JP5087574B2 - 密閉・防音ドア - Google Patents
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Description
このようなパッキングに関する技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1には、スチールドアに用いられるパッキングの技術が開示されており、この圧着部材は、ドア閉止時にドア外周部の四辺に沿ったシールを形成するように、ドア枠に取付けられるものであり、ドア枠に形成された凹部(溝)に嵌め込まれる基端側の基部(固着部)と、先端側に配置された細板状のマグネットからなる接触面とを備えている。
ドア閉止時には、細板状マグネットの表面(接触面)がドア表面の外縁部に密着することによって、ドアとドア枠との間に密封シールを形成し、密閉・防音性を確保している。
このようなパッキングが取付けられているドアが閉止される時には、ドアの手先側(即ち、ヒンジ部材から最も遠い側)等では、ドア表面が、細板状マグネットの表面に略直交する方向から該マグネットに接近してくるため、細板状マグネットは確実にドア表面に吸着される。
ドア閉止時には、ドア枠に設けられた取付け部に取付けられる基部と、ドアの当接面と密封的に接触する細長い接触面を備えた当接部と、基部と当接部とを接続する可撓性材料で形成された接続部が接触面を押圧すると共に、接触面は幅方向に傾斜して配置されているパッキングと、によって、ドアの角部が当接部を側方に押してしまうことを防止し、ドアとドア枠との間に密封シールを形成することによって、密閉・防音性が確保される構成になっている。
そのために、パッキングは、一方の側に嵌合溝部に嵌合される嵌合部を有する基部と、基部の他方の側に基部平面を備え、基部平面の所定位置からドアの側端部方向に第1円周面を有して延出される板状体の第1弾性部材と、第1弾性部材からドアの側端部側に所定の距離を置いて基部平面からドアの側端部方向に第2円周面を有して延出される板状体の第2弾性部材と、第1弾性部材と第2弾性部材を第1円周面と第2円周面に連続する第3円周面で連結する板状体の第3弾性部材と、で形成される主弾性部材と、第1弾性部材の第1円周面の所定の位置からドアの中心部方向に第4円周面を有して延出される板状体の副弾性部材と、を備え、前記主弾性部材における前記基部平面からの高さは、前記副弾性部材における基部平面からの高さよりも高くなるように形成されており、前記ドアが前記ヒンジ部材を中心として前記ドア枠に閉じられるとき、前記主弾性部材がドアの角部に当接するとともに弾性変形してドアの角部を乗り越えてドアの表面に当接し、この後、前記副弾性部材がドアの表面に当接するように形成されている。
これにより、パッキングから伸縮して押圧する接続部を無くすことができる。
この伸縮して押圧する接続部を無くした形状により、ドア閉止時に、ドアの角部がパッキングを側方に押してしまい、ドア枠とドアの側方の間にパッキングを挟んでしまう問題を無くすことができる。
同様に、副弾性部材も、第1弾性部材の第1円周面の所定の位置からドアの中心部方向に第4円周面を有して延出されるので、第4円周面がドアの表面との接触面になり、ドア閉止時に、常に決められた位置から当接する安定した接触を得ことができる。
そして、第1弾性部材の第1円周面(第3弾性部材の第3円周面も含む)による接触面と副弾性部材の第4円周面による接触面の二つの接触面を設けることにより、ドア閉止時に、ドアの表面と接触面の確実な接触と密閉性を得ることができる。
そして、主弾性部材と副弾性部材の先端部はフリーの状態になっており、ドア以外の部材と当接して主弾性部材と副弾性部材自体が圧縮されることもなく、又、ドアの表面への当接による撓みも主弾性部材と副弾性部材の先端部がフリーの状態であるので、主弾性部材と副弾性部材に内部応力を残さない撓みとなっている。
これによって、耐久特性や耐候特性に対しても規格値を満足させることができる。
この第1円周面と第4円周面によって、第1弾性部材と副弾性部材の波打ちを防止することができる。
更に、第1弾性部材の第1円周面、第2弾性部材の第2円周面、第3弾性部材の第3円周面のそれぞれの円周面を連続した円周面で連結することにより基部を含む筒形状になるので、第2弾性部材と第3弾性部材の波打ちを防止すると共に、第1弾性部材の波打ち防止を更に補強することができる。
そして、第1弾性部材の第1円周面から延出される副弾性部材は、第1弾性部材の第1円周面に対してリブの働きをする。
これによっても第1弾性部材の波打ちを防止することができる。
このように、パッキングのドアの表面に対する接触面の波打ちを無くす形状にすることによって、ドア閉止時に密閉・防音性を高めることができる。
これは、ドア閉止時に、初めに副弾性部材をドアに当接するようにすると、ドアの角部が副弾性部材の先端部を第1弾性部材側に押してしまい、ドアが副弾性部材を第1弾性部材側に折り畳んでしまう虞があるが、初めに主弾性部材がドアに当接し、次に副弾性部材がドアに当接するようにすればこの虞を解消することができる。
