JP5087569B2 - 圧縮自己着火式内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮自己着火式内燃機関の制御装置に係り、特に、火花点火燃焼と圧縮自己着火燃焼との燃焼モードの切替に好適な圧縮自己着火式内燃機関の制御装置に関する。
自動車等に使用される内燃機関(エンジン)において、燃費性能の向上と排気性能との向上を両立するものとして、混合気を圧縮して自己着火燃焼(圧縮自己着火式燃焼)させる圧縮自己着火式ガソリンエンジン(以下、圧縮自己着火エンジン)が注目されている。圧縮自己着火エンジンは、点火プラグの火花で混合気を着火、燃焼させる火花点火燃焼に比べて、高圧縮比による高効率化、ポンプ損失低減、および急速燃焼による冷却損失の低減などによって燃料消費量を低減し、また、混合気の低温燃焼によって排出ガス中のNOx濃度を低減するため、燃費性能と排気性能の両立が実現可能である。
圧縮自己着火燃焼を実現する手段の1つとして、EGRの導入が挙げられる。火花点火燃焼は空燃比が比較的リッチ側であり、EGR率が比較的低い領域にて実施可能であるのに対して、上記手段を適用した場合の圧縮自己着火燃焼は、空燃比が比較的リーンであり、内部EGR率が比較的高い領域で実施可能である。また、それぞれの領域間にはどちらの燃焼も不安定となる燃焼不安定領域が存在する。なお、EGRの導入方法としては、排気行程において吸気バルブおよび排気バルブの双方が閉じている期間である負のオーバーラップ期間を設けることでシリンダ内に排出ガスを残留させる方法(内部EGR)、または、吸気バルブ上流に排気管からのバイパスを設けることで新気と一緒に排出ガスを吸入する方法(外部EGR)、または、吸気行程にて排気バルブを開くことで排出ガスを再吸入する方法(排気再吸入)が用いられる。
上記のような圧縮自己着火燃焼の方法を適用した場合、シリンダ内に大量の排出ガスを導入することから、新気量が限られるため、過給しない場合には発生可能なエンジントルクが低負荷側に限られる。また、吸気、圧縮、膨張、排出といった行程の中で、燃料が化学反応する有限の時間を確保する必要があることから、エンジン回転速度も低回転速度側に限られることが知られている。
そのため、圧縮自己着火エンジンを自動車に適用する際には、火花点火燃焼と圧縮自己着火燃焼の双方を実施し、それらの燃焼を燃焼トルクマップに基づいて切替えることでドライバが要求するエンジントルクを実現する制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−77919号公報
上記の技術によれば、トルク変動の発生を抑制しつつ、燃焼切替が可能である。しかし、運転者から、アクセルペダルの操作等によりトルクの変更要求があり、かつ変更後のトルクが圧縮自己着火燃焼で発生させることが出来ない要求トルクである場合に、トルク変更要求後、直ぐに、特許文献1に記載の制御を行うと、燃焼切替えが完了した後に、トルクの変更を開始するため、トルクの応答が遅れ、ドライバビリティが悪化する問題があった。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧縮自己着火燃焼モードで運転中、圧縮自己着火燃焼モードで運転できないトルクを運転者が要求してきた場合であっても、トルクの変更を要求した直後から加速感が得られるため、ドライバビリティが向上させることができる圧縮自己着火式内燃機関の制御装置を提供することにある。
本発明の目的は、圧縮自己着火燃焼運転中に、圧縮自己着火燃焼領域を超えるトルクが要求された際に、トルク応答性を悪化させること無く燃焼形態の切替えを実施することである。
本願の発明に係る内燃機関の制御装置は、点火装置を用いて混合気を火花点火する火花点火の燃焼モードと、ピストン圧縮によって混合気を自己着火させる圧縮自己着火の燃焼モードと、を切替えて、切替えられた前記燃焼モードに応じた燃焼制御を行う内燃機関の制御装置であって、前記制御装置は、実エンジントルクを検出する実トルク検出手段と、アクセル開度に基づいて要求エンジントルクを演算する要求トルク演算手段と、前記火花点火燃焼モードにより燃焼制御を行う火花点火燃焼モード領域と、前記圧縮自己着火燃焼モードにより燃焼制御を行う圧縮自己着火燃焼モード領域とを、エンジントルクに応じて設定する燃焼領域設定手段と、前記要求エンジントルクに基づいて、前記火花点火燃焼モードと、前記圧縮自己着火燃焼モードと、の切替えの判定を行う燃焼モード切替判定手段と、該判定の結果に基づいて、前記燃焼モードを切替えて、前記実エンジントルクが前記要求エンジントルクとなるように前記燃焼制御を行う燃焼制御手段と、を備え、該燃焼モード切替判定手段は、前記圧縮自己着火燃焼モードの燃焼制御中に、前記要求エンジントルクが、前記火花点火モード領域内のエンジントルクになった要求タイミングで、前記火花点火燃焼モードへの切替えを判定し、前記圧縮自己着火燃焼モード領域内の最大エンジントルクを上限とし、前記要求タイミングの実エンジントルクを下限とする範囲内に目標中間トルクを設定し、前記燃焼制御手段は、前記実エンジントルクが前記目標中間トルクとなるように、前記圧縮自己着火燃焼モードの燃焼制御を行い、前記実エンジントルクが前記目標中間トルクに到達後、前記圧縮自己着火燃焼モードから前記火花点火燃焼モードへの切替えを開始することを特徴とする。
