JP5091832B2 - リードフレーム及び半導体装置 - Google Patents

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Description

この発明は、リードフレーム及び半導体装置に関する。
従来の半導体装置には、半導体素子に電気接続される複数のリードが半導体素子を内包する封止樹脂の同一の側面から突出する樹脂封止型の半導体装置がある。また、この種の半導体装置の製造に使用する従来のリードフレームとしては、例えば図10に示すように、半導体素子の配置面を有する板状のダイパッド101と、ダイパッド101のうち半導体素子の配置面に沿う一方向の一端に間隔をあけて配される第1リード102と、ダイパッド101の一端に連結される第2リード103とを備えたものがある(特許文献1参照)。このリードフレームは、第1リード102及び第2リード103を一体に連結する連結枠(不図示)も備えており、第2リード103によってダイパッド101の一端側を支持した片持ち構造を呈している。
さらに、従来のリードフレームとしては、例えば図10,11に示すように、上記構成に加えてダイパッド101の他端を連結枠104に連結して支持する支持用リード105を備えたものもあり、第1リード102に対するダイパッド101の位置の安定化を図ったものがある。従来、支持用リード105は、その延在方向にわたって断面積が同一となるように形成されている。
ここで、支持用リード105は、前述した構成の半導体装置には不要であるため、封止樹脂106の形成後にダイパッド101から切り離される。なお、この切り離しおいては、支持用リード105の切断面に対して電気的な短絡が発生しないように、封止樹脂106の外面106aから支持用リード105の切断面に至る電気的な絶縁距離を確保することを考慮して、支持用リード105の切断面が封止樹脂106の内部に位置するように、支持用リード105をその延在方向(図11における矢印方向)に引き抜くことが考えられている。
特開2007−234780号公報
しかしながら、上記従来のリードフレームにおいては、支持用リード105の断面積が延在方向にわたって一定となるように形成されているため、支持用リード105を引き抜く際には、その延在方向の不特定の位置において応力が集中し、結果として支持用リード105の切断位置にばらつきが発生するという問題がある。
なお、これを解決する方法として、例えば支持用リード105にV字状の溝を打刻して切断位置のばらつきの度合いの減少を図ることも考えられている。しかしながら、このV字状の溝は、ダイパッド101側から連結枠104側に向かうにしたがって、支持用リード105の断面積が漸次小さくなるように傾斜するテーパ面を有するため、支持用リード105を引き抜く際に、V字状の溝よりもダイパッド101側に位置するリードフレーム部分が引き抜き方向に引っ張られてしまう場合がある。その結果、依然として支持用リード105の切断位置がばらつき、支持用リード105の切断面に対する電気的な絶縁距離を確保できないことがある。
この発明は、上述した事情に鑑みたものであって、支持用リードの切断位置にばらつきが発生することを防止できるリードフレーム、及び、これを用いて製造される半導体装置を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明のリードフレームは、半導体素子の配置面を有する板状のダイパッドと、当該ダイパッドの一端側に間隔をあけて配される連結枠と、前記ダイパッドの一端側から前記連結枠まで延在して前記ダイパッドを前記連結枠に連結する支持用リードとを備え、当該支持用リードには、その延在方向に沿うと共に前記ダイパッドの厚さ方向に面する支持用リードの側面から窪む切欠溝が形成され、当該切欠溝が、前記連結枠側から前記ダイパッド側に向かうにしたがって前記延在方向に直交する前記支持用リードの断面積が漸次小さくなるように傾斜するテーパ面と、当該テーパ面に連ねて形成されて前記延在方向に直交して前記連結枠側に対面する係止用端面とを備え、前記切欠溝が、互いに反対側に位置する前記支持用リードの側面から窪むように一対形成され、一対の前記切欠溝を構成する一対の前記係止用端面が同一平面をなし、前記支持用リードの延在方向に対する一対の前記テーパ面の傾斜角度が相互に異なることを特徴としている。
