JP5094139B2 - 研磨液 - Google Patents
研磨液 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5094139B2 JP5094139B2 JP2007012664A JP2007012664A JP5094139B2 JP 5094139 B2 JP5094139 B2 JP 5094139B2 JP 2007012664 A JP2007012664 A JP 2007012664A JP 2007012664 A JP2007012664 A JP 2007012664A JP 5094139 B2 JP5094139 B2 JP 5094139B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polishing
- general formula
- polishing liquid
- acid
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
LSIなどの半導体デバイスを製造する際には、微細な配線を多層に形成することが行われており、その各層においてCuなどの金属配線を形成する際には層間絶縁膜への配線材料の拡散を防止することや、配線材料の密着性を向上させることを目的として、TaやTaN、Ti、TiNなどのバリアメタルを前もって形成することが行われている。
このディッシングを軽減するため、金属膜CMPの次に行うバリアメタルCMPでは、金属配線部の研磨速度とバリアメタル部の研磨速度とを調整して、最終的にディッシングやエロージョンなどの段差が少ない配線層を形成することが求められている。即ち、バリアメタルCMPでは、金属配線材に比較してバリアメタルや層間絶縁膜の研磨速度が相対的に小さい場合は、配線部が早く研磨されるなどディッシングや、その結果としてのエロージョンが発生してしまうため、バリアメタルや絶縁膜層の研磨速度は適度に大きい方が望ましい。これはバリアメタルCMPのスループットを上げるメリットがあることに加え、実際的には金属膜CMPによってディッシングが発生していることが多く、前述の理由からバリアメタルや絶縁膜層の研磨速度を相対的に高くすることが求められている点においても望ましいからである。
しかしながら、このような固体砥粒を含む研磨液を用いてCMPを行うと、研磨傷(スクラッチ)、研磨面全体が必要以上に研磨される現象(シニング)、研磨金属面が皿上にたわむ現象(ディッシング)、金属配線間の絶縁体が必要以上に研磨された上、複数の配線金属面が皿上にたわむ現象(エロージョン)などが発生することがある。
また、固体砥粒を含有する研磨液を用いることによって、研磨後に、半導体面に残留する研磨液を除去するために通常行なわれる洗浄工程が複雑となり、更に、その洗浄後の液(廃液)を処理するには、固体砥粒を沈降分離する必要があるなどコスト面での問題点が存在する。
例えば、研磨傷をほとんど発生させずに高速研磨することを目的としたCMP研磨剤及び研磨方法(例えば、特許文献1参照。)、CMPにおける洗浄性を向上させた研磨組成物及び研磨方法(例えば、特許文献2参照。)、及び、研磨砥粒の凝集防止を図った研磨用組成物(例えば、特許文献3参照。)がそれぞれ提案されている。
しかしながら、上記のような研磨液においても、バリア層を研磨する際に高研磨速度を実現し、且つ、層間絶縁膜の研磨速度を任意に制御しうる技術は、未だ得られていないのが現状である。
本発明の研磨液は、下記一般式(3)で表される化合物のうち少なくとも1種が表面に吸着し、研磨液中にて表面が正のζ電位を示すコロイダルシリカ、カルボキシル基を有する化合物、ベンゾトリアゾール及びベンゾトリアゾールに置換基が導入されてなる誘導体のうち少なくとも1種の腐食抑制剤、及び下記一般式(1)で表される化合物又は下記一般式(2)で表される化合物のうち少なくとも1種の界面活性剤を含み、pHが3.0〜4.5であることを特徴とする研磨液である。
即ち、現在、層間絶縁膜として使用されている膜種(例えば、BD等)はSiに結合する水酸基を炭化水素基に置換することで低誘電率を達成している。このような層間絶縁膜は膜中に含まれる炭化水素基の量は、無置換単体の絶縁膜(例えば、TEOS等:層間絶縁膜の上部のCAP層などに使用される)に比較して多量に含まれているという特徴がある。これに由来して、層間絶縁膜は無置換体よりも、(1)疎水性が高い、(2)表面がプラスに帯電するという特性を有する。
このような条件の基、即ち、界面活性剤を添加すると、活性剤の疎水部分が層間絶縁膜の表面に吸着することでその表面に界面活性剤の親水基が集合する形をとり易くなる。これによって陰イオン性の界面活性剤を用いた場合には、層間絶縁膜の表面は陰イオン性に、陽イオン性の界面活性剤を用いた場合には、層間絶縁膜の表面は陽イオン性に変化すると考えられる。
そのため、本発明のように、正のゼータ電位を有するコロイダルシリカ(研磨粒子)を用いた場合には、陰イオン性の界面活性剤を用いると、研磨粒子と層間絶縁膜は静電的に吸着し、研磨速度を効果的に上昇でき、また、陽イオン性の界面活性剤を用いると、研磨粒子と層間絶縁膜は静電的に反発し、研磨速度を効果的に抑制できると考えられる。
