JP5091540B2 - 自動車電装・補機用転がり軸受 - Google Patents

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Description

本発明は自動車電装・補機用転がり軸受に関し、特にファンカップリング装置、オルタネータ、アイドラプーリ、カーエアコン用電磁クラッチ、電動ファンモータ等の自動車電装部品、補機用の転がり軸受に関する。
近年、自動車の小型化、軽量化および静粛性向上の要求に伴ない、その電装部品や補機部品の小型化、軽量化およびエンジンルーム内の密閉化が図られているが、その一方、装置の性能自体には高出力、高効率化の要求が増大し、エンジンルーム内の電装・補機においては、小型化に伴なって生じる出力の低下を高速回転させることで補う手法が採られている。
以下に、自動車電装・補機用転がり軸受の例として、ファンカップリング装置用転がり軸受、自動車用オルタネータ用転がり軸受およびアイドラプーリ用転がり軸受について概要を説明する。
自動車用ファンカップリング装置は、内部に粘性流体を封入し、外周面に送風用のファンが取り付けられたハウジングを、軸受を介してエンジンに直結するロータに連結され、雰囲気温度に感応して増減する粘性流体の剪断抵抗を利用して、エンジンからの駆動トルク伝達量およびファンの回転数を制御することにより、エンジン温度に対応した最適な送風を行なう装置である。
このためファンカップリング装置用転がり軸受は、エンジン温度の変動に伴い回転数が 1000 rpm から 10000 rpm まで変動する回転ムラの他に、夏場の高速運転時には 180℃以上の高温下で、回転数 10000 rpm 以上の高速回転という極めて過酷な環境に耐えられる耐熱性、グリースシール性、耐久性が要求される。
自動車用オルタネータは、エンジンの回転をベルトで受けて発電し、車両の電気負荷に電力を供給するとともに、バッテリーを充電する機能を有する。このためオルタネータ用転がり軸受は、180℃以上の高温下で、回転数 10000 rpm 以上の高速回転という極めて過酷な環境に耐えられる耐熱性、グリースシール性、耐久性が要求される。
自動車用アイドラプーリは、エンジンの回転を自動車の補機に伝える駆動ベルトのベルトテンショナーとして使用されるものであり、軸間距離が固定されているような場合のベルトにテンショナーとして張力を与えるためのプーリとしての機能と、ベルトの走行方向を変えるため、または障害物を避けるために用いてエンジン室内容積の減少を図るアイドラとしての機能とを合わせもつものである。
このためアイドラプーリ用転がり軸受は、180℃以上の高温下で、回転数 10000 rpm 以上の高速回転という極めて過酷な環境に耐えられる耐熱性、グリースシール性、耐久性が要求される。
これらの自動車電装・補機用転がり軸受等のように高温、高速回転で使用される転がり軸受に好適なグリース組成物として、基油に対する酸化防止能を有する融点 80℃以上のアミド系ワックスをグリース組成物に 0.5 重量%〜10 重量%配合し、かつ 40℃における動粘度が 20 mm〜150 mm2/sec の基油を用い、グリース組成物の増ちょう剤がウレア系増ちょう剤であリ、グリース組成物全体に対して 5 重量%〜30 重量%配合されたグリース組成物が知られている(特許文献1参照)。
ところが、使用条件が過酷になることで、転がり軸受の転走面に白色組織変化を伴った特異的な剥離が早期に生じ、問題になっている。この特異的な剥離は、通常の金属疲労により生じる転走面内部からの剥離と異なり、転走面表面の比較的浅いところから生じる破壊現象で、水素が原因の水素脆性と考えられている。
このような早期に発生する白色組織変化を伴った特異な剥離現象を防ぐ方法として、例えばグリース組成物に不動態化剤を添加する方法(特許文献2参照)や、ビスマスジチオカーバメートを添加する方法(特許文献3参照)が知られている。
しかしながら、近年の自動車電装・補機に用いられる転がり軸受の使用条件の過酷化に伴い、不動態化剤を添加する方法やビスマスジチオカーバメートを添加する方法では充分な対策ができなくなってきている。
特開2003−105366号公報 特開平3−210394号公報 特開2005−42102号公報
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、自動車電装・補機に用いられる転がり軸受の使用条件下において、水素脆性による転走面での剥離を効果的に防止できる自動車電装・補機用転がり軸受の提供を目的とする。