また、本発明の半導体装置は、前記リードフレームを使用して製造されるものであって、前記ダイパッドと、前記配置面に配された半導体素子とが封止樹脂に内包され、前記封止樹脂には、前記係止用端面と同一平面をなす前記支持用リードの切断面を外方に向けて臨ませる孔部が形成され、当該孔部には、前記支持用リードのテーパ面に対応するテーパ内面が形成されていることを特徴としている。
本発明のリードフレームを用いて樹脂封止型の前記半導体装置を製造する場合には、ダイパッド、半導体素子、及び、切欠溝を含む支持用リードの一部をモールド金型に収納して樹脂を流し込み、封止樹脂を形成すればよい。なお、連結枠をモールド金型に対して固定することで、ダイパッド、半導体素子及び支持用リードをモールド金型内の所定位置に保持することができる。この樹脂封止の際には、切欠溝にも封止樹脂が充填される。
そして、上述のように封止樹脂を形成した後には、支持用リードを封止樹脂から支持用リードの延在方向に引き抜くことにより、封止樹脂に内包された支持用リードのうち係止用端面よりも連結枠側に位置する部分をダイパッド側から容易かつ確実に切り離すことができる。
すなわち、このリードフレームにおいては、延在方向に直交する支持用リードの断面積が係止用端面の形成位置において最小となるため、支持用リードを封止樹脂から引き抜く際には、支持用リードのうち前述した断面積が最小となる面に応力を集中させることができる。また、切欠溝には封止樹脂が充填されていることから、支持用リードを封止樹脂から引き抜く際には係止用端面が封止樹脂に押し付けられて、係止用端面よりもダイパッド側に位置するリードフレーム部分が引き抜き方向に移動することを防止するため、支持用リードのうち前記断面積が最小となる面にさらに応力を集中させることができる。
以上のことから、係止用端面の形成位置において確実に支持用リードを切断することができる。すなわち、支持用リードを引き抜く際に支持用リードの切断位置にばらつきが発生することを確実に防止でき、その結果として、製造された半導体装置において封止樹脂の外面から支持用リードの切断面に至る電気的な絶縁距離を確実に確保することができる。
さらに、支持用リードを封止樹脂から引き抜く際には、テーパ面を封止樹脂から容易に離間させることができるため、引き抜きの際に支持用リードと封止樹脂との間に生じる摩擦を低減して、封止樹脂にクラック(欠損)が発生することを容易に防止できる。
また、本発明では、前記切欠溝が、前記ダイパッドの厚さ方向に面する前記支持用リードの側面に形成されているため、切欠溝をプレス加工などにより容易に形成することができる。
また、プレス加工によってこの切欠溝を形成する場合には、支持用リードをなす材料が係止用端面の形成位置から支持用リードの延在方向に押し出されるため、係止用端面の形成部分における支持用リードの強度が他の部分よりも弱くなる。これにより、支持用リードを引き抜く際には、大きな力を要することなく係止用端面の形成位置において支持用リードを確実に切断できる。
ところで、支持用リードを封止樹脂から引き抜く方向は、例えば支持用リードの延在方向に対して傾斜する場合がある。すなわち、支持用リードの引き抜き方向に対して一対のテーパ面の傾斜方向が非対称となる場合があり、その結果として、引き抜きの際に生じる支持用リードと封止樹脂との摩擦が一対のテーパ面の間で相異する、という不具合が生じることがある。
これに対して、本発明では、上述したように支持用リードの延在方向に対する一対のテーパ面の傾斜角度を相互に異ならせている、すなわち、一対のテーパ面の対称軸を延在方向に対して傾斜させている。そして、一対のテーパ面の対称軸を引き抜き方向に一致させることで、引き抜きの際に生じる支持用リードと封止樹脂との摩擦を、一対のテーパ面の間で一致させることが可能となる。
本発明によれば、リードフレームを用いた半導体装置の製造に際して、支持用リードを封止樹脂から引き抜く際に、支持用リードの切断位置にばらつきが発生することを確実に防止することができ、製造された半導体装置において封止樹脂の外面から支持用リードの切断面に至る電気的な絶縁距離を確実に確保することができる。
