JP5098082B2 - 回転型電磁発電機 - Google Patents
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Description
このような状況の下、必要なときに必要な量だけ発電した電気エネルギーを電子機器に供給可能な手動発電機や、通常無意識に消費されているエネルギーを電気エネルギーに変換して、充電する充電器が検討されている。
このような手動発電機や充電器によって得られる電気エネルギーは、携帯電子機器などの電源として利用することが可能となる。
そして、多数のコア無しコイルを、回転軸に固定された円盤状の基盤の外周に沿って配置している。そして、回転軸の回転と共に、コア無しコイルが、上下に対向する永久磁石の間を通過していく。
このように電磁発電機を構成したことにより、図23に模式的断面図を示すように、一方の永久磁石101のN極から発生した磁束104は、その大部分がコア無しコイル103の芯部を貫いて他方の永久磁石102のS極へ向って流れ込むため、十分な発電能力を発揮することができるというものである。
しかしながら、上記特許文献1に記載の永久磁石発電機の構成では、コア無しコイル103が回転軸に固定された円盤状の基盤に固定されており、回転軸と連動してコア無しコイル103が回転運動する構成となっているため、導電ブラシ等の部材を用いる必要性が生じ、取り出し線等の構成が煩雑になることが予想される。
ところが、永久磁石101,102の配置個数が多いことによって起こり得る高さ寸法のバラつき、回転運動によって生じ得るコア無しコイル103の回転ブレ等によっても、永久磁石101,102とコア無しコイル103とが衝突することを回避するためには、永久磁石101,102とコア無しコイル103との間隔について、安全寸法の確保が必須である。そのため、製造工程及び条件管理が煩雑になる。加えて、隣り合う磁石同士が接近することによって、磁束の流れに乱れが生じ、発電効率の劣化に起因する磁気損失の発生もまた問題となる。
この垂直磁束を回転磁石ホルダ及び複数の永久磁石の周囲に配置された発電コイルに通過させることによって、発電コイルにおいて充分な発電量を得ることが可能になる。
これにより、比較的少ない個数の永久磁石で充分な発電量を得ることが可能になり、永久磁石の個数を少なくして軽量化を図ることができる。また、同じ回転数において効率を向上させることが可能になる。
さらに、磁石相互間の磁束の乱れが発生し難い構造であるため、優れた発電効率を得ることができる。
回転磁石ホルダ4は、回転継手3を介して、回転軸2に接続されている。
4個の永久磁石11,12,13,14は、それぞれ円弧形状を有する棒状であり、長手方向に分極(着磁)され、かつ隣り合う2個の永久磁石において、互いに同じ磁極(N極、S極)が対向するように配置されている。
4個の発電コイル21,22,23,24は、コイルの巻軸方向Wが、回転軸2に対して垂直であり、かつ隣の発電コイルの巻軸方向Wと垂直になるように、配置されている。
そして、例えば、回転軸2が金属製であって、回転磁石ホルダ4が樹脂製である等の形態のときには、例えば、回転継手3の内外周部を歯車状に形成し、これに対応して回転軸2及び回転磁石ホルダ4において、回転継手3と結合する部位もまた歯車状にしておくことで、空回りを抑制することが可能となる。
回転継手3の材質は、樹脂や金属材料に限定されない。
なお、回転継手を設けないで、回転軸2と回転磁石ホルダ4とを一体的に形成することも可能である。
好適に用いられる磁石としては、例えば、ネオジム、鉄、ホウ素を主成分とする希土類磁石であるネオジム磁石等が挙げられる。
なお、前述したように、回転磁石ホルダ4を回転軸2と一体的に形成した構造を採用してもよい。
回転磁石ホルダ4の材質は、非磁性であれば特に限定されないが、成形や加工のしやすさ、重量等を考慮すると、樹脂材料(熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂)が好適である。そして、金型成形によって所望の形状の回転磁石ホルダ4を製造する。