本発明よれば、圧縮自己着火燃焼モードで運転中(燃焼制御中)に、火花点火燃焼モード領域に位置するトルクが、ドライバから内燃機関へ要求された際に、要求トルクが要求された要求タイミングで、圧縮自己着火燃焼モード領域の最大トルクを上限とし、要求タイミングにおける実エンジトルクを下限とする範囲内の中間トルクを設定し、圧縮自己着火燃焼モードを維持しつつ中間トルクを発生させた後、火花点火燃焼モードへの切替えを開始する。これにより、要求エンジントルク変更から加速開始までの応答遅れを無くし、ドライバビリティを向上させることができる。そして、火花点火燃焼モードへの切替えを開始してから所定の時間の間、圧縮自己着火燃焼と火花点火燃焼とが混在した混在燃焼状態で、所定の範囲内でトルクを変化させた後、火花点火燃焼モードで要求トルクとなるように制御を行うことができる。
本願の発明に係る内燃機関の制御装置は、前記燃焼制御手段が、前記圧縮自己着火燃焼モードから前記火花点火燃焼モードへの切替えの開始タイミングで、混合気への火花点火を開始し、前記火花点火を開始してから所定の時間経過後に、火花点火の時期を進角させることがより好ましい。本願の発明によれば、実エンジントルクが目標中間トルクに到達時から所定の時間を経過した後に、点火装置を用いて混合気を火花点火する時期を、実エンジントルクが目標中間トルクに到達時の点火時期に比べて早くすることにより、火花点火制御により燃焼切替えを行うことができる。
本願の発明に係る内燃機関の制御装置は、前記圧縮自己着火燃焼モードの燃焼制御において、前記内燃機関の排気行程の上死点前後に設けた排気弁と吸気弁を同時に閉じる期間に燃料を噴射し、前記圧縮自己着火燃焼モードから前記火花点火燃焼モードへの切替えの開始タイミングにおいて、前記排気行程の上死点前後に設けた排気弁と吸気弁を同時に閉じる期間中における燃料噴射を停止し、前記吸気行程の燃料の噴射量を増量させることがより好ましい。
本願の発明によれば、圧縮自己着火燃焼モードの燃焼制御において、前記内燃機関の排気行程の上死点前後に設けた排気弁と吸気弁を同時に閉じる期間及び吸気行程中に燃料を噴射し、実エンジントルクが目標中間トルクに到達時から所定の時間を経過した後に、前記排気行程の上死点前後に設けた排気弁と吸気弁を同時に閉じる期間における燃料噴射を停止し、吸気行程中において燃焼室に噴射する燃料を、実エンジントルクが目標中間トルクに到達する時の燃焼噴射量よりも増量するので、燃料噴射制御による燃焼切替えが実施可能となる。
さらには、前記燃料噴射の制御において、前記燃焼制御手段は、前記開始タイミングから所定時刻まで、実エンジントルクが一定となるように、吸気行程の燃料の噴射量を調整するがより好ましい。本発明によれば、実エンジントルクが一定となるように、吸気行程の燃料の噴射量を調整すること、すなわち、具体的には燃料噴射量を一定となるように調整することにより、トルク変動を抑えて、燃焼モードの切替えを行うことができる。
さらに、別の態様としては、前記燃焼制御手段は、前記開始タイミングから所定の時刻まで、前記燃料噴射量を増量し続け、所定の時間経過後、さらに燃料噴射量の増量の割合を増やすことがより好ましい。本発明によれば、このような燃料噴射制御を行うことにより、ドライバビリティを向上させ、速やかに車両を加速することができる。
また、前記燃焼制御手段は、前記実エンジントルクが前記目標中間トルクとなるように前記圧縮自己着火燃焼モードの燃焼制御を行う際に、吸気弁の開弁時期の進角制御、又は排気弁の閉弁時期の遅角制御の少なくとも一方を行う。本発明によれば、吸気弁の開く時期を早くすること、及び/又は、排気弁の閉じ時期を遅らせることで、内部EGR量を減らし、トルク変動を抑えつつ、燃焼モードの切替えを行うことができる。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記燃焼モード切替判定手段は、燃焼室内の筒内圧力、燃焼室内の吸入空気量、燃焼室内の酸素濃度の少なくとも1つに基づいて、前記中間トルクを設定することがより好ましい。
本発明によれば、例えば、前記燃焼室内の筒内圧力を直接または間接的に検出するセンサの出力、前記燃焼室内の吸入空気量を直接または間接的に検出するセンサの出力、に応じて、シリンダ振動を直接または間接的に検出し、この結果、エンジントルク及びノックを検出することができる。また、燃焼室内の酸素濃度を直接または間接的に検出するセンサの出力、前記燃焼室の振動を直接または間接的に検出するセンサの出力、の少なくとも一つの出力に基づき、吸入空気量、EGRガス量の検出することができる。これに伴い、火花点火燃焼モード領域と、圧縮自己着火燃焼モード領域が、経年劣化に伴い変化した場合であっても、最適な中間トルクに調整して設定することができる。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記燃焼モード切替判定手段が、前記中間トルクを、前記最大トルクから所定の値を減じた値に設定することがより好ましい。本発明によれば、製造バラツキ等による限界トルクを吸収し、ノック発生を抑制することができる。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、燃焼室のノックを検出するノック検出手段をさらに備え、前記燃焼領域設定手段は、前記ノックが検出されたときの実エンジントルクに基づいて、圧縮自己着火燃焼モード領域内の最大トルクの値を修正することがより好ましい。本発明によれば、切替途中にノック発生した場合を想定して、最大トルクの値を修正するので、圧縮自己着火燃焼制御を行う際に、ノックを低減して燃焼切替を行うことができる。
