JP5091950B2 - 重篤な副作用を引き起こす可能性のある薬剤を処方・調剤するための管理システム - Google Patents
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Description
(1)薬剤の重篤な副作用を回避するための医師−患者間の複数の確認事項及びそれらに対するチェック欄からなる第1の確認フォーマット、並びにこれらに記録された回答を含む第1管理データ群を医師からの送信により入力する入力手段
(2)第1管理データ群中のデータに対する下記(i)〜(iii)の判別手段
(i)医師及び患者が当該薬剤の取り扱いにつきあらかじめ情報記憶媒体に登録
された者であるか否かの判別手段、
(ii)患者群に応じた薬剤処方要件に対して、各患者データが適合するか否かの
判別手段、
(iii)薬剤処方間隔及び処方薬剤数量データが適正数値範囲であるか
否かの判別手段
(3)上記(2)の判別により適合と判別された場合にのみ、第1管理データ群に加えて、又は第1管理データ群中より選択されたデータである医師により記録された処方内容に加えて、薬剤師−患者間の複数の確認事項及びそれらに対するチェック欄からなる第2の確認フォーマットを追記した統合確認フォーマットを作成し、前記医師または薬剤師に返信する送信手段、
(4)第2の確認フォーマットに対して記録された薬剤師−患者間の回答を含む第2管理データ群を追記した統合確認フォーマットを薬剤師からの送信により入力する入力手段
(5)第2管理データ群中のデータに対する下記(i)〜(iii)の判別手段
(i)第2管理データ群中の患者が第1管理データ群中の患者と同一人であるか
否かの判別手段
(ii)薬剤師が当該薬剤の取り扱いにつきあらかじめ情報記憶媒体に登録
された者であるか否かの判別手段、
(iii)第2管理データ群の調剤数量データが、第1管理データ群中の処方データ
に適合するか否かの判別手段
(6)該判別結果に応じた調剤適否の判定を当該薬剤師に返信する送信手段
また、第1管理データ群中より選択されたデータである医師により記録された処方内容に第2の確認フォーマットを追記した統合確認フォーマットを用いる場合は、完全な第1管理データ群に追記した統合確認フォーマットに比べて記載スペースを有効に用いることができ文字が見やすく、医師、薬剤師、患者間の相互確認がより確実となる。
さらに、前記入力フォーマットは、未服用薬剤数量および処方数量もしくは調剤数量に関する項目をさらに含むものであるから、2回目以降の患者へ対しては未服用薬剤数量分を差し引いた必要数量分だけを処方・調剤することにより、該薬剤の数量管理を確実に行うことができる。
さらに、前記入力されたデータの不備により適正な処方・調剤でないと判断した場合、該不備を指示するための印字スペースをさらに設けた前記所定フォーマットを作成し、該指示を前記医師および/または薬剤師へ送信することにより、適正なデータを再送信させるので、重篤な副作用を引き起こす可能性のある薬剤のより確実な安全管理を行うことが可能となる。
第1および第2の確認フォーマットについては、確認事項及びそれらに対するチェック欄が一体となった確認フォーマットのほか、(i)各々の確認事項を表示する符号(番号であってもよい)およびこれらに対するチェック欄からなる部分と、(ii)当該符号に対応する確認事項の詳細内容を表示する別紙葉部分とに分離され、前記(ii)の用紙が(i)に添付された確認フォーマットであってもよい。この場合、一体となった確認フォーマットに比べて記載スペースを有効に用いることができ文字が見やすく、医師、薬剤師、患者間の相互確認がより確実となる。
(診察前、図1参照)
患者は診察当日の診察前に調査票(図2)の質問に回答し管理センターにFAX送信する(ステップ101)。管理センターは受信した調査票をOCR変換しデータ化する(ステップ103)。変換されたデータより送信した患者が登録されているか否かを判定し(ステップ105)、該データを情報記憶媒体に格納する(ステップ106)。
診察に当たり処方医師は、患者に第1の確認フォーマット(図3)に添付された治療に関する同意説明文書(図示せず)により本剤と安全管理について説明を行い、同意を得る。第1の確認フォーマットは、薬剤の副作用を回避するための医師−患者間の複数の確認事項及びそれらに対するチェック欄からなり、本実施例では図3に示すように確認項目イ〜ルを含む。患者と処方医師は、対面により毎回処方前の相互確認を確認項目イ〜ルの各欄にしたがって行う。
