JP5091635B2 - チロシナーゼおよびヒアルロニダーゼ阻害活性剤 - Google Patents
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Description
活性酸素消去剤は、通常の飲食品に添加して使用するほか、その高い活性酸素消去活性を利用して医薬品としても使用可能である。医薬品としては、これに通常の製薬上許容される担体を加えて、固体、半固体または液体の形態で使用することができる。具体的には、例えば錠剤、カプセル、丸剤、顆粒剤、散剤、乳濁液、懸濁剤、シロップ剤、ペレット剤等の経口投与剤、注射液、点滴液、坐薬などの非経口投与剤があげられる。さらに、活性酸素消去剤は、皮膚の老化防止等を目的として、後述のような外用剤や化粧品にも配合することができる。
次に、変色防止剤について説明する。変色防止剤は、前記と同様にしてユーカリから抽出されたペドゥンクラジンまたはテリマグランディンIを有効成分として用いてもよく、あるいはユーカリの抽出物を有効成分として用いてもよい。抽出物を用いる場合、活性に影響を与えない範囲で、脱臭(シネオール臭を除く)、脱色等の処理を施してもよい。また、適宜、分画処理、各種クロマトグラフィー等による分離精製処理を施して、より活性の強い変色防止剤を得るようにしてもよい。
参考例1
ユーカリの乾燥葉500gを40%エタノール3kgで2時間還流を行い、室温冷却後、ろ過し、ろ液を一晩冷蔵放置した。ついで、ろ液をさらにろ過し、得られたろ液をユーカリエキスとした。
0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)20ml、5mMジエチレントリアミン5酢酸(DETAPAC)30ml、0.75mMニトロブルーテトラゾリウム(NBT)10mlおよび0.3mMキサンチン30mlからなる混和液0.9mlに、所定濃度に調整した試料物質の水溶液0.2mlを加え、よく混和した後、25℃で10分間攪拌した。これに0.08U/mlキサンチンオキシダーゼ(XOD)0.1mlを添加することにより反応を開始させた。反応開始後、25℃、560nmでの吸光度を約2分間連続記録し、そのうちの直線部より1分間の吸光度変化値を求めた(Oberley, L. W. and Spitz, D. R., "Methods inEnzymology", 105, 457 (1984) に記載のOberley らの改良法) 。一方、これとは別に295nmの吸光度を測定することにより尿酸生成率を求め、この値で上記吸光度変化値を補正した値を活性酸素消去率とした。そして、試料物質の濃度を段階的に変更して上記活性を測定し、消去率が50%を示す濃度を50%有効濃度(EC50)とした。この値が小さいほど、活性は強いことを示している。
1/15Mリン酸緩衝液(pH6.8)0.4ml、0.05%L−ドーパ溶液0.1mlおよび所定濃度に調整した試料物質の水溶液0.4mlを混和し、25℃で5分間攪拌した。これに300U/mlチロシナーゼ0.1mlを加え、反応を開始させた。反応開始から1分後および6分後の吸光度を475nm、25℃で測定した。そして、その差5分間の吸光度変化値(A1 )を求めた。また、試料物質を添加しない場合についても同様にして吸光度変化値(A0 )を求め、下記式よりチロシナーゼ阻害率を算出した。
チロシナーゼ阻害率(%)=[(A0 −A1 )/ A0 ]×100
試料物質の濃度を段階的に変更して上記活性を測定し、阻害率が50%を示す濃度を50%阻害濃度(IC50)とした。この値が小さいほど、活性は強いことを示している。
参考例2
参考例1で得られたn−ブタノールの抽出エキスについて、ダイアイオンHP−20(直径3.3cm、長さ20cm、三菱化学社製)を使用してカラムクロマトグラフィーを行い、水、20%エタノール、40%エタノール、60%エタノール、エタノールの順で各1リットルずつ順次溶出を行った。得られたエキスについて減圧濃縮後、凍結乾燥を行い、乾燥抽出物とした。各抽出物について、参考例1と同様にして活性酸素消去活性およびチロシナーゼ阻害活性を調べた。その結果を表2に示す。