即ち、主弾性部材と副弾性部材のドアに対する当接順序を明確にすることにより、ドアが副弾性部材を第1弾性部材側に折り畳んでしまうことを防止し、主弾性部材と副弾性部材の二つの弾性部材によるドアへの障害無しの当接により、目的であるドア閉止時の密閉・防音性を確実に高めることができる。
そのために、第1弾性部材をドアの側端部方向側に延出するようにすれば、ドア閉止時に、第1弾性部材が伸縮しない形状に形成されていることから、ドアの角部が第1弾性部材を含む主弾性部材の先端を押上ながら簡単に乗り越えるので、ドアの角部が第1弾性部材を含む主弾性部材の先端を側方に押してしまい、ドアの表面と第1弾性部材の接触面の確実な接触と密閉性を欠く虞を無くすことができる。
これにより、ドア閉止時には、第1弾性部材の第1円周面(第3弾性部材の第3円周面も含む)と副弾性部材の第4円周面に設けた二つの接触面がドアの表面に密着する機能を、お互いに重なってしまう等のトラブル無しに発揮させることができ、ドアの表面と接触面の確実な接触と密閉性を得ることができる。
これにより、ドア閉止時に、ドアの表面と当接する第1弾性部材の第1円周面(第3弾性部材の第3円周面も含む)に集中する押圧力を分散させることができるので、第1弾性部材の第1円周面がドアと当接している接触面において、接触面が逆反りすることを防止できる。
即ち、第1弾性部材の第1円周面(第3弾性部材の第3円周面も含む)がドアの表面との接触面を減少させること無く、確実な接触と密閉性を得ることができる。
この摩擦減少処理は、例えば、少なくとも第1弾性部材の第1円周面と第3弾性部材の第3円周面及び副弾性部材の第4円周面にモリブデンの塗布、或いは、モリブデン電着加工によって行われる。
これによって、ドア閉止時に、ドアの表面と当接して摺動する第1弾性部材の第1円周面、第3弾性部材の第3円周面及び副弾性部材の第4円周面は滑りが良くなるので、ドアの角部が主弾性部材の先端をスムーズに押上ながら簡単に乗り越えることができる。
乗り越えた後に、第1弾性部材の第1円周面(第3弾性部材の第3円周面も含む)と副弾性部材の第4円周面のドアの表面との接触面を摩擦抵抗にじゃまされることなく増加することができる。
即ち、第1弾性部材の第1円周面(第3弾性部材の第3円周面も含む)と副弾性部材の第4円周面のドアの表面との接触面を増加させることにより、確実な接触と密閉性を得ることができる。
又、この摩擦減少処理により、第1弾性部材の第1円周面(第3弾性部材の第3円周面も含む)と副弾性部材の第4円周面のドアの表面との摺動部分に対して耐久性アップを図ることができる。
これにより、主弾性部材と副弾性部材のドアへの接触を阻害する接触面に対する空気の巻き込みを防止することができ、主弾性部材と副弾性部材のドアの表面へ接触する接触面を、常に安定させてドアの表面へ接触させることができる。
これにより、副弾性部材のドアの表面へ当接する接触面に対して、接触面をドアの表面に強く押圧する駆動源にすることができる。
即ち、副弾性部材の第4円周面のドアの表面との接触面を強く押圧することにより、副弾性部材においても確実な接触と密閉性を得ることができる。
このEPDMは、オレフィン系ゴムに分類されエチレンとプロピレン及び架橋用のジエンモノマーを使用した3元共重合体である。
非共役、ジエンモノマーである第3成分を共重合することにより硫黄架橋(加硫)が可能で、IIR(ブチルゴム)より耐オゾン性、耐熱劣化性、耐候性、耐寒性、耐極性、耐無機薬品性に優れ、反発弾性に関しては特に遥かに優れた特性を持っているので繰り返しの押圧に対する高い耐久性を有している。
そのため、パッキングを構成する主弾性部材及び副弾性部材の形状とEPDMの性質を合わせることによって、密閉・防音ドアが必要とする耐オゾン性、耐熱劣化性、耐候性、耐寒性とより高い耐久性を備えることができる。
このEPDMの硬度65度から75度(Hs)と主弾性部材及び副弾性部材の形状とを合わせることによって、主弾性部材及び副弾性部材のドアの表面への接触面の押圧力を適正にして確実な接触と密閉性を得ると共に、更なる耐久性の向上を図ることができる。
このSRは、シリコーンが重合度、側基の種類、橋かけの程度等によって液状、グリース状、ゴム状、樹脂状のものがあり、高重合度の線状のポリジメチルシロキサンあるいはその共重合体を中程度に橋かけしてゴム状弾性を示すようにしたものである。
シリコーンは、ケイ素原子と酸素原子が結合したシロキサン結合の繰り返し構造(−S
i−O)nからなる高分子を総称してポリシロキサン(polysiloxane)といい、そのうちアルキル基やアリール基などの有機基をもつものをいう。
SRの物性はこの分子構造に起因し、結合エネルギーが大きい、分子間力が小さくコイル形成能が大きい等により耐熱性、耐寒性、耐オゾン性、耐候性、撥水性、電気絶縁性、耐薬品性、圧縮永久ひずみ性、耐老化性などに優れている。
又、耐屈曲疲労性においても改良されたSRによって、高い耐久性を備えている。
そのため、パッキングを構成する主弾性部材及び副弾性部材の形状とSRの性質を合わせることによって、密閉・防音ドアが必要とする耐オゾン性、耐熱性、耐寒性、耐候性とより高い耐久性を備えることができる。
