JP5091943B2 - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成膜装置及び成膜方法に関する。更に詳しくは、反応性スパッタ法により基板の表面に透明導電薄膜等の化合物薄膜を成膜する際に好適に用いられ、膜質の面内均一性に優れた化合物薄膜を成膜することが可能な成膜装置及び成膜方法に関する。
本願は、2007年2月28日に、日本に出願された特願2007−050646号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等においては、多数の大面積のガラス基板上に透明電極、誘電体膜、絶縁膜等の薄膜を、均一な膜厚で、連続的に成膜するために、種々のスパッタ装置が提案されている。
これらの1種にインライン式スパッタ装置がある。この装置では、そのスパッタ成膜室内に複数のスパッタカソードが一列に配置され、基板が固定されたキャリアがそのスパッタカソードの配列方向に沿って一定速度にて移動される。その過程で、ターゲットから叩き出されたターゲット材が基板上に堆積することにより、基板上に所望の薄膜が成膜される。この装置によれば、多数の大面積のガラス基板上に膜厚の均一な薄膜を連続的に成膜することができる(特許文献1)。
また、それぞれの側面にターゲットが取り付けられて回転する多角柱状のスパッタカソードを有し、この回転するスパッタカソードの周りに基板を搬送する間に、ターゲットから叩き出されたターゲット材が基板上に堆積することにより、基板上に所望の薄膜を成膜するスパッタ装置も提案されている(特許文献2)。この装置においても、多数の大面積のガラス基板上に膜厚の均一な薄膜を連続的に成膜することができる。
特開2002−60938号公報 特開平6−44836号公報
ところで、従来のスパッタ装置においては、ターゲットとガラス基板との間に不活性ガス及び反応性ガスを導入している。しかしながら、近年におけるガラス基板の大面積化に伴い、成膜装置全体が大型化し、特にスパッタ成膜室の内部体積が増大してきたため、ターゲット上に導入された反応性ガスや不活性ガスが基板とターゲットとの間の空間部から直接排気される量が増加するだけではなく、それら反応性ガスや不活性ガスが一旦基板の裏面へ抜けてから排気される量も増加している。このとき、ターゲット上に導入された反応性ガスや不活性ガスは基板の外周から基板裏面側へ拡散されて排気されるため、基板の表面側では、導入された不活性ガス及び反応性ガスの場所による濃度差が生じ、これにより、基板上の面内において、位置による成膜雰囲気の差異が生じる虞がある。その場合、基板上に成膜された薄膜に、その膜厚や膜質の不均一な面内分布が生じ、その結果、基板上の面内において、得られた透明電極、誘電体膜、絶縁膜等の特性のばらつきが大きくなってしまうという問題点があった。
また、液晶ディスプレイ(LCD)の製造工程においては、ガラス基板上に樹脂膜を形成し、この樹脂膜上にスズ含有酸化インジウム(ITO:Indium Tin Oxide)膜を成膜する場合がある。このITO成膜の際に、従来のスパッタ装置においては、樹脂膜から放出されるガスによりITO膜の成膜雰囲気が影響を受ける。その結果、成膜されるITO膜の膜質がその影響を受けて、所望の特性を有するITO膜が得られないという問題点があった。
また、成膜を続けた場合、キャリアへの着膜量が増加するため、このキャリアを大気中に取り出した際に、キャリアに着膜した薄膜が大気中の水分を吸収してしまう虞がある。このキャリアを再度成膜工程に用いると、大気で吸収された水分が成膜室内に放出されて、成膜されるITO膜の膜質がその影響を受ける。その結果、所望の特性を有するITO膜が得られないという問題点があった。
このように、樹脂膜やキャリアからの放出ガスの、成膜に対する影響は、基板の大面積化、スパッタ装置の大型化、高速化に伴って、ますます増大する。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、反応性スパッタ法により基板の表面に透明導電薄膜等の化合物薄膜を成膜する場合に、膜質の面内均一性に優れた化合物薄膜を成膜することが可能であり、さらには、成膜を続けた場合においても、キャリアからの放出ガスが無く、成膜される薄膜の膜質が放出ガスの影響を受ける虞もない成膜装置及び成膜方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を採用している。すなわち、本発明の成膜装置は、スパッタ成膜室内に保持された基板の表面に、反応性スパッタ法により透明導電膜、誘電体膜、絶縁膜、光学薄膜からなる化合物薄膜を成膜する装置であって、前記スパッタ成膜室に、前記基板の表面に成膜される化合物薄膜の膜質を調整する膜質調整用ガスとして反応性スパッタによって成膜中の膜に取り込まれる元素または該元素を含むガスを前記基板の裏面に導入する第1の膜質調整用ガス導入手段と、導入した前記膜質調整用ガスを前記基板の周囲に向かって均一に拡散させる分散管と、それぞれ前記基板を保持し、該基板の表面に平行な一方向に沿って一列に配置された複数のキャリアと、を備える。