また、支持用リードを封止樹脂から引き抜く際に、支持用リードと封止樹脂との間に生じる摩擦を低減して、封止樹脂にクラック(欠損)が発生することを容易に防止できる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1〜4に示すように、この実施形態に係るリードフレーム1は、図5〜7に示す樹脂封止型の半導体装置31の製造に使用するものであり、半導体素子33の配置面3aを有する平面視矩形の板状に形成されたダイパッド3と、ダイパッド3のうち配置面3aに沿う一方向(Y軸方向)の両端側に間隔をあけて配される連結枠5,7と、ダイパッド3をその一端側に配された連結枠5に連結する複数の支持用リード9と、ダイパッド3のうちY軸方向の他端側に間隔をあけて配される複数の第1リード11と、ダイパッド3をその他端側に配された連結枠7に連結する複数の第2リード13と、を備えている。
なお、図示例のリードフレーム1においては、1つの半導体装置31を製造するためのダイパッド3、第1リード11、第2リード13及び支持用リード9のみが記載されているが、実際のリードフレーム1は、複数の半導体装置31を製造するためのダイパッド3、第1リード11、第2リード13及び支持用リード9が連結枠5,7によって複数連結された状態で構成されている。
ダイパッド3は、その配置面3aが連結枠5,7、支持用リード9、第1リード11及び第2リード13よりも下方に位置するように、連結枠5,7、支持用リード9、第1リード11及び第2リード13に対してダイパッド3の厚さ方向(Z軸方向)にずらして配置されている。このダイパッド3のダウンセットは、ダイパッド3の一端側及び第2リード13に折り曲げ加工を施すことによって実施されている。
全ての第1リード11及び第2リード13は、Y軸方向に沿ってダイパッド3の他端から離れる方向に延びるように形成されており、平面視矩形状に形成されたダイパッド3の一辺に沿うX軸方向に配列されている。なお、図示例のリードフレーム1においては、全ての第1リード11を挟み込むように2つの第2リード13が配置されており、これら2つの第2リード13は、ダイパッド3の一辺の両端に連結されている。
また、ダイパッド3の両端側に配される一対の連結枠5,7は、それぞれX軸方向に延びて形成されている。なお、図示例においては、一対の連結枠5,7が互いに分離しているように記載されているが、実際には一体に連結して形成されている。
各支持用リード9は、Y軸方向に沿ってダイパッド3の一端から連結枠5まで延在して形成されている。なお、図示例のリードフレーム1においては、2つの支持用リード9がX軸方向に配列されている。また、支持用リード9を連結したダイパッド3の側面3bは、Y軸方向に窪む窪み部分3cを有して形成されており、支持用リード9は、この窪み部分3cに入り込んでいる。
各支持用リード9には、その延在方向(Y軸方向)に沿う支持用リード9の側面19から窪む切欠溝21,23が形成されている。また、切欠溝21,23は、互いに反対側に位置する支持用リード9の一対の側面19から窪むように一対形成されている。
より具体的に説明すると、各支持用リード9には、図1,3に示すように、ダイパッド3の配置面3aに沿う支持用リード9の幅方向(X軸方向)に面する一対の側面19A,19Bから窪む一対の第1切欠溝21A,21Bが形成されている。この第1切欠溝21A,21Bは、これを形成した一対の側面19A,19Bに沿う支持用リード9の厚さ方向(Z軸方向)にわたって形成されている。そして、一対の第1切欠溝21A,21Bは、支持用リード9の幅方向の中心を基準の軸S1(対称軸S1)として互いに対称な形状に形成されている。
また、図2,4に示すように、ダイパッド3の厚さ方向(Z軸方向)に面する一対の側面19C,19Dから窪む一対の第2切欠溝23A,23Bが形成されている。この第2切欠溝23A,23Bは、これを形成した一対の側面19C,19Dに沿う支持用リード9の幅方向(X軸方向)にわたって形成されている。そして、一対の第2切欠溝23A,23Bは、一対の第1切欠溝21A,21Bの場合と同様に、支持用リード9の厚さ方向(Z軸方向)の中心を基準の軸S2(対称軸S2)として互いに対称な形状に形成されている。
各切欠溝21,23は、図3,4に示すように、連結枠5側からダイパッド3側に向かうにしたがってY軸方向に直交する支持用リード9の断面積が小さくなるように傾斜するテーパ面25,26と、テーパ面25,26に連ねて形成されてY軸方向に直交して連結枠5に対面する係止用端面27,28とを備えて形成されている。
