルコールの水酸基の水素原子の一部又は全てを取り除いた残基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表し、fは数平均分子量が100〜3500となるような整数を表し、gはAの水酸基から取り除かれた水素原子の個数と同じ数を表す。]
上記一般式(3)中、R及びRの少なくとも一方は水素原子であることが好ましい。R及びRで表される炭素数1〜30の炭化水素基としては、例えば、上記一般式(1)のRで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例と同じものを挙げることができ、また、好ましいものの例も同じである。Rで表される炭素数2〜4のアルキレン基としては、具体的には、例えば、エチレン基、プロピレン基(メチルエチレン基)、ブチレン基(エチルエチレン基)を挙げることができる。eは、好ましくは数平均分子量が300〜2000となるような整数であり、更に好ましくは数平均分子量が500〜1500となるような整数である。
また、上記一般式(4)中、Aを構成する3〜10の水酸基を有する多価アルコールの具体例としては、グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜4量体、例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン)及びこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロ−ル、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール、イジリトール、タリトール、ズルシトール、アリトール等の多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マントース、イソマントース、トレハロース、及びシュクロース等の糖類を挙げることができる。
これらの中でも、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールアルカン、及びこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、又はソルビタンが好ましい。
で表される炭素数2〜4のアルキレン基の例としては、上記一般式(3)のRで表される炭素数2〜4のアルキレン基の例と同じものを挙げることができる。またRで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例としては、前記一般式(1)のRで表される炭素数1〜30の炭化水素基の例と同じものを挙げることができ、また、好ましいものの例も同じである。g個のRのうち、少なくとも一つが水素原子であることが好ましく、全て水素原子であることが更に好ましい。fは、好ましくは数平均分子量が300〜2000となるような整数であり、更に好ましくは数平均分子量が500〜1500となるような整数である。
(B−7)エステルとしては、これを構成するアルコールが一価アルコールでも多価アルコールでもよく、また、カルボン酸は一塩基酸でも多塩基酸であってもよい。エステルを構成する一価アルコール及び多価アルコールの例としては、基油としてのエステルの説明において例示した一価アルコール及び多価アルコールと同じものを挙げることができ、更に好ましいものについても、基油としてのエステルの説明において例示した一価アルコール及び多価アルコールと同じものを挙げることができる。また、エステルを構成する一塩基酸及び多塩基酸の例も前記基油としてのエステルの説明において例示した一塩基酸及び多塩基酸と同じものを挙げることができ、更に好ましいものについても、前記基油としてのエステルの説明において例示した一塩基酸及び多塩基酸と同じものを挙げることができる。
エステルを形成するアルコールと酸との組み合わせは任意であって、特に制限されないが、本発明で使用可能なエステル油としては、例えば、下記のエステルを挙げることができる。
(i)一価アルコールと一塩基酸とのエステル
(ii)多価アルコールと一塩基酸とのエステル
(iii)一価アルコールと多塩基酸とのエステル
(iv)多価アルコールと多塩基酸とのエステル
(v)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と多塩基酸との混合エステル
(vi)多価アルコールと一塩基酸、多塩基酸との混合物との混合エステル
(vii)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と一塩基酸、多塩基酸との混合エステル。
本発明において、アルコール成分として多価アルコールを用いた場合に得られるエステルは、多価アルコール中の水酸基全てがエステル化された完全エステルでもよく、水酸基の一部がエステル化されず水酸基のまま残存する部分エステルでもよい。また、酸成分として多塩基酸を用いた場合に得られる有機酸エステルは、多塩基酸中のカルボキシル基全てがエステル化された完全エステルでもよく、あるいはカルボキシル基の一部がエステル化されずカルボキシル基のままで残っている部分エステルであってもよい。
油性剤としてのエステルの合計炭素数には、特に制限はないが、潤滑性及び加工性向上効果を得るために、合計炭素数7以上のエステルが好ましく、9以上のエステルがより好ましく、11以上のエステルが最も好ましい。また、ステインや腐食を増大させないために、合計炭素数60以下のエステルが好ましく、45以下のエステルがより好ましく、26以下のエステルが更に好ましく、24以下のエステルが一層好ましく、22以下のエステルが最も好ましい。
(B−8)多価アルコールのヒドロカルビルエーテルを構成する多価アルコールの例としては、エステルの説明において例示した多価アルコールと同じものを挙げることができ、更に好ましい例についても、エステルの説明において例示した多価アルコールと同じものを挙げることができる。更に、多価アルコールとしては、溶着と加工抵抗の増加を防止して優れた切削性能及び工具寿命を達成できる点から、グリセリンが最も好ましい。
(B−8)多価アルコールのヒドロカルビルエーテルとしては、上記多価アルコールの水酸基の一部又は全部をヒドロカルビルエーテル化したものが使用できる。溶着と加工抵抗の増加とを防止して優れた切削性能及び工具寿命を達成できる点からは、多価アルコールの水酸基の一部をヒドロカルビルエーテル化したもの(部分エーテル化物)が好ましい。ここでいうヒドロカルビル基とは、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜18のアルカリール基、炭素数7〜18のアラルキル基等の炭素数1〜24の炭化水素基を表す。
炭素数1〜24のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は分枝のペンチル基、直鎖又は分枝のヘキシル基、直鎖又は分枝のヘプチル基、直鎖又は分枝のオクチル基、直鎖又は分枝のノニル基、直鎖又は分枝のデシル基、直鎖又は分枝のウンデシル基、直鎖又は分枝のドデシル基、直鎖又は分枝のトリデシル基、直鎖又は分枝のテトラデシル基、直鎖又は分枝のペンタデシル基、直鎖又は分枝のヘキサデシル基、直鎖又は分枝のヘプタデシル基、直鎖又は分枝のオクタデシル基、直鎖又は分枝のノナデシル基、直鎖又は分枝のイコシル基、直鎖又は分枝のヘンイコシル基、直鎖又は分枝のドコシル基、直鎖又は分枝のトリコシル基、直鎖又は分枝のテトラコシル基等が挙げられる。
炭素数2〜24のアルケニル基としては、ビニル基、直鎖又は分枝のプロペニル基、直鎖又は分枝のブテニル基、直鎖又は分枝のペンテニル基、直鎖又は分枝のへキセニル基、直鎖又は分枝のヘプテニル基、直鎖又は分枝のオクテニル基、直鎖又は分枝のノネニル基、直鎖又は分枝のデセニル基、直鎖又は分枝のウンデセニル基、直鎖又は分枝のドデセニル基、直鎖又は分枝のトリデセニル基、直鎖又は分枝のテトラデセニル基、直鎖又は分枝のペンタデセニル基、直鎖又は分枝のヘキサデセニル基、直鎖又は分枝のヘプタデセニル基、直鎖又は分枝のオクタデセニル基、直鎖又は分枝のノナデセニル基、直鎖又は分枝のイコセニル基、直鎖又は分枝のヘンイコセニル基、直鎖又は分枝のドコセニル基、直鎖又は分枝のトリコセニル基、直鎖又は分枝のテトラコセニル基等が挙げられる。