上記の成膜装置によれば、スパッタ成膜室において、基板の表面に成膜される化合物薄膜の膜質を調整する膜質調整用ガスを前記基板の裏面に導入する第1の膜質調整用ガス導入手段を設けたことにより、この膜質調整用ガスが、反応性ガスが基板の周囲からその裏面に抜けるのを防止する。このため、基板の表面側の面内における不活性ガス及び反応性ガスの濃度を均一化し、したがって、この基板上の成膜雰囲気を均一化することができる。その結果、成膜された薄膜の膜厚や膜質の面内均一性が向上するので、基板面内におけるこの薄膜の特性のばらつきも極めて小さくすることができる。さらに、薄膜の特性の安定性も向上することができる。
また、樹脂膜上に化合物薄膜を成膜する場合においては、樹脂膜から放出されるガスにより化合物薄膜の成膜雰囲気が影響を受ける虞が無くなり、したがって、成膜される化合物薄膜が放出ガスの影響を受ける虞が無くなる。その結果、化合物薄膜の特性も安定化することができる。
以上により、基板面内における特性のばらつきが極めて小さく、しかもその特性の安定性が高い化合物薄膜を容易かつ安価に作製することが可能になる。
前記スパッタ成膜室に前記基板を搬入するための前室、及び前記スパッタ成膜室から前記基板を搬出するための後室のいずれか一方または双方に、前記基板の表面及び裏面に前記膜質調整用ガスを導入する第2の膜質調整用ガス導入手段をさらに備えてもよい。
この場合、スパッタ成膜室に基板を搬入するための前室、前記スパッタ成膜室から前記基板を搬出するための後室、のいずれか一方または双方に、前記基板の表面及び裏面に前記膜質調整用ガスを導入するための第2の膜質調整用ガス導入手段を設けたことにより、成膜前後における基板の両面の成膜雰囲気が均一化される。これにより、成膜された薄膜の膜質や膜厚がさらに均一化され、したがって、得られた薄膜の膜厚や膜質の面内均一性もさらに高くなる。その結果、基板面内における薄膜の特性のばらつきを極めて小さくでき、さらに、その特性の安定性も向上することができる。
前記スパッタ成膜室に、複数の前記キャリアを連続移動、または静止させた状態で、前記各基板の表面に前記化合物薄膜を成膜する際に、前記各基板の裏面に導入する前記膜質調整用ガスの導入量を、成膜時の該キャリアからの放出ガス量の変化に対応して変化させるガス導入量調整手段をさらに備える。
また、前記分散管は、前記キャリアの搬送方向に沿って膜質調整用ガスを噴き出すための孔が多数形成された、三重トーナメント管であってもよい。
また、前記前記膜質調整用ガスは、酸素ガスであってもよい。
この場合、ガス導入量調整手段を用いて基板の裏面に導入する膜質調整用ガスの導入量を経時的に変化させることにより、成膜時の放出ガス量の経時変化に対応した膜質調整を行うことが可能になる。その結果、多数の基板上への連続成膜における安定な膜質維持を実現することが可能になる。
また、本発明の成膜方法は、反応性スパッタ法により基板の表面に透明導電膜、誘電体膜、絶縁膜、光学薄膜からなる化合物薄膜を成膜する方法であって、前記化合物薄膜を不活性ガス及び反応性ガスの雰囲気下にて成膜する際に、前記基板の裏面に膜質調整用ガスとして反応性スパッタによって成膜中の膜に取り込まれる元素または該元素を含むガスを導入するとともに、導入した該膜質調整用ガスを該基板の周囲に向かって均一に拡散させる
上記の成膜方法によれば、化合物薄膜を成膜する際に、基板の裏面に膜質調整用ガスを導入することにより、反応性ガスが基板の周囲からその裏面に抜けるのを防止することができる。これにより、基板の表面側の面内における不活性ガス及び反応性ガスの濃度を均一化し、したがって、この基板上の成膜雰囲気を均一化することができる。その結果、成膜された薄膜の膜質や膜厚が均一化され、得られた薄膜の膜厚や膜質の面内均一性も高くなるため、基板面内における薄膜の特性のばらつきが極めて小さくでき、さらに、特性の安定性も向上することができる。
また、樹脂膜上に化合物薄膜を成膜する場合において、樹脂膜から放出されるガスにより化合物薄膜の成膜雰囲気が影響を受ける虞が無くなる。したがって、成膜される化合物薄膜の膜質も放出ガスの影響を受ける虞が無くなる。その結果、この化合物薄膜の特性を安定化することができる。
前記化合物薄膜を成膜する前または成膜した後、あるいは成膜する前及び成膜した後にて、前記基板の表面及び裏面に前記膜質調整用ガスを導入してもよい。
