JP5090985B2 - 立毛経編地の製造方法および立毛経編地および内装材 - Google Patents

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本発明は、メッシュ状組織からなる地組織部とカットパイル層とで構成される立毛経編地の製造方法、および該製造方法により得られた立毛経編地、および該立毛経編地を用いてなる内装材に関する。
従来、車輌用やインテリア用の内装材として立毛経編地が大量に使用されている。特に近年においては、車輌内装材に要求される性能及び特性も高度化されており、多色模様や凹凸模様など種々のものが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、衣料用途では、メッシュ構造の地組織部とカットパイル層とで構成される立毛経編地が提案されている(例えば、特許文献3参照)。かかる立毛経編地では、地組織部がメッシュ構造を有するため、軽量性と伸縮性とを有するものである。
しかしながら、メッシュ構造の地組織部とカットパイル層とで構成される前記立毛経編地では、地組織部の透かし目(空隙部)がカットパイル層により十分被覆されていないため、カットパイル層側表面から立毛経編地を見ると、地組織部の透かし目(空隙部)が透けて見えるため外観品位が劣るという問題があった。特に、優れた外観が求められる、車輌用やインテリア用の内装材としては不適であるという問題があった。
特開2004−137659号公報 特開2001−271255号公報 特公平3−61785号公報
本発明は、上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、メッシュ状組織からなる地組織部とカットパイル層とで構成され、前記地組織部の透かし目(空隙部)がカットパイル層により被覆されていることにより、軽量性と伸縮性とを有するだけでなく外観品位にも優れた立毛経編地の製造方法、および該製造方法により得られた立毛経編地、および該立毛経編地を用いてなる内装材を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、メッシュ状組織からなる地組織部とカットパイル層とで構成される立毛経編地を製造する際、カットパイル用糸条として総繊度が大きいマルチフィラメントを用いると、地組織部の透かし目(空隙部)がカットパイル層により十分被覆されるため、カットパイル層側表面から立毛布帛を見ると、地組織部の透かし目(空隙部)が透けて見えないことを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「メッシュ状組織を有する地組織部と、該地組織部の少なくとも片側面に形成されたカットパイル層とを有する立毛経編地の製造方法であって、前記カットパイル用糸条として、総繊度100dtex以上のマルチフィラメントAを用い、かつ前記地組織部の透かし目を前記カットパイル層によって被覆することを特徴とする立毛経編地の製造方法。」が提供される。
その際、前記マルチフィラメントAがポリエステル繊維からなることが好ましい。また、前記マルチフィラメントAが捲縮率0.3%以上の捲縮を有することが好ましい。また、地組織部用糸条として、総繊度30〜500dtexのポリエステルマルチフィラメントを用いることが好ましい。また、立毛経編地を、トリコット経編機を用いて製編することが好ましい。
また、本発明によれば、前記の製造方法により得られた立毛経編地が提供される。ここで、前記のカットパイル層において、カットパイル密度が6×10dtex/cm以上であることが好ましい。また、前記のカットパイル層において、カットパイル密度カバーファクターが2×10以上であることが好ましい。
また、前記立毛経編地において、目付けが500gr/m以下であることが好ましい。また、タテ方向の伸び率(%)またはヨコ方向の伸び率(%)が20%以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の立毛経編地を用いてなる、車両用またはインテリア用の内装材が提供される。
本発明によれば、メッシュ状組織からなる地組織部とカットパイル層とで構成され、前記地組織部の透かし目(空隙部)がカットパイル層により被覆されていることにより、軽量性と伸縮性とを有するだけでなく外観品位にも優れた立毛経編地の製造方法、および該製造方法により得られた立毛経編地、および該立毛経編地を用いてなる内装材が得られる。