本発明の研磨液は、半導体集積回路のバリア層を研磨するための研磨液であって、必須成分として、(A)一般式(3)で表される化合物のうち少なくとも1種が表面に吸着し、研磨液中にて表面が正のζ電位を示すコロイダルシリカ、(B)カルボキシル基を有する化合物、(C)ベンゾトリアゾール及びベンゾトリアゾールに置換基が導入されてなる誘導体のうち少なくとも1種の腐食抑制剤と、及び(D)一般式(1)で表される化合物又は一般式(2)で表される化合物のうち少なくとも1種の界面活性剤を含み、pHが3.0〜4.5であることを特徴とし、更に必要に応じて、任意の成分を含んでいてもよい。
本発明の研磨液が含有する各成分は1種を単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
以下、本発明の研磨液を構成する各成分について詳細に説明する。
本発明の研磨液は、砥粒の少なくとも一部として、(A)表面が正のζ電位を示すコロイダルシリカを含有する。
このコロイダルシリカとしては、表面が正のζ電位を示していれば特に制限はないが、カチオン性化合物が表面に吸着したコロイダルシリカであることが好ましい。
このように、表面を修飾又は改質されるコロイダルシリカとしては、粒子内部にアルカリ金属などの不純物を含有しない、アルコキシシランの加水分解により得たコロイダルシリカであることが好ましい。一方、ケイ酸アルカリ水溶液からアルカリを除去する方法で製造したコロイダルシリカも用いることができるものの、この場合、粒子の内部に残留するアルカリ金属が徐々に溶出し、研磨性能に影響を及ぼす懸念がある。このような観点からは、アルコキシシランの加水分解により得られたものが原料としてはより好ましい。
原料となるコロイダルシリカの粒径は、砥粒の使用目的に応じて適宜選択されるが、一般的には10〜200nm程度である。
ここで用いられるカチオン性化合物としては、その他膜種に対する研磨性能を大きく阻害しない点から、下記一般式(3)で表される化合物、又は、下記一般式(4)で表されるポリイミン構造を有する化合物であることが好ましい。中でも、本発明では、(A)表面が正のζ電位を示すコロイダルシリカとして、一般式(3)で表される化合物のうち少なくとも1種が表面に吸着したコロイダルシリカを用いることを要する。
以下、下記一般式(3)で表される化合物、及び、下記一般式(4)で表されるポリイミン構造を有する化合物について説明する。
R5で表される炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、フェニル基などが挙げられ、中でも、炭素数1〜5の直鎖アルキル基が好ましい。
R6は、好ましくは炭素数1〜10の2価の炭化水素基、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基などを表す。
R7は、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アルキルフェニル基などを表す。
R6及びR7で表される炭化水素基は更に置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基などが挙げられる。
即ち、一般式(4)で表されるポリイミン構造を有する化合物は、上記構造単位がn個連結してなるポリマーであり、重量平均分子量は100〜20000程度であることが、コロイダルシリカ(研磨粒子)の安定性の観点から好ましい。従って、一般式(4)における構造単位の繰返し数を示すnは、構造単位が有する置換基やその分子量、及び化合物としての上記好ましい重量平均分子量より適宜決定される。
これにより、若干の負電荷を有するコロイダルシリカ表面に、上記のような構造のカチオン性化合物が吸着し、(A)表面が正のζ電位を示すコロイダルシリカが得られる。
本発明の研磨液に対し、(A)表面が正のζ電位を示すコロイダルシリカと併用しうる砥粒としては、ヒュームドシリカ、セリア、アルミナ、チタニア等が挙げられる。これら併用砥粒のサイズは、(A)表面が正のζ電位を示すコロイダルシリカと同等か、それ以上、また、2倍以下であることが好ましい。
本発明の研磨液には、(B)カルボキシル基を有する化合物を含有することを要する。 カルボキシル基を有する化合物としては、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物であれば特に制限はないが、研磨速度構造の観点から、下記一般式(5)で表される化合物を選択することが好ましい。
なお、分子内に存在するカルボキシル基は、1〜4個であることが好ましく、安価に使用できる観点からは、1〜2個であることがより好ましい。
R8は、1価の炭化水素基である、例えば、炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、シクロアルキル基等)、アリール基(例えば、フェニル基等)、アルコキシ基、アリールオキシ基などが好ましい。
R9は、2価の炭化水素基である、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基(例えば、メチレン基、シクロアルキレン基等)、アリーレン基(例えば、フェニレン基等)、アルキレンオキシ基などが好ましい。