そして、一対の第1切欠溝21A,21Bを構成する一対のテーパ面25A,25Bは、支持用リード9の延在方向に対して同一の傾斜角度で傾斜している。また、一対の第2切欠溝23A,23Bを構成する一対のテーパ面26A,26Bも、支持用リード9の延在方向に対して同一の傾斜角度で傾斜している。なお、このテーパ面25,26の傾斜角度は、第1切欠溝21と第2切欠溝23との間で相互に異なっていてもよいし、互いに等しくても構わない。
また、複数の切欠溝21,23を構成する複数の係止用端面27,28は、同一平面をなしており、支持用リード9が連結されるダイパッド3の側面3bと一体に形成されている。すなわち、複数の切欠溝21,23はダイパッド3に隣接するように形成されている。
以上のように構成される支持用リード9においては、延在方向に直交する支持用リード9の断面積が係止用端面27,28の形成位置において最小となる、言い換えれば、支持用リードとダイパッド3との境界面9aにおいて最小となる。
そして、以上のように構成されるリードフレーム1は、導電性を有する板材にプレス加工等を施すことで得ることが可能である。
次に、上記構成のリードフレーム1を用いて図5〜7に示す半導体装置31を製造する方法について説明する。
半導体装置31を製造する場合には、はじめに、ダイパッド3の配置面3aに半導体素子33を接着剤等により固定する。なお、この固定に使用する接着剤として導電性ペーストや半田等を用いる場合には半導体素子33と第2リード13とが電気接続されることになるが、例えば、絶縁性の接着剤により半導体素子33を固定して、半導体素子33と第2リード13とを電気的に絶縁させてもよい。
次いで、ワイヤーボンディング等により導体素子と複数の第1リード11との間にそれぞれワイヤーを配して半導体素子33と複数の第1リード11とを電気接続する。
その後、ダイパッド3及び半導体素子33、第1リード11及び第2リード13の一部、並びに、切欠溝を含む支持用リード9の一部をモールド金型に収納する。この収納の際には、連結枠5,7がモールド金型に対して固定される。
そして、モールド金型内に樹脂を流し込むことで、第1リード11及び第2リード13の一部、並びに、切欠溝を含む支持用リード9の一部を封止する封止樹脂35が成形される。この樹脂封止の際には、連結枠5,7がモールド金型に固定されているため、また、ダイパッド3の両端が第2リード13及び支持用リード9によって支持されているため、ダイパッド3、半導体素子33、第1リード11、第2リード13及び支持用リード9をモールド金型内の所定位置に保持することができる。さらに、この樹脂封止の際には、切欠溝21,23にも封止樹脂35が充填される。
なお、図3,4においては、切欠溝21,23全体に封止樹脂35が充填されて全てのテーパ面25,26が封止樹脂35に内包され、成形された封止樹脂35の側面35aが全てのテーパ面25,26と支持用リード9の側面19との境界に一致するように位置しているが、例えば各テーパ面25,26の一部が封止樹脂35の外側に位置していてもよい。また、切欠溝21,23よりも連結枠5側に位置する支持用リード9の側面19は、封止樹脂35の外側に配置されていることが好ましい。
このように封止樹脂35を成形した後には、複数の第1リード11及び第2リード13に連結された連結枠7を切り離し、複数の第1リード11及び第2リード13を互いに電気的に独立させる。また、支持用リード9を封止樹脂35から支持用リード9の延在方向に引き抜き、支持用リード9及びこれに連結されている連結枠5をダイパッド3から切り離すことで、半導体装置31の製造が完了する。
なお、支持用リード9の具体的な引き抜き方法としては、例えば支持用リード9が突出する封止樹脂35の側面35aとこれに対面する連結枠5との隙間に引き抜き用部材40を挿通させた状態で、この引き抜き用部材40を封止樹脂35の側面35aから離れる方向に移動させることで、支持用リード9を封止樹脂35から引き抜くことが挙げられる。
そして、支持用リード9の引き抜きの際には、延在方向に直交する支持用リード9の断面積が、支持用リード9とダイパッド3との境界面9aにおいて最小となるため、支持用リード9とダイパッド3との境界面9aに応力を集中させることができる。また、切欠溝21,23には封止樹脂35が充填されているため、引き抜きの際にはダイパッド3の側面3bに一体に形成された係止用端面27,28が封止樹脂35に押し付けられて、ダイパッド3が支持用リード9の引き抜き方向に移動することを防止するため、支持用リード9とダイパッド3との境界面9aにさらに応力を集中させることができる。
