JP2009260198A - 研磨液 - Google Patents

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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
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Abstract

【課題】本発明は、バリア層と層間絶縁膜を研磨するバリアメタルCMPに用いられる研磨液であって、特に、層間絶縁膜に対する優れた研磨速度が得られ、且つ、研磨後表面のコロージョン、有機物残渣の低減を同時に実現し得る研磨液を提供することを目的とする。
【解決手段】半導体集積回路のバリア層と層間絶縁膜との化学的機械的研磨に用いられる研磨液であって、コロイダルシリカ、防食剤、および2,2’−ビピリジル基を含有する化合物を含み、pHが2.0〜5.0であることを特徴とする研磨液。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体デバイスの製造工程において用いられる研磨液に関し、詳細には、半導体デバイスの配線工程での平坦化において主としてバリア金属材料からなるバリア層と層間絶縁膜との研磨に好適に用いられる研磨液に関する。
半導体集積回路(以下LSIと記す)で代表される半導体デバイスの開発においては、小型化・高速化のため、近年配線の微細化と積層化による高密度化・高集積化が求められている。このための技術として、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下CMPと記す)などの種々の技術が用いられてきている。このCMPは層間絶縁膜等の被加工膜の表面平坦化、プラグ形成、埋め込み金属配線の形成などを行う場合に必須の技術であり、基板の平滑化や配線形成時の余分な金属薄膜の除去や絶縁膜上の余分なバリア層の除去を行っている。
CMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに基板(ウエハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤および基板の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基板の表面を平坦化するものである。
LSIなどの半導体デバイスを製造する際には、微細な配線を多層に形成することが行われている。その各層においてCuなどの金属配線を形成する際には層間絶縁膜への配線材料の拡散を防止することや、配線材料の密着性を向上させることを目的として、Ta、TaN、Ti、TiN、Ruなどのバリアメタルを前もって形成することが行われている。
各配線層を形成するためには、まず、メッキ法などで盛付けられた余分な配線材を除去する金属膜のCMP(以下、金属膜CMPと呼ぶ)を1段または多段に亘って行う。次に、これによって表面に露出したバリア金属材料(バリアメタル)を除去するCMP(以下、バリアメタルCMPと呼ぶ)を行うことが一般的になされている。その際に、配線部が過研磨されてしまういわゆるディッシングや、更にエロージョンが引き起こされるという問題があった。
そこで、金属膜CMPの次に行うバリアメタルCMPでは、金属配線部の研磨速度とバリアメタル部の研磨速度とを調整して、最終的にディッシングやエロージョンなどの段差が少ない配線層を形成することが求められている。即ち、バリアメタルCMPにおいて、金属配線材と比較してバリアメタルや層間絶縁膜の研磨速度が小さい場合、金属配線部が早く研磨されてしまいディッシングやエロージョンが発生してしまう。これを防止するためにも、バリアメタルや層間絶縁膜の研磨速度は適度な大きさの速度を持つことが望ましい。また、上述したディッシングなどは金属膜CMPで発生している場合が多く、バリアメタルCMPにおいてバリアメタルや層間絶縁膜の研磨速度を金属配線材の研磨速度より高めることにより、金属膜CMPで生じたディッシングを低減させることが可能となる。なお、このような高研磨速度は、バリアメタルCMPのスループットを上げるというメリットにも繋がる。
また、多層配線を作製するためにCMP後配線に新たな材料を積層させるが、その際、各配線材の研磨後の表面状態は欠陥が少ない良好な状態であることが望まれている。具体的な欠陥として、コロージョン、有機物残渣、スクラッチ、ボイド、ピット等が挙げられる。
これらを解決する手段として、固体砥粒を含有する研磨液が幾つか提案されている。例えば、研磨傷をほとんど発生させずに高速研磨することを目的としたCMP研磨剤(特許文献1)、CMPにおける洗浄性を向上させた研磨組成物(特許文献2)、または、研磨砥粒の凝集防止を図った研磨用組成物(特許文献3)などが挙げられる。
特開2003−17446号公報 特開2003−142435号公報 特開2000−84832号公報
バリアメタルCMPにおいてはバリア層と層間絶縁膜に対して金属配線部と同等以上の研磨速度が望まれる。しかしながら、上述の研磨液では、特に層間絶縁膜に対する研磨が充分でなく、高い研磨速度が得られなかった。また、研磨後表面のコロージョン抑制、並びに有機物残渣低減などのウエハ面の欠陥数の抑制なども十分には達成されておらず、諸要求を十分に満足する研磨液は未だ見出されていない。
そこで、本発明は、バリア層と層間絶縁膜とを化学的機械的に研磨するバリアメタルCMPに用いられる研磨液であって、特に、層間絶縁膜に対する優れた研磨速度が得られ、且つ、研磨後表面のコロージョン、有機物残渣の低減を同時に実現し得る研磨液を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題に対し鋭意検討した結果、下記研磨液を用いることによって上記問題を解決できることを見出して目的を達成するに至った。
<1> 半導体集積回路のバリア層と層間絶縁膜との化学的機械的研磨に用いられる研磨液であって、コロイダルシリカ、防食剤、および2,2’−ビピリジル基を含有する化合物を含み、pHが2.0〜5.0であることを特徴とする研磨液。
<2> さらにカルボキシル基を有する有機酸を含む<1>に記載の研磨液。
<3> 前記有機酸が、二つ以上のカルボキシル基を有する有機酸である<2>に記載の研磨液。
<4> 前記有機酸が、下記一般式(1)で表される化合物である<2>に記載の研磨液。
Figure 2009260198
