JP5093815B2 - アモルファス膜の結晶化方法および装置 - Google Patents
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Description
さらに、従来の装置では、シリコンを結晶化するために順次側面結晶化(SLS)方法を利用する時の生産効率の改善した手法を提供することが特許文献3で提案されている。
この手法では、非晶質シリコン薄膜が形成された基板を準備する段階と;非晶質シリコン薄膜が形成された基板の上部に第1エネルギー領域(2つのブロック)と第2エネルギー領域(活性化領域)を持つマスクを位置させる段階と;第1エネルギー領域と第2エネルギー領域を持つ光学部材を通して非晶質シリコン薄膜が形成された基板の第1領域上部にレーザビームを照射して基板の第1領域を光学部材の第1エネルギー領域を通して照射されたレーザビームによって結晶化する段階と;結晶化された基板の第1額域に第2エネルギー領域を通じて照射されたレーザビームによって活性化(アニーリング)する段階を含んでいる。
レーザ光によって前記膜を溶融させない円形又は正多角形形状の非完全溶融エネルギー領域を同一方向において同一間隔で分布するように点在させ、該非完全溶融エネルギー領域間をレーザ光によって前記膜が溶融する溶融エネルギー領域にして、前記レーザ光を前記膜に照射して、前記膜の溶融部分を固相部分から順次側面結晶化し、
さらに、前記固相部分が溶融部分となるように位置を変えて、前記レーザ光の先照射における前記非完全溶融エネルギー領域の間に、レーザ光の後照射における円形又は正多角形形状の前記非完全溶融エネルギー領域を先照射における前記非完全溶融エネルギー領域と同列に位置して同一方向において同一間隔で分布するように点在させるとともに該非完全溶融エネルギー領域間を前記溶融エネルギー領域にして、前記レーザ光を前記膜に照射して順次側面結晶化することを特徴とする。
また、非完全溶融エネルギー領域が規則的に点在するようにすれば、形成される突起は主に四角形の角部に生成されることになり、突起が発生する面積が小さくなり、ムラが見えなくなる。
なお、非完全溶融エネルギー領域は、膜が固相状態になるものであればよく、レーザ光が低エネルギーで照射されるもの、レーザ光が遮蔽されるもののいずれであってもよい。
なお、点在する非完全溶融エネルギー領域間の間隔としては、順次側面結晶化が生じる際に、側面成長するグレインの最大の長さの2倍またはその以下の長さを持つように設定するのが望ましい。
また、後のレーザ光照射によって、先のレーザ光照射による固相部を含めて液相化するのは、先のレーザ光照射後、直ちに行っても良く、また、先のレーザ光照射を、一定の方向に沿って連続して長い領域で行った後、後のレーザ光照射を一定の方向に沿って連続して長い領域で行うようにしてもよい。
なお、前記レーザパターンは、レーザ光遮蔽またはレーザ光低透過部とレーザ光透過部とを有する光学部材や光学系(回折格子など)による成形などにより得ることができる。ただし、本発明としては、レーザパターンを得る手段がこれらに限定されるものではない。
レーザ光によって前記膜を溶融させない円形又は正多角形形状の非完全溶融エネルギー領域を同一方向において同一間隔で分布するように点在させ、該非完全溶融エネルギー領域間をレーザ光によって前記膜が溶融する溶融エネルギー領域にして、前記レーザ光を前記膜に照射して、前記膜の溶融部分を固相部分から順次側面結晶化し、
さらに、前記固相部分が溶融部分となるように位置を変えて、前記レーザ光の先照射における前記非完全溶融エネルギー領域の間に、レーザ光の後照射における円形又は正多角形形状の前記非完全溶融エネルギー領域を先照射における前記非完全溶融エネルギー領域と同列に位置して同一方向において同一間隔で分布するように点在させるとともに該非完全溶融エネルギー領域間を前記溶融エネルギー領域にして、前記レーザ光を前記膜に照射して順次側面結晶化するので、結晶成長時に発生する突起を点や多角形に制御することで、装置性能や外乱影響による突起のずれによるムラが発生しない。また、突起が発生する領域が減少するために、結晶化後の表面形状が滑らかになる。さらに開口率を上げることが出来、レーザの遮断による発生する散乱光を減らすことにより、レーザビームの均一性を上げることが出来る。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
