JP2020021787A - レーザーアニール装置、表示パネル、レーザーアニール方法及びマスク - Google Patents
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Abstract
【課題】結晶粒界を所要の方向に生成することができるレーザーアニール装置、表示パネル、レーザーアニール方法及びマスクを提供する。【解決手段】開口領域を有する開口部がスキャン方向に沿って列設された開口列を有するマスクを備え、開口部を介してレーザー光を基板に照射するレーザーアニール装置であって、第1の開口領域を有する第1の開口部と、第2の開口領域を有する第2の開口部とがスキャン方向と平行な方向に沿って隣り合っており、第2の開口領域が、第2の開口部での第1の開口領域に対応する領域からスキャン方向と異なる所定方向へ変位した開口領域を含む第1の開口列を有する。【選択図】図5
Description
本発明は、レーザーアニール装置、表示パネル、レーザーアニール方法及びマスクに関する。
液晶ディスプレイを構成するTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)としては、例えば、アモルファスシリコン(非晶質、a-Si)TFT、低温ポリシリコン(多結晶、p-Si)TFTなどがあるが、駆動回路など高速動作が求められる場合にはアモルファスシリコンの代わりに多結晶シリコンが用いられることが多くなってきている。
基板上の半導体膜領域の結晶化については、順次横方向結晶化(SLS:Sequential Lateral Solidification)法によって、結晶粒界を基板面に対して平行な横方向に成長させるプロセスが知られている。従来のSLS法は、マスクの細条の開口を介してレーザー光をシリコン膜の所要の領域へ照射し、当該領域のシリコンを完全に溶融させ、その後溶融シリコンを再凝固させる。溶融シリコンの再凝固に際し、結晶粒界が、開口に対応する細条の照射領域の細幅の方向に成長する。次に、基板をシフトさせてレーザー光が照射される領域を繰り返しシフトすることにより、結晶粒界を基板のシフト方向(スキャン方向)に成長させることができる(特許文献1参照)。
しかし、従来のSLS法では、結晶粒界の成長方向は、基板のスキャン方向に限定されるため、結晶粒界を任意の方向に成長させることはできない。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、結晶粒界を所要の方向に生成することができるレーザーアニール装置、該レーザーアニール装置によって製造された表示パネル、レーザーアニール方法及び前記レーザーアニール装置を構成するマスクを提供することを目的とする。
本発明の実施の形態に係るレーザーアニール装置は、開口領域を有する開口部がスキャン方向に沿って列設された開口列を有するマスクを備え、前記開口部を介してレーザー光を基板に照射するレーザーアニール装置であって、第1の開口領域を有する第1の開口部と、第2の開口領域を有する第2の開口部とが前記スキャン方向と平行な方向に沿って隣り合っており、前記第2の開口領域が、前記第2の開口部での前記第1の開口領域に対応する領域から前記スキャン方向と異なる所定方向へ変位した開口領域を含む第1の開口列を有することを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る表示パネルは、本発明の実施の形態に係るレーザーアニール装置によりアニール処理された活性層を有する薄膜トランジスタを備えることを特徴とする。
本発明の実施の形態に係るマスクは、開口領域を有する開口部がスキャン方向に沿って列設された開口列を有するマスクであって、第1の開口領域を有する第1の開口部と、第2の開口領域を有する第2の開口部とが前記スキャン方向と平行な方向に沿って隣り合っており、前記第2の開口領域が、前記第2の開口部での前記第1の開口領域に対応する領域から前記スキャン方向と異なる所定方向へ変位した開口領域を含む開口列を有することを特徴とする。
本発明の実施の形態に係るレーザーアニール方法は、表面にアモルファス半導体膜が形成された基板を用意する工程Aと、前記アモルファス半導体膜の一部分に選択的にレーザー光を照射する工程Bとを包含し、前記工程Bは、前記一部分内に、第1の方向に細長い第1溶融領域と、前記第1の方向と異なる第2の方向に細長い第2溶融領域とを同時に形成する工程を包含する。
本発明によれば、基板のスキャン方向に限定されることなく、結晶粒界を所要の方向に生成することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態のレーザーアニール装置100の構成の一例を示す模式図である。本実施の形態のレーザーアニール装置100は、レーザー光を出射するレーザー光源70、レーザー光源70から出射されたレーザー光を平行ビームに成形するためのレンズ群を含む光学系60、後述の開口部及びマイクロレンズがアレイ状に配置されたマスク部40を有するマスク(遮光板)30などを備える。光学系60で成形された平行ビームは、マスク部40が有する開口部及びマイクロレンズを介して基板10の所要箇所に選択的に照射される。また、基板10は不図示の駆動機構により一定の速度で搬送される。レーザー光源70は、基板10の照射位置が開口部に対応する位置に到達する時間間隔でレーザー光を照射する。なお、レーザーアニール装置100は、基板10を移動させる構成に代えて、基板10を固定しておき、マスク30等を移動させる構成であってもよい。以下では、基板10を移動させる例について説明する。
図2は本実施の形態のマスク30の構成の一例を示す平面視の模式図である。マスク30には、矩形状のマスク部40を形成してある。マスク部40のスキャン方向(縦方向)の寸法をWとし、スキャン方向と直交する方向(横方向)の寸法をLとする。マスク部40には、スキャン方向及びスキャン方向と直交する方向それぞれに等間隔でアレイ状にマイクロレンズ21が設けられている。それぞれのマイクロレンズ21の平面視での中心位置を所定位置として、後述の開口部を形成してある。
マスク部40の縦方向の寸法Wは、例えば、約5mmとすることができ、横方向の寸法Lは、約50mmとすることができるが、各寸法はこれらの数値に限定されない。マイクロレンズ21は、スキャン方向(縦方向)に20個等間隔で並べてある。1個のマイクロレンズ21には、1個の開口部が対応するので、マスク30は、スキャン方向(縦方向)に20個等間隔で開口部を形成してある。図2において、20個の開口部がスキャン方法に沿って列設されたものを開口列と称する。マスク30は、スキャン方向と直交する方向に沿って並んだ複数の開口列を有する。
図3は本実施の形態の開口部50及びマイクロレンズ21の位置関係を示す模式図である。図3は正面視での開口部50及びマイクロレンズ21の位置関係を示すとともに、平面視で開口部50の位置を当該開口部50に対応するマイクロレンズ21の位置を基準にして示す。なお、本実施の形態では、簡便のため、開口部50の大きさと照射パターンの大きさとは同等に記載しているが、実際には、レーザー光がマイクロレンズ21により集光されるので、開口部50のサイズは照射パターンのサイズよりも大きい。図3に示すように、マスク部40は、複数の開口部50及びマイクロレンズ(レンズ)21を有する。なお、マイクロレンズ21は、開口部50に対応して透明基板20上に形成されており、透明基板20とマスク30とは一体的になっている。また、平面視が円形のマイクロレンズ21の中心と矩形状の開口部50の中心とが一致するように開口部50を配置してある。また、マスク30とマイクロレンズ21の受光面とは、適長離隔して配置されている。マイクロレンズ21の最大サイズ(平面視の円形の直径)は、例えば、150μm〜400μm程度とすることができるが、これらの数値に限定されない。複数のマイクロレンズ21の集合体をマイクロレンズアレイとも称する。なお、本明細書では、開口部50を単に開口部とも称し、開口部は1又は複数の開口領域を有する。