このSRの硬度20度から40度(Hs)と主弾性部材及び副弾性部材の形状とを合わせることによって、主弾性部材及び副弾性部材のドアの表面への接触面の押圧力を適正にして確実な接触と密閉性を得ると共に、更なる耐久性の向上を図ることができる。
これにより、主弾性部材及び副弾性部材のドアの表面への接触面の押圧力を適正にして確実な接触と密閉性を得ると共に、主弾性部材及び副弾性部材の形状を最小限にして物を引っかけたりすることを無くしたり、目立たなくしたりすることができる。
先ず、図1に基づいて、本実施形態に係る密閉・防音ドア1の構成を説明する。
ここで、図1は、本実施形態に係る密閉・防音ドアの構成を説明する斜視図である。
図1に示すように、密閉・防音ドア1は、ドア2と、ドア2を収納するドア枠3と、ドア2とドア枠3を開閉可能に連結するヒンジ部材4と、ドア2をドア枠3にヒンジ部材4を介して矢印Aの方向に回動して収納したときにドア枠3のドア2のヒンジ側端部Bと対向する位置に設けられた嵌合溝部5(図3参照)と、この嵌合溝部5に取り付けられると共にドア2のヒンジ側端部Bと当接するパッキング6(図2参照)とによって構成されている。
ドア2は、内部に図示しない防音材を収納したスチール製の防音ドアである。
更に、ドア2には、図示しないノブが取り付けられており、ドア2とドア枠3を連結するヒンジ部材4を回動中心として、ノブによってドア2を矢印A又は反矢印A方向に開閉することができる。
ドア枠3は、四角形のフレームであって、ドア枠3も防音性のドア枠である。
ここで、図2は、パッキングの形状を説明するパッキングの断面図である。
図2に示すように、パッキング6は、一方の面にドア枠3の嵌合溝部5に嵌合される嵌合部7を有する基部8を備えている。
嵌合部7は、基部8を含む略四角形の筒状の嵌合本体部9と、嵌合本体部9の両側面から基部8の方向に向かって外方向に延出される2対の板状体の突起部10、10とを備えている。
このパッキング6の嵌合部7では、1対の突起部10、10の先端同士の長さが、嵌合部7の取付け部となる嵌合溝部5の幅より大きくなるように設定されている。
そのため、嵌合部7を嵌合溝部5に嵌合させると、突起部10、10は基部8側に向かって強制的に曲げられた状態となり、突起部10、10が、図2の状態に復元しようとする復元力によって、嵌合部7が嵌合溝部5の内部に保持される。
これにより、この部分での密閉性、防音性は確保されている。
このドア2の表面との接触面である第1円周面12を備えることにより、第1弾性部材13の波打ちを防止することができる。
更に、第1弾性部材13が第1円周面12によりドア2の側端部方向に延出されるので、第1弾性部材13とドア2の表面のヒンジ側端部Bが当接したときに、第1弾性部材13を基部8方向に確実に撓ませることができると共に、第1円周面12の元の形状に復元しようとする復元力によってドア2の表面との接触面積を増加させる働きをする。
この第2円周面14を備えることにより、第2弾性部材15の波打ちを防止することができる。
更に、第2弾性部材15が第2円周面14によりドア2の側端部方向に延出されるので、第2弾性部材15を基部8方向に確実に撓ませることができると共に、第2円周面14の元の形状に復元しようとする復元力を内蔵する。
そして、パッキング6は、第1弾性部材13と第2弾性部材15を第1円周面12と第2円周面14に連続する第3円周面16で連結する板状体の第3弾性部材17を備えている。
この第3円周面16を備えることにより、第3弾性部材17の波打ちを防止することができる。
更に、第1弾性部材13とドア2の表面のヒンジ側端部Bが当接したときに、第2円周面14と第3円周面16の元の形状に復元しようとする復元力が協働して第1弾性部材13の先端がドア2の表面から浮くのを抑えると共に、第1円周面12のドア2の表面との接触面積を増加させる働きをする。
このドア2の表面との接触面である第4円周面19を備えることにより、副弾性部材20の波打ちを防止することができる。
更に、副弾性部材20が第4円周面19によりドア2の中心部方向に延出されるので、副弾性部材20とドア2の表面のヒンジ側端部Bが当接したときに、副弾性部材20を基部8方向に確実に撓ませることができる。
更に、第4円周面19の元の形状に復元しようとする復元力によってドア2の表面との接触面積を増加させる働きをする。
そして、副弾性部材20が第1弾性部材13に対するリブの働きをすることにより、第1弾性部材13の波打ちを防止する働きも有する。
これは、パッキング6を所定方向に確実に撓ませると共に、パッキング6がドア2の表面へ当接するときの当接箇所と接触面積をドア2の閉止状態に合わせて増加させること及び主弾性部材先端部Dと副弾性部材先端部Eの先端同士が重なり合うことによって発生する密閉・防音ドア1の性能低下を防止するためである。
更に、筒形状の主弾性部材18を形成する第3弾性部材17の内側には、主弾性部材18の断面と直交する方向に沿って第2板厚変更溝部22が形成されている。
これは、第2弾性部材15を撓み易くすると共に、主弾性部材18の第1円周面12がドア2の表面と当接するときの接触面の当接を均一にするためである。
