以下に図面を参照して、本発明にかかる巡回予定時刻通知プログラム、巡回予定時刻通知方法、および通知装置の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、通知装置による一動作例を示す説明図である。通知システム100は、患者データを管理するシステム102を用いて、入院の患者に医者の回診又は看護師の巡回などの予定時刻を通知する。通知装置101は、入院の患者が有するクライアント端末装置C1へ予定時刻を通知するコンピュータである。クライアント端末装置C1は、通知先のコンピュータである。患者データを管理するシステム102については、図2を用いて説明するが、電子カルテシステムや看護師支援システムなどがある。
従来、病院に入院している患者は、例えば医者や看護師による巡回を受ける。患者は、例えば、巡回を受ける目安となる時刻や時間帯を看護師などから通知される。また、目安となる時刻や時間帯は、病院のルールとして予め決まっている場合もある。例えば、患者は、「午前中の10時から12時の間」などのように通知される。目安となる時刻や時間帯は、巡回の開始時刻や作業進捗具合によって変化する。患者はベッドを離れるタイミングを判断することが難しい。患者は、ベッドから離れる用事がある場合、看護師などに自分の順番などを確認しなければならない。また、看護師は、このような問い合わせに対して調べて回答するなどの手間がかかる。
このように、病院に入院している患者に対する医者や看護師による巡回の予定時刻を患者に通知することが困難である。
そこで、本実施の形態では、通知装置101は、既存の患者管理のシステムでの更新や参照に応じて抽出した現在診療中の患者から特定の患者までの巡回の所要時間を予測し、この時間に基づく特定の患者の巡回予定時刻を特定の患者の端末に通知する。これにより、通知装置101は、患者データを管理する既存のシステムを利用して巡回の予定時刻を自動で患者の端末に通知することができる。既存のシステムとしては、上述した電子カルテシステムや看護師支援システムがある。したがって、患者は、巡回の予定時刻を容易に把握することができる。
システム102は、例えば、管理装置121と、管理DB122とを有する。管理装置121は、管理DB122への患者データ123の更新や参照などを管理するコンピュータである。管理DB122は、患者ID、病室、更新モード、医療情報のフィールドを有する。患者IDのフィールドには、患者を識別する識別子が設定される。病室のフィールドには、病室の番号が設定される。更新モードのフィールドには、患者データ123が更新中であるか参照中であるかなどの情報が設定される。例えば、更新モードが0の場合、更新および参照していないことを示し、更新モードが1の場合、更新中であることを示し、更新モードが2の場合、参照中であることを示す。システム102では、例えば、管理DB122への患者データ123のアクセスに応じて更新モードの値が設定される。医療情報のフィールドには、例えば患者への診療や看護などの医療行為に関する情報が設定される。各フィールドに情報が設定されることにより管理DB122へ患者データ123(123−1〜123−4など)がレコードとして記憶される。
まず、通知装置101は、特定の患者に対する巡回の予定時刻を通知する際、患者データを管理するシステム102において、更新可能なモードにて患者データ123が参照されている患者又は患者データの更新が完了した患者を抽出する。図1の例では、患者データ123−1が更新中であり、通知装置100は、患者ID「111」の患者を抽出する。例えば患者ID「114」の患者を特定の患者とする。
次に、通知装置101は、巡回の予定順序の順序情報131を参照し、抽出した参照されている患者又は完了した患者から特定の患者までに巡回が予定されている患者又は病室に応じて、特定の患者までの巡回の所要時間を算出する。順序情報131は、順番、患者ID、病室、時間のフィールドを有する。順番のフィールドには、巡回の順番が設定される。患者IDのフィールドには、患者を識別する識別子が設定される。病室のフィールドには、病室の番号が設定される。時間のフィールドには、患者への医療行為に要した所要時間が設定される。この時間は、例えば、過去の所要時間であってもよいし、過去の所要時間の統計量に基づいて設定された値であってもよい。また、この時間は、患者全体の平均値であってもよい。
具体的には、患者ID「111」の患者が抽出されたため、患者ID「111」から患者ID「114」までの間に巡回が予定されている患者は、患者ID「112」および患者ID「113」の2名の患者である。具体的には通知装置101は、例えば、この2名の患者の所要時間に基づいて、特定の患者までの巡回の所要時間を算出する。図1の例では、順序情報131に各患者の所要時間が登録されてある。2名の患者の合計の所要時間は、各患者への医療行為に要する過去の所要時間の合計値である。なお、通知装置101は、特定の患者までの巡回の所要時間の算出において、抽出された患者の所用時間を加算してもよい。
次に、通知装置101は、算出された所要時間に基づいた、特定の患者に対する巡回の予定時刻を、特定の患者のクライアント端末装置C1に通知する。通知装置101は、例えば、現在時刻に算出された所要時間が加算された時刻を、特定の患者に対する巡回の予定時刻としてクライアント端末装置C1に通知する。通知装置101は、予め患者のクライアント端末ごとにクライアント端末のメールアドレスなどの連絡先の情報を管理する。そして、通知装置101は、巡回の予定時刻を特定の患者のクライアント端末C1のメールアドレスに基づいてクライアント端末装置C1に通知する。なお、特定の患者の端末として、携帯端末装置であるクライアント端末装置C1を例に挙げているが、特定の患者が使用可能であれば特に限定しない。例えば、特定の患者の端末としては、病院内の待合室や廊下に設けられたディスプレイや病室内の共有のディスプレイなどであってもよく、特定の患者が巡回の予定時刻を把握できればよい。
これにより、巡回の予定時刻を予測するために巡回中の医師や看護師などの行動を監視する仕組みなどを新たに導入することなく、通知装置101は、電子カルテシステムや看護師支援システムなどの既存のシステムを利用して巡回の予定時刻を自動で患者の端末に通知することができる。これにより、入院患者は、毎日の医師や看護師に巡回の際に、自分の回診の予定時刻を把握できる。入院患者は、看護師などに確認することなくベッドを離れることができる。したがって、通知装置101は、患者の手間を省くことができる。また、通知装置101は、患者から看護師への問い合わせ量の低減化を図り、看護師の手間を省くことができる。
図1の例では、巡回が予定されている患者に応じて特定の患者までの巡回の所要時間を算出する具体例について説明したが、以下詳細な例では巡回が予定されている病室に応じて特定の患者までの巡回の所要時間を算出する具体例について説明する。
