JP5176225B2 - 回転型電磁発電機 - Google Patents

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Description

本発明は、複数個の磁石を同じ磁極が対向するように配置して、その周囲に発電コイルを配置することによって、発電効率を高めた回転型電磁発電機に係わる。
近年、携帯電話端末やゲーム機等の携帯電子機器の普及が進み、これらに内蔵されている2次電池の量がますます多くなってきている。
一方、地球環境の維持改善のため、できるだけ環境負荷を少なくした電池の研究開発も活発に行われている。
このような状況の下、必要なときに必要な量だけ発電した電気エネルギーを電子機器に供給可能な手動発電機や、通常無意識に消費されているエネルギーを電気エネルギーに変換して、充電する充電器が検討されている。
このような手動発電機や充電器によって得られる電気エネルギーは、携帯電子機器などの電源として利用することが可能となる。
そして、複数の永久磁石と複数のコイルとから構成された電磁発電機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
提案されている電磁発電機の構成では、コア無しコイルと、このコア無しコイルを挟み込むようにN極とS極とを対向させた、複数の永久磁石とを備えている。
そして、多数のコア無しコイルを、回転軸に固定された円盤状の基盤の外周に沿って配置している。そして、回転軸の回転と共に、コア無しコイルが、上下に対向する永久磁石の間を通過していく。
このように電磁発電機を構成したことにより、図14に模式的断面図を示すように、一方の永久磁石101のN極から発生した磁束104は、その大部分がコア無しコイル103の芯部を貫いて他方の永久磁石102のS極へ向って流れ込むため、十分な発電能力を発揮することができるというものである。
特開2002−320364号公報(特に、図1、図2等)
しかしながら、上記特許文献1に記載の永久磁石発電機は、磁束の流れを規制すべく、単体の永久磁石発電機の構成として、コア無しコイル103を挟み込むように上下にそれぞれ永久磁石101,102を配置していることから、用いる磁石の数量、及びその重量が増大するという問題を有している。
また、コア無しコイル103には、取り出し線を必要とするために、コア無しコイル103が不動/固定状態であることが望ましい。
しかしながら、上記特許文献1に記載の電磁発電機の構成では、コア無しコイル103が回転軸に固定された円盤状の基盤に固定されており、回転軸と連動してコア無しコイル103が回転運動する構成となっているため、導電ブラシ等の部材を用いる必要性が生じ、取り出し線等の構成が煩雑になることが予想される。
一方、コア無しコイル103を固定して、永久磁石101,102を回転軸と連動させることも考えられるが、上述したように磁石の重量が増大することによって、回転軸にかかる重量が大きく、発電特性に悪影響を及ぼす、という不具合が生じてしまう。
また、高効率発電を実現するために、永久磁石101から発生する磁束が、確実にコア無しコイル103の芯部を貫くようにするためには、コア無しコイル103を挟み込んだ状態で向かい合う磁石101,102の間隔を近づける必要がある。
ところが、永久磁石101,102の配置個数が多いことによって起こり得る高さ寸法のバラつき、回転運動によって生じ得るコア無しコイル103の回転ブレ等によっても、永久磁石101,102とコア無しコイル103とが衝突することを回避するためには、永久磁石101,102とコア無しコイル103との間隔について、安全寸法の確保が必須である。そのため、製造工程及び条件管理が煩雑になる。加えて、隣り合う磁石同士が接近することによって、磁束の流れに乱れが生じ、発電効率の劣化に起因する磁気損失の発生もまた問題となる。
本発明は、上述の課題に鑑み成されたものであって、その目的とするところは、永久磁石の使用量を少なくして軽量化を図ることが可能であり、高い効率が得られる回転型電磁発電機を提供することである。
本発明の一の回転型電磁発電機は、少なくとも、回転軸と、この回転軸と結合し、回転可能に構成された回転磁石ホルダと、磁極が同極対向した状態で、回転磁石ホルダに配置された複数の永久磁石と、各前記回転磁石ホルダの径方向の外側に配置された少なくとも一つのコア無しの発電コイルとを備え、複数個の回転磁石ホルダが回転軸に平行な方向に沿って間隔を置いて積層されて、回転軸と結合し、積層されている各回転磁石ホルダの永久磁石の磁極の配置が同じ配置になっており、発電コイルの巻軸の軸線方向が、回転軸に対して垂直であるものである。
本発明の他の回転型電磁発電機は、少なくとも、回転軸と、この回転軸と結合し、回転可能に構成された回転磁石ホルダと、磁極が同極対向した状態で、回転磁石ホルダに配置された複数の永久磁石と、少なくとも一つのコア無しの発電コイルとを備え、複数個の回転磁石ホルダが回転軸に平行な方向に沿って間隔を置いて積層されて、回転軸と結合し、積層方向に隣り合う回転磁石ホルダは、永久磁石の磁極の配置が互いに逆になっており、積層方向に隣り合う回転磁石ホルダの間に、発電コイルが配置され、発電コイルの巻軸の軸線方向が、回転軸に対して平行であるものである。