この場合、成膜前後における基板の両面の成膜雰囲気が均一化される。これにより、成膜された薄膜の膜質や膜厚がさらに均一化され、したがって、得られた薄膜の膜厚や膜質の面内均一性もさらに高くなる。その結果、基板面内における薄膜の特性のばらつきを極めて小さくでき、さらに、特性の安定性も向上することができる。
また、複数の前記基板を、それら基板の表面に平行な一方向に沿って配置し;これら基板を連続移動、または静止させた状態で、これら基板の表面に前記化合物薄膜を成膜する際に、これら基板の裏面に導入する前記膜質調整用ガスの導入量を、成膜時の該キャリアからの放出ガス量の変化に対応して変化させてもよい。
前記化合物薄膜を成膜する際に、前記基板の裏面に不活性ガスを導入してもよい。
また、複数の前記基板を、基板の表面に平行な一方向に沿って配置し;基板を連続移動、または静止させた状態で、基板の表面に前記化合物薄膜を成膜する際に、前記不活性ガスの導入量を、成膜時の該キャリアからの放出ガス量の変化に対応して変化させてもよい。
前記前記膜質調整用ガスは、酸素ガスであってもよい。
本発明の成膜装置によれば、スパッタ成膜室に、基板の表面に成膜される化合物薄膜の膜質を調整する膜質調整用ガスを前記基板の裏面に導入するための膜質調整用ガス導入手段が設けられているので、膜厚や膜質の面内均一性に優れ、基板面内における特性のばらつきも極めて小さく、しかも、特性の安定性に優れた化合物薄膜を容易にかつ安価に作製することができる。
また、樹脂膜上に化合物薄膜を成膜する場合において、樹脂膜から放出されるガスにより化合物薄膜の成膜雰囲気が影響を受ける虞が無くなるので、成膜される化合物薄膜が放出ガスの影響を受ける虞が無く、その結果、特性が安定化した化合物薄膜を容易に作製することができる。
また、複数個のキャリアを移動させながら、これらのキャリアに保持された基板の表面に化合物薄膜を成膜する場合、ガス導入量調整手段を用いて基板の裏面に導入する膜質調整用ガスの導入量を経時的に変化させることにより、成膜時の放出ガス量の経時変化に対応した膜質調整を行うことができる。したがって、連続成膜における安定な膜質維持を実現することができる。
本発明の成膜方法によれば、化合物薄膜を不活性ガス及び反応性ガスの雰囲気下にて成膜する際に、基板の裏面に膜質調整用ガスを導入するので、反応性ガスが基板の周囲からその裏面に抜けるのを防止することができる。これにより、基板の表面側の面内における不活性ガス及び反応性ガスの濃度を均一化することができ、したがって、基板上の成膜雰囲気を均一化することができる。その結果、成膜された薄膜の膜厚や膜質の面内均一性を向上させることができるため、基板面内における薄膜の特性のばらつきを極めて小さくすることができ、さらに、特性の安定性も向上させることができる。
また、樹脂膜上に化合物薄膜を成膜する場合において、樹脂膜から放出されるガスにより化合物薄膜の成膜雰囲気が影響を受ける虞が無くなるので、成膜される化合物薄膜が放出ガスの影響を受ける虞が無くなり、その結果、化合物薄膜の特性を安定化することができる。
本発明の第1の実施形態に係るインライン式反応性スパッタ装置の模式図である。 同実施形態に係る分散管の側面図である。 基板表面での反応性ガス導入管1本当たりのOガス流量とITO薄膜のシート抵抗との関係を示す図である。 基板内のITO薄膜の表面におけるシート抵抗の測定点を示す模式図である。 基板裏面での膜質調整用ガス導入管1本当たりのOガス流量とITO薄膜のシート抵抗との関係を示す図である。 基板裏面でのOガス流量を0sccm(0Pa・m/s)としたときのITO薄膜のシート抵抗の面内ばらつきを示す図である。 基板裏面Oガス流量を2本の膜質調整用ガス導入管それぞれについて12sccm(2.03×10−2Pa・m/s)としたときのITO薄膜のシート抵抗の面内ばらつきを示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るインライン式反応性スパッタ装置の模式図である。 本発明の第3の実施形態に係るインライン式反応性スパッタ装置の模式図である。 本発明の第4の実施形態に係るインライン式反応性スパッタ装置の模式図である。
符号の説明
1 スパッタ装置
2 前室
3 スパッタ成膜室
4 後室
5 入口側ゾーン
6 スパッタゾーン
7 出口側ゾーン
11 真空ポンプ
12 キャリア
14 スパッタカソード
15 ターゲット
16 不活性ガス導入管
17 反応性ガス導入管
18 膜質調整用ガス導入管
21 配管
22 細管部
23 孔
24 分散管
31 スパッタ装置
32 スパッタ成膜室
33 スパッタゾーン
41 スパッタ装置
42 スパッタ成膜室
43 スパッタゾーン
51 スパッタ装置
52 スパッタ成膜室
53、54 スパッタゾーン
本発明の成膜装置及び成膜方法を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