この摩擦減少処理は、主弾性部材18を形成する第1弾性部材13の第1円周面12、第3弾性部材17の第3円周面16及び副弾性部材20の第4円円周面18の滑りを良くすることにより、ドア2の開閉時に、パッキング6の主弾性部材18と副弾性部材20がドア2の開閉動作に対して素早く対応するために施される。
更に、滑りを良くすることにより、第1弾性部材13の第1円周面12、第3弾性部材17の第3円周面16及び副弾性部材20の第4円円周面18の摩擦による摩耗を防止し耐久性を向上させる。
尚、摩擦減少処理は、モリブデンと同等の機能を出せればモリブデンでなくてもよい。
これは、ドア2がヒンジ部材4を中心としてドア枠3に閉じられたとき、初めに主弾性部材18がドア2の表面に当接し、次に副弾性部材20がドア2の表面に当接するようにするためである。
これにより、主弾性部材18と副弾性部材20のドア2の表面に対する当接順序を明確にすることができ、ドア2が副弾性部材20を第1弾性部材13側に折り畳んでしまうことを防止する。
又、パッキング6を構成する部材は、同様の機能を有するSR(シリコーンゴム)を使用してもよい。
尚、パッキング6を構成する部材は、耐久性及び耐候性等の特性が要求仕様に合う場合には、他の合成ゴム又は熱可塑性エラストマーでも良い。
そのために、パッキング6に使用するEPDMの硬度を65度から75度(Hs)にし、パッキング6の主弾性部材18と副弾性部材20の板厚を1.2mmから1.5mmにすることによって、密閉・防音ドア1に対して求められる規格とパッキング6の小型化を実現している。
尚、パッキング6にSRを使用する場合は、使用するSRの硬度を20度から40度(Hs)にすることが望ましい。
ここで、図3は、ドアがパッキングに当接する前の状態を説明するI−I部分断面図、図4は、ドアのヒンジ側角部がパッキングの主弾性部材に当接した状態を説明するI−I部分断面図、図5は、パッキングの主弾性部材が既にドアの表面に当接していると共に副弾性部材がドアの表面に当接した状態を説明するI−I部分断面図、図6は、ドアがドア枠に完全に閉じられたときのドアとパッキングの状態を説明するI−I部分断面図である。
そして、ドア2は、ヒンジ部材4を構成するドア側羽根24に図示しない部材(例えばネジ)によって取り付けられている。
これにより、ドア2は、ドア2を収納するドア枠3に対し、ヒンジ部材4の回動軸25を中心に回動させることにより開閉可能になる。
このドア対向面26の端部(ドア2の中心部側)には嵌合溝部5がドア枠3の全周にわたって設けられている(図1、図6参照)。
そして、基部8から延出される主弾性部材18の主弾性部材先端部Dがドア2の側端部方向へ、主弾性部材18の第1弾性部材13から延出される副弾性部材20の副弾性部材先端部Eがドア2の中心部方向へ、と互いに離れるように延出された状態で嵌合溝部5の入口から突出している。
又、嵌合溝部5に嵌合部7が挿入された図には、嵌合本体部9に設けられた2対の突起部10、10が嵌合溝部5の壁とオーバーラップされて描かれている。
これは、実際には、オーバーラップしている分だけ締まり嵌めで嵌合溝部5にパッキング6の嵌合部7が嵌合されていることを示している。
これは、基部8の基部平面11からの主弾性部材18の高さを副弾性部材20よりも高くすることにより、ドア2がヒンジ部材4を中心としてドア枠3に閉じられたとき、初めに必ず主弾性部材18がドア2のヒンジ側角部27に当接し、次に副弾性部材20がドア2の表面に当接するようにしているためである。
これにより、例えば、ドア閉止時に、初めにドア2の中心部方向に延出されている副弾性部材20をドア2の表面に当接するようにすると、ドア2のヒンジ側角部27が副弾性部材20の副弾性部材先端部Eを第1弾性部材13側に押してしまい、ドア2が副弾性部材20を第1弾性部材13側に折り畳んでしまう虞があるが、初めにドア2の側端部方向に延出されている主弾性部材18をドア2に当接させ、次に副弾性部材20がドア2の表面に当接するようにすればこの虞を解消することができる。
更に、このパッキング6の主弾性部材18の形状は、撓みはするが伸縮する箇所が無い簡単な形状なので、ドア2の側面に挟まれて密閉・防音性を損なうことは無い。
更に、この乗り越えは、パッキング6の主弾性部材18に施された滑りを良くする摩擦減少処理により素早くおこなわれる。
又、この摩擦減少処理は、繰り返されるドア2の開閉に対し、パッキング6の主弾性部材18がドア2のヒンジ側角部27を乗り越える際に発生する摩擦による摩耗を防止することにより耐久性を向上させている。
そのため、第1円周面12の接触面が空気を巻き込まないので、第1円周面12の接触面は、密閉・防音性を保持するための安定した接触面になっている。
又、主弾性部材18と副弾性部材20を時系列的にドア2の表面のヒンジ側端部Bに当接させて主弾性部材18と副弾性部材20の干渉を無くすための構成は、基部8の基部平面11からの主弾性部材18の高さを副弾性部材20よりも高くされていることと、それぞれの弾性部材の先端部、主弾性部材先端部Dと副弾性部材先端部Eが、延出点Cを通る基部8の基部平面11への垂線を基準として、主弾性部材先端部Dがドア2の側端部方向へ、副弾性部材先端部Eがドア2の中心部方向へと互いに離れるように延出されていることによる。