回転磁石ホルダ4は、円形状の非磁性部材で構成されており、永久磁石11,12,13,14を装着するための永久磁石収納部(孔又は凹部)5を有している。
図3Bに示す断面図は、永久磁石収納部5を回転磁石ホルダ4の上下に貫通する孔とした場合を示している。この場合、永久磁石収納部5の孔から磁石が落ちないように、磁石を永久磁石収納部5の壁面に接着する。
図3Cに示す断面図は、永久磁石収納部5を有底の凹部とした場合を示している。この場合、回転磁石ホルダ4の厚さが永久磁石の厚さより少し厚くなるが、永久磁石の組み込みの容易性や保持固定に係る信頼性を高くすることができる。
この図4に示す構成の回転磁石ホルダ4を製造するには、例えば、回転磁石ホルダ4用の金型の内部に、ピン等を用いて永久磁石11,13を浮かして配置しておいて、その状態で樹脂を充填すればよい。なお、この製造プロセスを採用する際には、低温/常温硬化型樹脂を用いて、低温/常温環境にて樹脂を充填することが望ましいと言える。これは、高温負荷を永久磁石に加えることによって磁気特性が劣化してしまうことを避けるためである。
この発電コイル21,22,23,24は、不動状態で設置されている。例えば、一般的なモータの構成部品として用いられているステータ等の構造を応用すれば、容易に設置が可能である。
これら発電コイル21,22,23,24として、具体的には、Cu等の導電線の周囲に絶縁性皮膜が形成され、そのさらに外周面に、加熱環境への暴露や有機溶剤の噴霧によって溶融固着する融着層が形成された、自己融着線を、空芯巻回して溶着固化した構成が、好適に用いられる。
また、これら4個の発電コイル21,22,23,24は、出力電圧の位相に合わせて直列で接続されていても、並列で接続されていても、個々に独立した回路としていてもよい。そして、発電コイルの接続のしかたによって、種々多様の発電用途に対応させることが可能である。
単体の永久磁石の場合、N極から発せられS極に帰還する磁束は、永久磁石の側方の狭い範囲となっている。
隣り合う永久磁石の同じ磁極同士を対向させることによって、それぞれのN極から発生する磁力線が押し合うように作用し、図6Bに示すように、垂直磁束が形成される。このとき、垂直磁束には、それぞれの永久磁石のN極から発せられる磁束と、S極に帰還する磁束とが相当すると定義する。
そして、垂直磁束が形成されるため、図6Aに示した比較例と比べて、磁界伝播領域が広くなり、永久磁石からある程度離れた位置においても、磁束密度を高い状態に保つことができる。
これにより、発電コイルの芯部を通過する磁束が多くなり、発電特性が良好になるという効果を奏する。
従って、垂直磁束の磁束密度をさらに向上させる手段として、互いに同極対向させた永久磁石の間に、ヨーク等に代表される磁性金属部材を配置するようにしてもよい。このように構成することで、発電コイルの芯部を通過する磁束の密度も向上することから、より大きな発電特性を得ることが可能となる。
そして、この図7を参照して、本発明の回転型電磁発電機の発電原理を説明する。
このとき、回転磁石ホルダ4が図示しない駆動源によって回転すると、複数の永久磁石11,12,13,14のN極同士が対向している部位から発せられた第1の垂直磁束が発電コイル、図6に示す状態では左下の発電コイル21及び右上の発電コイル23の、芯部を通過する。
その後、さらに回転磁石ホルダ4が回転すると、第1の垂直磁束とは逆向きとなる第2の垂直磁束が、同じ発電コイルの芯部を通過することとなる。
つまり、回転磁石ホルダ4の回転運動が続く限り、異なる方向の磁束が発電コイル21,22,23,24の芯部を交互に通過することとなる。その結果、発電コイル21,22,23,24に、誘導電流が生じる。
これが、本発明に係る回転型電磁発電機の基本的な発電原理である。
ここで、この上下方向の垂直磁束を説明するために、円弧状の永久磁石11,12,13,14の中心軸を通り、回転軸2に平行な、円筒面における断面図を、図8に示す。
図8に示すように、各永久磁石11,12,13,14のN極から発生した垂直磁束、及びS極へ帰還する垂直磁束の、主として2種の垂直磁束が、それぞれ回転磁石ホルダ4の回転方向Rに対して略垂直であり、かつ上下方向Vに生じている。