以上のことから、この引き抜きの際には支持用リード9とダイパッド3との境界面9aにおいて確実に支持用リード9が切断され、支持用リード9全体がダイパッド3から切り離されることになる。
以上のようにして製造される半導体装置31では、図5〜7に示すように、ダイパッド3とその配置面3aに配された半導体素子33とが封止樹脂35に内包されている。
封止樹脂35は、ダイパッド3の平面視形状に対応するように平面視矩形状に形成されており、ダイパッド3の一端側に対応する封止樹脂35の一端側の側面35aには、支持用リード9に対応する孔部37が形成されている。孔部37は、ダイパッド3の側面3bと同一平面をなす支持用リード9の切断面9bを外方に向けて臨ませるように形成されている。そして、孔部37には、支持用リード9のテーパ面25,26の形状に対応するテーパ内面が形成されている。
また、この半導体装置31は、ダイパッド3の他端側に対応する封止樹脂35の他端側の側面35bから突出する複数の第1リード11及び第2リード13を備えている。すなわち、この半導体装置31においては、全ての第1リード11及び第2リード13が封止樹脂35の同一の側面35bから突出している。
なお、第1リード11のうち半導体素子33と電気接続されている部分(ワイヤーに接合された部分)がインナーリード部分として封止樹脂35に内包されている。また、第2リード13のうちダイパッド3に連結されている部分がインナーリード部分として封止樹脂35に内包されている。
上記実施形態によるリードフレーム1によれば、半導体装置31の製造に際して、支持用リード9を封止樹脂から引き抜く際に支持用リード9とダイパッド3との境界面9aに応力を集中させて、この境界面9aにおいて確実に支持用リード9を切断することができる。すなわち、支持用リード9を引き抜く際に支持用リード9の切断位置にばらつきが発生することを確実に防止できる、特に、支持用リード9の切断位置が連結枠5側にずれることを確実に防止できる。その結果、製造された半導体装置31においては、封止樹脂35の側面35aから支持用リード9の切断面9bに至る電気的な絶縁距離を確実に確保することができる。
さらに、支持用リード9を封止樹脂35から引き抜く際には、テーパ面25,26を封止樹脂35から容易に離間させることができるため、引き抜きの際に支持用リード9と封止樹脂35との間に生じる摩擦を低減して、封止樹脂35にクラック(欠損)が発生することを容易に防止できる。
また、ダイパッド3の厚さ方向に面する支持用リード9の側面19C,19Dから窪む第2切欠溝23は、リードフレーム1を製造する際にプレス加工などにより容易に形成することができる。
さらに、プレス加工により第2切欠溝23を形成する場合には、支持用リード9をなす材料が係止用端面28の形成位置から支持用リード9の延在方向に押し出されるため、係止用端面28の形成部分における支持用リード9の強度が他の部分よりも弱くなる。これにより、支持用リード9を引き抜く際には、大きな力を要することなく係止用端面28の形成位置において支持用リード9を確実に切断できる。
また、複数の切欠溝21,23を構成する全ての係止用端面27,28が同一平面に配されることで、支持用リード9を引き抜いた際に形成される支持用リード9の切断面9bを支持用リード9の延在方向に直交させ、ダイパッド3の側面3bと同一の平面に配することができる。
さらに、上記実施形態においては、全ての係止用端面27,28をダイパッド3の側面3bに一体に形成しているため、支持用リード9全体をダイパッド3から切り離して引き抜くことができる。すなわち、半導体装置31において、封止樹脂35内に支持用リード9の一部が残留することがなく、結果として、封止樹脂35の側面35aから支持用リード9の切断面9bに至る電気的な絶縁距離をより長く確保することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、リードフレーム1を構成する支持用リード9、第1リード11及び第2リード13の本数は、上記実施形態に記載したものに限らず、任意の本数であってよい。
