JP5087648B2 - シリンダ冷却水用ヘッダ配管のサイレンサ構造 - Google Patents
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Description
すなわち、図3及び図4において符号1で示されるものは混練押出機の長尺型のシリンダであり、このシリンダ1の外周には、このシリンダ1の外周側に内蔵された冷却ジャケット2に連通する状態で冷却水用配管3が接続され、この冷却水用配管3はシリンダ1のホッパシリンダ1aを除いた各シリンダセグメント1bに接続されている。
前記サイレンサパイプ6は、図5及び図6に示されるように構成され、前記ヘッダ配管出側5を横断(軸方向に対して直交する方向)して貫通する貫通孔7を貫通して配設されると共に、溶接で固定され、このサイレンサパイプ6の周面の一部角度範囲には多数の小穴8が形成されている。
前記ヘッダ配管出側5におけるサイレンサパイプ6を図5の断面とは90度異なる断面でみると図6の通りであり、サイレンサパイプ6がヘッダ配管出側5の軸中心に位置し、各小穴8が全周ではなく周面の一部に形成されていることが示されている。
また、前記ヘッダ配管入側4から供給される冷却水の量は、前記冷却水用配管3に設けられたバルブ3a(図4)によって自在に調整することができる。
すなわち、押出機は一般的に樹脂を溶融、混練、脱気などを行い、特に溶融、混練において粘度の高い樹脂は樹脂温度が高くなってしまうので樹脂の物性を維持するために樹脂温度を下げる運転をする。この時シリンダに供給する冷却水を多くするためにバルブ3aを全開にして運転することがある。
シリンダに冷却水を多く流すとシリンダがより冷却されサイレンサパイプ4に流れる蒸気量が多くなる。そのため周知のウォータハンマーが発生しやすくなる。
このウォータハンマーが発生するとヘッダ配管から大きな音がすると共にヘッダ配管が振動する。
その結果過去にヘッダ配管を固定しているサポートが損傷してヘッダ配管が脱落することがあった。このウォータハンマーを少なくするには、一般的にサイレンサパイプの穴径をできるだけ小さくし穴数を増やすことが有効であるといわれている。
この押出機の運転条件は樹脂原料、処理能力、混練度合や脱気度合などによりさまざまな運転条件があるので、サイレンサ効果がない場合が予測される。
そのような場合、従来構造でもサイレンサパイプの穴径を小さくして穴数を増やすことはできるが、サイレンサパイプをヘッダ配管に直接溶接しているため穴数を増やしたい場合にはヘッダ配管ごと交換する必要がありサイレンサパイプのみを交換することができなかった。そのために、ヘッダ配管毎の交換は、ウォータハンマーの発生の有無も確認しなければならず、その作業は容易なことではなかった。
すなわち、樹脂を溶融混練するシリンダの冷却ジャケット内を循環するシリンダ冷却水を案内するため前記シリンダに接続された冷却水用配管及びヘッダ配管と、前記ヘッダ配管を形成するためのヘッダ配管出側及びヘッダ配管入側と、前記ヘッダ配管出側に設けられ前記ヘッダ配管出側を横断する方向に貫通した貫通孔に設けられたサイレンサパイプと、前記サイレンサパイプに形成された多数の小穴と、を備え、前記シリンダ冷却水又はスチームが前記小穴を介して前記ヘッダ配管出側内に放出されるようにしたシリンダ冷却水用ヘッダ配管のサイレンサ構造において、前記貫通孔に設けられたサイレンサホルダパイプと、前記サイレンサホルダパイプの外周に形成された開口部と、を備え、前記サイレンサパイプは前記サイレンサホルダパイプ内に内挿され、前記各小穴は前記開口部に対応して位置し、前記サイレンサホルダパイプに対して前記サイレンサパイプは着脱自在であることにより、ヘッダ配管出側におけるサイレンサパイプの所望の穴径と穴数を変更したものに簡単に交換できる。また、サイレンサパイプは長さ方向に対して中心振り分けで小穴を設けているので、サイレンサホルダパイプに対してどちらの方向から挿入しても開口部に対して小穴が対応できる。
また、前記開口部は、前記ヘッダ配管出側の軸中心に配置されていることにより、サイレンサパイプの交換後も常に同じ消音動作を得ることができる。
また、前記サイレンサパイプの先端は前記冷却水用配管に接続されたメスオスエルボの端部に当接して固定されていることにより、サイレンサパイプの交換・固定が極めて容易となる。
前記サイレンサホルダパイプの他端には、断面カップ型をなすねじ込みキャップが螺合され、前記ねじ込みキャップ内に前記サイレンサパイプの後端が位置し、前記ねじ込みキャップの除去により前記サイレンサパイプを前記サイレンサホルダパイプから除去できる構成としたことにより、サイレンサパイプの交換が容易となる。
前記小穴の直径φと数は、直径φが2mm、数が201個であることにより、従来よりも小穴の開口率が増大し、大きい消音効果を得ることができる。