また、以下の説明に用いられる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
本実施形態では、成膜装置としてインライン式反応性スパッタ装置を例に取り説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインライン式反応性スパッタ装置の模式図である。
このスパッタ装置1は、前室2と、スパッタ成膜室3と、反転室を兼ねる後室4とから構成される。スパッタ成膜室3は、入口側ゾーン5と、スパッタゾーン6と、出口側ゾーン7の3ゾーンにて構成される。これら入口側ゾーン5、スパッタゾーン6及び出口側ゾーン7の幅方向の中心位置には、これらのゾーンを往路(図1中下側)及び復路(図1中上側)の2系統に区分するための仕切板8が設けられている。
なお、このスパッタ装置1では、復路の場合、前室2は後室として、後室4は前室として、それぞれ機能することになるが、ここでは便宜上、往路の場合を基準として前室2及び後室4と称することとする。
これら前室2、スパッタ成膜室3の入口側ゾーン5及び出口側ゾーン7、後室4それぞれには、真空ポンプ11が設けられている。これらのゾーン2〜4内の往路及び復路それぞれには、基板を搬送するための複数のキャリア12が、連続するように配置されている。各キャリア12は、ゾーン2〜4内をその配置方向(図1中、左右方向)に移動可能であり、かつ所定の位置に固定可能である。これらのキャリア12の所定位置には、化合物薄膜が成膜される、ガラス等からなる基板13が略鉛直に立てられた状態で保持されている。
一方、スパッタゾーン6内の両側壁には、キャリア12の往路及び復路それぞれの移動方向に沿って複数のスパッタカソード14が設けられている。これらスパッタカソード14には、化合物薄膜のスパッタ材料であるターゲット15が取り付けられている。これらのターゲット15は、キャリア12の所定位置に取り付けられた基板13の表面と所定距離をおいて対向するように位置決めがなされている。
さらに、このスパッタカソード14の近くには、Ar等の不活性ガスを導入するための不活性ガス導入管16、及びO等の反応性ガスを導入するための反応性ガス導入管17がキャリア12に向けて配置されている。このスパッタゾーン6内の中央部の仕切板8の両側には、キャリア12に保持された基板13の裏面に、反応性スパッタによって成膜中の膜に取り込まれる元素またはその元素を含むガス、すなわち、酸素( )ガス等の膜質調整用ガスを導入するための膜質調整用ガス導入管(第1の膜質調整用ガス導入手段)18が設けられている。膜質調整用ガス導入管18は、このスパッタゾーン6に搬入される基板13の表面における成膜雰囲気を調整して均一化する。
また、前室2及び後室4にも、不活性ガス導入管16及び反応性ガス導入管17が設けられている。なお、不活性ガス導入管16、反応性ガス導入管17、および膜質調整用ガス導入管18については、ターゲット15の個数に応じて適宜その個数を設定することができる。
この膜質調整用ガス導入管18を、第2の膜質調整用ガス導入手段として、必要に応じて前室2、または後室4、あるいは双方に設けてもよい。また、この膜質調整用ガス導入管18に、必要に応じて不活性ガス導入管16を並列配置してもよい。
この膜質調整用ガス導入管18は、Ar等の不活性ガス及びO等の反応性ガスが、基板13が保持されたキャリア12の周囲、特に上下方向から基板13の裏面に抜けるのを防止することができる構成であればよい。例えば、図2に示すように、スパッタゾーン6の天井部(あるいは底部)から室内に垂直に立設された配管21の先端部が複数段(図2では二段)に枝分かれし、その最先端の長尺の細管部22に、その延在方向、すなわちスパッタゾーン6のキャリア12の搬送方向に沿って膜質調整用ガスを噴き出すための小径の孔23が多数形成された、三重トーナメント管と称される分散管24が好適に用いられる。ここでは、分散管24は、スパッタゾーン6の上下方向に合計2本設けられている。
なお、この小径の孔23の代わりに噴出ノズルを用いても同様の効果が得られる。
これらのガス分散管の他、例えば、鉛直方向に延在する長尺の管の一箇所に膜質調整用ガスを噴き出すための小径の孔が形成されたガス噴出管や、鉛直方向に延在する長尺の管の一箇所に膜質調整用ガスを噴き出すための噴出ノズルが設けられたガス噴出管等も使用可能である。なお、これらのガス噴出管の場合、膜質調整用ガスは1箇所からのみ噴出されるので、この膜質調整用ガスを基板13の周囲に向かって均一に拡散させるためには、このガス噴出管と基板13との間に拡散板等の拡散手段を設けることが好ましい。
次に、このスパッタ装置1を用いて、キャリア12に保持された基板13の表面に、酸素元素Oを含む化合物薄膜を成膜する方法について、往路の場合を例にとり説明する。