本発明において、カットパイル用糸条として、総繊度100dtex以上(好ましくは100〜400dtex)のマルチフィラメントAを用いることが肝要である。カットパイル用糸条として用いるマルチフィラメントAの総繊度が100dtex未満では、最終的に得られた立毛経編地において、カットパイル層が地組織部の透かし目(空隙部)を十分に被覆することができないため、カットパイル層側表面から立毛布帛を見ると、地組織部の空隙部(透かし目)が透けて見えてしまい、外観品位が損われ好ましくない。
前記マルチフィラメントAにおいて、その単糸繊維繊度やフィラメント数は特に限定されないが、カットパイル層が地組織部の透かし目(空隙部)を十分に被覆する上で、単糸繊維繊度0.1〜5.0dtex、フィラメント数30〜300本(特に好ましくは50〜200本)の範囲内であることが好ましい。また、単糸繊維の断面形状には制限はなく、通常の丸型断面のほかに三角、扁平、くびれ付扁平、十字形、六様形、あるいは中空形の断面形状であってもよい。
前記マルチフィラメントAの繊維種類としては、有機天然繊維、有機合成繊維、有機半合成繊維及び有機再生繊維から選ばれる。前記有機天然繊維は、綿、羊毛、麻などを包含し、前記有機再生繊維は、ビスコースレーヨン繊維を包含し、前記有機合成繊維はポリエステル、ナイロン、及びポリオレフィン繊維などを包含し、前記有機半合成繊維は、セルロースアセテート繊維などを包含する。なかでも、ポリエステル繊維が好ましい。ポリエステル繊維を形成するポリエステルはジカルボン酸成分とジグリコール成分とから製造される。ジカルボン酸成分としは、主としてテレフタル酸が用いられることが好ましく、ジグリコール成分としては主としてエチレングリコール、トリメチレングリコール及びテトラメチレングリコールから選ばれた1種以上のアルキレングリコールを用いることが好ましい。また、ポリエステル樹脂には、前記ジカルボン酸成分及びグリコール成分の他に第3成分を含んでいてもよい。第3成分としては、カチオン染料可染性アニオン成分、例えば、ナトリウムスルホイソフタル酸;テレフタル酸以外のジカルボン酸、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸;及びアルキレングリコール以外のグリコール化合物、例えばジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールスルフォンの1種以上を用いることができる。また、必要に応じて、前記の艶消し剤以外に、微細孔形成剤(有機スルホン酸金属塩)、着色防止剤、熱安定剤、難燃剤(三酸化二アンチモン)、蛍光増白剤、着色顔料、帯電防止剤(スルホン酸金属塩)、吸湿剤(ポリオキシアルキレングリコール)、抗菌剤、その他の無機粒子の1種以上を含有させてもよい。また、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステル樹脂からなるポリエステル繊維であってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステル樹脂でもよい。さらには、繊径が1μm以下のポリエステルナノファイバーでもよく、国際公開WO2008/029934号パンフレットに記載されたようなポリ乳酸やステレオコンプレックスポリ乳酸などの生分解性を有するポリエステル繊維でもよい。
前記マルチフィラメントAの形態としては通常の長繊維であれば特に制限はなく、通常の長繊維、空気混繊糸、仮撚捲縮加工糸、複合仮撚捲縮加工糸などいずれでもよい。なかでも、捲縮を有していると、最終的に得られた立毛経編地において、カットパイル層が地組織部を被覆しやすくなり好ましい。その際、マルチフィラメントAが捲縮率0.3%以上(より好ましくは1〜45%)の捲縮を有していることが好ましい。なお、かかる捲縮は通常の仮撚捲縮加工やギヤー捲縮など公知の捲縮加工により得られたものでよい。また、マルチフィラメントAが、捲縮率0.3%以上(より好ましくは1〜45%)の捲縮糸と、捲縮率0%の非捲縮糸(例えば、通常のポリエステル延伸糸など)との空気混繊糸であることも好ましいことである。
