JP2016065617A - インホイールモータ駆動装置の潤滑装置 - Google Patents

インホイールモータ駆動装置の潤滑装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低速時やバック走行時でもオイルポンプから必要な吐出量の潤滑油を供給できるインホイールモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】オイルポンプ40のインナーロータに、減速機Bの回転力によって回転駆動するギア側ポンプ駆動軸51と、補助ポンプ駆動軸52とを設け、補助ポンプ駆動軸52に補助電動モータ54を接続し、減速機側モータ駆動軸51とインナーロータ間に、ケーシングの下方から潤滑油を吸引する方向へのインナーロータの回転を許容し、逆方向へのインナーロータの回転を遮断する一方向クラッチ60a、60bを設けたものである。
【選択図】図2

Description

この発明は、インホイールモータ駆動装置の潤滑装置に関するものである。
インホイールモータ駆動装置121は、図13に示すように、自動車のホイール103の内側空間部分に設置される。
図13に示すインホイールモータ駆動装置121は、駆動力を発生させる電動モータAと、電動モータAの回転を減速して出力する減速機Bと、減速機Bからの出力をホイール103に伝える車輪ハブCとを備え、電動モータAと減速機Bとはケーシング122に収納されている。
図13に示す実施形態のインホイールモータ駆動装置121は、電動モータAと減速機Bとの間に、中間プレート123を設け、この中間プレート123のインボード側の面に電動モータAを、アウトボード側の面に減速機Bを、それぞれボルト124、125によって着脱可能に取付けている。
減速機Bの下部には、オイル溜りが設けられ、オイル溜りの潤滑油をオイルポンプ140によって吸い込み、電動モータAと減速機Bに潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている。
オイルポンプ140によって吸い込んだ潤滑油は、電動モータAのケーシング122に設けられた給油通路から電動モータA内に供給され、電動モータAの出力歯車の中心に設けられた内部流路から減速機Bのケーシング122内に導かれ、減速機Bのケーシング122の下部のオイル溜りへと循環する。
オイルポンプ140の吸入口145は、図13に示すように、中間プレート123の下部に設置されている。
ところで、オイルポンプ140としては、電動モータAや減速機Bの出力回転を利用して駆動する、例えば、サイクロイドポンプを使用するものがある(特許文献1)。図13の例では、オイルポンプ140を減速機Bの出力歯車127によって駆動している。
この内部の回転力によって駆動するオイルポンプ140を使用する場合、外部からの駆動力(電源等)を必要としないメリットがある。
特許第4876768号公報
ところが、オイルポンプ140は、電動モータAや減速機Bの出力回転を利用して駆動するので、オイルポンプ140の回転数は、駆動状態によって決まる。このため、低速走行時には、オイルポンプ140の回転数が低く、オイルポンプ140から必要な吐出量が得られないなど、必ずしも全走行状態において潤滑油が十分に供給できないという問題がある。
また、通常、オイルポンプ140は、回転方向が決まっているので、逆回転してもポンプは機能しない。
したがって、低速時やバック走行時には、オイルポンプ140を駆動する回転数が低いため、オイルポンプ140による潤滑油の循環量が減り、電動モータA及び減速機Bの内部に潤滑油が到達する時間もかかり、減速機Bが潤滑不足なり、焼付けや各部の損傷を生じる恐れがある。
そこで、この発明は、低速時やバック走行時でもオイルポンプから必要な吐出量の潤滑油を供給できるインホイールモータ駆動装置を提供しようとするものである。
この発明は、駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速して出力する減速機と、減速機からの出力を駆動輪に伝える車輪ハブとを備え、前記モータ部および減速機がケーシング内に収容され、インナーロータの回転によりケーシングの下方の潤滑油溜りから潤滑油を吸引し、潤滑油をモータ部と減速機に供給してモータ部と減速機の潤滑と冷却を行うオイルポンプを備えたインホイールモータ駆動装置において、前記オイルポンプのインナーロータに、減速機の回転力によって回転駆動するギア側ポンプ駆動軸と、補助ポンプ駆動軸とを設け、補助ポンプ駆動軸に補助電動モータを接続し、減速機側モータ駆動軸とインナーロータ間に、ケーシングの下方から潤滑油を吸引する方向へのインナーロータの回転を許容し、逆方向へのインナーロータの回転を遮断する一方向クラッチを設けたものである。