上述のそれぞれの本発明の回転型電磁発電機によれば、複数の永久磁石を磁極が同極対向した状態で、回転磁石ホルダに配置したことにより、磁極が同極対向した隣り合う2個の永久磁石から、永久磁石の長手方向に対して略垂直な方向に、垂直磁束を生じる。
この垂直磁束を発電コイルに通過させることによって、発電コイルにおいて充分な発電量を得ることが可能になる。
これにより、比較的少ない個数の永久磁石で充分な発電量を得ることが可能になり、永久磁石の個数を少なくして軽量化を図ることができる。また、同じ回転数において効率を向上させることが可能になる。
さらに、磁石相互間の磁束の乱れが発生し難い構造であるため、安定し、かつ優れた発電効率を得ることができる。
また、本発明の回転型電磁発電機によれば、複数個の回転磁石ホルダを積層することにより、積層方向に隣り合う回転磁石ホルダにおいて、それぞれの永久磁石に相互作用を発生させて、それぞれの永久磁石から生じる磁束の経路を規制することが可能になる。
これにより、各回転磁石ホルダの径方向の外側に発電コイルを配置、もしくは、積層方向に隣り合う回転磁石ホルダの間に発電コイルを配置したことにより、規制した磁束の経路に対応して発電コイルが配置され、発電コイルにおいて、発電量の向上を図ることが可能になる。
本発明により、永久磁石の使用量を少なくして軽量化を図ることが可能であり、複数のコイルと永久磁石との配置を簡素な条件/構造にて達成することができ、高効率の回転型電磁発電機を実現することができる。
本発明の回転型電磁発電機の第1の実施の形態として、回転型電磁発電機の概略構成図(斜視図)を、図1に示す。また、図1の回転型電磁発電機1の分解斜視図を、図2に示す。
この回転型電磁発電機1は、回転軸2と、回転軸2を受ける回転継手3と、回転継手3に接続された回転磁石ホルダ4とを有している。
回転磁石ホルダ4は、回転軸2に平行な方向、即ち上下方向に、間隔を置いて、合計3個(4A,4B,4C)積層されている。そして、これら3個の回転磁石ホルダ4(4A,4B,4C)が、それぞれ回転継手3を介して共通の回転軸2に接続されて一体化されている。即ち、3個の回転磁石ホルダ4A,4B,4Cが、回転軸2を共用し、共に回転運動するように構成されている。
各回転磁石ホルダ4A,4B,4Cには、それぞれ、4個の永久磁石11,12,13,14が装着されており、また各回転磁石ホルダ4A,4B,4Cの周囲に、それぞれ、4個の発電コイル21,22,23,24が配置されている。
回転軸2は、図示しない部分で外部から力を受けて、右回り(時計回り)又は左回り(反時計回り)のいずれにも回転可能なように構成されている。実際の使用にあたっては、外部からの力の態様により、右回りのみ或いは左回りのみに回転させる場合と、どちらにも回転させる場合とがある。
各回転磁石ホルダ4A,4B,4Cは、回転継手3を介して、それぞれ共通の回転軸2に接続されている。
各回転磁石ホルダ4A,4B,4Cの4個の永久磁石11,12,13,14は、それぞれ円弧形状を有する棒状であり、長手方向に分極(着磁)され、かつ各単体の回転磁石ホルダにおいて、隣り合う2個の永久磁石の磁極(N極、S極)がそれぞれ同極対向するように配置されている。
各回転磁石ホルダ4A,4B,4Cの周囲の発電コイル21,22,23,24は、コイルの巻軸方向Wが、回転軸2の軸方向に対してそれぞれ垂直に配置されている。
回転継手3は、回転軸2を嵌合して、回転軸2と回転磁石ホルダ4とを接続するための部材である。
そして、例えば、回転軸2が金属製であって、回転磁石ホルダ4が樹脂製である等の形態のときには、例えば、回転継手3の内外周部を歯車状に形成し、これに対応して回転軸2及び回転磁石ホルダ4において、回転継手3と結合する部位もまた歯車状にしておくことで、空回りを抑制することが可能となる。
回転継手3の材質は、樹脂や金属材料に限定されない。
なお、回転継手を設けないで、回転軸2と回転磁石ホルダ4とを一体的に形成することも可能である。
なお、第1の実施の形態において、発電コイル21,22,23,24が、それぞれの回転磁石ホルダ4A,4B,4Cの外側に配置されていることを考慮すると、これらの発電コイル21,22,23,24の芯部へ永久磁石11,12,13,14からの磁束をより多く通過させるために、回転軸2及び回転継手3は、非磁性体であることが望ましい。
また、逆に、図示はしないものの、回転軸と複数の永久磁石との間に発電コイルを配置するような場合には、積極的に磁束を発電コイルの芯部へ通過させるために、回転軸及び回転継手を磁性体にすることが望ましい。
永久磁石11,12,13,14は、発電コイル21,22,23,24の芯部(空芯部)を通過させる磁束を励起するための部材である。
好適に用いられる磁石としては、例えば、ネオジム、鉄、ホウ素を主成分とする希土類磁石であるネオジム磁石等が挙げられる。
回転磁石ホルダ4は、回転軸2と結合され、かつ永久磁石11,12,13,14を嵌合/支持固定するための部材である。
なお、前述したように、回転磁石ホルダ4を回転軸2と一体的に形成した構造を採用してもよい。