より好ましくは、本発明に係る燃焼モード切替判定手段は、前記要求タイミングから前記中間トルクに到達するまでの間に、前記最大トルクが修正された場合には、修正された前記最大トルクに基づいて、前記中間トルクを変更する。
また、本発明に係る内燃機関の制御装置は、前記燃焼制御手段が、燃焼室内の筒内圧力、燃焼室内の吸入空気量、燃焼室内の酸素濃度の少なくとも1つに基づいて、前記燃焼モードの切替えを禁止することがより好ましい。本発明によれば、ノック,失火,その他の異常が発生した際に,切替をやめることでエンジンの損傷を防ぐことができる。
本発明によれば、圧縮自己着火燃焼モードで運転中、圧縮自己着火燃焼モードで運転できないトルクを運転者が要求してきた場合、トルクの変更を要求してきた直後から、圧縮自己着火燃焼モード運転によりトルクを上昇させるので、トルクの変更を要求した直後から加速感が得られ、ドライバビリティを向上させることができる。
本発明の第1の実施形態による圧縮自己着火式内燃機関の制御装置を自動車用ガソリンエンジンに適用したエンジンシステムの構成を示すシステム構成図。 第1の実施形態による圧縮自己着火式内燃機関の制御装置の構成を示すシステムブロック図。 第1の実施形態による圧縮自己着火式内燃機関の制御装置の燃焼モード切替の全体構成を示す制御ブロック図。 図3の制御ブロックのフローチャート。 図3に示した目標トルク実現手段をフローチャート。 図3に示す燃焼切替判定手段の構成図。 図6に示す燃焼切替判定手段の演算の流れを示したフロー図。 燃焼モードの領域の説明図。 図6に示す中間トルク演算用マップを示した図。 負のオーバーラップ量の説明図。 第二実施形態に係る燃焼切替判定手段の演算の流れを示したフロー図。 第3の実施形態における指令値の時間変化を示したタイミングチャート。 第1の実施形態に係るアクチュエータの目標値及び動作量の時間変化を示したタイミングチャート。 第3の実施形態における指令値の時間変化を示したタイミングチャート。 第2の実施形態における各アクチュエータの目標値と動作量の時間変化を示したタイミングチャート。 第3の実施形態における指令値の時間変化を示したタイミングチャート。 第3の実施形態における各アクチュエータの目標値と動作量の時間変化を示したタイミングチャート。
以下に、図1から図17を用いて、本発明の第1から第3の実施形態に係る圧縮自己着火式内燃機関の制御装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による圧縮自己着火式内燃機関の制御装置を自動車用ガソリンエンジンに適用したエンジンシステムの構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による圧縮自己着火式内燃機関の制御装置を自動車用ガソリンエンジンに適用したエンジンシステムの構成を示すシステム構成図である。尚、後述する第二及び第三実施形態の装置構成も同様である。
図1に示すように、エンジン100は、火花点火燃焼と圧縮自己着火燃焼を実施する自動車用ガソリンエンジンである。エンジン100には、吸入空気量を計測するエアフローセンサ11と、吸気流量を調整する電子制御スロットル12とが、吸気管16の各々の適宜位置に備えられている。また、エンジン100には、シリンダ17とピストン24とで囲われる燃焼室に燃料を噴射するインジェクタ13と、点火エネルギーを供給して燃焼室に噴射された燃料に点火する点火プラグ(点火装置)14と、がシリンダ17の各々の適宜位置に備えられている。
また、筒内に流入する吸入ガスを調整する吸気バルブ(吸気弁)15aと筒内から排出される排気ガスを調整する排気バルブ(排気弁)15bとから構成される可変バルブ15が、シリンダ17の各々の適宜位置に備えられている。尚、吸気バルブ15aは、燃焼室の一部を形成するシリンダ17の吸気側に設けられ、かつ作動タイミングを制御可能であり、排気弁15bは、シリンダ17の排気側に設けられ、かつ作動タイミングを制御可能である。これら可変バルブ15を、それぞれのバルブに配置された可変動弁(図示せず)を介して、後述する制御装置10で制御することにより、筒内に残留する排ガス量である内部EGR量を調整することができる。
さらに、エンジン100には、排気を浄化する三元触媒22と、空燃比検出器の一態様であって、三元触媒22の上流側において排気の空燃比を検出する空燃比センサ19と、排気温度検出器の一態様あって、三元触媒22の上流側において排気の温度を計測する排気温度センサ21とが排気管18の各々の適宜位置に備えられる。また、クランク軸25には、回転角度を算出するためのクランク角度センサ23が備えられている。さらに、エンジン100には、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ27が備えられている。