まず、スパッタゾーン6のスパッタカソード14に、化合物薄膜のスパッタ材料であるターゲット15を装着する。このターゲット15は、成膜される化合物薄膜に応じて適宜選択される。例えば、透明導電膜であるスズ含有酸化インジウム(ITO:Indium Tin Oxide)薄膜の場合、スズインジウム合金ターゲットが、アンチモン含有酸化スズ(ATO:Antimony Tin Oxide)薄膜の場合、アンチモンスズ合金ターゲットが用いられる。また、光学薄膜である酸化チタン(TiO)薄膜の場合、チタンターゲットが用いられる。また、誘電体膜である酸化マグネシウム(MgO)薄膜の場合、マグネシウムターゲットが用いられる。
一方、前室2にキャリア12を搬入し、この前室2内を真空ポンプ11にて所定の真空度まで減圧する。次いで、不活性ガス導入管16及び反応性ガス導入管17を用いて、この前室2内にAr等の不活性ガス及びO等の反応性ガスを導入し、この前室2内を、所定の圧力の不活性ガス及び反応性ガスの混合ガス雰囲気とする。
次いで、入口側ゾーン5を含むスパッタ成膜室3内を真空ポンプ11にて所定の真空度まで減圧する。そこへ不活性ガス導入管16及び反応性ガス導入管17を用いて、このスパッタ成膜室3内にAr等の不活性ガス及びO等の反応性ガスを導入し、この入口側ゾーン5を含むスパッタ成膜室3内を、前室2内と同様、所定の圧力の不活性ガス及び反応性ガスの混合ガス雰囲気とする。
次いで、キャリア12を前室2から入口側ゾーン5に移動させ、この入口側ゾーン5にてキャリア12をその進行方向に密に詰め、隣接するキャリア12の端面同士が近接した状態とする。
次いで、この近接したキャリア12をスパッタゾーン6に移動させる。このスパッタゾーン6内では、キャリア12を連続移動させつつ、不活性ガス及び反応性ガスの混合ガス雰囲気下にて、膜質調整用ガス導入管18を用いてキャリア12に略垂直に保持された基板13の裏面にO等の膜質調整用ガスを噴き出させる。これにより、基板13の表面(成膜面)の雰囲気を不活性ガス及び反応性ガスの混合ガス雰囲気に保ちつつ、連続移動している基板13の表面にターゲット15を主成分とする化合物薄膜を成膜する。
この成膜の過程では、基板13の裏面に膜質調整用ガスを噴き出させることで、不活性ガス及び反応性ガスがキャリア12の周囲、特に上下方向から基板13の裏面に抜けることが防止されるので、基板13の表面側の面内における混合ガスの濃度が均一化され、したがって、この基板13上の成膜雰囲気が均一化される。その結果、この基板13の表面には、膜厚や膜質の面内均一性に優れた化合物薄膜が成膜される。
この成膜における不活性ガス、反応性ガス及び膜質調整用ガスの流量比は、成膜される化合物薄膜の組成及び特性、及び成膜装置の構造に応じて適宜設定される。特に、膜質調整用ガスの流量は、不活性ガス及び反応性ガスがキャリア12に保持された基板の裏面に抜けるのを防止することができる流量である必要がある。例えば、ITO薄膜の場合、膜質調整用ガスの流量は、不活性ガス及び反応性ガスの合計流量を100としたとき0.1〜2が好ましい。
次いで、このキャリア12を出口側ゾーン7に移動させ、後室4内を、真空ポンプ11を用いて所定の真空度まで減圧する。次いで、不活性ガス導入管16及び反応性ガス導入管17を用いて、この後室4内にAr等の不活性ガス及びO等の反応性ガスを導入し、この後室4内を、所定の圧力の不活性ガス及び反応性ガスの混合ガス雰囲気とする。
次いで、キャリア12を出口側ゾーン7から後室4に移動させる。この後室4にてキャリア12を反転させて、再度前室2に向けて搬送し、往路と全く同様に、復路の成膜を行う。復路においても、往路と全く同様の作用・効果が得られるので、復路の場合については、説明を省略する。
最後に、このキャリア12を前室2から搬出し、基板13を取り出す。
以上により、膜厚及び膜質の面内均一性に優れ、基板面内における特性のばらつきも極めて小さく、しかも、特性の安定性に優れた化合物薄膜を容易にかつ安価に作製することができる。
なお、前室2及び後室4のいずれか一方、または双方に、膜質調整用ガス導入管18を設ければ、成膜前後における基板の表面の成膜雰囲気を安定化することができる。この場合、化合物薄膜の膜質及び膜厚をさらに均一化することができ、化合物薄膜の特性をさらに向上させることができる。
ここでは、キャリア12をスパッタゾーン6内にて連続移動しつつ基板13の表面にターゲット15を主成分とする化合物薄膜を成膜する構成としたが、複数個のキャリア12をスパッタゾーン6内に搬送して静止し、この静止した状態で基板13の表面にターゲット15を主成分とする化合物薄膜を成膜する構成としてもよい。この場合においても、全く同様の効果が得られる。
次に、本実施形態の成膜方法の格別の効果を裏付ける実験結果について説明する。