本発明の自動車電装・補機用転がり軸受は、エンジン出力で回転駆動される回転軸を静止部材に回転自在に支持する自動車電装・補機用転がり軸受であって、上記転がり軸受は、内輪および外輪と、この内輪および外輪間に介在する複数の転動体と、上記内輪および外輪の軸方向両端開口部を覆うシール部材とを備え、上記転動体の周囲にグリース組成物を封入してなり、上記グリース組成物は、基油と、増ちょう剤と、添加剤とを含み、上記添加剤は少なくともエポキシ化合物を含有し、該エポキシ化合物の配合割合は上記基油および増ちょう剤の合計量 100 重量部に対して 0.05 重量部〜10 重量部であることを特徴とする。
上記エポキシ化合物は、ビスフェノールAタイプおよびビスフェノールFタイプから選ばれた少なくとも一つのエポキシ化合物であることを特徴とする。
また、上記増ちょう剤は、ウレア系増ちょう剤であることを特徴とする。
また、上記基油は、アルキルジフェニルエーテル油およびポリ-α-オレフィン油から選ばれた少なくとも一つの油であることを特徴とする。
本発明の自動車電装・補機用転がり軸受は、基油と増ちょう剤とからなるベースグリースに、少なくともエポキシ化合物を含有する添加剤を配合したグリース組成物を封入してなるので、自動車や産業機械に使用される軸受で見られる水素脆性による特異な剥離の発生を抑制することができ、自動車電装・補機用転がり軸受の長寿命化が図れる。
エンジン出力で回転駆動される回転軸を静止部材に回転自在に支持する本発明の自動車電装・補機用転がり軸受の一例を図1に示す。図1はグリース組成物が封入されている深溝玉軸受の断面図である。
深溝玉軸受1は、外周面に内輪転走面2aを有する内輪2と内周面に外輪転走面3aを有する外輪3とが同心に配置され、内輪転走面2aと外輪転走面3aとの間に複数個の転動体4が配置される。この複数個の転動体4を保持する保持器5および外輪3等に固定されるシール部材6が内輪2および外輪3の軸方向両端開口部8a、8bにそれぞれ設けられている。少なくとも転動体4の周囲に後述するグリース組成物7が封入される。
自動車電装・補機の一例を図2(a)および図2(b)に示す。図2(a)および図2(b)はファンカップリング装置の構造の断面図である。ファンカップリング装置は、冷却用ファン9を支持するケース10内にシリコーンオイル等の粘性流体が充填されたオイル室11とドライブディスク18が組込まれた撹拌室12とを設け、両室11、12間に設けられた仕切板13にポート14を形成し、そのポート14を開閉するスプリング15の端部を上記仕切板13に固定している。
また、ケース10の前面にバイメタル16を取付け、そのバイメタル16にスプリング15のピストン17を設けている。バイメタル16はラジエータを通過した空気の温度が設定温度、例えば 60℃以下の場合、扁平の状態となり、ピストン17はスプリング15を押圧し、スプリング15はポート14を閉じる。また、上記空気の温度が設定温度をこえると、バイメタル16は図2(b)に示すように、外方向にわん曲し、ピストン17はスプリング15の押圧を解除し、スプリング15は弾性変形してポート14を開放する。
上記の構成からなるファンカップリング装置の運転状態において、ラジエータを通過した空気の温度がバイメタル16の設定温度より低い場合、図2(a)に示すように、ポート14はスプリング15によって閉じられているため、オイル室11内の粘性流体は撹拌室12内に流れず、その撹拌室12内の粘性流体は、ドライブディスク18の回転により仕切板13に設けた流通穴19からオイル室11内に送られる。このため、撹拌室12内の粘性流体の量はわずかになり、ドライブディスク18の回転による剪断抵抗は小さくなるので、ケース10への伝達トルクは減少し、転がり軸受1に支持されているファン9は低速回転する。
ラジエータを通過した空気の温度がバイメタル16の設定温度をこえると、図2(b)に示すように、バイメタル16は外方向にわん曲し、ピストン17はスプリング15の押圧を解除する。このとき、スプリング15は仕切板13から離れる方向に弾性変形するため、ポート14は開放し、オイル室11内の粘性流体はポート14から撹拌室12内に流れる。このため、ドライブディスク18の回転による粘性流体の剪断抵抗が大きくなり、ケース10への回転トルクが増大し、転がり軸受1に支持されているファン9は高速回転する。
以上のように、ファンカップリング装置は温度の変化に応じてファン9の回転速度が変化するため、ウォーミングアップを早めると共に、冷却水の過冷却を防止し、エンジンを効果的に冷却することができる。ファン9はエンジン温度が低いとドライブ軸20から切り離されているに等しく、高温の場合はドライブ軸20に連結されているに等しい。このように、転がり軸受1は低温から高温まで広い温度範囲および広い回転範囲で使用される。
