JP5092919B2 - 冷却機構 - Google Patents

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Description

この発明は、冷却液保持部の冷却液をポンプで吸入および吐出して、ポンプから吐出された冷却部で被冷却部を冷却または潤滑する冷却機構に関するものである。
一般に、車両、産業機械などにおいて、被冷却部に冷却液を供給して、その被冷却部を冷却および潤滑する冷却機構が知られている。冷却液としての潤滑油を、オイルポンプにより吸入および吐出する冷却装置の一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された電動車両は、駆動装置ケース内に、走行用モータ、デファレンシャル装置、減速機などを収容しており、この駆動装置ケース内には潤滑油溜まりが設けられている。そして、走行用モータのトルクが、デファレンシャル装置のデファレンシャルケースおよびピニオンギヤを経由して第1駆動軸および第2駆動軸に伝達され、その第1駆動軸および第2駆動軸のトルクが減速機を経由して、伝動軸に伝達される構成となっている。
さらに、駆動装置ケース内には機械式オイルポンプが設けられており、走行用モータの動力により機械式オイルポンプが駆動されて、潤滑油溜まりの潤滑油が吸入および吐出され、その潤滑油が被冷却部、つまり、デファレンシャル装置を構成するギヤ同士の噛み合い部分、および減速機を構成するギヤ同士の噛み合い部分に供給される構成である。機械式オイルポンプの駆動系を説明すると、デファレンシャル装置のデファレンシャルケースには、走行用モータのロータが動力伝達可能に接続されており、そのデファレンシャルケースと一体的に回転するポンプドライブギヤが設けられている。また、このポンプドライブギヤに噛合されたポンプドリブンギヤが設けられており、そのポンプドリブンギヤを介して回転体が回転されて、機械式オイルポンプが作動される構成である。
特開平6−98417号公報
しかしながら、特許文献1に記載された電動車両では、走行用モータが逆回転すると機械式オイルポンプから潤滑油が吐出されなくなり、被冷却部を冷却できない虞があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、ポンプが正回転する場合および逆回転する場合の両方で、冷却液により被冷却液を冷却および潤滑することの可能な冷却機構を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、冷却液を保持する冷却液保持部と、この冷却液保持部から冷却液を吸入し、かつ、吸入した冷却液を吐出するポンプと、このポンプから吐出された冷却液により冷却または潤滑される被冷却部とを有する冷却機構において、前記ポンプはロータが正回転および逆回転が可能に構成されており、このポンプには、ロータの正回転時に冷却液が吸入され、かつ、ロータの逆回転時には冷却液が吐出される第1ポートと、ロータの正回転時に冷却液が吐出され、かつ、ロータの逆回転時には冷却液が吸入される第2ポートとが設けられており、前記第1ポートおよび第2ポートに接続され、かつ、前記冷却液が通る環状の冷却回路が設けられており、この冷却回路と前記冷却液保持部との間に、前記冷却液保持部の冷却液が前記ポンプに吸入されることを許容し、かつ、前記冷却回路の冷却液が前記冷却液保持部に逆流することを防止するバルブが設けられていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記ポンプを駆動し、かつ、正回転および逆回転を切り替え可能な動力源が設けられており、前記被冷却部には前記動力源が含まれていることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項2の構成に加えて、前記動力源が車両の車輪と動力伝達可能に接続されており、前記動力源が正回転すると前記車両を前進させる駆動力が発生し、前記動力源が逆回転すると前記車両を後進させる駆動力が発生する構成であることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、ポンプが正回転すると、冷却液保持部の冷却液がバルブおよび第1ポートを経由してポンプに吸入され、かつ、第2ポートから冷却回路に冷却液が吐出される。