本実施形態の成膜装置を用いて、キャリア12に装着されたガラス基板上に、室温(25℃)の成膜温度下にて膜厚が150nmのITO薄膜を成膜した。
まず、基板裏面Oガス流量を0sccm(0Pa・m/s)としたときのガラス基板の表面(成膜面)のArガスの流量を6本の不活性ガス導入管16それぞれについて400sccm(0.675Pa・m/s)とし、このガラス基板の表面(成膜面)のOガスの流量を6本の反応性ガス導入管17それぞれについて0〜5sccm(0〜8.4×10−3Pa・m/s)の範囲で同じ流量となるように変化させ、合計14種類のITO薄膜を成膜した。
次いで、これらのITO薄膜を、大気中、230℃にて1時間熱処理した。
このようにして得られた14種類のITO薄膜それぞれのシート抵抗を、4端子法を用いて測定した。これら14種類のITO薄膜それぞれについて、成膜時の基板表面での反応性ガス導入管17の1本当たりのOガス流量とシート抵抗との関係を図3に示す。図中、13、1、19は、図4に示す基板内の、ITO薄膜上のシート抵抗測定点を示す番号である。なお、図4に示された25点は等配列である。また、これらの測定点のうち、角の4つの点は、いずれも基板の角から縦25mm、横25mm内側に位置している。ここでは、それぞれの測定点に1〜25の番号を付した。図4中、上部の矢印(←、↓)は、ITO薄膜上のX軸方向、Y軸方向をそれぞれ示している。
図3によれば、シート抵抗が10〜35Ω/□の範囲となるガラス基板の表面での反応性ガス導入管17の1本当たりのOガス流量は、2〜5sccm(3.4×10−3〜8.4×10−3Pa・m/s)の範囲、すなわち6本の反応性ガス導入管17では12〜30sccm(2.03×10−2〜5.07×10−2Pa・m/s)の範囲であることが分かった。また、表面Oガス流量が上記の範囲内であれば、シート抵抗の面内ばらつきも小さいことが分かった。
次いで、ガラス基板の表面(成膜面)におけるArガスの流量を6本の不活性ガス導入管16それぞれについて400sccm(0.675Pa・m/s)、Oガスの流量を6本の反応性ガス導入管17それぞれについて2.2sccm(3.7×10−3Pa・m/s)とし、基板の裏面におけるOガスの流量を2本の膜質調整用ガス導入管18それぞれについて0〜20sccm(0〜3.38×10−2Pa・m/s)の範囲で同じ流量となるように変化させ、合計9種類のITO薄膜を成膜した。
次いで、これらのITO薄膜を、大気中、230℃にて1時間熱処理した。
このようにして得られた9種類のITO薄膜それぞれのシート抵抗を4端子法にて測定した。これら9種類のITO薄膜それぞれについて、成膜時の基板裏面での膜質調整用ガス導入管18の1本当たりのOガス流量とシート抵抗との関係を図5に示す。図中、13、1、19は、図4に示すITO薄膜の測定点を示す番号である。
図5によれば、基板裏面Oガス流量が増加するのにしたがって、シート抵抗の面内ばらつきも小さくなるが、基板裏面Oガス流量がある値を超えると、基板の裏面のOガスが成膜に悪影響を及ぼし始め、シート抵抗の面内ばらつきも大きくなることが分かった。
また、シート抵抗の面内ばらつきを調べるために、基板裏面Oガス流量を0sccm(0Pa・m/s)、ガラス基板の表面(成膜面)のArガスの流量を6本の不活性ガス導入管16それぞれについて400sccm(0.675Pa・m/s)、Oガスの流量を6本の反応性ガス導入管17それぞれについて3.6sccm(6.1×10−3Pa・m/s)としたときのITO薄膜のシート抵抗を、図4に示すITO薄膜の測定点それぞれについて4端子法にて測定した。図4の測定点それぞれに対応した測定値を図6に示す。
また、基板の裏面におけるOガスの流量を2本の膜質調整用ガス導入管18それぞれについて12sccm(2.03×10−2Pa・m/s)、ガラス基板の表面(成膜面)のArガスの流量を6本の不活性ガス導入管16それぞれについて400sccm(0.675Pa・m/s)、Oガスの流量を6本の反応性ガス導入管17それぞれについて2.2sccm(3.7×10−3Pa・m/s)としたときのITO薄膜のシート抵抗を、図4に示すITO薄膜の測定点それぞれについて4端子法にて測定した。図4の測定点それぞれに対応した測定値を図7に示す。
また、図6及び図7のそれぞれに示されたITO薄膜のシート抵抗の基板面内におけるばらつきを、下記の分布評価(計算)式(1)により求めた。
(Rsmax−Rsmin)/(Rsmax+Rsmin)……(1)
ここで、式(1)中、Rsmaxは測定値中の最大値、Rsminは測定値中の最小値である。
これらの計算結果によれば、ITO薄膜のシート抵抗の面内ばらつきは、基板の裏面にOガスを導入した場合±5%、導入しない場合±14%であった。すなわち、基板の裏面にOガスを導入した場合、導入しない場合と比較して面内ばらつきが半分以下になった。この実験により、基板の裏面にOガスを導入することにより、シート抵抗の面内均一性を向上させることができることが分かった。