受信した第1管理データ群中のデータにおいて、調査票のデータとの比較対象外であるデータ(妊娠検査の結果について記載されているかなどについて)の記載不備、不適切回答などの有無について、患者群、例えば妊娠する可能性のある女性、妊娠する可能性のない女性および男性の群に含まれる患者毎に必要とされる所定データ(標準回答)と照合し判別する(ステップ209)。照合によって不備が認められた場合にはその旨を同様に該スペースに印字して指示を行う(ステップ210)。
処方予定の薬剤数量等のデータに記載不備、数量超過など問題点がないかの判別を行う(ステップ211)。問題点があった場合にはその旨を同様に該スペースに印字して指示を行う(ステップ212)。
すべての判定項目において問題がない場合には、第1管理データ群に加えて、薬剤師−患者間の複数の確認事項及びそれらに対するチェック欄からなる第2の確認フォーマットを追記した統合確認フォーマット(図5)を作成する。この統合確認フォーマットは処方医師に宛ててFAXにより送信される(ステップ215)とともに、当該データは情報記憶媒体に格納される(ステップ216)。また、各ステップにおいて、不備、問題点があったとの指示があった場合、さらに複数箇所にそれらが認められる場合にはその旨全てを記載したフォーマットを処方医師にFAXにより送信する(ステップ217)。
なお、本システムに登録された薬剤師が処方医師と同じ医療機関に所属する場合にあっては、統合確認フォーマット(図5)は処方医師に宛てて送信される替わりに、前記薬剤師に直接FAX送信されてもよい。当該薬剤師がその旨を処方医師に報告することにより、医師が管理センターから統合確認フォーマットを入手する労力を軽減できる。
薬剤師は、処方医師経由で患者から入手した統合確認フォーマット(第2の確認フォーマットが追記されている)を用い、処方医師−患間者で行った確認作業を患者から聞き取り(モニタリング)し、その実施状況を確認する。この作業は責任薬剤師の管理下に当該業務を行う担当薬剤師が行ってもよい。前記の薬剤専用容器(以下、「カプセルシート」ということがある)としては、例えば特開2006−285973号に開示されているカプセルシートを用いることができる。これは細長い矩形状の厚紙を四つ折りできるように構成し、左側の一対の構成片には2週単位(14日分)のサリドマイドカプセルを収納したPTPシートの複数の凸状部が嵌入される複数の孔を設け厚紙を張り合わせ封止できるように構成したカプセルシートである。この容器を使用すれば、残薬の数量を確認できると共に、PTPシートが封止されていない右側の一対の構成片に設けられた服薬状況欄やコメント欄に患者が記入した内容を参照しながら該患者とインタビューすることによりに前記した逸脱歴をより確実に確認できる。確認後、薬剤師は服薬指導、遵守すべき事項の説明を患者に行い、調剤前の相互確認を行う。
患者は第2の確認フォーマットに記入日、患者登録番号、患者の生年月日を記入し、署名欄に署名する。薬剤師は、新しく必要な薬剤数量、未服用薬数量、記入日、責任薬剤師名、責任薬剤師登録番号を記入し、署名欄に署名する。このように第2の確認フォーマットに対して薬剤師−患者間の回答を記録した第2管理データ群の追記された統合確認フォーマット(図7)が、薬剤師により管理センターにFAX送信される(ステップ301)。
管理センターは受信した統合確認フォーマットをOCR変換しデータ化する(ステップ304)。変換された第2管理データ群中の責任薬剤師が登録されているか否か判別する(ステップ305)。未登録であった場合にはその旨を印字スペースをさらに設けたフォーマット(図8)左欄の当該印字スペースに印字して指示を行う(ステップ306)。また、患者が第1管理データ群中の患者と同一人であるか否か判別する。
先に情報記憶媒体に格納された第1管理データ群のデータとの照合(ペアリング)を行う(ステップ307)。第1管理データ群中に該当するデータがない場合にはその旨をフォーマットの該スペースに印字して指示を行う(ステップ308)。
受信した第2管理データ群中の単独データに記載不備、不適切回答などの有無について、必要とされる所定データと照合・判別する(ステップ309)。照合によって不備が認められた場合にはその旨を同様に印字スペースに印字して指示を行う(ステップ310)。
最後に、処方が行われた日から当該受診までの間隔が適正範囲内にあるか否かを判定する(ステップ313)。規定範囲内にない場合その旨を同様に印字して指示を行う(ステップ314)。
すべての判定項目において問題がない場合には、調剤適合の判定結果を表示した統合確認フォーマット(図9)2部を薬剤師、患者に送信する(ステップ315)とともに、当該データを情報記憶媒体に格納する(ステップ316)。また、各段階において、不備、問題点があったとの指示があった場合、さらに複数箇所にそれらが認められる場合にはその旨全てを記載したフォーマットを薬剤師に送信する(ステップ317)。