R8及びR9で表される炭化水素基は更に置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、例えば、例えば、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルボキシル基、などが挙げられ、置換基としてカルボキシル基を有する場合、この化合物は複数のカルボキシル基を有することになる。
また、R8とR9は互いに結合して、環状構造を形成していてもよい。
本発明の研磨液には、被研磨表面に吸着して皮膜を形成し、金属表面の腐食を制御する腐食抑制剤を含有する。本発明における腐食抑制剤としては、分子内に3以上の窒素原子を有し、且つ、縮環構造を有する複素芳香環化合物を含有することが好ましい。ここで、「3以上の窒素原子」は、縮環を構成する原子であることが好ましく、このような複素芳香環化合物として、本発明では、ベンゾトリアゾール、及び該ベンゾトリアゾールに種々の置換基が導入されてなる誘導体のうち少なくとも1種を用いることを要する。
本発明の研磨液は、(D)界面活性剤を含有する。
本発明の研磨液において、(D)界面活性剤の種類、量を調整することで、絶縁層の研磨速度を制御することや、絶縁層の研磨速度を向上することができる。
本発明では、絶縁層の研磨速度を向上させる観点からは、下記一般式(1)で表される化合物のうち少なくとも1種が用いられ、また、絶縁層の研磨速度を制御させる観点からは、下記一般式(2)で表される化合物のうち少なくとも1種が用いられることを要する。
具体的には、例えば、炭素数6〜20のアルキル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)などが好ましく、このアルキル基やアリール基は、更にアルキル基等の置換基を有していてもよい。
R1〜R4で表される炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、フェニル基などが挙げられ、中でも、炭素数1〜20の直鎖及び分鎖アルキル基が好ましく挙げられる。
なお、R1〜R4のうち2つが互いに結合し、ピリジン構造、ピロリジン構造、ピペリジン構造、ピロール構造などの環状構造を形成してもよい。
より具体的には、カルボン酸塩としては、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド;
硫酸エステル塩として、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩;
リン酸エステル塩として、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩を好ましく用いることができる。
本発明の研磨液は、研磨対象の金属を酸化できる化合物(酸化剤)を含有する。
酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水、及び銀(II)塩、鉄(III)塩が挙げられ、中でも、過酸化水素が好ましく用いられる。
鉄(III)塩としては、例えば、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、臭化鉄(III)など無機の鉄(III)塩の他、鉄(III)の有機錯塩が好ましく用いられる。
本発明の研磨液は、pHが3.0〜4.5の範囲であることを要する。研磨液のpHをこの範囲に制御することで、層間絶縁膜の研磨速度調整がより顕著に行うことが可能にある。
pHを上記範囲に調整するために、アルカリ/酸又は緩衝剤が用いられる。本発明の研磨液は、pHがこの範囲において優れた効果を発揮する。
アルカリ/酸又は緩衝剤としては、アンモニア、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、硝酸、硫酸、りん酸などの無機酸、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、リン酸三ナトリウムなどのリン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩等を好ましく挙げることができる。特に好ましいアルカリ剤として水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
本発明の研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤(すなわち硬水軟化剤)を含有することが好ましい。
キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物であり、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。
キレート剤の添加量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良く、例えば、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0003mol〜0.07molになるように添加する。
本発明の研磨液の研磨対象のバリア層を構成する材料としては、一般に低抵抗のメタル材料がよく、特に、TiN、TiW、Ta、TaN、W、WNが好ましく、中でも、Ta、TaNが特に好ましい。