前述の光学系60で成形された平行ビームがマスク部40の開口部50に照射されると、開口部50を通過したレーザー光は、マイクロレンズ21で集光され、集光されたレーザー光が、複数の開口部50(すなわち、マイクロレンズ21)それぞれに対応して基板10上の所要箇所に選択的に照射される。所要箇所は、典型的には、1つのTFTが有する半導体層(「活性層」と呼ばれることもある。)となる領域である。図6等に示す様に、1つのTFTが有する半導体層(活性層)は、チャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を有する。
図4A、図4B及び図4Cは本実施の形態のレーザーアニール装置100による基板10のスキャンの一例を示す模式図である。図4Aは、マスク30が所定位置にセットされた状態を示し、基板10のスキャン方向の移動が開始される前の状態を示す。図4Aに示す状態から、基板10をスキャン方向に一定の速度で移動させる。レーザー光源70は、基板10の照射位置が開口部50に対応する位置に到達する時間間隔でレーザー光を照射する。例えば、図2に例示した開口部50の場合、基板10の同じ個所には、20回レーザー光が照射されることになる。図4Bは、基板10を一定の速度で移動させて、スキャン方向の最終位置まで(距離Zだけ)移動した状態を示す。基板10を図4Bに示す状態まで移動させることにより、図4Cに示すように、基板10の照射領域Sの範囲内の所要箇所にレーザー光を選択的に照射することができる。図4Cに示す状態で、マスク30をスキャン方向と直交する方向に距離Lだけ移動させ、図4A及び図4Bに示す場合と同様に基板10をスキャン方向に移動させることにより、照射領域Sを増やすことができる。なお、図4では、基板10のサイズとマスク30のサイズを同程度に図示しているが、実際は基板10のサイズは、図4の場合よりも遥かに大きい。
次に、本実施の形態のマスク30のマスク部40の詳細について説明する。図5は本実施の形態のマスク部40の開口部の第1実施例を示す模式図である。以下の例では、便宜上、マスク部40が、スキャン方向と平行な方向に沿って4種類の開口部a、b、c、dが列設されている。図5では、4種類の開口部a、b、c、dがスキャン方向に沿って近接して配置されているように図示しているが、開口部のスキャン方向における位置を表すものではない。
開口部a、b、c、dは、それぞれに対応する1つのマイクロレンズ21の中心位置54の近傍に設けられている。例えば、マイクロレンズ21の直径が250μmの場合、開口部a、b、c、dは、それぞれマイクロレンズ21の中心位置54から半径10μm〜20μmの範囲内に形成されている。開口部a、b、c、dを形成する範囲は、マイクレンズ21が半導体膜の表面に開口部a、b、c、dの像を十分な精度で縮小投影できるように適宜設定され得る。また、半導体膜を溶融するために、レーザー光を照射する回数は、レーザー光の照射エネルギー密度に依存する。
例えば、図2に示したマイクロレンズアレイは、スキャン方向に沿って20個(20行)のマイクロレンズ21が配列されている。この20個のマイクロレンズ21に対応して、4種類の開口部a、b、c、dを配置する。例えば、スキャン方向の先頭(図2の最下行)から5行目までのマイクロレンズ21に対応して開口部aを配置し、6行目から10行目までのマイクロレンズ21に対応して開口部bを配置し、11行目から15行目までのマイクロレンズ21に対応して開口部cを配置し、16行目から20行目までのマイクロレンズ21に対応して開口部dを配置する。
上述のように4種類の開口部a、b、c、dが配置されてマスク30を用いて、20行のマイクロレンズ21を有するマイクロレンズアレイを1行ごとに、基板10に対して相対的に移動させながら、半導体膜の各TFTの活性層となる領域に、レーザー光を20回照射する。そうすると、1回目から5回目までは開口部aに対応する領域にレーザー光が照射され、6回目から10回目までは開口部bに対応する領域にレーザー光が照射され、11回目から15回目までは開口部cに対応する領域にレーザー光が照射され、16回目から20回目までは開口部dに対応する領域にレーザー光が照射される。すなわち、この例は、5回のレーザー光照射によってアモルファス半導体膜を溶融する場合である。
もちろん、4種類の開口部a、b、c、dの配列はここで例示したものに限られない。例えば、4種類の開口部a、b、c、dの順序を入れ替えてもよい(例えば、1〜5行を開口部b、6〜10行を開口部a、11〜15行を開口部d、16〜20行を開口部c)。なお、レーザー光照射によって結晶化した領域(多結晶領域)は、融点以上に加熱されないと、溶融(融解)しない。アモルファス半導体膜を溶融結晶化するための温度は、多結晶の融点よりも低く、アモルファス半導体膜を溶融結晶化するためのレーザー光の照射エネルギー密度、照射時間および照射回数は、半導体膜を多結晶の融点以上に加熱しないように設定される。したがって、開口部a、b、c、dの配列を変えると、溶融結晶化される領域は、開口部a、b、c、dの配列に応じて異なることになる。
また、マイクロレンズアレイは20行である必要はなく、4行であってもよいし、20行超であってもよい。レーザー光の照射エネルギー密度、発振時間、マイクレンズの集光能力およびマイクロレンズと半導体膜との距離によって決まる縮小率等を考慮して適宜変更され得る。
開口部a、b、c、dは、それぞれ複数の開口部領域を有している。ここで例示する開口部a、b、c、dは、それぞれ、チャネル領域(中央)、ドレイン領域(上段または下段)、およびソース領域(下段または上段)に対応する開口領域を含んでおり、チャネル領域を形成するための開口部52a、52b、52c、52dは、スキャン方向に細長い(スキャン方向に直交する方向の幅が狭い)矩形であり、ドレイン領域を形成するための開口部51a、51b、51c、51dおよびソース領域を形成するための開口部53a、53b、53c、53dは、スキャン方向に直交する方向に細長い(スキャン方向の幅が狭い)矩形である。
このように、本発明の実施形態においては、マスクは、互いに異なる2つの方向に細長い2以上の開口領域を有しており、それによって、各開口領域に対応する半導体膜の領域にレーザー光が選択的に照射され、溶融される。すなわち、半導体膜の、開口領域に対応する領域(すなわち、開口領域が縮小投影された領域)が溶融される。開口領域に対応する、半導体膜にレーザー光が照射され、溶融された領域を「溶融領域」ということがある。溶融領域は、開口領域と相似形状となる。互いに異なる方向に沿って配置された細長い2以上の開口領域を介してレーザー光を照射することによって、互いに異なる方向に沿って配置された細長い2以上の溶融領域が形成され、その結果、結晶粒界が延びる方向が異なる複数の結晶領域を有する半導体層を形成することができる。
開口部a、b、c、dがそれぞれ有する複数の開口領域は、上述したように、チャネル領域(中央)、ドレイン領域(上段または下段)、およびソース領域(下段または上段)に対応する開口領域を含んでいる。すなわち、開口部a、b、c、dがそれぞれ有する複数の開口領域は、図5に示すように、3つの開口列A、B、Cを有していると表現することもできる。もちろん、本発明による実施形態におけるマスクが有する開口列の数、一つの開口列での開口部の数は、図5の例に限定されない。
図5に示すように、開口列A、B、Cは、それぞれスキャン方向に沿って開口部a、b、c、dが列設されている。開口列Bは、第1の開口列とも称することができ、開口列A及び開口列Cは、第2の開口列とも称することができる。また、開口部aを第1の開口部とすると、開口部bを第2の開口部とすることができる。開口部bと開口部cとの関係、及び開口部cと開口部dとの関係も開口部aと開口部bとの関係と同様である。
開口部a、b、c、dは、それぞれに対応する1つのマイクロレンズ21の中心位置54の近傍に設けられている。例えば、マイクロレンズ21の直径が250μmの場合、開口部a、b、c、dは、それぞれマイクロレンズ21の中心位置54から半径10μm〜20μmの範囲内に形成されている。開口部a、b、c、dを形成する範囲は、マイクレンズ21が半導体膜の表面に開口部a、b、c、dの像を十分な精度で縮小投影できるように適宜設定され得る。また、半導体膜を溶融するために、レーザー光を照射する回数は、レーザー光の照射エネルギー密度に依存する。