図5と比較すると、第1弾性部材13の第1円周面12(第3弾性部材17の第3円周面16も含む)は、最初にドア2の表面のヒンジ側端部Bに線接触したときから、自身の復元力と第2円周面14と第3円周面16の復元力の働きにより、ドア中心方向にドア2の表面のヒンジ側端部Bと面接触する量を更に増加させている。
このとき、第2弾性部材15の外側に設けられた第1板厚変更溝部21と第3弾性部材17の内側に設けられた第2板厚変更溝部22が、ドア2の表面と当接する第1弾性部材13の第1円周面12(第3弾性部材17の第3円周面16も含む)に集中する押圧力を分散させ、第1弾性部材13の第1円周面12がドア2の表面と当接している接触面において、接触面が逆反りすることを防止している。
これにより、第1弾性部材13の第1円周面12(第3弾性部材17の第3円周面16も含む)がドア2の表面との接触面を減少させること無く、確実な接触と密閉性を得ている。
これにより、副弾性部材20においても第4円周面19の接触面が空気を巻き込まないので、第4円周面19の接触面は、密閉・防音性を保持するための安定した接触面になっている。
更に、主弾性部材18がドア2によって押圧されると副弾性部材20の副弾性部材先端部Eは、押圧前の基部8の基部平面11に対する副弾性部材20の延出点Cを通る垂線に近付くようにしており、これにより、副弾性部材20のドア2の表面へ当接する接触面に対して、接触面をドア2に強く押圧する駆動源にしている。
ここで、図7は、主弾性部材の第1円周面が副弾性部材の第4円周面をドアの表面の端部に強く押圧することができる状態を説明するI−I部分断面図である。
図7に示す主弾性部材18と副弾性部材20の実線は、主弾性部材18と副弾性部材20がドア2の表面によって押圧されている状態を示し、点線は、押圧されていない状態を示す。更に一点鎖線は、主弾性部材18がドア2の表面によって押圧されている状態であるが副弾性部材20はフリーだと想定した場合の副弾性部材先端部Eの位置を示す。
図7に示すように、押圧されていない点線の状態でも副弾性部材先端部Eは、ドア2とオーバーラップしており、これが副弾性部材20における第4円周面19のドア2の表面を押圧する初期の駆動力となる。
そのために、副弾性部材先端部Eのドア2に対するオーバーラップが深くなり、深くなった分だけ初期の駆動力に対して副弾性部材20における第4円周面19のドア2の表面を押圧する駆動力が増加する。
これにより、副弾性部材20における第4円周面19のドア2の表面に対する接触面は、安定した接触面になっている。
このように、主弾性部材18の第1円周面12と副弾性部材20の第4円周面19によるドア2の表面のヒンジ側端部Bに接触する二つの安定した接触面を備えることにより、密閉・防音ドア1は、高い密閉性と防音性を得ることができる。
ここで、図8は、ドアの自由端がパッキングの主弾性部材に当接した状態を説明するII−II部分断面図、図9は、ドアの上側端部がパッキングの主弾性部材に当接した状態を説明するIII−III部分断面図、図10は、ドアの下側端部がパッキングの主弾性部材に当接した状態を説明するIV−IV部分断面図である。
図8に示すように、パッキング6の主弾性部材18(第1円周面12)がドア2の表面の自由端側端部Hに当接するときには、ドア2の幅が約1mであるので、ドア枠3のドア対向面26とドア2の表面の自由端側端部Hは、ほぼ平行になっている。
そのため、ドア2の閉止時に、パッキング6の主弾性部材18がドア2の自由端側角部28を乗り越えるような動作は無く、パッキング6の主弾性部材18(第1円周面12)とドア2の表面の自由端側端部Hの当接は、主弾性部材18が決められた方向(ドア2の側端部方向の基部8側)に撓む安定した単純な当接となる。
その後に発生するパッキング6の副弾性部材20(第4円周面19)とドア2の表面の自由端側端部Hの当接は、副弾性部材20が決められた方向(ドア2の中心部方向の基部8側)に撓む安定した単純な当接となる。
このように、主弾性部材18の第1円周面12と副弾性部材20の第4円周面19によるドア2の表面の自由端側端部Hに接触する二つの安定した接触面を備えることにより、密閉・防音ドア1は、高い密閉性と防音性を得ることができる。
図9に示すように、ドア2の上側端部Jとドア枠3のドア対向面26とは常に平行になるように開閉動作する。
そのため、ドア2の閉止時に、パッキング6の主弾性部材18がドア2の上端側角部29を乗り越えるような動作は全く無く、パッキング6の主弾性部材18(第1円周面12)とドア2の表面の上側端部Jの当接は、主弾性部材18が決められた方向(ドア2の側端部方向の基部8側)に撓む安定した単純な当接となる。
その後に発生するパッキング6の副弾性部材20(第4円周面19)とドア2の表面の上側端部Jの当接は、副弾性部材20が決められた方向(ドア2の中心部方向の基部8側)に撓む安定した単純な当接となる。
このように、主弾性部材18の第1円周面12と副弾性部材20の第4円周面19によるドア2の表面の上側端部Jに接触する二つの安定した接触面を備えることにより、密閉・防音ドア1は、高い密閉性と防音性を得ることができる。
