JP5097736B2 - コネクタ付きケーブル用けん引端部 - Google Patents
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光ケーブルの敷設は、建物内に設けられた配管に予めけん引用のワイヤを挿通しておき、このワイヤと建物内に引き込まれた光ケーブルとを繋いでワイヤを巻き取ることで配管内に光ケーブルを敷設している。そして、所定の位置に敷設された光ケーブルの先端にコネクタを作成し、光コンセントへ接続している。
特許文献1によれば、コネクタの作成されたケーブルに装着しけん引を行うケーブルコネクタ先端の牽引用保護具が提案されている。
このケーブルコネクタ先端の牽引用保護具では、ケーブル先端に設けられたコネクタを収納するコネクタ収納体(コネクタ保護部)と、コネクタ収納体の先に接続されケーブルをけん引するけん引索との間に設けられた念回防止手段と、から構成されている。コネクタ収納体は、ケーブルの先端部とコネクタとを保持し、ケーブルとコネクタとの接合部分にけん引による負荷が集中しないように保護すると共に、ケーブルとコネクタとの接合部分を防水、防塵している。また、念回防止手段は、光ケーブルのねじれを防止している。
また、コネクタ収納体はコネクタの形状に合わせて形成されているので、多種のコネクタに対しそれぞれ専用のコネクタ収納体が必要となり生産性が悪かった。
そして、コネクタ保護部はケーブルグリップおよびけん引索取付部と分離していることにより、コネクタ保護部にはけん引の引張力が作用しないので、けん引の引張力によるコネクタの破損を防ぐことができる。
また、コネクタ保護部はコネクタの防塵や防水、配管との接触による衝撃からの保護ができればよいので、けん引の引張力からコネクタを保護する従来のコネクタ保護部と比べて小型化することができる。そして、コネクタ保護部は小型化されたことにより細い配管やクランク部分であっても通過できるので、細い配管やクランクのある配管にコネクタ付きケーブルを敷設することができる。
また、ケーブルグリップによってケーブルを把持するので、異なる径のケーブルにも同一のコネクタ付きケーブル用けん引端部を使用することができる。
また、ケーブルとコネクタの接続部に緩衝材の先端部を接触または近設させることにより、ケーブルとコネクタの接続部の急激な曲がりを抑制することができる。
図1に示すように、第一の実施の形態によるコネクタ付きケーブル用けん引端部1aは、先端にコネクタ11が取り付けられた光ケーブル12を、マンションやオフィスビルなどの屋内に設けられたCD(Combined Duct)管などの配管内にけん引する部材である。けん引は図中の矢印(ア)の方向に行われる。
コネクタ付きケーブル用けん引端部1aは、コネクタ11を覆うコネクタ保護部2と、光ケーブル12が挿通され光ケーブル12を把持するケーブルグリップ3と、ケーブルグリップ3と連続し、ケーブルグリップ3の先端に設けられたワイヤ取付部4(けん引索取付部)とから概略構成される。
光ケーブル12が挿通されたケーブルグリップ3は、軸方向に引っ張られることによって径が小さくなり、光ケーブル12を外周面から締め付けるように固定する。このとき、ケーブルグリップ3が光ケーブル12を把持する強度が200Nを超えるように、ケーブルグリップ3の長さを設定することが好ましい。
また、ケーブルグリップ3は、光ケーブル12の外周面を滑らないように、ケーブルグリップ3と光ケーブル12との間に所定の摩擦が生じる材料で形成されることが好ましい。
まず、ケーブルグリップ3を軸方向に圧縮して径を大きくして光ケーブル12に被せ、ケーブルグリップ3を軸方向に引っ張って光ケーブル12に固定する。このとき、ケーブルグリップ3とワイヤ取付部4との接続部4aは、コネクタ11と光ケーブル12との接続部12aよりもけん引方向の後方に位置させる。また、ワイヤ取付部4の先端部4bは、コネクタ保護部2よりもけん引方向の前方に位置させる。
