JP5090894B2 - チップオンフィルム(cof)構造の半導体装置の製造方法 - Google Patents

チップオンフィルム(cof)構造の半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フレキシブルプリント配線板(FPC)に形成された回路における半導体チップ搭載領域に半導体チップを搭載した後、前記FPCと前記半導体チップとの間に形成される隙間に液状エポキシ樹脂組成物を注入し、前記組成物を硬化させることにより得られるCOF構造の半導体装置の製造方法、及びその製造方法により得られるCOF構造の半導体装置に関する。
半導体装置は、回路が形成された基板上に半導体素子を搭載した後、半導体素子の信頼性を高めるためにエポキシ樹脂等の封止材により封止される。
例えば、下記特許文献1には、リジットな基板の配線パターン面に搭載された半導体チップと前記基板との隙間に、液状エポキシ樹脂、無機質充填剤、及び硬化剤を必須成分とする液状エポキシ樹脂組成物をアンダーフィル材として充填し、封止する方法が開示されている。そして、このような方法によれば、アンダーフィル材の剥離等がなく、反りの小さい半導体装置が得られるとされている。
一方、近年、実装回路の高集積化に伴い、基板材料は、従来のガラス−エポキシ樹脂等のリジッドな材料からポリイミドフィルムのようなフレキシブルなフィルム材料へと移行しつつある。特にフラットパネルディスプレー(FPD)の駆動パッケージ等の用途に、FPCに形成された回路における半導体チップ搭載領域に半導体チップを搭載した後、この半導体チップと前記FPCとの間に形成される隙間をエポキシ樹脂組成物等の封止材により封止することにより得られるCOF構造の半導体装置が知られている。
しかし、従来のCOF構造の半導体装置は、高温高湿下で駆動させた場合に絶縁性が低下するという問題があった。前記絶縁性の低下は、マイグレーションと呼ばれる、金属回路の腐食により生じる金属イオンや電子による絶縁性の低下を原因とする。COF構造の半導体装置に用いられるようなフィルム基材の場合には、リジットな基材に比べて撓みやすいために、封止材が剥離することにより、前記マイグレーションによる絶縁性の低下が生じやすいと考えられる。
また、特に、FPCの銅回路表面にイオン化傾向の比較的高いSnめっきが施されて形成される回路においては、特にマイグレーションが生じやすく、近年のパッケージの狭ピッチ化、高電圧化に伴って、マイグレーションによる絶縁性の低下の問題がさらに顕著になってきている。
特開2000−260820号公報
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、FPD駆動パッケージのように、回路幅及び回路間隔が狭く、高電圧で駆動する回路を備えた場合に特に問題となる、高温高湿下で生じるマイグレーションによる絶縁性の低下が抑制されたCOF構造の半導体装置の製造方法、及びその製造方法により得られるCOF構造の半導体装置を提供することを目的とするものである。
本発明のCOF構造の半導体装置の製造方法は、基材フィルム上に半導体チップ搭載領域を有する回路が形成されているFPCの該半導体チップ搭載領域に、半導体チップを搭載する工程と、前記FPCと前記半導体チップとの間に形成される隙間に、液状エポキシ樹脂組成物を注入する工程と、前記隙間に注入した液状エポキシ樹脂組成物を硬化させる工程とを備え、前記液状エポキシ樹脂組成物が、エポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤、及び硬化促進剤を含有し、前記液状エポキシ樹脂組成物を前記隙間に注入する前に、前記基材フィルムを膨潤可能な有機溶媒を前記FPCに塗布することを特徴とする。
このような構成によれば、前記有機溶媒を前記FPCに塗布することによって、前記基材フィルムを膨潤させる。この基材フィルムが膨潤されたFPC上で液状エポキシ樹脂が硬化されるので、液状エポキシ樹脂組成物の硬化物は、FPCとの密着性に優れ、剥離を生じにくい封止材となる。その結果として、マイグレーションの発生が抑制されたCOF構造の半導体装置が得られる。
また、前記基材フィルムとしては、ポリイミドを含むもの、例えば、ポリイミドフィルム等が好適に用いられる。
また、前記有機溶媒として、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、及びN,N−ジメチルアセトアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いた場合には、前記基材フィルムを充分に膨潤させることができるので、液状エポキシ樹脂組成物の硬化物が、FPCとの密着性にさらに優れた封止材となる。したがって、得られたCOF構造の半導体装置は、マイグレーションの発生をさらに抑制できる。
また、前記有機溶媒の塗布量が、0.04〜20g/mであることが、基材フィルムを充分に膨潤させることができる点で好ましい。