例えば、図2に示したマイクロレンズアレイは、スキャン方向に沿って20個(20行)のマイクロレンズ21が配列されている。この20個のマイクロレンズ21に対応して、4種類の開口部a、b、c、dを配置する。例えば、スキャン方向の先頭(図2の最下行)から5行目までのマイクロレンズ21に対応して開口部aを配置し、6行目から10行目までのマイクロレンズ21に対応して開口部bを配置し、11行目から15行目までのマイクロレンズ21に対応して開口部cを配置し、16行目から20行目までのマイクロレンズ21に対応して開口部dを配置する。
上述のように4種類の開口部a、b、c、dが配置されてマスク30を用いて、20行のマイクロレンズ21を有するマイクロレンズアレイを1行ごとに、基板10に対して相対的に移動させながら、半導体膜の各TFTの活性層となる領域に、レーザー光を20回照射する。そうすると、1回目から5回目までは開口部aに対応する領域にレーザー光が照射され、6回目から10回目までは開口部bに対応する領域にレーザー光が照射され、11回目から15回目までは開口部cに対応する領域にレーザー光が照射され、16回目から20回目までは開口部dに対応する領域にレーザー光が照射される。すなわち、この例は、5回のレーザー光照射によってアモルファス半導体膜を溶融する場合である。
もちろん、4種類の開口部a、b、c、dの配列はここで例示したものに限られない。例えば、4種類の開口部a、b、c、dの順序を入れ替えてもよい(例えば、1〜5行を開口部b、6〜10行を開口部a、11〜15行を開口部d、16〜20行を開口部c)。なお、レーザー光照射によって結晶化した領域(多結晶領域)は、融点以上に加熱されないと、溶融(融解)しない。アモルファス半導体膜を溶融結晶化するための温度は、多結晶の融点よりも低く、アモルファス半導体膜を溶融結晶化するためのレーザー光の照射エネルギー密度、照射時間および照射回数は、半導体膜を多結晶の融点以上に加熱しないように設定される。したがって、開口部a、b、c、dの配列を変えると、溶融結晶化される領域は、開口部a、b、c、dの配列に応じて異なることになる。
また、マイクロレンズアレイは20行である必要はなく、4行であってもよいし、20行超であってもよい。レーザー光の照射エネルギー密度、発振時間、マイクレンズの集光能力およびマイクロレンズと半導体膜との距離によって決まる縮小率等を考慮して適宜変更され得る。
開口部a、b、c、dは、それぞれ複数の開口部領域を有している。ここで例示する開口部a、b、c、dは、それぞれ、チャネル領域(中央)、ドレイン領域(上段または下段)、およびソース領域(下段または上段)に対応する開口領域を含んでおり、チャネル領域を形成するための開口部52a、52b、52c、52dは、スキャン方向に細長い(スキャン方向に直交する方向の幅が狭い)矩形であり、ドレイン領域を形成するための開口部51a、51b、51c、51dおよびソース領域を形成するための開口部53a、53b、53c、53dは、スキャン方向に直交する方向に細長い(スキャン方向の幅が狭い)矩形である。
このように、本発明の実施形態においては、マスクは、互いに異なる2つの方向に細長い2以上の開口領域を有しており、それによって、各開口領域に対応する半導体膜の領域にレーザー光が選択的に照射され、溶融される。すなわち、半導体膜の、開口領域に対応する領域(すなわち、開口領域が縮小投影された領域)が溶融される。開口領域に対応する、半導体膜にレーザー光が照射され、溶融された領域を「溶融領域」ということがある。溶融領域は、開口領域と相似形状となる。互いに異なる方向に沿って配置された細長い2以上の開口領域を介してレーザー光を照射することによって、互いに異なる方向に沿って配置された細長い2以上の溶融領域が形成され、その結果、結晶粒界が延びる方向が異なる複数の結晶領域を有する半導体層を形成することができる。
開口部a、b、c、dがそれぞれ有する複数の開口領域は、上述したように、チャネル領域(中央)、ドレイン領域(上段または下段)、およびソース領域(下段または上段)に対応する開口領域を含んでいる。すなわち、開口部a、b、c、dがそれぞれ有する複数の開口領域は、図5に示すように、3つの開口列A、B、Cを有していると表現することもできる。もちろん、本発明による実施形態におけるマスクが有する開口列の数、一つの開口列での開口部の数は、図5の例に限定されない。
図5に示すように、開口列A、B、Cは、それぞれスキャン方向に沿って開口部a、b、c、dが列設されている。開口列Bは、第1の開口列とも称することができ、開口列A及び開口列Cは、第2の開口列とも称することができる。また、開口部aを第1の開口部とすると、開口部bを第2の開口部とすることができる。開口部bと開口部cとの関係、及び開口部cと開口部dとの関係も開口部aと開口部bとの関係と同様である。
図5に示すように、開口列A(第2の開口列とも称する)において、開口部aは開口領域51aを有し、開口部bは開口領域51bを有し、開口部cは開口領域51cを有し、開口部dは開口領域51dを有している。また、開口列Bにおいて、開口部aは開口領域52aを有し、開口部bは開口領域52bを有し、開口部cは開口領域52cを有し、開口部dは開口領域52dを有している。同様に、開口列Cにおいて、開口部aは開口領域53aを有し、開口部bは開口領域53bを有し、開口部cは開口領域53cを有し、開口部dは開口領域53dを有している。各列において、開口部aは、一つの開口領域のみを有し、開口部b〜dは、二つの開口領域のみを有している。
開口列A及び開口列Cの各開口領域は、矩形状をなす。より具体的には、開口領域51a〜51d、53a〜53dは、スキャン方向と直交する方向に沿って細長形状をなす。また、開口列Bの各開口領域も、矩形状をなす。より具体的には、開口領域52a〜52dは、スキャン方向に沿って細長形状をなす。なお、図5に示す各開口領域の形状は、便宜上、示すものであり、実際の開口領域は、図5に示す形状とは異なってもよい。開口領域51a〜51d、53a〜53dの幅(スキャン方向の寸法)は、例えば、数μmとすることができる。また、開口領域52a〜52dの幅(スキャン方向と直交する方向の寸法)は、例えば、数μmとすることができる。
ここで、細長形状の矩形とはアスペクト比(長辺/短辺)が3以上のものをいい、短辺の長さは、例えば、4μm以下である。短辺の長さが4μmを超えると、結晶化の際にラテラル成長が溶融領域の中央まで達せず、溶融領域の中央で微結晶が発生するおそれがある。なお、各開口領域の形状は、矩形に限られず、例えば楕円であってもよく、この場合、アスペクト比は、長軸/短軸で定義され得る。開口領域は、矩形または楕円以外の形状を有してもよく、その場合でも、長軸および短軸に関して線対称の形状であることが好ましい。
ここで、細長形状の矩形とはアスペクト比(長辺/短辺)が3以上のものをいい、短辺の長さは、例えば、4μm以下である。短辺の長さが4μmを超えると、結晶化の際にラテラル成長が溶融領域の中央まで達せず、溶融領域の中央で微結晶が発生するおそれがある。なお、各開口領域の形状は、矩形に限られず、例えば楕円であってもよく、この場合、アスペクト比は、長軸/短軸で定義され得る。開口領域は、矩形または楕円以外の形状を有してもよく、その場合でも、長軸および短軸に関して線対称の形状であることが好ましい。
開口列Bにおいて、開口部aを第1の開口部とし、開口部bを第2の開口部とすると、開口領域52a(第1の開口領域)と開口領域52b(第2の開口領域)とは、スキャン方向と平行な方向に隣り合って並んでいる。開口部aの中心位置54が開口部bの中心位置54と一致するように開口領域をずらして見ると、開口領域52bは、開口部b(第2の開口部)での開口領域52aに対応する領域からスキャン方向と直交する方向へ変位した開口領域を含んでいる。