自動車電装・補機のオルタネータの一例を図3に示す。図3はオルタネータの構造の断面図である。オルタネータは、静止部材であるハウジングを形成する一対のフレーム21a、21bに、ロータ22を装着されたロータ回転軸23が、一対の転がり軸受1、1で回転自在に支持されている。ロータ22にはロータコイル24が取り付けられ、ロータ22の外周に配置されたステータ25には、120 °の位相で 3 巻のステータコイル26が取り付けられている。
ロータ回転軸23は、その先端に取り付けられたプーリ27にベルト(図示省略)で伝達される回転トルクで回転駆動されている。プーリ27は片持ち状態でロータ回転軸23に取り付けられており、ロータ回転軸23の高速回転に伴って振動も発生するため、特にプーリ27側を支持する転がり軸受1は、苛酷な負荷を受ける。
自動車の補機駆動ベルトのベルトテンショナーとして使用されるアイドラプーリの一例を図4に示す。図4はアイドラプーリの構造の断面図である。
このプーリは、鋼板プレス製のプーリ本体28と、プーリ本体28の内径に嵌合された単列の深溝玉軸受1とで構成される。プーリ本体28は、内径円筒部28aと、内径円筒部28aの一端から外径側に延びたフランジ部28bと、フランジ部28bから軸方向に延びた外径円筒部28cと、内径円筒部28aの他端から内径側に延びた鍔部28dとからなる環体である。内径円筒部28aの内径には、図1に示す深溝玉軸受1の外輪3が嵌合され、外径円筒部28cの外径にはエンジンによって駆動されるベルトと接触するプーリ周面28eが設けられている。このプーリ周面28eをベルトに接触させることにより、プーリがアイドラとしての役割を果たす。
本発明に使用するグリース組成物に配合するエポキシ化合物は、液状封止用エポキシ樹脂組成物として一般に使用されているエポキシ樹脂成分として知られているエポキシ化合物が挙げられる。このエポキシ化合物は、固形、液状のどちらか一方を用いても両者を併用してもよい。たとえば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD等とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール類とアルデヒド類とを縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したノボラック型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で好ましくは、下記の化1〜化7に表されるものが挙げられる。さらに好ましくは、溶解性に優れていることより、下記の化1で表されるビスフェノールAタイプまたは化2で表されるビスフェノールFタイプのエポキシ化合物、およびグリシジルエーテル型エポキシ樹脂である。
Figure 0005091540
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化3および化7におけるRは水素原子またはメチル基等のアルキル基を示す。また、化4および化7におけるnは 1 以上の整数であり、好ましくは 1〜10、より好ましくは 1〜5 である。
本発明に用いるグリース組成物において、エポキシ化合物の配合割合は、後述する基油および増ちょう剤からなるベースグリース 100 重量部に対して 0.05〜10 重量部である。より好ましくは 0.1〜5 重量部 である。エポキシ化合物の配合割合が、0.05 重量部未満であると水素脆性による転走面での剥離を効果的に防止できない。また、10 重量部をこえても剥離防止効果が向上しない。
上記自動車電装・補機について使用するグリース組成物に、上記エポキシ化合物を配合することにより、軸受転走面の摩擦摩耗面または摩耗により露出した金属新生面でエポキシ化合物が反応し、酸化鉄とともにエポキシ化合物被膜が軸受転走面に生成する。
この軸受転走面に生成した酸化鉄およびエポキシ化合物被膜が、グリース組成物の分解による水素の発生を抑制して、水素脆性による特異な剥離を防止できる。
本発明に使用できる基油は、スピンドル油、冷凍機油、タービン油、マシン油、ダイナモ油等の鉱油、高精製度鉱油、流動パラフィン、フィッシャー・トロプシュ法により合成されたGTL油、ポリブテン、ポリ-α-オレフィン油、アルキルナフタレン、脂環式化合物等の炭化水素系合成油、または、天然油脂、ポリオールエステル油、リン酸エステル油、ポリマーエステル油、芳香族エステル油、炭酸エステル油、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、アルキルベンゼン油、フッ素化油等の非炭化水素系合成油等が挙げられる。これら基油は単独で、または 2 種類以上組み合せて用いることができる。