図1(a)は、本発明の結晶化装置を示すものであり、シリコン膜10が形成された基板1を載置するステージ2と、該ステージをXYZ軸方向に移動可能とした移動装置3と、所定波長のレーザ光4aを出力するレーザ光源4とを備えている。上記シリコン膜10は、処理前においてアモルファスの状態にある。レーザ光源としては、例えばコヒレント社のレーザ発振器LS2000(1)もしくはLSX315(波長308nm、繰り返し発振数300Hz)を用いることができる。但し、本発明としてはレーザ光源4が特定のものに限定されるものではない。
レーザ光源4で発振されたレーザ光4aは、ミラー5、結像レンズ6などにより構成される光学系を通して誘導され、基板1のシリコン膜10に照射される。また、レーザ光4aの光路(結像レンズ6の入射側)には、レーザ光遮蔽またはレーザ光低透過部とレーザ光透過部とを有する光学部材7が配置されて、レーザ光4aの整形がなされ、前記結合レンズ6側に至る。また、前記移送装置3によってステージ2を移動させることで、レーザ光4aとシリコン膜10との相対的な位置を変更することができる。したがって、移送装置3は、本発明の走査装置に相当する。なお、この形態では、シリコン膜を処理の対象としているが、本発明は、アモルファス膜を結晶膜に処理するものであり、その材料がシリコンに限定されるものではない。
図1(c)は、光学部材の変更例を示すものであり、円形のレーザ光遮蔽部70a…70aの配置位置が各行で異なる光学部材70の平面図と一部拡大図を示している。そして、レーザ光遮蔽部70a以外の部分は、レーザ光透過部70bとなっている。
レーザ光遮蔽部70aは、図示行方向、列方向でそれぞれ等間隔(行方向と列方向の間隔は異なる)で配列されており、行方向で直線状に配列されているものの、列方向では各行毎に位置がずれている。そのずれ量は、レーザ光遮蔽部70a、70a間の間隔の半分に設定されている。この結果、レーザ光遮蔽部70aは、一行置きに列方向での位置が揃うように配列されている。この例では、隣接するレーザ光遮蔽部70a、70aの間隔は、図1(c)で示すようにレーザ光遮蔽部70aの径Aと同じ距離Aか、これよりも大きな距離Bを有している。この間隔設定により先のレーザ光照射と後のレーザ光照射とで非完全溶融エネルギー領域が重ならないようにレーザ光の照射を行うことができる。
なお、前記した光学部材7では、隣接するレーザ光遮蔽部7a同士が矩形状の角部に位置することになる。一方、光学部材70では、隣接するレーザ光遮蔽部70a同士が3角形状の頂点に位置することになる。このため光学部材7では、結晶が固相成長する際、矩形内の対角線上の半分まで成長しなければならずレーザ光遮蔽部70aに比べて相対的に距離が長く結晶化されない部分が残りやすいので、レーザ光遮蔽部7a同士の間隔を狭くせざるを得ない。一方、光学部材70では、結晶が固相成長する際に、三角形の中心まで成長すれば良く前記レーザ光遮蔽部7aに比べて相対的に距離が短く、より結晶化されやすいので、レーザ光遮蔽部70a同士の間隔を前記光学部材7よりも広くすることができる。なお、三角形状に位置する際に、各レーザ光遮蔽部70a同士の間隔が各辺で同一になるように、行間隔を設定するのが望ましい。これにより、各レーザ光遮蔽部70aから三角形の中心までの距離が同一になり、固相成長による結晶化がより均一になされる。
ただし、以下では、光学部材7を用いた装置について説明する。