以上説明したように、本実施形態の成膜方法によれば、反応性ガスが基板の周囲からその裏面に抜けるのを防止することができる。そのため、基板の表面側の面内における不活性ガス及び反応性ガスの濃度を均一化することができ、したがって、基板上の成膜雰囲気を均一化することができる。その結果、膜厚、膜質等の面内均一性を向上させることができるので、薄膜のシート抵抗の面内ばらつきを極めて小さくすることができ、さらに、安定性も向上させることができる。
本実施形態のスパッタ装置1によれば、スパッタ成膜室3に、基板の裏面に膜質調整用ガスを導入するための膜質調整用ガス導入管18が設けられているので、膜厚や膜質の面内均一性に優れ、基板面内における特性のばらつきも極めて小さく、しかも、特性の安定性に優れた化合物薄膜を容易にかつ安価に成膜することができる。
複数のキャリア13を移動させながら、これらのキャリア13に保持された基板12の表面に化合物薄膜を成膜する場合、従来の成膜装置によれば、キャリア13の部分に付着した薄膜の成分である化合物に吸着される水分量が徐々に増加し、この水分量の増加が成膜時の放出ガス量の経時変化として現れる。それに対し、本実施形態のスパッタ装置1によれば、膜質調整用ガス導入管18を用いて基板の裏面に導入する膜質調整用ガスの導入量を経時的に変化させることにより、成膜時の放出ガス量の経時変化に対応した膜質調整を行うことができる。その結果、連続成膜における安定な膜質維持を実現することができる。
[第2の実施形態]
図8は、本発明の第2の実施形態に係るインライン式反応性スパッタ装置の模式図である。本実施形態のスパッタ装置31が第1の実施形態のスパッタ装置1と異なる点は、以下の通りである。すなわち、第1の実施形態のスパッタ装置1では、キャリア12を往復搬送させる構造とし、スパッタ成膜室3の入口側ゾーン5及び出口側ゾーン7それぞれの両側に真空ポンプ11が設けられ、スパッタゾーン6内の中央部に膜質調整用ガス導入管18が設けられている。それに対し、本実施形態のスパッタ装置31では、キャリア12を一方向のみに搬送させる構造とし、スパッタ成膜室32の入口側ゾーン5及び出口側ゾーン7それぞれの一方側に真空ポンプ11が設けられ、スパッタゾーン33内の真空ポンプ11と対向する側の壁面の周縁部近傍に膜質調整用ガス導入管18が設けられている。
本実施形態のスパッタ装置31によれば、スパッタゾーン6内の真空ポンプ11と対向する側の端部近傍に膜質調整用ガス導入管18が設けられているので、キャリア12を一方向のみに搬送させる構造とした場合であっても、キャリア12に保持される基板の表面における成膜雰囲気を調整して均一化することができる。
[第3の実施形態]
図9は、本発明の第3の実施形態に係るインライン式反応性スパッタ装置の模式図である。本実施形態のスパッタ装置41が第2の実施形態のスパッタ装置31と異なる点は、以下の通りである。すなわち、第2の実施形態のスパッタ装置31では、入口側ゾーン5及び出口側ゾーン7それぞれの一方側に真空ポンプ11が設けられ、スパッタゾーン33内の真空ポンプ11と対向する側の壁面の端部近傍に膜質調整用ガス導入管18が設けられている。それに対し、本実施形態のスパッタ装置41では、スパッタ成膜室42の入口側ゾーン5及び出口側ゾーン7それぞれの一方側に真空ポンプ11が設けられ、スパッタゾーン43内の真空ポンプ11と対向する側の壁面の中央部に膜質調整用ガス導入管18が設けられている。
本実施形態のスパッタ装置41によれば、スパッタゾーン43内の真空ポンプ11と対向する側の壁面の中央部に膜質調整用ガス導入管18を設けられているので、キャリア12を一方向のみに搬送させる構造とした場合であっても、キャリア12に保持される基板の表面における成膜雰囲気を調整して均一化することができる。
[第4の実施形態]
図10は、本発明の第4の実施形態に係るインライン式反応性スパッタ装置の模式図である。本実施形態のスパッタ装置51が第2の実施形態のスパッタ装置31と異なる点は、以下の通りである。すなわち、第2の実施形態のスパッタ装置31では、スパッタ成膜室32のスパッタゾーンを1つのスパッタゾーン33により構成し、入口側ゾーン5及び出口側ゾーン7それぞれの一方側に真空ポンプ11が設けられ、スパッタゾーン33内の真空ポンプ11と対向する側の壁面の端部近傍に膜質調整用ガス導入管18が設けられている。それに対し、本実施形態のスパッタ装置51では、スパッタ成膜室52のスパッタゾーンを複数(図10では2つ)のスパッタゾーン53、54により構成し、スパッタゾーン54の一方側の端部に真空ポンプ11が設けられ、スパッタゾーン53、54内の真空ポンプ11と対向する側の壁面の中央部に膜質調整用ガス導入管18がそれぞれ設けられている。
