JP2004176977A - 急速冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速回転している缶や瓶等の被冷却体の表面に微小な氷粒子を付着させることにより融解潜熱で被冷却体を冷やすと同時に、被冷却体表面で融けて発生した水滴を薄く引き延ばすことにより蒸発し易くし、蒸発熱を奪うことにより急速冷却することができる急速冷却装置を提供する。
【解決手段】急速冷却装置は、被冷却体を収容して冷却する冷却室、前記冷却室において前記被冷却体を回転させる回転手段、および前記冷却室内に氷粒子を供給する氷粒子供給手段を具備し、回転している前記被冷却体の表面に前記氷粒子を付着させる。
【選択図】 図1
【解決手段】急速冷却装置は、被冷却体を収容して冷却する冷却室、前記冷却室において前記被冷却体を回転させる回転手段、および前記冷却室内に氷粒子を供給する氷粒子供給手段を具備し、回転している前記被冷却体の表面に前記氷粒子を付着させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶や瓶に含まれる飲料水などを急速に冷却する急速冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
缶や瓶等の飲料水、例えばビールやジュース類は、5〜10℃に冷やして飲むとのど越しもよく美味しく感じる。一般に家庭では、飲む前に予め冷蔵庫に入れて冷やしておくが、冷やし忘れる場合がしばしばある。このような場合、少しでも急速に冷やすために、冷凍室に入れたり、氷水を利用していた。
また、特許文献1では、缶や瓶類等の表面への水粒子の付着と、乾燥冷却空気による水の蒸発とを交互に繰り返すことにより、蒸発潜熱を利用して冷却する方法が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−285423号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば350mlの缶ビールを冷凍室で冷やそうとしても、思ったほど急速には冷えないのが現状であり、冷えたと思った時には、ビールが凍ってしまっている場合があり、飲み頃の5〜10℃の温度に制御するのは難しい。
【0005】
氷水を利用する場合には、5〜10℃の飲み頃温度に制御するのは容易だが多量の水と氷を必要とし、氷を切らしてしまうと冷やすことができなくなる。
更に、特許文献1では、缶や瓶類等の表面への水粒子の付着と乾燥冷却空気による蒸発とを交互に繰り返し行うので、時間を要してしまうという問題があった。また、缶や瓶類等の表面への水粒子の付着量と乾燥量を制御することが難しく、水粒子が十分蒸発する前に、次の水粒子が付着し、缶や瓶等の表面に水の層ができてしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題を解決するため、高速回転している缶や瓶等の被冷却体の表面に微小な氷粒子を付着させることにより融解潜熱で被冷却体を冷やすと同時に、被冷却体表面で融けて発生した水滴を薄く引き延ばすことにより、蒸発し易くし、蒸発熱を奪うことにより急速冷却することができる急速冷却装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の急速冷却装置は、被冷却体を収容して冷却する冷却室、前記冷却室において前記被冷却体を回転させる回転手段、および前記冷却室内に氷粒子を供給する氷粒子供給手段を具備し、回転している前記被冷却体の表面に前記氷粒子を付着させることにより前記被冷却体を急速に冷却させることを特徴とする。
【0008】
前記回転手段が、一対の反転可能で高速回転し得る回転ローラーであることが好ましい。
前記氷粒子供給手段が、超音波加湿器であることが好ましい。
前記超音波加湿器が、氷核活性物質を含んだ水を利用して氷粒子を供給することが好ましい。
【0009】
前記冷却室の底部に設けられ、前記冷却室内の氷粒子および前記氷粒子が融けて生じた水を回収する回収口、ならびに前記回収口より回収した氷粒子または水を前記超音波加湿器へ送るために前記冷却室と前記超音波加湿器とを連通する回収通路を具備することが好ましい。
【0010】
前記被冷却体の表面に付着した氷粒子が融けて生じた水滴を薄く伸ばす手段を具備することが好ましい。
前記冷却室の温度を監視する温度検知手段を具備することが好ましい。
前記回転手段および前記氷粒子供給手段の作動を制御するON/OFF手段を具備することが好ましい。
【0011】
前記回転手段および前記氷粒子供給手段の作動時間を制御するタイマー手段を具備することが好ましい。
前記回転ローラーの回転方向を選択する選択手段を具備することが好ましい。
前記超音波加湿器で生成した氷粒子の供給方法を連続または間欠のいずれかに選択する選択手段を具備することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
本発明の第一の好ましい態様として急速冷却装置の概略断面図を図1に示す。