この図8に示す上下方向においても、垂直磁束を生じるので、図6Bで説明したように、永久磁石11,12,13,14からある程度離れた位置においても、磁束密度を高い状態に保つことができる。
そして、図1に示した回転型電磁発電機1においては、この上下方向の垂直磁束を利用していないが、上下方向の垂直磁束を利用するように、発電コイルの位置や形状を変えることも可能である。
ただし、この安全寸法を過度に取りすぎると、垂直磁束が効率的に発電コイルの芯部を通過しなくなる。
好ましくは、事前に磁場解析シミュレーションを行って、永久磁石11,12,13,14から発せられる又は帰還する垂直磁束の距離dを把握しておいて、この距離d以内に発電コイル21,22,23,24があるように、回転磁石ホルダ4と発電コイルとの距離D(図5A参照)を選定して、発電コイル21,22,23,24を配置すればよい。
これによって、回転型電磁発電機1の設計に係る容易性もまた向上する。
即ち、回転磁石ホルダ4と発電コイル21,22,23,24との配置寸法条件は、一定の値には限定されず、適宜変更することが可能である。
そして、回転磁石ホルダ4の周囲に、巻軸方向Wが回転磁石ホルダ4の回転方向Rに垂直な方向となるように、発電コイル21,22,23,24を設けている。
これにより、同じ磁極同士が対向した4個の永久磁石11,12,13,14から垂直磁界を発生させて、発電コイル21,22,23,24の芯部を通過させることができ、これら発電コイル21,22,23,24において、充分な発電量が得られる。
従って、前記特許文献1に提案されていた構成と比較して、大幅に少ない個数の永久磁石11,12,13,14で充分な発電量を得ることが可能になり、永久磁石の個数を少なくして軽量化を図ることができる。また、同じ回転数において効率を向上させることが可能になる。
また、軽量化を図ることが可能になると共に、発電コイルは空芯構造であることから、いわゆるコギングトルクの発生を抑制することができ、その結果、小さな回転トルクで効率良く発電を行うことができることから、特に手動による発電に好適であるといえる。
しかしながら、永久磁石による垂直磁界が発電コイルの芯部を通過すれば、発電効果が得られることから、発電コイルの巻軸方向が、回転磁石ホルダ及び永久磁石の回転方向に対して、完全に垂直である必要はなく、ある程度の角度許容が認められる。
少なくとも1個以上発電コイルを設ければ、発電が可能である。
ここで、永久磁石11,12,13,14を直線の棒状とした形態の平面図を図9Aに示し、永久磁石11,12,13,14を「くの字」状とした形態の平面図を図9Bに示す。これらの図においては、発電コイルの図示は省略している。
これら図9A及び図9Bに示す各形態においても、永久磁石11,12,13,14から垂直磁束を発生させて、回転磁石ホルダ4の周囲に設けた発電コイルを通過させることができる。
図10A及び図10Bに示す回転型電磁発電機は、基本的には、図1に示した第1の実施の形態の構成と同様であるが、発電コイル21,22,23,24が回転磁石ホルダ4の外周形状に沿って湾曲しているという点で異なる。
この構成は、例えば、発電コイル21,22,23,24の巻数を増やす等、発電コイルの径が大きくなるような場合に、図1に示した形態と比較して、回転型電磁発電機の床面積を小型化できるという点で優れている。
図11A及び図11Bに示す回転型電磁発電機もまた、図1に示した標準型の第1の実施の形態の構成と同様であるが、発電コイル21,22,23,24が回転磁石ホルダ4に対して上方向(回転軸2方向)に配置されているという点で異なる。
この構成では、4個の永久磁石11,12,13,14から発せられる垂直磁束が、回転軸2を中心として放射状に生じていることのみならず、図11Aの紙面に垂直な方向(手前側、裏側)にも発生していることから(図8参照)、このような発電コイル21,22,23,24の配置を採用することが可能となる。
従って、図11A及び図11Bの構成をさらに変形して、発電コイル21,22,23,23を回転磁石ホルダ4の下側に配置してもよいし、上側及び下側の双方に配置してもよい。