回転磁石ホルダ4の材質は、非磁性であれば特に限定されないが、成形や加工のしやすさ、重量等を考慮すると、樹脂材料(熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂)が好適である。そして、金型成形によって所望の形状の回転磁石ホルダ4を製造する。
さらにまた、図2に示すように、積層方向(上下)に隣り合う回転磁石ホルダ4(4Aと4B、4Bと4C)において、永久磁石11,12,13,14の磁極(N極とS極)の配置が同じ配置に統一されている。
次に、図1〜図2に示した回転磁石ホルダ4の斜視図を、図3Aに示す。
回転磁石ホルダ4は、円形状の非磁性部材で構成されており、永久磁石11,12,13,14を装着するための永久磁石収納部(孔又は凹部)5を有している。
ここで、図3Aの回転磁石ホルダ4のX−X´における断面図を、図3B及び図3Cにそれぞれ示す。
図3Bに示す断面図は、永久磁石収納部5を回転磁石ホルダ4の上下に貫通する孔とした場合を示している。この場合、永久磁石収納部5の孔から磁石が落ちないように、磁石を永久磁石収納部5の壁面に接着する。
図3Cに示す断面図は、永久磁石収納部5を有底の凹部とした場合を示している。この場合、回転磁石ホルダ4の厚さが永久磁石の厚さより少し厚くなるが、永久磁石の組み込みの容易性や保持固定に係る信頼性を高くすることができる。
なお、図4に断面図を示すように、永久磁石11,13を回転磁石ホルダ4の樹脂で包み込んでも構わない。この場合、永久磁石11,13が回転磁石ホルダ4の樹脂で隠れるので、永久磁石が表面に露出している図3Aに示した回転磁石ホルダ4とは、構成が異なっている。
この図4に示す構成の回転磁石ホルダ4を製造するには、例えば、回転磁石ホルダ4用の金型の内部に、ピン等を用いて永久磁石11,13を浮かして配置しておいて、その状態で樹脂を充填すればよい。なお、この製造プロセスを採用する際には、低温/常温硬化型樹脂を用いて、低温/常温環境にて樹脂を充填することが望ましいと言える。これは、高温負荷を永久磁石に加えることによって磁気特性が劣化してしまうことを避けるためである。
また、図示しないが、円板状に形成された回転磁石ホルダの上に、永久磁石を特定の配置条件にて貼りつけて固定しても構わない。
また、本実施の形態の回転型電磁発電機1の平面図を図5Aに示し、図5AのY−Y´における断面図を図5Bに示す。
図1・図2・図5Aに示すように、発電コイル21,22,23,24は、それぞれ、湾曲していない平板状でかつ略正方形状に巻回されている。
この発電コイル21,22,23,24は、不動状態で設置されている。例えば、一般的なモータの構成部品として用いられているステータ等の構造を応用すれば、容易に設置が可能である。
これら発電コイル21,22,23,24として、具体的には、Cu等の導電線の周囲に絶縁性皮膜が形成され、そのさらに外周面に、加熱環境への暴露や有機溶剤の噴霧によって溶融固着する融着層が形成された、自己融着線を、空芯巻回して溶着固化した構成が、好適に用いられる。
また、これらの発電コイル21,22,23,24は、出力電圧の位相に合わせて直列で接続されていても、並列で接続されていても、個々に独立した回路としていてもよい。そして、発電コイルの接続のしかたによって、種々多様の発電用途に対応させることが可能である。
4個の発電コイル21,22,23,24は、前述したように、コイルの巻軸方向Wが、回転軸2に対して垂直になっている。そして、これら発電コイル21,22,23,24の巻軸方向Wは、回転磁石ホルダ4及び永久磁石11,12,13,14の回転方向とも垂直(換言すれば、回転方向Rに対し法線方向ともいえる)になっている。
続いて、上述したように、複数の永久磁石11,12,13,14を同じ磁極同士が対向するように配置したときの作用効果について、図6A及び図6Bを参照して説明する。なお、図6A及び図6Bにおいては、磁界分布を簡略化して、1本の磁束の線で示している。
まず、比較例として、単体の永久磁石が励起する磁界を、図6Aに示す。
単体の永久磁石の場合、N極から発せられS極に帰還する磁束は、永久磁石の側方の狭い範囲となっている。
次に、特定の間隔を有して同じ磁極同士を対向させた複数の永久磁石が励起する磁界を、図6Bに示す。
隣り合う永久磁石の同じ磁極同士を対向させることによって、それぞれのN極から発生する磁力線が押し合うように作用し、図6Bに示すように、垂直磁束が形成される。このとき、垂直磁束には、それぞれの永久磁石のN極から発せられる磁束と、S極に帰還する磁束とが相当すると定義する。
このとき、図示はしていないが、上述の垂直磁束は、紙面の手前側/裏側にかけても発生している。
そして、同極同士を対向させた磁極から、互いに押し合うように垂直磁束が形成されるため、図6Aに示した比較例と比べて、磁界伝播領域が広くなり、永久磁石からある程度離れた位置においても、磁束密度を高い状態に保つことができる。
なお、隣り合う永久磁石の間隔が広すぎると、図6Bに示した垂直磁束がほとんど生じないので、所望の垂直磁束を生じるように、隣り合う永久磁石の間隔を設定する。
上述のように、複数の永久磁石の間に特定の間隔を設け、かつ同じ磁極同士を対向させるという簡素な構成によって、発電コイルの芯部を通過させるために好適な垂直磁束を得ることができ、かつ永久磁石から遠く離れた位置における磁束密度を高くすることが可能である。