エアフローセンサ11と空燃比センサ19と排気温度センサ21とクランク角度センサ23とから得られる信号は、エンジンコントロールユニット(制御装置:ECU)10に送られる。また、アクセル開度センサ27から得られる信号は、ECU10に送られる。尚、アクセル開度センサ27は、アクセルペダルの踏み込み量、すなわち、アクセル開度を検出する。ECU10は、アクセル開度センサ27の出力信号に基づいて、要求トルクを演算する。すなわち、アクセル開度センサ27は、エンジンへの要求トルクを検出する要求トルク検出センサとして用いられる。また、ECU10は、クランク角度センサ23の出力信号に基づいて、エンジン100の回転速度を演算する。ECU10は、上記各種センサの出力から得られるエンジンの運転状態に基づき、空気流量、燃料噴射量、点火時期のエンジンの主要な作動量を最適に演算する。
ECU10で演算された燃料噴射量は開弁パルス信号に変換され、インジェクタ13に送られる。また、ECU10で演算された点火時期で点火されるように、点火プラグ駆動信号が点火プラグ14に送られる。また、ECU10で演算されたスロットル開度は、スロットル駆動信号として電子制御スロットル12に送られる。また、ECU10で演算された可変バルブの作動量は、可変バルブ駆動信号として、吸気バルブ15a及び排気バルブ15bからなる可変バルブ15へ送られる。
次に、図2を用いて、本実施形態による圧縮自己着火式内燃機関の制御装置の構成について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態による圧縮自己着火式内燃機関の制御装置の構成を示すシステムブロック図である。
エアフローセンサ11、空燃比センサ19、排気温度センサ21、クランク角度センサ23の出力信号は、ECU10の入力回路10aに入力される。但し、入力信号はこれらだけに限られず、上述した信号も入力される。入力された各センサの入力信号は入出力ポート10b内の入力ポートに送られる。入力ポート10bに送られた値は、RAM10cに保管され、CPU10eで演算処理される。演算処理内容を記述した制御プログラムは、ROM10dに予め書き込まれている。
制御プログラムに従って演算された各アクチュエータの作動量を示す値は、RAM10cに保管された後、入出力ポート10b内の出力ポートに送られ、各駆動回路を経て各アクチュエータに送られる。本実施形態の場合は、駆動回路として、電子スロットル駆動回路10f、インジェクタ駆動回路10g、点火出力回路10h、可変バルブ駆動回路10jがある。各回路は、それぞれ、電子制御スロットル12、インジェクタ13、点火プラグ14、可変バルブ15を制御し、後述する燃焼制御を行う。本実施形態においては、ECU10内に上記駆動回路を備えた装置であるが、これに限るものではなく、上記駆動回路のいずれかをECU10内に備えるものであってもよい。
図3から図8を用いて、本実施形態による圧縮自己着火式内燃機関の制御装置の燃焼モード切替の構成について説明する。図3は、本発明の第1の実施形態による圧縮自己着火式内燃機関の制御装置の燃焼モード切替の全体構成を示す制御ブロック図である。
ECU10は、点火装置を用いて混合気を火花点火する火花点火の燃焼モードと、ピストン圧縮によって混合気を自己着火させる圧縮自己着火の燃焼モードと、を切替えて、切替えられた前記燃焼モードに応じた燃焼制御を行うための制御装置である。
ECU10は、要求トルク演算手段101、目標トルク実現手段102を備える。目標トルク実現手段102は、燃焼切替判定手段103、火花点火燃焼制御手段(火花点火燃焼操作量演算手段)104、圧縮自己着火燃焼制御手段(圧縮自己着火燃焼操作量演算手段)105、混在燃焼制御手段(混在燃焼操作量演算手段)106、燃焼切替え実現手段(燃焼切換手段)107を備える。なお、図3の各部は、燃焼モードの切替制御に用いるものであり、他の構成については図示を省略している。ここで、本発明にいう、「燃焼制御手段」とは、燃焼切替判定手段103、火花点火燃焼制御手段104、圧縮自己着火燃焼制御手段105、混在燃焼制御手段106、燃焼切替実現手段107を示しており、これらの手段により、燃焼切替えの判定の結果に基づいて、燃焼モードを切替えて、実エンジントルクが要求エンジントルク(目標トルク)となるように前記燃焼制御を行うことができる。
要求トルク演算手段101は、アクセル開度センサ27の出力であるアクセル開度とエンジン回転速度とに基づき、運転者が要求する要求トルク(要求エンジントルク)を演算する手段である。
燃焼切替判定手段103は、要求トルク演算手段101により演算された要求トルク及びエンジン回転速度に基づき、燃焼形態切替えフラグの設定を行う(すなわち火花点火燃焼モードと、圧縮自己着火燃焼モードと、の切替えの判定を行う)と共に、目標トルクとを演算する手段である。また、燃焼形態切替フラグは、燃焼形態が圧縮自己着火燃焼モードのときONに設定され、圧縮自己着火燃焼モードから火花点火燃焼モードへ燃焼モードの切替えを開始するタイミングでOFFへと設定される。また、火花点火燃焼モードのときにはOFFに設定され、圧縮自己着火燃焼モードへ燃焼モードの切替えを開始するタイミングで、ONと設定される。