(一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭化水素基または酸素含有炭化水素基を表す。なお、R1とR2とは互いに結合して環状構造を形成してもよい。)
<5> 前記防食剤が、イミダゾール類、トリアゾール類及びテトラゾール類からなる群から選ばれた複素環化合物である<1>〜<4>のいずれかに記載の研磨液。
<6> 前記防食剤が、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−[N、N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノエチル]ベンゾトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、1H−テトラゾール、5−アミノテトラゾール、または1H−テトラゾール5酢酸である<1>〜<5>のいずれかに記載の研磨液。
<7> さらに過酸化水素を含む<1>〜<6>のいずれかに記載の研磨液。
<8> 前記防食剤が、下記一般式(A)で表される化合物である<1>〜<5>のいずれかに記載の研磨液。
Figure 2009260198
(一般式(A)中、Raは、水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。)
<9> 前記一般式(A)で表される化合物が、下記一般式(B)で表される化合物であることを特徴とする<8>に記載の研磨液。
Figure 2009260198
(一般式(B)中、Xは、アルキレン基を表す。RbおよびRcは、それぞれ独立に、カルボキシル基を有するアルキル基、ヒドロキシル基を有するアルキル基、またはアルキル基を表す。)
<10> 前記一般式(B)で表される化合物が、下記一般式(C)で表される化合物であることを特徴とする<9>に記載の研磨液。
Figure 2009260198
(一般式(C)中、Xは、アルキレン基を表す。)
本発明によれば、バリア層と層間絶縁膜とを化学的機械的に研磨するバリアメタルCMPに用いられる研磨液であって、特に、層間絶縁膜に対する優れた研磨速度が得られ、且つ、研磨後表面のコロージョン、有機物残渣の低減を同時に実現し得る研磨液を提供することができる。
以下、本発明の具体的態様について説明する。
<研磨液>
本発明の研磨液は、半導体デバイスの製造において、低比誘電率の絶縁膜にバリアメタル層を介して埋め込み配線などの金属配線を形成する際の化学的機械的研磨に用いる研磨液である。より詳細には、半導体集積回路上にあるバリア層と層間絶縁膜の化学的機械的研磨に用いられる研磨液(バリア用研磨液)であって、コロイダルシリカ、防食剤、および2,2’−ビピリジル基を含有する化合物を含み、pHが2.0〜5.0である。
以下、本発明の研磨液を構成する各成分について詳細に説明する。本発明の研磨液が含有する各成分は、それぞれ1種を単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
本発明において「研磨液」とは、研磨に使用する際の研磨液(即ち、必要により希釈された研磨液)のみならず、研磨液の濃縮液をも包含する意である。濃縮液又は濃縮された研磨液とは、研磨に使用する際の研磨液よりも、溶質の濃度が高く調製された研磨液を意味し、研磨に使用する際に、水又は水溶液などで希釈して、研磨に使用されるものである。希釈倍率は、一般的には1〜20体積倍である。本明細書において「濃縮」及び「濃縮液」とは、使用状態よりも「濃厚」及び「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、蒸発などの物理的な濃縮操作を伴う一般的な用語の意味とは異なる用法で用いている。
<2,2’−ビピリジル基を含有する化合物>
本発明の研磨液は、銅などの金属とキレート効果をもつ2,2’−ビピリジル基を含有する化合物を含有する。
本発明の2,2’−ビピリジル基を含有する化合物は、ビピリジル基を有していれば特に限定されないが、以下の一般式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2009260198
(一般式(2)中、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基 、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルバゾイル基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基 、アリールオキシ基、またはアミノ基を表す。RとR、RとR、及び、RとR10は、それぞれ独立に、互いに連結して環を形成してもよい。)
一般式(2)中、R〜R10はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(ふっ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(具体的には、メチル基、エチル基) 、アルケニル基(具体的には、ビニル基、アリル基)、アルキニル基(具体的には、エチニル基)、アリール基(具体的には、フェニル基、p−トリル基)、ヘテロ環基(具体的には、ピリジン環基、ピロール環基などが挙げられる。なお、置換する位置は問わない。)、アシル基(具体的には、ホルミル、アセチル)、アルコキシカルボニル基(具体的には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(具体的には、フェノキシカルボニル)、カルバモイル基(具体的には、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、カルバゾイル基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(具体的には、メトキシ基、エトキシ基) 、アリールオキシ基、アミノ基などを表す。なお、上述の置換基は、当該部分はそれ自体が置換されていなくても、さらに一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていてもよい。たとえば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。
一般式(2)中、RとR、及びRとR10は、それぞれ独立に、互いに連結して環を形成してもよい。形成される環の員数は、特に限定はなく、芳香族性であっても、非芳香属性であってもよい。なかでも、ベンゼン環構造が好ましい。