これにより、発電コイルの芯部を通過する磁束が多くなり、発電特性が良好になるという効果を奏する。
従って、垂直磁束の磁束密度をさらに向上させる手段として、互いに同極対向させた永久磁石の間に、ヨーク等に代表される磁性金属部材を配置するようにしてもよい。このように構成することで、発電コイルの芯部を通過する磁束の密度も向上することから、より大きな発電特性を得ることが可能となる。
次に、図6Bで説明した磁界を、図1に示した実施の形態の回転型電磁発電機1に適用して、図7の平面図に示す。
そして、この図7を参照して、本発明の回転型電磁発電機の発電原理を説明する。
図7に示すように、各永久磁石11,12,13,14のN極から発生した垂直磁束、及びS極へ帰還する垂直磁束の、主として2種の垂直磁束が、それぞれ回転磁石ホルダ4の回転方向Rに対して略垂直な方向に生じている。2種の垂直磁束の間は、回転軸2側の内周磁束と発電コイル21,22,23,24側の外周磁束とに分流されている。
このとき、回転磁石ホルダ4が図示しない駆動源によって回転すると、複数の永久磁石11,12,13,14のN極同士が対向している部位から発せられた第1の垂直磁束が発電コイル、図7に示す状態では左下の発電コイル21及び右上の発電コイル23の、芯部を通過する。
その後、さらに回転磁石ホルダ4が回転すると、第1の垂直磁束とは逆向きとなる第2の垂直磁束が、同じ発電コイルの芯部を通過することとなる。
つまり、回転磁石ホルダ4の回転運動が続く限り、異なる方向の磁束が発電コイル21,22,23,24の芯部を交互に通過することとなる。その結果、発電コイル21,22,23,24に、誘導電流が生じる。
これが、本発明に係る回転型電磁発電機の基本的な発電原理である。
図7では、平面図で水平方向の磁束を示したが、本実施の形態の回転型電磁発電機1においては、永久磁石11,12,13,14から、上下方向(回転軸2に平行な方向)にも垂直磁束を生じる。
そして、図1に示した回転型電磁発電機1においては、この上下方向の垂直磁束を利用していないが、上下方向の垂直磁束を利用するように、発電コイルの位置や形状を変えることも可能である。
本実施の形態の回転型電磁発電機1において、発電コイル21,22,23,24を配置する際には、回転磁石ホルダ4の回転ブレ等を考慮し、回転磁石ホルダ4と衝突しないように、安全寸法を確保することが望ましい。
ただし、この安全寸法を過度に取りすぎると、垂直磁束が効率的に発電コイルの芯部を通過しなくなる。
好ましくは、事前に磁場解析シミュレーションを行って、永久磁石11,12,13,14から発せられる又は帰還する垂直磁束の距離dを把握しておいて、この距離d以内に発電コイル21,22,23,24があるように、回転磁石ホルダ4と発電コイルとの距離D(図5A参照)を選定して、発電コイル21,22,23,24を配置すればよい。
これによって、回転型電磁発電機1の設計に係る容易性もまた向上する。
即ち、回転磁石ホルダ4と発電コイル21,22,23,24との配置寸法条件は、一定の値には限定されず、適宜変更することが可能である。
上述の本実施の形態の回転型電磁発電機1の構成によれば、回転軸2に接続されて回転する3個の回転磁石ホルダ4A,4B,4Cに、それぞれ4個の永久磁石11,12,13,14を装着し、これら4個の永久磁石11,12,13,14を、同じ磁極同士が対向するように配置している。
そして、回転磁石ホルダ4A,4B,4Cの周囲に、それぞれ、巻軸方向Wが回転磁石ホルダ4の回転方向Rに垂直な方向となるように、発電コイル21,22,23,24を設けている。
これにより、同じ磁極同士が対向した4個の永久磁石11,12,13,14から垂直磁界を発生させて、発電コイル21,22,23,24の芯部を通過させることができ、これら発電コイル21,22,23,24において、充分な発電量が得られる。
本実施の形態では、特に、3個の回転磁石ホルダ4A,4B,4Cを積層させていることにより、積層方向(上下)に隣り合う回転磁石ホルダ4Aと4B,4Bと4Cにおいて、それぞれの永久磁石11,12,13,14に相互作用を発生させて、それぞれの永久磁石11,12,13,14から生じる磁束の経路を規制することが可能になる。
本実施の形態の場合、各回転磁石ホルダの永久磁石11,12,13,14の磁極が同じ配置に統一されるように、上下に隣り合う回転磁石ホルダ4Aと4B,4Bと4Cの永久磁石11,12,13,14の磁極が同極対向しているので、相互作用によって、磁束の経路が回転磁石ホルダ4A,4B,4Cの外側や内側に向うように規制される。
そして、回転磁石ホルダ4A,4B,4Cの外側に、発電コイル21,22,23,24を配置しているので、規制された磁束を効率良く発電コイル21,22,23,24の芯部に通過させることができる。これにより、これら発電コイル21,22,23,24において、充分な発電量が得られる。
さらにまた、本実施の形態においては、3個の回転磁石ホルダのうち、中央部に配置された回転磁石ホルダ4Bは、上下の回転磁石ホルダ4A,4Cから発せられる磁束の流れの影響を受けることから、回転磁石ホルダの外側や内側に向うように規制された磁束密度が、上下の回転磁石ホルダ4A,4Cと比較して、高くなっている。