急速冷却装置は、被冷却体1a、1bを収容して冷却する冷却室5、前記冷却室5において前記被冷却体1a、1bを回転させる一対の反転可能で高速回転し得る回転ローラー2a、2b、冷却室5内に氷粒子7を供給する超音波加湿器3、前記冷却室5底部に設けられ、冷却室5内で氷粒子7および前記氷粒子7が融けて生じた水滴8を回収する回収口12、および前記回収した氷粒子7または水滴8を前記超音波加湿器3へ送るために冷却室5と超音波加湿器3とを連通する回収通路14より構成される。
【0013】
超音波加湿器3は、微量の氷核活性物質を含む水17を供給する給水口15が設けられ、前記給水口15を介して取り付け自在の給水タンク4が接続されている。給水タンク4には、0℃以上の温度に保持された水道水が貯蔵され、前記水には、氷核活性物質としてリポ糖タンパク質ポリアミン複合体のような氷核タンパク質、糖、脂質、およびポリアミンから構成される複合物質が微量添加されている。また、超音波加湿器3には、給水タンク4から所定の水位まで前記水17が流れ込む貯水槽13が備えられている。
【0014】
超音波加湿器3は、冷却室5と隣接しており、上部側面に設けたファン6により直接氷粒子7が冷却室5内の被冷却体1a、1bに向かって送り込まれる構成となっている。
冷却室5には、冷却室5内の温度を所定値に保持するための温度検知手段19が設けられている。
【0015】
また、急速冷却装置には、回転ローラー2a、2bおよび超音波加湿器3の作動を制御するON/OFF手段としてスタートスイッチ、およびその作動時間を制御するタイマーが設けられている(図示せず)。
さらに、回転ローラー2a、2bの回転方向および、超音波加湿器3の運転方法を選択する選択手段が設けられている(図示せず)。
【0016】
回転ローラー2a、2bの回転方向については、被冷却体1a、1bが、例えば、ビール等の炭酸飲料水の場合は、缶の中で泡立つことなく、蓋を開けたときも吹き出すことがないようにするため、反転しない設定とすることが好ましい。また、被冷却体1a、1bが、例えば、炭酸飲料水以外の飲料水の場合は、缶内部における液体の対流が促進されて、冷却速度が更に速くなるように、所定時間経過毎に反転する設定とすることが好ましい。
【0017】
超音波加湿器3の運転方法については、被冷却体1a、1bの温度が30℃を超えるような場合は、連続的に氷粒子7を供給するように設定することが好ましい。また、被冷却体1a、1bの温度が25℃以下の場合は、間欠的に氷粒子7を供給するように設定することが好ましい。
【0018】
急速冷却装置の動作について説明する。
被冷却体1a、1bを冷却室5に設けた一対の回転ローラー2a、2b上にそれぞれ設置する。タイマーにより作動時間を所定値に設定し、選択手段により回転ローラー2a、2bの回転方法および超音波加湿器3の運転方法を所定の条件に設定する。
【0019】
スタートスイッチをONにすると、回転ローラー2a、2bが回転し、被冷却体1a、1bを高速回転させる。
一方、超音波加湿器3では、制御回路11により圧電素子10が2.4MHzで振動し、氷核活性物質を含むミスト18が発生する。−5〜0℃に保持された超音波加湿器3内において、氷核活性物質を含むミスト18は−2℃付近で結晶化し、ファン6付近に到達すると、そのほとんどが微小な氷粒子7となる。
【0020】
そして、温度検知手段19により所定の温度に保持された冷却室5内に、超音波加湿器3の上部側面に設けられたファン6より放出された微小な氷粒子7が、回転している被冷却体1a、1bの表面に付着し、融解潜熱を奪って直ちに水滴8となる。また、水滴8には氷粒子7が付着し易く、水滴8から融解熱を奪って大きな水滴8となる。しかし、水滴8の温度が低下するため、結果として被冷却体1a、1bの温度は低下する。
【0021】
微小な氷粒子7が被冷却体1a、1bの表面で融けて生じた水滴8は、回転ローラー2a、2bにより薄膜状の水9a、9bとなるため、蒸発し易くなる。この時、被冷却体1a、1bの表面から蒸発熱を奪って気化する。
このように、氷粒子の融解潜熱だけでなく、水滴の蒸発熱をも奪うため、被冷却体1a、1bは急速に冷却される。また、被冷却体1a、1bは、一方向に高速回転し、内部の液体が対流するため、すぐに温度が均一になる。
【0022】
一方、前記冷却室5内の氷粒子7および前記氷粒子7が融けて生じた水滴8は、冷却室5の底部に設けられた回収口12より回収され、回収通路14を通って再び超音波加湿器3の貯水槽13に戻され、再利用される。
なお、図1ではファンの位置を超音波加湿器の上部側面に設けたが、冷却室の上部に設ける構成としても構わない。
【0023】
実施の形態2
本発明の第二の好ましい態様として急速冷却装置の概略断面図を図2に示す。急速冷却装置は、超音波加湿器3の上部側面に、冷却室5内に氷粒子7を放出するための吹き出し口22が設けられ、冷却室5底部に、冷却室5内で氷粒子7が融けて生じた水滴8を回収するファン21が設けられている以外は、実施の形態1と同様の構成である。
【0024】
実施の形態1では、氷粒子7を冷却室5内に放出するために、超音波加湿器3の上部側面にファン6が設けられている。しかし、超音波加湿器3内で生成した氷粒子7が、ファン6の羽に当たり、砕けたり付着したりして被冷却体1a、1bに到達しない場合がある。したがって、氷粒子7が被冷却体1a、1bに付着する量を多くするためには、本実施の形態の図2に示すように冷却室5底部にファン21を設けることが好ましい。