この構成とすることにより、図1に示した実施の形態や第1の変形例のように、回転磁石ホルダ4の外周よりもさらに外側へ発電コイル21,22,23,24を配置した構成と比較して、床面積をより低減することが可能であるため、小型の回転型電磁発電機を得ることができる。
図12A及び図12Bに示す回転型電磁発電機は、回転磁石ホルダ4の構成は図1に示した実施の形態や第1及び第2の変形例と同様であるが、発電コイル21,22,23,24が回転磁石ホルダ4に設置された永久磁石11,12,13,14を3方向、即ち上方向・横方向・下方向から取り囲むように「コの字」状に形成されている。
上述した通り、4個の永久磁石11,12,13,14から発せられる垂直磁束は、回転軸2を中心として放射状に生じていることのみならず、図12Aの紙面に垂直な方向(手前側、裏側)にも発生している(図8参照)。そのため、この第3の変形例の発電コイルの形態を採用することによって、発電コイルの芯部に垂直磁束をより多量に通過させることができるようになり、第1及び第2の変形例の構成と比較して、発電効率の増大が期待できる。
なお、発電コイルの形態は「コの字」状に限定されず、回転型電磁発電機の設置条件や寸法条件によって、上下のうち一方に延ばしたL字状にしてもよいし、逆に断面を丸くしたC字状としてもよい。
これは、回転軸2及び回転継手3を磁性材にすると、回転軸2の方向に強磁場が偏ってしまい、発電コイル21,22,23,24の芯部を通過する磁束の量が減ってしまうためである。
図13A及び図13Bに示す回転型電磁発電機は、回転磁石ホルダ4の外周部と回転軸との間の中央部に凹部4Aを形成して、この凹部4Aの空間内に4個の発電コイル25,26,27,28が配置されている。
一般的に、永久磁石が発する磁界においては、磁路長が短くなる方の磁束密度が高くなることから、図6に示した内周磁束は外周磁束よりも磁束密度が高くなる。
そこで、この第4の変形例では、回転軸2側に形成される垂直磁束が発電コイル25,26,27,28の芯部を通過するように構成することで、より大きな発電効果を得ることを可能にする。
このように構成することにより、回転型電磁発電機の外側に生じる磁界を低減して外乱磁界を低減することが可能となるため、磁気シールド部材等を用いなくとも、外部機器に対する磁気ノイズの影響を小さくすることが可能であると共に、簡易的な構成で発電コイルの芯部を通過する垂直磁束を増大させることができるため、望ましい形態であるといえる。
そこで、発電コイルの芯部により多くの磁束を通過させ、回転型電磁発電機の発電効果を高めるための構成として、発電コイルの芯部に磁性部材(ヨーク等)を配置することが考えられる。
この場合の回転型電磁発電機の実施の形態を、次に示す。
この第2の実施の形態では、図1や図10に示した第1の実施の形態の4個の発電コイル21,22,23,24に対して、その芯部に磁束を通過させるための磁性部材(ヨーク等)20を配置している。
また、図14A及び図14Bに示す回転型電磁発電機は、発電コイル21,22,23,24が回転磁石ホルダ4の外周形状に沿って湾曲していると共に、回転磁石ホルダ4の周囲を囲った磁性部材(ヨーク等)20の部分も、回転磁石ホルダ4の外周形状に沿った円形状としている。
この磁性部材20は、発電コイル21,22,23,24の芯部内を貫通して突出した部分と、2つの発電コイルの間を接続するように、回転磁石ホルダ4の周囲を囲った部分とを有している。
その他の構成は、図1や図10に示した第1の実施の形態と同様であるので、重複説明を省略する。
従って、前記特許文献1に提案されていた構成と比較して、大幅に少ない個数の永久磁石11,12,13,14で充分な発電量を得ることが可能になり、永久磁石の個数を少なくして軽量化を図ることができる。また、同じ回転数において効率を向上させることが可能になる。
これにより、第1の実施の形態の構成と比較して、発電コイル21,22,23,24の芯部に、より多くの磁束を通過させて、発電効率を高めることが可能になる。
このことから、この第2の実施の形態の構成は、手動による発電用途よりも、回転運動をしている動力源/駆動源に回転型電磁発電機の回転軸2を結合することによって発電を行う、といった用途に好適である。
少なくとも発電コイルの芯部に、磁性部材20を配置すれば、上述の第2の実施の形態と同様の効果が得られる。