本発明の研磨液の研磨対象の層間絶縁膜としては、TEOS等の通常用いられる層間絶縁膜の他、例えば、比誘電率が3.5〜2.0程度の低誘電率の材料(例えば、有機ポリマー系、SiOC系、SiOF系、等が挙げられ、通常、Low−k膜と略称される)を含む層間絶縁膜が挙げられる。
具体的には、低誘電率の層間絶縁膜の形成に用いる材料として、SiOC系ではHSG−R7(日立化成工業)、BLACKDIAMOND(Applied Materials, Inc)などがある。
本発明においては、研磨対象である被研磨体は、例えば、LSI等の半導体デバイスに適用されるような、銅金属及び/又は銅合金からなる配線を有することが好ましい。特にこの配線の原材料としては、銅合金が好ましい。更に、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が好ましい。
なお、銅合金に含有される銀含量は、40質量%以下が好ましく、特には10質量%以下、更には1質量%以下が好ましく、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
本発明においては、研磨対象である被研磨体が、例えば、DRAMデバイス系に適用される場合、ハーフピッチで0.15μm以下である配線を有することが好ましく、より好ましくは0.10μm以下、更に好ましくは0.08μm以下である。
一方、被研磨体が、例えば、MPUデバイス系に適用される場合、0.12μm以下である配線を有することが好ましく、より好ましくは0.09μm以下、更に好ましくは0.07μm以下である。
このような配線を有する被研磨体に対して、上述の本発明における研磨液は特に優れた効果を発揮する。
本発明の研磨液は、1.濃縮液であって、使用する際に水又は水溶液を加えて希釈して使用液とする場合、2.各成分が次項に述べる水溶液の形態で準備され、これらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、3.使用液として調製されている場合がある。
本発明の研磨液を用いた研磨方法にはいずれの場合の研磨液も適用可能である。
この研磨方法は、研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨体の被研磨面と接触させて、被研磨面と研磨パッドを相対運動させる方法である。
研磨終了後の被研磨体は、流水中でよく洗浄された後、スピンドライヤ等を用いて被研磨体上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させる。
このように、濃縮液を水溶液で希釈して使用する場合には、溶解しにくい成分を水溶液の形で後から配合することができることから、より濃縮した濃縮液を調製することができる。
例えば、酸化剤を構成成分(A)とし、有機酸、添加剤、界面活性剤、及び水を構成成分(B)とし、それらを使用する際に水又は水溶液で、構成成分(A)及び構成成分(B)を希釈して使用することができる。
また、溶解度の低い添加剤を2つの構成成分(A)と(B)に分け、例えば、酸化剤、添加剤、及び界面活性剤を構成成分(A)とし、有機酸、添加剤、界面活性剤、及び水を構成成分(B)とし、それらを使用する際に水又は水溶液を加え、構成成分(A)及び構成成分(B)を希釈して使用する。
その他の混合方法は、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法や、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された研磨液を供給する方法がある。
本発明において、本発明においては、研磨液の成分を二分割以上に分割して、被研磨面に供給する方法を適用する場合、その供給量は、各配管からの供給量の合計を表すものである。
本発明の研磨方法に適用しうる研磨用の研磨パッドは、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に、一般的に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては、不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、被研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
本発明における研磨液でCMPを行なう対象の被研磨体としてのウエハは、径が200mm以上であることが好ましく、特には300mm以上が好ましい。300mm以上である時に顕著に本発明の効果を発揮する。
本発明の研磨液を用いて研磨を実施できる装置は、特に限定されないが、Mirra Mesa CMP、Reflexion CMP(アプライドマテリアルズ)、FREX200、FREX300 (荏原製作所)、NPS3301、NPS2301(ニコン)、A−FP−310A、A−FP−210A(東京精密)、2300 TERES(ラムリサーチ)、Momentum(Speedfam IPEC)などを挙げることができる。
下記に示す組成の研磨液を調製し、研磨実験を行った。
<組成(1)>
・(A)表面が正のζ電位を示すコロイダルシリカ
(1)コロイダルシリカ(PL3スラリー、扶桑化学工業社製) 200g/L