このため、回転磁石ホルダ4Bの外側に配置された発電コイル21,22,23,24に生じる出力電圧は、上下の回転磁石ホルダ4A,4Cの外側に配置された発電コイルに生じる出力電圧よりも大きくなる。
このことから、回転磁石ホルダ4A,4B,4Cの外側に配置された全ての発電コイルの出力電圧を統一するときには、回転磁石ホルダ4A,4Cの外側に配置される発電コイルの形状をL字状にして、回転磁石ホルダ4Aの場合は上主面を覆うように、回転磁石ホルダ4Cの場合はした主面を覆うように形成し、より多くの磁束(垂直磁束)を発電コイルの芯部に通過させればよい。
従って、本実施の形態の回転型電磁発電機1によれば、前記特許文献1に提案されていた構成と比較して、少ない個数の永久磁石11,12,13,14で充分な発電量を得ることが可能になり、永久磁石の個数を少なくして軽量化を図ることができる。また、同じ回転数において効率を向上させることが可能になる。
即ち、本実施の形態の回転型電磁発電機1は、構造が簡略であり、かつ優れた発電効果を得ることができる、という効果を有している。
また、軽量化を図ることが可能になると共に、発電コイルは空芯構造であることから、いわゆるコギングトルクの発生を抑制することができ、その結果、小さな回転トルクで効率良く発電を行うことができることから、特に手動や、微弱な風力・水力等を利用した発電に好適であるといえる。
上述の実施の形態の回転型電磁発電機1では、発電コイル21,22,23,24の巻軸方向Wが、回転磁石ホルダ4及び永久磁石11,12,13,14の回転方向Rに対して垂直な方向である構成であった。
しかしながら、永久磁石による垂直磁界が発電コイルの芯部を通過すれば、発電効果が得られることから、発電コイルの巻軸方向が、回転磁石ホルダ及び永久磁石の回転方向に対して、完全に垂直である必要はなく、ある程度の角度許容が認められる。
上述の実施の形態の回転型電磁発電機1では、各回転磁石ホルダ4の周囲に4個ずつの発電コイル21,22,23,24が配置されているが、発電コイルの個数は、4個ずつに限定されない。
少なくとも各回転磁石ホルダに対して、それぞれ1個以上発電コイルを設ければ、発電が可能である。
例えば、上述の実施の形態の回転型電磁発電機1と同様に、発電コイルの個数を永久磁石の個数と同数として、永久磁石の位置・間隔に対応させて発電コイルを配置すると、効率良く発電を行うことができると考えられる。
また例えば、発電コイルの個数を永久磁石の個数よりも多くして、各発電コイルの接続を工夫することにより、同じ回転数に対して、より高い周波数の出力を得ることができるので、結果として、より大きな電力エネルギーを得ることが可能となる。
また、図3Aに示した回転磁石ホルダ4は、円形状の1個の非磁性部材で構成されているが、例えば、永久磁石収納部を有する90度の扇形の非磁性部材を4個貼り合わせて、回転磁石ホルダを構成してもよい。
永久磁石の形状としては、上述の実施の形態のように円弧状でも良いし、直線の棒状又は折れ曲がった「くの字」状でも良い。
ここで、永久磁石11,12,13,14を直線の棒状とした形態の平面図を図8Aに示し、永久磁石11,12,13,14を「くの字」状とした形態の平面図を図8Bに示す。これらの図においては、発電コイルの図示は省略している。
これら図8A及び図8Bに示す各形態においても、永久磁石11,12,13,14から垂直磁束を発生させて、回転磁石ホルダ4の周囲に設けた発電コイルを通過させることができる。
前述した発電原理を考慮すると、第1の実施の形態に関連する変形例として、以下に挙げる構成が考えられる。
第1の変形例として、回転型電磁発電機の平面図を図9Aに示し、図9AのY−Y´における断面図を図9Bに示す。
図9A及び図9Bに示す回転型電磁発電機は、基本的には、図1に示した第1の実施の形態の構成と同様であるが、発電コイル21,22,23,24が回転磁石ホルダ4の外周形状に沿って湾曲しているという点で異なる。
この構成は、例えば、発電コイル21,22,23,24の巻数を増やす等、発電コイルの径が大きくなるような場合に、図1に示した形態と比較して、回転型電磁発電機の床面積を小型化できるという点で優れている。
次に、本発明の回転型電磁発電機の第2の実施の形態として、回転型電磁発電機の概略構成図を図10A及び図10Bに示す。図10Aは平面図を示し、図10Bは図10AのY−Y´における断面図を示している。
この第2の実施の形態では、図1に示した第1の実施の形態の発電コイル21,22,23,24に対して、その芯部に磁束を通過させるための磁性部材(ヨーク等)20を配置している。
また、図10A及び図10Bに示す回転型電磁発電機は、発電コイル21,22,23,24が回転磁石ホルダ4の外周形状に沿って湾曲していると共に、回転磁石ホルダ4の周囲を囲った磁性部材(ヨーク等)20の部分も、回転磁石ホルダ4の外周形状に沿った円形状としている。
この磁性部材20は、発電コイル21,22,23,24の芯部内を貫通して突出した部分と、2つの発電コイルの間を接続するように、回転磁石ホルダ4の周囲を囲った部分とを有している。
その他の構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様であるので、重複説明を省略する。