炭素数5〜7のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基としては、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む)、メチルエチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(全ての構造異性体を含む)、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む)、メチルエチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(全ての構造異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む)、メチルエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む)等が挙げられる。
炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。炭素数7〜18のアルカリール基としては、トリル基(全ての構造異性体を含む)、キシリル基(全ての構造異性体を含む)、エチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のプロピルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のブチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のペンチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のヘキシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のヘプチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のオクチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のノニルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のウンデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝のドデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)等が挙げられる。
炭素数7〜18のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基(プロピル基の異性体を含む)フェニルブチル基(ブチル基の異性体を含む)、フェニルペンチル基(ペンチル基の異性体を含む)、フェニルヘキシル基(ヘキシル基の異性体を含む。)等が挙げられる。
これらの中では、溶着と加工抵抗の増加とを防止して優れた切削性能及び工具寿命を達成できる点から、炭素数2〜18の直鎖又は分枝のアルキル基、炭素数2〜18の直鎖又は分枝のアルケニル基が好ましく、炭素数3〜12の直鎖又は分枝のアルキル基、オレイル基(オレイルアルコールから水酸基を除いた残基)がより好ましい。
(B−9)アミンとしては、モノアミンが好ましく使用される。モノアミンの炭素数は、好ましくは6〜24であり、より好ましくは12〜24である。ここでいう炭素数とは、モノアミンに含まれる総炭素数の意味であり、モノアミンが2個以上の炭化水素基を有する場合には、その合計炭素数を表す。
モノアミンとしては、第1級モノアミン、第2級モノアミン、第3級モノアミンの何れもが使用可能であるが、溶着と加工抵抗の増加とを防止して優れた切削性能及び工具寿命を達成できる点から、第1級モノアミンが好ましい。
モノアミンの窒素原子に結合する炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルカリール基、アラルキル基等の何れもが使用可能であるが、溶着と加工抵抗の増加とを防止して優れた切削性能及び工具寿命を達成できる点から、アルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。アルキル基、アルケニル基としては、直鎖状のものであっても分枝鎖状のものであっても良いが、溶着と加工抵抗の増加とを防止して切削性能及び工具寿命を向上できる点から、直鎖状のものが好ましい。
モノアミンの好ましいものとしては、具体的には、例えば、ヘキシルアミン(全ての異性体を含む)、ヘプチルアミン(全ての異性体を含む)、オクチルアミン(全ての異性体を含む)、ノニルアミン(全ての異性体を含む)、デシルアミン(全ての異性体を含む)、ウンデシルアミン(全ての異性体を含む)、ドデシルアミン(全ての異性体を含む)、トリデシルアミン(全ての異性体を含む)、テトラデシルアミン(全ての異性体を含む)、ペンタデシルアミン(全ての異性体を含む)、ヘキサデシルアミン(全ての異性体を含む)、ヘプタデシルアミン(全ての異性体を含む)、オクタデシルアミン(全ての異性体を含む)、ノナデシルアミン(全ての異性体を含む)、イコシルアミン(全ての異性体を含む)、ヘンイコシルアミン(全ての異性体を含む)、ドコシルアミン(全ての異性体を含む)、トリコシルアミン(全ての異性体を含む)、テトラコシルアミン(全ての異性体を含む)、オクタデセニルアミン(全ての異性体を含む)(オレイルアミン等を含む)及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらの中でも、溶着と加工抵抗の増加とを防止して優れた切削性能及び工具寿命を達成できる点から、炭素数12〜24の第1級モノアミンが好ましく、炭素数14〜20の第1級モノアミンがより好ましく、炭素数16〜18の第1級モノアミンが更に好ましい。
本発明の霧生成方法を用いた切削・研削加工方法において使用し得る潤滑油分は、上記油性剤(B−1)〜(B−9)の中から選ばれる1種のみを用いてもよく、また、2種以上の混合物を用いてもよい。これらの中でも、溶着と加工抵抗の増加とを防止して優れた切削性能及び工具寿命を達成できる点から、(B−2)カルボン酸油性剤及び(B−9)アミン油性剤から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることが好ましい。
油性剤の含有量には特に制限はないが、溶着と加工抵抗の増加とを防止して優れた切削性能及び工具寿命を達成できる点から、油剤組成物全量基準で、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上である。また、安定性の点から、油性剤の含有量は、油剤組成物全量基準で、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
また、本発明の霧生成方法を用いた切削・研削加工方法において使用し得る潤滑油分は、溶着と加工抵抗の増加とを防止して優れた切削性能及び工具寿命を達成できる点から、極圧剤を更に含有することが好ましい。特に、極圧剤を上記した油性剤と併用すると、これらの相乗作用により、溶着と加工抵抗の増加とを防止して一層優れた切削性能及び工具寿命を達成することが可能となる。
極圧剤としては、後述する(C−1)硫黄化合物及び(C−2)リン化合物が挙げられる。(C−1)硫黄化合物としては、油剤組成物の特性を損なわない限りにおいて、特に制限されないが、ジヒドロカルビルポリサルファイド、硫化エステル、硫化鉱油、ジチオリン酸亜鉛化合物、ジチオカルバミン酸亜鉛化合物、ジチオリン酸モリブデン化合物及びジチオカルバミン酸モリブデンが好ましく用いられる。
ジヒドロカルビルポリサルファイドとは、一般的に、ポリサルファイド又は硫化オレフィンと呼ばれる硫黄系化合物であり、具体的には、下記一般式(5)で表される化合物を意味する。
−S−R (5)
[式(5)中、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数3〜20の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアルカリール基あるいは炭素数6〜20のアラルキル基を表し、hは2〜6、好ましくは2〜5の整数を表す。]
