JP5096062B2 - 溶接金属及びチタニヤ系フラックス入りワイヤ - Google Patents

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本発明は、チタニヤ(TiO)系フラックス入りワイヤで溶接された溶接金属に関し、特に,ソリッドワイヤと同等又はそれ以上の耐高温割れ性を有する溶接金属に関する。
船舶及び橋梁等の海洋構造物を含む広範な分野において、チタニヤ(TiO)系のフラックス入りワイヤが使用されている。このチタニヤ系フラックス入りワイヤ(FCW:flux Cored Wire)は、鋼製シース内に、チタニヤ(TiO)を含むフラックスを充填させたものであり、このチタニヤ系の全姿勢溶接用FCWを使用して、ガスシールドアーク溶接することにより、1本のワイヤで全姿勢溶接できるだけではなく、良好な溶接作業性、高能率性、及び良好な溶接金属性能が得られるという利点がある。
しかしながら、チタニヤ系FCWは、ソリッドワイヤと比較して、耐高温割れ性能、特に、開先初層部及び狭隘部の溶接時の耐高温割れ性能が劣るという欠点がある。このため、チタニヤ系FCWを使用して得られる溶接金属の高温割れ性能に関する研究が多数なされており(例えば、非特許文献1、2)、この非特許文献1、2は、P、S,及びB等の元素が耐高温割れ性を著しく劣化させること、また、この高温割れの防止のために、Mnの添加が有効であること等が開示されている。
これらのP,S及びB等は、溶接金属が凝固するときに最終凝固部に凝集して低融点の共晶となる。この共晶の部分は、溶接金属の凝固過程で、最後まで溶融状態で残留し、周囲の部分が凝固したときの凝固収縮により、共晶の部分が凝固する際に、その境界で割れが発生するものと考えられる。
しかしながら、前述の如く、非特許文献1及び2には、Mnの添加により溶接金属の高温割れを防止することが有効であることが開示されているものの、現状のチタニヤ系フラックス入りワイヤの耐高温割れ性は、近時の溶接性能向上の要求を満足するものではない。近時、耐高温割れ性能として、具体的には、ソリッドワイヤと同等の耐高温割れ性が要求されているが、従来のチタニヤ系フラックス入りワイヤは、このような要求を満足するものではなかった。
また、特許文献1においては、Nbの添加による溶接金属の組成的過冷と、AlとTiの添加による核生成触媒効果との複合効果により、溶接金属中央部で柱状晶を等軸化することによって高温割れを抑制している。しかしながら、過剰のAl添加は延性の低下の原因となるため、好ましくない。
特開2004−358552号公報 溶接学会誌第49巻(1980年)第1号第19乃至23頁 溶接学会誌第44巻(1975年)第7号第20乃至25頁
上述の如く、従来のチタニヤ系フラックス入りワイヤを使用して溶接された溶接金属は、近時の耐高温割れ性能についての要求を満足するものではなく、また、高温割れを抑制しようとすると、延性の低下が問題となるという難点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、チタニヤ系フラックス入りワイヤを使用して溶接したときに、耐高温割れ性能を向上させることができる溶接金属を提供することを目的とする。
本発明に係る溶接金属は、チタニヤ系フラックス入りワイヤで溶接された溶接金属において、B:0.005質量%以下(0は含まない)、N:0.0045乃至0.02質量%、Ti:0.025乃至0.1質量%、Mn:1.0乃至1.7質量%、Si:0.2乃至0.7質量%、C:0.05乃至0.09質量%、及びO:0.05乃至0.09質量%を含有し、更に、Cu,Ni,Cr,Mo,Al,Nb,及びVからなる群から選択された少なくとも1種の元素を0.5質量%以下(0は含まない)を含有し、残部がFe及び不可避的不純物であり、前記不可避的不純物のうち、P:0.015質量%以下、及びS:0.015質量%以下に規制し、Ti及びNの含有量(質量%)を夫々[Ti]及び[N]とするとき、[Ti]/[N]は4乃至8であることを特徴とする。