また、本実施の形態では、医師による巡回と看護師による巡回とを区別するために、医師による巡回については回診とし、看護師による巡回については巡回とする。
(通知システム100の構成例)
図2は、通知システム100の構成例を示す説明図である。通知システム100は、病院内で用いられるカルテシステムや看護支援システムなどで使用されるデータベースなどを利用した例である。通知システム100は、通知装置101と、クライアント端末装置C1〜Cmと、カルテ管理サーバ201と、看護支援管理サーバ202と、登録装置203と、を有する。
通知装置101、クライアント端末装置C1〜Cm、カルテ管理サーバ201、看護支援管理サーバ202、および登録装置203は、有線又は無線のネットワーク260を介して接続される。ネットワーク260は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
カルテ管理サーバ201は、カルテシステムDB210を有し、医師による電子カルテを管理する。通知装置101や登録装置203などからのカルテシステムDB210の参照や更新依頼などに応じて、カルテ管理サーバ201が、カルテシステムDB210の参照や更新を行う。
看護支援管理サーバ202は、看護支援システムDB220を有し、看護師による看護情報などを管理する。通知装置101や登録装置203などからの看護支援システムDB220の参照や更新依頼などに応じて、看護支援管理サーバ202が、看護支援システムDB220の参照や更新を行う。カルテシステムDB210や看護支援システムDB220の記憶内容については、後述する。
通知装置101は、スタート時刻テーブル230、巡回管理TBL240、および回診管理TBL250を有し、入院患者に対する医者による回診の時刻や看護師による巡回の予定時刻を算出して通知するコンピュータである。通知装置101は、例えば、サーバである。回診管理TBL250、巡回管理TBL240、スタート時刻テーブル230の記憶内容については、後述する。
登録装置203は、例えば、医師や看護師などがカルテシステムDB210や看護支援システムDB220に対して情報を登録する際に使用されるコンピュータである。
クライアント端末装置C1〜Cmのうち任意のクライアント端末を、「クライアント端末Cj」と表記する場合がある(j=1,2,・・・,m)。クライアント端末装置Cjは、例えば、入院患者が有する携帯端末装置である。クライアント端末装置Cjは、通知装置101からの医者による回診の時刻や看護師による巡回の時刻の通知を受け付ける。
(通知装置101のハードウェア構成例)
図3は、通知装置101のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、通知装置101は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、I/F(Interface)303と、ディスクドライブ304と、ディスク305と、を有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU301は、通知装置101の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
I/F303は、通信回線を通じてネットワーク260に接続され、ネットワーク260を介して他のコンピュータ(例えば、図2に示したカルテ管理サーバ201、看護支援管理サーバ202、クライアント端末C1〜Cm)に接続される。I/F303は、ネットワーク260と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。I/F303には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
ディスクドライブ304は、CPU301の制御に従ってディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク305は、ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク305としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
なお、通知装置101は、上述した構成部のほか、例えば、SSD(Solid State Drive)、キーボード、マウス、ディスプレイなどを有することにしてもよい。また、図2に示したカルテ管理サーバ201や看護支援管理サーバ202についても、通知装置101と同様のハードウェア構成により実現することができる。また、図2に示した登録装置203については、通知装置101と同様のハードウェア構成に、さらにディスプレイなどの出力装置、キーボードやマウスなどの入力装置を有するハードウェア構成によって実現することができる。
(クライアント端末Cjのハードウェア構成例)
図4は、クライアント端末Cjのハードウェア構成例を示すブロック図である。図4において、クライアント端末Cjは、CPU401と、メモリ402と、ディスクドライブ403と、ディスク404と、I/F405と、ディスプレイ406と、入力装置407とを有する。また、各構成部はバス400によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU401は、クライアント端末Cjの全体の制御を司る。メモリ402は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU401のワークエリアとして使用される。メモリ402に記憶されるプログラムは、CPU401にロードされることで、コーディングされている処理をCPU401に実行させる。
ディスクドライブ403は、CPU401の制御に従ってディスク404に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク404は、ディスクドライブ403の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク404としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
I/F405は、通信回線を通じてネットワーク260に接続され、ネットワーク260を介して他の装置(例えば、図2に示した通知装置101)に接続される。そして、I/F405は、ネットワーク260と自装置内部とのインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。
ディスプレイ406は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ406として、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)などを採用することができる。