また、前記酸無水物系硬化剤が、下記式(1)で表される構造を有する酸無水物化合物及びメチルヘキサヒドロ無水フタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸無水物化合物であることが好ましい。
前記酸無水物系硬化剤として、前記酸無水物化合物を用いた場合には、電気絶縁性により優れたエポキシ樹脂硬化物が得られるので、得られたCOF構造の半導体装置は、マイグレーションの発生をさらに抑制できる点で好ましい。
また、本発明の半導体装置の製造方法において、前記回路を形成している金属部材表面が錫めっきされているものである場合は、特にマイグレーションの発生を抑制する効果が顕著である。
また、本発明のCOF構造の半導体装置は、前記製造方法により得られるものである。このような構成によれば、高温高湿下の使用によってもマイグレーションの発生が抑制され、マイグレーションによる絶縁性の低下が抑制された半導体装置が得られる。
本発明によれば、高温高湿下で生じるマイグレーションによる絶縁性の低下を抑制することができる、封止材が、FPCとの密着性に優れ、剥離を生じにくいCOF構造の半導体装置を提供することができる。そして、このCOF構造の半導体装置は、FPDの駆動パッケージのように狭ピッチ化、高電圧化が進む分野に、特に好適に適用でき、半導体装置パッケージの信頼性を向上することができる。
本発明のCOF構造の半導体装置の製造方法は、基材フィルム上に半導体チップ搭載領域を有する回路が形成されているFPCの該半導体チップ搭載領域に、半導体チップを搭載する工程と、前記FPCと前記半導体チップとの間に形成される隙間に、液状エポキシ樹脂組成物を注入する工程と、前記隙間に注入した液状エポキシ樹脂組成物を硬化させる工程とを備え、前記液状エポキシ樹脂組成物が、エポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤、及び硬化促進剤を含有し、前記液状エポキシ樹脂組成物を前記隙間に注入する前に、前記基材フィルムを膨潤可能な有機溶媒を前記FPCに塗布することを特徴とする。
本発明の製造方法によって製造されるCOF構造の半導体装置について、図1に基づいて説明する。なお、図1は、前記COF構造の半導体装置を模式的に示す概略断面図である。
図1中、1は半導体装置、2は半導体チップ、3はFPC、3aは基材フィルム、3bはFPCに形成された回路、3cは半導体チップ搭載領域、4は突起電極、5は封止材である。
本発明に係る製造方法としては、はじめに、基材フィルム上に半導体チップ搭載領域を有する回路が形成されているFPCの該半導体チップ搭載領域に、半導体チップを搭載する工程を行う。この半導体チップを搭載する工程としては、特に限定されず、具体的には、例えば、予め回路が形成されたFPCの半導体チップを搭載するための所定の回路形成部分(半導体チップ搭載領域)に、金属製の突起電極が形成された半導体チップをマウントする。そして、加熱、加圧又は超音波等を用いた各種接合手段により、FPC上に半導体チップを電気的に接続する工程等が挙げられる。
前記FPCは、基材フィルム上に半導体チップ搭載領域を有する回路が形成されている。前記回路は、金属部材により形成されている。前記金属部材としては、銅基材、又は銅基材の表面に錫めっきされたものが用いられる。なお、表面に錫めっきが施された銅基材から形成された回路が形成されたFPCを用いたCOF構造の半導体装置においては、高温高湿下で通電することにより錫がイオン化しやすいために、特にマイグレーションによる絶縁性の低下を生じやすくなる。本発明においては、特に、このように金属部材の表面に錫めっきされた回路が形成されたFPCを基材とするCOF構造の半導体装置において、特に、その効果を発揮するものである。
前記FPCにおける基材フィルムには、ポリイミドを含むものが好ましく、例えば、ポリイミドフィルム等が好適に用いられる。また、その厚みとしては、1〜125μm、さらには12.5〜75μm程度が好ましい。
次に、前記FPCと前記半導体チップとの間に形成される隙間に、液状エポキシ樹脂組成物を注入する工程を行い、さらに、前記隙間に注入した液状エポキシ樹脂組成物を硬化させる工程を行う。そうすることによって、前記隙間が液状エポキシ樹脂組成物の硬化物によって封止されたCOF構造の半導体装置を製造することができる。
液状エポキシ樹脂組成物を注入する工程としては、特に限定されず、具体的には、例えば、前記隙間に液状エポキシ樹脂組成物を、ディスペンサ等を用いて注入する工程等が挙げられる。また、液状エポキシ樹脂組成物を硬化させる工程としては、特に限定されず、具体的には、例えば、所定の硬化温度まで加熱する工程等が挙げられる。
そして、本発明においては、液状エポキシ樹脂組成物を注入する前に、前記基材フィルムを膨潤可能な有機溶媒を前記FPCに塗布して、前記FPCを表面処理することを特徴とする。
有機溶媒をFPCに塗布する方法は、特に限定されず、具体的には、例えば、スピンコート、ディッピング、グラビアコート、ダイコート等の方法が挙げられる。
前記有機溶媒としては、前記基材フィルムを膨潤可能な有機溶媒であれば、特に限定されるものではなく、市販されている有機溶媒を適宜使用することができる。