同様に、開口列Bにおいて、開口部bを第1の開口部とし、開口部cを第2の開口部とすると、開口領域52b(第1の開口領域)と開口領域52c(第2の開口領域)とは、スキャン方向と平行な方向に隣り合って並んでいる。開口部bの中心位置54が開口部cの中心位置54と一致するように開口領域をずらして見ると、開口領域52cは、開口部c(第2の開口部)での開口領域52bに対応する領域からスキャン方向と直交する方向へ変位した開口領域を含んでいる。開口部cと開口部dとの関係も同様である。
また、開口列Aにおいて、開口部aを第1の開口部とし、開口部bを第2の開口部とすると、開口領域51a(第1の開口領域)と開口領域51b(第2の開口領域)とは、スキャン方向と平行な方向に隣り合って並んでいる。開口部aの中心位置54が開口部bの中心位置54と一致するように開口領域をずらして見ると、開口領域51bは、開口部b(第2の開口部)での開口領域51aに対応する領域からスキャン方向と平行な方向へ変位した開口領域を含んでいる。
同様に、開口列Aにおいて、開口部bを第1の開口部とし、開口部cを第2の開口部とすると、開口領域51b(第1の開口領域)と開口領域51c(第2の開口領域)とは、スキャン方向と平行な方向に隣り合って並んでいる。開口部bの中心位置54が開口部cの中心位置54と一致するように開口領域をずらして見ると、開口領域51cは、開口部c(第2の開口部)での開口領域51bに対応する領域からスキャン方向と平行な方向へ変位した開口領域を含んでいる。開口部cと開口部dとの関係も同様である。また、開口列Cも開口列Aと同様である。
上記の説明では、4つの開口部a、b、c、dがスキャン方向に隣接して配列されるとして説明したが、図2を参照して上述した様に、開口部a、b、c、dがそれぞれ5つずつスキャン方向に沿って配列されてもよい。その場合でも、上述した様に、開口部aと開口部bとが隣接する箇所、開口部bと開口部cとが隣接する箇所、開口部cと開口部dとが隣接する箇所は存在する。
上記の説明では、4つの開口部a、b、c、dがスキャン方向に隣接して配列されるとして説明したが、図2を参照して上述した様に、開口部a、b、c、dがそれぞれ5つずつスキャン方向に沿って配列されてもよい。その場合でも、上述した様に、開口部aと開口部bとが隣接する箇所、開口部bと開口部cとが隣接する箇所、開口部cと開口部dとが隣接する箇所は存在する。
次に、結晶粒界について説明する。アモルファスシリコン(非晶質、a-Si)膜にレーザー光を照射すると、アモルファスシリコン膜は熱溶融される。熱溶融されたアモルファスシリコンは、レーザー光の照射領域境界から内側に向かって固化しながら結晶成長が進行する。半導体膜の結晶化された領域は、原子の配列の向きが異なる領域(結晶粒とも称する)が多数集まった構造(多結晶構造)を有し、結晶粒の境界を結晶粒界という。レーザー光の照射領域が、細幅の矩形状の場合、対向する境界から幅方向に沿って内側に向かって成長する結晶がお互いに近づき、結晶粒界の方向が概ね幅方向となる。なお、個々の結晶粒界の方向には、ばらつきがあるので、本明細書では、結晶粒界の方向とは、結晶化された領域に含まれる複数の結晶粒界の平均的な方向であり、複数の結晶粒が全体として概ねどの方向に向いているかを示す。
図6は本実施の形態のレーザーアニール装置100によるアモルファスシリコン膜の結晶成長の様子の一例を示す模式図である。図6に示す結晶成長は、図5に示す開口部を用いた場合の例を示す。
図6では、チャネル領域、及びチャネル領域の両側のソース電極直下の領域(ソース領域)及びドレイン電極直下の領域(ドレイン領域)を示す。符号11はアモルファスシリコン膜を示し、符号12はポリシリコン膜を示す。また、符号13は結晶粒界を示す。図6では、レーザー光の照射領域であるアモルファスシリコン膜での結晶の成長の様子を模式的に示し、左から右に向かって、レーザー光の照射回数(1回目から4回目)に応じた結晶の成長の状態を示す。なお、ここで、1回目は、開口部aを介してレーザー光を称した場合、2回目は、開口部bを介してレーザー光を称した場合、3回目は、開口部cを介してレーザー光を照射した場合、4回目は、開口部dを介してレーザー光を照射した場合を表しており、開口部a、b、c、dのそれぞれを介して、例えば5回ずつレーザー光を照射した場合には、それぞれ5回目の照射後の結晶粒界の状態を模式的に示している。
図6では、チャネル領域、及びチャネル領域の両側のソース電極直下の領域(ソース領域)及びドレイン電極直下の領域(ドレイン領域)を示す。符号11はアモルファスシリコン膜を示し、符号12はポリシリコン膜を示す。また、符号13は結晶粒界を示す。図6では、レーザー光の照射領域であるアモルファスシリコン膜での結晶の成長の様子を模式的に示し、左から右に向かって、レーザー光の照射回数(1回目から4回目)に応じた結晶の成長の状態を示す。なお、ここで、1回目は、開口部aを介してレーザー光を称した場合、2回目は、開口部bを介してレーザー光を称した場合、3回目は、開口部cを介してレーザー光を照射した場合、4回目は、開口部dを介してレーザー光を照射した場合を表しており、開口部a、b、c、dのそれぞれを介して、例えば5回ずつレーザー光を照射した場合には、それぞれ5回目の照射後の結晶粒界の状態を模式的に示している。
図6における、1回目の状態は、図5に示す開口部aを介してレーザー光を照射した場合の照射領域での結晶成長を示す。開口領域52aは、スキャン方向と平行な方向(横方向とも称する)に沿って細長の矩形状をなし、スキャン方向と直交する方向(縦方向とも称する)に沿った幅の寸法は小さいので、熱溶融されたアモルファスシリコン膜11は、開口領域52aに対応する照射領域の横方向の対向する境界から内側に向かって固化してポリシリコン膜12となる。この場合、結晶粒界13の方向は縦方向となる。
また、開口領域51aは、縦方向に沿って細長の矩形状をなし、横方向に沿った幅の寸法は小さいので、熱溶融されたアモルファスシリコン膜11は、開口領域51aに対応する照射領域の縦方向の対向する境界から内側に向かって固化してポリシリコン膜12となる。この場合、結晶粒界13の方向は横方向となる。開口領域53aについても開口領域51aの場合と同様であり、開口領域53aに対応する照射領域の縦方向の対向する境界から内側に向かって固化してポリシリコン膜12となる。この場合、結晶粒界13の方向は横方向となる。
2回目の状態は、図5に示す開口部bを介してレーザー光を照射した場合の照射領域での結晶成長を示す。開口領域52bは、開口領域52aに対応する領域を間にして縦方向に離隔した二つの開口領域であり、横方向に沿って細長の矩形状をなし、縦方向に沿った幅の寸法は小さいので、熱溶融されたアモルファスシリコン膜11は、開口領域52bに対応する照射領域の横方向の対向する境界から内側に向かって固化してポリシリコン膜12となる。この場合、結晶粒界13の方向は縦方向となる。
また、開口領域51bは、開口領域51aに対応する領域を間にして横方向に離隔した二つの開口領域であり、縦方向に沿って細長の矩形状をなし、横方向に沿った幅の寸法は小さいので、熱溶融されたアモルファスシリコン膜11は、開口領域51bに対応する照射領域の縦方向の対向する境界から内側に向かって固化してポリシリコン膜12となる。この場合、結晶粒界13の方向は横方向となる。開口領域53bについても開口領域51bの場合と同様であり、開口領域53bに対応する照射領域の縦方向の対向する境界から内側に向かって固化してポリシリコン膜12となる。この場合、結晶粒界13の方向は横方向となる。
図6に示すように、さらに、3回目、4回目とレーザー光の照射を繰り返すことにより、図6の4回目の図に示すように、チャネル領域での結晶粒界の方向がチャネル領域の長さ方向に平行(すなわち、スキャン方向と直交する方向)となり、ドレイン電極直下の領域及びソース電極直下の領域での結晶粒界の方向は、チャネル領域の長さ方向に直交する方向(すなわち、スキャン方向)となる。
結晶粒界では電子が散乱される傾向が強くなるため電子の移動度が小さくなる。チャネル領域では、結晶粒界の方向がチャネル領域の長さ方向であるため、電子が結晶粒界で散乱される度合いが小さく、薄膜トランジスタのオン電流を大きくすることができる。ソース電極及びドレイン電極の直下の領域では、結晶粒界の方向は、例えば、チャネル領域の長さ方向に対して直交する方向となるので、電子の結晶粒界を通過する頻度を多くすることができ、薄膜トランジスタのオフ電流を抑制することができる。