【0025】
急速冷却装置の動作について説明する。
被冷却体1a、1bを冷却室5に設けた一対の回転ローラー2a、2b上にそれぞれ設置する。タイマーにより作動時間を所定値に設定し、選択手段により回転ローラー2a、2bの回転方法および超音波加湿器3の運転方法を所定の条件に設定する。
【0026】
スタートスイッチをONにすると、回転ローラー2a、2bが回転し、被冷却体1a、1bを高速回転させる。
一方、超音波加湿器3では、制御回路11により圧電素子10が2.4MHzで振動し、氷核活性物質を含むミスト18が発生する。−5〜0℃に保持された超音波加湿器3内において、氷核活性物質を含むミスト18は−2℃付近で結晶化し、吹き出し口22付近に到達すると、そのほとんどが微小な氷粒子7となる。
【0027】
そして、温度検知手段19により所定の温度に保持された冷却室5内に、超音波加湿器3の上部側面に設けた吹き出し口22より放出された微小な氷粒子7が、回転している被冷却体1a、1bの表面に付着し、融解潜熱を奪って直ちに水滴8となる。また、水滴8には氷粒子7が付着し易く、水滴8から融解熱を奪って大きな水滴8となる。しかし、水滴8の温度が低下するため、結果として被冷却体1a、1bの温度は低下する。
【0028】
微小な氷粒子7が被冷却体1a、1bの表面で融けて生じた水滴8は、回転ローラー2a、2bにより薄膜状の水9a、9bとなるため、蒸発し易くなる。この時、被冷却体1a、1bの表面から蒸発熱を奪って気化する。
このように、氷粒子の融解潜熱だけでなく、水滴の蒸発熱をも奪うため、被冷却体1a、1bは急速に冷却される。また、被冷却体1a、1bは、一方向に高速回転し、内部の液体が対流するため、すぐに温度が均一になる。
【0029】
一方、前記冷却室5内の氷粒子7および前記氷粒子7が融けて生じた水滴8は、冷却室5の底部に設けられたファン21を経て回収され、回収通路14を通って再び超音波加湿器3の貯水槽13に戻され、再利用される。
【0030】
実施の形態3
本発明の第三の好ましい態様として急速冷却装置の概略断面図を図3に示す。
急速冷却装置は、さらに被冷却体1a、1bの表面に付着した氷粒子7が融けて生じた水滴8を薄く延ばす手段として、冷却室5内に、少なくとも一部が被冷却体1a、1bの表面に接するゴム板31a、31bを設けた以外は、実施の形態1と同様の構成である。
ゴム板31a、31bにより、被冷却体1a、1b表面の水を除去しながら、水滴8をのばして薄膜状の水9a、9bにするため、さらに蒸発しやすくなる。
【0031】
急速冷却装置の動作について説明する。
被冷却体1a、1bを冷却室5に設けた一対の回転ローラー2a、2b上にそれぞれ設置する。タイマーにより作動時間を所定値に設定し、選択手段により回転ローラー2a、2bの回転方法および超音波加湿器3の運転方法を所定の条件に設定する。
【0032】
スタートスイッチをONにすると、回転ローラー2a、2bが回転し、被冷却体1a、1bを高速回転させる。
一方、超音波加湿器3では、制御回路11により圧電素子10が2.4MHzで振動し、氷核活性物質を含むミスト18が発生する。−5〜0℃に保持された超音波加湿器3内において、氷核活性物質を含むミスト18は−2℃付近で結晶化し、ファン6付近に到達すると、そのほとんどが微小な氷粒子7となる。
【0033】
そして、温度検知手段19により所定の温度に保持された冷却室5内に、超音波加湿器3の上部側面に設けられたファン6より放出された微小な氷粒子7が、回転している被冷却体1a、1bの表面に付着し、融解潜熱を奪って直ちに水滴8となる。また、水滴8には氷粒子7が付着し易く、水滴8から融解熱を奪って大きな水滴8となる。しかし、水滴8の温度が低下するため、結果として被冷却体1a、1bの温度は低下する。
【0034】
微小な氷粒子7が被冷却体1a、1bの表面で融けて生じた水滴8は、回転ローラー2a、2bおよびゴム板31a、31bにより薄膜状の水9a、9bとなるため、蒸発し易くなる。ゴム板31a、31bを使用しているため、回転ローラー2a、2bのみの場合よりもさらに蒸発しやすくなる。この時、被冷却体1a、1bの表面から蒸発熱を奪って気化する。
このように、氷粒子の融解潜熱だけでなく、水滴の蒸発熱をも奪うため、被冷却体1a、1bは急速に冷却される。また、被冷却体1a、1bは一方向に高速回転し、内部の液体が対流するため、すぐに温度が均一になる。
【0035】
一方、前記冷却室5内の氷粒子7および前記氷粒子7が融けて生じた水滴8は、冷却室5の底部に設けられた回収口12より回収され、回収通路14を通って再び超音波加湿器3の貯水槽13に戻され、再利用される。
【0036】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0037】
《実施例1》
実施の形態1と同様の図1に示す構成の急速冷却装置を用い、冷却室5内に具備された一対の回転ローラー2a、2b上に、被冷却体として25℃のビールが350ml入った缶ビール1a、1bを設置した。