これらの中で、耐熱性と潤滑性に優れたアルキルジフェニルエーテル油、ポリ-α-オレフィン油を用いることが好ましい。
本発明に使用できる増ちょう剤としては、ベントン、シリカゲル、フッ素化合物、リチウム石けん、リチウムコンプレックス石けん、力ルシウム石けん、カルシウムコンプレックス石けん、アルミニウム石けん、アルミニウムコンプレックス石けん等の石けん類、ジウレア化合物、ポリウレア化合物等のウレア系化合物が挙げられる。耐熱性、コスト等を考慮するとウレア系化合物が望ましい。
ウレア系化合物は、イソシアネート化合物とアミン化合物を反応させることにより得られる。反応性のある遊離基を残さないため、イソシアネート化合物のイソシアネート基とアミン化合物のアミノ基とは略当量となるように配合することが好ましい。
ジウレア化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミンとの反応で得られる。ジイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー卜等が挙げられ、モノアミンとしては、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アニリン、p−トルイジン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
ポリウレア化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミン、ジアミンとの反応で得られる。ジイソシアネート、モノアミンとしては、ジウレア化合物の生成に用いられるものと同様のものが挙げられ、ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサンジアミン、オクタンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
基油にウレア系化合物等の増ちょう剤を配合して、上記エポキシ化合物等を配合するためのベースグリースが得られる。ウレア系化合物を増ちょう剤とするベースグリースは、基油中でイソシアネート化合物とアミン化合物とを反応させて作製する。
ベースグリース 100 重量部 に占める増ちょう剤の配合割合は、1 重量部〜40 重量部、好ましくは 3 重量部〜25 重量部配合される。増ちょう剤の含有量が 1 重量部未満では、増ちょう効果が少なくなり、グリース化が困難となり、40 重量部をこえると得られたベースグリースが硬くなりすぎ、所期の効果が得られ難くなる。
また、上記エポキシ化合物とともに、必要に応じて公知のグリース用添加剤を含有させることができる。この添加剤として、例えば、有機亜鉛化合物、アミン系、フェノール系化合物等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾールなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレン等の粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤、金属スルホネート、多価アルコールエステルなどの防錆剤、有機モリブデンなどの摩擦低減剤、エステル、アルコールなどの油性剤、リン系化合物などの摩耗防止剤等が挙げられる。これらを単独または 2 種類以上組み合せて添加できる。
実施例1〜実施例7
表1に示した基油の半量に、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(日本ポリウレタン工業社製ミリオネートMT、以下、MDIと記す)を表1に示す割合で溶解し、残りの半量の基油にMDIの2倍当量となるモノアミンを溶解した。それぞれの配合割合および種類は表1のとおりである。
MDIを溶解した溶液を撹拌しながらモノアミンを溶解した溶液を加えた後、100℃〜120℃で 30 分間撹拌を続けて反応させて、ジウレア化合物を基油中に生成させてベースグリースを得た。
これにエポキシ化合物および酸化防止剤を表1に示す配合割合で加えてさらに 100℃〜120℃で 10 分間撹拌した。その後冷却し、三本ロールで均質化し、グリース組成物を得た。