一般式(2)中、RとRは、互いに連結して環を形成してもよい。形成される環の員数は、特に限定されず、芳香族性であっても、非芳香属性であってもよい。
一般式(2)の好適な実施態様の一つとして、以下の一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009260198
(一般式(3)中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、カルボキシル基、ヒドロキシ基またはアリール基を表す。)
一般式(3)中、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、カルボキシル基、ヒドロキシ基またはアリール基を表す。各基は、上記一般式(2)中のR〜R10と同じ定義である。
一般式(2)の好適な実施態様の一つとしては、以下の一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009260198
(一般式(4)中、R19〜R22は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、カルボキシル基、またはアリール基を表す。)
一般式(4)中、R19〜R22は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、カルボキシル基、またはアリール基を表す。各基の定義は、上述の一般式(2)中の各基の定義と同様である。
一般式(2)の好適な実施態様の一つとしては、以下の一般式(5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009260198
(一般式(5)中、R23〜R32は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子を表す。)
一般式(5)中、R23〜R32は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子を表す。各基の定義は、上述の一般式(2)中の各基の定義と同様である。
2,2’−ビピリジル基を含有する化合物の具体例としては、2,2’−ビピリジル、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジフェニル−2,2’−ビピリジル、5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジル、2,2’−ビピリジン−3,3’−ジオール、2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸、6,6’−ビ−2−ピコリン、2,2’:6’,2”−タピリジン、4’−クロロ−2,2’:6’,2”−タピリジン、2,2’−ビキノリン、2,2’−ビシンコニン酸、2,2’−ビ−4−レピジン、1,10−フェナンチロリン−5,6−ジオン、4,5−ジアザフルオレン−9−オンなどが挙げられる。
本発明の研磨液に含まれる置換または無置換の2,2’−ビピリジルを含有する化合物は研磨に使用する際の研磨液の全質量に対して、好ましくは0.001〜20質量%であり、さらに好ましくは0.001〜10質量%である。研磨液に含まれる防食剤の効果を補助するという観点より0.001質量%以上、防食剤の効果を阻害しにくいという観点より10質量%以下が好ましい。
<コロイダルシリカ>
本発明の研磨液は、砥粒の少なくとも一部として、コロイダルシリカを含有する。コロイダルシリカとして、一般的な作製法としてゾルゲル法と水ガラス法が挙げられる。本発明においては、それらの作製法において作製したコロイダルシリカにおいても十分な効果を得ることが可能である。作製法は、公知の方法を用いることができる。また、市販品を用いてもよい。なお、ゾルゲル法とは、テトラエトキシシラン等のアルコキシシランを原料とし、アルコール等の水溶性有機溶媒を含有する水中で縮合反応させて成長させる方法である。水ガラス法とは、珪酸ナトリウム等の珪酸アルカリ金属塩を原料とし、水溶液中で縮合反応させて粒子を成長させる方法である。
コロイダルシリカの一次粒径は、砥粒の使用目的に応じて適宜選択されるが、一般的には10〜200nm程度であるが、研磨傷を発生させない観点から、10〜100nmの範囲であることが好ましい、より好ましくは10〜50nmの範囲である。
本発明の研磨液中のコロイダルシリカの含有量(濃度)は、研磨に使用する際の研磨液の全質量に対して、好ましくは0.1〜30質量%であり、更に充分な研磨速度でバリア層を研磨する点で0.5質量%以上が好ましく、保存安定性の点で15質量%以下が好ましい。
<防食剤>
本発明の研磨液は、被研磨表面に吸着して皮膜を形成し、金属表面の腐食を制御する防食剤を含有する。本発明における腐食抑制剤としては、分子内に3以上の窒素原子を有し、且つ、縮環構造を有する複素芳香環化合物を含有することが好ましい。ここで、「3以上の窒素原子」は、縮環を構成する原子であることが好ましく、このような複素芳香環化合物としては、イミダゾール類、トリアゾール類、またはテトラゾール類であることが好ましい。該複素芳香環化合物は、置換基を有していてもよく、例えば、アミノ基、アルキル基、アルケニル基などが挙げられる。
本発明に用いうる防食剤としては、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−[N、N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノエチル]ベンゾトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、テトラゾール、5−アミノテトラゾールまたは1H−テトラゾール5酢酸から選ばれることがより好ましい。
また、防食剤の好適な実施態様の一つとして、下記一般式(A)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009260198
(一般式(A)中、Raは、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基を表す。)
一般式(A)中、Raは、水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。置換基としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアミノ基などが挙げられる。