前記補助ポンプ駆動軸とインナーロータ間に、ケーシングの下方から潤滑油を吸引する方向へのインナーロータの回転を許容し、逆方向へのインナーロータの回転を遮断する一方向クラッチを設けてもよい。
以上のように、この発明によれば、車両の後進時、車両の低速走行時あるいは車両停止時のように、減速機の回転力によって回転駆動するギア側ポンプ駆動軸からオイルポンプのインナーロータに必要な回転力を出力できない場合に、補助電動モータを駆動させて補助ポンプ駆動軸からオイルポンプのインナーロータに必要な回転力を出力できるので、全走行状態で必要な潤滑油をモータ部と減速部に供給できる。
この発明に係るインホイールモータ駆動装置の一例を示す図3のI−I線の断面図である。 この発明に係るインホイールモータ駆動装置の要部を示す拡大断面図である。 図1のホイールの方向から見た歯車等位置関係を示す概略正面図である。 中間壁に設けた潤滑油の吸入口と潤滑油の油面高さの関係を示す概略側面図である。 オイルポンプの拡大図である。 一方向クラッチのロック状態を示す概略図である。 一方向クラッチのロック状態が解除されたフリー状態を示す概略図である。 図1のインホイールモータ駆動装置を有する電気自動車の概略平面図である。 補助電動モータの補助電動モータ制御装置のブロック図である。 補助電動モータ制御装置の動作の一例を示すフロー図である。 補助電動モータ制御装置の動作の一例を示すフロー図である。 補助電動モータ制御装置の動作の一例を示すフロー図である。 従来のインホイールモータ駆動装置の断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の実施形態に係るインホイールモータ駆動装置を備えた電気自動車1は、図8に示すように、シャーシ2と、操舵輪としての前輪4と、駆動輪(後輪)3と、左右の駆動輪3それぞれに駆動力を伝達するインホイールモータ駆動装置21とを備える。
インホイールモータ駆動装置21は、図1に示すように、自動車2(図8参照)のホイール3の内側空間部分に設置される。図8に示した電気自動車は、後輪を駆動輪とした例を示したが、これに限ることなく、前輪を駆動輪としてもよく、4輪駆動車であってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、ハイブリッドカー等をも含む概念で使用する。図8において、符号2は、車体を示している。
インホイールモータ駆動装置21は、図1に示すように、駆動力を発生させる電動モータAと、電動モータAの回転を減速して出力する減速機Bと、減速機Bからの出力をホイール3に伝える車輪ハブCとを備え、電動モータAと減速機Bとはケーシング22に収納されている。
図1に示す実施形態のインホイールモータ駆動装置21は、電動モータAと減速機Bとの間に、中間プレート23を設け、この中間プレート23のインボード側の面に電動モータAを、アウトボード側の面に減速機Bを、それぞれボルト24、25によって着脱可能に取付けている。
なお、この発明において、「アウトボード」とは車両の外方(図1の右側)、「インボード」とは、車両の内方(図1の左側)を意味する。
電動モータAは、例えば、ラジアルギャップモータ、アキシアルギャップモータなど任意の構成のモータを適用可能である。
減速機Bは、二段平行歯車減速機であり、電動モータAの出力歯車に噛み合うカウンタ歯車26と、このカウンタ歯車26に噛み合う出力歯車27を有する。
カウンタ歯車26は、電動モータAの出力歯車28(図3参照)に噛み合う大径歯車26aと、出力歯車27に噛み合う小径歯車26bとを有し、カウンタ歯車26の歯車軸26cは、インボード側の端部が、中間プレート23のアウトボード側の面に、転がり軸受29によって支持され、アウトボード側の端部が、減速機Bを収容するケーシング22の前端壁22aに、転がり軸受30によって支持されている。
出力歯車27の歯車軸27aには、アウトボード側に、車輪ハブCの出力軸27bが設けられている。