図10に示すように、ドア2の下側端部Kとドア枠3のドア対向面26とは常に平行になるように開閉動作する。
そのため、ドア2の閉止時に、パッキング6の主弾性部材18がドア2の下端側角部30を乗り越えるような動作は全く無く、パッキング6の主弾性部材18(第1円周面12)とドア2の表面の下側端部Kの当接は、主弾性部材18が決められた方向(ドア2の側端部方向の基部8側)に撓む安定した単純な当接となる。
その後に発生するパッキング6の副弾性部材20(第4円周面19)とドア2の表面の下側端部Kの当接は、副弾性部材20が決められた方向(ドア2の中心部方向の基部8側)に撓む安定した単純な当接となる。
このように、主弾性部材18の第1円周面12と副弾性部材20の第4円周面19によるドア2の表面の下側端部Kに接触する二つの安定した接触面を備えることにより、密閉・防音ドア1は、高い密閉性と防音性を得ることができる。
こうして、それぞれの箇所でそれぞれの部材が協働することにより、密閉・防音ドア1は、高い密閉性と防音性を得ることができる。
そのために、パッキング6は、一方の側にドア枠3の嵌合溝部5に嵌合される嵌合部7を有する基部8と、基部8の他方の側に基部平面11を備え、基部平面11の所定位置からドア2の側端部方向に第1円周面12を有して延出される板状体の第1弾性部材13と、第1弾性部材13からドア2の側端部側に所定の距離を置いて基部平面11からドア2の側端部方向に第2円周面14を有して延出される板状体の第2弾性部材15と、第1弾性部材13と第2弾性部材15を第1円周面12と第2円周面14に連続する第3円周面16で連結する板状体の第3弾性部材17と、で形成される主弾性部材18と、第1弾性部材13の第1円周面12の所定の位置からドア2の中心部方向に第4円周面19を有して延出される板状体の副弾性部材20と、を備え、ドア2がヒンジ部材4を中心としてドア枠3に閉じられたとき、主弾性部材18がドア2の表面に当接した後に副弾性部材20をドア2の表面に当接するように形成されている。
これにより、パッキング6から伸縮して押圧する接続部を無くすことができる。
この伸縮して押圧する接続部を無くした形状により、ドア閉止時に、ドア2のヒンジ側角部27がパッキング6を側方に押してしまい、ドア枠3とドア2の側方の間にパッキング6を挟んでしまう問題を無くすことができる。
同様に、副弾性部材20も、第1弾性部材13の第1円周面12の所定の位置からドア2の中心部方向に第4円周面19を有して延出されるので、第4円周面19がドア2の表面との接触面になり、ドア閉止時に、常に決められた位置から当接する安定した接触を得ことができる。
そして、第1弾性部材13の第1円周面12(第3弾性部材17の第3円周面16も含む)による接触面と副弾性部材20の第4円周面19による接触面の二つの接触面を設けることにより、ドア閉止時に、ドア2の表面と接触面の確実な接触と密閉性を得ることができる。
そして、主弾性部材18の主弾性部材先端部Dと副弾性部材20の副弾性部材先端部Eはフリーの状態になっており、ドア2以外の部材と当接して主弾性部材18と副弾性部材20自体が圧縮されることもなく、ドア2の表面への当接による撓みも主弾性部材18の主弾性部材先端部Dと副弾性部材20の副弾性部材先端部Eがフリーの状態であるので、主弾性部材18と副弾性部材20に内部応力を残さない撓みとなっている。
これによって、パッキング6は、耐久特性や耐候特性に対しても規格値を満足させることができる。
この第1円周面12と第4円周面19によって、第1弾性部材13と副弾性部材20の波打ちを防止することができる。
更に、第1弾性部材13の第1円周面12、第2弾性部材15の第2円周面14、第3弾性部材17の第3円周面16のそれぞれの円周面を連続した円周面で連結することにより基部8を含む筒形状になるので、第2弾性部材15と第3弾性部材17の波打ちを防止すると共に、第1弾性部材13の波打ち防止を更に補強することができる。
そして、第1弾性部材13の第1円周面12から延出される副弾性部材20は、第1弾性部材13の第1円周面12に対してリブの働きをする。
これによっても第1弾性部材13の波打ちを防止することができる。
このように、パッキング6のドア2の表面に対する接触面の波打ちを無くす形状にすることによって、ドア閉止時に密閉・防音性を高めることができる。
これは、ドア閉止時に、初めに副弾性部材20をドア2に当接するようにすると、ドア2のヒンジ側角部27が副弾性部材20の副弾性部材先端部Eを第1弾性部材13側に押してしまい、ドア2が副弾性部材20を第1弾性部材13側に折り畳んでしまう虞があるが、初めに主弾性部材18がドア2に当接し、次に副弾性部材20がドア2に当接するようにすればこの虞を解消することができる。
即ち、主弾性部材18と副弾性部材20のドア2に対する当接順序を明確にすることにより、ドア2が副弾性部材20を第1弾性部材13側に折り畳んでしまうことを防止し、主弾性部材18と副弾性部材20の二つの弾性部材によるドア2への障害無しの当接により、目的であるドア閉止時の密閉・防音性を確実に高めることができる。