また、前記捲縮率は以下の方法により測定する。すなわち、供試フィラメント糸条を、周長が1.125mの検尺機のまわりに巻きつけて、乾繊度が3333dtexのかせを調製する。前記かせを、スケール板の吊り釘に懸垂して、その下部分に5.88cN(6g)の初荷重を付加し、さらに588cN(600g)の荷重を付加したときのかせの長さL0を測定する。その後、直ちに、前記かせから荷重を除き、スケール板の吊り釘から外し、このかせを沸騰水中に30分間浸漬して、捲縮を発現させる。沸騰水処理後のかせを沸騰水から取り出し、かせに含まれる水分をろ紙により吸収除去し、室温において24時間風乾する。この風乾されたかせを、スケール板の吊り釘に懸垂し、その下部分に、588cN(600g)の荷重をかけ、1分後にかせの長さL1aを測定し、その後かせから荷重を外し、1分後にかせの長さL2aを測定する。供試フィラメント糸条の捲縮率(CP)を、下記式により算出する。
CP(%)=((L1a−L2a)/L0)×100
本発明の立毛経編地の製造方法において、地組織部用糸条としては特に限定されないが、総繊度30〜500dtex(特に好ましくは100〜500dtex)、単糸繊維繊度0.1〜5.0dtex、フィラメント数30〜300本(特に好ましくは50〜200本)のポリエステルマルチフィラメントであることが好ましい。
本発明の立毛経編地の製造方法において、前記のカットパイル用マルチフィラメントAと地組織部用糸条とを用いて経編地を編成した後立毛処理を施す。ここで、製編の方法および立毛処理方法は特公平3−61785号公報に記載された方法が好ましく例示される。
すなわち、3枚以上の筬によって経編地を編成する際、後側の2枚以上の筬によってメッシュ状構造を有する地組織部を編成する。該メッシュ状構造は、該後側2枚以上の筬のいずれも糸抜けを適宜間隔毎に配置せしめて編成することによりアンダーラツプを有しない透かし目となし、該透かし目を配置せしめて形成する。また、地組織部の少なくとも片側面には前側筬に給糸した糸を起毛して起毛層(カットパイル層)を形成する。
かかる経編地は、3枚以上の筬を使用して編成されるものであり、該3枚以上の筬のうち、より後側の2枚以上の筬(すなわち、ミドル筬、バツク筬等)によって編成される組織が、起毛後には透かし目となるアンダーラツプを有しない編目を形成し、このアンダーラツプを有しない編目を適宜箇所に配置せしめる。2枚以上の筬によりアンダーラツプを有しない編目を形成するには、各筬の糸通しを適宜間隔毎に糸抜きしたものを用い、かつ、2枚の筬をそれぞれ反対方向に振らせて編成する。3枚筬のトリコツト編機を使用し、フロント筬の組織を10/45、ミドル筬の組織を1イン1ミスで23/21/10/12、バツク筬と組織を1イン1ミスで10/12/23/21の編方により編成する例を説明する。第2図は、かかる経編地の編成に際し、筬の糸通しの例を説明する図であり、1イン1ミスの例を示す。この場合、ミドル筬とバツク筬の針抜きする位置を、相対的に同じ位置とするか、ことなる位置とするかは、メツシユ状構造の形状により決定される。第2図のように糸抜きした筬をそれぞれ反対方向に振らせて編成することによりアンダーラツプを有しない部分を形成することが出来る。第3図は、このようにして形成される編地の編方を示す平面図であり、第2図に示すように糸抜きを1本おきにし、ミドル筬とバツグ筬による振り方が反対のため3´に示すようにアンダーラツプを有しない編目を形成することが出来る。(なお、第3図では、フロント筬による給糸は記載していない)一方、フロント筬による給糸は10/45のように振られ、長いアンダーラツプ(浮き糸)を有する組織に編成される。このようにして編成された経編地は、起毛前においては、フロント筬に給糸した組織のために未だメツシユ状構造の編地ではないが、フロント筬に供給した糸を主として起毛、切断すると残された地組織部では、前記のアンダーラツプを有しない編目3′が開いて透かし目となりメツシユ構造を有するようになる。なお、前記フロント筬への給糸は、フルセツト(全てに糸通しをする)の例を示したが、適宜糸抜きをするものであってもよい。また、地組織部のメツシユ状構造は、透かし目の配置次第で、種々のものが使用されるが、透かし目が矩形形状を有し、かつ、経方向、緯方向に碁盤目状に整然と配列されたメツシユ状構造のものが、起毛性や、経方向、緯方向の寸法安定性からみて好ましい。
かくして得られた立毛経編地において、カットパイル層のカットパイル密度が6×10dtex/cm以上(好ましくは6×10dtex/cm〜2×10dtex/cm)であることが好ましい。かかるカットパイル密度が6×10/dtex/cm未満では、カットパイル層側表面から立毛経編地を見ると、地組織部の空隙部(透かし目)が透けて見えてしまい、外観品位が損われるおそれがある。