入力装置407は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを有し、データの入力を行う。入力装置407は、キーボードやマウスなどであってもよく、また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。なお、クライアント端末Cjは、上述した構成部のうち、例えば、ディスクドライブ403およびディスク404を有していなくてもよい。
(各種DBの記憶内容)
次に、図5を用いて、カルテ管理サーバ201が有するカルテシステムDB210の記憶内容について説明する。図6を用いて、看護支援管理サーバ202が有する看護支援システムDB220の記憶内容について説明する。図7〜9を用いて、通知装置101が有する回診管理TBL250、巡回管理TBL240、スタート時刻テーブル230の記憶内容について説明する。各種DBは、図3に示したメモリ302、ディスク305などの記憶部により実現される。
図5は、カルテシステムDB210の記憶内容例を示す説明図である。図5において、カルテシステムDB210は、患者ID、病室、診療科、主訴、回診G、更新モード、更新時間のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、カルテ情報(例えば、カルテ情報500−1,500−2など)をレコードとして記憶する。カルテ情報500は、図1に示した患者データ123に相当する。
患者IDのフィールドには、病院に入院する患者を一意に識別する識別子が設定される。病室のフィールドには、患者が入院している病室を一意に識別する識別子が設定される。図5の例では、病室の識別子として病室番号が用いられる。診療科のフィールドには、入院患者が受診している診療科の名称が設定される。
主訴のフィールドには、患者が入院時の主訴の情報が設定される。回診Gのフィールドには、医師による回診のグループを識別する識別子が設定される。更新モードのフィールドには、カルテ情報500が更新中か参照中か操作なしかなどを示す情報が設定される。更新モードが「0」である場合、カルテ情報500に対する操作なしを示す。更新モードが「1」である場合、カルテ情報500を更新中であることを示す。更新モードが「2」である場合、カルテ情報500を参照中であることを示す。カルテシステムでは、カルテ管理サーバ201が、例えば、カルテシステムDB210内の各カルテ情報500へのアクセス状況に応じて各カルテ情報500の更新モードの値を設定する。更新時刻のフィールドには、カルテ情報500が最後に更新された時刻の情報が設定される。
カルテ情報500−1は、例えば、患者「10001」が、病室「301」に、診療科「内科」において主訴「肺炎」が原因で入院していることを示す。カルテ情報501−1は、患者「10001」が回診G「A01」に含まれることを示す。カルテ情報501−1は、例えば、更新モード「0」であるため、更新時刻「2016/10/19 10:12」に医師に回診されたことを示す。
これにより、通知装置101は、カルテシステムDB210を参照することで、医者による回診がどこまで進んでいるかを検索することができる。
図6は、看護支援システムDB220の記憶内容例を示す説明図である。図6において、看護支援システムDB220は、患者ID、病室、看護情報、巡回G、更新モード、更新時間のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、看護支援情報(例えば、看護支援情報600−1,600−2など)をレコードとして記憶する。看護支援情報600は、図1に示した患者データ123に相当する。
患者IDのフィールドには、病院に入院する患者を一意に識別する識別子が設定される。病室のフィールドには、患者が入院している病室を一意に識別する識別子が設定される。図6の例では、病室の識別子として病室番号が用いられる。看護情報のフィールドには、看護師による患者に対する看護に関する情報が設定される。
巡回Gのフィールドには、看護師による巡回のグループを識別する識別子が設定される。更新モードのフィールドには、看護支援情報600が更新中か参照中か操作なしかなどを示す情報が設定される。更新モードが「0」である場合、看護支援情報600に対する操作なしを示す。更新モードが「1」である場合、カルテ情報500を更新中であることを示す。更新モードが「2」である場合、看護支援情報600を参照中であることを示す。看護支援システムでは、看護支援管理サーバ202が、例えば、看護支援システムDB220内の各看護支援情報600へのアクセス状況に応じて護支援情報600の更新モードの値を設定する。更新時刻のフィールドには、看護支援情報600が最後に更新された時刻の情報が設定される。
看護支援情報600−1は、例えば、患者「10001」が、病室「301」に入院していることを示す。看護支援情報600−1は、患者「10001」が巡回G「J1」に含まれ、巡回時に看護情報「バイタル」を行うことを示す。また、看護支援情報600−1は、更新モード「0」であるため、更新時刻「2016/10/19 9:03」に看護師に巡回されたことを示す。
図7は、回診管理TBL250の記憶内容例を示す説明図である。回診管理TBL250は、医師による当日の回診の予定順路が登録されている。医師による回診は、例えば、入院の患者などが異なるため、日ごとによって異なる。このため、回診管理TBL250は、日ごとに、登録装置203などを介して医師や看護師などのユーザによって回診の予定順路が登録される。
回診管理TBL250は、回診G、病室、回診順、平均時間、当日実績時間のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、回診情報(例えば、回診情報700−1,700−2など)をレコードとして記憶する。
回診Gのフィールドには、回診のグループを識別する識別子が設定される。回診のグループとは、例えば、医者や複数の医者などのように各病室を回診するグループである。病室のフィールドには、患者が入院している病室を一意に識別する識別子が設定される。回診順のフィールドには、回診のグループが病室を回診する順番が設定される。
平均時間のフィールドには、病室ごとに病室の患者の回診に要した過去の実施時間の平均時間が設定される。平均時間に限らず、例えば、回診に要した過去の実施時間の中央値、最頻値などのような統計量であってもよい。当日実績時間のフィールドには、病室ごとに、当日に病室の患者の回診に要した時間が設定される。なお、当日の回診が終了していない場合、回診情報700−3のように、当日実績時間のフィールドには「−」が設定される。