【0038】
そして、回転ローラー2a、2bの回転方法については、選択手段により反転しないように設定した。超音波加湿器3の運転方法については、選択手段により氷粒子7を間欠的に供給するように設定した。また、タイマーにより作動時間を6分間に設定した。スタートスイッチをONにし、冷却室5内の回転ローラー2a、2b上で回転している缶ビール1a、1bに向かって超音波加湿器3より氷粒子7が間欠的に供給された。この時、冷却室5内の温度は、温度検知手段19により5℃前後に制御した。6分経過後、タイマーにより自動的にスタートスイッチがOFFとなり、回転ローラー2a、2bおよび超音波加湿器3が停止した。この時、急速冷却装置より取り出した缶ビール1a、1bは、10℃以下に急速冷却された。
【0039】
《実施例2》
実施の形態2と同様の図2に示す構成の急速冷却装置を用い、冷却室5内に具備された一対の回転ローラー2a、2b上に、被冷却体として25℃のビールが350ml入った缶ビール1a、1bを設置した。
【0040】
そして、回転ローラー2a、2bの回転方法については、選択手段により反転しないように設定した。超音波加湿器3の運転方法については、選択手段により氷粒子7を間欠的に供給するように設定した。また、タイマーにより作動時間を5分間に設定した。スタートスイッチをONにし、冷却室5内の回転ローラー2a、2b上で回転している缶ビール1a、1bに向かって超音波加湿器3より氷粒子7が間欠的に供給された。この時、冷却室5内の温度は、温度検知手段19により5℃前後に制御した。5分経過後、タイマーにより自動的にスタートスイッチがOFFとなり、回転ローラー2a、2bおよび超音波加湿器3が停止した。この時、急速冷却装置より取り出した缶ビール1a、1bは、10℃以下に急速冷却された。
【0041】
《実施例3》
実施の形態3と同様の図3に示す構成の急速冷却装置を用い、冷却室5内に具備された一対の回転ローラー2a、2b上に、被冷却体として25℃のビールが350ml入った缶ビール1a、1bを設置した。
【0042】
そして、回転ローラー2a、2bの回転方法については、選択手段により反転しないように設定した。超音波加湿器3の運転方法については、選択手段により氷粒子7を間欠的に供給するように設定した。また、タイマーにより作動時間を3分間に設定した。スタートスイッチをONにし、冷却室5内の回転ローラー2a、2b上で回転している缶ビール1a、1bに向かって超音波加湿器3より氷粒子7が間欠的に供給された。この時、冷却室5内の温度は、温度検知手段19により5℃前後に保持した。3分経過後、タイマーにより自動的にスタートスイッチがOFFとなり、回転ローラー2a、2bおよび超音波加湿器3が停止した。この時、急速冷却装置より取り出した缶ビール1a、1bは、10℃以下に急速冷却された。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、高速回転している缶や瓶等の被冷却体の表面に微小な氷粒子を付着させることにより融解潜熱で被冷却体を冷やすと同時に、被冷却体表面で融けて発生した水滴を薄く引き延ばすことにより、蒸発し易くし、蒸発熱を奪うことにより急速冷却する急速冷却装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の好ましい態様の急速冷却装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第二の好ましい態様の急速冷却装置の構成を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第三の好ましい態様の急速冷却装置の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1a、1b 被冷却体
2a、2b 回転ローラー
3 超音波加湿器
4 給水タンク
5 冷却室
6、21 ファン
7 氷粒子
8 水滴
9a、9b 薄膜状の水
10 圧電素子
11 制御回路
12 回収口
13 貯水槽
14 回収通路
15 給水口
17 氷核活性物質を含む水
18 ミスト
19 温度検知手段
22 吹き出し口
31a、31b ゴム板
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶や瓶に含まれる飲料水などを急速に冷却する急速冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
缶や瓶等の飲料水、例えばビールやジュース類は、5〜10℃に冷やして飲むとのど越しもよく美味しく感じる。一般に家庭では、飲む前に予め冷蔵庫に入れて冷やしておくが、冷やし忘れる場合がしばしばある。このような場合、少しでも急速に冷やすために、冷凍室に入れたり、氷水を利用していた。