この場合に、前記[Ti]/[N]は4.8乃至7.1であることが好ましい。
また、本発明に係るチタニヤ系フラックス入りワイヤは、請求項1又は2に記載の溶接金属を得るための鋼製外皮に、フラックスを充填してなるチタニヤ系フラックス入りワイヤであって、ワイヤ全質量あたり、B:0.0155質量%以下(0は含まない)、N:0.001乃至0.022質量%、Ti:0.60質量%以下(0は含まない)、Mn:2.30乃至3.75質量%、Si:0.85質量%以下(0は含まない)、C:0.030乃至0.055質量%、及びTiO:5乃至7質量%を含有し、Ti、TiO及びNの含有量(質量%)を夫々[Ti]、[TiO]及び[N]とするとき、以下の関係を満たすことを特徴とする。
270<{9.0×[Ti]+[TiO]−2.4}/{[N]+0.007}<530
この場合に、前記[Ti]、[TiO]及び[N]は、以下の関係を満たすことが好ましい。
320<{9.0×[Ti]+[TiO]−2.4}/{[N]+0.007}<470
本発明によれば、溶接金属のTi及びNの含有量を夫々[Ti]及び[N]として、[Ti]/[N]を4乃至8の範囲に設定するので、溶接金属の耐高温割れ性を向上させることができると共に、Alを添加していないので、延性を低下させることがないという効果を奏する。
以下、本発明について更に詳細に説明する。本発明者等は、チタニヤ系フラックス入りワイヤを使用して、造船用鋼板、橋梁用鋼板及び海洋構造物鋼板を溶接したときに得られた溶接金属の耐高温割れ性を調査し、優れた耐高温割れ性が得られる溶接金属を得るべく、種々実験研究した結果、溶接金属中のTi及びNの含有量を夫々[Ti]及び[N]としたときに、[Ti]/[N]を4乃至8の範囲、好ましくは、4.8乃至7.1にしたときに、溶接金属の耐高温割れ性を向上させることができることを見出した。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
先ず、本発明の溶接金属の成分添加理由及び組成限定理由について説明する。
「B:0.005質量%以下(0は含まない)」
Bは、溶接金属の結晶粒を微細化し、その強度を向上させる効果があるが、Bの含有量が0.005質量%を超えると、著しく耐高温割れ性が低下する。このため、Bの含有量は、0.005質量%以下(0は含まない)とする。
「N:0.0045乃至0.02質量%」
Nはその含有量が0.02質量%を超えると、溶接金属の靭性を著しく低下させる。このため、Nの含有量を0.02質量%以下にする。また、Nは、その含有により、溶接金属の強度確保、又はBをBNとして固定化することで耐高温割れ感受性を改善することができる。この作用効果を得るためには、Nの含有量は、0.0045質量%以上とすることが必要である。
「Ti:0.025乃至0.1質量%」
Tiは、脱酸剤及び作業性の向上を目的として添加されるが、Ti含有量が0.025質量%未満ではその効果が十分でない。また、Ti含有量が0.1質量%を超えると、溶接金属の靭性が低下するため、Ti含有量は0.1質量%以下とする。
「Mn:1.0乃至1.7質量%」
Mnは脱酸剤及び溶接金属の機械的性質を調整するために溶接金属中に添加するが、Mn含有量が1.0質量%未満では、溶接金属の靭性(衝撃値)が低く、また、Mnが1.7質量%を超えると、溶接金属の強度が高くなりすぎる。従って、Mn含有量は1.0乃至1.7質量%とする。
「Si:0.2乃至0.7質量%」
Siは脱酸剤及び溶接金属の流動性を調整して溶接ビードのなじみを良くするために溶接金属中に添加する。しかし、Siが0.2質量%未満では、ビードが凸ビードになり易く、また、脱酸不足によるブローホール(気孔)が多発する。一方、Siが0.7質量%を越えると、溶接金属の強度が高くなりすぎて、溶接金属の靭性が著しく低下すると共に、耐高温割れ性が悪化する。従って、Si含有量は、0.2乃至0.7質量%とする。