(2)カチオン性化合物:硝酸テトラブチルアンモニウム(TBA) 1g/L
・(B)カルボキシル基を有する化合物:ジグリコール酸 15g/L
(和光純薬工業(株)製)
・(C)腐食抑制剤:ベンゾトリアゾール(BTA) 0.5g/L
・(D)界面活性剤:デシルベンゼンスルホン酸 0.03g/L
・純水を加えて全量 1000mL
pH(アンモニア水と硝酸で調整) 3.5
得られた研磨液に含まれる(A)表面が正のζ電位を示すコロイダルシリカの表面のζ電位を下記の条件で測定した。その結果、ゼータ電位は12mVであり、正の値を示すことが確認された。ここで、ゼータ電位は、日本ルフト社製DT−1200によって、実施例1の研磨液を非濃縮の形で測定した。
研磨装置としてラップマスター社製装置「LGP−612」を使用し、下記の条件で、スラリーを供給しながら、下記に示す各ウエハ膜を研磨した。
・テーブル回転数:64rpm
・ヘッド回転数:65rpm
・研磨圧力:13.79kPa
・研磨パッド:ロデール・ニッタ株式会社製 IC1400 XY−K−Pad
・研磨液供給速度:200ml/min
研磨対象物として、Si基板上に、研磨対象物(Ta,TEOS,BD)を成膜した8インチウエハを使用した。
研磨対象物として、フォトリソグラフィー工程と反応性イオンエッチング工程によりTEOS(テトラエトキシシラン)基板をパターニングして、幅0.09〜100μm、深さ600nmの配線用溝と接続孔を形成、更に、スッパタリング法により厚さ20nmのTa膜を形成し、続いてスッパタリング法により厚さ50nmの銅膜を形成後、メッキ法により合計厚さ1000nmの銅膜を形成した8inchウェハを使用した。
研磨速度は、CMP前後におけるta(バリア層)、TEOS(絶縁膜)、BD(低誘電率の絶縁膜)の膜厚をそれぞれ測定し、以下の式から換算することで求めた。
研磨速度(Å/分)=(研磨前の層(膜)厚さ−研磨後の層(膜)厚さ)/研磨時間
得られた結果を表1に示す。
バリア金属材料であるTaが全面露出したパターンウェハに対し、実施例1の研磨液を用いて60秒間研磨し、ラインアンドスペース部(ライン9μm、スペース1μm)のエロージョンを、触針式段差計DektakV320Si(Veeco社製)を用いて測定した。
実施例1における組成(1)を、下記表1乃至表6に記載の組成に変更して調製した研磨液を用い、実施例1と同様の研磨条件で、研磨実験を行った。結果を表1乃至表6に示す。
TBA:硝酸テトラブチルアンモニウム〔(2)カチオン性化合物〕
TMA:硝酸テトラメチルアンモニウム〔(2)カチオン性化合物〕
TEA:硝酸テトラエチルアンモニウム〔(2)カチオン性化合物〕
PEI:ポリエチレンイミン(重要平均分子量2000)〔(2)カチオン性化合物〕
PPI:ポリプロピレンイミン(重要平均分子量3000)〔(2)カチオン性化合物〕
BTA:1,2,3−ベンゾトリアゾール〔(C)成分〕
BS:デシルベンゼンスルホン酸〔(D)成分〕
DBS:ドデシルベンゼンスルホン酸〔(D)成分〕
TBS:テトラデシルベンゼンスルホン酸〔(D)成分〕
HBS:ヘキサデシルベンゼンスルホン酸〔(D)成分〕
DNS:ドデシルナフタレンスルホン酸〔(D)成分〕
TNS:テトラデシルナフタレンスルホン酸〔(D)成分〕
LTM:硝酸ラウリルトリメチルアンモニウム〔(D)成分〕
LTE:硝酸ラウリルトリエチルアンモニウム〔(D)成分〕
DP:硝酸ドデシルピリジニウム〔(D)成分〕
また、表1乃至表6に記載されたコロイダルシリカPL3、及びPL3Hは、共に、扶桑化学工業社製であり、その一次粒径、及び形状は、以下の通りである。
PL3:35nm(一次粒径)、cocoon−shaped(形状)
PL3H:35nm(一次粒径)、aggregate(形状)
また、研磨後のエロージョンの性能は、実施例1〜18、参考例1〜12、比較例1〜5のいずれもが問題ない値となっている。
また、研磨後のエロージョンの性能は、実施例31〜39、参考例13〜18、比較例6〜10のいずれもが問題ない値となっている。
Claims (8)
- 半導体集積回路のバリア層を研磨するための研磨液であって、
下記一般式(3)で表される化合物のうち少なくとも1種が表面に吸着し、研磨液中にて表面が正のζ電位を示すコロイダルシリカ、カルボキシル基を有する化合物、ベンゾトリアゾール及びベンゾトリアゾールに置換基が導入されてなる誘導体のうち少なくとも1種の腐食抑制剤、及び下記一般式(1)で表される化合物又は下記一般式(2)で表される化合物のうち少なくとも1種の界面活性剤を含み、pHが3.0〜4.5であることを特徴とする研磨液。
[一般式(1)中、Rは炭化水素基を表す。]
[一般式(2)中、R1〜R4はそれぞれ独立に炭素数1〜18の炭化水素基を表す。但し、R1〜R4が全て同じ炭化水素基であることはない。]
[一般式(3)中、R5は全て同一の炭素数1〜18の炭化水素基を表す。] - 前記界面活性剤が、前記一般式(1)で表される化合物のうち少なくとも1種である請求項1に記載の研磨液。
- 前記一般式(1)におけるRが炭素数6〜20のアルキル基又はアリール基である請求項2に記載の研磨液。
- 前記界面活性剤が、前記一般式(2)で表される化合物のうち少なくとも1種である請求項1に記載の研磨液。