より好ましくは、回転軸2及び回転継手3を非磁性体にして、磁性部材20を通過する磁束を増大させる。このように構成することで、発電コイル21,22,23,24の芯部を通過する磁束が極めて多量になることから、発電特性が一層向上するという効果を有する。
上述の本実施の形態(第2の実施の形態)の回転型電磁発電機の構成によれば、先に示した第1の実施の形態の回転型電磁発電機1と同様に、同じ磁極同士が対向した4個の永久磁石11,12,13,14から垂直磁界を発生させて、発電コイル21,22,23,24の芯部を通過させることができ、これら発電コイル21,22,23,24において、充分な発電量が得られる。
従って、前記特許文献1に提案されていた構成と比較して、少ない個数の永久磁石11,12,13,14で充分な発電量を得ることが可能になり、永久磁石の個数を少なくして軽量化を図ることができる。また、同じ回転数において効率を向上させることが可能になる。
本実施の形態では、特に、発電コイル21,22,23,24の芯部内を貫通させた磁性部材20を通じて磁気回路が形成され、磁性部材20が永久磁石11,12,13,14による磁束を吸い取る作用効果を有している。
これにより、第1の実施の形態の構成と比較して、発電コイル21,22,23,24の芯部に、より多くの磁束を通過させて、発電効率を高めることが可能になる。
そして、磁性部材20を、発電コイル21,22,23,24の芯部内を貫通させるだけでなく、さらに発電コイル21,22,23,24から回転磁石ホルダ側へ突出させることにより、磁性部材20が磁束を吸い取る作用効果を高めることができる。
また、磁束の多くが磁性部材20内を通過し永久磁石11,12,13,14へ帰還するといった磁気回路を形成するため、回転型電磁発電機の外側に漏れる磁束を大幅に低減することができる。その結果、外部の電子機器等に与える外乱磁気ノイズの影響を少なくすることが可能となる。
なお、発電コイル21,22,23,24の芯部内に磁性部材20を配置すると、コギングトルクと呼ばれる磁気的な抵抗が生じる。
このことから、この第2の実施の形態の構成は、手動による発電用途よりも、回転運動をしている動力源/駆動源に回転型電磁発電機の回転軸2を結合することによって発電を行う、といった用途に好適である。
ところで、この第2の実施の形態の構成で設けていた、磁性部材20の発電コイル間を接続して回転磁石ホルダ4の周囲を囲った部分は、必ずしも設けなくても構わない。
少なくとも発電コイルの芯部に、磁性部材20を配置すれば、上述の第3の実施の形態と同様の効果が得られる。
また、図10Bでは、磁性部材20を各層の回転磁石ホルダ4A,4B,4Cに対応してそれぞれ独立して設けていたが、これらの磁性部材20の間を上下に連結して、一体化した磁性部材としても構わない。このような構成とすることにより、発電特性を向上させるための理想的な磁気回路を形成しつつ、全ての発電コイルの位置精度を高い状態で保持することができ、さらに外乱磁気ノイズを好適に低減するための磁気シールドとなる等、様々な機能を容易に得ることが可能となる。
本発明の回転型電磁発電機の第3の実施の形態として、回転型電磁発電機の斜視図を図11に示す。
この第3の実施の形態では、回転軸2や回転磁石ホルダ4は、図1に示した第1の実施の形態の構成と同様であるが、発電コイル(空芯コイル)21,22,23,24が積層方向(上下)に隣り合う回転磁石ホルダ4Aと4B,4Bと4Cの間に配置され、かつ、発電コイル21,22,23,24の主面が、回転磁石ホルダ4A,4B,4Cの主面に対して平行に配置されている、という点で異なる。また、2層目の回転磁石ホルダ4Bでは、上下に隣り合う回転磁石ホルダ4A,4Cと、永久磁石11,12,13,14の磁極(N極、S極)の配置が逆になっている、という点でも異なっている。
この構成では、上下に隣り合う回転磁石ホルダ4Aと4B,4Bと4Cにおいて、永久磁石11,12,13,14の磁極(N極、S極)の配置が逆になっていることから、上下に隣り合う回転磁石ホルダの永久磁石からの垂直磁束が上下に繋がることになる。これにより、上下に隣り合う回転磁石ホルダの間に配置した発電コイル21,22,23,24の空芯部に、極めて多量の磁束を通すことが可能となる。
発電コイル21,22,23,24は、図示しない筐体壁やステイ等に取り付けられており、回転しない固定子となっている。
また、発電コイル21,22,23,24の巻軸方向Wは、回転軸2に平行な上下方向、即ち、回転磁石ホルダ4A,4B,4Cの主面に垂直な方向になっている。
そして、発電コイル21,22,23,24は、その中央の空芯部が、永久磁石11,12,13,14の同極対向部に臨んでいる。
また、本実施の形態の回転型電磁発電機の平面図を図12Aに示し、図12AのY−Y´における断面図を図12Bに示す。
図1に示した第1の実施の形態では、発電コイル21,22,23,24が略正方形の平面形状を有していたが、本実施の形態では、発電コイル21,22,23,24が円形の平面形状を有している。
上述の本実施の形態(第3の実施の形態)の回転型電磁発電機の構成によれば、先に示した第1の実施の形態の回転型電磁発電機1と同様に、同じ磁極同士が対向した4個の永久磁石11,12,13,14から垂直磁界を発生させて、発電コイル21,22,23,24の芯部を通過させることができ、これら発電コイル21,22,23,24において、充分な発電量が得られる。