上記一般式(5)中のR及びRとしては、具体的には、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は分枝ペンチル基、直鎖又は分枝ヘキシル基、直鎖又は分枝ヘプチル基、直鎖又は分枝オクチル基、直鎖又は分枝ノニル基、直鎖又は分枝デシル基、直鎖又は分枝ウンデシル基、直鎖又は分枝ドデシル基、直鎖又は分枝トリデシル基、直鎖又は分枝テトラデシル基、直鎖又は分枝ペンタデシル基、直鎖又は分枝ヘキサデシル基、直鎖又は分枝ヘプタデシル基、直鎖又は分枝オクタデシル基、直鎖又は分枝ノナデシル基、直鎖又は分枝イコシル基等の直鎖状又は分枝状のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;トリル基(全ての構造異性体を含む)、エチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ブチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ペンチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ヘキシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ヘプチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝オクチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ノニルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝デシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ウンデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ドデシルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、キシリル基(全ての構造異性体を含む)、エチルメチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)プロピルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)ブチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、メチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、エチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝プロピルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖又は分枝ブチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、ジメチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、エチルメチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)プロピルナフチル基(全ての構造異性体を含む)、ジ(直鎖又は分枝)ブチルナフチル基(全ての構造異性体を含む)等のアルカリール基;ベンジル基、フェニルエチル基(全ての異性体を含む)、フェニルプロピル基(全ての異性体を含む)等のアラルキル基;等を挙げることができる。
これらの中でも、一般式(5)中のR及びRとしては、プロピレン、1−ブテン又はイソブチレンから誘導された炭素数3〜18のアルキル基、又は炭素数6〜8のアリール基、アルカリール基あるいはアラルキル基であることが好ましく、これらの基としては、例えば、イソプロピル基、プロピレン2量体から誘導される分枝状ヘキシル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン3量体から誘導される分枝状ノニル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン4量体から誘導される分枝状ドデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン5量体から誘導される分枝状ペンタデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、プロピレン6量体から誘導される分枝状オクタデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−ブテン2量体から誘導される分枝状オクチル基(全ての分枝状異性体を含む)、イソブチレン2量体から誘導される分枝状オクチル基(全ての分枝状異性体を含む)、1−ブテン3量体から誘導される分枝状ドデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、イソブチレン3量体から誘導される分枝状ドデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、1−ブテン4量体から誘導される分枝状ヘキサデシル基(全ての分枝状異性体を含む)、イソブチレン4量体から誘導される分枝状ヘキサデシル基(全ての分枝状異性体を含む)等のアルキル基;フェニル基、トリル基(全ての構造異性体を含む)、エチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、キシリル基(全ての構造異性体を含む)等のアルカリール基;ベンジル基、フェニルエチル基(全ての異性体を含む)等のアラルキル基が挙げられる。
更に、上記一般式(5)中のR及びRとしては、溶着と加工抵抗の増加とを防止して優れた切削性能及び工具寿命を達成できる点から、別個に、エチレン又はプロピレンから誘導された炭素数3〜18の分枝状アルキル基であることがより好ましく、エチレン又はプロピレンから誘導された炭素数6〜15の分枝状アルキル基であることが特に好ましい。
硫化エステルとしては、具体的には、例えば、牛脂、豚脂、魚脂、菜種油、大豆油等の動植物油脂;不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸又は上記の動植物油脂から抽出された脂肪酸類等を含む)と各種アルコールとを反応させて得られる不飽和脂肪酸エステル;及びこれらの混合物等を任意の方法で硫化することにより得られるものが挙げられる。
硫化鉱油とは、鉱油に単体硫黄を溶解させたものをいう。硫化鉱油に用いられる鉱油としては、特に制限されないが、具体的には、原油に常圧蒸留及び減圧蒸留を施して得られる潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を1つ又は2つ以上適宜組み合わせて精製したパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油等が挙げられる。また、単体硫黄としては、塊状、粉末状、溶融液体状等いずれの形態のものを用いてもよいが、粉末状又は溶融液体状の単体硫黄を用いると基油への溶解を効率よく行うことができるので好ましい。
なお、溶融液体状の単体硫黄は液体同士を混合するので溶解作業を非常に短時間で行うことができるという利点を有しているが、単体硫黄の融点以上で取り扱わねばならず、加熱設備等の特別な装置を必要としたり、高温雰囲気下での取り扱いとなるため危険を伴う等、取り扱いが必ずしも容易ではない。これに対して、粉末状の単体硫黄は、安価で取り扱いが容易であり、しかも溶解に要する時間が十分に短いので特に好ましい。また、本発明に係る硫化鉱油における硫黄含有量に特に制限はないが、通常、硫化鉱油全量を基準として、好ましくは0.05〜1.0質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
ジチオリン酸亜鉛化合物、ジチオカルバミン酸亜鉛化合物、ジチオリン酸モリブデン化合物及びジチオカルバミン酸モリブデン化合物とは、それぞれ下記一般式(6)〜(9)で表される化合物を意味する。
[式(6)〜(9)中、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24及びR25は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1以上の炭化水素基を表し、X及びXはそれぞれ酸素原子又は硫黄原子を表す。]