回診情報700−1は、回診G「A01」の医師は病室「301」に対して、回診順「1」番目に回診することを示す。回診情報700−1は、回診G「A01」の医師が病室「301」の患者の回診に過去に平均時間「0:02」要したことを示す。また、回診情報700−1は、回診G「A01」の医師が当日病室「301」の患者の回診に当日実績時間「0:05」要したことを示す。
図8は、巡回管理TBL240の記憶内容例を示す説明図である。巡回管理TBL240は、巡回G、病室、巡回順、平均時間、当日実績時間のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、巡回情報(例えば、巡回情報800−1,800−2など)をレコードとして記憶する。
巡回Gのフィールドには、巡回のグループを識別する識別子が設定される。巡回のグループとは、例えば、看護師や複数の看護師などのように各病室を巡回するグループである。病室のフィールドには、患者が入院している病室を一意に識別する識別子が設定される。巡回順のフィールドには、巡回のグループが病室を巡回する順番が設定される。
平均時間のフィールドには、病室ごとに病室の患者の巡回に要した過去の実施時間の平均時間が設定される。平均時間に限らず、例えば、巡回に要した過去の実施時間の中央値、最頻値などのような統計量であってもよい。当日実績時間のフィールドには、病室ごとに、当日に病室の患者の巡回に要した時間が設定される。なお、当日の回診が終了していない場合、当日実績時間のフィールドには「−」が設定される。
巡回情報800−1は、巡回G「J1」の医師が病室「301」に対して、巡回順「1」番目に回診することを示す。巡回情報800−1は、回診G「J1」の医師が病室「301」の患者の回診に過去に平均時間「0:05」要したことを示す。また、巡回情報800−1は、巡回G「J1」が当日、病室「301」の患者の回診に当日実績時間「0:05」要したことを示す。
図9は、スタート時刻テーブル230の記憶内容例を示す説明図である。スタート時刻テーブル230は、回診の開始の平均時刻と巡回の開始の平均時刻とが記憶されている。具体的にはスタート時刻テーブル230は、識別ID、開始平均時刻のフィールドを有する。識別IDのフィールドには、回診Gや巡回Gが設定される。また、開始平均時刻のフィールドには、回診Gの回診の開始の平均時刻や巡回Gの巡回の開始の平均時刻が設定される。なお、スタート時刻テーブル230には、平均時刻に限らず、過去の開始時刻のいずれかや過去の開始時刻の統計量を有していればよく、特に限定しない。統計量としては、例えば過去の開始時刻の最頻値、中央値、最短時刻などとが挙げられる。例えば、回診G「A01」の開始平均時刻は「10:20」である。
(通知装置101の機能的構成例)
図10は、通知装置101の機能的構成例を示すブロック図である。通知装置101は、第1算出部1001と、抽出部1002と、第2算出部1003と、判定部1004と、通知部1005と、を有する。第1算出部1001から通知部1005までの制御部1000の処理は、例えば、図3に示すCPU301がアクセス可能なメモリ302、ディスク305などの記憶装置に記憶されたプログラムにコーディングされている。そして、CPU301が記憶装置からプログラムを読み出して、プログラムにコーディングされている処理を実行する。これにより、制御部1000の処理が実現される。また、制御部1000の処理結果は、例えば、メモリ302、ディスク305などの記憶装置に記憶される。
抽出部1002は、特定の患者に対する巡回の予定時刻を通知する際、患者データを管理するシステムにおいて、更新モードにて患者データが参照されている患者又は患者データの更新が完了した患者を抽出する。患者データを管理するシステムは、上述した電子カルテシステム、看護支援システムである。患者データは、例えば、上述したカルテ情報500や看護支援情報600である。更新モードにて患者データが参照されているとは、カルテ情報500又は看護支援情報600の更新モードのフィールドに1又は2が設定されていることである。患者データの更新が完了しているとは、カルテ情報500内の更新モードのフィールドに0が設定され、かつカルテ情報500内の更新時刻のフィールドに含まれる日時の日付に現在の日付が設定されていることである。
第2算出部1003は、巡回の予定順序の情報を参照し、抽出部1002によって抽出された参照されている患者又は完了した患者から特定の患者までに巡回が予定されている患者又は病室に応じて、特定の患者までの巡回の所要時間を算出する。巡回が予定されている患者を巡回予定患者と称する。巡回が予定されている病室を巡回予定病室と称する。巡回の予定順序の情報は、回診管理TBL250や巡回管理TBL240などに含まれる。
ここで、巡回予定病室に応じて、巡回の所要時間を算出する例について説明する。複数の病室の各々の病室と、各々の病室内の患者への医療行為に要した過去の所要時間と、を対応付けた情報がメモリ302、ディスク305などの記憶部にある。回診管理TBL250や巡回管理TBL240などに含まれる。過去の所要時間は、例えば、過去の病室内の患者への医療行為に要した所要時間の合計値である。過去の所要時間は、前日の所要時間であってもよいし、過去の所要時間の統計量であってもよい。統計量としては、平均値、最頻値、最大値、最小値、中央値などが挙げられる。なお、回診管理TBL250や巡回管理TBL240などの例では、平均値が使用されている。
具体的には、第2算出部1003は、記憶部を参照し、複数の病室のうち、巡回予定病室に対応する過去の所要時間に基づいて、特定の患者までの巡回の所要時間を算出する。より具体的には第2算出部1003は、巡回予定病室に対応する過去の所要時間の合計値を、巡回の所要時間として算出する。
そして、第2算出部1003は、巡回の所要時間に基づいて、特定の患者の巡回の予定時刻を算出する。具体的には、第2算出部1003は、現在時刻に巡回の所要時間を加算した時刻を、特定の患者に対する巡回の予定時刻として算出する。
このように、巡回の所要時間を算出する際に巡回予定病室に対応する過去の所要時間を用いることにより、算出精度の向上を図ることができる。例えば、1日しか入院しない患者などの場合、過去の所要時間はわからない。また、例えば、重篤度合いなどによって患者への医療行為に要する所要時間は異なるため、患者全体の所要時間の平均値を過去の所要時間とすると、巡回の所要時間の算出精度が低くなる虞がある。
病院では、同様の症状の患者を同じ病室に入院させたり、重篤度合いや収容人数に応じて患者の病室を振り分けることがある。例えば、病院では、重篤度合いが高い患者をナースセンターに近い病室に振り分けて看護の容易化を図ることがある。また、例えば、病院では、退院した患者がいれば、退院した患者と同様の症状の患者を、退院した患者がいた病室に振り分けるなどが行われることがある。このため、病院内に入院している患者が変わっていても病室単位での所要時間に大幅な変化がないことが予想される。そこで、上述のように、第2算出部1003が病室単位での過去の所要時間を用いて巡回の所要時間を算出する。これにより、巡回の所要時間の算出精度の向上を図ることができる。