上記一般式(A)で表される化合物の好適な実施態様の一つとして、一般式(B)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009260198
(一般式(B)中、Xは、アルキレン基を表す。RbおよびRcは、それぞれ独立に、カルボキシル基を有するアルキル基、ヒドロキシル基を有するアルキル基、またはアルキル基を表す。)
一般式(B)中、Xはアルキレン基を表し、具体的には、メチレン基、エチレン基などが挙げられる。
一般式(B)中、RbおよびRcは、それぞれ独立に、カルボキシル基を有するアルキル基、ヒドロキシル基を有するアルキル基、またはアルキル基を表す。カルボキシル基を有するアルキル基としては、具体的には、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基などが挙げられる。ヒドロキシル基を有するアルキル基としては、具体的には、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などが挙げられる。アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基などが挙げられる。
上記一般式(B)で表される化合物の好適な実施態様の一つとして、一般式(C)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009260198
(一般式(C)中、Xは、アルキレン基を表す。)
一般式(C)中、Xはアルキレン基を表し、具体的には、メチレン基、エチレン基などが挙げられる。
本発明の研磨液中における防食剤の含有量は、研磨に使用する際の研磨液の全質量に対して、好ましくは0.001〜20質量%であり、適当な研磨速度を得るという観点より、さらに好ましくは0.001〜10質量%である。
本発明の研磨液には、さらに他の成分を含有してもよく、以下に各添加成分について述べる。
<カルボキシル基を有する有機酸>
本発明の研磨液には、カルボキシル基を有する化合物(以下、適宜「有機酸」とも称する。)を含有することが好ましい。カルボキシル基を有する有機酸としては、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物であれば特に制限はないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酢酸、吉草酸、2−メチル酢酸などが挙げられる。なかでも、研磨速度がより向上する点から、下記一般式(1)で表される化合物を選択することが好ましい。
Figure 2009260198
(一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭化水素基または酸素含有炭化水素基を表す。なお、R1とR2とは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。)
一般式(1)中、Rは一価の炭化水素基または酸素含有炭化水素基を表す。例えば、炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、シクロアルキル基など)、アリール基(例えば、フェニル基など)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基など)、アリールオキシ基などが好ましい。
一般式(1)中、Rは2価の炭化水素基または酸素含有炭化水素基を表す。炭素数1〜10のアルキレン基(例えば、メチレン基、シクロアルキレン基など)、アリーレン基(例えば、フェニレン基など)、アルキレンオキシ基などが好ましい。
及びRで表される炭化水素基または酸素含有炭化水素基は置換基を有していてもよい。導入可能な置換基としては、例えば、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルボキシル基、などが挙げられ、置換基としてカルボキシル基を有する場合、この化合物は複数のカルボキシル基を有することになる。
とRは互いに結合して、環状構造を形成していてもよい。形成される環状構造は特に限定されない。該環状構造は、芳香族性であっても、非芳香族性であってもよく、環式炭化水素が好ましい。
一般式(1)で表される化合物としては中でも、被研磨面を高速で研磨する観点から、例えば、2−フランカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、3−フランカルボン酸、2−テトラヒドロフランカルボン酸、ジグリコール酸、メトキシ酢酸、メトキシフェニル酢酸、フェノキシ酢酸などが好ましく挙げられる。
また、カルボキシル基を有する化合物の好ましい態様の一つとして、分子内に少なくとも2つのカルボキシル基を有する化合物が挙げられる。なお、分子内に存在するカルボキシル基は、さらに2〜4個であることが好ましく、安価に使用できる観点からは、2個であることがより好ましい。例えば、サリチル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、ポリアクリル酸などが挙げられる。
なお、分子内に少なくとも2つのカルボキシル基を有し、さらに前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、2,5−フランジカルボン酸、ジグリコール酸などが好ましく挙げられる。
本発明の研磨液において、カルボキシル基を有する有機酸の含有量は、研磨に使用する際の研磨液の全質量に対して、0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜2質量%が更に好ましい。即ち、このようなカルボキシル基を有する化合物(有機酸)の含有量は、十分な研磨速度を達成する点で、0.1質量%以上が好ましく、過剰なディッシングを発生させない点から、5質量%以下が好ましい。
<酸化剤>
本発明の研磨液は、酸化剤として過酸化水素を含むことが好ましい。研磨液中における酸化剤の含有量は、バリアCMP初期のディッシング量によって調整される。バリアCMP初期のディッシング量が大きい場合、即ち、バリアCMPにおいて配線材をあまり研磨したくない場合には酸化剤を少ない含有量にすることが望ましい。ディッシング量が十分に小さく、配線材を高速で研磨したい場合は、酸化剤の含有量を多くすることが望ましい。このように、バリアCMP初期のディッシング状況によって酸化剤の添加量を変化させることが望ましい。