上述のように、開口列B(第1の開口列)では、開口領域52aを介して半導体膜の照射領域にレーザー光が照射され、レーザー光が照射された領域での結晶粒界が所定方向(例えば、スキャン方向と直交する方向)に成長する。次のレーザー光照射のタイミングでは、開口領域52bを介してレーザー光が照射領域に照射される。この場合、開口領域52bは、開口領域52aに対応する領域からスキャン方向と異なる所定方向へ変位した開口領域を含むので、結晶粒界は、さらに所定方向に成長する。開口領域52c、52dについても同様である。これにより、基板のスキャン方向に限定されることなく、結晶粒界を所要の方向(例えば、スキャン方向と直交する方向)に成長させることができる。
また、上述のように、開口列A(第2の開口列)では、開口領域51aを介して半導体膜の照射領域にレーザー光が照射され、レーザー光が照射された領域での結晶粒界がスキャン方向と平行な方向に成長する。次のレーザー光照射のタイミングでは、開口領域51bを介してレーザー光が照射領域に照射される。この場合、開口領域51bは、開口領域51aに対応する領域からスキャン方向と平行な方向へ変位した開口領域を含むので、結晶粒界は、さらにスキャン方向と平行な方向に成長する。開口領域51c、51dについても同様である。また、開口列C(第2の開口列)についても開口列Aと同様である。これにより、同一基板上で、結晶粒界が異なる構造の作成が可能となる。例えば、結晶粒界を異なる複数の方向(図5及び図6の例では、スキャン方向及びスキャン方向に直交する方向)に成長させることができる。
また、上述の例では、開口列Bにおいて、開口領域52bは、開口部bでの開口領域52aに対応する領域の一部を含まない。すなわち、開口領域52bは、開口領域52aに対応する領域の一部を間にして二つの開口領域に分かれている。これにより、開口部bの開口領域52bを介してレーザー光が照射される場合、二つの開口領域52bの間の領域に対応する結晶性半導体膜(多結晶半導体領域)の一部または全部にはレーザー光を照射しないようにしてもよい。開口領域52c、52dについても同様である。また、開口列A及び開口列Cについても同様である。先のレーザー光照射によって結晶化された領域の一部に重なるように次のレーザー光照射を行うことで、先のレーザー光照射で生じた結晶を連続的に成長させることができる。なお、先のレーザー光照射によって結晶化された領域(多結晶半導体領域)に、レーザー光を再び照射しても、多結晶が溶融しない条件(レーザー光の照射エネルギー密度、照射時間および照射回数)でレーザー光を照射してもよい。同様に結晶粒界が連続的に形成され得るからである。
また、所定方向は、スキャン方向と直交する方向とすることができる。これにより、基板面に対して、縦方向の結晶粒界と横方向の結晶粒界とを形成することができる。
また、図5に示すように、各開口領域は、矩形状をなす。また、開口列Bでは、開口領域52a〜52dを、スキャン方向と平行な方向に沿って細長形状とすることができ、開口列A及び開口列Cでは、開口領域51a〜51d、53a〜53dを、スキャン方向と異なる所定方向(スキャン方向と直交する方向)に沿って細長形状とすることができる。これにより、結晶粒界の方向を所要の方向にすることができる。
図7は本実施の形態のマスク部40の開口部50の第2実施例を示す模式図である。図5に示す第1実施例では、例えば、図5に示すように、開口列Bにおいて、開口領域52bは、開口部bでの開口領域52aに対応する領域の一部を含まない。すなわち、開口領域52bは、開口領域52aに対応する領域の一部を間にして二つの開口領域に分かれている。
一方、第2実施例では、図7に示すように、開口列Bにおいて、開口領域152bは、開口部bでの開口領域152aに対応する領域を含む。すなわち、開口領域152bは、開口領域152aに対応する領域を含んだ一つの開口領域になっている。これにより、開口部bの開口領域152bを介してレーザー光が照射される場合、開口部aの開口領域152aを介してレーザー光が照射された領域に再度レーザー光が照射される。このとき、先のレーザー光照射によって結晶化された領域(多結晶半導体領域)に、レーザー光を再び照射しても、多結晶が溶融しない条件(レーザー光の照射エネルギー密度、照射時間および照射回数)でレーザー光を照射すれば、実質的に図6に示した多結晶半導体領域を形成することができる。アモルファスシリコンを結晶化するための一般的なレーザー光の照射条件は、上記の条件を満足する。開口領域152c、152dについても同様である。また、開口列A及び開口列Cについても同様である。
このように、2回目以降にレーザー光を照射する領域が、先にレーザー光が照射され結晶化された領域を含んでも、先に結晶化された領域は溶融されないので、2回目以降にレーザー光を照射する領域の内で、アモルファス領域が細長い形状であれば、所定の方向に結晶粒界を有する多結晶半導体領域を形成することができる。したがって、図7における開口領域152b、152c、152dは、開口領域152aの様に横に細長い形状を有していないが、それぞれ、図5に示した一対の開口領域52b、52c、52dと同じ領域を溶融結晶化させることができる。同様に、図7における開口領域151b、151c、151dは、開口領域151aの様に縦に細長い形状を有していないが、それぞれ、図5に示した一対の開口領域51b、51c、51dと同じ領域を溶融結晶化させることができるし、図7における開口領域153b、153c、153dは、開口領域153aの様に縦に細長い形状を有していないが、それぞれ、図5に示した一対の開口領域53b、53c、53dと同じ領域を溶融結晶化させることができる。
このように、2回目以降にレーザー光を照射する領域が、先にレーザー光が照射され結晶化された領域を含んでも、先に結晶化された領域は溶融されないので、2回目以降にレーザー光を照射する領域の内で、アモルファス領域が細長い形状であれば、所定の方向に結晶粒界を有する多結晶半導体領域を形成することができる。したがって、図7における開口領域152b、152c、152dは、開口領域152aの様に横に細長い形状を有していないが、それぞれ、図5に示した一対の開口領域52b、52c、52dと同じ領域を溶融結晶化させることができる。同様に、図7における開口領域151b、151c、151dは、開口領域151aの様に縦に細長い形状を有していないが、それぞれ、図5に示した一対の開口領域51b、51c、51dと同じ領域を溶融結晶化させることができるし、図7における開口領域153b、153c、153dは、開口領域153aの様に縦に細長い形状を有していないが、それぞれ、図5に示した一対の開口領域53b、53c、53dと同じ領域を溶融結晶化させることができる。
図8は本実施の形態のレーザーアニール装置100によりアニール処理された活性層を有する薄膜トランジスタを備える表示パネル200の一例を示す模式図である。上述のレーザー光照射による結晶化をアニール処理と呼ぶ。
表示パネル200は、矩形状の絵素領域201と、絵素領域201の周囲に設けられた周辺回路部202などを有する。二つのSDは、一方がソース電極(S)であり、他方がドレイン電極(D)であることを示す。周辺回路部202内のGOA(Gate Driver On Array)回路部212では、ソース電極とドレイン電極との間のチャネル領域での結晶粒界の方向を横方向とし、絵素領域201の絵素部211では、ソース電極とドレイン電極との間のチャネル領域での結晶粒界の方向を縦方向とすることができる。このように、絵素部と周辺回路とで結晶粒界の方向を変えることができる。すなわち、同一基板上で、チャネル領域の長さ方向が、例えば、互いに直交する二種類の薄膜トランジスタを形成することができるので、チャネル領域に対するドレイン電極及びソース電極の位置を縦方向及び横方向に自由に変えることができ、基板上の回路設計の自由度を大きくすることができる。また、基板のスキャン方向に限定されることなく、結晶粒界を所要の方向に成長させた薄膜トランジスタを有する表示パネルを実現することができる。