図3(a)は、該結晶化によって生成されるグレインバウンドリ10eを示している。固相10dの周囲でグレインバウンドリ10eが放射状に形成され、該グレインバウンドリ10eの先端に連なる4角形およびその角部に突起が形成されやすくなる。
上記結晶化の結果、図3(b)に示すように、結晶化したシリコン膜10が得られる。
該結晶化シリコン膜10では、上記したように突起部が線状に並ぶことはなく、ランダムに、かつ小さい面積で位置しており、位置ずれによるムラの原因になることがない。
次に、レーザ光遮蔽またはレーザ光低透過部とレーザ光透過部とを有する光学部材のパターンを変更した他の形態を説明する。
この形態は、アモルファス膜にレーザ光を照射して順次側面結晶化によって結晶化する結晶化方法において、レーザ光によって前記膜を溶融させない非完全溶融エネルギー領域を波形で振幅方向で間隔を置いて並列させ、該非完全溶融エネルギー領域間をレーザ光によって前記膜が溶融する溶融エネルギー領域にして、前記レーザ光を前記膜に照射して、前記膜の溶融部分を固相部分から順次側面結晶化し、さらに、前記固相部分が溶融部分となるように位置を変えて、非完全溶融エネルギー領域を波形で振幅方向で間隔を置いて並列させ、該非完全溶融エネルギー領域間を溶融エネルギー領域にして、前記レーザ光を前記膜に照射して順次側面結晶化することを特徴とするものである。
この形態では、図4(a)に示すように、光学部材17に所定の幅で三角波形状をなすレーザ光遮蔽部17aを有し、他の領域はレーザ光透過部17bとなっている。
すなわち、非完全溶融エネルギー領域は、一定の周期を有する波形からなる。
すなわち、レーザ光の後照射における非完全溶融エネルギー領域と、レーザ光の先照射における非完全溶融エネルギー領域とが、振幅方向および波の長さ方向でずれるように位置している。
2 ステージ
3 移動装置
4 レーザ光源
4a レーザ光
5 ミラー
6 結像レンズ
7 光学部材
7a レーザ光遮蔽部
7b レーザ光透過部
10 シリコン膜
17 光学部材
17a レーザ光遮蔽部
17b レーザ光透過部
27 光学部材
27a レーザ光遮蔽部
27b レーザ光透過部
70 光学部材
70a レーザ光遮蔽部
70b レーザ光透過部
Claims (4)
- アモルファス膜にレーザ光を照射して順次側面結晶化によって結晶化する結晶化方法において、
レーザ光によって前記膜を溶融させない円形又は正多角形形状の非完全溶融エネルギー領域を同一方向において同一間隔で分布するように点在させ、該非完全溶融エネルギー領域間をレーザ光によって前記膜が溶融する溶融エネルギー領域にして、前記レーザ光を前記膜に照射して、前記膜の溶融部分を固相部分から順次側面結晶化し、
さらに、前記固相部分が溶融部分となるように位置を変えて、前記レーザ光の先照射における前記非完全溶融エネルギー領域の間に、レーザ光の後照射における円形又は正多角形形状の前記非完全溶融エネルギー領域を先照射における前記非完全溶融エネルギー領域と同列に位置して同一方向において同一間隔で分布するように点在させるとともに該非完全溶融エネルギー領域間を前記溶融エネルギー領域にして、前記レーザ光を前記膜に照射して順次側面結晶化することを特徴とするアモルファス膜の結晶化方法。 - 前記非完全溶融エネルギー領域の間隔が、結晶化された膜に配置される薄膜トランジスタの配置間隔の整数倍であることを特徴とする請求項1に記載のアモルファス膜の結晶化方法。
- 前記非完全溶融エネルギー領域の間隔が、結晶化した膜を基板として用いるフラットパネルディスプレイの画素間隔の整数倍であることを特徴とする請求項1または2に記載のアモルファス膜の結晶化方法。
- 前記非完全溶融エネルギー領域と前記溶融エネルギー領域とを有するレーザパターンで前記アモルファス膜を結晶化することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアモルファス膜の結晶化方法。
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