出力歯車27の歯車軸27aには、インボード側の端部に小径のボス部27cが形成され、アウトボード側の端部に歯車軸27aよりも大径のフランジ部27dが形成されている。歯車軸27aのインボード側のボス部27cは、中間プレート23に転がり軸受41によって支持され、歯車軸27aのアウトボード側のフランジ部27dは、このフランジ部27dと対向するように形成された減速機Bを収容するケーシング22の前端壁22aのフランジ部22bに転がり軸受31によって支持されている。
減速機Bの最終の出力歯車27の歯車軸27aは、インボード側の転がり軸受41と、アウトボード側の転がり軸受31によってケーシング22に対して両持ち支持されるため、車輪ハブCの出力軸27bから出力歯車27に対して曲げモーメントが加わっても歯車軸27aに傾きが生じ難い。
出力歯車27の歯車軸27aを支持するインボード側の転がり軸受41と、アウトボード側の転がり軸受31は、アウトボード側の転がり軸受31の方が、インボード側の転がり軸受41よりも重心及び動力負荷点が近い。このため、アウトボード側の転がり軸受31を、インボード側の転がり軸受41よりもPCDを大きくして、負荷容量を高めている。これにより、出力歯車27の歯車軸27aの支持構造を最適化することができる。
車輪ハブCは、出力軸27bのアウトボード側の端部に形成されたスプライン部32aにスプライン結合される、内径面にスプライン部32bが形成され、外径部に複列の内輪軌道を有する内方部材33と、内径面に複列の外輪軌道を有する外方部材34と、内方部材33と外方部材34との間に設けられる複列の転動体35とからなる。
図1に示す車輪ハブCは、内方部材33の複列の内輪軌道のうち、アウトボード側の内輪軌道が内方部材33に一体に形成され、また、複列の外輪軌道が外方部材34の内径面に一体に形成された、いわゆる第3世代のものを示している。
また、内方部材33の複列の内輪軌道のうちのインボード側の内輪軌道を形成する内輪36を、内方部材33の円筒部のインボード側の端部をかしめ固定し、このかしめ固定により内輪36に予圧を与えている。
内方部材33には、車輪取付けフランジ37が一体に形成され、この車輪取付けフランジ37に、ブレーキロータ38とホイール3がボルト39によって取り付けられる。
前記外方部材34は、ボルト(図示省略)によって減速機Bのケーシング22の前端壁22aに固定されている。この減速機Bのケーシング22には、車体取付け部材であるナックル(図示省略)が一体に形成されている。
中間プレート23の下部には、インナーロータ42の回転により減速機Bのケーシング22の下方のオイル溜りから潤滑油を吸引し、潤滑油を電動モータAと減速機Bに供給して電動モータAと減速機Bの潤滑と冷却を行うオイルポンプ40を配置している。
オイルポンプ40は、図5に示すように、インナーロータ42と、インナーロータ42の回転に伴って従動回転するアウターロータ43と、ポンプ室44と、吸入口45aと、オイルポンプ40の給油通路に連通する吐出口46とを備えるサイクロイドポンプである。
インナーロータ42は、外径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分42aの形状がエピサイクロイド曲線、歯溝部分42bの形状がハイポサイクロイド曲線となっている。
アウターロータ43は、内径面にサイクロイド曲線で構成される歯形を有する。具体的には、歯先部分43aの形状がハイポサイクロイド曲線、歯溝部分43bの形状がエピサイクロイド曲線となっている。このアウターロータ43は、中間プレート23に設けられたポンプケース47に回転自在に支持されている。
インナーロータ42は、回転中心c1を中心として回転する。一方、アウターロータ43は、インナーロータの回転中心c1と異なる回転中心c2を中心として回転する。また、インナーロータ42の歯数をnとすると、アウターロータ43の歯数は(n+1)となる。なお、この実施形態においては、n=5としている。
インナーロータ42とアウターロータ43との間の空間には、複数のポンプ室44が設けられている。そして、インナーロータ42が回転すると、アウターロータ43は従動回転する。このとき、インナーロータ42およびアウターロータ43はそれぞれ異なる回転中心c1、c2を中心として回転するので、ポンプ室44の容積は連続的に変化する。これにより、吸入口45aから流入した潤滑油が吐出口46から給油通路に圧送される。