ここで、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24及びR25で表される炭化水素基の具体例を例示すれば、メチル基、エチル基、プロピル基(全ての分枝異性体を含む)、ブチル基(全ての分枝異性体を含む)、ペンチル基(全ての分枝異性体を含む)、ヘキシル基(全ての分枝異性体を含む)、ヘプチル基(全ての分枝異性体を含む)、オクチル基(全ての分枝異性体を含む)、ノニル基(全ての分枝異性体を含む)、デシル基(全ての分枝異性対を含む)、ウンデシル基(全ての分枝異性対を含む)、ドデシル基(全ての分枝異性対を含む)、トリデシル基(全ての分枝異性対を含む)、テトラデシル基(全ての分枝異性対を含む)、ペンタデシル基(全ての分枝異性対を含む)、ヘキサデシル基(全ての分枝異性対を含む)、ヘプタデシル基(全ての分枝異性対を含む)、オクタデシル基(全ての分枝異性対を含む)、ノナデシル基(全ての分枝異性対を含む)、イコシル基(全ての分枝異性対を含む)、ヘンイコシル基(全ての分枝異性対を含む)、ドコシル基(全ての分枝異性対を含む)、トリコシル基(全ての分枝異性対を含む)、テトラコシル基(全ての分枝異性対を含む)等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;メチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、エチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、プロピルシクロペンチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、トリメチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、ブチルシクロペンチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルシクロペンチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルエチルシクロペンチル基(全ての置換異性体を含む)、メチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、エチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、プロピルシクロヘキシル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、ブチルシクロヘキシル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルシクロヘキシル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルエチルシクロヘキシル基(全ての置換異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、エチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、プロピルシクロヘプチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、トリメチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、ブチルシクロヘプチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルシクロヘプチル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルエチルシクロヘプチル基(全ての置換異性体を含む)等のアルキルシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;トリル基(全ての置換異性体を含む)、キシリル基(全ての置換異性体を含む)、エチルフェニル基(全ての置換異性体を含む)、プロピルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルエチルフェニル基(全ての置換異性体を含む)、トリメチルフェニル基(全ての置換異性体を含む)、ブチルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、メチルプロピルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ジエチルフェニル基(全ての置換異性体を含む)、ジメチルエチルフェニル基(全ての置換異性体を含む)、ペンチルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘキシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘプチルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、オクチルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ノニルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、デシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ウンデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ドデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、トリデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、テトラデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ペンタデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘキサデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、ヘプタデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)、オクタデシルフェニル基(全ての分枝異性体、置換異性体を含む)等のアルカリール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基(全ての分枝異性体を含む)、フェニルブチル基(全ての分枝異性体を含む)等のアラルキル基等が挙げられる。
上記硫黄化合物の中でも、ジヒドロカルビルポリサルファイド及び硫化エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いると、溶着と加工抵抗の増加とを防止して一層高水準の切削性能及び工具寿命を達成できるので好ましい。
また、(C−2)リン化合物としては、具体的には、例えば、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル、亜リン酸エステル及びフォスフォロチオネート、下記一般式(10)又は(11)で表されるリン化合物の金属塩等が挙げられる。これらのリン化合物は、リン酸、亜リン酸又はチオリン酸とアルカノール、ポリエーテル型アルコールとのエステルあるいはその誘導体が挙げられる。
[式(10)中、X、X及びXは同一でも異なっていてもよく、それぞれ酸素原子又は硫黄原子を表し、X、X及びXの少なくとも2つは酸素原子であり、R26、R27、及びR28は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。]
[式(11)中、X、X、X及びXは同一でも異なっていてもよく、それぞれ酸素原子又は硫黄原子を表し、X、X、X及びXの少なくとも3つは酸素原子であり、R29、R30及びR31は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。]
より具体的には、リン酸エステルとしては、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリウンデシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリトリデシルホスフェート、トリテトラデシルホスフェート、トリペンタデシルホスフェート、トリヘキサデシルホスフェート、トリヘプタデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等が挙げられる。
酸性リン酸エステルとしては、モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフェート、ジオクタデシルアシッドホスフェート、ジオレイルアシッドホスフェート等が挙げられる。
酸性リン酸エステルのアミン塩としては、前記酸性リン酸エステルのメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン等のアミンとの塩等が挙げられる。
塩素化リン酸エステルとしては、トリス・ジクロロプロピルホスフェート、トリス・クロロエチルホスフェート、トリス・クロロフェニルホスフェート、ポリオキシアルキレン・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホスフェート等が挙げられる。
亜リン酸エステルとしては、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト等が挙げられる。