図15A及び図15Bに示す回転型電磁発電機もまた、図14A及び図14Bに示した第2の実施の形態の構成と同様であるが、発電コイル21,22,23,24が回転磁石ホルダ4に対して上方向(回転軸2方向)に配置されていると共に、磁性部材(ヨーク等)20も回転磁石ホルダ4に対して上方向に配置されているという点で異なる。
磁性部材20は、発電コイル21,22,23,24の芯部を貫通する下方(回転磁石ホルダ4及び永久磁石11,12,13,14側)突出した部分と、発電コイルの間を接続し、発電コイルの上に板状に延びる部分とを有している。
この構成では、4個の永久磁石11,12,13,14から発せられる垂直磁束が、図8に示したように、上下方向にも発生していることを利用している。
なお、図15A及び図15Bの構成をさらに変形して、発電コイル21,22,23,23及び磁性部材20を回転磁石ホルダ4の下側に配置してもよいし、上側及び下側の双方に配置してもよい。
この構成とすることにより、図14A及び図14Bに示した実施の形態のように、回転磁石ホルダ4の外周よりもさらに外側へ発電コイル21,22,23,24を配置した構成と比較して、床面積をより低減することが可能であるため、小型の回転型電磁発電機を得ることができる。
図16A・図16B・図17に示す回転型電磁発電機は、回転磁石ホルダ4の構成は図14A及び図14Bに示した実施の形態や第5の変形例と同様であるが、発電コイル21,22,23,24が回転磁石ホルダ4に設置された永久磁石11,12,13,14を3方向、即ち上方向・横方向・下方向から取り囲むように「コの字」状に形成されている。
また、磁性部材(ヨーク等)20は、発電コイルの芯部内を貫通して突出した部分と、発電コイルの間を接続して回転磁石ホルダ4の上側・外側・下側を包むように囲う部分とを有している。
この構成では、4個の永久磁石11,12,13,14から発せられる垂直磁束が、図8に示したように、上下方向にも発生していることを利用している。この第6の変形例の発電コイルの形態を採用することによって、発電コイルの芯部に垂直磁束をより多量に通過させることができるようになり、第5の変形例の構成と比較して、発電効率の増大が期待できる。
なお、発電コイルの形態は「コの字」状に限定されず、回転型電磁発電機の設置条件や寸法条件によって、上下のうち一方に延ばしたL字状にしてもよいし、逆に断面を丸くしたC字状としてもよい。
これに対して、発電コイルの巻軸方向を回転磁石ホルダの回転方向に平行な方向とすることも可能である。その場合の回転型電磁発電機の実施の形態を次に示す。
この第3の実施の形態では、4個の発電コイル31,32,33,34の巻軸方向が、回転磁石ホルダ4の回転方向Rと平行な方向となるように形成されており、かつこれら4個の発電コイル31,32,33,34の芯部内には磁性部材(ヨーク等)30が配置されている。
発電コイル31,32,33,34は、巻軸方向が回転磁石ホルダ4の回転方向Rと平行な方向であり、全体として円弧形状を有する筒状に形成されている。
磁性部材30は、発電コイル31,32,33,34の芯部内を貫通する部分と、発電コイル31,32,33,34の外にあって回転軸2側(内側)に突出した部分とを有している。
そして、4個の発電コイル31,32,33,34の各磁性部材30をつなぎ合わせてリング状に一体化して、回転磁石ホルダ4の外周の周囲に配置している。
その他の構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様であるので、重複説明を省略する。
そこで、この第3の実施の形態では、さらに、発電コイル31,32,33,34の芯部に磁性部材30を設けている。
これにより、この磁性部材30を通じて、永久磁石11,12,13,14からの磁束を発電コイル31,32,33,34に通すことができる。
そして、発電コイル31,32,33,34の芯部内を貫通させた磁性部材30を通じて磁気回路が形成され、磁性部材30が永久磁石11,12,13,14による磁束を吸い取る作用効果を有している。
これにより、発電コイル31,32,33,34に、多くの磁束を通過させて、発電効率を高めることが可能になる。