酸化剤の研磨液中における含有量は、研磨に使用する際の研磨液の1L中に、0.0001〜0.1質量%とすることが好ましく、0.001〜0.05質量%とすることが特に好ましい。
<pH調整剤>
本発明の研磨液は、pH2.0〜5.0の範囲である。研磨液のpHをこの範囲に制御することで、層間絶縁膜の研磨速度調整がより顕著に行うことが可能になる。pHを上記好ましい範囲に調整するために、アルカリ/酸または緩衝剤が用いられる。pHの測定方法としては、公知のpHメーターを用いて測定することができる。
アルカリ/酸または緩衝剤としては、アンモニア、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、硝酸、硫酸、りん酸などの無機酸、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、リン酸三ナトリウムなどのリン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩等を好ましく挙げることができる。特に好ましいアルカリ剤として水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
研磨液中におけるアルカリ/酸または緩衝剤の含有量としては、pHが好ましい範囲に維持される量であればよく、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001〜1.0molとすることが好ましく0.003〜0.5molとすることがより好ましい。
<硬水軟化剤>
本発明の研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じて硬水軟化剤を含有することが好ましい。硬水軟化剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物であり、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸などが挙げられる。上記硬水軟化剤は、必要に応じて2種以上併用してもよい。
研磨液中における硬水軟化剤の含有量は、混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であればよく、例えば、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0003mol〜0.07molが好ましい。
本発明の研磨液は、その製造方法については特に制限されない。例えば、コロイダルシリカ、防食剤、2,2’−ビピリジル基を含有する化合物、必要に応じて使用することができるカルボキシル基を有する有機酸、過酸化水素、その他添加剤、水とを混合ミキサーなどのかくはん機を用いて十分に混合することによって製造することができる。また、設定pHに予め調製しておいてから混合する方法、あるいは混合後に設定pHに調製する方法を用いることができる。さらに、上記化合物を含む濃縮液を製造して、使用時に希釈して所定の濃度へと調整する方法を用いることもできる。また、濃縮液を希釈後設定pHに調整して用いることもできる。また、濃縮液に対して設定量の希釈用の純水を添加することもでき、また希釈用の純水に設定量の濃縮液を添加することもできる。
また、本発明の金属用研磨液を、過酸化水素を含有する構成成分(A)と、コロイダルシリカ、防食剤、2,2’−ビピリジル基を含有する化合物と、任意成分を含有する構成成分(B)とに分けて製造することもできる。
本発明の研磨液は、一般に、半導体集積回路用基板の上に積層している銅金属および/または銅合金などからなる配線と層間絶縁膜との間に存在する、銅などの金属の拡散を防ぐためのバリア金属材料からなるバリア層と層間絶縁膜の化学的機械的研磨への使用に適する。具体的には、本発明の研磨液は、特に層間絶縁膜への優れた研磨速度を達成することができる。なお、通常、半導体デバイス製造工程において、バリア層で覆われた低誘電率の層間絶縁膜上に金属メッキ処理により金属配線膜を設けた後、上記金属膜を金属用研磨液にて研磨する化学的機械的研磨工程の次にバリア層及び層間絶縁膜は研磨され、この際に本発明における研磨液が用いられることが好ましい。このとき、配線金属研磨後、バリア層研磨を行う前に洗浄などの工程を入れることが好ましい。
<バリア金属材料>
本発明の研磨液の研磨対象であるバリア層を構成する材料としては、一般に低抵抗のメタル材料がよく、特に、TiN、TiW、Ta、TaN、W、WNが好ましく、中でも、Ta、TaNが特に好ましい。
<層間絶縁膜>
本発明の研磨液の研磨対象である層間絶縁膜としては、TEOS(テトラエトキシシラン)、SiOC、MSQ等の有機−無機ハイブリッド系などの通常用いられる層間絶縁膜が挙げられる。なかでも、本発明の研磨液はTEOS膜に関して好適に用いることができる。膜形成方法は、特に限定されず、プラズマCVDなどが挙げられる。
<配線金属原材料>
本発明においては、研磨対象である被研磨体(例えば、基板(ウエハ))は、例えば、LSI等の半導体デバイスに適用されるような、銅金属および/または銅合金からなる配線を有することが好ましい。特にこの配線の原材料としては、銅合金が好ましい。更に、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が好ましい。
なお、銅合金に含有される銀含量は、40質量%以下が好ましく、特には10質量%以下、更には1質量%以下が好ましく、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
<配線の太さ>
本発明においては、研磨対象である被研磨体が、例えば、DRAMデバイス系に適用される場合、ハーフピッチで0.15μm以下である配線を有することが好ましく、より好ましくは0.10μm以下、更に好ましくは0.08μm以下である。
一方、被研磨体が、例えば、MPUデバイス系に適用される場合、0.12μm以下である配線を有することが好ましく、より好ましくは0.09μm以下、更に好ましくは0.07μm以下である。このような配線を有する被研磨体に対して、上述の本発明における研磨液は特に優れた効果を発揮する。
<研磨方法>