そして、冷却回路を通る冷却液により、被冷却部が冷却または潤滑される。これに対して、ポンプが逆回転すると、冷却回路の冷却液が第2ポートを経由してポンプに吸入され、かつ、第1ポートから冷却回路に冷却液が吐出される。そして、冷却回路を通る冷却液により、被冷却部が冷却または潤滑される。また、ポンプが逆回転するときは、バルブが閉じられて、冷却回路の冷却液が冷却液保持部に逆流することが防止される。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、動力源が正回転すると、動力源の動力でポンプが正回転し、動力源が逆回転すると、動力源の動力でポンプが逆回転する。また、冷却回路を通る冷却液により、動力源が冷却される。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明と同様の効果を得られる他に、動力源が正回転すると車両を前進させる駆動力が発生し、動力源が逆回転すると車両を後進させる駆動力が発生する。
この発明におけるポンプはロータが回転して冷却液が吸入および吐出される回転型のポンプである。この発明における冷却液には、被冷却部を潤滑または冷却する液体、例えば、作動油、ギヤ油などのオイルの他、エマルション系潤滑液、水などが含まれる。この発明の冷却液保持部には、冷却液が一時的に貯溜または滞留するタンクまたは冷却液溜まりの他、冷却液が流れる通路が含まれる。この発明における被冷却部は、発熱、摺動、焼き付き、摩耗などのうち、少なくとも1つの現象が生じる部位が含まれる。より具体的には、被冷却部は、オイルにより冷却または潤滑がおこなわれる部位であればよい。この発明の被冷却部には、電動機、歯車同士の噛み合い部分、軸受の摺動部分、ベルトとプーリとの接触部分、ディスクとローラとの接触部分、スプロケットとチェーンとの接触部分などが含まれる。この発明における第1ポートおよび第2ポートは、冷却液が通過できる構成であればよく、第1ポートおよび第2ポートは、ポンプのケーシングに形成された開口部であり、このポートを冷却液が通る。なお、ポンプのケーシング内部に形成された通路が、単数であるか複数であるかは問われない。また、ケーシング内に通路が複数形成されている場合、ロータの正回転時と逆回転時とで、冷却液が通る通路が同じまたは異なっていてもよい。この発明では、ロータが正回転する時と逆回転するときとでは、冷却液の吸入および吐出の向きが逆になる。この発明における冷却回路は、冷却液が通る通路であり、この冷却回路は、ケーシングまたはハウジングなどの固定部材に貫通して形成された流路、パイプまたはホースにより形成された流路をその一部または前部に有する環状の回路である。また、冷却回路を通る冷却液により被冷却部を冷却する態様には、冷却液と被冷却部とが直接接触することなく、熱伝達により冷却される態様が含まれる。さらに、冷却回路を通る冷却液により被冷却部を冷却する態様には、冷却液と被冷却部とが直接接触して、被冷却部の熱が奪われる態様が含まれる。さらに、冷却回路を通る冷却液により被冷却部を潤滑する態様には、冷却液と被冷却部とが直接接触して、被冷却部が潤滑される態様が含まれる。
つぎに、この発明の冷却機構を、車両のインホイールモータに用いた場合の具体例を、図2に基づいて説明する。この図2は冷却機構の平面図である。まず、車両の車体24には懸架装置25を介在させてケーシング1が取り付けられている。ケーシング1は、金属材料、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金などにより構成されている。この懸架装置25は、ストラット形式またはダブルウィッシュボーン形式またはスイングアーム形式またはマルチリンク形式のいずれでもよい。ケーシング1は中空に構成された箱であり、ケーシング1の内部に電動モータ2が設けられている。電動モータ2は、交流型または直流型のいずれでもよく、例えば3相交流型のモータ・ジェネレータを用いることができる。この電動モータ2はロータ(図示せず)およびステータ(図示せず)を有する。ステータはケーシング1に固定されており、車体24には電源26が設けられている。その電源26と電動モータ2との間の電気回路にインバータ27が設けられている。この電源26として、充電および放電をおこなうことの可能な二次電池、例えば、バッテリまたはキャパシタを用いることが可能である。また、電源26は、二次電池に加えて燃料電池を有していてもよい。