フォスフォロチオネートとしては、トリブチルフォスフォロチオネート、トリペンチルフォスフォロチオネート、トリヘキシルフォスフォロチオネート、トリヘプチルフォスフォロチオネート、トリオクチルフォスフォロチオネート、トリノニルフォスフォロチオネート、トリデシルフォスフォロチオネート、トリウンデシルフォスフォロチオネート、トリドデシルフォスフォロチオネート、トリトリデシルフォスフォロチオネート、トリテトラデシルフォスフォロチオネート、トリペンタデシルフォスフォロチオネート、トリヘキサデシルフォスフォロチオネート、トリヘプタデシルフォスフォロチオネート、トリオクタデシルフォスフォロチオネート、トリオレイルフォスフォロチオネート、トリフェニルフォスフォロチオネート、トリクレジルフォスフォロチオネート、トリキシレニルフォスフォロチオネート、クレジルジフェニルフォスフォロチオネート、キシレニルジフェニルフォスフォロチオネート、トリス(n−プロピルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(イソプロピルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(n−ブチルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(イソブチルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(s−ブチルフェニル)フォスフォロチオネート、トリス(t−ブチルフェニル)フォスフォロチオネート等が挙げられる。
また、上記一般式(10)又は(11)で表されるリン化合物の金属塩に関し、式中のR26〜R31で表される炭素数1〜30の炭化水素基としては、具体的には、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルカリール基、アラルキル基等が挙げられる。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)が挙げられる。
上記シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5〜7のシクロアルキル基を挙げることができる。また、上記アルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メチルエチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基等の炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基(アルキル基のシクロアルキル基への置換位置も任意である)が挙げられる。
上記アルケニル基としては、例えば、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよく、また、二重結合の位置も任意である。)が挙げられる。
上記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を挙げることができる。また、上記アルカリール基としては、例えば、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等の炭素数7〜18のアルカリール基(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、また、アリール基への置換位置も任意である。)が挙げられる。
上記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等の炭素数7〜12のアラルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい。)が挙げられる。
26〜R31で表される炭素数1〜30の炭化水素基は、炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数6〜24のアリール基であることが好ましく、更に好ましくは炭素数3〜18のアルキル基、更に好ましくは炭素数4〜12のアルキル基である。
26、R27及びR28は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は上記炭化水素基を表すが、R26、R27及びR28のうち、1〜3個が上記炭化水素基であることが好ましく、1〜2個が上記炭化水素基であることがより好ましく、2個が上記炭化水素基であることが更に好ましい。
また、R29、R30及びR31は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は上記炭化水素基を表すが、R29、R30及びR31のうち、1〜3個が上記炭化水素基であることが好ましく、1〜2個が上記炭化水素基であることがより好ましく、2個が上記炭化水素基であることが更に好ましい。
一般式(10)で表されるリン化合物において、X〜Xのうちの少なくとも2つは酸素原子であることが必要であるが、X〜Xの全てが酸素原子であることが好ましい。
また、一般式(11)で表されるリン化合物において、X〜Xのうちの少なくとも3つは酸素原子であることが必要であるが、X〜Xの全てが酸素原子であることが好ましい。
一般式(10)で表されるリン化合物としては、例えば、亜リン酸、モノチオ亜リン酸;上記炭素数1〜30の炭化水素基を1つ有する亜リン酸モノエステル、モノチオ亜リン酸モノエステル;上記炭素数1〜30の炭化水素基を2つ有する亜リン酸ジエステル、モノチオ亜リン酸ジエステル;上記炭素数1〜30の炭化水素基を3つ有する亜リン酸トリエステル、モノチオ亜リン酸トリエステル;及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、亜リン酸モノエステル、亜リン酸ジエステルが好ましく、亜リン酸ジエステルがより好ましい。
また、一般式(11)で表されるリン化合物としては、例えば、リン酸、モノチオリン酸;上記炭素数1〜30の炭化水素基を1つ有するリン酸モノエステル、モノチオリン酸モノエステル;上記炭素数1〜30の炭化水素基を2つ有するリン酸ジエステル、モノチオリン酸ジエステル;上記炭素数1〜30の炭化水素基を3つ有するリン酸トリエステル、モノチオリン酸トリエステル;及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、リン酸モノエステル、リン酸ジエステルが好ましく、リン酸ジエステルがより好ましい。
一般式(10)又は(11)で表されるリン化合物の金属塩としては、当該リン化合物の酸性水素の一部又は全部を金属塩基で中和した塩が挙げられる。これらの金属塩基としては、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属塩化物等が挙げられ、その金属としては、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、銅、鉄、鉛、ニッケル、銀、マンガン等の重金属等が挙げられる。これらの中では、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属及び亜鉛が好ましい。
上記リン化合物の金属塩は、金属の価数やリン化合物のOH基あるいはSH基の数に応じてその構造が異なり、従って、その構造については何ら限定されないが、例えば、酸化亜鉛1molとリン酸ジエステル(OH基が1つ)2molを反応させた場合、下記式(12)で表される構造の化合物が主成分として得られると考えられるが、ポリマー化した分子も存在していると考えられる。
また、例えば、酸化亜鉛1molとリン酸モノエステル(OH基が2つ)1molとを反応させた場合、下記式(13)で表される構造の化合物が主成分として得られると考えられるが、ポリマー化した分子も存在していると考えられる。
また、これらの2種以上の混合物も使用できる。上記リン化合物の中でも、溶着と加工抵抗の増加とを防止して優れた切削性能及び工具寿命を達成できる点から、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、及び酸性リン酸エステルのアミン塩が好ましい。
本発明の霧生成方法を用いた切削・研削加工方法において使用し得る潤滑油分は、(C−1)硫黄化合物又は(C−2)リン化合物の一方のみを含有するものであってもよく、双方を含有するものであってもよい。溶着と加工抵抗の増加とを防止して優れた切削性能及び工具寿命を達成できる点からは、(C−2)リン化合物、あるいは(C−1)硫黄化合物と(C−2)リン化合物との双方を含有することが好ましく、(C−1)硫黄化合物と(C−2)リン化合物との双方を含有することがより好ましい。
極圧剤の含有量は任意であるが、溶着と加工抵抗の増加とを防止して優れた切削性能及び工具寿命を達成できる点から、油剤組成物全量基準で、0.005質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.05質量%以上であることが更に好ましい。また、異常摩耗の防止の点から、極圧剤の含有量は、油剤組成物全量基準で、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、7質量%以下であることが更に好ましい。