また、特許文献1では、缶や瓶類等の表面への水粒子の付着と、乾燥冷却空気による水の蒸発とを交互に繰り返すことにより、蒸発潜熱を利用して冷却する方法が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−285423号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば350mlの缶ビールを冷凍室で冷やそうとしても、思ったほど急速には冷えないのが現状であり、冷えたと思った時には、ビールが凍ってしまっている場合があり、飲み頃の5〜10℃の温度に制御するのは難しい。
【0005】
氷水を利用する場合には、5〜10℃の飲み頃温度に制御するのは容易だが多量の水と氷を必要とし、氷を切らしてしまうと冷やすことができなくなる。
更に、特許文献1では、缶や瓶類等の表面への水粒子の付着と乾燥冷却空気による蒸発とを交互に繰り返し行うので、時間を要してしまうという問題があった。また、缶や瓶類等の表面への水粒子の付着量と乾燥量を制御することが難しく、水粒子が十分蒸発する前に、次の水粒子が付着し、缶や瓶等の表面に水の層ができてしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題を解決するため、高速回転している缶や瓶等の被冷却体の表面に微小な氷粒子を付着させることにより融解潜熱で被冷却体を冷やすと同時に、被冷却体表面で融けて発生した水滴を薄く引き延ばすことにより、蒸発し易くし、蒸発熱を奪うことにより急速冷却することができる急速冷却装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の急速冷却装置は、被冷却体を収容して冷却する冷却室、前記冷却室において前記被冷却体を回転させる回転手段、および前記冷却室内に氷粒子を供給する氷粒子供給手段を具備し、回転している前記被冷却体の表面に前記氷粒子を付着させることにより前記被冷却体を急速に冷却させることを特徴とする。
【0008】
前記回転手段が、一対の反転可能で高速回転し得る回転ローラーであることが好ましい。
前記氷粒子供給手段が、超音波加湿器であることが好ましい。
前記超音波加湿器が、氷核活性物質を含んだ水を利用して氷粒子を供給することが好ましい。
【0009】
前記冷却室の底部に設けられ、前記冷却室内の氷粒子および前記氷粒子が融けて生じた水を回収する回収口、ならびに前記回収口より回収した氷粒子または水を前記超音波加湿器へ送るために前記冷却室と前記超音波加湿器とを連通する回収通路を具備することが好ましい。
【0010】
前記被冷却体の表面に付着した氷粒子が融けて生じた水滴を薄く伸ばす手段を具備することが好ましい。
前記冷却室の温度を監視する温度検知手段を具備することが好ましい。
前記回転手段および前記氷粒子供給手段の作動を制御するON/OFF手段を具備することが好ましい。
【0011】
前記回転手段および前記氷粒子供給手段の作動時間を制御するタイマー手段を具備することが好ましい。
前記回転ローラーの回転方向を選択する選択手段を具備することが好ましい。
前記超音波加湿器で生成した氷粒子の供給方法を連続または間欠のいずれかに選択する選択手段を具備することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
本発明の第一の好ましい態様として急速冷却装置の概略断面図を図1に示す。
急速冷却装置は、被冷却体1a、1bを収容して冷却する冷却室5、前記冷却室5において前記被冷却体1a、1bを回転させる一対の反転可能で高速回転し得る回転ローラー2a、2b、冷却室5内に氷粒子7を供給する超音波加湿器3、前記冷却室5底部に設けられ、冷却室5内で氷粒子7および前記氷粒子7が融けて生じた水滴8を回収する回収口12、および前記回収した氷粒子7または水滴8を前記超音波加湿器3へ送るために冷却室5と超音波加湿器3とを連通する回収通路14より構成される。
【0013】
超音波加湿器3は、微量の氷核活性物質を含む水17を供給する給水口15が設けられ、前記給水口15を介して取り付け自在の給水タンク4が接続されている。給水タンク4には、0℃以上の温度に保持された水道水が貯蔵され、前記水には、氷核活性物質としてリポ糖タンパク質ポリアミン複合体のような氷核タンパク質、糖、脂質、およびポリアミンから構成される複合物質が微量添加されている。また、超音波加湿器3には、給水タンク4から所定の水位まで前記水17が流れ込む貯水槽13が備えられている。
【0014】
超音波加湿器3は、冷却室5と隣接しており、上部側面に設けたファン6により直接氷粒子7が冷却室5内の被冷却体1a、1bに向かって送り込まれる構成となっている。
冷却室5には、冷却室5内の温度を所定値に保持するための温度検知手段19が設けられている。
【0015】
また、急速冷却装置には、回転ローラー2a、2bおよび超音波加湿器3の作動を制御するON/OFF手段としてスタートスイッチ、およびその作動時間を制御するタイマーが設けられている(図示せず)。
さらに、回転ローラー2a、2bの回転方向および、超音波加湿器3の運転方法を選択する選択手段が設けられている(図示せず)。
【0016】
回転ローラー2a、2bの回転方向については、被冷却体1a、1bが、例えば、ビール等の炭酸飲料水の場合は、缶の中で泡立つことなく、蓋を開けたときも吹き出すことがないようにするため、反転しない設定とすることが好ましい。また、被冷却体1a、1bが、例えば、炭酸飲料水以外の飲料水の場合は、缶内部における液体の対流が促進されて、冷却速度が更に速くなるように、所定時間経過毎に反転する設定とすることが好ましい。