また、一対の第1切欠溝21A,21Bや一対の第2切欠溝23A,23Bは、支持用リード9の延在方向に延びる対称軸S1,S2を中心として互いに対称な形状に形成されるとしたが、各切欠溝21,23が上記実施形態と同様形状のテーパ面及び係止用端面を備えていれば、例えば互いに異なる非対称な形状に形成されていてもよい。すなわち、例えば一対の第1切欠溝21A,21Bや一対の第2切欠溝23A,23B溝の深さ寸法や、支持用リードの延在方向に沿う一対の第1切欠溝21A,21Bや一対の第2切欠溝23A,23Bの長さ寸法が、互いに異なっていてもよい。
なお、一対の第2切欠溝23A,23Bを互いに非対称な形状に形成する場合には、例えば図8に示すように、一対の第2切欠溝23A,23Bを構成する一対のテーパ面26A,26Bの傾斜角度を支持用リード9の延在方向に対して互いに異ならせる、すなわち、一対のテーパ面26A,26Bの対称軸S3を延在方向に対して傾斜させることがより好ましい。このように一対の第2切欠溝23A,23Bを形成した場合には、支持用リード9の引き抜き方向P1が支持用リード9の延在方向に対して支持用リード9の厚さ方向に傾斜していても、支持用リード9を封止樹脂35からスムーズに引き抜くことが可能となる。
すなわち、上記実施形態と同様に引き抜き用部材40(図4参照)を利用する等して支持用リード9を封止樹脂35から引き抜く際には、支持用リード9の引き抜き方向P1が支持用リード9の延在方向に対して傾斜する場合がある。
ここで、一対の第2切欠溝23A,23Bが上記実施形態のように支持用リード9の延在方向に沿う対称軸S2(図4参照)を中心として互いに対称な形状に形成されていると、一対の第2切欠溝23A,23Bを構成する一対のテーパ面26A,26Bの傾斜方向が支持用リード9の引き抜き方向P1に対して非対称となるため、引き抜きの際に生じる支持用リード9と封止樹脂35との摩擦が一対のテーパ面26A,26Bの間で相違するという不具合が生じて、支持用リード9の引き抜きに要する力が大きくなってしまうことがある。
これに対して、図8に示すように、一対のテーパ面26A,26Bの傾斜角度を相互に異ならせた場合には、一対のテーパ面26A,26Bの対称軸S3を延在方向に対して傾斜する支持用リードの引き抜き方向P1に一致させることができる。このため、引き抜きの際に生じる支持用リード9と封止樹脂35との摩擦を一対のテーパ面26A,26Bの間で一致させることが可能となり、支持用リード9の引き抜きに要する力を小さくすることができる。
なお、上述したように一対のテーパ面26A,26Bの傾斜角度を互いに異ならせることは、一対の第1切欠溝21A,21Bを互いに非対称な形状に形成する場合にも同様に適用することができる。
さらに、切欠溝21,23は、互いに反対側に位置する支持用リード9の一対の側面19に形成されるとしたが、例えば一対の側面19の一方のみに形成されていてもよい。
また、上記実施形態において、支持用リード9は4つの側面19を有する断面矩形状に形成されているが、少なくとも支持用リード9の延在方向(Y軸方向)に沿う側面を有していれば任意の断面形状に形成されてもよい。したがって、支持用リード9の側面は、例えばダイパッド3の配置面3aに沿う方向(X軸方向)及びダイパッド3の厚さ方向(Z軸方向)の両方に対して傾斜していてもよい。そして、切欠溝は、この傾斜した支持用リード9の側面から窪むように形成されてもよい。
さらに、切欠溝21,23は、ダイパッド3の側面3bに隣接するように形成されるとしたが、例えば、支持用リード9の延在方向の中途部分に形成されていてもよい。すなわち、切欠溝21,23の係止用端面27,28は、ダイパッド3の側面3bに一体に形成されることに限らず、ダイパッド3の側面3bから離れた位置に形成されていてもよい。なお、この場合には、支持用リード9のうち切欠溝21,23の形成位置よりもダイパッド3側に位置する部分が、封止樹脂35内に残留することになる。また、封止樹脂35内に残留する支持用リード9の切断面9bは、係止用端面27,28と共に同一平面をなすことになる。
また、複数の切欠溝21,23を構成する複数の係止用端面27,28は、同一平面をなすように配されるとしたが、例えば図9に示すように、支持用リード9の延在方向に互いにずらして配されていてもよい。また、例えば一対の第1切欠溝21A,21Bを構成する一対の係止用端面27A,27Bが同一平面をなすと共に、一対の第2切欠溝23A,23Bの一対の係止用端面28A,28Bが同一平面をなすものの、第1切欠溝21の係止用端面27と第2切欠溝23の係止用端面28とが支持用リード9の延在方向に互いにずらして配されていてもよい。