本発明の研磨液は、(1)濃縮液であって、使用する際に水又は水溶液を加えて希釈して使用液とする場合、(2)各成分が次項に述べる水溶液の形態で準備され、これらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、(3)使用液として調製されている場合などがあるが、これらに限定されない。本発明の研磨液を用いた研磨方法にはいずれの場合の研磨液も適用可能である。
本発明にかかる化学的機械的研磨方法は、研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨体の被研磨面と接触させて、被研磨面と研磨パッドを相対運動させる方法である。
研磨に用いられる装置としては、被研磨面を有する被研磨体(例えば、導電性材料膜が形成されたウエハなど)を保持するホルダーと、研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤と、を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。また、研磨条件には制限はないが、研磨定盤の回転速度は被研磨体が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面(被研磨膜)を有する被研磨体の研磨パッドへの押しつけ圧力は、0.68〜34.5KPaであることが好ましく、研磨速度の被研磨体の面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、3.40〜20.7KPaであることがより好ましい。
研磨している間、研磨パッドには、研磨液をポンプ等で連続的に供給する。
研磨終了後の被研磨体は、流水中でよく洗浄された後、スピンドライヤ等を用いて被研磨体上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させる。
本発明において、上記(1)の方法のように、濃縮液を希釈する際には、下記に示す水溶液を用いることができる。水溶液は、予め、コロイダルシリカ、防食剤、2,2’−ビピリジル基を含有する化合物のうち少なくとも1つ以上を含有した水であり、この水溶液中に含有している成分と、希釈される濃縮液中に含有している成分と、を合計した成分が、研磨する際に使用する研磨液(使用液)の成分となるようにする。
このように、濃縮液を水溶液で希釈して使用する場合には、溶解しにくい成分を水溶液の形で後から配合することができることから、より濃縮した濃縮液を調製することができる。
また、濃縮液に水または水溶液を加え希釈する方法としては、濃縮された研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管とを途中で合流させて混合し、混合し希釈された研磨液の使用液を研磨パッドに供給する方法がある。濃縮液と水または水溶液との混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など通常に行われている方法を採用することができる。
更に、濃縮液を水または水溶液などにより希釈しつつ、研磨する方法としては、研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管とを独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動で混合しつつ研磨する方法がある。また、1つの容器に、所定量の濃縮液と水または水溶液とを入れ混合してから、研磨パッドにその混合した研磨液を供給し、研磨をする方法を用いることもできる。
また、別の研磨方法としては、研磨液が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水または水溶液を加え希釈して研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する方法がある。
例えば、酸化剤(過酸化水素)を構成成分(a)とし、コロイダルシリカ、防食剤、2,2’−ビピリジル基を含有する化合物、及び水を構成成分(b)とし、それらを使用する際に水または水溶液で、構成成分(a)及び構成成分(b)を希釈して使用することができる。
また、溶解度の低い添加剤を2つの構成成分(a)と(b)に分け、例えば、酸化剤、添加剤、を構成成分(a)とし、コロイダルシリカ、防食剤、2,2’−ビピリジル基を含有する化合物、及び水を構成成分(b)とし、それらを使用する際に水または水溶液を加え、構成成分(a)及び構成成分(b)を希釈して使用する。
上記のような例の場合、構成成分(a)と構成成分(b)と水または水溶液とをそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、希釈混合は、3つの配管を、研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合する方法があり、この場合、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合することも可能である。具体的には、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、更に、水または水溶液の配管を結合する方法である。
その他の混合方法は、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法や、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された研磨液を供給する方法がある。
上記した研磨方法において、酸化剤(過酸化水素)を含む1つの構成成分を40℃以下にし、他の構成成分を室温から100℃の範囲に加温し、1つの構成成分と他の構成成分とを混合する際、または、水若しくは水溶液を加え希釈する際に、液温を40℃以下とするようにすることができる。この方法は、温度が高いと溶解度が高くなる現象を利用し、研磨液の溶解度の低い原料の溶解度を上げるために好ましい方法である。
上記の他の構成成分を室温から100℃の範囲で加温することで溶解させた原料は、温度が下がると溶液中に析出する場合があり、低温状態の他の構成成分を用いる場合は、予め加温して析出した原料を溶解させる必要がある。これには、加温し、原料が溶解した他の構成成分を送液する手段と、析出物を含む液を攪拌しておき、送液し、配管を加温して溶解させる手段と、を採用することができる。加温した他の構成成分が、酸化剤を含む1つの構成成分の温度を40℃以上に高めると酸化剤が分解する恐れがあるので、この加温した他の構成成分と酸化剤を含む1つの構成成分とを混合した場合、40℃以下となるようにすることが好ましい。