参考例1および2において、酢酸エチル抽出エキスおよびn−ブタノール抽出エキスについてのカラムクロマトグラフィーで得られた20%および40%エタノール抽出エキスについて、上記ダイアイオン、トヨパールHW−40(微細グレード品、直径2.2cm、長さ20cm、50%エタノールで溶出、東ソー社製)およびMCI−gelCHP−20P(直径1.1cm、長さ20cm、水、10%エタノール、20%エタノールおよび30%エタノールで順次溶出、三菱化学社製)の順にカラムクロマトグラフィーを繰り返し、数種の活性物質を単離することができた。
実施例1で単離した各化合物について、参考例1と同様にして活性酸素消去活性を調べた。また、比較のため、活性酸素消去活性物質として知られているケルセチン、カテキン、エピカテキンおよびアスコルビン酸についても、同様にして活性を調べた。それらの試験結果を表5に示す。
実施例1で単離した各化合物について、参考例1と同様にしてチロシナーゼ阻害活性を調べた。また、比較のため、阻害活性物質として知られているアルブチンについても、同様にして活性を調べた。それらの試験結果を表6に示す。
天然色素のシコニンの0.5%エタノール溶液100mlに、変色防止剤として、ユーカリ乾燥葉の40%エタノール抽出により得られたユーカリエキスの乾燥物、実施例1で得たペドゥンクラジンまたはテリマグランディンIを0.1g加え、515nmにおける吸光度を指標に変色の経時変化を測定し、これから下記式より変色抑制率を求めた。なお、一日の照射量は750ルクスに設定した。
x:光照射前のシコニンの515nmでの吸光度
y:供試変色防止剤を共存させない状態での光照射後のシコニンの515nmでの吸光度
z:供試変色防止剤を共存させた状態での光照射後のシコニンの515nmでの吸光度
シコニンに代えて、ベニバナ黄色素を使用し、400nmにおける吸光度にて変色抑制率を求めたほかは、試験例3と同様にして変色抑制率を求めた。その結果を表8に示す。
参考例1で得たユーカリエキスの乾燥抽出物、実施例1で得たペドゥンクラジンおよびテリマグランディンIについて、ヒアルロニダーゼ阻害活性を測定した。試験は、牛睾丸由来のヒアルロニダーゼ(シグマ社製のタイプIV)を用いて、コンパウンド48/80による、不活性型酵素の活性化段階の阻害作用を中心に測定した。酵素活性は、ヒアルロン酸の加水分解により生成するN−アセチルヘキソサミンを還元末端とする四糖の還元力の増加を585nmにおける吸光度で比色定量することにより測定した(食衛誌、31巻、233〜237頁、1990)。
まず、適量の被検試料を0.1M酢酸緩衝液(pH4.0)100μlに溶解して試験管にとり、同緩衝液50μlに溶解した酵素0.10mg(100NFユニット)を加え、37℃で20分間培養した。ついで、上記と同じ緩衝液100μlに溶解したコンパウンド48/80の50μgを加え、さらに37℃で20分間培養した。
対照には、試料溶液に代えて上記酢酸緩衝液を用いた。また、それぞれのブランクとして、酵素溶液に代えて上記酢酸緩衝液を用いた。
ヒアルロニダーゼ阻害率(%)=
{[(A−B)−(C−D)]/(A−B)}×100
A:対照溶液の585nmでの吸光度
B:対照溶液のブランクの585nmでの吸光度
C:試料溶液の585nmでの吸光度
D:試料溶液のブランクの585nmでの吸光度
試料物質の濃度を段階的に変更して上記活性を測定し、阻害率が50%を示す濃度を50%阻害率(IC50)とした。この値が小さいほど、活性が強いことを示している。試験結果を下記に示す。
ペドゥンクラジン 0.16mg/ml
テリマグランディンI 0.10mg/ml
ユーカリエキス 0.54mg/ml
上記試験結果から、ユーカリエキス、ペドゥンクラジンおよびテリマグランディンIは、高いヒアルロニダーゼ阻害活性を有していることから、保湿・保水作用等を有し、チロシナーゼ阻害活性と相まって皮膚の健康を保つうえで有用であることがわかる。
Claims (1)
-
ユーカリ属の樹木から抽出される水溶性抽出物を有効成分として含有することを特徴とするチロシナーゼおよびヒアルロニダーゼ阻害活性剤。
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JP2007299902A JP5091635B2 (ja) | 1998-02-06 | 2007-11-19 | チロシナーゼおよびヒアルロニダーゼ阻害活性剤 |
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