「C:0.05乃至0.09質量%」
Cは溶接金属の強度を増加させる元素であるが、Cが0.05%未満では、溶接金属が所望の強度を得ることができない。一方、C含有量が0.09質量%を超えると、溶接金属の靭性が低下するため、望ましくない。このため、C含有量は0.05乃至0.09質量%とする。
「O:0.05乃至0.09質量%」
一般に、鋼材中の酸素は靭性及び展性特性を低下させる傾向があり、Oは0.09質量%以下とする。その一方で、これとは反対に、溶接金属内に0.05質量%以上の酸素を含有することで、微細に分散された介在物が形成され、良好な靭性が得られる。以上のことから、酸素含有量は、0.05乃至0.09質量%とする。
「Cu,Ni,Cr,Mo,Al,Nb,及びV:総量で0.5質量%以下(0を含まない)」
また、Cu,Ni,Cr,Mo,Al,Nb,及びVからなる群から選択された少なくとも1種を含有することにより、溶接金属の強度及び靭性を向上させることができる。この場合に、Cu,Ni,Cr,Mo,Al,Nb,及びVからなる群から選択された少なくとも1種の元素を総量で、0.5質量%を超えて添加すると、逆に溶接金属の強度が上がりすぎ、また靭性が低下するため、望ましくない。このため、Cu,Ni,Cr,Mo,Al,Nb,及びVからなる群から選択された少なくとも1種の元素を総量で、0.5質量%以下添加する。
「不可避的不純物」
不可避的不純物としては、P及びSがある。この場合に、不可避的不純物としてのPの含有量が0.015質量%を超えると、溶接金属の耐高温割れ性が著しく劣るため、Pは0.015質量%以下に規制することが必要である。
また、不可避的不純物としてのSの含有量が0.015質量%を超えると、同様に溶接金属の耐高温割れ性が著しく劣るため、Sは0.015質量%以下とすることが必要である。
「[Ti]/[N]:4乃至8、好ましくは、4.8乃至7.1」
[Ti]/[N]を4乃至8、好ましくは、4.8乃至7.1にすることにより、溶接金属の耐高温割れ性を向上させることができる。[Ti]/[N]が4未満では、溶接金属中のN量が過剰となり、溶接金属の液相線温度から凝固温度までの温度域が広がり、溶接金属の凝固割れが発生し、耐高温割れ性が低下する。一方、[Ti]/[N]が8を超えると、溶接金属中のTi量が過剰となり、溶接金属の液相線温度から凝固温度までの温度域が広がり、溶接金属に凝固割れが発生し、耐高温割れ性が低下する。このため、[Ti]/[N]は4乃至8の範囲内にする。好ましくは、[Ti]/[N]は4.8乃至7.1とする。
「ワイヤの組成」
本発明に係るチタニヤ系フラックス入りワイヤは、鋼製外皮に、フラックスを充填してなるチタニヤ系フラックス入りワイヤであって、ワイヤ全質量あたり、B:0.0155質量%以下(0は含まない)、N:0.001乃至0.022質量%、Ti:0.60質量%以下(0は含まない)、Mn:2.30乃至3.75質量%、Si:0.85質量%以下(0は含まない)、C:0.030乃至0.055質量%、及びTiO:5乃至7質量%を含有するものである。
この場合に、Ti、TiO及びNの含有量(質量%)を夫々[Ti]、[TiO]及び[N]とするとき、これらは、以下の関係を満たすものである。
270<{9.0×[Ti]+[TiO]−2.4}/{[N]+0.007}<530
{9.0×[Ti]+[TiO]−2.4}/{[N]+0.007}が270未満では、溶接金属中のN量が過剰となり、溶接金属の液相線温度から凝固温度までの温度域が広がり、溶接金属の凝固割れが発生しやすくなり、耐高温割れ性が低下する。一方、{9.0×[Ti]+[TiO]−2.4}/{[N]+0.007}が530を超えると、溶接金属中のTi量が過剰となり、溶接金属の液相線温度から凝固温度までの温度域が広がり、溶接金属に凝固割れが発生しやすくなり、耐高温割れ性が低下する。このため、Ti及びN等は、上記関係を満たすことが好ましい。
更に、前記[Ti]、[TiO]及び[N]は、以下の関係を満たすことがより好ましい。