なお、コネクタ保護部2をコネクタ11に設置した後に、ケーブルグリップ3を光ケーブル12に設置してもよい。また、光ケーブル12にケーブルグリップ3を設置したあとに、光ケーブル12の先端部にコネクタ11を作成し、コネクタ11にコネクタ保護部2を取り付けてもよい。
ケーブルグリップ3のけん引方向後方の端部は、光ケーブル12からの外れ防止のためにテープ5などで光ケーブル12に固定する。また、コネクタ保護部2をワイヤ取付部4にテープなどで固定し、けん引時にワイヤ取付部4によってコネクタ11を保持してもよい。
まず、配管内に予め挿通されたワイヤ13をワイヤ取付部4に取り付ける。そして、配管の反対側からワイヤ13を巻き取ることで配管内に光ケーブル12がけん引されて敷設される。
そして、コネクタ付きケーブル用けん引端部1aをコネクタ11および光ケーブル12から取り外す。なお、取り外されたコネクタ付きケーブル用けん引端部1aは再度利用してもよい。
また、光ケーブル12の先端には予めコネクタ11が作成されているので、現場において技術と時間を要するコネクタ11の作成を行わなくてよく、工期を短縮することができると共に光ケーブル12の敷設工事のスキルフリー化を行うことができる。
図2(a)、(b)に示すように、第二の実施の形態によるコネクタ付きケーブル用けん引端部1bでは、光ケーブル12の周囲に緩衝材21が設けられて、ケーブルグリップ3は緩衝材21の上に設置される構成である。
緩衝材21は、例えば、所定の肉厚のゴムチューブなどに、長さ方向に切れ目21aを入れた部材で、光ケーブル12の周囲に設置される。緩衝材21は、この切れ目21aから光ケーブル12の周囲にはめ込まれる構造である。緩衝材21の断面形状はコネクタ保護部2の断面形状と、ほぼ同じか、やや小さめとする。緩衝材21の長さは光ケーブル12を把持する長さにあわせる。
緩衝材21は先端がコネクタ保護部2と接するように設置される。
コネクタ付きケーブル用けん引端部1cが設置された光ケーブル12がけん引されると、ケーブルグリップ3は緩衝材31を締め付けて固定する。このとき、コネクタ保護部2の周囲にもケーブルグリップ3が設置されているが、コネクタ保護部2は緩衝材31よりも断面形状が小さいため、コネクタ保護部2にケーブルグリップ3による締め付け力がほとんど作用しない構成である。
例えば、上述した実施の形態では、コネクタ11付きの光ケーブル12をけん引しているが、光ケーブル12に代わって、他のケーブルをけん引する際に本発明によるコネクタ付きケーブル用けん引端部を使用してもよい。
また、第二の実施の形態では、緩衝材21とコネクタ保護部2とが接しているが、緩衝材21とコネクタ保護部2とは離れていてもよい。
2 コネクタ保護部
3 ケーブルグリップ
4 ワイヤ取付部(けん引索端部)
4a 接続部
11 コネクタ
12 光ケーブル(ケーブル)
21、31 緩衝材
Claims (1)
- 先端部にコネクタが設けられたケーブルに装着されて、前記ケーブルを配管内にけん引するけん引端部であって、
前記ケーブルが挿通されて前記ケーブルを把持するケーブルグリップと、
前記ケーブルグリップと連続して設けられて、けん引索が取り付けられるけん引索取付部と、
前記コネクタを保護するコネクタ保護部と、を備えて、前記コネクタ保護部は前記ケーブルグリップおよび前記けん引索取付部と分離し、
前記ケーブルグリップと前記けん引索取付部との接続部は、前記コネクタと前記ケーブルの接続部よりもけん引方向の後方に位置し、
前記けん引索取付部は、前記コネクタ保護部よりも前記ケーブルの軸方向に長く形成され、
前記ケーブルと前記ケーブルグリップとの間には、前記ケーブルの周囲を覆う緩衝材が設けられ、
該緩衝材は、この断面形状が前記コネクタ保護部の断面形状と、ほぼ同じか、やや小さめとされるとともに、前記コネクタ保護部に接していることを特徴とするコネクタ付きケーブル用けん引端部。
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