また、巡回予定患者に応じて巡回の所要時間を算出する処理は、巡回予定病室に応じて巡回の所要時間を算出する処理と同様である。複数の患者の各々の患者と、各々の患者への医療行為に要した過去の所要時間と、を対応付けた情報がメモリ302、ディスク305などの記憶部にあればよい。第2算出部1003は、この情報を参照して、巡回予定患者に対応する過去の所要時間に基づいて、巡回の所要時間を算出する。第2算出部1003は、巡回の所要時間に基づいて、特定の患者に対する巡回の予定時刻を算出する。
次に、通知部1005は、算出された所要時間に基づいた、特定の患者に対する巡回の予定時刻を、特定の患者のクライアント端末装置Ckに通知する。kは1〜mのいずれかである。通知方法としては、例えば、eメールやメッセージなどを用いればよい。なお、患者が有するクライアント端末装置のeメールアドレスなどの情報と患者IDとを対応付けた連絡先情報1013などは、予めディスク305などに記憶されていることとする。また、連絡先情報1013は、例えば、カルテシステムDB210や看護支援システムDB220、その他入院患者の管理情報などに記憶されているものを利用してもよく、特に限定しない。
また、上述した例では、実際に巡回が開始した後の段階で巡回の予定時刻を通知する際の各部の処理である。例えば、通知装置101は、巡回が開始する前に巡回の予定時刻を通知しておき、巡回が開始した後に、通知済みの予定時刻と再計算した後の予定時刻との差分に応じて予定時刻を再度通知してもよい。
まず、通知部1005は、特定の患者に対する巡回の第2予定時刻を通知する。第2予定時刻の通知タイミングは、例えば、巡回の開始前のタイミングである。第2予定時刻は、過去の開始時刻と、病室ごとの過去の所要時間又は患者ごとの過去の所要時間と、巡回の順番と、に基づいて算出された予定時刻であってもよい。また、第2予定時刻は、看護師によって任意に決定された予定時刻であってもよい。
第1算出部1001は、過去の巡回の開始時刻と、病室ごとの過去の所要時間又は患者ごとの過去の所要時間と、巡回の順番と、に基づいて、巡回の予定時刻を算出する。過去の巡回の開始時刻は、例えば、スタート時刻テーブル230などに記憶されてある。
そして、通知部1005は、第1算出部1001によって算出された予定時刻を患者のクライアント端末装置Ckに通知する。
そして、抽出部1002は、上述したように、特定の患者に対する巡回の予定時刻を通知する際、患者データを管理するシステムにおいて、更新モードにて患者データが参照されている患者又は患者データの更新が完了した患者を抽出する。そして、第2算出部1003は、上述したように、巡回予定病室又は巡回予定患者に基づいて、特定の患者に対する巡回の予定時刻を算出する。
次に、判定部1004は、第2算出部1003によって算出された巡回の予定時刻と、巡回の第2予定時刻と、の差分が第1閾値以上であるか否かを判定する。上述したように、巡回の第2予定時刻は、第1算出部1001によって算出された予定時刻である。第1閾値は、例えば、予め定められた固定値であってもよい。第1閾値は、誤差閾値1011である。誤差閾値1011は、「5分」などのように指定される。
通知部1005は、巡回の予定時刻と、巡回の第2予定時刻と、の差分が誤差閾値1011以上である場合に、巡回の予定時刻を特定の患者のクライアント端末装置Ckに通知する。また、通知部1005は、巡回の予定時刻と、巡回の第2予定時刻と、の差分が誤差閾値1011未満である場合に、巡回の予定時刻を特定の患者のクライアント端末装置Ckに通知しない。
また、通知部1005は、通知済みの予定時刻を第2予定時刻とし、第2予定時刻と、新たに第2算出部1003によって新たに算出された巡回の予定時刻との差分が誤差閾値1011以上であるか否かを判定してもよい。このように、通知装置101は、通知済みの予定時刻と、新たに算出された予定時刻との差分が、大きい場合に、再度予定時刻を通知することにより、何度も予定時刻が通知されるのを抑制することができる。
また、判定部1004は、第2算出部1003によって算出された所要時間が第2閾値以上であるか否かを判定する。第2閾値は、例えば、固定値であってもよいし、患者によって指定された時間であってもよい。ここでは、第2閾値は、患者によって指定された指定閾値1012である。指定閾値1012は、例えば、患者が巡回を受ける何分前にアラームを通知してほしいかによって決定される。例えば、指定閾値1012は、「5分」などのように指定される。なお、指定閾値1012については、患者ごとに指定可能である。指定閾値1012については、患者IDと対応付けて予めディスク305などに記憶されてあってもよい。また、指定閾値1012については、上述した連絡先情報1013に含まれていてもよい。
そして、通知部1005は、第2算出部1003によって算出された巡回の所要時間が指定閾値1012以上である場合に、第2算出部1003によって算出された予定時刻を、クライアント端末装置Ckに通知する。通知部1005は、第2算出部1003によって算出された巡回の所要時間が指定閾値1012未満である場合に、第2算出部1003によって算出された予定時刻を、クライアント端末装置Ckに通知しない。これにより、患者指定の時刻にアラームが通知される。
以上を踏まえて、各データベースを利用した詳細な処理について説明する。まず、カルテシステムDB210を利用した医師による回診における回診の予定時刻のアラーム通知について説明する。本実施の形態では、予め回診Gが設定され、回診Gごとに回診の予定順番が決まっていることとする。そして、以下の各部の処理については、回診Gごとに行われることとする。すなわち、以下の説明における病室単位については、回診Gと病室の組み合わせ単位で処理が行われることを示す。
第1算出部1001は、特定の患者ごとに、回診の予定時刻を算出する。第1算出部1001は、過去の回診の開始時刻における平均の開始時刻の所定時間前になったことを検出した場合などに予定時刻を算出する。特定の患者とは、入院中の全ての患者であってもよいし、予定時刻の通知の指示があった患者であってもよいし、特に限定しない。所定時間が30分前であれば、例えば、第1算出部1001は、過去の平均開始時刻の30分前になった場合に予定時刻を算出する。
具体的には第1算出部1001は、例えば、特定の患者ごとに、回診管理TBL250に登録された回診の順番と回診管理TBL250に登録された過去の病室の平均所要時間に基づいて、回診の平均開始時刻から特定の患者までの回診の所要時間を算出する。そして、第1算出部1001は、患者IDごとに、回診の所要時間と平均開始時刻とに基づいて、回診の予定時刻を算出する。