減速機Bを収容するケーシング22の下部には、潤滑油のオイル溜りが設けられ、このオイル溜りの潤滑油を吸入口45を通じてオイルポンプ40によって吸い込み、電動モータAと減速機Bに潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている。
オイルポンプ40から吐出された潤滑油は、電動モータAのケーシング22に設けられた給油通路から電動モータA内に供給され、電動モータAの出力歯車28の中心に設けられた内部流路48(図3参照)から減速機Bのケーシング22内に導かれ、減速機Bのケーシング22の下部のオイル溜りへと循環する。
オイルポンプ40のインナーロータ42には、図2に示すように、中間プレート23のアウトボード側に突き出したギア側ポンプ駆動軸51と、中間プレート23をインボード側に貫通する補助ポンプ駆動軸52の二つの駆動軸が連結されている。
ギア側ポンプ駆動軸51のアウトボード側の端部は、減速機Bのケーシング22の前端壁22aに、転がり軸受53によって支持されている。
ギア側ポンプ駆動軸51には、出力歯車27に噛み合う小径歯車51aが設けられ、出力歯車27の回転出力が小径歯車51aを介してギア側ポンプ駆動軸51に伝達されるようになっている。
中間プレート23をインボード側に貫通する補助ポンプ駆動軸52は、中間プレート23のインボード側の面に設置した補助電動モータ54の出力軸に接続されている。
中間プレート23を貫通する補助ポンプ駆動軸52と中間プレート23との間には、オイルシール58が設置されている。
ギア側ポンプ駆動軸51は、インナーロータ42に対して一方向クラッチ60aを介して接続されている。
また、補助ポンプ駆動軸52も、インナーロータ42に対して一方向クラッチ60bを介して接続されている。
一方向クラッチ60a、60bは、ギア側ポンプ駆動軸51と補助ポンプ駆動軸52の回転方向が、インナーロータ42が正回転、即ち、中間プレート23の下方に位置する吸入口45から減速機Bのケーシング22の下部に溜まった潤滑油を吸い込み、上方の吐出口46から潤滑油を吐出する方向への回転と同方向に回転する際に、ギア側ポンプ駆動軸51と補助ポンプ駆動軸52の駆動力をインナーロータ42に伝達し、逆方向に回転する際に、ギア側ポンプ駆動軸51と補助ポンプ駆動軸52からインナーロータ42への駆動力の伝達を遮断するものである。
図6、図7に示す一方向クラッチ60a、60bは、一般にローラタイプと呼ばれるものであり、主に外輪61、ローラ62、スプリング63及び保持器64からなる。
二つの一方向クラッチ60a、60bのそれぞれの外輪61の外周面は、オイルポンプ40のインナーロータ42の内周面に嵌入され、それぞれの外輪61はオイルポンプ40のインナーロータ42と一体回転する。外輪61の内周面には所定のカム面が形成されている。
減速機Bの出力によって回転駆動するギア側ポンプ駆動軸51と、補助電動モータ54によって回転駆動する補助ポンプ駆動軸52は、外輪61の内周面に隙間を空けて挿入されており、この隙間にローラ62とスプリング63とのセットが複数配設されている。またこれらが保持器64に保持されている。各スプリング63は、各ローラ62を周方向一方側に付勢している。
減速機Bの出力によって回転駆動するギア側ポンプ駆動軸51と、補助電動モータ54によって回転駆動する補助ポンプ駆動軸52が、時計回り方向に回転する場合には、スプリング63のばね力によってローラ62が外輪61の内周面(カム面)の噛み合い位置に進み、外輪61は、内周面(カム面)とローラ62とのくさび作用でギア側ポンプ駆動軸51と補助ポンプ駆動軸52と一体に回転する。
反対に、減速機Bの出力によって回転駆動するギア側ポンプ駆動軸51と、補助電動モータ54によって回転駆動する補助ポンプ駆動軸52が、反時計回り方向に回転する場合には、スプリング63のばね力に抗してローラ62が外輪61の内周面(カム面)の噛み合い位置から外れ、外輪61は、ギア側ポンプ駆動軸51と補助ポンプ駆動軸52と一体に回転せず、フリー状態となる。
図6は、一方向クラッチ60a、60bの外輪61が、ギア側ポンプ駆動軸51と補助ポンプ駆動軸52と一体に回転するロック状態を示し、図7は、一方向クラッチ60a、60bの外輪61が、ギア側ポンプ駆動軸51と補助ポンプ駆動軸52に対してフリーの状態となり、ギア側ポンプ駆動軸51と補助ポンプ駆動軸52によってインナーロータ42が回転しない状態を示している。