火花点火燃焼制御手段104は、火花点火燃焼モードにて目標トルクを発生させるための各種操作量を演算し出力する手段である。ここで、各種操作量とは、インジェクタから噴射される燃料噴射量、インジェクタから燃料噴射を開始する燃料噴射時期、点火プラグから点火火花の放出を開始する点火時期、燃焼室内に流入する空気量を調整可能なスロットル開度、燃焼室に流入する混合気を調整する吸気バルブまたは排気バルブの開閉時期などがある。火花点火燃焼モードにて目標トルクを発生させるための各種操作量を、火花点火燃焼(用)操作量と呼ぶ。
圧縮自己着火燃焼制御手段105は、圧縮自己着火燃焼モードにて目標トルクを発生させるための前記各種操作量を演算する手段である。圧縮自己着火燃焼モードにて目標トルクを発生させるための前記各種操作量を、圧縮自己着火燃焼(用)操作量と呼ぶ。
混在燃焼制御手段106は、混在燃焼モードにて目標トルクを発生させるための前記各種操作量を演算する手段である。ここで、混在燃焼とは、点火装置を用いた火炎伝播による温度・圧力上昇により自己着火を起こす燃焼形態を指す。混在燃焼モードにて目標トルクを発生させるための前記各種操作量を、混在燃焼(用)操作量と呼ぶ。
燃焼切替実現手段107は、燃焼切替判定手段103の出力である燃焼形態切替フラグに基づき、前記火花点火制御用操作量、前記圧縮自己着火燃焼用操作量、前記混在燃焼用操作量のいずれかを選択し、各種デバイスの操作量として出力し、選択された燃焼モードで燃焼制御を行う。
図4は、図3の制御ブロック図をフローチャートで示したものである。ステップS401では、アクセル開度及びエンジン回転速度に基づき要求トルクを演算し、ステップS402に進む。ステップS402では、要求トルク、エンジン回転速度に基づき燃焼形態フラグの設定と各種操作量を演算し、燃焼フラグに応じた燃焼形態を選択し、これに応じた各種操作量を演算し、出力する。
次に図5を用いて、目標トルク実現手段102の演算の流れを説明する。図5は、図3に示した目標トルク実現手段102をフローチャートで示したものである。ステップS501では、要求トルク及びエンジン回転速度に基づき燃焼形態切替フラグの設定と、目標トルクと、を演算する。次にステップS502で、火花点火燃焼用操作量、ステップS503で、圧縮自己着火燃焼用操作量、ステップ504で混在燃焼用操作量を演算する。各燃焼形態におけるデバイスの操作量を演算した後、ステップS505にて燃焼形態切替フラグと燃焼形態フラグに基づき適切な操作量を選択し出力する。
燃焼形態フラグとは、圧縮自己着火燃焼、混在燃焼、火花点火燃焼の状態を示すフラグであり、エンジン100に備えられたシリンダ内の圧力を検出する筒内圧力センサやノックセンサ(ノック検出手段)など燃焼検出手段の検出結果に基づき設定される。前記燃焼形態フラグは、燃焼形態が、圧縮自己着火燃焼である場合に2がセットされ、混在燃焼である場合に1がセット、火花点火燃焼の場合には0がセットされる。
ステップS501は、燃焼切替判定手段103の処理、ステップS502は火花点火燃焼制御手段104の処理、ステップS503は圧縮自己着火燃焼制御手段105の処理、ステップS504は混在燃焼制御手段106の処理、ステップS505は燃焼切替実現手段107の処理である。
次に図6を用いて、燃焼切替判定手段103の構成を説明する。図6は、燃焼切替判定手段103の制御ブロック図である。燃焼切替判定手段103は、要求トルク判定手段130、中間トルク演算手段131、エンジントルク判定手段132、燃焼形態切替フラグ設定手段133、燃焼形態フラグ設定手段134、目標トルク設定手段135、中間トルク演算用マップ136を備える。
要求トルク判定手段130は、要求トルク(要求エンジントルク)とエンジン回転速度に基づき、要求トルクが圧縮自己着火燃焼モードで実現可能かを判定する手段である。中間トルク演算手段131は、圧縮自己着火燃焼モードから火花点火燃焼モードへ燃焼モードを切替える前に圧縮自己着火燃焼モードで発生させるエンジントルクの値を演算する手段であり、ここでは、該エンジントルクを中間トルク(目標中間トルク)と呼ぶ。なお、この演算された中間トルクは、後述する目標トルク設定手段135で、目標トルク(目標中間トルク)として設定され、その後、実エンジントルクが目標中間トルクとなるように、圧縮自己着火燃焼モードの燃焼制御が実施される。具体的は、設定された中間トルク(中間目標トルク)は、圧縮自己着火燃焼制御手段105で、圧縮自己着火燃焼モードにおける実エンジントルクが目標中間トルクとなるための各種操作量が演算され、燃焼切替実現手段107において、燃焼モードの切替えが行われることなく、この操作量に基づいて、圧縮自己着火燃焼モードの燃焼制御が行われる。
エンジントルク判定手段132は、実エンジントルクが中間トルク演算手段131で演算した前記中間トルクに達しているかを判定する手段である。ここでの判定は、実エンジントルクと前記中間トルクの値が一致することを以って実エンジントルクが前記中間トルクに達していると判定することも可能であり、また、実エンジントルクと前記中間トルクの差が所定の範囲に収まっていることを以って実エンジントルクが前記中間トルクに達していると判定することも可能である。なお、このエンジントルクは、シリンダの筒内圧力や、クランク軸の角速度等により、一般的な手法により、検出(算出)される(実トルク検出手段)。