【0017】
超音波加湿器3の運転方法については、被冷却体1a、1bの温度が30℃を超えるような場合は、連続的に氷粒子7を供給するように設定することが好ましい。また、被冷却体1a、1bの温度が25℃以下の場合は、間欠的に氷粒子7を供給するように設定することが好ましい。
【0018】
急速冷却装置の動作について説明する。
被冷却体1a、1bを冷却室5に設けた一対の回転ローラー2a、2b上にそれぞれ設置する。タイマーにより作動時間を所定値に設定し、選択手段により回転ローラー2a、2bの回転方法および超音波加湿器3の運転方法を所定の条件に設定する。
【0019】
スタートスイッチをONにすると、回転ローラー2a、2bが回転し、被冷却体1a、1bを高速回転させる。
一方、超音波加湿器3では、制御回路11により圧電素子10が2.4MHzで振動し、氷核活性物質を含むミスト18が発生する。−5〜0℃に保持された超音波加湿器3内において、氷核活性物質を含むミスト18は−2℃付近で結晶化し、ファン6付近に到達すると、そのほとんどが微小な氷粒子7となる。
【0020】
そして、温度検知手段19により所定の温度に保持された冷却室5内に、超音波加湿器3の上部側面に設けられたファン6より放出された微小な氷粒子7が、回転している被冷却体1a、1bの表面に付着し、融解潜熱を奪って直ちに水滴8となる。また、水滴8には氷粒子7が付着し易く、水滴8から融解熱を奪って大きな水滴8となる。しかし、水滴8の温度が低下するため、結果として被冷却体1a、1bの温度は低下する。
【0021】
微小な氷粒子7が被冷却体1a、1bの表面で融けて生じた水滴8は、回転ローラー2a、2bにより薄膜状の水9a、9bとなるため、蒸発し易くなる。この時、被冷却体1a、1bの表面から蒸発熱を奪って気化する。
このように、氷粒子の融解潜熱だけでなく、水滴の蒸発熱をも奪うため、被冷却体1a、1bは急速に冷却される。また、被冷却体1a、1bは、一方向に高速回転し、内部の液体が対流するため、すぐに温度が均一になる。
【0022】
一方、前記冷却室5内の氷粒子7および前記氷粒子7が融けて生じた水滴8は、冷却室5の底部に設けられた回収口12より回収され、回収通路14を通って再び超音波加湿器3の貯水槽13に戻され、再利用される。
なお、図1ではファンの位置を超音波加湿器の上部側面に設けたが、冷却室の上部に設ける構成としても構わない。
【0023】
実施の形態2
本発明の第二の好ましい態様として急速冷却装置の概略断面図を図2に示す。急速冷却装置は、超音波加湿器3の上部側面に、冷却室5内に氷粒子7を放出するための吹き出し口22が設けられ、冷却室5底部に、冷却室5内で氷粒子7が融けて生じた水滴8を回収するファン21が設けられている以外は、実施の形態1と同様の構成である。
【0024】
実施の形態1では、氷粒子7を冷却室5内に放出するために、超音波加湿器3の上部側面にファン6が設けられている。しかし、超音波加湿器3内で生成した氷粒子7が、ファン6の羽に当たり、砕けたり付着したりして被冷却体1a、1bに到達しない場合がある。したがって、氷粒子7が被冷却体1a、1bに付着する量を多くするためには、本実施の形態の図2に示すように冷却室5底部にファン21を設けることが好ましい。
【0025】
急速冷却装置の動作について説明する。
被冷却体1a、1bを冷却室5に設けた一対の回転ローラー2a、2b上にそれぞれ設置する。タイマーにより作動時間を所定値に設定し、選択手段により回転ローラー2a、2bの回転方法および超音波加湿器3の運転方法を所定の条件に設定する。
【0026】
スタートスイッチをONにすると、回転ローラー2a、2bが回転し、被冷却体1a、1bを高速回転させる。
一方、超音波加湿器3では、制御回路11により圧電素子10が2.4MHzで振動し、氷核活性物質を含むミスト18が発生する。−5〜0℃に保持された超音波加湿器3内において、氷核活性物質を含むミスト18は−2℃付近で結晶化し、吹き出し口22付近に到達すると、そのほとんどが微小な氷粒子7となる。
【0027】
そして、温度検知手段19により所定の温度に保持された冷却室5内に、超音波加湿器3の上部側面に設けた吹き出し口22より放出された微小な氷粒子7が、回転している被冷却体1a、1bの表面に付着し、融解潜熱を奪って直ちに水滴8となる。また、水滴8には氷粒子7が付着し易く、水滴8から融解熱を奪って大きな水滴8となる。しかし、水滴8の温度が低下するため、結果として被冷却体1a、1bの温度は低下する。
【0028】
微小な氷粒子7が被冷却体1a、1bの表面で融けて生じた水滴8は、回転ローラー2a、2bにより薄膜状の水9a、9bとなるため、蒸発し易くなる。この時、被冷却体1a、1bの表面から蒸発熱を奪って気化する。
このように、氷粒子の融解潜熱だけでなく、水滴の蒸発熱をも奪うため、被冷却体1a、1bは急速に冷却される。また、被冷却体1a、1bは、一方向に高速回転し、内部の液体が対流するため、すぐに温度が均一になる。
【0029】