表示パネル200は、矩形状の絵素領域201と、絵素領域201の周囲に設けられた周辺回路部202などを有する。二つのSDは、一方がソース電極(S)であり、他方がドレイン電極(D)であることを示す。周辺回路部202内のGOA(Gate Driver On Array)回路部212では、ソース電極とドレイン電極との間のチャネル領域での結晶粒界の方向を横方向とし、絵素領域201の絵素部211では、ソース電極とドレイン電極との間のチャネル領域での結晶粒界の方向を縦方向とすることができる。このように、絵素部と周辺回路とで結晶粒界の方向を変えることができる。すなわち、同一基板上で、チャネル領域の長さ方向が、例えば、互いに直交する二種類の薄膜トランジスタを形成することができるので、チャネル領域に対するドレイン電極及びソース電極の位置を縦方向及び横方向に自由に変えることができ、基板上の回路設計の自由度を大きくすることができる。また、基板のスキャン方向に限定されることなく、結晶粒界を所要の方向に成長させた薄膜トランジスタを有する表示パネルを実現することができる。
図9は本実施の形態のレーザーアニール装置100によりアニール処理された活性層を有する薄膜トランジスタを備える表示パネル200の他の例を示す模式図である。図9の例は、1枚のガラス基板から2枚の表示パネル200を作成する様子を示す。表示パネル200は、矩形状の絵素領域201と、絵素領域201の周囲に設けられた周辺回路部202などを有する。上側の表示パネル200の絵素領域201には、チャネル領域の結晶粒界13の方向が縦方向の薄膜トランジスタ群220が生成されており、下側の表示パネル200の絵素領域201には、チャネル領域の結晶粒界13の方向が横方向の薄膜トランジスタ群230が生成されている。このように、基板内で結晶粒界の方向を変更することができる。結晶粒界の方向を任意の方向に設定することができるので、結晶粒界の方向の実験を基板内において1回で行うことができる。
図10は本実施の形態のマスク部40の開口部50の第3実施例を示す模式図である。開口列Aの開口領域251a〜251dは、図7に示す第2実施例の開口領域151a〜151dと同様である。また、開口列Cの開口領域253a〜253dは、図7に示す第2実施例の開口領域153a〜153dと同様である。第2実施例との相違点は、開口列Bの開口領域252a〜252dは、同じ寸法の矩形形状を有し、チャネル領域の大きさと同等の縦横寸法を有する。
図11は図10に示すマスク部40により結晶化された領域の結晶粒界の様子の一例を示す模式図である。開口列Bの開口領域252a〜252dを介して繰り返しレーザー光が照射されると、図11に示すように、チャネル領域には、結晶粒界14の方向が厚み方向(図の手前から奥に向かう方向、すなわち、ゲート電極に向かう方向)の多結晶領域が形成される。252a〜252dの寸法が大きいため結晶化の際に溶融領域の中央部分までラテラル成長が達せず、溶融領域の大半の部分では微結晶が形成されることによる。チャネル領域の結晶粒界の方向を、チャネル領域の厚み方向とすることにより、電子の結晶粒界を通過する頻度を多くすることができ、薄膜トランジスタのオフ電流を抑制することができる。このとき、レーザー光の照射条件(レーザー光の照射エネルギー密度、照射時間および照射回数)は、開口部a〜dに対して適宜選んでやることでこれを実現することができる。すなわち、開口部a〜dに対するレーザー光の照射条件は同じでなくてもよい。
図12は本実施の形態のマスク部40の開口部50の第4実施例を示す模式図である。開口列Bの開口領域352a〜352dは、図7に示す第2実施例の開口領域152a〜152dと同様である。第2実施例との相違点は、開口列Aの開口領域351a〜351dは、同じ寸法の細長形状をなし、ドレイン電極直下の領域の大きさと同等の縦横寸法を有する。また、開口列Cの開口領域353a〜353dは、同じ寸法の細長形状をなし、ソース電極直下の領域の大きさと同等の縦横寸法を有する。
図13は図12に示すマスク部40によりアニール処理された領域の結晶粒界の様子の一例を示す模式図である。図13に示すように、ドレイン電極直下の領域及びソース電極直下の領域は、繰り返しレーザー光が照射されるので(図12の例では、便宜上4回)、結晶粒界14の方向は、厚み方向(図の手前から奥に向かう方向、すなわち、ゲート電極に向かう方向)となる。ドレイン電極直下の領域及びソース電極直下の領域の結晶粒界の方向を、ドレイン電極及びソース電極に対して垂直方向となるので、電子が結晶粒界で散乱される度合いが小さく、薄膜トランジスタのオン電流を大きくすることができる。
次に、本実施の形態のレーザーアニール装置100を用いたレーザーアニール方法について説明する。図14は本実施の形態のレーザーアニール装置100を用いたレーザーアニール方法の一例を示すフローチャートである。以下、簡便のため、レーザーアニール装置100を装置100と称する。装置100は、マスク30を所定位置にセットし(S11)、レーザー光を照射する(S12)。装置100は、基板10をスキャン方向に一定の速度で移動させる(S13)。レーザー光源70は、基板10の照射位置がマスク30の開口部50に対応する位置に到達する時間間隔でレーザー光を照射する。
装置100は、スキャン方向の最終位置まで基板10を移動したか否かを判定し(S14)、最終位置まで基板10を移動していない場合(S14でNO)、ステップS12以降の処理を繰り返す。スキャン方向の最終位置まで基板10を移動した場合(S14でYES)、装置100は、基板10の所定エリアのレーザー光照射が完了したか否かを判定する(S15)。
基板10の所定エリアのレーザー光照射が完了していない場合(S15でNO)、装置100は、マスク30をスキャン方向と直交する方向に所定距離(マスク30の横方向の寸法L)だけ移動し(S16)、ステップS12以降の処理を繰り返す。基板10の所定エリアのレーザー光照射が完了した場合(S15でYES)、装置100は、処理を終了する。なお、図14の例では、基板10をスキャン方向へ移動(搬送)させる構成であったが、これに限定されるものではなく、基板10を固定しておき、マスク30(光学系60を含めてもよい)をスキャン方向に移動させるようにしてもよい。
本実施の形態のマスク30を用いて部分レーザーアニールを行うことにより、特に、SLS法による結晶粒の成長方向(結晶粒界の方向)を、基板面内複数の方向に形成することができる。また、微視的には、薄膜トランジスタにおいて、チャネル領域での結晶粒界の方向と、ソース電極及びドレイン電極直下の領域での結晶粒界の方向とが異なるように形成することができる。これにより、画素用の薄膜トランジスタ及び表示領域外の駆動回路領域の薄膜トランジスタ等を、結晶粒界の方向の制約を受けることなく自由に配置することができ、回路設計の自由度を大きくすることができる。
上述の実施の形態では、スキャン方向に向かって、開口部a、b、c、dと並んだ構成であったが、これに限定されるものではなく、スキャン方向と反対の方向に向かって、開口部a、b、c、dと並んだ構成であってもよい。
上述の実施の形態では、開口部50の各開口領域の形状は矩形状であったが、開口領域の形状は矩形状に限定されるものではなく、例えば、楕円状であってもよい。また、矩形状の開口領域の四隅に円形状又は矩形状の切り欠きを設けてもよい。これにより、開口領域の四隅近傍のレーザー光の照射量を若干増やすことができ、レーザー光が照射される領域の形状を矩形状にすることができる。
本実施の形態は、シリコン半導体を用いたTFTだけでなく、酸化物半導体を用いたTFTにも適用して、1サイクルのスキャンで部分的に電子移動度が異なるアニール処理を行うことができる。