燃焼形態切替フラグ設定手段133は、実エンジントルク及び中間トルクに基づいて燃焼形態切替フラグを設定する手段である。圧縮自己着火燃焼モードを継続する場合には、燃焼形態切替フラグをONに設定し、火花点火燃焼モードへの切替を開始する場合には、燃焼形態切替フラグをOFFに設定する。燃焼形態フラグ設定手段134は、シリンダ内の圧力を検出する筒内圧力センサやノックセンサなどの検出結果に基づき、燃焼形態フラグを設定する手段である。
目標トルク設定手段135は、燃焼形態切替フラグや燃焼形態フラグに基づき目標トルクを前記中間トルクの値または前記要求トルクの値に設定する手段である。中間トルク演算用マップ136は、中間トルク演算手段131で中間トルクを演算するために使用する運転条件マップであり、ノック発生条件を含めたトルクデータを保持している。
次に、図7を用いて燃焼切替判定手段103で実施する演算の流れを説明する。図7は、図6の制御ブロック図をフローチャートで示したものであり、以下に、図7のフローチャートに基づき実施する制御を制御Aと呼ぶ。
ステップS730で、図9の燃焼領域マップ(燃焼領域設定手段)を用いて、要求トルク(図9に示すエンジントルク)が、エンジン回転数との関係において圧縮自己着火燃焼モード領域に収まるかを判定する。収まる(YES)と判定した場合、ステップS733に進み、燃焼形態切替フラグをONに設定する。
ここで、図8の燃焼トルクマップを説明する。図8は、エンジントルクと回転数の関係に対応した、火花点火燃焼モードと、圧縮自己着火燃焼モードの燃焼領域のマップの説明図であり、図8の横軸はエンジン回転速度を示し、縦軸はエンジントルクを示している。この燃焼領域のマップは、火花点火燃焼モードと、圧縮自己着火燃焼モードとの、燃焼領域を示したものである。すなわち、燃焼トルクマップ(燃焼領域設定手段)は、火花点火燃焼モードにより燃焼制御を行う火花点火燃焼モード領域と、前記圧縮自己着火燃焼モードにより燃焼制御を行う圧縮自己着火燃焼モード領域とを、エンジントルクに応じて設定するためのものである。
火花点火燃焼モード(SI:Spark Ignition)は、図8に示すように、エンジン回転速度の低回転速度から高回転速度まで、また、エンジントルクの低トルクから高トルクまでの広い領域で、実現可能である。
圧縮自己着火燃焼モード(HCCI:Homogeneous Charge Compression Ignition)を実現する方法としては、吸気加熱、高圧縮化、および内部EGR導入などの方法がある。この中で、コストおよび火花点火燃焼モードでの運転を考慮すると、バルブタイミングの操作による内部EGR導入が実現性の高い方法である。内部EGR導入による圧縮自己着火燃焼時には、燃焼室内の内部EGR量を多量とする必要がある。これによって筒内に流入する新気量が制限されることと、混合気形成から燃焼に至るまでの化学反応に有限の時間が必要であることから、自然吸気エンジンでは、図8に示すように、低負荷・低回転速度の作動状態において、圧縮自己着火燃焼モードHCCIが実現可能である。
次に、ステップ733で燃焼形態切換フラグがONに設定されると、ステップS740に進み、筒内圧力センサやノックセンサの出力信号に基づき燃焼形態フラグを設定し、続いて、ステップS737で目標トルクを要求トルクの値に設定する。次に、ステップS739に進み、目標トルクと燃焼形態切替フラグを出力する。これにより、圧縮自己着火燃焼モードのまま、切替えを行われることなく燃焼制御が行われる。
一方、ステップS730で、収まらない(NO)と判定した場合、ステップS731に進み、中間トルクを演算し、設定する。前記中間トルクは、図9に示した中間トルク演算用マップを用いて演算することが出来る。
ここで、図9を用いて、中間トルク演算用マップを説明する。図9は、圧縮自己着火燃焼モードで発生させる中間トルクの演算に用いる中間トルク演算用マップの説明図である。
図9の横軸はエンジン回転速度、縦軸がエンジントルクを表し、HCCIは圧縮自己着火燃焼モード領域、SIは火花点火燃焼モード領域を示している。
図中のプロットは圧縮自己着火燃焼HCCI運転中に燃焼室のノックを検出するノック検出手段によりノックを検出したエンジントルクとエンジン回転数との条件を示しものである。尚、ノックの検出は、燃焼室内の筒内圧力、燃焼室内の吸入空気量により、一般的な手法で、検出することができる。エンジントルクとエンジン回転数との条件が、中間トルク演算マップに保持されている。太線及び破線で示したのは、中間トルク演算用データである。中間トルク演算用データは、中間トルクを演算する際の参考値であり、中間トルク演算用データの値を中間トルクとして設定することも可能であり、また、中間トルク演算用データから所定値を減じた値を中間トルクに設定すること等も可能である。太線は初期設定、破線はノック検出条件に基づき修正された中間トルク演算用データである。これにより、前記ノックが検出されたときの実エンジントルクに基づいて、圧縮自己着火燃焼モード領域内の最大トルク(最大エンジントルク)の値を修正し、演算されたトルクを中間トルクとして設定することができる。