従って、前記特許文献1に提案されていた構成と比較して、少ない個数の永久磁石11,12,13,14で充分な発電量を得ることが可能になり、永久磁石の個数を少なくして軽量化を図ることができる。また、同じ回転数において効率を向上させることが可能になる。
また、本実施の形態では、特に、3個の回転磁石ホルダ4A,4B,4Cを積層させていることにより、積層方向(上下)に隣り合う回転磁石ホルダ4Aと4B,4Bと4Cにおいて、それぞれの永久磁石11,12,13,14に相互作用を発生させて、それぞれの永久磁石11,12,13,14から生じる磁束の経路を規制することが可能になる。
本実施の形態の場合、上下に隣り合う回転磁石ホルダ4Aと4B,4Bと4Cの永久磁石11,12,13,14の磁極が互いに逆に配置されているので、相互作用によって、磁束の経路が上下に隣り合う回転磁石ホルダ4Aと4B,4Bと4Cを繋いで上下に向うように規制される。
そして、上下に隣り合う回転磁石ホルダ4Aと4B,4Bと4Cの間に、発電コイル21,22,23,24を配置しているので、規制された磁束を効率よく発電コイル21,22,23,24の芯部に通過させることができる。これにより、これら発電コイル21,22,23,24において、充分な発電量が得られる。
従って、この第3の実施の形態の回転型電磁発電機によれば、前記特許文献1に提案されていた構成と比較して、少ない個数の永久磁石11,12,13,14で充分な発電量を得ることが可能になり、永久磁石の個数を少なくして軽量化を図ることができる。また、同じ回転数において効率を向上させることが可能になる。
即ち、この第3の実施の形態の回転型電磁発電機も、構造が簡略であり、かつ優れた発電効果を得ることができる、という効果を有している。
また、軽量化を図ることが可能になると共に、発電コイルは空芯構造であることから、いわゆるコギングトルクの発生を抑制することができ、その結果、小さな回転トルクで効率良く発電を行うことができることから、特に手動や、微弱な風力・水力等を利用した発電に好適であるといえる。
さらに、磁性部材20を用いることによって発電特性を向上させるための磁気回路を形成した、第2の実施の形態と比較して、この第3の実施の形態では、磁性部材を用いなくても、確実に発電コイルの芯部に磁束を通過させることが可能である。また、回転型電磁発電機内のみで磁気回路が形成されることから、外乱磁気ノイズがほとんど生じない、という点で優れている。
上述の第3の実施の形態では、発電コイル21,22,23,24を、円形としていたが、本発明では、発電コイルを、長方形、三角形、扇形等、その他の形状としても良い。特に、回転磁石ホルダの半径方向に長い形状とすると、隣の発電コイルへの影響を与えないで、空芯部の面積を広げることが可能になる。
また、上述の第3の実施の形態のように、積層方向に隣り合う回転磁石ホルダの間に発電コイルを配置する場合には、発電コイルの空芯部が、同極対向した永久磁石の磁極対向部に臨むように配置すると、効率良く磁束を空芯部に通すことができる。
ところで、本発明の回転型電磁発電機を用いて、発電システムを構成することが可能である。
ここで、本発明の回転型電磁発電機を用いた発電システムの一例として、図1に示した回転型電磁発電機1を用いて構成した発電システムの構成例の回路図を、図13に示す。
このとき、図1の発電コイル21,22,23,24は、正巻き・逆巻き・正巻き・逆巻きの順に巻回され、それぞれが直列接続された2端子構成とされている。
図13に示す発電システムの回路図において、回転型電磁発電機1の2つの端子は、整流回路41に接続されている。この整流回路41の出力は、蓄電手段としての充電コンデンサ42に接続されている。
回転駆動された回転型電磁発電機1から発生した電荷は、整流回路41によって整流され、充電コンデンサ42に蓄えられる。そして、充電コンデンサ42に蓄えられた電力が、スイッチ43を介して負荷44に供給されるように構成されている。
なお、図13では、回転型電磁発電機1から2端子で出力を取るように構成していたが、取り出す出力の数は、3以上としても構わない。そして、例えば、取り出した3以上の出力をそれぞれ整流して、後から合成する構成とすることも可能である。
本発明の回転型電磁発電機を用いた発電システムは、図13に示した構成に限定されるものではなく、用途に応じて、適宜システムを構成すればよい。
上述の各形態では、回転磁石ホルダ4が円板状であったが、回転磁石ホルダを多角形状(例えば、六角形や八角形)としても構わない。
上述の各形態では、各回転磁石ホルダ4にそれぞれ永久磁石を4個設けていたが、本発明において、各回転磁石ホルダに装着する永久磁石の個数は、4個に限定されるものではない。
本発明においては、隣り合う永久磁石の同じ磁極同士を対向させるので、永久磁石の個数は偶数である必要がある。従って、各回転磁石ホルダに永久磁石を2個以上の偶数個設ければよい。
また、前述したように、各回転磁石ホルダに対する発電コイルの個数は4個に限らず、1個以上の任意の個数とすることができる。