そのために、第1弾性部材13をドア2の側端部方向側に延出するようにすれば、ドア閉止時に、第1弾性部材13が伸縮しない形状に形成されていることから、ドア2のヒンジ側角部27が第1弾性部材13を含む主弾性部材18の主弾性部材先端部Dを押上ながら簡単に乗り越えるので、ドア2のヒンジ側角部27が第1弾性部材13を含む主弾性部材18の主弾性部材先端部Dを側方に押してしまい、ドア2の表面と第1弾性部材13の接触面の確実な接触と密閉性を欠く虞を無くすことができる。
これにより、ドア閉止時には、第1弾性部材13の第1円周面12(第3弾性部材17の第3円周面16も含む)と副弾性部材20の第4円周面19に設けた二つの接触面がドア2の表面に密着する機能を、お互いに重なってしまう等のトラブル無しに発揮させることができ、ドア2の表面と接触面の確実な接触と密閉性を得ることができる。
これにより、ドア閉止時に、ドア2の表面と当接する第1弾性部材13の第1円周面12(第3弾性部材17の第3円周面16も含む)に集中する押圧力を分散させることができるので、第1弾性部材13の第1円周面12がドア2の表面と当接している接触面において、接触面が逆反りすることを防止できる。
即ち、第1弾性部材13の第1円周面12(第3弾性部材17の第3円周面16も含む)がドア2の表面との接触面を減少させること無く、確実な接触と密閉性を得ることができる。
この摩擦減少処理は、例えば、少なくとも第1弾性部材13の第1円周面12と第3弾性部材17の第3円周面16及び副弾性部材20の第4円周面19にモリブデンの塗布、或いは、モリブデン電着加工によって行われる。
これによって、ドア閉止時に、ドア2の表面と当接して摺動する第1弾性部材13の第1円周面12、第3弾性部材17の第3円周面16及び副弾性部材20の第4円周面19は滑りが良くなるので、ドア2のヒンジ側角部27が主弾性部材18の主弾性部材先端部Dをスムーズに押上ながら簡単に乗り越えることができ、その後、第1弾性部材13の第1円周面12(第3弾性部材17の第3円周面16も含む)と副弾性部材20の第4円周面19のドア2の表面との接触面を摩擦抵抗にじゃまされることなく増加することができる。
即ち、第1弾性部材13の第1円周面12(第3弾性部材17の第3円周面16も含む)と副弾性部材20の第4円周面19のドア2の表面との接触面を増加させることにより、確実な接触と密閉性を得ることができる。
又、この摩擦減少処理により、第1弾性部材13の第1円周面12(第3弾性部材17の第3円周面16も含む)と副弾性部材20の第4円周面19のドア2の表面との摺動部分に対して耐久性アップを図ることができる。
これにより、主弾性部材18と副弾性部材20のドア2への接触を阻害する接触面に対する空気の巻き込みを防止することができ、主弾性部材18と副弾性部材20のドア2の表面へ接触する接触面を、常に安定させてドア2の表面へ接触させることができる。
これにより、副弾性部材20のドア2の表面へ当接する接触面に対して、接触面をドア2の表面に強く押圧する駆動源にすることができる。
即ち、副弾性部材20の第4円周面19のドア2の表面との接触面を強く押圧することにより、副弾性部材20においても確実な接触と密閉性を得ることができる。
このEPDMは、オレフィン系ゴムに分類されエチレンとプロピレン及び架橋用のジエンモノマーを使用した3元共重合体である。
非共役、ジエンモノマーである第3成分を共重合することにより硫黄架橋(加硫)が可能で、IIR(ブチルゴム)より耐オゾン性、耐熱劣化性、耐候性、耐寒性、耐極性、耐無機薬品性に優れ、反発弾性に関しては特に遥かに優れた特性を持っているので繰り返しの押圧に対する高い耐久性を有している。
そのため、パッキング6を構成する主弾性部材18及び副弾性部材20の形状とEPDMの性質を合わせることによって、密閉・防音ドア1が必要とする耐オゾン性、耐熱劣化性、耐候性、耐寒性とより高い耐久性を備えることができる。
このEPDMの硬度65度から75度(Hs)と主弾性部材18及び副弾性部材20の形状とを合わせることによって、主弾性部材18及び副弾性部材20のドア2の表面への接触面の押圧力を適正にして確実な接触と密閉性を得ると共に、更なる耐久性の向上を図ることができる。
このSRは、シリコーンが重合度、側基の種類、橋かけの程度等によって液状、グリース状、ゴム状、樹脂状のものがあり、高重合度の線状のポリジメチルシロキサンあるいはその共重合体を中程度に橋かけしてゴム状弾性を示すようにしたものである。
シリコーンは、ケイ素原子と酸素原子が結合したシロキサン結合の繰り返し構造(−S
i−O)nからなる高分子を総称してポリシロキサン(polysiloxane)といい、そのうちアルキル基やアリール基などの有機基をもつものをいう。
SRの物性はこの分子構造に起因し、結合エネルギーが大きい、分子間力が小さくコイル形成能が大きい等により耐熱性、耐寒性、耐オゾン性、耐候性、撥水性、電気絶縁性、耐薬品性、圧縮永久ひずみ性、耐老化性などに優れている。
又、耐屈曲疲労性においても改良されたSRによって、高い耐久性を備えている。
そのため、パッキング6を構成する主弾性部材18及び副弾性部材20の形状とSRの性質を合わせることによって、密閉・防音ドア1が必要とする耐オゾン性、耐熱性、耐寒性、耐候性とより高い耐久性を備えることができる。