本発明の他の実施形態として、デジタルペーパー化した第1、第2の確認フォーマットに対しデジタルペンを用いて記入して、医師または薬剤師との送受信を行う場合を説明する。
調査票(図2)、第1の確認フォーマット(図3)および第2の確認フォーマットを含む統合フォーマット(図5)に示す所定フォーマットを、前記の特開2005−141537号、特開2006−178839号に記載されている書き込み位置情報を示す特殊なドットパターンを持つデジタルペーパー上に印刷する。ドットパターンは人間の視覚により認識できないが、デジタルペンにより認識できるカーボンインキ等によって印刷されており、デジタルペンはそのパターンを認識することにより用紙上の絶対的な位置を検出することができる。
入力フォーマットは、処方医師と患者および/または薬剤師と患者が重篤な副作用を引き起こす可能性のある薬剤の副作用を回避するために遵守しなければならない事項について相互の確認チェックが入力可能なように、例えば、処方医師と患者による確認欄には、医師による副作用の説明の有無、該説明に対する患者の理解度、確認期間中の患者の性交渉と避妊の有無、確認当日の妊娠検査の受診の有無、その検査結果および確認期間中の精子提供の有無に関する項目が、それぞれ医師用のチェックボックス及び患者用のチェックボックスと共にデジタルペーパー上に印刷されている。入力フォーマットの各チェックボックスの領域は記入開始チェック欄および記入終了チェック欄と共にパターン面上の座標範囲として端末に記憶されている。
このように入力可能なフォーマットが表示されたデジタルペーパーに対して、デジタルペンを用いて記入を完了することにより確認票は、デジタルペンより直接デジタルデータ化されサーバへ送信される。
送信されたデータは、医師が送信したデータと照合され、必要事項が比較判断されて結果が該薬剤師に返信される。
つぎに本発明の医師または薬剤師の送受信がファクシミリによる場合の他の実施形態について説明する。
(診察前)
診察前に行う調査票に対する処理は実施例1と同様である。
この実施例の第1の確認フォーマット(図10)は、妊娠する可能性のある女性患者群のためのフォーマットである。このフォーマットは、医師−患者間の前記複数の確認事項およびそれらに対するチェック欄から構成されるが、確認事項については各項目の番号(注意事項1〜5、確認事項(狭義)6〜11)又は各番号とその簡単なキーワード(例えば、「性交渉」「避妊」等)のみが記載されている。確認事項のうち詳細内容、例えば、注意事項である薬剤の危険性、妊娠検査の時期、緊急時の対処方法等;確認事項(狭義)である性交渉の有無、性交渉があった場合の避妊方法、妊娠検査の結果、他人との薬剤の共有又は譲渡等については、前記各項目番号に対応した項目番号1〜11を付して、別紙葉の確認事項一覧表(図11)として添付される。患者と処方医師は、この確認事項一覧表(処方前)を参照しながら確認事項(注意事項を含む)1〜11の各項目について対面により毎回処方前の相互確認を行う。
この統合確認フォーマットは実施例1と同様に、処方医師に宛ててFAXにより送信される(ステップ215)とともに、当該データは情報記憶媒体に格納される(ステップ216)。
なお、本システムに登録された薬剤師が処方医師と同じ医療機関に所属する場合にあっては、統合確認フォーマットは実施例1と同様に、薬剤師へ直接FAX送信してもよい。
薬剤師は、服薬指導、遵守すべき事項の説明を患者に行うとともに、処方医師経由で患者から、又は管理センターから直接FAX送信により入手した統合確認フォーマットを用い前記確認事項一覧表(調剤前)を参照しながら患者との対面により確認事項1〜7(注意事項を含む)の各項目にしたがって、毎回調剤前の相互確認を行う。
患者は統合確認フォーマットに患者登録番号を記入して署名欄に署名し、薬剤師は新しく必要な薬剤数量、未服用薬数量、記入日、責任薬剤師登録番号を記入し署名欄に署名する。実施例1と同様に、薬剤師−患者間の回答を記録した第2管理データ群の追記された統合確認フォーマット(図12)が、薬剤師により管理センターへFAX送信される(ステップ301)。
管理センターは、受信した統合確認フォーマットを実施例1と同様に処理してステップ304からステップ314の処理を行う。すべての判定項目において問題がない場合には、処方医師登録番号、患者登録番号、確認日、調剤薬剤数および調剤の可否の結果を表示した確認票(図14)を薬剤師に送信する(ステップ315)とともに、当該データを情報記憶媒体に格納する(ステップ316)。判定項目に不備、問題点があるとの指示があった場合、さらに複数箇所に問題点が認められる場合にはその旨すべてを確認票(図14)の下段に設けられた印字スペースに記載して薬剤師に送信する(ステップ317)。
Claims (12)