320<{9.0×[Ti]+[TiO]−2.4}/{[N]+0.007}<470
なお、B源としては、Fe−B,Fe−Si−B,B等がある。P,S源は鋼製外皮及びフラックス原料の不純物。N源は鋼製外皮及びチッ化クロム、チッ化チタン、フラックス原料の不純物等がある。Ti源としては、金属Ti及びFe−Ti等がある。TiO源はルチール、チタン酸カルシウム、チタン酸カリガラス、及びルコキシン等がある。なお、TiOの下限よりも低くなると立向の作業性が劣化し、上限を超えると溶接金属の酸素量が高くなる傾向にある。Mn源としては、鋼製外皮中のMn,金属Mn,Fe−Mn,Fe−Si−Mn等がある。Si源としては、鋼製外皮中のSi,Fe−Si,Fe−Si−Mn,Fe−Si−B,Fe−Si−Mg,REM(希土類元素)−Ca−Si等がある。C源としては、鋼製外皮中のC,C単体、及び鉄粉又は金属粉中のC等がある。
本発明のフラックス入りワイヤは、Feを80質量%以上含有し、そのFe源は、鋼製外皮、鉄粉、Fe合金のFe等がある。その他、残部は、前述のB,P,S,N,Ti,TiO,Mn,Si,C源として使用する原料の該当成分以外の成分と、金属Cu,Ni,Cr,Mo,Al,Nb,Mg,V,Ca,Zn等の不可避的不純物及びスラグ生成剤を含む。なお、スラグ生成剤としては、SiO,CaO,NaO,ZrO,KO,Al,LiO,Bi,KSiF,CaF,BaF,NaF,V,FeO,Nb,Cr,Fe,SnO,SrF,AlF,MgF,LiF,CaCO,MgCO,BaCO,LiCO,NaCO,又はSrCO等がある。また、フラックス入りワイヤのフラックス充填率は10〜20%とすることが好ましい。
次に、本発明の効果を実証するための実験結果について説明する。JIS SM400B鋼を溶接対象鋼種に選定し、図1に示す開先形状にて溶接試験を行った。図1は、本実施例の耐高温割れ性能試験に使用する溶接母材の開先形状を示す断面図である。溶接母材1はV形状の開先を有し、このV形状の開先部の裏面には、耐火物2及びアルミニウムテープ3等からなる裏あて材が配置されている。本実施例の耐高温割れ性能試験においては、このV形状の開先角度を35゜として、裏あて材が配置されている部分のルート間隔を4mmとした。そして、溶接電流を240A、運棒方法はストレート、繰り返し数を2回とし、片面溶接の初層溶接について、X線透過試験(JIS Z 3104)にて内部割れを確認し、その全長を測定した。そして、割れ率Wを、(割れの全長)/(溶接長)×100として、割れ率Wを算出した。なお、割れ率Wは、繰り返し数2回の平均値とした。供試材のSM400B材の組成を下記表1に示す。また、使用した溶接ワイヤの組成(質量%)を下記表2に示す。なお、溶接ワイヤのTi、TiO及びNの含有量(質量%)を夫々[Ti]、[TiO]及び[N]とするとき、{9.0×[Ti]+[TiO]−2.4}/{[N]+0.007}の値を下記表2に示す。
Figure 0005096062
Figure 0005096062
Figure 0005096062
なお、表2−2における残部は、Cu,Ni,Cr,Mo、Al,Nb,又はV等である。
上記表1に示す組成のSM400B鋼板を、図1に示す開先形状で、表2に示す溶接ワイヤを使用して下記表3に示す溶接条件で溶接した。
Figure 0005096062
その結果、下記表4に示す組成(質量%)の溶接金属が得られた。なお、溶接金属の[Ti]/[N]は、下記表5に示す。
Figure 0005096062
Figure 0005096062
この表4において、溶接金属の実施例No.1乃至3は、溶接ワイヤの実施例No.1乃至3を使用し、溶接金属の比較例No,4乃至8は、溶接ワイヤの比較例No.4乃至8を使用し、溶接金属の実施例No.9乃至23は、溶接ワイヤの実施例No.9乃至23を使用した。
そして、得られた各溶接金属の割れ率、耐高温割れ性及び溶接速度を、溶接金属の[Ti]/[N]と共に、下記表5に示す。