このように構成された電動モータ2に電力が供給されると、電動モータ2が駆動される。電動モータ2の駆動および停止、電動モータ2を駆動するときのトルクおよび回転数は、車体24に設けられた電子制御装置(図示せず)により制御される。また、ロータには出力軸3が接続されており、その出力軸3にはギヤ4が形成されている。一方、ケーシング1の外部には車輪5が設けられている。この車輪5は、金属材料により構成されたホイール6と、ゴム材料により構成されたタイヤ7とを有する。ホイール6は、円板形状部8と、その円板形状部8の外周に連続された円筒部9とを有しており、その円筒部9の内側空間にケーシング1が配置されている。前記ホイール6には回転軸10が動力伝達可能に、具体的には一体回転するように接続されている。この回転軸10は前記ケーシング1の内部に配置されており、回転軸10は軸受11により回転可能に支持されている。このように、前記車輪5およびケーシング1は車体24により形成された空間、つまり、ホイルハウス内に配置されている。
前記電動モータ2の動力を前記回転軸10に伝達する経路の構成を説明すると、ケーシング1の内部にはカウンタ軸12が設けられており、そのカウンタ軸12は軸受13により回転可能に支持されている。カウンタ軸12には2個のギヤ14,15が形成されており、前記回転軸10にはギヤ16が形成されている。そして、ギヤ14とギヤ4とが噛合され、ギヤ15とギヤ16とが噛合されている。これらのギヤは、電動モータ2のトルクを回転軸10に伝達するときに、回転数を低下させる減速機として機能する。
さらに、ケーシング1の内部には、電動モータ2の動力で駆動されるオイルポンプ17が設けられている。このオイルポンプ17は、回転式のオイルポンプであり、例えば、歯車ポンプ、ベーンポンプ、ねじポンプなどにより構成されている。このオイルポンプ17は、ケーシング1に固定されたボデー(図示せず)と、カウンタ軸12と共に回転するロータ28とを有しており、そのロータ28はカウンタ軸12と同軸上に配置されている。このオイルポンプ17は、ロータ28の正回転および逆回転を切り替え可能である。
つぎに、オイルポンプ17に接続されたオイル流通経路の構成を、図1に基づいて説明する。前記ケーシング1の内部、またはケーシング1の下部に取り付けたオイルパン29にオイルが溜められている。また、前記オイルポンプ17には、第1ポート30および第2ポート31が設けられている。この第1ポート30および第2ポート31は、オイルポンプ17の一部を構成するハウジングに形成された開口部であり、その第1ポート30および第2ポート31は、オイルが通るために設けられている。さらに、第1ポート30および第2ポート31に接続された環状の冷却回路32が形成されている。この冷却回路32は、オイルが通る流路を形成するものであり、この冷却回路32は、ケーシング1に形成された貫通孔、金属製のパイプ、ゴム製のホースなどにより構成されている。パイプを構成する金属材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、銅などを用いることが可能である。
そして、冷却回路32におけるオイルの流れ方向の一部に、冷却回路32を流れるオイルと、被冷却部33との間で熱伝達をおこなう熱伝達部34が設けられている。この実施例では、熱伝達部34は、オイルと被冷却部33とが接触することなく、間接的に被冷却部33の熱をオイルに伝達するものである。この熱伝達部34は、前記ケーシング1の一部、または、前記金属製のパイプにより構成されている。この実施例では、被冷却部33に前記電動モータ2の通電用のコイルが含まれている。このように、冷却回路32は大気中に開放された空間ではなく、密閉された閉回路を構成している。さらに、前記冷却回路32には、第1ポート30と熱伝達部34とを接続する接続部32Aが含まれており、その接続部32Aから分岐する油路35が設けられており、この油路35の他端にはストレーナ36が取り付けられている。このストレーナ36はオイルパン29のオイル溜まりD1内に配置されている。オイルストレーナ36はオイル中の異物を除去するものである。