そして、通知部1005は、例えば、特定の患者について、患者のクライアント端末装置Ckに第1算出部1001によって算出された予定時刻を通知する。また、判定部1004は、第1算出部1001によって算出された回診の所要時間が指定閾値1012以上であるか否かを判断する。通知部1005は、回診の所要時間が指定閾値1012以上である場合に、第1算出部1001によって算出された巡回の予定時刻を通知する。通知部1005は、算出された回診の所要時間が指定閾値1012以上でない場合に、算出された巡回の予定時刻を通知しない。
次に、抽出部1002は、例えば、回診の順番に病室単位で、病室内の患者の更新が完了したことを抽出する。具体的には、抽出部1002は、回診の順番に病室単位で、カルテ情報500に含まれる更新時刻の日付が現在の日付になっているか否かに基づいて、病室内の患者の更新が完了したことを抽出する。抽出部1002は、例えば、回診の順番に病室単位で、カルテ情報500に含まれる更新時刻の日付が現在の日付になっている場合、病室内の患者の更新が完了したと判断する。
第2算出部1003は、病室内の患者の更新が完了した場合、回診管理TBL250に登録された病室について、当日実績時間を算出する。具体的には、第2算出部1003は、病室内の患者についてのカルテ情報500に含まれる更新時刻のうち最も早い時刻から最も遅い時刻までの時間を当日実績時間として算出する。
回診G「A01」の回診順の先頭である病室「301」を例に挙げて当日実績時間の算出例を説明する。カルテシステムDB210では、病室「301」の患者は患者ID「10001」と患者ID「10002」の2名である。現在の日付が「2016/10/19」とすると、図5の例では、患者ID「10002」については更新が完了していない。例えば、患者ID「10002」についての更新時刻が「2016/10/19 10:17」に更新されたとする。抽出部1002は、病室「301」内の患者の更新が完了したと判断する。そして、第2算出部1003は、病室「301」内の患者の更新が完了した場合、「2016/10/19 10:12」から「2016/10/19 10:17」までの時間「0:05」を当日実績時間として算出する。第2算出部1003は、算出した当日実績時間を回診情報700−1に登録する。
また、第2算出部1003は、算出した当日実績時間と、平均時間と、に基づいて、新たな平均時間を算出して回診情報700に登録する。
第2算出部1003は、回診の順番に基づいて、患者の更新が完了した病室の次の病室から、特定の患者を含む病室よりも前の病室までの病室を予定巡回病室として特定する。そして、第2算出部1003は、回診管理TBL250における特定した予定巡回病室に対応する平均時間の合計値を巡回の所要時間として算出する。そして、第2算出部1003は、現在時刻に、算出した巡回の所要時間を加算することにより巡回の予定時刻を算出する。
そして、判定部1004は、通知済みの予定時刻と、第2算出部1003によって新たに算出された巡回の予定時刻と、の差分値が誤差閾値1011以上であるか否かを判断する。通知部1005は、差分値が誤差閾値1011以上である場合に、算出された巡回の予定時刻を通知する。通知部1005は、差分値が誤差閾値1011以上でない場合に、算出された巡回の予定時刻を通知しない。
また、判定部1004は、第2算出部1003によって算出された巡回の所要時間が指定閾値1012以上であるか否かを判断する。通知部1005は、第2算出部1003によって算出された巡回の所要時間が指定閾値1012以上である場合に、算出された巡回の予定時刻を通知する。通知部1005は、算出された巡回の所要時間が指定閾値1012以上でない場合に、算出された巡回の予定時刻を通知しない。
次に、看護支援システムDB220を利用した看護師による巡回における巡回の予定時刻のアラーム通知について説明する。本実施の形態では、予め巡回Gが設定され、巡回Gごとに巡回の予定順番が決まっていることとする。そして、以下の各部の処理については、巡回Gごとに行われることとする。すなわち、以下の説明における病室単位については、巡回Gと病室の組み合わせ単位で処理が行われることを示す。
第1算出部1001は、特定の患者ごとに、巡回の予定時刻を算出する。第1算出部1001は、過去の巡回の開始時刻における平均の開始時刻の所定時間前になったことを検出した場合などに予定時刻を算出する。特定の患者とは、入院中の全ての患者であってもよいし、予定時刻の通知の指示があった患者であってもよいし、特に限定しない。例えば所定時間が30分前であれば、例えば、第1算出部1001は、過去の平均開始時刻の30分前になった場合に予定時刻を算出する。
具体的には第1算出部1001は、例えば、特定の患者ごとに、巡回管理TBL240に登録された巡回の順番と巡回管理TBL240に登録された過去の病室の平均所要時間に基づいて、巡回の平均開始時刻から特定の患者までの巡回の所要時間を算出する。そして、第1算出部1001は、特定の患者ごとに、巡回の所要時間と平均開始時刻とに基づいて、巡回の予定時刻を算出する。
そして、通知部1005は、例えば、特定の患者について、患者のクライアント端末装置Ckに第1算出部1001によって算出された予定時刻を通知する。また、判定部1004は、第1算出部1001によって算出された巡回の所要時間が指定閾値1012以上であるか否かを判断する。通知部1005は、巡回の所要時間が指定閾値1012以上である場合に、第1算出部1001によって算出された巡回の予定時刻を通知する。通知部1005は、算出された巡回の所要時間が指定閾値1012以上でない場合に、算出された巡回の予定時刻を通知しない。
次に、抽出部1002は、例えば、巡回の順番に病室単位で、病室内の患者の更新が完了したことを抽出する。具体的には、抽出部1002は、巡回の順番に病室単位で、看護支援情報600に含まれる更新時刻の日付が現在の日付になっているか否かに基づいて、病室内の患者の更新が完了したことを抽出する。抽出部1002は、例えば、巡回の順番に病室単位で、看護支援情報600に含まれる更新時刻の日付が現在の日付になっている場合、病室内の患者の更新が完了したと判断する。
第2算出部1003は、病室内の患者の更新が完了した場合、巡回管理TBL240に登録された病室について、当日実績時間を算出する。具体的には、第2算出部1003は、病室内の患者についての看護支援情報600に含まれる更新時刻のうち最も早い時刻から最も遅い時刻までの時間を当日実績時間として算出する。