また、前記立毛経編地のカットパイル層において、カットパイル密度カバーファクターが2×10以上(好ましくは2×104〜6×10)であることが好ましい。カットパイル密度カバーファクターが2×10未満では、カットパイル層側表面から立毛布帛を見ると、地組織部の空隙部(透かし目)が透けて見えてしまい、外観品位が損われるおそれがある。
かかる立毛経編地において、地組織部がメッシュ構造を有するため、優れた軽量性と伸縮性とを有する。その際、軽量性としては、目付けが500gr/m以下(より好ましくは300〜500gr/m2)であることが好ましい。また、伸縮性としては、タテ方向の伸び率(%)またはヨコ方向の伸び率(%)が20%以上(好ましくは40〜80%)であることが好ましい。
なお、前記の立毛経編地において、地組織部の両側面にカットパイル層が形成されていてもよいし、カットパイル層と反対側の面には、公知のバックコーテイング層やループパイル層などの他の層が形成されていてもよい。
本発明の立毛経編地には、常法の染色加工仕上げ、常法のエッチングによる模様づけ、エンボス加工、アルカリ減量加工、着色プリント、撥水加工、紫外線遮蔽剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
次に、本発明の内装材は前記の立毛経編地を用いてなる、車両用またはインテリア用の内装材である。かかる内装材は前記の立毛経編地を用いているので、軽量性と伸縮性とを有するだけでなく、前記地組織部の透かし目(空隙部)がカットパイル層により被覆されているため、カットパイル側表面から見ても地組織部の透かし目(空隙部)が透けて見えることがなく、外観品位に優れる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)カットパイル密度
キーエンス(株)製マイクロスコープ(型式:VH−6300)を用いて、カットパイル層の表面を撮影(倍率500倍)し、1cm(1cm×1cm)あたりのカットパイル本数を測定し、該本数と単糸繊維繊度とを掛け算した。
(2)カットパイル密度カバーファクター
キーエンス(株)製マイクロスコープ(型式:VH−6300)を用いて、カットパイル層の表面を撮影(倍率500倍)し、1cm(1cm×1cm)あたりのカットパイル本数を測定し、該本数に、単糸繊維繊度の平方根の逆数を掛け算した。
(3)捲縮率
供試フィラメント糸条を、周長が1.125mの検尺機のまわりに巻きつけて、乾繊度が3333dtexのかせを調製した。前記かせを、スケール板の吊り釘に懸垂して、その下部分に5.88cN(6g)の初荷重を付加し、さらに588cN(600g)の荷重を付加したときのかせの長さL0を測定した。その後、直ちに、前記かせから荷重を除き、スケール板の吊り釘から外し、このかせを沸騰水中に30分間浸漬して、捲縮を発現させた。沸騰水処理後のかせを沸騰水から取り出し、かせに含まれる水分をろ紙により吸収除去し、室温において24時間風乾した。この風乾されたかせを、スケール板の吊り釘に懸垂し、その下部分に、588cN(600g)の荷重をかけ、1分後にかせの長さL1aを測定し、その後かせから荷重を外し、1分後にかせの長さL2aを測定した。供試フィラメント糸条の捲縮率(CP)を、下記式により算出した。
CP(%)=((L1a−L2a)/L0)×100
(4)目付け
JIS L1018 8.4.2により、目付け(gr/m)を測定した。
(5)伸び率
JIS L1018 8.13により、立毛経編地のタテ方向およびヨコ方向について、伸び率(%)を測定した。
(6)外観評価
試験者3名により、外観を目視判定した。カットパイル側表面から見ても地組織部の透かし目(空隙部)が透けて見えることがないものを3級(最良)、やや透けて見えるものを2級、透けて見えるものを1級(最悪)とした。
[実施例1]
通常の28Gトリコット経編機を用いて、L1筬(バック筬)に総繊度110dtex/48filのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントを1イン1アウト、L2筬(ミドル筬)に総繊度110dtex/48filの通常のポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントをL1筬と重ならないように1イン1アウトで配置し、L3筬(フロント筬)に捲縮率3%でかつ総繊度145dtex/60filのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントを配し、L1:10/12/23/21、L2:23/21/0/12、L3:10/45となるようにトリコットベロア生地を編成した。これを染色した後にフルカット起毛加工を施し、その際、L3筬に配置した繊維糸条のシンカーループを切断することにより立毛させて立毛経編地を得た。