また、油路35にはチェックバルブ37が設けられている。このチェックバルブ37は、冷却回路32の油圧P1と、ストレーナ36とチェックバルブ37との間の油圧P2との差により開閉される逆止弁である。具体的には、油圧P1が油圧P2よりも低圧である場合は、チェックバルブ37が開放されて、オイル溜まりD1のオイルが冷却回路32に流入することが許容される。これに対して、油圧P1が油圧P2以上である場合は、チェックバルブ37が閉じられて、冷却回路32のオイルがオイルパン29に逆流することが防止される。
一方、前記冷却回路32には、第2ポート31と熱伝達部34とを接続する接続部32Bが含まれており、その接続部32Bから分岐する油路38が設けられている。また、油路38にはバルブ39を介在させて潤滑油路40が接続されている。この潤滑油路は、被潤滑部、例えば、前述したギヤ同士の噛み合い部分、および軸受11,13の摺動部分にオイルを供給する油路である。このバルブ39は、冷却回路32の油圧を制御する圧力制御弁であり、このバルブ39は、入力ポート41および出力ポート42と、入力ポート41と出力ポート42とを接続および遮断する弁体44と、弁体44に押圧力を与えるスプリング45とを有している。入力ポート41は油路38に接続され、出力ポート42は潤滑油路40に接続されている。そして、油路38の油圧が弁体44に加えられて、油路38と潤滑油路40との連通面積を拡大させる方向に弁体44を押圧する力が発生する。これに対して、スプリング45から弁体44に加えられる押圧力は、油路38の油圧により弁体44に加えられる押圧力の向きとは逆である。
上記の構成において、車両が前進走行する条件が成立すると、電動モータ2に電力が供給されて出力軸3が回転する。すると、その出力軸3のトルクがカウンタ軸12を経由して回転軸10に伝達され、車輪5で駆動力が発生する。一方、電動モータ2が回転してカウンタ軸12が回転すると、オイルポンプ17のロータ28が、カウンタ軸12の動力で回転し、オイルポンプ17でオイルの吸入および吐出がおこなわれる。この実施例では、車両が前進走行する駆動力を発生するために、電動モータ2が回転したとき、オイルポンプ17のロータ28の回転方向を正回転とする。そして、電動モータ2が駆動されて、その動力でオイルポンプ17が駆動されると、冷却回路32の接続部32Aの油圧P2が、油圧P1よりも低圧になるとともに、チェックバルブ37が開放されて、オイルパン29のオイルが油路35を経由してオイルポンプ17の第1ポート30に吸入される。オイルポンプ17に吸入されたオイルは、第2ポート31から接続部32Bに吐出されるとともに、そのオイルが熱伝達部34を通る時に、熱伝達部34を通るオイルと、電動モータ2との間で熱伝達がおこなわれる。つまり、電動モータ2のコイルの熱が、ケーシング1または金属製のパイプを経由してオイルに伝達されて、電動モータ2が間接的に冷却される。このようにして、電動モータ2の熱が伝達されたオイルは、接続部32Aおよび第1ポート30を経由してオイルポンプ17に吸い込まれる。以下、上記と同様の作用を繰り返す。
ところで、車両が相対的に低車速で走行している場合、電動モータ2の回転数が相対的に低く、オイルポンプ17から吐出されるオイル量が相対的に少ない。このため、冷却回路32の接続部32Bの油圧が、バルブ39が開弁する油圧以下であれば、バルブ39が閉じられており、冷却回路32のオイルが潤滑油路40に排出されることはない。したがって、冷却回路32内を循環するオイル量を相対的に多くすることができ、電動モータ2を冷却する性能が向上する。また、オイルポンプ17の吸入するオイルが、オイルパン29から全て吸入される場合に比べて、その吸入抵抗が低い。これに対して、車速が上昇して中車速または高車速で走行する場合、電動モータ2の回転数が上昇し、オイルポンプ17から吐出されるオイル量が増加する。そして、冷却回路32の接続部32Bの油圧が、バルブ39が開弁する油圧を越えると、スプリング45の押圧力に抗して弁体44が動作し、油路38と潤滑油路40とが接続される。このようにして、冷却回路32のオイルの一部が潤滑油路40に排出される。したがって、ギヤ同士の噛み合い部分、軸受の摺動部分がオイルにより潤滑および冷却される。このように、車両が前進走行する場合は、図1で冷却回路32内をオイルが時計方向に循環する。