各回転磁石ホルダに設ける、永久磁石の個数や発電コイルの個数は、発電機の大きさ等の条件を考慮して、適切な個数を選定することが望ましい。
例えば、大きい発電機を構成する場合には、永久磁石及び発電コイルを多く設けた方が、発電量を大きくすることができる。
例えば、小さい発電機を構成する場合には、永久磁石や発電コイルの大きさが小さくなり過ぎないように、永久磁石や発電コイルの個数を少なく設定した方が良い。永久磁石や発電コイルが小さ過ぎると、磁石の保磁力や発電コイルの発電量が充分に得られなくなることがある。
積層する回転磁石ホルダの個数(層の数)は、上述の各実施の形態の3個に限定されるものではなく、2個以上の任意の個数とすることができる。
得られる特性やコスト等を考慮して、積層する回転磁石ホルダの個数を選定する。
複数の発電コイルの接続は、出力電圧の位相が一致しているコイル同士を(1)直列、(2)並列、(3)一部を直列にしたものを並列、のいずれも可能である。
回転電磁発電機の用途に応じて、発電コイルの接続方法を選定する。
直列に接続した場合には、n個の発電コイルにより得られる電圧がn倍になる。
並列に接続した場合には、n個の発電コイルで全体の抵抗が1/nとなるので、小さい負荷抵抗に対してより大きい電力を供給することができる。
発電コイルの個数が偶数である場合、正巻き、逆巻き、正巻き、逆巻きと、交互にコイルの巻き方を反対にすることが好ましい。例えば、図1に示した第1の実施の形態の回転型電磁発電機1等において、4個の発電コイル11,12,13,14のうち、発電コイル11及び発電コイル13を正巻きとして、発電コイル12及び発電コイル14を逆巻きとする。このように構成することにより、全てのコイルの出力電圧の位相を等しくすることができ、整流する前段階で出力電圧を合成することが可能となるため、整流回路を一つ構成すればよく、生産コストの低減や、発電システムの簡略化等の利点を得ることができる。
そして、例えば、発電コイルが8個のときは、8個とも直列にする接続、正巻きと逆巻きの各4個ずつを直列にする接続、同じ向きの2個ずつを直列に接続した1組を4組並列にする接続、8個とも並列にする接続、等が考えられる。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
本発明の第1の実施の形態の回転型電磁発電機の概略構成図(斜視図)である。 図1の回転型電磁発電機の分解斜視図である。 A〜C 図1の回転磁石ホルダの概略構成図である。 回転磁石ホルダの他の形態を示す断面図である。 A 図1の回転型電磁発電機の平面図である。 B 図5AのY−Y´における断面図である。 A、B 永久磁石が励起する磁界を説明する図である。 図1の回転型電磁発電機の永久磁石が励起する磁界を説明する平面図である。 A 永久磁石を直線の棒状とした形態の平面図である。 B 永久磁石をくの字状とした形態の平面図である。 A、B 第1の変形例の回転型電磁発電機の概略構成図である。 A、B 本発明の第2の実施の形態の回転型電磁発電機の概略構成図である。 本発明の第3の実施の形態の回転型電磁発電機の概略構成図である。 A、B 本発明の第3の実施の形態の回転型電磁発電機の概略構成図である。 図1に示した回転型電磁発電機を用いて構成した発電システムの構成例の回路図である。 従来提案されている電磁発電機の模式的断面図である。
符号の説明
1 回転型電磁発電機、2 回転軸、3 回転継手、4 回転磁石ホルダ、11,12,13,14 永久磁石、20 磁性部材(ヨーク等)、21,22,23,24 発電コイル、41 整流回路、42 充電コンデンサ、43 スイッチ、44 負荷

Claims (2)

  1. 少なくとも、
    回転軸と、
    前記回転軸と結合し、回転可能に構成された回転磁石ホルダと、
    磁極が同極対向した状態で、前記回転磁石ホルダに配置された複数の永久磁石と、
    各前記回転磁石ホルダの径方向の外側に配置された少なくとも一つのコア無しの発電コイルとを備え、
    複数個の前記回転磁石ホルダが前記回転軸に平行な方向に沿って間隔を置いて積層されて、前記回転軸と結合し、
    積層されている各前記回転磁石ホルダの前記永久磁石の磁極の配置が同じ配置になっており、
    前記発電コイルの巻軸の軸線方向が、前記回転軸に対して垂直である
    ことを特徴とする回転型電磁発電機。
  2. 少なくとも、
    回転軸と、
    前記回転軸と結合し、回転可能に構成された回転磁石ホルダと、
    磁極が同極対向した状態で、前記回転磁石ホルダに配置された複数の永久磁石と、
    少なくとも一つのコア無しの発電コイルとを備え、
    複数個の前記回転磁石ホルダが前記回転軸に平行な方向に沿って間隔を置いて積層されて、前記回転軸と結合し、
    積層方向に隣り合う前記回転磁石ホルダは、前記永久磁石の磁極の配置が互いに逆になっており、
    積層方向に隣り合う前記回転磁石ホルダの間に、前記発電コイルが配置され、
    前記発電コイルの巻軸の軸線方向が、前記回転軸に対して平行である
    ことを特徴とする回転型電磁発電機。
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