本実施の形態に係るレーザーアニール装置は、開口領域を有する開口部がスキャン方向に沿って列設された開口列を有するマスクを備え、前記開口部を介してレーザー光を基板に照射するレーザーアニール装置であって、第1の開口領域を有する第1の開口部と、第2の開口領域を有する第2の開口部とが前記スキャン方向と平行な方向に沿って隣り合っており、前記第2の開口領域が、前記第2の開口部での前記第1の開口領域に対応する領域から前記スキャン方向と異なる所定方向へ変位した開口領域を含む第1の開口列を有することを特徴とする。
本実施の形態に係るレーザーアニール方法は、表面にアモルファス半導体膜が形成された基板を用意する工程Aと、前記アモルファス半導体膜の一部分に選択的にレーザー光を照射する工程Bとを包含し、前記工程Bは、前記一部分内に、第1の方向に細長い第1溶融領域と、前記第1の方向と異なる第2の方向に細長い第2溶融領域とを同時に形成する工程を包含することを特徴とする。
本実施の形態に係るマスクは、開口領域を有する開口部がスキャン方向に沿って列設された開口列を有するマスクであって、第1の開口領域を有する第1の開口部と、第2の開口領域を有する第2の開口部とが前記スキャン方向と平行な方向に沿って隣り合っており、前記第2の開口領域が、前記第2の開口部での前記第1の開口領域に対応する領域から前記スキャン方向と異なる所定方向へ変位した開口領域を含む開口列を有することを特徴とする。
開口部は、1又は複数の開口領域を有している。開口列は、スキャン方向に沿って列設された複数の開口部を有する。一つの開口列に、例えば、N個の開口部が並んでいるとすると、半導体膜が形成された基板をスキャン方向にシフトすることにより、半導体膜の所要領域には、N回のレーザー光が繰り返し照射されることになる。マスクは、複数の開口列を有していてもよい。
第1の開口領域を有する第1の開口部と、第2の開口領域を有する第2の開口部とがスキャン方向と平行な方向に沿って隣り合っている。
すなわち、第1の開口部の第1の開口領域aと、第2の開口部の第2の開口領域bとは、スキャン方向と平行な方向に隣り合って並んでいる。第2の開口部での第1の開口領域aに対応する領域をa′とすると、第1の開口列は、第2の開口部において、第2の開口領域bが、領域a′からスキャン方向と異なる所定方向へ変位した開口領域を含む。
第1の開口領域aを介して半導体膜にレーザー光が照射され、レーザー光が照射された領域での結晶粒界が所定方向に成長したとする。次のレーザー光照射のタイミングでは、第2の開口領域bを介してレーザー光が照射される。この場合、第2の開口領域bは、領域a′からスキャン方向と異なる所定方向へ変位した開口領域を含むので、結晶粒界は、さらに所定方向に成長する。これにより、基板のスキャン方向に限定されることなく、結晶粒界を所要の方向に成長させることができる。
本実施の形態に係るレーザーアニール装置は、前記第2の開口領域が、前記第2の開口部での前記第1の開口領域に対応する領域から前記スキャン方向と平行な方向へ変位した開口領域を含む第2の開口列を有することを特徴とする。
第1の開口部の開口領域aと、第2の開口部の第2の開口領域bとは、スキャン方向と平行な方向に隣り合って並んでいる。第2の開口部での第1の開口領域aに対応する領域をa′とすると、第2の開口列は、第2の開口部において、第2の開口領域bが、領域a′からスキャン方向と平行な方向へ変位した開口領域を含む。
第1の開口領域aを介して半導体膜にレーザー光が照射され、レーザー光が照射された領域での結晶粒界がスキャン方向に成長したとする。次のレーザー光照射のタイミングでは、第2の開口領域bを介してレーザー光が照射される。この場合、第2の開口領域bは、領域a′からスキャン方向と平行な方向へ変位した開口領域を含むので、結晶粒界は、さらにスキャン方向に成長する。これにより、同一基板上で、結晶粒界が異なる構造の作成が可能となる。例えば、結晶粒界を異なる複数の方向に成長させることができる。
本実施の形態に係るレーザーアニール装置において、前記第2の開口領域は、前記第2の開口部での前記第1の開口領域に対応する領域の一部を含まないことを特徴とする。
第2の開口領域bは、第2の開口部での第1の開口領域aに対応する領域a′の一部を含まない。これにより、第2の開口部を介してレーザー光が照射される場合、領域a′に対応する結晶性半導体膜にはレーザー光を照射しないようにすることができ、結晶性半導体膜の所要の特性を容易に実現することができる。
本実施の形態に係るレーザーアニール装置において、前記第2の開口領域は、前記第2の開口部での前記第1の開口領域に対応する領域を含むことを特徴とする。
第2の開口領域bは、第2の開口部での第1の開口領域aに対応する領域a′を含む。これにより、第2の開口部を介してレーザー光が照射される場合、領域a′に対応する結晶性半導体膜にもレーザー光を照射することができ、結晶性半導体膜の所要の特性を容易に実現することができる。
本実施の形態に係るレーザーアニール装置において、前記所定方向は、前記スキャン方向と直交する方向であることを特徴とする。
所定方向は、スキャン方向と直交する方向である。これにより、基板面に対して、縦方向の結晶粒界と横方向の結晶粒界とを形成することができる。
本実施の形態に係るレーザーアニール装置において、前記第1の開口領域及び第2の開口領域は、矩形状をなすことを特徴とする。
第1の開口領域a及び第2の開口領域bは、矩形状をなす。例えば、第1の開口列では、第1の開口領域a及び第2の開口領域bを、スキャン方向に沿って細長形状とすることができ、第2の開口列では、第1の開口領域a及び第2の開口領域bを、スキャン方向と異なる所定方向に沿って細長形状とすることができる。これにより、結晶粒界の方向を所要の方向にすることができる。
本実施の形態に係る表示パネルは、本実施の形態に係るレーザーアニール装置によりアニール処理された薄膜トランジスタを有することを特徴とする。
基板のスキャン方向に限定されることなく、結晶粒界を所要の方向に成長させた薄膜トランジスタを有する表示パネルを実現することができる。
本実施の形態に係る表示パネルにおいて、前記薄膜トランジスタは、基板の表面に形成されたゲート電極と、該ゲート電極の上側に形成された結晶性半導体膜と、該結晶性半導体膜上に形成されたソース電極と、前記結晶性半導体膜上に形成されたドレイン電極とを備え、前記ソース電極とドレイン電極との間のチャネル領域をなす結晶性半導体膜の結晶粒界の方向は、前記チャネル領域の長さ方向に平行であり、前記ソース電極及びドレイン電極の直下の結晶性半導体膜の結晶粒界の方向は、前記長さ方向と異なることを特徴とする。
ソース電極とドレイン電極との間のチャネル領域をなす結晶性半導体膜の結晶粒界の方向は、チャネル領域の長さ方向に平行であり、ソース電極及びドレイン電極の直下の結晶性半導体膜の結晶粒界の方向は、チャネル領域の長さ方向と異なる方向(例えば、長さ方向と直交する方向)とすることができる。
結晶粒界では電子が散乱される傾向が強くなるため電子の移動度が小さくなる。チャネル領域では、結晶粒界の方向がチャネル領域の長さ方向であるため、電子が結晶粒界で散乱される度合いが小さく、薄膜トランジスタのオン電流を大きくすることができる。ソース電極及びドレイン電極の直下の領域では、結晶粒界の方向は、例えば、チャネル領域の長さ方向に対して直交する方向とすることにより、電子の結晶粒界を通過する頻度を多くすることができ、薄膜トランジスタのオフ電流を抑制することができる。
本実施の形態に係る表示パネルは、チャネル領域をなす結晶性半導体膜の結晶粒界の方向が所定方向である第1薄膜トランジスタと、チャネル領域をなす結晶性半導体膜の結晶粒界の方向が前記所定方向と異なる方向である第2薄膜トランジスタとを備えることを特徴とする。
チャネル領域をなす結晶性半導体膜の結晶粒界の方向が所定方向である第1薄膜トランジスタと、チャネル領域をなす結晶性半導体膜の結晶粒界の方向が所定方向と異なる方向(例えば、所定方向に直交する方向)である第2薄膜トランジスタとを備える。これにより、同一基板上で、チャネル領域の長さ方向が、例えば、直交する薄膜トランジスタを形成することができるので、チャネル領域に対するドレイン電極及びソース電極の位置を縦方向及び横方向に自由に変えることができ、基板上の回路設計の自由度を大きくすることができる。