ギア側ポンプ駆動軸51に設けられた一方向クラッチ60aは、車両が前進走行する際に、ギア側ポンプ駆動軸51と外輪61とがロックされて、インナーロータ42がギア側ポンプ駆動軸51の駆動力によって回転し、オイルポンプ40による潤滑油の吸引が行えるように設置されている。
反対に、車両がバック走行する際には、ギア側ポンプ駆動軸51と外輪61のロックが解除され、インナーロータ42が回転しないように、一方向クラッチ60aが設置されている。
ギア側ポンプ駆動軸51に設ける一方向クラッチ60aは、ギア側ポンプ駆動軸51からインナーロータ42への回転を伝達したり、解除するものであるから、図1及び図2に示す実施形態ように、インナーロータ42とギア側ポンプ駆動軸51との間以外に、出力歯車27に噛み合う小径歯車51aとギア側ポンプ駆動軸51との間に設置するようにしてもよい。
補助ポンプ駆動軸52に設ける一方向クラッチ60bは、補助電動モータ54の出力軸の回転方向が、オイルポンプ40による潤滑油の吸引が行う方向に一致する際に、補助ポンプ駆動軸52と外輪61とがロック状態になるように設置する。
ギア側ポンプ駆動軸51によるオイルポンプ40のインナーロータ42の回転数は、減速機Bの出力歯車27の回転数によって決まるため、低速走行の際には、減速機Bの出力歯車27の回転数が低くなり、オイルポンプ40から必要な潤滑油の吐出量が得られない。なお、オイルポンプ40は、減速機Bの入力側であるカウンタ歯車26やモータ出力歯車28の回転により駆動するものであってもよい。
また、バック走行時は、ギア側ポンプ駆動軸51の駆動力が一方向クラッチ60aによってインナーロータ42に伝達されないので、必要な潤滑油が供給されない。
このため、低速走行時やバック走行時に、ギア側ポンプ駆動軸51からオイルポンプ40のインナーロータ42への駆動力を補助するために、補助電動モータ54を駆動させて、補助ポンプ駆動軸52を回転させ、オイルポンプ40から必要な潤滑油の吐出量が得られるようにする。
補助電動モータ54は、低速走行時やバック走行時に、オイルポンプ40を駆動させるだけであり、大きな駆動力は必要としないので、12Vで駆動できるDCモータを採用することができる。
上記補助電動モータ54は、図9のブロック図で示す補助電動モータ制御装置により、ON−OFF制御される。
即ち、速度センサ、トルクセンサ、温度センサ等の各種センサ55からの検出出力を制御回路56送り、制御回路56によって補助電動モータ駆動回路57を制御し、補助電動モータ54をON−OFFしている。
次に、制御回路56の動作を図10〜図12に示すフロー図に基づいて説明する。
図10は、車両始動時から初期走行時の補助電動モータ54の動作を示している。
オイルポンプ40は、インナーロータ42の回転による負圧によって潤滑油を吸い込む構造であるため、車両起動時(S1)は、ギア側ポンプ駆動軸51の回転数が低く、ギア側ポンプ駆動軸51からのインナーロータ42の回転による負圧も発生していないので、補助電動モータ54を起動させて、補助ポンプ駆動軸52の回転力によってインナーロータ42を回転させる(S2)。
このS2においては、補助電動モータ54によって回転する補助ポンプ駆動軸52の一方向クラッチ60bは、ロック状態となり、補助ポンプ駆動軸52の駆動力がインナーロータ42に伝達され、インナーロータ42が回転する。
この補助電動モータ54の駆動によってインナーロータ42が回転すると、オイルポンプ40内に負圧が生じ、オイルポンプ40によって潤滑油が吸引され、電動モータAと減速機Bに潤滑油が供給される。
そして、車両が走行すると(S3)、前進走行かどうかを判定する(S4)。前進走行であると判定すると、ギヤ側ポンプ駆動軸51の回転数がオイルポンプ40の吸引に必要な回転数に達しているかどうかを判定する(S5)。
ギヤ側ポンプ駆動軸51の回転数がオイルポンプ40の吸引に必要な回転数に達するまで、このS5の判定を繰り返す。S5の判定を繰り返している間、補助電動モータ54によって回転するインナーロータ42の回転より、ギア側ポンプ駆動軸51の一方向クラッチ60aの外輪61がギア側ポンプ駆動軸51の回転より速く回るため、一方向クラッチ60aはフリー状態となり、ギア側ポンプ駆動軸51の回転駆動力がインナーロータ42に伝達されない。
ギア側ポンプ駆動軸51の回転数が上がり、補助電動モータ54の補助ポンプ駆動軸52の回転数に近づいて、ギア側ポンプ駆動軸51の回転数と補助ポンプ駆動軸52の回転数とがシンクロする(S6)。