一方、前記冷却室5内の氷粒子7および前記氷粒子7が融けて生じた水滴8は、冷却室5の底部に設けられたファン21を経て回収され、回収通路14を通って再び超音波加湿器3の貯水槽13に戻され、再利用される。
【0030】
実施の形態3
本発明の第三の好ましい態様として急速冷却装置の概略断面図を図3に示す。
急速冷却装置は、さらに被冷却体1a、1bの表面に付着した氷粒子7が融けて生じた水滴8を薄く延ばす手段として、冷却室5内に、少なくとも一部が被冷却体1a、1bの表面に接するゴム板31a、31bを設けた以外は、実施の形態1と同様の構成である。
ゴム板31a、31bにより、被冷却体1a、1b表面の水を除去しながら、水滴8をのばして薄膜状の水9a、9bにするため、さらに蒸発しやすくなる。
【0031】
急速冷却装置の動作について説明する。
被冷却体1a、1bを冷却室5に設けた一対の回転ローラー2a、2b上にそれぞれ設置する。タイマーにより作動時間を所定値に設定し、選択手段により回転ローラー2a、2bの回転方法および超音波加湿器3の運転方法を所定の条件に設定する。
【0032】
スタートスイッチをONにすると、回転ローラー2a、2bが回転し、被冷却体1a、1bを高速回転させる。
一方、超音波加湿器3では、制御回路11により圧電素子10が2.4MHzで振動し、氷核活性物質を含むミスト18が発生する。−5〜0℃に保持された超音波加湿器3内において、氷核活性物質を含むミスト18は−2℃付近で結晶化し、ファン6付近に到達すると、そのほとんどが微小な氷粒子7となる。
【0033】
そして、温度検知手段19により所定の温度に保持された冷却室5内に、超音波加湿器3の上部側面に設けられたファン6より放出された微小な氷粒子7が、回転している被冷却体1a、1bの表面に付着し、融解潜熱を奪って直ちに水滴8となる。また、水滴8には氷粒子7が付着し易く、水滴8から融解熱を奪って大きな水滴8となる。しかし、水滴8の温度が低下するため、結果として被冷却体1a、1bの温度は低下する。
【0034】
微小な氷粒子7が被冷却体1a、1bの表面で融けて生じた水滴8は、回転ローラー2a、2bおよびゴム板31a、31bにより薄膜状の水9a、9bとなるため、蒸発し易くなる。ゴム板31a、31bを使用しているため、回転ローラー2a、2bのみの場合よりもさらに蒸発しやすくなる。この時、被冷却体1a、1bの表面から蒸発熱を奪って気化する。
このように、氷粒子の融解潜熱だけでなく、水滴の蒸発熱をも奪うため、被冷却体1a、1bは急速に冷却される。また、被冷却体1a、1bは一方向に高速回転し、内部の液体が対流するため、すぐに温度が均一になる。
【0035】
一方、前記冷却室5内の氷粒子7および前記氷粒子7が融けて生じた水滴8は、冷却室5の底部に設けられた回収口12より回収され、回収通路14を通って再び超音波加湿器3の貯水槽13に戻され、再利用される。
【0036】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0037】
《実施例1》
実施の形態1と同様の図1に示す構成の急速冷却装置を用い、冷却室5内に具備された一対の回転ローラー2a、2b上に、被冷却体として25℃のビールが350ml入った缶ビール1a、1bを設置した。
【0038】
そして、回転ローラー2a、2bの回転方法については、選択手段により反転しないように設定した。超音波加湿器3の運転方法については、選択手段により氷粒子7を間欠的に供給するように設定した。また、タイマーにより作動時間を6分間に設定した。スタートスイッチをONにし、冷却室5内の回転ローラー2a、2b上で回転している缶ビール1a、1bに向かって超音波加湿器3より氷粒子7が間欠的に供給された。この時、冷却室5内の温度は、温度検知手段19により5℃前後に制御した。6分経過後、タイマーにより自動的にスタートスイッチがOFFとなり、回転ローラー2a、2bおよび超音波加湿器3が停止した。この時、急速冷却装置より取り出した缶ビール1a、1bは、10℃以下に急速冷却された。
【0039】
《実施例2》
実施の形態2と同様の図2に示す構成の急速冷却装置を用い、冷却室5内に具備された一対の回転ローラー2a、2b上に、被冷却体として25℃のビールが350ml入った缶ビール1a、1bを設置した。
【0040】
そして、回転ローラー2a、2bの回転方法については、選択手段により反転しないように設定した。超音波加湿器3の運転方法については、選択手段により氷粒子7を間欠的に供給するように設定した。また、タイマーにより作動時間を5分間に設定した。スタートスイッチをONにし、冷却室5内の回転ローラー2a、2b上で回転している缶ビール1a、1bに向かって超音波加湿器3より氷粒子7が間欠的に供給された。この時、冷却室5内の温度は、温度検知手段19により5℃前後に制御した。5分経過後、タイマーにより自動的にスタートスイッチがOFFとなり、回転ローラー2a、2bおよび超音波加湿器3が停止した。この時、急速冷却装置より取り出した缶ビール1a、1bは、10℃以下に急速冷却された。
【0041】
《実施例3》