上述の油性剤又は極圧剤の一方だけを用いてもよいが、溶着と加工抵抗の増加とを防止して優れた切削性能及び工具寿命を達成できる点から、油性剤と極圧剤とを併用することが好ましい。
また、本発明の霧生成方法を用いた切削・研削加工方法において使用し得る潤滑油分は、溶着と加工抵抗の増加とを防止して優れた切削性能及び工具寿命を達成できる点から、有機酸塩を含有することが好ましい。有機酸塩としては、スルフォネート、フェネート、サリシレート、並びにこれらの混合物が好ましく用いられる。
これらの有機酸塩の陽性成分としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属;アンモニア、炭素数1〜3のアルキル基を有するアルキルアミン(モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン等)、炭素数1〜3のアルカノール基を有するアルカノールアミン(モノメタノールアミン、ジメタノールアミン、トリメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン等)等のアミン、亜鉛等が挙げられるが、これらの中でも、アルカリ金属又はアルカリ土類金属が好ましく、カルシウムが特に好ましい。有機酸塩の陽性成分がアルカリ金属又はアルカリ土類金属であると、より高い潤滑性が得られる傾向にある。
スルフォネートは、任意の方法によって製造されたものが使用可能である。例えば、分子量100〜1500、好ましくは200〜700のアルキル芳香族化合物をスルフォン化することによって得られるアルキル芳香族スルフォン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩及びこれらの混合物等が使用できる。
ここでいうアルキル芳香族スルフォン酸としては、一般に、鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香族化合物をスルフォン化したものや、ホワイトオイル製造時に副生する、いわゆるマホガニー酸等の石油スルフォン酸や、洗剤の原料となるアルキルベンゼン製造プラントから副生したり、ポリオレフィンをベンゼンにアルキル化することにより得られる直鎖状又は分枝状のアルキル基を有するアルキルベンゼンをスルフォン化したもの、あるいはジノニルナフタレン等のアルキルナフタレンをスルフォン化したもの等の合成スルフォン酸等が挙げられる。
また、上記のアルキル芳香族スルフォン酸と、アルカリ金属の塩基(アルカリ金属の酸化物や水酸化物等)、アルカリ土類金属の塩基(アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物等)又は上述したアミン(アンモニア、アルキルアミンやアルカノールアミン等)とを反応させて得られるいわゆる中性(正塩)スルフォネート;中性(正塩)スルフォネートと、過剰のアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンを水の存在下で加熱することにより得られるいわゆる塩基性スルフォネート;炭酸ガスの存在下で中性(正塩)スルフォネートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンと反応させることにより得られるいわゆる炭酸塩過塩基性(超塩基性)スルフォネート;中性(正塩)スルフォネートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミン並びにホウ酸又は無水ホウ酸等のホウ酸化合物と反応させたり、又は炭酸塩過塩基性(超塩基性)スルフォネートとホウ酸又は無水ホウ酸等のホウ酸化合物を反応させることによって製造されるいわゆるホウ酸塩過塩基性(超塩基性)スルフォネート;及びこれらの混合物等が挙げられる。
フェネートとしては、具体的には、元素硫黄の存在下又は不存在下で、炭素数4〜20のアルキル基を1〜2個有するアルキルフェノールと、アルカリ金属の塩基(アルカリ金属の酸化物や水酸化物等)、アルカリ土類金属の塩基(アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物等)又は上述したアミン(アンモニア、アルキルアミンやアルカノールアミン等)とを反応させることにより得られる中性フェネート;中性フェネートと過剰のアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンを水の存在下で加熱することにより得られる、いわゆる塩基性フェネート;炭酸ガスの存在下で中性フェネートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンと反応させることにより得られる、いわゆる炭酸塩過塩基性(超塩基性)フェネート;中性フェネートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミン並びにホウ酸又は無水ホウ酸等のホウ酸化合物と反応させたり、又は炭酸塩過塩基性(超塩基性)フェネートとホウ酸又は無水ホウ酸等のホウ酸化合物を反応させることによって製造される、いわゆるホウ酸塩過塩基性(超塩基性)フェネート;及びこれらの混合物等が挙げられる。
サリシレートとしては、具体的には、元素硫黄の存在下又は不存在下で、炭素数4〜20のアルキル基を1〜2個有するアルキルサリチル酸と、アルカリ金属の塩基(アルカリ金属の酸化物や水酸化物等)、アルカリ土類金属の塩基(アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物等)又は上述したアミン(アンモニア、アルキルアミンやアルカノールアミン等)とを反応させることにより得られる中性サリシレート;中性サリシレートと、過剰のアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンを水の存在下で加熱することにより得られるいわゆる塩基性サリシレート;炭酸ガスの存在下で中性サリシレートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミンと反応させることにより得られるいわゆる炭酸塩過塩基性(超塩基性)サリシレート;中性サリシレートをアルカリ金属の塩基、アルカリ土類金属の塩基又はアミン並びにホウ酸又は無水ホウ酸等のホウ酸化合物と反応させたり、又は炭酸塩過塩基性(超塩基性)金属サリシレートとホウ酸又は無水ホウ酸等のホウ酸化合物を反応させることによって製造されるいわゆるホウ酸塩過塩基性(超塩基性)サリシレート;及びこれらの混合物等が挙げられる。
有機酸塩の塩基価は、好ましくは50〜500mgKOH/gであり、より好ましくは100〜450mgKOH/gである。有機酸塩の塩基価が50mgKOH/g未満の場合は有機酸塩の添加による潤滑性向上効果が不十分となる傾向にあり、他方、塩基価が500mgKOH/gを超える有機酸塩は、通常、製造が非常に難しく入手が困難であるため、それぞれ好ましくない。なお、ここでいう塩基価とは、JIS K 2501「石油製品および潤滑油−中和価試験方法」の7.に準拠して測定される過塩素酸法による塩基価[mgKOH/g]をいう。
また、有機酸塩の含有量は、油剤組成物全量基準で、好ましくは0.1〜30質量%であり、より好ましくは0.5〜25質量%であり、更に好ましくは1〜20質量%である。有機酸塩の含有量が前記下限値未満の場合、その添加による溶着と加工抵抗の増加との防止に起因する切削性能及び工具寿命の向上効果が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限値を超えると、油剤組成物の安定性が低下して析出物が生じやすくなる傾向にある。
有機酸塩は単独で用いてもよく、あるいは有機酸塩と他の添加剤とを組み合わせて用いてもよい。溶着と加工抵抗の増加とを防止して優れた切削性能及び工具寿命を達成できる点からは、有機酸塩を上記の極圧剤と組み合わせて用いることが好ましく、硫黄化合物、リン化合物及び有機酸塩の3種を組み合わせて用いることが特に好ましい。
また、本発明の切削・研削加工方法において用いることのできる油剤は、酸化防止剤を更に含有することが好ましい。酸化防止剤の添加により、構成成分の変質による酸化安定性を防止することができ、また、熱・酸化安定性を向上させることができる。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ジチオリン酸亜鉛系酸化防止剤、その他食品添加剤として使用されているもの等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、潤滑油の酸化防止剤として用いられる任意のフェノール系化合物が使用可能であり、特に制限されるものでないが、例えば、下記の一般式(14)及び一般式(15)で表される化合物の中から選ばれる1種又は2種以上のアルキルフェノール化合物が好ましいものとして挙げられる。