つぎに、車両が後進走行する条件が成立した場合について説明する。車両が後進するための駆動力を生じる向きで電動モータ2が回転したとき、オイルポンプ17のロータ28の回転方向を逆回転とする。オイルポンプ17のロータ28が逆回転すると、接続部32Bのオイルが、第2ポート31を経由してオイルポンプ17に吸入され、オイルポンプ17の第1ポート30から接続部32Aに吐出される。接続部32Aに吐出されたオイルが熱伝達部34を通るとき、前述と同じ原理により電動モータ2が冷却される。熱伝達部34を通ったオイルは、接続部32Aおよび第2ポート31を経由してオイルポンプ17に吸入される。以下、同様の作用を繰り返す。
このように、オイルポンプ17のロータ28が逆回転すると、図1で冷却回路32内をオイルが反時計方向に循環する。また、オイルポンプ17のロータ28が逆回転すると、接続油路32Aの油圧P1の方が油圧P2よりも高圧になるため、チェックバルブ37は閉じられる。したがって、冷却回路32内のオイルが油路35を経由してオイルパン29に逆流することを防止できる。このように、オイルポンプ17のロータ28が逆回転するときは、冷却回路32が閉じられた回路となり、その冷却回路32内でオイルが循環する。また、オイルポンプ17のロータ28が回転するときは、オイルパン29のオイルが冷却回路32には流れ込まないため、冷却回路32の油圧の上昇が抑制され、バルブ39が閉じられた状態に維持される。なお、オイルポンプ17のロータ28が正回転または逆回転するときの何れにおいても、電動モータ2から冷却回路32を流れるオイルに伝達された熱は、ケーシング1を経由して大気中に放熱される。また、車両が走行しているので、ケーシング1から放熱するとき、走行風により強制対流状態となり、ケーシング1からの放熱が促進される。
このように、図1の冷却機構では、電動モータ2が正回転するときまたは逆回転するときの何れにおいても、被冷却部33である電動モータ2を冷却することができる。また、チェックバルブ37を設けることにより、電動モータ2が正回転するときまたは逆回転するときの何れにおいても、被冷却部33である電動モータ2を冷却することができるため、冷却機構の大型化および大重量化を抑制でき、かつ、低コストな冷却機構を提供できる。なお、車両が停止する条件が発生して電動モータ2が停止した場合は、オイルポンプ17も停止する。この場合、冷却回路32の油圧P2の方が油圧P1よりも高圧であるため、チェックバルブ37が閉じられており、オイルが冷却回路32内に保持される。
つぎに、電動モータ2における冷却要求と、冷却機構の冷却性能との関係を図3に基づいて説明する。この図3に破線で示すように、電動モータ2における冷却要求は車速の上昇に伴い増加する傾向となる。これは、電動モータ2に供給する電流値が増加し、コイルの発熱が促進されるからである。また、車速の上昇、つまり、電動モータ2の回転数の上昇に伴い、オイルポンプ17のオイル吐出量が増加する傾向となる。さらに、車速V1未満ではオイルポンプ17から吐出されたオイル量と、冷却回路32内を循環するオイル量とが一致している。さらに、車速V1未満では、電動モータ2の冷却要求よりも、電動モータ2の熱が直接ケーシング1を経由して空気中に放熱される冷却(走行風による冷却・一点鎖線で示す)の性能の方が低い。また、車速V1未満では、走行風による冷却性能と、冷却回路32のオイルによる冷却性能との和が、電動モータ2の冷却要求よりも低い。また、車速V1未満ではバルブ39が閉じられており、潤滑油路40にはオイルが供給されていない。
これに対して、車速V1では、走行風による冷却性能と、冷却回路32のオイルによる冷却性能との和が、電動モータ2の冷却要求と一致する。さらに車速が上昇して、車速V1を越えると、走行風による冷却性能と、冷却回路32のオイルによる冷却性能との和が、電動モータ2の冷却要求を越える。このため、バルブ39が開放されて、冷却回路32のオイルの一部が潤滑油路40に供給され、その潤滑油路40のオイル量が増加するとともに、冷却油路32のオイル量の増加率が、車速V1以下の時よりも少なくなる。この実施例では、スプリング45のバネ定数の設計により、バルブ39が開放される車速を調整(変更)することができる。具体的には、スプリング45のバネ定数を相対的に大きくするほど、バルブ39が開放される車速が相対的に高車速となる。