有機溶媒の具体例としては、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、及び1,4−ジオキサン等が挙げられ、特に、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、及びN,N−ジメチルアセトアミドが、前記基材フィルムを充分に膨潤させることができ、液状エポキシ樹脂組成物の硬化物が、FPCとの密着性にさらに優れた封止材となる。したがって、得られたCOF構造の半導体装置は、マイグレーションの発生をさらに抑制できる。これらは、1種又は2種以上を混合して用いてもよい。また、本発明においては、前記有機溶媒とともに、その他の有機溶媒を併用してもよい。
また、前記有機溶媒の塗布量としては、0.04〜20g/m、さらに、0.1〜10g/mあることが好ましい。塗布量が少なすぎると、基材フィルムが充分に膨潤しない傾向がある。
また、前記有機溶剤を塗布した後、1時間〜1分間、さらに、30分間〜5分間放置して基材フィルムを膨潤させることが好ましい。前記放置時間が短すぎると、前記基材フィルムの膨潤が充分ではなく、FPCに対する封止材の密着性が低下する傾向がある。また、前記放置時間が長すぎると、特に問題ないが、タクトタイムが長くなり、生産性が低下する傾向がある。
また、本発明において用いる液状エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、酸無水物硬化剤、及び硬化促進剤を含有し、この液状エポキシ樹脂組成物の硬化物が半導体装置の封止材となる。
前記エポキシ樹脂としては、室温におけるエポキシ樹脂組成物が液状となれば、特に限定されるものではなく、市販されている液体のエポキシ樹脂や固体のエポキシ樹脂を適宜使用することができる。
前記エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添タイプのビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ブロム含有エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートや、下記一般式(2)で表される構造を有するものが挙げられる。
(式中、R及びRはそれぞれ水素原子又はメチル基を、RからRはそれぞれ水素原子、メチル基、塩素原子、又は臭素原子を表す。Xはエチレンオキシ基、ジ(エチレンオキシ)エチル基、トリ(エチレンオキシ)エチル基、プロピレンオキシ基、プロピレンオキシプロピル基、ジ(プロピレンオキシ)プロピル基、トリ(プロピレンオキシ)プロピル基又は炭素原子数2〜15のアルキレン基である。nは自然数でありその平均は1.2〜5である。)
これらは単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、水添タイプのビスフェノール型エポキシ樹脂や一般式(2)で表される構造を有するものが好ましく用いられる。特に、一般式(2)で表される構造を有するエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂硬化物の柔軟性と靭性とのバランスに優れ、かつ、耐水性も優れたものとなり、結果として耐マイグレーション性に優れたものとなりうる点で好ましい。このようなエポキシ樹脂の市販品として、例えば、大日本インキ化学工業(株)製の「EPICLON EXA−4850シリーズ」を入手しうる。なお、一般式(2)で表される構造を有するエポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などの他のエポキシ樹脂と併用するのが好ましい。
前記エポキシ樹脂の含有割合は、液状エポキシ樹脂組成物全量に対して30〜80質量%、さらには40〜60質量%であることが好ましい。
前記酸無水物硬化剤としては、特に限定されるものではなく、市販されている酸無水物を適宜使用することができる。酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸、下記式(1)で表される構造を有する脂環式酸無水物等を挙げることができる。なお、式(1)で表される構造を有する脂環式酸無水物は、例えば、分子式C1016で示されるモノテルペンのうち炭素間二重結合を1分子内に3つ持ち、そのうち2つの二重結合が共役している化合物(トリエンのモノテルペン)と、無水マレイン酸とをDiels-Alder(ディールス・アルダー)反応により6員環化させて合成されるものである。
このような脂環式酸無水物の市販品として、例えば、ジャパンエポキシレジン株式会社製、「YH−306」を入手しうる。
また、前記酸無水物硬化剤以外にも、必要に応じて一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものを併用することができる。例えば、フェノール性水酸基を有するものでは、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類、及び、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類、さらにはフェノール類、ナフトール類又はビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価フェノール類のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレングリコール等の縮合剤により合成される多価フェノール性化合物が挙げられる。
また、場合により、ジシアンジアミド、アミド樹脂類、アミン類を使用してもよい。アミン類としては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類が挙げられる。
本発明において硬化剤には、酸無水物の1種又は2種以上と、それ以外の硬化剤の1種又は2種以上を混合してもよい。
本発明における硬化剤成分の含有量としては、エポキシ樹脂のエポキシ基当量あたり、0.5〜1.5当量、さらには0.7〜1.3当量であることが好ましい。
また、全硬化剤成分中における前記酸無水物系硬化剤の含有割合としては、硬化剤成分全量中のエポキシ基に対する反応性基の全当量に対して、酸無水物系硬化剤の酸無水物基の当量が、10〜100%、更には40〜100%になるような割合で酸無水物系硬化剤を含有させることが、マイグレーションを充分に抑制することができる点から好ましい。
また、前記硬化促進剤としては、アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ボレート塩、ルイス酸類等の一般にエポキシ樹脂の硬化促進剤として知られているものを使用することができる。ボレート塩は、前記エポキシ樹脂と酸無水物硬化剤との硬化反応の促進剤としての作用と共に、マイグレーションの原因になる回路を形成する金属がイオン化して生じる金属イオンの補足剤としての作用を有すると考えている。
ボレート塩の具体例としては、1,8ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)のテトラフェニルボレート塩等の第三級アミンのボレート塩;テトラブチルホスフォニウムテトラフェニルボレート、テトラ―n―ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート等の有機ホスホニウムのボレート塩;硼弗化亜鉛、硼弗化カリウム、硼弗化鉛等の硼弗化物等を挙げることができるが、特に、マイグレーションの抑制効果が高い点でDBUのテトラフェニルボレート塩を使用することが好ましい。
硬化促進剤は、全樹脂成分(エポキシ樹脂と硬化剤)に対して0.1〜60質量%、更には1〜10質量%配合するのが好ましい。
前記液状エポキシ樹脂組成物には、本発明の目的とする所望の作用効果を阻害しない量の範囲で、必要に応じて公知の各種添加剤を配合することができる。そのような添加剤としては、たとえば、酸化アルミニウム類、酸化ケイ素類、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム類等の充填材、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、消泡剤や陽イオン性、陰イオン性、非イオン性の各種界面活性剤、チクソトロピー剤、アンチモン類やブロム化合物等の難燃剤、無機、有機顔料や染料等の着色剤等が挙げられる。
前記液状エポキシ樹脂組成物は、前記各主成分を、例えば、プラネタリーミキサーや、ニーダー、万能撹拌機、ホモジナイザー、ホモディスパ等の各種混合機を用いて混合することにより調製することができる。このようにして得られた液状エポキシ樹脂組成物は、FPCに形成された回路における半導体チップ搭載領域に半導体チップを搭載した後、前記半導体チップと前記FPCとの間に形成される隙間を封止するための封止材として用いられる。
本発明の製造方法により製造されたCOF構造の半導体装置は、FPDの駆動パッケージのように狭ピッチ化、高電圧化が進む分野に特に好適に適用でき、マイグレーションの発生が抑制されたパッケージの信頼性に優れたものであり、半導体デバイスの高集積化、高密度化に対応可能で、その工業的価値は極めて大きいものである。なお、本発明においては、FPCに形成されている配線回路が錫メッキされている場合には、特に顕著なマイグレーション抑制効果を示す。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1〜8、及び比較例1,2)
下記表1に示した配合(質量部)組成により、エポキシ樹脂、酸無水物硬化剤、及び硬化促進剤の各成分を、ホモディスパ(プライミクス(株)製)を用いて混合して、実施例1〜8、及び比較例1,2で用いる各液状エポキシ樹脂組成物を作製した。
ここで、表1において使用した原材料を以下に示す。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂:東都化成(株)製の「YD−8125」(エポキシ当量172)
・式(1)で表される脂環式酸無水物:ジャパンエポキシレジン(株)製の「YH−306」(酸無水物当量234)
・MHHPA:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(大日本インキ化学工業(株)製の「B−650」)(酸無水物当量168)
・マイクロカプセル化イミダゾール:(旭化成ケミカルズ(株)製の「ノバキュアLSA−H0401」)
(フィルム密着強度)
まず、ポリイミドを膨潤可能な有機溶媒をポリイミドフィルムに塗布することによって、上記各エポキシ樹脂の硬化物の密着性(フィルム密着強度)を検討した。その結果を表1に示した。
ポリイミドフィルム(日立電線(株)製カプトンEN)に、下記表1に示した塗布量(g/m)となるように各有機溶媒を塗布し、5分間程度放置し、表面処理したポリイミドフィルムを作製した。
そして、上記各液状エポキシ樹脂組成物を、ガラス板上に厚み約0.1mmとなるように塗布し、表面処理したポリイミドフィルムを貼り付け、140℃で3時間加熱硬化させた。得られた試験片をJIS K 6854に基づくT字ピール試験を行い、フィルム密着強度を評価した。
なお、有機溶媒としては、NMP(N−メチルピロリドン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DMAC(N,N−ジメチルアセトアミド)、及びシクロヘキサンを用いた。
(耐マイグレーション性)
次に、実施例1〜8、及び比較例1,2について、以下の方法で耐マイグレーション性を評価し、その結果を表1に示した。
ポリイミドフィルム(日立電線(株)製カプトンEN)上に、線幅12μm、線間13μmで0.3μm厚の錫めっきを施した櫛形銅パターンを形成し、さらに、下記表1に示した塗布量(g/m)となるように各有機溶媒を塗布し、5分間程度放置した。このようにして得られたテスト基板上に、厚みが約0.1mmとなるように、各液状エポキシ樹脂組成物を塗布し、150℃で2時間加熱硬化させた。この硬化物を樹脂封止材とみて、85℃85%RHの恒温恒湿槽中で40Vのバイアスをかけ、抵抗値が1オーダー低下するまでの時間を最終1000時間まで調べた。
表1に示す結果から、基材フィルムに用いられるポリイミドフィルムを膨潤することができる有機溶媒を塗布した実施例1〜8は、有機溶媒を塗布しない比較例1やポリイミドフィルムを膨潤させないシクロヘキサンを塗布した比較例2より、フィルム密着強度が高いことがわかった。さらに、耐マイグレーションが、300時間である比較例1,2と比較すると、実施例1〜8で得られる半導体装置は、耐マイグレーションが同等以上であり、いずれも実使用下において問題なく使用できることが理解される。
本発明に係るCOF構造の半導体装置を模式的に示す概略断面図である。
符号の説明
1 半導体装置
2 半導体チップ
3 FPC
3a 基材フィルム
3b FPCに形成された回路
4 突起電極
5 封止材

Claims (6)

  1. 基材フィルム上に半導体チップ搭載領域を有する回路が形成されているフレキシブルプリント配線板の該半導体チップ搭載領域に、半導体チップを搭載する工程と、
    前記フレキシブルプリント配線板と前記半導体チップとの間に形成される隙間に、液状エポキシ樹脂組成物を注入する工程と、
    前記隙間に注入した液状エポキシ樹脂組成物を硬化させる工程とを備え、
    前記液状エポキシ樹脂組成物が、エポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤、及び硬化促進剤を含有し、
    前記液状エポキシ樹脂組成物を前記隙間に注入する前に、前記基材フィルムを膨潤可能な有機溶媒を前記フレキシブルプリント配線板に塗布することを特徴とするチップオンフィルム構造の半導体装置の製造方法。
  2. 前記基材フィルムが、ポリイミドを含む請求項1に記載のチップオンフィルム構造の半導体装置の製造方法。
  3. 前記有機溶媒が、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、及びN,N−ジメチルアセトアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載のチップオンフィルム構造の半導体装置の製造方法。
  4. 前記有機溶媒の塗布量が、0.04〜20g/mである請求項1〜3のいずれか1項に記載のチップオンフィルム構造の半導体装置の製造方法。
  5. 前記酸無水物系硬化剤が、下記式(1)で表される構造を有する酸無水物化合物及びメチルヘキサヒドロ無水フタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸無水物化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載のチップオンフィルム構造の半導体装置の製造方法。
  6. 前記回路を形成している金属部材表面が錫めっきされているものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のチップオンフィルム構造の半導体装置の製造方法。
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