また、前記小穴は、前記サイレンサパイプの周面の全周にわたり形成されていることにより、サイレンサパイプを挿入する時の回転位置を無視でき、挿入・交換が容易となる。
また、サイレンサパイプの小穴の小穴径を従来よりも小さくすることにより、目詰まりが予想されるが、この目詰まりは、サイレンサパイプが簡単に取り外して清掃できる。
従って、前述の構成による本発明のサイレンサ構造の方が従来の構造に比較するとそのコストは40%下げることができた。
尚、従来例と同一又は同等部分については、同一符号を用いて説明し、図3及び図4の構成については、サイレンサパイプ6の構成が異なるのみで、他の構成は同一のため、これらを本発明の構成として援用し、その構成の説明も援用するものとする。
また、前記開口部21は、前記ヘッダ配管出側5の軸中心に配置されていると共に、軸方向に沿って所定の長さで形成されている。
前記サイレンサパイプ6の後端6bは、前記サイレンサホルダパイプ20の他端20bの外周に形成されたねじ部20cに断面カップ型をなすねじ込みキャップ9が螺合することにより、前記サイレンサホルダパイプ20内における前記後端6bの位置決めがなされるように構成されている。尚、前記ねじ込みキャップ9を除去することにより、サイレンサパイプ6はサイレンサホルダパイプ20に対して着脱自在に設けられている。
尚、前記小穴8の直径φと数は、従来の直径φが5mm、数が26に対して、本発明では、直径φが2mm、数が201とし、この場合が最も効果的な消音効果を得ることができた。
また、前記ヘッダ配管入側4から供給される冷却水の量は、前記冷却水用配管に設けられたバルブ3a(図4)によって自在に調整することができる。
2 冷却ジャケット
3 冷却水用配管
4 ヘッダ配管入側
5 ヘッダ配管出側
6 サイレンサパイプ
6a 先端
6b 後端
7 貫通孔
8 小穴
9 ねじ込みキャップ
10 ヘッダ配管
20 サイレンサホルダパイプ
20a 一端
20b 他端
21 開口部
22 ネジリング
23 カラー
24 メスオスエルボ
24a 端部
Claims (6)
- 樹脂を溶融混練するシリンダ(1)の冷却ジャケット(2)内を循環するシリンダ冷却水を案内するため前記シリンダ(1)に接続された冷却水用配管(3)及びヘッダ配管(10)と、前記ヘッダ配管(10)を形成するためのヘッダ配管出側(5)及びヘッダ配管入側(4)と、前記ヘッダ配管出側(5)に設けられ前記ヘッダ配管出側(5)を横断する方向に貫通した貫通孔(7)に設けられたサイレンサパイプ(6)と、前記サイレンサパイプ(6)に形成された多数の小穴(8)と、を備え、
前記シリンダ冷却水又はスチームが前記小穴(8)を介して前記ヘッダ配管出側(5)内に放出されるようにしたシリンダ冷却水用ヘッダ配管のサイレンサ構造において、
前記貫通孔(7)に設けられたサイレンサホルダパイプ(20)と、前記サイレンサホルダパイプ(20)の外周に形成された開口部(21)と、を備え、
前記サイレンサパイプ(6)は前記サイレンサホルダパイプ(20)内に内挿され、前記各小穴(8)は前記開口部(21)に対応して位置し、前記サイレンサホルダパイプ(20)に対して前記サイレンサパイプ(6)は着脱自在であることを特徴とするシリンダ冷却水用ヘッダ配管のサイレンサ構造。 - 前記開口部(21)は、前記ヘッダ配管出側(5)の軸中心に配置されていることを特徴とする請求項1記載のシリンダ冷却水用ヘッダ配管のサイレンサ構造。
- 前記サイレンサパイプ(6)の先端は前記冷却水用配管(3)に接続されたメスオスエルボ(24)の端部(24a)に当接して固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダ冷却水用ヘッダ配管のサイレンサ構造。
- 前記サイレンサホルダパイプ(20)の他端(20b)には、断面カップ型をなすねじ込みキャップ(9)が螺合され、前記ねじ込みキャップ(9)内に前記サイレンサパイプ(6)の後端(6b)が位置し、前記ねじ込みキャップ(9)の除去により前記サイレンサパイプ(6)を前記サイレンサホルダパイプ(20)から除去できる構成としたことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のシリンダ冷却水用ヘッダ配管のサイレンサ構造。
- 前記小穴(8)の直径φと数は、直径φが2mm、数は201個であることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のシリンダ冷却水用ヘッダ配管のサイレンサ構造。
- 前記小穴(8)は、前記サイレンサパイプ(6)の周面の全周にわたり形成されていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載のシリンダ冷却水用ヘッダ配管のサイレンサ構造。
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