なお、図21Aでは、発電コイル31,32,33,34及び磁性部材(ヨーク等)30に隠れて見えないが、その下方の回転磁石ホルダ4には、図18〜図20に示した第3の実施の形態と同様に、永久磁石11,12,13,14が配置されている。
図21A及び図21Bに示す回転型電磁発電機は、図18〜図20に示した第3の実施の形態の構成と同様であるが、発電コイル31,32,33,34が回転磁石ホルダ4に対して上方向(回転軸2方向)に配置されていると共に、磁性部材(ヨーク等)30も回転磁石ホルダ4に対して上方向に配置されているという点で異なる。
磁性部材30は、発電コイル31,32,33,34の芯部を貫通する部分と、発電コイルの間を接続すると共に下方(回転磁石ホルダ4及び永久磁石11,12,13,14側)に突出した部分とを有している。
なお、図21A及び図21Bの構成をさらに変形して、発電コイル31,32,33,33及び磁性部材30を回転磁石ホルダ4の下側に配置してもよいし、上側及び下側の双方に配置してもよい。
この構成とすることにより、図18〜図20に示した実施の形態のように、回転磁石ホルダ4の外周よりもさらに外側へ発電コイル31,32,33,34及び磁性部材30を配置した構成と比較して、床面積をより低減することが可能であるため、小型の回転型電磁発電機を得ることができる。
ここで、本発明の回転型電磁発電機を用いた発電システムの一例として、図1に示した回転型電磁発電機1を用いて構成した発電システムの構成例の回路図を、図22に示す。
このとき、図1の4個の発電コイル21,22,23,24は、正巻き・逆巻き・正巻き・逆巻きの順に巻回され、それぞれが直列接続された2端子構成とされている。
図22に示す発電システムの回路図において、回転型電磁発電機1の2つの端子は、整流回路41に接続されている。この整流回路41の出力は、蓄電手段としての充電コンデンサ42に接続されている。
回転駆動された回転型電磁発電機1から発生した電荷は、整流回路41によって整流され、充電コンデンサ42に蓄えられる。そして、充電コンデンサ42に蓄えられた電力が、スイッチ43を介して負荷44に供給されるように構成されている。
本発明においては、隣り合う永久磁石の同じ磁極同士を対向させるので、永久磁石の個数は偶数である必要がある。従って、永久磁石を2個以上の偶数個設ければよい。
例えば、大きい発電機を構成する場合には、永久磁石及び発電コイルを多く設けた方が、発電量を大きくすることができる。
例えば、小さい発電機を構成する場合には、永久磁石や発電コイルの大きさが小さくなり過ぎないように、永久磁石や発電コイルの個数を少なく設定した方が良い。永久磁石や発電コイルが小さ過ぎると、磁石の保磁力や発電コイルの発電量が充分に得られなくなることがある。
回転電磁発電機の用途に応じて、発電コイルの接続方法を選定する。
直列に接続した場合には、n個の発電コイルにより得られる電圧がn倍になる。
並列に接続した場合には、n個の発電コイルで全体の抵抗が1/nとなるので、電流(パワー)が大きく取れる。
Claims (3)
- 少なくとも、
回転軸と、
前記回転軸と結合し、回転可能に構成された回転磁石ホルダと、
磁極が同極対向した状態で、前記回転磁石ホルダに配置された複数の永久磁石と、
前記回転磁石ホルダ及び複数の前記永久磁石の周囲に配置された発電コイルとを備え、
少なくとも前記発電コイルの芯部内に、磁性体からなる芯部材が配置され、
前記発電コイルの巻軸の弧度を持つ軸線方向が、前記回転磁石ホルダ及び複数の前記永久磁石の回転方向に対して平行となるように配置されている
ことを特徴とする回転型電磁発電機。 - 請求項1に記載の回転型電磁発電機において、
前記発電コイルが複数個あり、この複数個の発電コイルが全体として円弧形状を有する筒状に形成されている
ことを特徴とする回転型電磁発電機。 - 請求項1又は請求項2に記載の回転型電磁発電機において、
前記発電コイルの外側に、突出した凸部が設けられている
ことを特徴とする回転型電磁発電機。
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