得られた立毛経編地において、カットパイル層を形成する繊維のパイル密度が1×10dtex/cmであり、パイル密度カバーファクターが3.0×10であった。また、カットパイル層からの地組織部の透かし目(空隙部)が透けて見えることはなく品位として良好(3級)であった。また、伸び率はタテ方向18.5%、ヨコ方向52%であった。また、目付は385g/mであった。このようにきわめて良好な品位、伸び特性と軽量性を有していた。
次いで、該立毛経編地を用いて車両用内装材(カーシート表皮材)を得て、カットパイル層が外気側となるよう使用したところ、カットパイル層からの地組織部の透けはなく品位として良好(3級)であった。
[比較例1]
実施例1において、L3筬に捲縮率0%の総繊度84dtex/36filの通常のポリエチレンテレフタレートフィラメントを配置した以外は実施例1と同様に加工を施した。
得られた立毛経編地において、カットパイル層を形成する繊維のパイル密度が5.8×10dtex/cmであり、パイル密度カバーファクターが1.9×10であった。また、伸び率はタテ方向19%、ヨコ方向48%であった。目付は280g/mであった。このようにきわめて良好な伸び特性と軽量性を有していたが、カットパイル層からの地組織部の透けが発生(1級)し、品位として良好なものが得ることが出来なかった。
本発明によれば、メッシュ状組織からなる地組織部とカットパイル層とで構成され、前記地組織部の透かし目(空隙部)がカットパイル層により被覆されていることにより、軽量性と伸縮性とを有するだけでなく外観品位にも優れた立毛経編地の製造方法、および該製造方法により得られた立毛経編地、および該立毛経編地を用いてなる内装材が提供され、その工業的価値は極めて大である。
(イ)(ロ)は本発明の実施態様である立毛経編地の断面を模型的に示す断面図であり、(ハ)は(イ)に対応する立毛経編地を示す斜視図である。 経編地の編成に際し、筬の糸通しの例を説明する図である。 本発明の立毛経編地の地組織部の編み方を示す図である。
符号の説明
1、1´:カットパイル
2:地組織部
3:透かし目(空隙部)

Claims (11)

  1. メッシュ状組織を有する地組織部と、該地組織部の少なくとも片側面に形成されたカットパイル層とを有する立毛経編地の製造方法であって、前記カットパイル用糸条として、総繊度100dtex以上のマルチフィラメントAを用い、かつ前記地組織部の透かし目を前記カットパイル層によって被覆することを特徴とする立毛経編地の製造方法。
  2. 前記マルチフィラメントAがポリエステル繊維からなる、請求項1に記載の立毛経編地の製造方法。
  3. 前記マルチフィラメントAが捲縮率0.3%以上の捲縮を有する、請求項1または請求項2に記載の立毛経編地の製造方法。
  4. 地組織部用糸条として、総繊度30〜500dtexのポリエステルマルチフィラメントを用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の立毛経編地の製造方法。
  5. 立毛経編地を、トリコット経編機を用いて製編する、請求項1〜4のいずれかに記載の立毛経編地の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られた立毛経編地。
  7. 前記のカットパイル層において、カットパイル密度が6×10dtex/cm以上である、請求項6に記載の立毛経編地。
  8. 前記のカットパイル層において、カットパイル密度カバーファクターが2×10以上である、請求項6または請求項7のいずれかに記載の立毛経編地。
  9. 立毛経編地の目付けが500gr/m以下である、請求項6〜8のいずれかに記載の立毛経編地。
  10. 立毛経編地において、タテ方向の伸び率(%)またはヨコ方向の伸び率(%)が20%以上である、請求項6〜9のいずれかに記載の立毛経編地。
  11. 請求項6〜10のいずれかに記載の立毛経編地を用いてなる、車両用またはインテリア用の内装材。
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