本実施形態のスパッタ装置51によれば、スパッタゾーン54の一方側に真空ポンプ11が設けられ、スパッタゾーン53、54内の真空ポンプ11と対向する側の壁面の中央部に膜質調整用ガス導入管18をそれぞれ設けられているので、複数のスパッタゾーンを有する構造であっても、キャリア12に保持される基板の表面における成膜雰囲気を調整して均一化することができる。
本発明によれば、反応性スパッタ法により基板の表面に透明導電薄膜等の化合物薄膜を成膜する場合に、膜質の面内均一性に優れた化合物薄膜を成膜することが可能であり、さらには、成膜を続けた場合においても、キャリアからの放出ガスが無く、成膜される薄膜の膜質が放出ガスの影響を受ける虞もない成膜装置及び成膜方法を提供することができる。

Claims (11)

  1. スパッタ成膜室内に保持された基板の表面に、反応性スパッタ法により透明導電膜、誘電体膜、絶縁膜、光学薄膜からなる化合物薄膜を成膜する装置であって、
    前記スパッタ成膜室に、前記基板の表面に成膜される化合物薄膜の膜質を調整する膜質調整用ガスとして反応性スパッタによって成膜中の膜に取り込まれる元素または該元素を含むガスを前記基板の裏面に導入する第1の膜質調整用ガス導入手段と、
    導入した前記膜質調整用ガスを前記基板の周囲に向かって均一に拡散させる分散管と、
    それぞれ前記基板を保持し、該基板の表面に平行な一方向に沿って一列に配置された複数のキャリアと、を備えることを特徴とする成膜装置。
  2. 請求項1記載の成膜装置であって、
    前記スパッタ成膜室に前記基板を搬入するための前室、及び前記スパッタ成膜室から前記基板を搬出するための後室のいずれか一方または双方に、前記基板の表面及び裏面に前記膜質調整用ガスを導入する第2の膜質調整用ガス導入手段をさらに備えることを特徴とする成膜装置。
  3. 請求項1または2記載の成膜装置であって、
    前記スパッタ成膜室に、
    複数の前記キャリアを連続移動、または静止させた状態で、前記各基板の表面に前記化合物薄膜を成膜する際に、前記各基板の裏面に導入する前記膜質調整用ガスの導入量を、成膜時の該キャリアからの放出ガス量の変化に対応して変化させるガス導入量調整手段をさらに備えることを特徴とする成膜装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載の成膜装置であって、
    前記分散管は、前記キャリアの搬送方向に沿って膜質調整用ガスを噴き出すための孔が多数形成された、三重トーナメント管であることを特徴とする成膜装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の成膜装置であって、
    前記前記膜質調整用ガスは、酸素ガスであることを特徴とする成膜装置。
  6. 反応性スパッタ法により基板の表面に透明導電膜、誘電体膜、絶縁膜、光学薄膜からなる化合物薄膜を成膜する方法であって、
    前記化合物薄膜を不活性ガス及び反応性ガスの雰囲気下にて成膜する際に、前記基板の裏面に膜質調整用ガスとして反応性スパッタによって成膜中の膜に取り込まれる元素または該元素を含むガスを導入するとともに、導入した該膜質調整用ガスを該基板の周囲に向かって均一に拡散させることを特徴とする成膜方法。
  7. 請求項6記載の成膜方法であって、
    前記化合物薄膜を成膜する前または成膜した後、あるいは成膜する前及び成膜した後にて、前記基板の表面及び裏面に前記膜質調整用ガスを導入することを特徴とする成膜方法。
  8. 請求項6または7記載の成膜方法であって、
    複数の前記基板を、それら基板の表面に平行な一方向に沿って配置し;
    これら基板を連続移動、または静止させた状態で、これら基板の表面に前記化合物薄膜を成膜する際に、これら基板の裏面に導入する前記膜質調整用ガスの導入量を、成膜時の該キャリアからの放出ガス量の変化に対応して変化させることを特徴とする成膜方法。
  9. 請求項6記載の成膜方法であって、
    前記化合物薄膜を成膜する際に、前記基板の裏面に不活性ガスを導入することを特徴とする成膜方法。
  10. 請求項9記載の成膜方法であって、
    複数の前記基板を、該基板の表面に平行な一方向に沿って配置し;
    該基板を連続移動、または静止させた状態で、該基板の表面に前記化合物薄膜を成膜する際に、前記不活性ガスの導入量を、成膜時の該キャリアからの放出ガス量の変化に対応して変化させることを特徴とする成膜方法。
  11. 請求項6〜10のいずれか一項記載の成膜方法であって、
    前記前記膜質調整用ガスは、酸素ガスであることを特徴とする成膜方法。
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