巡回G「J1」の回診順の先頭である病室「301」を例に挙げて当日実績時間の算出例を説明する。看護支援システムDB220では、病室「301」の患者は患者ID「10001」と患者ID「10002」の2名である。現在の日付が「2016/10/19」とすると、図6の例では、患者ID「10002」については更新が完了している。そして、抽出部1002は、病室「301」内の患者の更新が完了したと判断する。そして、第2算出部1003は、病室「301」内の患者の更新が完了した場合、「2016/10/19 9:03」から「2016/10/19 9:05」までの時間「0:02」を当日実績時間として算出する。第2算出部1003は、算出した当日実績時間を巡回情報800−1に登録する。
また、第2算出部1003は、算出した当日実績時間と、平均時間と、に基づいて、新たな平均時間を算出して巡回情報800に登録する。第2算出部1003は、算出した当日実績時間と平均時間との合計値を2で除算した値を新たな平均時間としてもよい。
第2算出部1003は、巡回の順番に基づいて、患者の更新が完了した病室の次の病室から、特定の患者を含む病室よりも前の病室までの病室を予定巡回病室として特定する。そして、第2算出部1003は、巡回管理TBL240における特定した予定巡回病室に対応する平均時間の合計値を巡回の所要時間として算出する。そして、第2算出部1003は、現在時刻に、算出した巡回の所要時間を加算することにより巡回の予定時刻を算出する。
その後の看護師による巡回における判定部1004と通知部1005による処理については、医師による回診の場合と同じであるため、詳細な説明を省略する。
(通知装置101による巡回予定時刻通知処理手順例を示すフローチャート)
図11は、通知装置101による巡回予定時刻通知処理手順例を示すフローチャートである。看護師による巡回については、括弧書きで説明するが、医師による回診の予定時刻の通知処理と看護師による巡回の予定時刻の通知処理とは別の処理として行われる。図11に示す各処理については、回診G(巡回G)単位で行うこととする。
まず、通知装置101は、タイマーを監視して、スタート時刻テーブル230に基づいて、回診(巡回)の過去の平均開始時刻の30分前になったか否かを判断する(ステップS1101)。回診(巡回)の過去の平均開始時刻の30分前になっていないと判断された場合(ステップS1101:No)、通知装置101は、ステップS1101へ戻る。回診(巡回)の過去の平均開始時刻の30分前になったと判断された場合(ステップS1101:Yes)、通知装置101は、患者ごとの回診(巡回)の所要時間に基づく回診(巡回)の予定時刻を算出する(ステップS1102)。
そして、通知装置101は、回診(巡回)の所要時間が指定閾値より小さい患者へアラーム通知する(ステップS1103)。通知装置101は、病室単位で病室内の患者の情報が更新完了したか否かを判断する(ステップS1104)。ここでの患者の情報とは、例えば、カルテ情報500や看護支援情報600である。通知装置101は、例えば、病室単位について回診管理TBL250(巡回管理TBL240)に含まれる回診(巡回)順に確認する。ステップS1104において、通知装置101は、カルテシステムDB210(看護支援システムDB220)の更新モードや更新時刻などを抽出することにより病室単位で病室内の患者の情報が更新完了したか否かを判断する。
病室単位で病室内の患者の情報が更新完了していないと判断された場合(ステップS1104:No)、通知装置101は、ステップS1104に戻る。病室単位で病室内の患者の情報が更新完了したと判断された場合(ステップS1104:Yes)、通知装置101は、当日実績時間を反映して回診管理TBL250(巡回管理TBL240)の平均時間を更新する(ステップS1105)。通知装置101は、回診の所要時間に基づく回診(巡回)の予定時刻を算出する(ステップS1106)。ステップS1106において、通知装置101は、新たに病室内の患者の情報が更新完了した病室の次に回診が予定されている病室から、患者を含む病室よりも1つ前の病室までの巡回予定病室の過去の平均時間に基づいて、回診の所要時間を算出する。そして、通知装置101は、現在時刻に回診の所要時間を算出することにより回診の予定時刻を算出する。看護師による巡回の場合も同様に巡回の予定時刻が算出される。
通知装置101は、過去に算出された予定時刻と新たに算出された予定時刻との誤差と、誤差閾値との比較結果を判断する(ステップS1107)。誤差が誤差閾値以上でないと判断された場合(ステップS1107:誤差<誤差閾値)、通知装置101は、ステップS1104に戻る。
誤差が誤差閾値以上であると判断された場合(ステップS1107:誤差≧誤差閾値)、通知装置101は、アラーム通知済みであるか否かを判断する(ステップS1108)。アラーム通知済みでないと判断された場合(ステップS1108:No)、通知装置101は、指定閾値より巡回の所要時間が小さい患者へアラーム通知する(ステップS1109)。また、アラーム通知済みであると判断された場合(ステップS1108:Yes)、通知装置101は、既存のアラーム通知よりも前倒しの旨を通知する(ステップS1110)。ステップS1110において、通知装置101は、どの程度前倒しかを通知してもよいし、新たに算出された予定時刻を通知してもよい。
ステップS1109又はステップS1110の次に、通知装置101は、回診管理TBL250(巡回管理TBL240)の回診グループ(巡回グループ)単位で当日実績時間が全て更新されているか否かを判断する(ステップS1111)。巡回グループ(回診グループ)単位で当日実績時間が全て更新されていないと判断された場合(ステップS1111:No)、通知装置101は、ステップS1104に戻って、次の順番の病室について病室内の患者の情報が更新完了したか否かを判断する。回診G(巡回G)単位で当日実績時間が全て更新されていると判断された場合(ステップS1111:Yes)、通知装置101は、一連の処理を終了する。
以上説明したように、通知装置101は、患者データを管理するシステムでの更新や参照を基に抽出した現在診療中の患者から特定の患者までの巡回の所要時間を予測し、予測した時間に基づく特定の患者の巡回予定時刻を特定の患者のクライアント端末に通知する。ここでの巡回には医師による巡回と看護師による巡回との両方を含む。これにより、巡回の予定時刻を予測するために巡回中の医師や看護師などの行動を監視する仕組みなどを新たに導入することなく、通知装置101は、巡回の予定時刻を自動で通知することができる。また、患者は、既存のシステムを使って巡回の予定時刻を容易に把握することができる。通知装置101は、患者から看護師への巡回の予定時刻に関する問い合わせ数の低減を図ることができる。したがって、通知装置101は、患者が看護師に巡回の予定時刻を問い合わせる手間や看護師が患者からの問い合わせに回答する手間を省くことができる。