- 前記カルボキシル基を有する化合物が、下記一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の研磨液。
[一般式(5)中、R8及びR9はそれぞれ独立に炭化水素基を表す。] - 前記一般式(5)で表される化合物が、2−フランカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、3−フランカルボン酸、2−テトラヒドロフランカルボン酸、ジグリコール酸、メトキシ酢酸、メトキシフェニル酢酸、フェノキシ酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載のバリア用研磨液。
- 前記腐食抑制剤が、1,2,3−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、及び1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の研磨液。
- 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨体の被研磨面と接触させて、該被研磨面と該研磨パッドを相対運動させて当該被研磨面を研磨する研磨方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007012664A JP5094139B2 (ja) | 2007-01-23 | 2007-01-23 | 研磨液 |
TW96147339A TWI413678B (zh) | 2007-01-23 | 2007-12-12 | 研磨液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007012664A JP5094139B2 (ja) | 2007-01-23 | 2007-01-23 | 研磨液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008181954A JP2008181954A (ja) | 2008-08-07 |
JP5094139B2 true JP5094139B2 (ja) | 2012-12-12 |
Family
ID=39725642
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007012664A Active JP5094139B2 (ja) | 2007-01-23 | 2007-01-23 | 研磨液 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5094139B2 (ja) |
TW (1) | TWI413678B (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5441345B2 (ja) * | 2008-03-27 | 2014-03-12 | 富士フイルム株式会社 | 研磨液、及び研磨方法 |
JP2010067681A (ja) * | 2008-09-09 | 2010-03-25 | Fujifilm Corp | 研磨液及び研磨方法 |
JP5619009B2 (ja) * | 2008-09-19 | 2014-11-05 | キャボット マイクロエレクトロニクス コーポレイションCabot Microelectronics Corporation | 低k誘電体のためのバリアースラリー |
WO2010038706A1 (ja) | 2008-10-01 | 2010-04-08 | 旭硝子株式会社 | 研磨液及び研磨方法 |
JP5493526B2 (ja) * | 2009-07-14 | 2014-05-14 | 日立化成株式会社 | Cmp用研磨液及び研磨方法 |
JP5819589B2 (ja) * | 2010-03-10 | 2015-11-24 | 株式会社フジミインコーポレーテッド | 研磨用組成物を用いた方法 |
KR101385044B1 (ko) | 2011-12-30 | 2014-04-15 | 제일모직주식회사 | Cmp 슬러리 조성물 및 이를 이용한 연마 방법 |
US9631122B1 (en) * | 2015-10-28 | 2017-04-25 | Cabot Microelectronics Corporation | Tungsten-processing slurry with cationic surfactant |
WO2018038885A1 (en) * | 2016-08-26 | 2018-03-01 | Ferro Corporation | Slurry composition and method of selective silica polishing |
CN110431209B (zh) | 2017-03-14 | 2022-06-28 | 福吉米株式会社 | 研磨用组合物、其制造方法以及使用其的研磨方法及基板的制造方法 |