さらに、リードフレーム1は、上記実施形態のように構成されることに限らず、少なくともダイパッド3と連結枠5とこれらを連結する支持用リード9とを備えていればよい。このように第1リード11や第2リード13を備えないリードフレームを用いて半導体装置を製造する場合には、半導体装置における第1リード11及び第2リード13を、リードフレームとは別個の導電性の板材によって構成してもよいし、例えば第1リード11や第2リード13を直接半導体素子33やダイパッド3に適宜固定してもよい。
また、上記実施形態の半導体装置31では、全ての第1リード11や第2リード13が封止樹脂35の同一の側面35bから突出するとしたが、これら複数の第1リード11や第2リード13は相互に異なる封止樹脂35の側面から突出していてもよい。したがって、リードフレーム1においても、複数の第1リード11や第2リード13がダイパッド3周囲の任意の位置にそれぞれ配されていてもよい。
さらに、上記実施形態においては、封止樹脂35から突出する第1リード11、第2リード13を備える構成を適用して本願発明について説明したが、第1リード11や第2リード13が突出しない構成の半導体装置及びその製造に用いるリードフレームにも適用可能である。すなわち、本願発明の半導体装置においては、少なくとも第1リード11や第2リード13が封止樹脂35の外側に露出していればよい。
本発明の一実施形態であるリードフレームを示す平面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 図1のリードフレームを用いて半導体装置を製造する途中段階における支持用リードを示す拡大平面図である。 図1のリードフレームを用いて半導体装置を製造する途中段階における支持用リードを示す拡大断面図である。 図1のリードフレームを用いて製造される半導体装置を示す平面図である。 図5のB−B矢視断面図である。 図5の半導体装置において、支持用リードの切断面を外方に向けて臨ませる孔部を示す拡大断面図である。 支持用リードの変形例を示す拡大断面図である。 切欠溝を構成する係止用端面の変形例を示す拡大断面図である。 従来のリードフレームの一例を示す平面図である。 従来のリードフレームを用いて半導体装置を製造する途中段階における支持用リードを示す拡大断面図である。
符号の説明
1 リードフレーム
3 ダイパッド
3a配置面
5 連結枠
9 支持用リード
9b 切断面
19 支持用リードの側面
21 第1切欠溝
23 第2切欠溝
25,26 テーパ面
27,28 係止用端面
31 半導体装置
33 半導体素子
35 封止樹脂
37 孔部

Claims (2)

  1. 半導体素子の配置面を有する板状のダイパッドと、当該ダイパッドの一端側に間隔をあけて配される連結枠と、前記ダイパッドの一端側から前記連結枠まで延在して前記ダイパッドを前記連結枠に連結する支持用リードとを備え、
    当該支持用リードには、その延在方向に沿うと共に前記ダイパッドの厚さ方向に面する支持用リードの側面から窪む切欠溝が形成され、
    当該切欠溝が、前記連結枠側から前記ダイパッド側に向かうにしたがって前記延在方向に直交する前記支持用リードの断面積が漸次小さくなるように傾斜するテーパ面と、当該テーパ面に連ねて形成されて前記延在方向に直交して前記連結枠側に対面する係止用端面とを備え
    前記切欠溝が、互いに反対側に位置する前記支持用リードの側面から窪むように一対形成され、
    一対の前記切欠溝を構成する一対の前記係止用端面が、同一平面をなし、
    前記支持用リードの延在方向に対する一対の前記テーパ面の傾斜角度が相互に異なることを特徴とするリードフレーム。
  2. 請求項1に記載のリードフレームを使用して製造される半導体装置であって、
    前記ダイパッドと、前記配置面に配された半導体素子とが封止樹脂に内包され、
    前記封止樹脂には、前記係止用端面と同一平面をなす前記支持用リードの切断面を外方に向けて臨ませる孔部が形成され、
    当該孔部には、前記支持用リードのテーパ面に対応するテーパ内面が形成されていることを特徴とする半導体装置。
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