[式(14)中、R32は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R33は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R34は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、下記一般式(i)又は(ii)で表される基を示す。]
[一般式(i)中、R35は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R36は炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基を示す。]
[一般式(ii)中、R37は炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R38は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R39は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、kは0又は1を示す。]
[一般式(15)中、R40及びR42は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示し、R41及びR43は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R44及びR45は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Aは炭素数1〜18のアルキレン基又は下記の一般式(iii)で表される基を示す。]
−R46−S−R47− (iii)
[一般式(iii)中、R46及びR47は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を示す。]
アミン系酸化防止剤としては、潤滑油の酸化防止剤として用いられる任意のアミン系化合物が使用可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、下記の一般式(16)で表されるフェニル−α−ナフチルアミン又はN−p−アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、並びに下記一般式(17)で表されるp,p’−ジアルキルジフェニルアミンの中から選ばれる1種又は2種以上の芳香族アミンが好ましいものとして挙げられる。
[式(16)中、R48は水素原子又はアルキル基を示す。]
[式(17)中、R49及びR50は同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基を示す。]
アミン系酸化防止剤の具体例としては、4−ブチル−4’−オクチルジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、オクチルフェニル−α−ナフチルアミン、ドデシルフェニル−α−ナフチルアミン及びこれらの混合物等が挙げられる。
ジチオリン酸亜鉛系酸化防止剤としては、具体的には、下記一般式(18)で表されるジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。
[式(18)中、R51、R52、R53及びR54は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭化水素基を示す。]
また、食品添加剤として使用されている酸化防止剤も使用可能であり、上述したフェノール系酸化防止剤と一部重複するが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール)、アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸の脂肪酸エステル、トコフェロール(ビタミンE)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、1,2−ジハイドロ−6−エトキシ−2,2,4−トリメチルキノリン(エトキシキン)、2−(1,1−ジメチル)−1,4−ベンゼンジオール(TBHQ)、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン(THBP)を挙げることができる。
これらの酸化防止剤の中でも、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、並びに上記食品添加剤として使用されている酸化防止剤が好ましい。更に、生分解性を重視する場合には、上記食品添加剤として使用されているものがより好ましく、中でも、アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸の脂肪酸エステル、トコフェロール(ビタミンE)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、1,2−ジハイドロ−6−エトキシ−2,2,4−トリメチルキノリン(エトキシキン)、2−(1,1−ジメチル)−1,4−ベンゼンジオール(TBHQ)、又は2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン(THBP)が好ましく、アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸の脂肪酸エステル、トコフェロール(ビタミンE)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC)、又は3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソールがより好ましい。
酸化防止剤の含有量は、特に制限はないが、良好な熱・酸化安定性を維持させるために、その含有量は、油剤組成物全量基準で0.01質量%以上が好ましく、更に好ましくは0.05質量%以上、最も好ましくは0.1質量%以上である。一方、それ以上添加しても効果の向上が期待できないことから、その含有量は、10質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは5質量%以下であり、最も好ましくは3質量%以下である。
また、本発明の切削・研削加工方法において用いることのできる油剤は、水滴のより安定な分散を得るために、必要により、アニオン系、ノニオン系又はカチオン系の界面活性剤を含有することができる。
アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩、石油スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルキルアリル硫酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、硫酸化油(ロート油等)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル及びこれらの混合物等に代表されるポリオキシエチレン系、ペンタエリスリトールジオレエート、ソルビタンモノオレエートで代表される多価アルコール系等が挙げられる。カチオン系の界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アミンオキサイド等が挙げられる。
また、本発明の霧生成方法を用いた切削・研削加工方法において使用し得る潤滑油分には、上記した以外の従来公知の添加剤を含有することができる。このような添加剤としては、例えば、上記したリン化合物、硫黄化合物以外の極圧剤(塩素系極圧剤を含む);ジエチレングリコールモノアルキルエーテル等の湿潤剤;アクリルポリマー、パラフィンワックス、マイクロワックス、スラックワックス、ポリオレフィンワックス等の造膜剤;脂肪酸アミン塩等の水置換剤;グラファイト、フッ化黒鉛、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、ポリエチレン粉末等の固体潤滑剤;アミン、アルカノールアミン、アミド、カルボン酸、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸、リン酸塩、多価アルコールの部分エステル等の腐食防止剤;ベンゾトリアゾール、チアジアゾール等の金属不活性化剤;メチルシリコーン、フルオロシリコーン、ポリアクリレート等の消泡剤;アルケニルコハク酸イミド、ベンジルアミン、ポリアルケニルアミンアミノアミド等の無灰分散剤;等が挙げられる。これらの公知の添加剤を併用する場合の含有量は、特に制限されないが、これらの公知の添加剤の合計含有量が油剤組成物全量基準で0.1〜10質量%となるような量で添加することが一般的である。