次に、中間トルクを演算(設定)後に、その後、ステップS732に進み、実エンジントルクと前記中間トルクを比較し、実エンジントルクが前記中間トルクに達していれば、ステップS734へ進む。
ステップS734では、燃焼形態切替フラグをOFFと設定する。続いて、ステップS741に進み筒内圧力センサやノックセンサの出力信号に基づき燃焼形態フラグを設定する。次にステップS736に進み、燃焼形態が火花点火燃焼であるか、又は、混在燃焼を検出した後、所定時間Thが経過しているかを、燃焼形態フラグ及び筒内圧力センサやノックセンサの出力信号に基づき判定する。ステップS736でYESと判定した場合、ステップS237に進み目標トルクを要求トルクの値に設定し、ステップS739に進み目標トルク及び燃焼形態切替フラグを出力する。ステップS736でNOと判定した場合、ステップS738に進み、目標トルクを前記中間トルクに設定した後、ステップS739に進み、目標トルク及び燃焼形態切替フラグを出力する。また、ステップS732でNOと判定した場合、ステップS735に進み燃焼形態切替フラグをONに設定し、次にステップS742に進み筒内圧力センサやノックセンサの出力信号に基づき燃焼形態フラグを設定する。続いて、ステップ738に進み目標トルクを前記中間トルクに設定した後、ステップS739に進み目標トルク及び燃焼形態切替フラグを出力する。
所定時間Thは混在燃焼を継続する時間であり、実験やエンジンサイクルシミュレーションに基づいて決定することや、実機運転中に筒内圧センサやノックセンサの出力に基づいて決定することができる。例えば、複数気筒で構成されるエンジンにおいて、圧縮自己着火燃焼モードから火花点火燃焼モードへ燃焼モードの切替えを開始した後に、筒内圧センサやノックセンサの出力に基づき前記複数気筒の一つから最初に混在燃焼を検出した時刻を起点とし全ての気筒で混在燃焼を検出するまでの時間Sを測定し、前記時間Sを所定時間Thとすることができる。また、前記時間Sに任意のエンジンサイクル数を経過する時間を足した値を、所定時間Thとすることもできる。また、圧縮自己着火燃焼モードから火花点火燃焼モードへの燃焼モードの切替えにおいて、所望の空燃比を実現するために前記可変バルブ(可変動弁)15や前記電子制御スロットル12等を動作した後、エンジン100内の空燃比が所望の空燃比になるまでの応答遅れ時間Uを、実験やエンジンサイクルシミュレーションに基づき予測し、前記応答遅れ時間Uを所定時間Thに設定することができる。また、所定時間Thはエンジンの運転条件に応じて異なるものであってもよい。
ステップS730は要求トルク判定手段130の処理、ステップS731は中間トルク演算手段131の処理、ステップS732はエンジントルク判定手段132の処理、ステップS733からステップS735は燃焼形態切替フラグ設定手段133の処理、ステップS736からステップS738は目標トルク設定手段135の処理、ステップS739は燃焼形態切替フラグ設定手段133と目標トルク設定手段135の処理、ステップS740からステップS742は燃焼形態フラグ設定手段134の処理である。
なお、本実施形態では、圧縮着火燃焼モードは、要求トルクに基づき吸排気弁を制御することで、筒内に燃焼排出ガスを導入し、着火燃焼により動力を取り出す運転モードであり、その一例として、吸排気弁の動作の一例として,負のオーバーラップを設ける。また、火花点火燃焼モードは、要求トルクに基づき、スロットルや吸排気弁を制御し、筒内に導入する空気量を制御し、火花点火により動力を取り出す運転モードである。
ここで、図10を用いて、負のオーバーラップ量について説明する。図10は、負のオーバーラップ量の説明図である。縦軸は、吸気バルブ及び排気バルブのバルブリフト量を表し、横軸はクランク角度を示す。排気上死点とは、排気行程においてピストンが上死点に達したクランク角を指す。実線で示したバルブリフトは、圧縮自己着火燃焼モード用の設定、破線で示したバルブリフトは火花点火燃焼モード用の設定である。可変バルブ15を操作し、ピストンが排気上死点の前に排気バルブを閉じ、かつ排気上死点後に吸気バルブを開くと、排気行程の上死点前後に、吸気バルブと排気バルブが共に閉じる時期が設定される。この吸気バルブと排気バルブが同時に閉じた時期が設定されることを負のオーバーラップと呼び、また、前記負のオーバーラップの期間の長さを負のオーバーラップ量と呼ぶ。
続いて、図11を用いて第二実施形態に係る燃焼切替判定手段103で実施する演算を説明する。図11は、図6の制御ブロック図をフローチャートで示したものであり、図11のフローチャートに基づき実施する制御を制御Bと呼ぶ。
ステップS930で、図8の燃焼領域マップを用いて、要求トルクが圧縮自己着火燃焼モード領域に収まるかを判定する。収まる(YES)と判定した場合、ステップS933に進み、燃焼形態切替フラグをONに設定する。次に、ステップS943に進み、筒内圧力センサやノックセンサの出力信号に基づき燃焼形態フラグを設定し、続いて、ステップS937に進み目標トルクを要求トルクの値に設定する。次に、ステップS939に進み目標トルクと燃焼形態切替フラグを出力する。