- 下記(1)〜(6)の入力手段、判別手段及び送信手段並びに情報記憶媒体からなる薬剤管理システム。
(1)薬剤の重篤な副作用を回避するための医師−患者間の複数の確認事項及びそれらに対するチェック欄からなる第1の確認フォーマット、並びにこれらに記録された回答を含む第1管理データ群を医師からの送信により入力する入力手段
(2)第1管理データ群中のデータに対する下記(i)〜(iii)の判別手段
(i)医師及び患者が当該薬剤の取り扱いにつきあらかじめ情報記憶媒体に登録
された者であるか否かの判別手段、
(ii)患者群に応じた薬剤処方要件に対して、各患者データが適合するか否かの
判別手段、
(iii)薬剤処方間隔及び処方薬剤数量データが適正数値範囲であるか
否かの判別手段
(3)上記(2)の判別により適合と判別された場合にのみ、第1管理データ群に加えて、又は第1管理データ群中より選択されたデータである医師により記録された処方内容に加えて、薬剤師−患者間の複数の確認事項及びそれらに対するチェック欄からなる第2の確認フォーマットを追記した統合確認フォーマットを作成し、前記医師または薬剤師に返信する送信手段、
(4)第2の確認フォーマットに対して記録された薬剤師−患者間の回答を含む第2管理データ群を追記した統合確認フォーマットを薬剤師からの送信により入力する入力手段
(5)第2管理データ群中のデータに対する下記(i)〜(iii)の判別手段
(i)第2管理データ群中の患者が第1管理データ群中の患者と同一人であるか
否かの判別手段
(ii)薬剤師が当該薬剤の取り扱いにつきあらかじめ情報記憶媒体に登録された者
であるか否かの判別手段、
(iii)第2管理データ群の調剤数量データが、第1管理データ群中の処方データ
に適合するか否かの判別手段
(6)該判別結果に応じた調剤適否の判定を当該薬剤師に返信する送信手段 - 前記入力手段により入手したデータが、医師または薬剤師がファクシミリ送信した第1管理データ群又は第2管理データ群をOCR処理した文字データである請求項1の薬剤管理システム。
- 前記入力手段により入手したデータが、デジタルペーパー化した第1又は第2の確認フォーマットに対し医師、薬剤師および患者の少なくとも一者がデジタルペンにより記入したデータである請求項1の薬剤管理システム。
- 第1の管理データ群が適正である場合、医師または薬剤師に返信される統合確認フォーマット中に、薬剤師と患者の確認事項として、医師と患者が相互に実施した前記複数の確認事項に対するモニタリング用のチェック欄を含み、かつ該統合確認フォーマットを前記情報記憶媒体に格納する請求項1〜3いずれかの薬剤管理システム。
- 適正な処方・調剤である旨の判断結果に対応した所定フォーマットを作成し、該薬剤師に返信するとともに該フォーマットを前記情報記憶媒体に格納する請求項1〜3いずれかの薬剤管理システム。
- 前記入力されたデータの不備により適正な処方・調剤でないと判断した場合、該不備を指示するための印字スペースをさらに設けた前記所定フォーマットを作成し、該指示を前記医師および/または薬剤師へ送信することにより、適正なデータを再送信させる請求項1〜3いずれかの薬剤管理システム。
- 医師の送信した第1の確認フォーマットに基づいて前記入力手段により入手したデータを、あらかじめ患者より入手した調査票に基づいて該情報記憶媒体に格納し登録されている患者情報と比較することをさらに含む請求項1〜3いずれかの薬剤管理システム。
- 第1管理データ群は、医師と患者の確認事項として医師による該副作用の説明の有無、該説明に対する患者の理解度、該薬剤の第三者への譲渡の有無、確認期間中の患者の性交渉と避妊の有無、確認当日の妊娠検査の受診の有無、その検査結果および確認期間中の精子提供の有無に関する項目から選ばれた複数の項目及びこれらに対する回答を含む請求項1〜3いずれかの薬剤管理システム。
- 医師または薬剤師へ返信する統合確認フォーマットが、薬剤師と患者の確認事項として医師の質問に対する回答の有無、該薬剤の保管状況および薬剤専用容器の使用と回収に関する項目のいずれかをさらに含んでなる請求項1の薬剤管理システム。
- 医師または薬剤師へ返信する統合確認フォーマットが、未服用薬剤数量および処方数量もしくは調剤数量に関する項目をさらに含んでなる請求項9の薬剤管理システム。
- 医師、患者および/または薬剤師の各署名欄をさらに含むものである請求項1〜10いずれかの薬剤管理システム。
- 第1および第2の確認フォーマットが、(i)各々の確認事項を表示する符号およびこれに対するチェック欄からなる部分と、(ii)当該符号に対応する確認事項の詳細内容を表示する別紙葉部分とに分離されている請求項1〜11いずれかの薬剤管理システム。
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