なお、本発明の霧生成方法を用いた切削・研削加工方法において使用し得る潤滑油分は、上述のように塩素系極圧剤等の塩素系添加剤を含有してもよいが、安全性の向上及び環境に対する負荷の低減の点からは、塩素系添加剤を含有しないことが好ましい。また、塩素濃度は、油剤組成物全量基準で、1000質量ppm以下であることが好ましく、500質量ppm以下であることがより好ましく、200質量ppm以下であることが更に好ましく、100質量ppm以下であることが特に好ましい。
本発明の霧生成方法を用いた切削・研削加工方法において使用し得る潤滑油分の動粘度は、特に制限されないが、加工部位への供給容易性の点から、40℃における動粘度は200mm/s以下であることが好ましく、より好ましくは100mm/s以下であり、更に好ましくは75mm/s以下であり、最も好ましくは50mm/s以下である。一方、その下限値は、1mm/s以上であることが好ましく、より好ましくは3mm/s以上であり、最も好ましくは5mm/s以上である。
本発明の霧生成方法を用いた切削・研削加工方法において使用し得る潤滑油分は、任意の量の水分と混合して使用することも可能である。水分との混合量は、特に制限されないが、霧生成の点から水分を10wt%以上混合することが好ましく、より好ましくは15wt%以上であり、更に好ましくは20wt%以上である。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を液体に行うことにより、霧生成量を増加させることができる。
(2)超音波照射によりある一定量の霧を生成する際に、超音波振動子への投入電力を低減させることができる。
(3)生成させた霧を物体に付着させて蒸発潜熱の効果を得ることにより、物体を高速に冷却させることが可能となる。
(4)霧生成量の増加を油成分乃至油水混合液の霧生成に利用し、機械加工に用いる工具に搬送することで、工具の性能の向上、工具の高速冷却、環境浄化を達成することが実現できる。
(5)液体中における化学反応と液体の霧化を同時に行うことで、液処理プロセスの高速化を達成することができる。
(6)本発明の超音波照射方法による霧生成量の増加を利用することで、機械加工の工程における切削工具等の性能向上、高速冷却等の処理を高効率で実施することが可能となる。
(7)本発明の方法による霧生成量の増加を利用することで、乳化粒子を含む液体の超音波霧化、液処理プロセスにおける化学反応と霧化の連続化を実現することができる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
本実施例では、超音波振動子として、ランジュバン振動子を備えた装置を使用し、図1に示す装置を構築した。パワーメータ、パワーアンプを設けた信号発生器をランジュバン振動子(直径45mm)に接続し、液体*を滴下し、連続波駆動及び間欠波駆動を行い、霧(ミスト)を発生させ、流動させたアルゴンガスでミストを物体(銅板)の表面に移動させ、該ミストが付着した物体の温度を熱電対で測定した。すなわち、超音波の照射は、ランジュバン振動子を、周波数135kHz、超音波投入電力を変えて駆動し、液体を滴下して霧を生成させ、銅板に付着させ、熱電対で温度を測定し、冷却速度の測定を実施した。図2に、超音波休止サイクルの差異による冷却速度及び電力当たりの冷却速度を示す。
*液体:水100wt%、乃至下記表1の比から成る液体
図2において、縦軸は、パワー(W)、冷却速度(k/s)、冷却速度/パワー(k/(s*W))を示し、横軸は、休止サイクル数(cycle)を示す。その結果、超音波休止サイクルを選択付与した超音波照射を液体に行うことにより、連続超音波照射と比べて、冷却速度が向上し、また、電力当たりの冷却速度が向上することが分かった。特に、300サイクル照射、500サイクル休止を繰り返す場合に、冷却速度が最も高速となることが判明し、このとき、連続波の場合に比べて、冷却速度は4倍、電力当たりの冷却速度は12倍となることが判明した。尚、液体として、他の潤滑油成分を用いて同様に試験したところ同様の結果が得られた。
以上詳述したように、本発明は、超音波による霧生成方法及び装置に係るものであり、本発明により、液体に超音波を照射して気体中に霧を生成させる方法において、連続超音波と比べて、霧生成量を増加させることが可能な新しい霧生成方法及び装置を提供することができる。本発明は、液体に照射する超音波の駆動と休止時間の比を制御して該液体中の音圧振幅を高く保持させることにより、霧の生成を増加させ、物体に対する霧の付着と蒸発潜熱により冷却を促進することを可能とする新しい霧発生手段及び物体の高速冷却手段を提供するものである。
本発明の霧生成方法及び装置の一例を示す。 超音波休止サイクルの差異による冷却速度及び電力当たりの冷却速度を示す。

Claims (10)

  1. 液体に超音波を照射して気体中に霧を生成させる方法において、繰り返し休止時間を選択付与した間欠超音波を液体に照射することにより、照射前ないし連続超音波を照射する場合と比べて該液体中の音圧振幅を高く保持し霧を生成させることを特徴とする霧生成方法。
  2. 繰り返し休止時間を選択付与した超音波を液体に照射することにより、連続超音波照射と比べて、霧生成量を増加させて霧を生成させる、請求項1記載の霧生成方法。
  3. 繰り返し休止時間を選択付与した超音波を液体に照射することにより、ある一定量の霧を生成する際に、連続超音波照射と比べて、超音波振動子への投入電力を低減させる、請求項1記載の霧生成方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の霧生成方法を利用して、繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を液体に行うことにより、照射前ないし連続超音波を照射する場合と比べて該液体中の音圧振幅を高く保持し生成させた霧を、物体に接触させて蒸発潜熱の効果を得ることにより、連続超音波照射と比べて、物体を高速に冷却させることを特徴とする物体の高速冷却方法。
  5. 繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を液体に行い、生成した霧を、物体に接触させ、一定の冷却効果を得る際に、連続超音波照射と比べて、超音波振動子への投入電力を低減させる、請求項4記載の物体の冷却方法。
  6. 請求項1から3のいずれかに記載の霧生成方法を利用して、繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を液体に行うことにより、照射前ないし連続超音波を照射する場合と比べて該液体中の音圧振幅を高く保持し油成分乃至油水混合液の霧を生成させ、それを機械加工を行う工具へ搬送することで、工具の性能向上及び工具の高速冷却を行うことを特徴とする機械加工の工程における工具の処理方法。
  7. 機械加工の工程における処理が、切削・研削加工の工程における処理である、請求項6記載の処理方法。
  8. 超音波乳化と超音波霧化を連続的に行う方法であって、繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を乳化した液体に行うことにより、照射前ないし連続超音波を照射する場合と比べて該液体中の音圧振幅を高く保持することで、微細化した乳化粒子を速やかに霧化することを特徴とする乳化粒子を含む液体の霧生成方法。
  9. 液体中における化学反応と液体の霧化を同時的に行う方法であって、繰り返し休止時間を選択付与した超音波照射を液体に行うことにより、照射前ないし連続超音波を照射する場合と比べて該液体中の音圧振幅を高く保持することで、化学反応処理した液体を連続的に霧化することを特徴とする液処理プロセスの連続化方法。
  10. 請求項1から3のいずれかに記載の霧生成方法に使用するための、液体に超音波を照射して気体中に霧を生成させる装置であって、霧を生成させる超音波振動子、連続超音波駆動又は間欠超音波駆動を任意の条件に設定できる信号発生器、その条件を制御する制御手段、及び上記超音波振動子により生成させた霧を物体の表面に付着させて蒸発潜熱の効果により該物体が冷却される温度を測定する熱電対、を具備していることを特徴とする装置。
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