また、通知装置101は、第2予定時刻と、今回算出された巡回の予定時刻との誤差が閾値以上である場合に、今回算出された巡回の予定時刻を通知する。第2予定時刻は、すでに通知済みの予定時刻や前回算出された予定時刻である。これにより、通知装置101は、通知済みの予定時刻や前回算出された予定時刻と、今回算出された予定時刻との誤差が大きい場合に今回算出された予定時刻を通知することができ、この誤差が小さい場合に通知しないようにできる。したがって、この誤差が小さい場合に、巡回の予定時刻が何度も通知されるのを抑制することができる。
また、通知装置101は、算出された巡回の所要時間が第2閾値以上である場合に、巡回の予定時刻を特定の患者の端末に通知し、算出された巡回の所要時間が第2閾値以上でない場合に、巡回の予定時刻を特定の患者の端末に通知しない。これにより、通知装置101は、指定された時間よりも前にアラームが通知されるのを抑制することができる。
上述したように、病院内に入院している患者が変わっていても病室単位での所要時間に大幅な変化がないことが予想される。そこで、通知装置101は、各々の病室と各々の病室内の患者への医療行為に要した過去の所要時間と、を対応付けた情報を参照し、抽出した患者から特定の患者までに巡回が予定されている病室に対応する過去の所要時間に基づいて、巡回の所要時間を算出する。これにより、巡回の所要時間の算出精度の向上を図ることができる。
また、以上において、本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。患者の端末として携帯端末装置のようなクライアント端末装置C1〜Cmを例に挙げたが、これに限らない。例えば、患者の端末は、患者が使用可能な端末であればよく、患者の端末としては、ウェアラブルデバイスであってもよいし、病院内のディスプレイや病室内のディスプレイであってもよい。また、登録装置201として、PCを例に挙げているが、看護師や医師が携帯可能な携帯端末装置であってもよいし、特に限定しない。
なお、本実施の形態で説明した巡回予定時刻通知方法は、予め用意された巡回予定時刻通知プログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本巡回予定時刻通知プログラムは、磁気ディスク、光ディスク、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、巡回予定時刻通知プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
また、本実施の形態で説明した通知装置101の制御部1000は、スタンダードセルやストラクチャードASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定用途向けIC(以下、単に「ASIC」と称す。)やFPGAなどのPLD(Programmable Logic Device)によっても実現することができる。具体的には、例えば、上述した制御部1000の機能をHDL記述によって機能定義し、そのHDL記述を論理合成してASICやPLDに与えることにより、通知装置101を製造することができる。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)特定の患者に対する巡回の予定時刻を通知する際、患者データを管理するシステムにおいて、更新可能なモードにて患者データが参照されている患者又は患者データの更新が完了した患者を抽出し、
巡回の予定順序の情報を参照し、抽出した前記参照されている患者又は前記完了した患者から前記特定の患者までに巡回が予定されている患者又は病室に応じて、前記特定の患者までの巡回の所要時間を算出し、
算出された前記所要時間に基づいた、前記特定の患者に対する巡回の予定時刻を、前記特定の患者の端末に通知する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする巡回予定時刻通知プログラム。
(付記2)前記巡回の所要時間を算出する処理は、複数の病室のそれぞれと病室内の患者への医療行為に要した過去の所要時間と、を対応付けた情報を参照し、前記複数の病室のうち、抽出した前記参照されている患者又は前記完了した患者から前記特定の患者までに巡回が予定されている病室に対応する過去の所要時間に基づいて、前記特定の患者までの巡回の所要時間を算出する、
ことを特徴とする付記1に記載の巡回予定時刻通知プログラム。
(付記3)前記対応付けた情報は、前記各々の病室と、前記各々の病室内の患者への医療行為に要した過去の所要時間の統計値とを対応付けた情報であることを特徴とする付記2に記載の巡回予定時刻通知プログラム。
(付記4)前記参照されている患者又は前記完了した患者を抽出する処理の前に、前記特定の患者に対する巡回の第2予定時刻を通知させ、
前記特定の患者の端末に通知する処理は、前記巡回の予定時刻と前記巡回の第2予定時刻との差分が閾値以上である場合に、前記巡回の予定時刻を前記特定の患者の端末に通知し、前記巡回の予定時刻と前記巡回の第2予定時刻との差分が前記閾値未満である場合に、前記巡回の予定時刻を前記特定の患者の端末に通知しない、
ことを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の巡回予定時刻通知プログラム。
(付記5)前記特定の患者の端末に通知する処理は、算出された前記所要時間が閾値以上である場合に、前記巡回の予定時刻を前記特定の患者の端末に通知し、算出された前記所要時間が前記閾値未満である場合に、前記巡回の予定時刻を前記特定の患者の端末に通知しない、
ことを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の巡回予定時刻通知プログラム。
(付記6)特定の患者に対する巡回の予定時刻を通知する際、患者データを管理するシステムにおいて、更新可能なモードにて患者データが参照されている患者又は患者データの更新が完了した患者を抽出し、
巡回の予定順序の情報を参照し、抽出した前記参照されている患者又は前記完了した患者から前記特定の患者までに巡回が予定されている患者又は病室に応じて、前記特定の患者までの巡回の所要時間を算出し、
算出された前記所要時間に基づいた、前記特定の患者に対する巡回の予定時刻を、前記特定の患者の端末に通知する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする巡回予定時刻通知方法。
(付記7)特定の患者に対する巡回の予定時刻を通知する際、患者データを管理するシステムにおいて、更新可能なモードにて患者データが参照されている患者又は患者データの更新が完了した患者を抽出し、
記憶部に記憶された巡回の予定順序の情報を参照し、抽出した前記参照されている患者又は前記完了した患者から前記特定の患者までに巡回が予定されている患者又は病室に応じて、前記特定の患者までの巡回の所要時間を算出し、
算出された前記所要時間に基づいた、前記特定の患者に対する巡回の予定時刻を、前記特定の患者の端末に通知する、
処理を実行する制御部を有することを特徴とする通知装置。