このように、本発明においては、研磨液の成分を二分割以上に分割して、被研磨面に供給してもよい。この場合、酸化物を含む成分と有機酸を含有する成分とに分割して供給することが好ましい。また、研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして被研磨面に供給してもよい。
本発明においては、研磨液の成分を二分割以上に分割して、被研磨面に供給する方法を適用する場合、その供給量は、各配管からの供給量の合計を表すものである。
<研磨液の供給量>
研磨している間、研磨パッドには、本発明の金属用研磨液をポンプなどで連続的に供給するのが好ましい。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。研磨液の供給速度は10〜1000ml/minが好ましく、研磨速度の被研磨面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、170〜800ml/minであることがより好ましい。
<研磨パッド>
本発明の研磨方法に適用しうる研磨用の研磨パッドは、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に、一般的に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては、不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、被研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
<ウエハ>
本発明における研磨液でCMPを行う対象の被研磨体としてのウエハは、径が200mm以上であることが好ましく、特には300mm以上が好ましい。300mm以上である時に顕著に本発明の効果を発揮する。
<研磨装置>
本発明の研磨液を用いて研磨を実施できる装置は、特に限定されないが、Mirra Mesa CMP、Reflexion CMP(アプライドマテリアルズ)、FREX200、FREX300(荏原製作所)、NPS3301、NPS2301(ニコン)、A−FP−310A、A−FP−210A(東京精密)、2300 TERES(ラムリサーチ)、Momentum(Speedfam IPEC)などを挙げることができる。
上述したように、本発明の研磨液は、バリア層や層間絶縁膜、特にTEOS膜に対する優れた研磨速度が得られ、且つ、研磨後表面のコロージョン、有機物残渣の低減を実現し得る。本発明の作用は明確ではないが、以下のように推測される。本発明では、銅などの金属への配位力のある防食剤と同じく銅などの金属への配位力を持つ2,2’−ビピリジルまたはその誘導体(2,2’−ビピリジル基を含有する化合物)を含むことにより、互いの化合物の酸化作用を補助し、1種の防食剤では実現できていなかったコロージョン低減が実現できていると推測される。さらに研磨液中で2,2’−ビピリジルまたはその誘導体がカチオン化することにより、バリア層や層間絶縁膜、特に層間絶縁膜(なかでも、TEOS膜)に対する優れた研磨速度を実現することができると考えられる。
以下、実施例によって本発明をより詳しく説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
<実施例1>
下記に示す組成の研磨液を調製し、研磨実験を行った。
<組成(1)>
・腐食抑制剤(防食剤):ベンゾトリアゾール(BTA) 1.0g/L
・コロイダルシリカ 50g/L(5質量%)
・2,2’−ビピリジル 0.3g/L
・カルボキシル基を有する化合物:ジグリコール酸 1g/L
・純水を加えて全量 1000mL
・pH(アンモニア水と硝酸で調整) 3.5
・過酸化水素 10ml
<評価方法>
研磨装置としてラップマスター社製装置「LGP−612」を使用し、下記の条件で、スラリー(研磨液)を供給しながら、下記に示す各ウエハ膜を研磨した。
・テーブル回転数:90rpm
・ヘッド回転数:85rpm
・研磨圧力:13.79kPa
・研磨パッド:ロデール・ニッタ株式会社製 IC−1400 xy−k pad
・研磨液供給速度:200ml/min
<評価ウエハ1>
後述する研磨速度評価用のウエハとして、Si基板上に研磨対象物(TEOS:テトラエトキシシラン)が積層したウエハを使用した。なお、該TEOS膜は、液体原料のTEOSを気化させ、酸化剤である酸素(O2)ガスと混合し、プラズマ化学的気相成長(CVD)装置を用いて形成された。
<研磨速度>
研磨速度は、上述した評価ウエハ1を用いて、CMP前後におけるTEOS膜の膜厚を測定し、以下の式から換算することで求めた。
研磨速度(nm/min.)=(研磨前の膜厚さ−研磨後の膜厚さ)/研磨時間
得られた結果を表1に示す。
<評価ウエハ2>
評価用のウエハとして、フォトリソグラフィー工程と反応性イオンエッチング工程によりSi基板上のシリコン酸化膜をパターニングして、幅0.09〜100μm、深さ600nmの配線用溝と接続孔を形成した。さらに、スパッタリング法により厚さ20nmのTa膜を形成し、続いてスパッタリング法により厚さ50nmの銅膜を形成した。その後、メッキ法により合計厚さ1000nmの銅膜を形成したウエハ(通称854PTNウエハ)を使用した。更に、Ta膜表面が現れるまで銅膜を別途スラリーで研磨したウエハを評価用のウエハとした。用いたウエハの初期段差は全て10nm以下であった。
上記ウエハを60秒間研磨した時点を研磨終了点とし、研磨後CMP後洗浄液にて洗浄を行った後、表面観察を行った。
<欠陥検査・表面観察>
上記評価ウエハ2を用いた研磨実験後のウエハの欠陥数は、ComPlus3(アプライドマテリアルズ)にて評価した。また、研磨後のCu表面を光学顕微鏡にて観察し、コロージョン評価を行い、以下の判定基準において判定を行った。
×:明らかなコロージョン(表面荒れ)が確認できる
○:コロージョンが確認できない
<実施例2〜17、及び比較例1〜4>
実施例1における組成(1)を、下記表1に記載の組成に変更して調製した研磨液を用い、実施例1と同様の研磨条件で、研磨実験を行った。結果を以下の表1に示す。
Figure 2009260198
Figure 2009260198