さらに、車速が上がりギア側ポンプ駆動軸51の回転数が上がり、ギア側ポンプ駆動軸51の回転数が補助電動モータ54の補助ポンプ駆動軸52の回転数よりも速くなると、ギア側ポンプ駆動軸51の一方向クラッチ60aがロック状態となり、ギア側ポンプ駆動軸51の回転によってオイルポンプ40のインナーロータ42が回転する。これによって、補助ポンプ駆動軸52の一方向クラッチ60bの外輪61はインナーロータ42と一体のため、一方向クラッチ60bの外輪61の方が、補助ポンプ駆動軸52の回転数よりも速く回転するので、一方向クラッチ60bがフリー状態になる。
この後、補助電動モータ54による補助ポンプ駆動軸52の回転数を減速させ、補助電動モータ54の駆動を停止する(S7)。
S4において、前進走行ではなく、後進走行であると、判定すると、補助電動モータ54の駆動を維持したままの状態にする(S8)。このS7において、ギア側ポンプ駆動軸51の一方向クラッチ60aは、ギア側ポンプ駆動軸51は逆回転しているため、フリー状態であり、ギア側ポンプ駆動軸51の回転駆動力は、オイルポンプ40のインナーロータ42に伝達されない。一方、補助電動モータ54の補助ポンプ駆動軸52の一方向クラッチ60bは、ロック状態であり、補助ポンプ駆動軸52の回転駆動力がオイルポンプ40のインナーロータ42に伝達され、インナーロータ42の回転による負圧によって潤滑油が吸引され、電動モータAと減速機Bに潤滑油が供給される。このS7の後、車両が停止するかどうかを判定し(S9)、車両が停止するまで、補助電動モータ54の駆動を維持し、車両が停止すると、S7において補助電動モータ54の駆動を停止する。
図11は、車両後進時における補助電動モータ54の動作を示している。
車両停止状態をブレーキ・アクセル・レバーポジションの信号等であると検知すると(S11)、車両が後進走行かどうかを判定し(S12)、車両が後進走行であると判定すると、S13において補助電動モータ54を起動させて、補助電動モータ54の補助ポンプ駆動軸52の一方向クラッチ60bがロック状態になり、補助ポンプ駆動軸52の回転駆動力がオイルポンプ40のインナーロータ42に伝達され、インナーロータ42の回転による負圧によって潤滑油が吸引され、電動モータAと減速機Bに潤滑油が供給される。このS13において、ギア側ポンプ駆動軸51の一方向クラッチ60aは、ギア側ポンプ駆動軸51が逆回転しているため、フリー状態であり、ギア側ポンプ駆動軸51の回転駆動力は、オイルポンプ40のインナーロータ42に伝達されない。
この後、S14において、車両が停止しているかどうかを判定し、車両が停止していないと判定すると、S12に戻って、車両が後進走行かどうかを判定し、車両が後進走行であると判定すると、補助電動モータ54の駆動を維持する。
そして、S14において、車両が停止していると判定すると、補助電動モータ54の駆動を停止する(S15)。
次に、車両が低速であるが、高トルク運転状態で、ギア側ポンプ駆動軸51によるオイルポンプ40のインナーロータ42の回転だけでは、必要な潤滑油の油量が確保できない場合における補助電動モータ54の動作を図12に示している。
車両が走行状態であることを検知すると(S21)、走行速度が、例えば、20〜30km/h以下で、最大モータトルクの例えば70〜80%以上の高負荷運転かどうかを判定し(S22)、高負荷運転であると判定すると、補助電動モータ54を駆動する(S23)。補助電動モータ54の駆動により、一方向クラッチ60bは、ロック状態となり、補助ポンプ駆動軸52の駆動力がインナーロータ42に伝達され、インナーロータ42が回転する。この補助電動モータ54の駆動によってインナーロータ42が回転すると、オイルポンプ40内に負圧が生じ、オイルポンプ40によって潤滑油が吸引され、電動モータAと減速機Bに潤滑油が供給される。低速運転の場合、ギア側ポンプ駆動軸51の回転数が低く、補助電動モータ54の駆動によるインナーロータ42の回転数が高いので、一方向クラッチ60aの外輪61の方が、ギア側ポンプ駆動軸51よりも速く回転するので、一方向クラッチ60aはフリー状態となり、ギア側ポンプ駆動軸51の回転駆動力がインナーロータ42に伝達されない。