また、上述の各実施例において記載されている構成は、お互いに組み合わせることが可能であり、組み合わせをすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
10 基板
11 アモルファスシリコン膜
12 ポリシリコン膜
13、14 結晶粒界
21 マイクロレンズ
30 マスク
40 マスク部
50 開口部
51a、51b、51c、51d 開口領域
52a、52b、52c、52d 開口領域
53a、53b、53c、53d 開口領域
54 中心位置
151a、151b、151c、151d 開口領域
152a、152b、152c、152d 開口領域
153a、153b、153c、153d 開口領域
200 表示パネル
201 絵素領域
202 周辺回路部
211 絵素部
212 GOA回路部
251a、251b、251c、251d 開口領域
252a、252b、252c、252d 開口領域
253a、253b、253c、253d 開口領域
351a、351b、351c、351d 開口領域
352a、352b、352c、352d 開口領域
353a、353b、353c、353d 開口領域
11 アモルファスシリコン膜
12 ポリシリコン膜
13、14 結晶粒界
21 マイクロレンズ
30 マスク
40 マスク部
50 開口部
51a、51b、51c、51d 開口領域
52a、52b、52c、52d 開口領域
53a、53b、53c、53d 開口領域
54 中心位置
151a、151b、151c、151d 開口領域
152a、152b、152c、152d 開口領域
153a、153b、153c、153d 開口領域
200 表示パネル
201 絵素領域
202 周辺回路部
211 絵素部
212 GOA回路部
251a、251b、251c、251d 開口領域
252a、252b、252c、252d 開口領域
253a、253b、253c、253d 開口領域
351a、351b、351c、351d 開口領域
352a、352b、352c、352d 開口領域
353a、353b、353c、353d 開口領域
Claims (11)
- 開口領域を有する開口部がスキャン方向に沿って列設された開口列を有するマスクを備え、前記開口部を介してレーザー光を基板に照射するレーザーアニール装置であって、
第1の開口領域を有する第1の開口部と、第2の開口領域を有する第2の開口部とが前記スキャン方向と平行な方向に沿って隣り合っており、
前記第2の開口領域が、前記第2の開口部での前記第1の開口領域に対応する領域から前記スキャン方向と異なる所定方向へ変位した開口領域を含む第1の開口列を有することを特徴とするレーザーアニール装置。 - 前記第2の開口領域が、前記第2の開口部での前記第1の開口領域に対応する領域から前記スキャン方向と平行な方向へ変位した開口領域を含む第2の開口列を有することを特徴とする請求項1に記載のレーザーアニール装置。
- 前記第2の開口領域は、前記第2の開口部での前記第1の開口領域に対応する領域の一部を含まないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザーアニール装置。
- 前記第2の開口領域は、前記第2の開口部での前記第1の開口領域に対応する領域を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザーアニール装置。
- 前記所定方向は、前記スキャン方向と直交する方向であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のレーザーアニール装置。
- 前記第1の開口領域及び第2の開口領域は、矩形状をなすことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のレーザーアニール装置。
- 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のレーザーアニール装置によりアニール処理された活性層を有する薄膜トランジスタを備えることを特徴とする表示パネル。
- 前記薄膜トランジスタは、
基板の表面に形成されたゲート電極と、
該ゲート電極の上側に形成された結晶性半導体膜と、
該結晶性半導体膜上に形成されたソース電極と、
前記結晶性半導体膜上に形成されたドレイン電極と
を備え、
前記ソース電極とドレイン電極との間のチャネル領域をなす結晶性半導体膜の結晶粒界の方向は、前記チャネル領域の長さ方向に平行であり、
前記ソース電極及びドレイン電極の直下の結晶性半導体膜の結晶粒界の方向は、前記長さ方向と異なることを特徴とする請求項7に記載の表示パネル。 - チャネル領域をなす結晶性半導体膜の結晶粒界の方向が所定方向である第1薄膜トランジスタと、
チャネル領域をなす結晶性半導体膜の結晶粒界の方向が前記所定方向と異なる方向である第2薄膜トランジスタと
を備えることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の表示パネル。 - 開口領域を有する開口部がスキャン方向に沿って列設された開口列を有するマスクであって、
第1の開口領域を有する第1の開口部と、第2の開口領域を有する第2の開口部とが前記スキャン方向と平行な方向に沿って隣り合っており、
前記第2の開口領域が、前記第2の開口部での前記第1の開口領域に対応する領域から前記スキャン方向と異なる所定方向へ変位した開口領域を含む開口列を有することを特徴とするマスク。 - 表面にアモルファス半導体膜が形成された基板を用意する工程Aと、
前記アモルファス半導体膜の一部分に選択的にレーザー光を照射する工程Bとを包含し、
前記工程Bは、前記一部分内に、第1の方向に細長い第1溶融領域と、前記第1の方向と異なる第2の方向に細長い第2溶融領域とを同時に形成する工程を包含する、レーザーアニール方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018143165A JP2020021787A (ja) | 2018-07-31 | 2018-07-31 | レーザーアニール装置、表示パネル、レーザーアニール方法及びマスク |
US16/503,317 US20200043729A1 (en) | 2018-07-31 | 2019-07-03 | Laser annealing method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018143165A JP2020021787A (ja) | 2018-07-31 | 2018-07-31 | レーザーアニール装置、表示パネル、レーザーアニール方法及びマスク |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=69228906
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018143165A Pending JP2020021787A (ja) | 2018-07-31 | 2018-07-31 | レーザーアニール装置、表示パネル、レーザーアニール方法及びマスク |
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Country | Link |
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US (1) | US20200043729A1 (ja) |
JP (1) | JP2020021787A (ja) |
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2018
- 2018-07-31 JP JP2018143165A patent/JP2020021787A/ja active Pending
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2019
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