表1に記載されたコロイダルシリカはゾルゲル法で作製したものと、水ガラス法にて作製したものを用い、どちらも一次粒径40nm程度のものを使用した。なお、それぞれのコロイダルシリカの作製方法は、「CMPのサイエンス」(サイエンスフォーラム社、p.140)を参照して作製した。
また、上記表1において略記された化合物の詳細を下記に示す。
腐食防止剤(防食剤)
BTA:1,2,3−ベンゾトリアゾール
DBTA:5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール
DCEBTA:1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール
HEABTA:1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール
HMBTA:1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール
TTA:トリルトリアゾール
TET:1H−テトラゾール
AMT:5−アミノテトラゾール
TEA:1H−テトラゾール5酢酸
IMD:イミダゾール
BIM:ベンゾイミダゾール
123T:1,2,3−トリアゾール
124T:1,2,4−トリアゾール
DCETTA:1−(1,2−ジカルボキシエチル)トリルトリアゾール
HEATTA:1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]トリルトリアゾール
HPTTA:1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノメチル]トリルトリアゾール
また、上記表1において略記された化合物の詳細を下記に示す。
C−1:2,2’−ビピリジル
C−2:4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジル
C−3:4,4’−ジフェニル−2,2’−ビピリジル
C−4:5,5’−ジメチル−2,2’−ビピリジル
C−5:2,2’−ビピリジン−3,3’−ジオール
C−6:2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸
C−7:6,6’−ビ−2−ピコリン
C−8:2,2’:6’,2”−タピリジン
C−9:4’−クロロー2,2’:6’,2”−タピリジン
C−10:2,2’−ビキノリン
C−11:2,2’−ビシンコニン酸
C−12:2,2’−ビ−4−レピジン
C−13:1,10−フェナンチロリン−5,6−ジオン
C−14:4,5−ジアザフルオレン−9−オン
また、表1に記載された(D)カルボキシル基を有する化合物(有機酸)D−1〜D−5の化合物名を下記表2に示す。
Figure 2009260198
表1によれば、実施例1〜17の研磨液を用いた場合は、TEOS研磨速度が大きく、かつ研磨後のコロージョンも確認されなかった。一方で、比較例1〜4では、高いTEOS研磨速度を実現できておらず、さらに研磨後のコロージョンも確認された。これらのことから実施例1〜17の研磨液において高いTEOS研磨速度とコロージョン抑制が同時に実現できることが分かった。
以上のことから、本発明の研磨液は、防食剤と置換または無置換の2,2’−ビピリジルまたは2,2’−ビピリジル基を含有する化合物を用いることにより、化学的機械的研磨において層間絶縁膜(TEOS膜)の高い研磨速度とコロージョン抑制を同時に実現することができた。

Claims (10)

  1. 半導体集積回路のバリア層と層間絶縁膜との化学的機械的研磨に用いられる研磨液であって、コロイダルシリカ、防食剤、および2,2’−ビピリジル基を含有する化合物を含み、pHが2.0〜5.0であることを特徴とする研磨液。
  2. さらにカルボキシル基を有する有機酸を含む請求項1に記載の研磨液。
  3. 前記有機酸が、二つ以上のカルボキシル基を有する有機酸である請求項2に記載の研磨液。
  4. 前記有機酸が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項2に記載の研磨液。
    Figure 2009260198
    (一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭化水素基または酸素含有炭化水素基を表す。なお、R1とR2とは互いに結合して環状構造を形成してもよい。)
  5. 前記防食剤が、イミダゾール類、トリアゾール類及びテトラゾール類からなる群から選ばれた複素環化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の研磨液。
  6. 前記防食剤が、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−[N、N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノエチル]ベンゾトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、1H−テトラゾール、5−アミノテトラゾール、または1H−テトラゾール5酢酸である請求項1〜5のいずれかに記載の研磨液。
  7. さらに過酸化水素を含む請求項1〜6のいずれかに記載の研磨液。
  8. 前記防食剤が、下記一般式(A)で表される化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の研磨液。
    Figure 2009260198
    (一般式(A)中、Raは、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基を表す。)
  9. 前記一般式(A)で表される化合物が、下記一般式(B)で表される化合物であることを特徴とする請求項8に記載の研磨液。
    Figure 2009260198
    (一般式(B)中、Xは、アルキレン基を表す。RbおよびRcは、それぞれ独立に、カルボキシル基を有するアルキル基、ヒドロキシル基を有するアルキル基、またはアルキル基を表す。)
  10. 前記一般式(B)で表される化合物が、下記一般式(C)で表される化合物であることを特徴とする請求項9に記載の研磨液。
    Figure 2009260198
    (一般式(C)中、Xは、アルキレン基を表す。)
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