このSRの硬度20度から40度(Hs)と主弾性部材18及び副弾性部材20の形状とを合わせることによって、主弾性部材18及び副弾性部材20のドア2の表面への接触面の押圧力を適正にして確実な接触と密閉性を得ると共に、更なる耐久性の向上を図ることができる。
これにより、主弾性部材18及び副弾性部材20のドア2の表面への接触面の押圧力を適正にして確実な接触と密閉性を得ると共に、主弾性部材18及び副弾性部材20に対して物が引っかからず目立たないサイズにすることができる。
2 ドア
3 ドア枠
4 ヒンジ部材
5 嵌合溝部
6 パッキング
7 嵌合部
8 基部
11 基部平面
12 第1円周面
13 第1弾性部材
14 第2円周面
15 第2弾性部材
16 第3円周面
17 第3弾性部材
18 主弾性部材
19 第4円周面
20 副弾性部材
21 第1板厚変更溝部
22 第2板厚変更溝部
Claims (11)
- ヒンジ部材と、
前記ヒンジ部材に取り付けられ、ヒンジ部材を中心として開閉するドアと、
前記ヒンジ部材が取り付けられ、前記ドアがヒンジ部材を中心として閉じられたときにドアを収納するドア枠と、
前記ドア枠に設けられた嵌合溝部と、
前記嵌合溝部に取り付けられる圧着部材と、を備え、
前記圧着部材は、
一方の側に前記嵌合溝部に嵌合される嵌合部を有する基部と、
前記基部の他方の側に基部平面を備え、基部平面の所定位置から前記ドアの側端部方向に第1円周面を有して延出される板状体の第1弾性部材と、第1弾性部材からドアの側端部側に所定の距離を置いて基部平面からドアの側端部方向に第2円周面を有して延出される板状体の第2弾性部材と、第1弾性部材と第2弾性部材を第1円周面と第2円周面に連続する第3円周面で連結する板状体の第3弾性部材と、で形成される主弾性部材と、
第1弾性部材の第1円周面の所定の位置からドアの中心部方向に第4円周面を有して延出される板状体の副弾性部材と、を備え、
前記主弾性部材における前記基部平面からの高さは、前記副弾性部材における基部平面からの高さよりも高くなるように形成されており、
前記ドアが前記ヒンジ部材を中心として前記ドア枠に閉じられるとき、前記主弾性部材がドアの角部に当接するとともに弾性変形してドアの角部を乗り越えてドアの表面に当接し、この後、前記副弾性部材がドアの表面に当接するようにしたことを特徴とする密閉・防音ドア。 - 前記第1弾性部材の第1円周面から延出される前記副弾性部材と、副弾性部材の延出点から延出される第1弾性部材は、延出点を通る前記基部平面からの垂線を基準として、副弾性部材がドアの中心部方向側に配設延出されると共に第1弾性部材がドアの側端部方向側に配設延出され、副弾性部材の先端と前記主弾性部材の先端は互いに離れるように延出されることを特徴とする請求項1に記載の密閉・防音ドア。
- 前記主弾性部材を形成する前記第2弾性部材の外側と前記第3弾性部材の内側に、主弾性部材の断面と直交する方向に沿って板厚変更溝部を形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の密閉・防音ドア。
- 少なくとも前記第1弾性部材の第1円周面、前記第3弾性部材の第3円周面及び前記副弾性部材の第4円周面には、それぞれの円周面のすべりを良くする摩擦減少処理が施されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の密閉・防音ドア。
- 前記ドアが前記ヒンジ部材を中心として前記ドア枠に閉じられる過程において、前記主弾性部材はドアの表面に線接触してからドア中心方向にドアの表面と面接触する量を増加すると共に、前記副弾性部材はドアの表面に線接触してからドアの側端部方向にドアの表面と面接触する量を増加するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の密閉・防音ドア。
- 前記主弾性部材が前記ドアによって押圧されると前記副弾性部材の先端部は、押圧前の前記基部平面に対する副弾性部材の延出点を通る垂線に近付くようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の密閉・防音ドア。
- 前記圧着部材はEPDM(エチレンプロピレンゴム)で成形されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の密閉・防音ドア。
- 前記EPDMの硬度は、65度から75度(Hs)であることを特徴とする請求項7に記載の密閉・防音ドア。
- 前記圧着部材はSR(シリコーンゴム)で成形されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の密閉・防音ドア。
- 前記SRの硬度は、20度から40度(Hs)であることを特徴とする請求項9に記載の密閉・防音ドア。
- 前記主弾性部材と前記副弾性部材の板状体の厚みは、1.2mmから1.5mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の密閉・防音ドア。
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