CN115537123B (zh) * | 2022-11-09 | 2023-08-15 | 博力思(天津)电子科技有限公司 | 一种聚醚醚酮材料用化学机械抛光液 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4816836B2 (ja) * | 1998-12-28 | 2011-11-16 | 日立化成工業株式会社 | 金属用研磨液及びそれを用いた研磨方法 |
JP3768401B2 (ja) * | 2000-11-24 | 2006-04-19 | Necエレクトロニクス株式会社 | 化学的機械的研磨用スラリー |
US6776810B1 (en) * | 2002-02-11 | 2004-08-17 | Cabot Microelectronics Corporation | Anionic abrasive particles treated with positively charged polyelectrolytes for CMP |
JP2004152785A (ja) * | 2002-10-28 | 2004-05-27 | Shibaura Mechatronics Corp | 銅拡散防止膜用研磨組成物および半導体装置の製造方法 |
US7018560B2 (en) * | 2003-08-05 | 2006-03-28 | Rohm And Haas Electronic Materials Cmp Holdings, Inc. | Composition for polishing semiconductor layers |
JP2005244123A (ja) * | 2004-02-27 | 2005-09-08 | Fujimi Inc | 研磨用組成物 |
JP2006179845A (ja) * | 2004-11-26 | 2006-07-06 | Fuji Photo Film Co Ltd | 金属用研磨液及び研磨方法 |
-
2007
- 2007-01-23 JP JP2007012664A patent/JP5094139B2/ja active Active
- 2007-12-12 TW TW96147339A patent/TWI413678B/zh active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008181954A (ja) | 2008-08-07 |
TWI413678B (zh) | 2013-11-01 |
TW200838997A (en) | 2008-10-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5094139B2 (ja) | 研磨液 | |
JP5322455B2 (ja) | 研磨液及び研磨方法 | |
JP5317436B2 (ja) | 金属用研磨液及びそれを用いた研磨方法 | |
JP5178121B2 (ja) | 研磨液及び研磨方法 | |
JP5441345B2 (ja) | 研磨液、及び研磨方法 | |
US8338303B2 (en) | Polishing liquid | |
US8409467B2 (en) | Polishing liquid for semiconductor integrated circuit | |
JP5403922B2 (ja) | 研磨液および研磨方法 | |
KR20080042748A (ko) | 연마액 | |
JP5285866B2 (ja) | 研磨液 | |
JP5094112B2 (ja) | 研磨液 | |
JP2009088080A (ja) | 化学的機械的研磨用研磨液 | |
JP5371207B2 (ja) | 研磨液及び研磨方法 | |
JP2010080864A (ja) | 研磨液 | |
JP2009206316A (ja) | 研磨液 | |
JP2009088249A (ja) | 研磨液 | |
JP5524385B2 (ja) | 研磨液 | |
JP2009231572A (ja) | 研磨液 | |
JP2008124221A (ja) | 研磨液 | |
JP2009158845A (ja) | 研磨液 | |
JP2009123940A (ja) | 研磨液 | |
JP2009260198A (ja) | 研磨液 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090908 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111206 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120206 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120828 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120918 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5094139 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150928 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |