JP5089736B2 - 重み付け関数決定装置及び重み付け関数決定方法 - Google Patents

重み付け関数決定装置及び重み付け関数決定方法 Download PDF

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Description

本発明は、予約済の利用者の間又は前後に当日受付の利用者を割り当てる際に用いられる、利用者の待ち時間に重み付けを行う重み付け関数を決定する装置及びその方法に関する。
病院、美容院、飲食店等で発生する客の待ち時間を短縮するために、各客にサービスを提供する順序を最適化する手法が提案されている。
特許文献1には、サービス順序の作成において、予約の空き時間に予約なしの当日客を割り当てる際、割り当てる空き時間が小さい場合は、各空き時間に強制的に割り当てた場合の各客の合計待ち時間を算出し、合計待ち時間が最小となる空き時間に当日客を割り当てるサービス時間割当方法及びその装置が開示されている。特許文献2には、サービス順序を決定する際、顧客間でサービス処理手順が共通し、並行処理可能な手順がある場合は、並行処理できるように順序を作成する待ち時間制御システム及びその方法が開示されている。
特許第4143110号公報 特開2010−79430号公報
特許文献1及び2の技術は、全体の待ち時間が最小となるようにサービス順序を決定するものである。この際、待ち時間に所定の重み付け関数を用いて、待ち時間を増減させ、サービス順序を決定する際の優先度合いを調整している。例えば、当初の順序では最優先されていた、予約客や受付順の早い客の待ち時間が増加する場合に、増加分に重み付けを持たせることにより、それらの客へのサービスを優先的に行う。ただし、この重み付け関数は最適なサービス順序の作成に大きく影響するが、重み付け関数やその係数は試行錯誤により決定されている。
このような場合、予約客と当日客のうち、実際にどちらが有利になるかは分からず、予約客の待ち時間が当日受付の客の待ち時間より長くなるときには、予約客に不公平感が生じる。一方、当日受付の客にしても、あまりにも待ち時間が長いときには、不満が生じる。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、サービスの利用者の間で不公平感が生じないようにサービス順序を決定することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、サービスを予約した利用者である、1以上の予約利用者ごとの、当日の予約時刻、サービスの所要時間、開始時刻及び終了時刻を含む予約データを記憶し、予約なしに当日受け付けた利用者である当日利用者を、前記予約利用者の間及び前後のうち、いずれか1つに割り当てたサービス順序を決定する際に用いる、各サービス順序における前記予約利用者の待ち時間及び前記当日利用者の待ち時間に重み付けを行う重み付け関数を決定する重み付け関数決定装置であって、前記重み付け関数を示す、複数の重み付け関数データを予め記憶する手段と、前記当日利用者の受付時刻及びサービスの所要時間を取得する手段と、前記サービス順序ごとに、前記当日利用者の前記開始時刻として、前記受付時刻又は1つ前の前記予約利用者の終了時刻を設定し、設定した前記開始時刻に前記所要時間を加算して前記終了時刻を算出する手段と、前記サービス順序ごとに、前記当日利用者より後の前記予約利用者の前記開始時刻として、当該予約利用者の予約時刻及び1つ前の利用者の終了時刻のうち、遅い方の時刻を設定し、設定した前記開始時刻に前記所要時間を加算して前記終了時刻を算出する手段と、前記サービス順序ごとに、前記当日利用者の前記開始時刻から前記受付時刻を減算して、前記当日利用者の待ち時間を算出する手段と、前記サービス順序ごとに、前記予約利用者の前記開始時刻から前記予約時刻を減算して、前記予約利用者の待ち時間を算出する手段と、前記重み付け関数データごとに、以下の(1)〜(4)を実施する手段と、
(1)前記サービス順序ごとに、当該重み付け関数データを用いて前記予約利用者の待ち時間から重み付け待ち時間を計算する。
(2)前記サービス順序ごとに、当該重み付け関数データを用いて前記当日利用者の待ち時間から重み付け待ち時間を計算する。
(3)前記サービス順序ごとに、前記予約利用者及び前記当日利用者の重み付け待ち時間の平均値を計算し、記憶する。
(4)前記サービス順序のうち、前記重み付け待ち時間の平均値が最小になるサービス順序を特定し、当該サービス順序における前記予約利用者の待ち時間の平均値を計算し、当該サービス順序における前記当日利用者の待ち時間とともに記憶する。
前記重み付け関数データのうち、前記予約利用者の待ち時間の平均値が前記当日利用者の待ち時間以下であり、かつ、前記当日利用者の待ち時間が最小になる重み付け関数データを特定する手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、利用者のサービス順序を決定する際に用いる、待ち時間の重み付け関数を決める際に、予約利用者の待ち時間平均値が当日利用者の待ち時間以下のものを選択することにより、予約利用者の当日利用者に対する不公平感をなくすことができる。そして、当日利用者の待ち時間が最小になるものを選択することにより、当日利用者の待ち時間の長さに対する不満をなくすことができる。以上によれば、サービスの利用者の間で不公平感が生じないようにサービス順序を決定することができる。
また、本発明は、サービスを予約した利用者である、1以上の予約利用者ごとの、当日の予約時刻、サービスの所要時間、開始時刻及び終了時刻を含む予約データを記憶し、予約なしに当日受け付けた利用者である当日利用者を、前記予約利用者の間及び前後のうち、いずれか1つに割り当てたサービス順序を決定する際に用いる、各サービス順序における前記予約利用者の待ち時間及び前記当日利用者の待ち時間に重み付けを行う重み付け関数を決定する重み付け関数決定装置であって、所定の重み付け関数の2以上の係数を含む、複数の重み付け係数データを予め記憶する手段と、前記当日利用者の受付時刻及びサービスの所要時間を取得する手段と、前記サービス順序ごとに、前記当日利用者の前記開始時刻として、前記受付時刻又は1つ前の前記予約利用者の終了時刻を設定し、設定した前記開始時刻に前記所要時間を加算して前記終了時刻を算出する手段と、前記サービス順序ごとに、前記当日利用者より後の前記予約利用者の前記開始時刻として、当該予約利用者の予約時刻及び1つ前の利用者の終了時刻のうち、遅い方の時刻を設定し、設定した前記開始時刻に前記所要時間を加算して前記終了時刻を算出する手段と、前記サービス順序ごとに、前記当日利用者の前記開始時刻から前記受付時刻を減算して、前記当日利用者の待ち時間を算出する手段と、前記サービス順序ごとに、前記予約利用者の前記開始時刻から前記予約時刻を減算して、前記予約利用者の待ち時間を算出する手段と、前記重み付け係数データごとに、以下の(1)〜(4)を実施する手段と、
(1)前記サービス順序ごとに、当該重み付け係数データによる重み付け関数を用いて前記予約利用者の待ち時間から重み付け待ち時間を計算する。
(2)前記サービス順序ごとに、当該重み付け係数データによる前記重み付け関数を用いて前記当日利用者の待ち時間から重み付け待ち時間を計算する。
(3)前記サービス順序ごとに、前記予約利用者及び前記当日利用者の重み付け待ち時間の平均値を計算し、記憶する。
(4)前記サービス順序のうち、前記重み付け待ち時間の平均値が最小になるサービス順序を特定し、当該サービス順序における前記予約利用者の待ち時間の平均値を計算し、当該サービス順序における前記当日利用者の待ち時間とともに記憶する。
前記重み付け係数データのうち、前記予約利用者の待ち時間の平均値が前記当日利用者の待ち時間以下であり、かつ、前記当日利用者の待ち時間が最小になる重み付け係数データを特定する手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、利用者のサービス順序を決定する際に用いる、待ち時間の重み付け関数の係数を決める際に、予約利用者の待ち時間平均値が当日利用者の待ち時間以下のものを選択することにより、予約利用者の当日利用者に対する不公平感をなくすことができる。そして、当日利用者の待ち時間が最小になるものを選択することにより、当日利用者の待ち時間の長さに対する不満をなくすことができる。以上によれば、サービスの利用者の間で不公平感が生じないようにサービス順序を決定することができる。
なお、予約利用者の重み付け関数と、当日利用者の重み付け関数とは、異なるものであり、異なる形式の関数か、同じ形式の関数(例えば、y=ax+b、x:待ち時間、y:重み付け待ち時間)であっても、係数(例えば、a、b)が異なるものとする。これは、重み付け待ち時間を計算する際に、当日利用者と比較して、予約利用者の待ち時間により多く重み付けをすることにより、予約利用者の実際の待ち時間をより短くしようとするものである。
また、本発明の上記重み付け関数決定装置において、予め記憶した前記重み付け係数データのいずれか1つを現在値として事前に記憶し、前記(1)〜(4)を実施する手段において、前記現在値の近傍にあり、かつ、タブーリストに記憶されていない複数の前記重み付け係数データを特定し、当該重み付け係数データによる前記重み付け関数を用いるとともに、前記重み付け係数を特定する手段において、特定した重み付け係数データを前記現在値として記憶し、当該重み付け係数データを前記タブーリストに記憶し、前記当日利用者の待ち時間が最良値による待ち時間より小さければ、前記最良値として当該重み付け係数データを記憶し、前記最良値による待ち時間として当該当日利用者の待ち時間を記憶し、前記(1)〜(4)を実施する手段及び前記重み付け係数データを特定する手段を所定回数繰り返して動作させることとしてもよい。
この構成によれば、予め用意した重み付け係数の組み合わせについて、総当りではなく、近傍解及びタブーリストを用いた探索処理を行うことにより、コンピュータの計算量を減らすことができる。
なお、本発明は、重み付け関数決定方法を含む。その他、本願が開示する課題及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、サービスの利用者の間で不公平感が生じないようにサービス順序を決定することができる。
サービス順序決定装置1のハードウェア構成を示す図である。 サービス順序決定装置1の記憶部15に記憶される患者データベース15Aの構成を示す図である。 サービス順序決定装置1の記憶部15に記憶されるデータの構成を示す図であり、(a)は待ち患者テーブル15Bの構成を示し、(b)は重み付け係数データ15Cの構成を示し、(c)は、計算係数データ15Dの構成を示す。 サービス順序決定装置1の記憶部15に記憶されるデータの構成を示す図であり、(a)は近傍解係数データ15Eの構成を示し、(b)は目的関数データ15Fの構成を示す。 サービス順序決定装置1が診察当日の患者データベース15Aを作成する処理を示すフローチャートである。 サービス順序決定装置1が待ち時間の重み付け関数の係数を計算する処理を示すフローチャートである。 サービス順序決定装置1が患者の待ち時間を短縮するための処理を示すフローチャートである。 サービス順序決定装置1が最適診察順序を計算する処理を示すフローチャートである。 待ち患者テーブル15Bの具体例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。本発明の実施の形態に係るサービス順序決定装置は、予約済の利用者のサービス時間の間又は前後(割り当て位置)に、当日受付の利用者のサービス時間を割り当てる際に、最初に待ち時間の重み付け関数の係数を計算し、次に各割り当て位置によるサービス順序について、各利用者の重み付け待ち時間の平均値を計算し、その平均値が最小になる位置を特定し、その特定した位置に当日受付利用者のサービス時間を割り当てるものである。
重み付け関数の係数を計算する際には、予め記憶された複数個の重み付け係数データ(係数の組み合わせ)に対して、例えば、試行錯誤的手法であるタブー探索法による探索処理を行うことにより、予約済利用者の待ち時間の平均値が当日受付利用者の待ち時間以下であり、かつ、当日受付利用者の待ち時間が最小になるような重み付け係数データを特定する。これによれば、利用者間における不公平感の軽減を図ることができる。以下では、提供されるサービスとして、病院における患者の診察を例にして説明する。
≪装置の構成と概要≫
図1は、サービス順序決定装置1のハードウェア構成を示す図である。サービス順序決定装置1は、通信部11、表示部12、入力部13、処理部14及び記憶部15を備え、各部がバス16を介してデータを送受信可能なように接続されている。通信部11は、ネットワークを介して他の装置とIP(Internet Protocol)通信等を行う部分であり、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。表示部12は、処理部14からの指示によりデータを表示する部分であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。入力部13は、オペレータがデータ(例えば、患者の診察順序を確認する際に、診察室を指定するためのデータ)を入力する部分であり、例えば、キーボードやマウス等によって実現される。処理部14は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、サービス順序決定装置1全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部15は、処理部14からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性記憶装置によって実現される。なお、サービス順序決定装置1は、病院の事務局等に設置されるが、スタンドアロンの装置(PC(Personal Computer)等)であってもよいし、ネットワークを介して複数の端末と通信可能な装置(サーバ等)であってもよい。
≪データの構成≫
図2、図3A及び図3Bは、サービス順序決定装置1の記憶部15に記憶されるデータの構成を示す図である。図2は、患者データベース15Aの構成を示す。患者データベース15Aは、病院の診療科における診察室及び診察日ごとに、患者の診察に関する予定データ及び実績データを蓄積したものであり、患者ID15A1、予約時刻15A2、受付時刻15A3、診察時間15A4、開始時刻15A5、終了時刻15A6及び待ち時間15A7を含む、患者ごとのレコードからなる。患者ID15A1は、当該診察室において当該診察日に診察を受ける(又は、受けた)患者に固有のIDである。予約時刻15A2が、前日までに予約済の患者の場合に、当該患者が予約した診察の開始時刻を示す。受付時刻15A3は、予約なしに当日来院した患者の場合に、当該患者を受け付けた時刻を示す。診察時間15A4は、患者の診察にかかる時間の予測値又は実績値を示す。開始時刻15A5は、患者の診察開始時刻の予測値又は実績値を示す。終了時刻15A6は、患者の診察終了時刻の予測値又は実績値を示し、開始時刻15A5に診察時間15A4を加算することにより算出され、設定される。待ち時間15A7は、患者が診察を待つ予定の(又は、実際に待った)時間を示し、予約済患者の場合、[開始時刻15A5−予約時刻15A2]により算出、設定され、当日受付患者の場合、[開始時刻15A5−受付時刻15A3]により算出、設定される。なお、患者データベース15Aは、診察室ごとに限らず、担当医師や医療設備ごとに患者の予定データ及び実績データを蓄積したものであってもよい。
図3A(a)は、待ち患者テーブル15Bの構成を示す。待ち患者テーブル15Bは、患者データベース15Aから診察順序の確定した待ち患者の予定データを抽出したものであり、患者ID15B1、予約時刻15B2、受付時刻15B3、診察時間15B4、開始時刻15B5、終了時刻15B6、待ち時間15B7、待ち時間15B8及び重み付け待ち時間15B9を含む、患者ごとのレコードからなる。患者ID15B1〜待ち時間15B7は、患者データベース15Aの患者ID15A1〜待ち時間15A7と同様である。待ち時間15B8は、時分単位である待ち時間15B7を分単位に変換したものである。重み付け待ち時間15B9は、待ち時間15B8を重み付け関数に代入して算出したものであり、例えば、待ち時間をx、重み付け待ち時間をyとしたときに、予約済患者の重み付け関数はy=1.5xとし、当日受付患者の重み付け関数はy=xとする。これにより、実際の予約済患者の待ち時間が当日受付患者の待ち時間より小さくなるように、患者の待ち時間を比較、評価することができる。
図3A(b)は、重み付け係数データ15Cの構成を示す。重み付け係数データ15Cは、待ち時間の重み付け関数の係数であり、m通りの解を示すm個のレコードが予め設定される。それぞれのレコードは、例えば、(a1、b1、・・・)、(a2、b2、・・・)、・・・、(am、bm、・・・)等の重み付け係数の組み合わせである。
図3A(c)は、計算係数データ15Dの構成を示す。計算係数データ15Dは、図5に示す重み付け係数の計算処理において用いられるワークデータであり、初期値15D1、最良値15D2、現在値15D3、最良近傍値15D4及び最良値の目的関数15D5を含む。初期値15D1は、計算処理における重み付け係数データの初期解であり、図5のフローではS0とする。最良値15D2は、その時点までの探索の結果、待ち時間の目的関数Wr及びWnが最もよい条件になる重み付け係数データの解であり、図5のフローではSbとする。現在値15D3は、計算処理における1回の探索ごとに遷移する現時点の重み付け係数データの解であり、図5のフローではSとする。最良近傍値15D4は、1回の探索において選択される重み付け係数データの近傍解のうち、待ち時間の目的関数Wr及びWnが最も好条件になる解であり、図5のフローではS’とする。最良値の目的関数15D5は、重み付け係数データが最良値15D2のときの、当日受付患者の待ち時間であり、図5のフローではSbWnとする。
図3B(a)は、近傍解係数データ15Eの構成を示す。近傍解係数データ15Eは、現在値15D3の近傍にある重み付け係数データの解であり、1回の探索において重み付け係数データ15CからM(<m)通りの解を示すM個のレコードが選択され、設定される。それぞれのレコードは、例えば、(a1、b1、・・・)、(a2、b2、・・・)、・・・、(aM、bM、・・・)等の重み付け係数の組み合わせである。当該探索において、現在値15D3は、選択された近傍解係数データ15E(M通りの近傍解)のうち、いずれか1つのレコード(最良近傍解)に遷移する。
図3B(b)は、目的関数データ15Fの構成を示す。目的関数データ15Fは、予約済患者の待ち時間の平均値及び当日受付患者の待ち時間であり、1回の探索において選択された近傍解係数データ15Eのレコード(M通りの近傍解)ごとに、目的関数の値として予約済患者の待ち時間平均値Wr及び当日受付患者の待ち時間Wnが設定される。
なお、一度行われた現在値15D3への遷移操作が設定されるタブーリストも、記憶部15に記憶されるものとする。
≪装置の処理≫
図4〜図7は、サービス順序決定装置1の処理を示すフローチャートである。本処理は、サービス順序決定装置1において、主として処理部14が記憶部15のデータを参照、更新しながら、患者データベース15Aを作成し、待ち時間の重み付け関数の係数を計算し、患者データベース15Aから待ち患者テーブル15Bを作成し、待ち患者テーブル15B及び待ち時間の重み付け関数を用いて各患者の最適なサービス順序を決定するものである。
図4は、対象となる診察日当日の患者データベース15Aを作成する処理を示す。まず、サービス順序決定装置1は、診察日前日のバッチ処理を行う(S401)。詳細には、最初に、患者ID及び予約時刻を含む予約データを取り込む。予約データは、バッチ処理の開始時刻までに受け付けた、診察日当日の診察予約に関するデータであり、他の装置に記憶されているデータをネットワーク経由で通信部11により受信してもよいし、記憶部15に記憶されているデータをワークメモリに読み出してもよい。次に、予約済患者ごとの診察時間を予測し、ワークメモリに設定する。診察時間を予測する方法については、過去の実績データの平均値や最頻値等を計算する統計的な方法でもよいし、特許第4194573号公報の[0072]や特許第4217689号公報の段落[0080]に開示された方法でもよい。
そして、患者ID、予約時刻及び診察時間からなるレコードを予約時刻の早い順及び診察時間の小さい順に並べ替える。続いて、予約時刻、診察時間及び各レコードの順序に基づいて、患者ごとの開始時刻、終了時刻及び待ち時間を特定し、各レコードに追加する。そのとき、開始時刻は、予約時刻又は1つ前の患者の終了時刻により決まる。終了時刻は、開始時刻に診察時間を加算することにより算出される。待ち時間は、開始時刻から予約時刻を減算することにより算出される。さらに、患者ID、予約時刻、診察時間、開始時刻、終了時刻及び待ち時間が確定した各レコードを患者データベース15Aへの追加分として記憶部15に記憶する。以上のバッチ処理により、予約データから患者データベース15Aの予定データが設定される。
続いて、サービス順序決定装置1は、待ち時間の重み付け関数の係数を計算するサブルーチンをコールする(S402)。本処理は、S401のバッチ処理と同様に診察日前日に行われる処理であり、過去の実績データ(例えば、診察日前日の午前中、最初に新規患者を受け付けた際の、その新規患者のデータ及びその時点の予約済患者のデータ)を用いて重み付け係数の計算を行うものであるが、その計算処理の詳細は、後記する。そして、計算処理の結果、最適な重み付け係数を最良値15D2として記憶部15に記憶する(S403)。
次に、サービス順序決定装置1は、当日に発生するイベントを監視する。詳細には、所定時間の間隔を空けながら、S405及びS406の処理を監視終了まで繰り返すことになる(S404〜S407)。まず、当日のイベントが発生したか否かを確認する(S405)。イベントには、当日受付、診察開始及び診察終了があるが、イベントが発生したときには、患者ID及びイベント時刻を含むイベントデータが通信部11により受信されるか、又は、入力部13により取得される。当日のイベントが発生していなければ(S405のNO)、確認を繰り返す(S405)。
当日のイベントが発生していれば(S405のYES)、サービス順序決定装置1は、イベントデータを取得し、記憶部15の患者データベース15Aに、対応する患者のレコード又は更新すべきデータを書き込む(S406)。当日受付の場合、新規受付患者の患者ID15A1及び受付時刻15A3を含むレコードを新規に追加する。診察開始の場合、該当する患者ID15A1のレコードに開始時刻15A5及び待ち時間15A7の実績値を設定する。診察終了の場合、該当する患者ID15A1のレコードに終了時刻15A6及び診察時間15A4の実績値を設定する。
図5は、待ち時間の重み付け関数の係数を計算する処理を示す。本処理は、図4のS402においてコールされるサブルーチンの処理であり、タブー探索法を用いる。すなわち、1回の探索において重み付け係数の現在値を、近傍値から選択された最良近傍値に遷移させながら、最良近傍値の目的関数がその時点の最良値の目的関数より好条件であれば、最良値を最良近傍値に更新する処理を行い、そのような探索処理を所定回数繰り返す。そして、その探索処理後の最良値が、最適な重み付け係数の計算値となる。
なお、探索処理の回数は多ければ多いほどよいが、探索処理をある程度繰り返すと、重み付け係数の最良値が変化しなくなり、収束してくるので、適当な回数が選択される。
初めに、サービス順序決定装置1は、予め記憶部15に記憶された重み付け係数データ15Cに含まれるm個のレコードのうち、1つのレコードを初期値15D1として記憶部15に設定し、S0とする(S501)。初期値15D1は、例えば、m個の中からランダムに決める。次に、最良値SbにS0を代入し、現在値SにS0を代入し、最良値の目的関数SbWnに待ち時間として想定されない大きい数値を代入する(S502)。そして、所定の探索回数に達するまでS504〜S512の探索処理を繰り返す(S503〜S513)。
まず、サービス順序決定装置1は、重み付け係数データ15Cから現在値Sの近傍解をM個選択し、近傍解係数データ15Eとして記憶部15に設定する(S504)。近傍解としては、例えば、現在値Sとのハミング距離(等しい文字数を持つ二つの文字列の中で、対応する位置にある異なった文字の個数)が所定値以下のものを選択する。その近傍解M個それぞれについて、S506及びS507の処理を行う(S505〜S508)。
最初に、サービス順序決定装置1は、記憶部15のタブーリストにおいて当該近傍解への遷移の操作が記憶されているか否かを判定する(S506)。当該近傍解への遷移が記憶されていれば(S506のYES)、S507の処理をスキップし、次の近傍解の処理を行う。当該近傍解への遷移が記憶されていなければ(S506のNO)、待ち時間の目的関数Wr、Wnを計算し、目的関数データ15Fとして記憶部15に設定する(S507)。目的関数Wr、Wnの計算では、図6のフローのうち、待ち患者テーブル15Bの作成(S603)、新規受付患者の診察時間の予測及び設定(S605)、最適診察順序の計算(S606)の各処理を実行した後、特定された順序パターンにおける、予約済患者の待ち時間の平均値Wr及び当日受付患者の待ち時間Wnを計算する。Wr及びWnの計算では、重み付けしない待ち時間を用いる。各処理の詳細は、後記する。
S505〜S508の処理の結果、近傍解係数データ15Eのうち、タブーリストに記憶されていない近傍解による予約済患者の待ち時間平均値Wr及び当日受付患者の待ち時間Wnが目的関数データ15Fとして記憶部15に記憶される。
続いて、サービス順序決定装置1は、記憶部15の目的関数データ15Fを参照して、予約済患者の待ち時間平均値Wrが当日受付患者の待ち時間Wn以下であり、かつ、当日受付患者の待ち時間Wnが最小になる近傍解を特定し、最良近傍値S’として記憶部15に設定するとともに、現在値Sを最良近傍値S’に遷移させるべく、現在値Sに最良近傍値S’を代入する(S509)。そして、記憶部15のタブーリストにS→S’の遷移操作を書き込む(S510)。これにより、その後の一連の探索において、同じS’への遷移操作が再度行われることはなく、探索処理の効率化が図られる。
さらに、サービス順序決定装置1は、最良近傍値S’の目的関数Wnが最良値の目的関数SbWnより小さいか否かを判定する(S511)。S’の目的関数WnがSbWnより小さくなければ(S511のNO)、S512の処理をスキップして、次の探索処理を行う(S504)。S’の目的関数WnがSbWnより小さければ(S511のYES)、最良値Sbに最良近傍値S’を代入し、最良値の目的関数SbWnに最良近傍値S’の目的関数Wnを代入する(S512)。
図6は、患者の待ち時間を短縮するための処理を示す。本処理は、診察日当日に、診察室ごとに、診察業務が実施されている最中に行われる。サービス順序決定装置1は、最初に診察室を選択する(S601)。そして、所定時間の間隔を空けながら、当該診察室に関してS603〜S607の処理を診察業務終了まで繰り返す(S602〜S608)。
まず、サービス順序決定装置1は、記憶部15の患者データベース15Aから、診察順序確定済の待ち患者のレコードを抽出し、待ち患者テーブル15Bを作成する(S603)。診察順序確定済の待ち患者とは、前日までの予約済患者及びS607により診察順序の確定した患者が対象となる。そして、1回目の処理では、待ち患者テーブル15Bを新規に作成し、記憶部15に記憶する。2回目以降の処理では、その時点で新たな診察順序確定済の待ち患者がいるときに、当該患者のレコードを記憶部15の待ち患者テーブル15Bに追加する。次に、予約外の新規受付患者がいるか否かを判定する(S604)。新規の受付患者がいるときには、患者データベース15Aに患者ID15A1及び受付時刻15A3だけが有効なレコードが記憶されている。新規の受付患者がいなければ(S604のNO)、S605〜S607の処理をスキップする。
新規の受付患者がいれば(S604のYES)、サービス順序決定装置1は、新規受付患者の診察時間を予測し、予測した診察時間を患者ID及び受付時刻とともにワークメモリに設定する(S605)。診察時間を予測する方法については、過去の実績データの平均値や最頻値等を計算する統計的な方法でもよいし、特許第4194573号公報の[0072]や特許第4217689号公報の段落[0080]に開示された方法でもよい。そして、待ち患者テーブル15Bを用いて、診察順序確定済の待ち患者のうち、どの患者の間に新規受付患者を割り当てるべきか、すなわち、最適診察順序を計算するサブルーチンをコールする(S606)。サブルーチンの処理の詳細は、後記する。その最適診察順序の計算により、新規受付患者の診察順序が確定する(S607)。このとき、確定した診察順序のデータを表示部12に表示してもよいし、通信部11により他の装置に送信してもよい。
なお、以上の処理では、診察室を選択し、その診察室ごとに新規受付患者を監視するように説明したが、各診察室に係る患者を新規に受け付けたときに、当該診察室に関するS605〜S607の処理タスクが生成され、動作するようにしてもよい。
図7は、最適診察順序の計算処理を示す。本処理は、図6のS606においてコールされるサブルーチンの処理であり、待ち患者テーブル15Bに対して新規受付患者を配置すべき位置を決めるものである。以下、図3A(a)及び図8の待ち患者テーブル15Bの具体例を参照しながら、説明する。
最初に、サービス順序決定装置1は、待ち患者テーブル15Bの患者数をカウントし、変数kに代入する(S701)。図3A(a)の例によれば、変数kには5が代入される。なお、変数kは、サービス順序決定装置1のワークメモリ上に確保される。次に、変数jを0からkまで変更しながら、S703〜S706の処理を繰り返す(S702〜S707)。
まず、サービス順序決定装置1は、待ち患者テーブル15Bのj番目とj+1番目のレコードの間に新規受付患者のレコードを配置し、そのときの全体の配置を順序パターンjとする(S703)。次に、待ち患者テーブル15Bの各患者の開始時刻15B5及び終了時刻15B6を計算し、設定する(S704)。
j=0の場合、すなわち、図8(a)を例にして説明すると、新規受付患者Aのレコードを待ち患者テーブル15Bの先頭に配置する際には、新規受付患者Aの開始時刻は、受付時刻9:00になり、新規受付患者Aの終了時刻は、開始時刻9:00に診察時間0:15を加算した時刻9:15になる。次の患者1の開始時刻は、その患者1の予約時刻9:00及び1つ前の患者Aの終了時刻9:15のうち、早くない(遅い又は同じ)方の時刻9:15になり、その患者1の終了時刻は、開始時刻9:15に診察時間0:10を加算した時刻9:25になる(以下、同様)。
j=2の場合、すなわち、図8(c)を例にして説明すると、新規受付患者Aのレコードを待ち患者テーブル15Bの患者2と3の間に配置する際には、新規受付患者Aの開始時刻は、患者2の終了時刻9:30になり、新規受付患者Aの終了時刻は、開始時刻9:30に診察時間0:15を加算した時刻9:45になる。次の患者3の開始時刻は、その患者3の予約時刻9:30及び1つ前の患者Aの終了時刻9:45のうち、早くない(遅い又は同じ)方の時刻9:45になり、その患者3の終了時刻は、開始時刻9:45に診察時間0:14を加算した時刻9:59になる(以下、同様)。
j=5の場合、すなわち、図8(f)を例にして説明すると、新規受付患者Aのレコードを待ち患者テーブル15Bの末尾に配置する際には、新規受付患者Aの開始時刻は、最後(1つ前)の予約済患者の終了時刻10:22になり、新規受付患者の終了時刻は、開始時刻10:22に診察時間0:15を加算した時刻10:37になる。
続いて、サービス順序決定装置1は、待ち患者テーブル15Bの各患者の待ち時間15B7、待ち時間15B8及び重み付け待ち時間15B9を計算し、設定する(S705)。予約済患者の待ち時間は、開始時刻から予約時刻を減算した時間になる。当日受付患者の待ち時間は、開始時刻から受付時刻を減算した時間になる。そして、時分単位の待ち時間15B7を、分単位の待ち時間15B8に変換する。さらに、係数の確定した重み付け関数を用いて、待ち時間15B8から重み付け待ち時間15B9を計算する。
j=1の場合、すなわち、図8(b)を例にして説明すると、当日受付患者Aの重み付け関数はy=xなので、重み付け待ち時間15B9=待ち時間15B8=10[分]となる。一方、予約済患者2の重み付け関数はy=1.5xなので、重み付け待ち時間15B9=1.5×待ち時間15B8=1.5×25=37.5[分]となる。
なお、重み付け関数の係数としては、図5に示すS507の処理の中で最適診察順序を計算する際には、S504で設定された近傍解係数データ15Eの各レコードが用いられる。一方、図6のS606で最適診察順序を計算する際には、S402で計算され、S403で記憶された重み付け係数(最良値15D2)が用いられる。
そして、各患者の重み付け待ち時間15B9の平均値AVGを計算し、ワークメモリに設定する(S706)。以上により、各順序パターンに関して、各患者の重み付け待ち時間の平均値AVGが設定される。
続いて、サービス順序決定装置1は、平均値AVGとして想定されない大きい数値(例えば、10000等の数値)を最小値の格納用変数AVGminに格納し、最適順序パターンの格納用変数Pを確保する(S708)。そして、変数jを0からkまで変更しながら、S710〜S711の処理を繰り返す(S709〜S712)。まず、順序パターンjにおける平均値AVGが最小値AVGminより小さいか否かを判定する(S710)。より小さければ(S710のYES)、最小値AVGminに順序パターンjにおける平均値AVGを代入し、最適順序パターンPに順序パターンjを代入する(S711)。なお、S708で予めAVGminに大きい数値が代入されているので、最初に行われるS710の判定では必ずYESになり、最小値AVGminが更新される。より小さくなければ(S710のNO)、S711の処理をスキップして、次の順序パターンjに関する判定処理を行う(S710)。
S709〜S712のループ処理が終了すると、平均値AVGが最小のものが最適順序パターンPに代入されることになるので、待ち患者テーブル15Bのうち、P番目とP+1番目の間に新規受付患者を配置した順序が最適診察順序になる(S713)。図8の例では、(a)〜(f)のうち、重み付け待ち時間の平均値が最小である(f)の順序パターンを最適順序として選択する。
上記実施の形態では、図1に示すサービス順序決定装置1内の各部を機能させるために、処理部14で実行されるプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録し、その記録したプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行させることにより、本発明の実施の形態に係るサービス順序決定装置1が実現されるものとする。この場合、プログラムをインターネット等のネットワーク経由でコンピュータに提供してもよいし、プログラムが書き込まれた半導体チップ等をコンピュータに組み込んでもよい。
以上説明した本発明の実施の形態によれば、サービス順序決定装置1において、患者の最適診察順序を計算するために、待ち時間の重み付け関数の係数を決める際に、予約済患者の待ち時間平均値Wrが当日受付患者の待ち時間Wn以下のものを選択することにより、予約済患者の当日受付患者に対する不公平感をなくすことができる。そして、当日受付患者の待ち時間が最小になるものを選択することにより、当日受付患者の待ち時間の長さに対する不満をなくすことができる。以上によれば、診察を受ける患者の間で不公平感が生じないように診察順序を決定することができる。
≪その他の実施の形態≫
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、以下のような実施の形態が考えられる。
(1)上記実施の形態では、病院の各診察室の医師による患者の診察についてサービス順序決定装置1を適用した例を説明したが、これに限ることなく、他のサービス提供施設、例えば、美容院や飲食店等におけるサービスについてサービス順序決定装置1を適用してもよい。サービスを提供する箇所は、病院の場合、診察室であるが、美容院の場合、席であり、飲食店の場合、テーブルや個室である。
(2)上記実施の形態では、重み付け係数の計算処理においてタブー探索法を利用するように記載したが、重み付け係数の最良解が得られる方法であれば、他の方法であってもよい。例えば、予め設定された重み付け係数の解のすべてについて、目的関数Wr、Wnを計算し、最も条件のよい解を選択する総当り的な方法でもよいし、遺伝的アルゴリズムを利用するようにしてもよい。
(3)図5のフローチャートにおいて、S603で診察順序確定済の待ち患者を抽出する際に、前日までの予約済患者及びS607により診察順序の確定した患者に限ることなく、例えば、当日の午前中に午後の診察を予約する患者を対象としてもよい。
(4)上記実施の形態では、待ち患者テーブル15Bの待ち時間15B8を定数倍して重み付け待ち時間15B9を計算したように、重み付け関数が1次関数の例を示したが、他の形式の重み付け関数、例えば、2次関数や指数関数を用いてもよい。
さらに、上記実施の形態では、重み付け関数の形式(例えば、y=ax+bx+c、x:待ち時間、y:重み付け待ち時間)が決まっていて、その関数の係数(例えば、a、b、c)を決定する手順について説明したが、重み付け関数そのものを決定するようにしてもよい。この場合、異なる形式の重み付け関数及び各形式の関数における係数の組み合わせ(重み付け関数データ)が予め設定されていて、その中から最適な重み付け関数データを特定することが考えられる。
1 サービス順序決定装置(重み付け関数決定装置)
14 処理部
15 記憶部
15B 待ち患者テーブル(予約データ)
15B1 患者ID(利用者)
15B2 予約時刻
15B3 受付時刻
15B4 診察時間(所要時間)
15B5 開始時刻
15B6 終了時刻
15B7 待ち時間
15B8 待ち時間
15B9 重み付け待ち時間
15D2 最良値
15D3 現在値
15D5 最良値の目的関数(最良値による待ち時間)
Wr 予約済患者の待ち時間平均値(予約利用者の待ち時間の平均値)
Wn 当日受付患者の待ち時間(当日利用者の待ち時間)

Claims (6)

  1. サービスを予約した利用者である、1以上の予約利用者ごとの、当日の予約時刻、サービスの所要時間、開始時刻及び終了時刻を含む予約データを記憶し、予約なしに当日受け付けた利用者である当日利用者を、前記予約利用者の間及び前後のうち、いずれか1つに割り当てたサービス順序を決定する際に用いる、各サービス順序における前記予約利用者の待ち時間及び前記当日利用者の待ち時間に重み付けを行う重み付け関数を決定する重み付け関数決定装置であって、
    前記重み付け関数を示す、複数の重み付け関数データを予め記憶する手段と、
    前記当日利用者の受付時刻及びサービスの所要時間を取得する手段と、
    前記サービス順序ごとに、前記当日利用者の前記開始時刻として、前記受付時刻又は1つ前の前記予約利用者の終了時刻を設定し、設定した前記開始時刻に前記所要時間を加算して前記終了時刻を算出する手段と、
    前記サービス順序ごとに、前記当日利用者より後の前記予約利用者の前記開始時刻として、当該予約利用者の予約時刻及び1つ前の利用者の終了時刻のうち、遅い方の時刻を設定し、設定した前記開始時刻に前記所要時間を加算して前記終了時刻を算出する手段と、
    前記サービス順序ごとに、前記当日利用者の前記開始時刻から前記受付時刻を減算して、前記当日利用者の待ち時間を算出する手段と、
    前記サービス順序ごとに、前記予約利用者の前記開始時刻から前記予約時刻を減算して、前記予約利用者の待ち時間を算出する手段と、
    前記重み付け関数データごとに、以下の(1)〜(4)を実施する手段と、
    (1)前記サービス順序ごとに、当該重み付け関数データを用いて前記予約利用者の待ち時間から重み付け待ち時間を計算する。
    (2)前記サービス順序ごとに、当該重み付け関数データを用いて前記当日利用者の待ち時間から重み付け待ち時間を計算する。
    (3)前記サービス順序ごとに、前記予約利用者及び前記当日利用者の重み付け待ち時間の平均値を計算し、記憶する。
    (4)前記サービス順序のうち、前記重み付け待ち時間の平均値が最小になるサービス順序を特定し、当該サービス順序における前記予約利用者の待ち時間の平均値を計算し、当該サービス順序における前記当日利用者の待ち時間とともに記憶する。
    前記重み付け関数データのうち、前記予約利用者の待ち時間の平均値が前記当日利用者の待ち時間以下であり、かつ、前記当日利用者の待ち時間が最小になる重み付け関数データを特定する手段と、
    を備えることを特徴とする重み付け関数決定装置。
  2. サービスを予約した利用者である、1以上の予約利用者ごとの、当日の予約時刻、サービスの所要時間、開始時刻及び終了時刻を含む予約データを記憶し、予約なしに当日受け付けた利用者である当日利用者を、前記予約利用者の間及び前後のうち、いずれか1つに割り当てたサービス順序を決定する際に用いる、各サービス順序における前記予約利用者の待ち時間及び前記当日利用者の待ち時間に重み付けを行う重み付け関数を決定する重み付け関数決定装置であって、
    所定の重み付け関数の2以上の係数を含む、複数の重み付け係数データを予め記憶する手段と、
    前記当日利用者の受付時刻及びサービスの所要時間を取得する手段と、
    前記サービス順序ごとに、前記当日利用者の前記開始時刻として、前記受付時刻又は1つ前の前記予約利用者の終了時刻を設定し、設定した前記開始時刻に前記所要時間を加算して前記終了時刻を算出する手段と、
    前記サービス順序ごとに、前記当日利用者より後の前記予約利用者の前記開始時刻として、当該予約利用者の予約時刻及び1つ前の利用者の終了時刻のうち、遅い方の時刻を設定し、設定した前記開始時刻に前記所要時間を加算して前記終了時刻を算出する手段と、
    前記サービス順序ごとに、前記当日利用者の前記開始時刻から前記受付時刻を減算して、前記当日利用者の待ち時間を算出する手段と、
    前記サービス順序ごとに、前記予約利用者の前記開始時刻から前記予約時刻を減算して、前記予約利用者の待ち時間を算出する手段と、
    前記重み付け係数データごとに、以下の(1)〜(4)を実施する手段と、
    (1)前記サービス順序ごとに、当該重み付け係数データによる重み付け関数を用いて前記予約利用者の待ち時間から重み付け待ち時間を計算する。
    (2)前記サービス順序ごとに、当該重み付け係数データによる前記重み付け関数を用いて前記当日利用者の待ち時間から重み付け待ち時間を計算する。
    (3)前記サービス順序ごとに、前記予約利用者及び前記当日利用者の重み付け待ち時間の平均値を計算し、記憶する。
    (4)前記サービス順序のうち、前記重み付け待ち時間の平均値が最小になるサービス順序を特定し、当該サービス順序における前記予約利用者の待ち時間の平均値を計算し、当該サービス順序における前記当日利用者の待ち時間とともに記憶する。
    前記重み付け係数データのうち、前記予約利用者の待ち時間の平均値が前記当日利用者の待ち時間以下であり、かつ、前記当日利用者の待ち時間が最小になる重み付け係数データを特定する手段と、
    を備えることを特徴とする重み付け関数決定装置。
  3. 請求項2に記載の重み付け関数決定装置であって、
    予め記憶した前記重み付け係数データのいずれか1つを現在値として事前に記憶し、
    前記(1)〜(4)を実施する手段において、前記現在値の近傍にあり、かつ、タブーリストに記憶されていない複数の前記重み付け係数データを特定し、当該重み付け係数データによる前記重み付け関数を用いるとともに、
    前記重み付け係数を特定する手段において、特定した重み付け係数データを前記現在値として記憶し、当該重み付け係数データを前記タブーリストに記憶し、前記当日利用者の待ち時間が最良値による待ち時間より小さければ、前記最良値として当該重み付け係数データを記憶し、前記最良値による待ち時間として当該当日利用者の待ち時間を記憶し、
    前記(1)〜(4)を実施する手段及び前記重み付け係数データを特定する手段を所定回数繰り返して動作させる
    ことを特徴とする重み付け関数決定装置。
  4. サービスを予約した利用者である、1以上の予約利用者ごとの、当日の予約時刻、サービスの所要時間、開始時刻及び終了時刻を含む予約データを記憶したコンピュータが、予約なしに当日受け付けた利用者である当日利用者を、前記予約利用者の間及び前後のうち、いずれか1つに割り当てたサービス順序を決定する際に用いる、各サービス順序における前記予約利用者の待ち時間及び前記当日利用者の待ち時間に重み付けを行う重み付け関数を決定する重み付け関数決定方法であって、
    前記コンピュータは、
    前記重み付け関数を示す、複数の重み付け関数データを予め記憶するステップと、
    前記当日利用者の受付時刻及びサービスの所要時間を取得するステップと、
    前記サービス順序ごとに、前記当日利用者の前記開始時刻として、前記受付時刻又は1つ前の前記予約利用者の終了時刻を設定し、設定した前記開始時刻に前記所要時間を加算して前記終了時刻を算出するステップと、
    前記サービス順序ごとに、前記当日利用者より後の前記予約利用者の前記開始時刻として、当該予約利用者の予約時刻及び1つ前の利用者の終了時刻のうち、遅い方の時刻を設定し、設定した前記開始時刻に前記所要時間を加算して前記終了時刻を算出するステップと、
    前記サービス順序ごとに、前記当日利用者の前記開始時刻から前記受付時刻を減算して、前記当日利用者の待ち時間を算出するステップと、
    前記サービス順序ごとに、前記予約利用者の前記開始時刻から前記予約時刻を減算して、前記予約利用者の待ち時間を算出するステップと、
    前記重み付け関数データごとに、以下の(1)〜(4)を実施するステップと、
    (1)前記サービス順序ごとに、当該重み付け関数データを用いて前記予約利用者の待ち時間から重み付け待ち時間を計算する。
    (2)前記サービス順序ごとに、当該重み付け関数データを用いて前記当日利用者の待ち時間から重み付け待ち時間を計算する。
    (3)前記サービス順序ごとに、前記予約利用者及び前記当日利用者の重み付け待ち時間の平均値を計算し、記憶する。
    (4)前記サービス順序のうち、前記重み付け待ち時間の平均値が最小になるサービス順序を特定し、当該サービス順序における前記予約利用者の待ち時間の平均値を計算し、当該サービス順序における前記当日利用者の待ち時間とともに記憶する。
    前記重み付け関数データのうち、前記予約利用者の待ち時間の平均値が前記当日利用者の待ち時間以下であり、かつ、前記当日利用者の待ち時間が最小になる重み付け関数データを特定するステップと、
    を実行することを特徴とする重み付け関数決定方法。
  5. サービスを予約した利用者である、1以上の予約利用者ごとの、当日の予約時刻、サービスの所要時間、開始時刻及び終了時刻を含む予約データを記憶したコンピュータが、予約なしに当日受け付けた利用者である当日利用者を、前記予約利用者の間及び前後のうち、いずれか1つに割り当てたサービス順序を決定する際に用いる、各サービス順序における前記予約利用者の待ち時間及び前記当日利用者の待ち時間に重み付けを行う重み付け関数を決定する重み付け関数決定方法であって、
    前記コンピュータは、
    所定の重み付け関数の2以上の係数を含む、複数の重み付け係数データを予め記憶するステップと、
    前記当日利用者の受付時刻及びサービスの所要時間を取得するステップと、
    前記サービス順序ごとに、前記当日利用者の前記開始時刻として、前記受付時刻又は1つ前の前記予約利用者の終了時刻を設定し、設定した前記開始時刻に前記所要時間を加算して前記終了時刻を算出するステップと、
    前記サービス順序ごとに、前記当日利用者より後の前記予約利用者の前記開始時刻として、当該予約利用者の予約時刻及び1つ前の利用者の終了時刻のうち、遅い方の時刻を設定し、設定した前記開始時刻に前記所要時間を加算して前記終了時刻を算出するステップと、
    前記サービス順序ごとに、前記当日利用者の前記開始時刻から前記受付時刻を減算して、前記当日利用者の待ち時間を算出するステップと、
    前記サービス順序ごとに、前記予約利用者の前記開始時刻から前記予約時刻を減算して、前記予約利用者の待ち時間を算出するステップと、
    前記重み付け係数データごとに、以下の(1)〜(4)を実施するステップと、
    (1)前記サービス順序ごとに、当該重み付け係数データによる重み付け関数を用いて前記予約利用者の待ち時間から重み付け待ち時間を計算する。
    (2)前記サービス順序ごとに、当該重み付け係数データによる前記重み付け関数を用いて前記当日利用者の待ち時間から重み付け待ち時間を計算する。
    (3)前記サービス順序ごとに、前記予約利用者及び前記当日利用者の重み付け待ち時間の平均値を計算し、記憶する。
    (4)前記サービス順序のうち、前記重み付け待ち時間の平均値が最小になるサービス順序を特定し、当該サービス順序における前記予約利用者の待ち時間の平均値を計算し、当該サービス順序における前記当日利用者の待ち時間とともに記憶する。
    前記重み付け係数データのうち、前記予約利用者の待ち時間の平均値が前記当日利用者の待ち時間以下であり、かつ、前記当日利用者の待ち時間が最小になる重み付け係数データを特定するステップと、
    を実行することを特徴とする重み付け関数決定方法。
  6. 請求項5に記載の重み付け関数決定方法であって、
    前記コンピュータは、
    予め記憶した前記重み付け係数データのいずれか1つを現在値として事前に記憶し、
    前記(1)〜(4)を実施するステップにおいて、前記現在値の近傍にあり、かつ、タブーリストに記憶されていない複数の前記重み付け係数データを特定し、当該重み付け係数データによる前記重み付け関数を用いるとともに、
    前記重み付け係数を特定するステップにおいて、特定した重み付け係数データを前記現在値として記憶し、当該重み付け係数データを前記タブーリストに記憶し、前記当日利用者の待ち時間が最良値による待ち時間より小さければ、前記最良値として当該重み付け係数データを記憶し、前記最良値による待ち時間として当該当日利用者の待ち時間を記憶し、
    前記(1)〜(4)を実施するステップ及び前記重み付け係数データを特定するステップを所定回数繰り返して実行する
    ことを特徴とする重み付け関数決定方法。
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