ここで、実施例の構成とこの発明の構成との対応関係を説明すると、オイルが、この発明の冷却液に相当し、オイルパン29が、この発明の冷却液保持部に相当し、オイルポンプ17が、この発明のポンプに相当し、被冷却部33、つまり、電動モータ2が、この発明の被冷却部に相当し、ロータ28が、この発明のロータに相当し、第1ポート30が、この発明の第1ポートに相当し、第2ポート31が、この発明の第2ポートに相当し、冷却回路32が、この発明の冷却回路に相当し、チェックバルブ37が、この発明のバルブに相当し、電動モータ2が、この発明の動力源に相当し、車輪5が、この発明の車輪に相当する。なお、この発明は、車体の下方にケーシングが設けられ、そのケーシングの内部に電動機が設けられており、その電動機のトルクが、各車輪に伝達および分配される構成の車両にも適用可能である。
上記の実施例では、被冷却部33としてオイルにより間接的(オイルが接触しない)に冷却される電動モータ2が挙げられているが、オイルが直接接触して冷却および潤滑されるギヤ同士の噛み合い部分、または軸受の摺動部分が、被冷却部33であってもよい。この場合、被冷却部33におけるオイルの必要程度の方が、潤滑油路40のオイルにより潤滑および冷却される被潤滑部におけるオイルの必要程度よりも多い(大きい)という点が異なる。ここで、オイルの必要程度には、オイルの必要量またはオイルの必要頻度またはオイルの必要回数またはオイルの必要時間などが含まれる。また、実施例で説明したチェックバルブ37に代えて、ソレノイドバルブを用いることも可能である。このソレノイドバルブは、通電電流値を制御することにより油路35を開閉するバルブである。ソレノイドバルブの通電電流値は、前記電子制御装置により制御する構成とすればよい。具体的には、オイルポンプ17が正回転するときに油路35を開放し、オイルポンプ17が逆回転するときに油路35を閉じる構成のソレノイドバルブを用いると、チェックバルブ37を用いた場合と同様の効果を得られる。このソレノイドバルブも、この発明のバルブに含まれる。
この発明の冷却機構の示す概念図である。 この発明の冷却機構を有する車輪の概念図である。 この発明の冷却機構の冷却性能を示す特性線図である。
符号の説明
29…オイルパン、 17…オイルポンプ、 33…被冷却部、 2…電動モータ、 28…ロータ、 30…第1ポート、 31…第2ポート、 32…冷却回路、 37…チェックバルブ、5…車輪。

Claims (3)

  1. 冷却液を保持する冷却液保持部と、この冷却液保持部から冷却液を吸入し、かつ、吸入した冷却液を吐出するポンプと、このポンプから吐出された冷却液により冷却または潤滑される被冷却部とを有する冷却機構において、
    前記ポンプのロータが正回転および逆回転可能に構成されており、このポンプには、ロータの正回転時に冷却液が吸入され、かつ、ロータの逆回転時には冷却液が吐出される第1ポートと、ロータの正回転時に冷却液が吐出され、かつ、ロータの逆回転時には冷却液が吸入される第2ポートとが設けられており、
    前記第1ポートおよび第2ポートに接続され、かつ、前記冷却液が通る環状の冷却回路が設けられており、
    この冷却回路と前記冷却液保持部との間に、前記冷却液保持部の冷却液が前記ポンプに吸入されることを許容し、かつ、前記冷却回路の冷却液が前記冷却液保持部に逆流することを防止するバルブが設けられていることを特徴とする冷却機構。
  2. 前記ポンプを駆動し、かつ、正回転および逆回転を切り替え可能な動力源が設けられており、前記被冷却部には前記動力源が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の冷却機構。
  3. 前記動力源が車両の車輪と動力伝達可能に接続されており、前記動力源が正回転すると前記車両を前進させる駆動力が発生し、前記動力源が逆回転すると前記車両を後進させる駆動力が発生する構成であることを特徴とする請求項2に記載の冷却機構。
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