この後、S24において、高負荷運転かどうかを判定し、高負荷運転ではないと判定すると、補助電動モータ54を停止する(S24)。ギア側ポンプ駆動軸51の回転数が上がり、このS24において、高負荷運転ではないと判定されると、S25において補助電動モータ54が停止すると、一方向クラッチ60bはフリー状態になる。これによって、ギア側ポンプ駆動軸51の一方向クラッチ60aがロック状態となり、ギア側ポンプ駆動軸51の回転駆動力がインナーロータ42に伝達され、ギア側ポンプ駆動軸51の回転駆動力によってオイルポンプ40が駆動される。
減速機Bのケーシング22の下部に溜まった潤滑油を、中間プレート23の下方に位置する吸入口45からオイルポンプ40によって吸い込む。したがって、ケーシング22内に充填する潤滑油の油量は、中間プレート23の下方に位置する吸入口45aが浸かる程度でよく、減速機Bの出力歯車27が浸かるまでは不要となるので、歯車による潤滑油の撹拌抵抗が軽減される。図4には、潤滑油の油面高さhと吸入口45、オイルポンプ40の関係を示している。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
21 :インホイールモータ駆動装置
22 :ケーシング
22a :前端壁
22b :フランジ部
23 :中間プレート
24 :ボルト
25 :ボルト
26 :カウンタ歯車
26a :大径歯車
26b :小径歯車
26c :歯車軸
27 :出力歯車
27a :歯車軸
27b :出力軸
27c :ボス部
27d :フランジ部
28 :出力歯車
29 :転がり軸受
30 :転がり軸受
31 :転がり軸受
32a :スプライン部
32b :スプライン部
33 :内方部材
34 :外方部材
35 :転動体
36 :内輪
37 :車輪取付けフランジ
38 :ブレーキロータ
39 :ボルト
40 :オイルポンプ
42 :インナーロータ
42a :歯先部分
42b :歯溝部分
43 :アウターロータ
43a :歯先部分
43b :歯溝部分
44 :ポンプ室
45 :吸入口(タンク側入口)
45a :吸入口(ポンプ側出口)
46 :吐出口
47 :ポンプケース
48 :内部流路
51 :ギア側ポンプ駆動軸
51a :小径歯車
52 :補助ポンプ駆動軸
53 :転がり軸受
54 :補助電動モータ
55 :センサ
56 :制御回路
57 :補助電動モータ駆動回路
58 :オイルシール
60a :一方向クラッチ
60b :一方向クラッチ
61 :外輪
62 :ローラ
63 :スプリング
64 :保持器
A :電動モータ
B :減速機
C :車輪ハブ

Claims (5)

  1. 駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速して出力する減速機と、減速機からの出力を駆動輪に伝える車輪ハブとを備え、前記モータ部および減速機がケーシング内に収容され、インナーロータの回転によりケーシングの下方の潤滑油溜りから潤滑油を吸引し、潤滑油をモータ部と減速機に供給してモータ部と減速機の潤滑と冷却を行うオイルポンプを備えたインホイールモータ駆動装置において、前記オイルポンプのインナーロータに、減速機の回転力によって回転駆動するギア側ポンプ駆動軸と、補助ポンプ駆動軸とを設け、補助ポンプ駆動軸に補助電動モータを接続し、減速機側モータ駆動軸とインナーロータ間に、ケーシングの下方から潤滑油を吸引する方向へのインナーロータの回転を許容し、逆方向へのインナーロータの回転を遮断する一方向クラッチを設けたことを特徴とするインホイールモータ駆動装置。
  2. 前記補助ポンプ駆動軸とインナーロータ間に、ケーシングの下方から潤滑油を吸引する方向へのインナーロータの回転を許容し、逆方向へのインナーロータの回転を遮断する一方向クラッチを設けたことを特徴とする請求項1記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 前記補助電動モータを、車両の後進時に作動させる補助電動モータ制御装置を備える請求項1又は2記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記補助電動モータを、車両の低速走行時に作動させる補助電動モータ制御装置を備える請求項1又は2記載のインホイールモータ駆動装置。
  5. 前記補助電動モータを、車両停止時に作動させる補助電動モータ制御装置を備える請求項1又は2記載のインホイールモータ駆動装置。
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