Figure 0005096062
表4に示すように、B、P、S、N、Tiの含有量は、実施例1乃至3,9乃至23と比較例4乃至8の全てが本発明の範囲を満たしている。しかし、[Ti]/[N]の値が、実施例1乃至3,9乃至23は、本発明の範囲を満たすのに対し、比較例4乃至8は、本発明の範囲から外れるものである。
その結果、表5から明らかなように、溶接速度は、ほぼ同程度であるにも拘わらず、実施例1乃至3,9乃至23は、割れ率が低く、比較例4乃至8は、割れ率が実施例の数倍以上も高いものであった。このため、実施例1乃至3、9乃至23は、耐高温割れ性が優れている(○)が、比較例4乃至8は耐高温割れ性が劣るものであった(×)。
図2(a)及び(b)は、この割れ率を縦軸にとり、[Ti]/[N]を横軸にとって、表5の関係をグラフ化したものである。図2(a)は、表5の実施例1乃至3及び比較例4乃至8をプロットしたものであり、図2(b)は、表5の実施例1乃至3,比較例4乃至8及び実施例9乃至23の全てをプロットしたものである。この図2(a)、(b)に示すように、[Ti]/[N]が4乃至8の場合に、それ以外のものに比較して、割れ率が極めて小さくなることがわかる。この場合に、[Ti]/[N]が4.8乃至7.1の範囲にある場合には、更に一層割れ率が低くなる。
以上のように、[Ti]/[N]を4乃至8、好ましくは[Ti]/[N]を4.8乃至7.1にすることにより、高温割れの割れ率をこの範囲から外れる場合に比較して、著しく低下させることができる。
本発明の実施例の耐高温割れ性能試験に使用する溶接母材の開先形状を示す断面図である。 (a)、(b)は横軸に[Ti]/[N]をとり、縦軸に割れ率(%)をとって、両者の関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1:溶接母材
2:耐火材
3:アルミニウムテープ

Claims (4)

  1. チタニヤ系フラックス入りワイヤで溶接された溶接金属において、B:0.005質量%以下(0は含まない)、N:0.0045乃至0.02質量%、Ti:0.025乃至0.1質量%、Mn:1.0乃至1.7質量%、Si:0.2乃至0.7質量%、C:0.05乃至0.09質量%、及びO:0.05乃至0.09質量%を含有し、更に、Cu,Ni,Cr,Mo,Al,Nb,及びVからなる群から選択された少なくとも1種の元素を0.5質量%以下(0は含まない)を含有し、残部がFe及び不可避的不純物であり、前記不可避的不純物のうち、P:0.015質量%以下、及びS:0.015質量%以下に規制し、Ti及びNの含有量(質量%)を夫々[Ti]及び[N]とするとき、[Ti]/[N]は4乃至8であることを特徴とする溶接金属。
  2. 前記[Ti]/[N]は4.8乃至7.1であることを特徴とする請求項1に記載の溶接金属。
  3. 請求項1又は2に記載の溶接金属を得るための鋼製外皮に、フラックスを充填してなるチタニヤ系フラックス入りワイヤであって、ワイヤ全質量あたり、B:0.0155質量%以下(0は含まない)、N:0.001乃至0.022質量%、Ti:0.60質量%以下(0は含まない)、Mn:2.30乃至3.75質量%、Si:0.85質量%以下(0は含まない)、C:0.030乃至0.055質量%、及びTiO:5乃至7質量%を含有し、Ti、TiO及びNの含有量(質量%)を夫々[Ti]、[TiO]及び[N]とするとき、以下の関係を満たすことを特徴とするチタニヤ系フラックス入りワイヤ。
    270<{9.0×[Ti]+[TiO]−2.4}/{[N]+0.007}<530
  4. 前記[Ti]、[TiO]及び[N]は、以下の関係を満たすことを特徴とする請求項3に記載のチタニヤ系フラックス入りワイヤ。
    320<{9.0×[Ti]+[TiO]−2.4}/{[N]+0.007}<470
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