表1において、基油として用いた合成炭化水素油は 40℃における動粘度 30 mm2/sec の新日鉄化学社製シンフルード601を、アルキルジフェニルエーテル油は 40℃における動粘度 97 mm2/sec の松村石油社製モレスコハイルーブLB100を、それぞれ用いた。また、酸化防止剤は住友化学社製を用いた。
得られたグリース組成物を封入した試験軸受について急加減速試験を行なった。試験方法および試験条件を以下に示す。また、結果を表1に示す。
<急加減速試験>
電装補機の一例であるオルタネータの回転べルトを巻きかけたプーリを支持する回転軸を内輪で支持する転がり軸受に上記グリース組成物を封入し試験軸受とした。この試験軸受について急加減速試験を行なった。急加減速試験条件は、回転軸先端に取り付けた試験軸受に対する負荷荷重を 1960 N 、回転速度は 0 rpm〜18000 rpm で運転条件を設定し、さらに、試験軸受内に 0.1 A の電流が流れる状態で試験を実施した。そして、試験軸受内に異常剥離が発生し、振動検出器の振動が設定値以上になって発電機が停止する時間(剥離発生寿命時間、h )を計測した。なお、試験は、500 時間で打ち切った。
比較例1〜比較例3
実施例1に準じる方法で、表1に示す配合割合で、増ちょう剤、基油を選択してベースグリースを調整し、さらに添加剤を配合してグリース組成物を得た。得られたグリース組成物を封入した試験軸受について実施例1と同様の試験を行なって評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005091540
表1に示すように、各実施例では、急加減速試験は全て 430 時間以上(剥離発生寿命時間)の優れた結果を示した。これは、エポキシ化合物を所定割合で添加したことにより転走面で生じる白色組織変化を伴った特異的な剥離を効果的に防止できたためであると考えられる。
本発明の自動車電装・補機用転がり軸受は、封入されたグリース組成物中のエポキシ化合物が、転がり軸受の転走面で生じる白色組織変化を伴った特異的な剥離を効果的に防止するので、優れた軸受寿命を示す。このためカーエアコン用電磁クラッチ、電動ファンモータ等の自動車電装部品、補機等の転がり軸受、モータ用軸受として好適に利用できる。
深溝玉軸受の断面図である。 ファンカップリング装置の構造の断面図である。 オルタネータの構造の断面図である。 アイドラプーリの構造の断面図である。
符号の説明
1 深溝玉軸受(転がり軸受)
2 内輪
3 外輪
4 転動体
5 保持器
6 シール部材
7 グリース組成物
8a、8b 開口部
9 冷却用ファン
10 ケース
11 オイル室
12 撹拌室
13 仕切板
14 ポート
15 スプリング
16 バイメタル
17 ピストン
18 ドライブディスク
19 流通穴
20 ドライブ軸
21a、21b フレーム
22 ロータ
23 ロータ回転軸
24 ロータコイル
25 ステータ
26 ステータコイル
27 プーリ
28 プーリ本体

Claims (5)

  1. エンジン出力で回転駆動される回転軸を静止部材に回転自在に支持する自動車電装・補機用転がり軸受であって、
    前記転がり軸受は、内輪および外輪と、この内輪および外輪間に介在する複数の転動体と、前記内輪および外輪の軸方向両端開口部を覆うシール部材とを備え、前記転動体の周囲にグリース組成物を封入してなり、
    前記グリース組成物は、基油と、増ちょう剤と、添加剤とを含み、前記添加剤は少なくともエポキシ化合物を含有し、該エポキシ化合物の配合割合は前記基油および増ちょう剤の合計量 100 重量部に対して 0.05 重量部〜10 重量部であることを特徴とする自動車電装・補機用転がり軸受。
  2. 前記エポキシ化合物は、ビスフェノールAタイプおよびビスフェノールFタイプから選ばれた少なくとも一つのエポキシ化合物であることを特徴とする請求項1記載の自動車電装・補機用転がり軸受。
  3. 前記増ちょう剤は、ウレア系増ちょう剤であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の自動車電装・補機用転がり軸受。
  4. 前記基油は、アルキルジフェニルエーテル油およびポリ-α-オレフィン油から選ばれた少なくとも一つの油であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の自動車電装・補機用転がり軸受。
  5. 前記転がり軸受は、自動車のオルタネータ用に用いられることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載の自動車電装・補機用転がり軸受。
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