実施の形態3と同様の図3に示す構成の急速冷却装置を用い、冷却室5内に具備された一対の回転ローラー2a、2b上に、被冷却体として25℃のビールが350ml入った缶ビール1a、1bを設置した。
【0042】
そして、回転ローラー2a、2bの回転方法については、選択手段により反転しないように設定した。超音波加湿器3の運転方法については、選択手段により氷粒子7を間欠的に供給するように設定した。また、タイマーにより作動時間を3分間に設定した。スタートスイッチをONにし、冷却室5内の回転ローラー2a、2b上で回転している缶ビール1a、1bに向かって超音波加湿器3より氷粒子7が間欠的に供給された。この時、冷却室5内の温度は、温度検知手段19により5℃前後に保持した。3分経過後、タイマーにより自動的にスタートスイッチがOFFとなり、回転ローラー2a、2bおよび超音波加湿器3が停止した。この時、急速冷却装置より取り出した缶ビール1a、1bは、10℃以下に急速冷却された。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、高速回転している缶や瓶等の被冷却体の表面に微小な氷粒子を付着させることにより融解潜熱で被冷却体を冷やすと同時に、被冷却体表面で融けて発生した水滴を薄く引き延ばすことにより、蒸発し易くし、蒸発熱を奪うことにより急速冷却する急速冷却装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の好ましい態様の急速冷却装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第二の好ましい態様の急速冷却装置の構成を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第三の好ましい態様の急速冷却装置の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1a、1b 被冷却体
2a、2b 回転ローラー
3 超音波加湿器
4 給水タンク
5 冷却室
6、21 ファン
7 氷粒子
8 水滴
9a、9b 薄膜状の水
10 圧電素子
11 制御回路
12 回収口
13 貯水槽
14 回収通路
15 給水口
17 氷核活性物質を含む水
18 ミスト
19 温度検知手段
22 吹き出し口
31a、31b ゴム板
Claims (11)
- 被冷却体を収容して冷却する冷却室、前記冷却室において前記被冷却体を回転させる回転手段、および前記冷却室内に氷粒子を供給する氷粒子供給手段を具備し、回転している前記被冷却体の表面に前記氷粒子を付着させることにより前記被冷却体を急速に冷却させることを特徴とする急速冷却装置。
- 前記回転手段が、一対の反転可能で高速回転し得る回転ローラーであることを特徴とする請求項1記載の急速冷却装置。
- 前記氷粒子供給手段が、超音波加湿器であることを特徴とする請求項1または2記載の急速冷却装置。
- 前記超音波加湿器が、氷核活性物質を含んだ水を利用して氷粒子を供給することを特徴とする請求項3記載の急速冷却装置。
- 前記冷却室の底部に設けられ、前記冷却室内の氷粒子および前記氷粒子が融けて生じた水を回収する回収口、ならびに前記回収口より回収した氷粒子または水を前記超音波加湿器へ送るために前記冷却室と前記超音波加湿器とを連通する回収通路を具備することを特徴とする請求項3記載の急速冷却装置。
- 前記被冷却体の表面に付着した氷粒子が融けて生じた水滴を薄く伸ばす手段を具備することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の急速冷却装置。
- 前記冷却室の温度を監視する温度検知手段を具備することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の急速冷却装置。
- 前記回転手段および前記氷粒子供給手段の作動を制御するON/OFF手段を具備することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の急速冷却装置。
- 前記回転手段および前記氷粒子供給手段の作動時間を制御するタイマー手段を具備することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の急速冷却装置。
- 前記回転ローラーの回転方向を選択する選択手段を具備することを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の急速冷却装置。
- 前記超音波加湿器で生成した氷粒子の供給方法を連続または間欠のいずれかに選択する選択手段を具備することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の急速冷却装置。
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- 2002-11-26 JP JP2002342692A patent/JP2004176977A/ja not_active Withdrawn
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