一方、ステップS930で、収まらない(NO)と判定した場合、ステップS931に進み中間トルクを計算する。前記中間トルクは、図9に示した中間トルク演算用マップ136を用いて演算することが出来る。続いて、ステップS932に進み実エンジントルクと前記中間トルクを比較する。ステップS932で、実エンジントルクが前記中間トルクに達している(YES)と判定した場合、ステップS934へ進み燃焼形態切替フラグをOFFと設定する。次に、ステップS943に進み筒内圧力センサやノックセンサの出力信号に基づき燃焼形態フラグを設定する。続いて、ステップS937に進み目標トルクを要求トルクの値に設定し、ステップS939に進み目標トルク及び燃焼形態切替フラグを出力する。ステップS932で達していない(NO)と判定した場合、ステップS935に進み燃焼形態切替フラグをONに設定し、ステップS944に進み筒内圧力センサやノックセンサの出力信号に基づき燃焼形態フラグを設定する。続いて、ステップ938に進み目標トルクを中間トルクに設定し、ステップS939に進み目標トルク及び燃焼形態切替フラグを出力する。
ステップS943とステップS944は燃焼形態フラグ設定手段134の処理である。その他のステップと手段の関係は前記の通りである。
制御Aに基づき制御した場合を第1の実施形態、制御Bに基づき制御を実施した場合を第2の実施形態、制御Aに基づき制御した際にノックの発生を検出した場合を第3の実施形態とする。以降で、第1から第3の実施形態について説明する。
ここでは、制御Aに基づきエンジンを制御する第1の実施形態における各種制御設定値及び各種動作量の時間変化を、図12及び図13を用いて説明する。図12は、アクセル開度、要求トルク、目標トルク、燃焼形態切替フラグ、燃焼形態フラグ設定値の時間変化を示したグラフであり、図13は、負のオーバーラップ量、点火時期、総燃料噴射量、副燃料噴射量、主燃料噴射量、実エンジントルクの時間変化を示したグラフである。アクセル開度、要求トルク、目標トルク、実エンジントルク、負のオーバーラップ量、総燃料噴射量、副燃料噴射量、主燃料噴射量は、縦軸の上に向かって大きくなる。副燃料噴射量とは、前記負のオーバララップの期間に噴射する燃料の量、主燃料噴射量とは、吸気行程中に噴射する燃料量である。図13において、負のオーバーラップ量、点火時期、総燃料噴射量、副燃料噴射量、主燃料噴射量の実線はECU10から各アクチュエータに指令される目標値であり、点線は各アクチュエータの動作量を表す。また、実エンジントルクの実線は、図13に示した目標トルクであり、点線は各アクチュエータが動作した結果として発生する実エンジントルクである。
時刻t1はアクセル開度とエンジン回転速度に基づきECU10で演算した要求トルクが圧縮自己着火燃焼モードで運転可能なトルクを超えた時刻、すなわち、圧縮自己着火燃焼モードの燃焼制御中に、要求エンジントルクが、火花点火モード領域内のエンジントルクになった要求タイミングである。また、時刻t2は実エンジントルクが時刻t1で設定した目標トルクに達した時刻、すなわち、実エンジントルクが目標中間トルクに到達したタイミングである。は、時刻t3は時刻tcで混在燃焼を検出してから前記所定時間Th経過した時刻である。また、時刻tcは混在燃焼を検出した時刻、時刻tpは火花点火燃焼を検出した時刻である。
時刻t1において、アクセル開度の変化を検出し、ECU10で演算した要求トルクが圧縮自己着火燃焼モードで運転可能なトルクを超えたことを要求トルク判定手段130の処理にて検出する。実エンジントルクを変更するため、中間トルク演算手段131の処理で、圧縮自己着火燃焼モードで運転可能なトルクの最大値を上限値、時刻t1(要求タイミング)における実エンジントルクを下限値とする範囲で、中間トルク(目標中間トルク)をマップにより演算する。
次に、目標トルク設定手段135の処理により、時刻t1以後の目標トルクとして前記中間トルクの値を設定する。前記目標トルクと圧縮自己着火燃焼モード領域の最大トルクとの間には所定の値Tefの差を設ける。すなわち、目標トルク(中間目標トルク)は、最大トルクから所定の値Tefを減じた値となっている。これにより、製造バラツキ等による限界トルクを吸収し、ノック発生を抑制することができる。
このようして、設定された中間トルク(中間目標トルク)は、圧縮自己着火燃焼制御手段105の処理により、圧縮自己着火燃焼モードにおいて、実エンジントルクが目標中間トルクとなるための各種操作量が演算され、燃焼切替実現手段107の処理において、燃焼モードの切替えが行われることなく、この操作量に基づいて、実エンジントルクが目標中間トルクとなるように、圧縮自己着火燃焼モードの燃焼制御が行われる。
続いて、実エンジントルクが時刻t1で設定した目標トルクに達した時刻t2において、燃焼形態切替フラグ設定手段133における処理で燃焼切替フラグをOFFに設定し、圧縮自己着火燃焼モードから火花点火燃焼モードへ燃焼モードの切替を開始する。
時刻tcでは、燃焼形態フラグ設定手段134における処理で、筒内圧力センサやノックセンサの出力信号に基づき燃焼形態フラグを混在燃焼に設定する。ここでは、時刻tcから所定時間Thまでは、この混在燃焼において、トルク一定とした燃焼制御を行い、トルクを安定させる。これにより、トルク変動を抑えて、燃焼切替えを行うことができる。
さらに、時刻tcから所定時間Th経過後の時刻t3において、目標トルク設定手段135の処理で目標トルクを前記要求トルクに設定する。時刻tpにおいて、燃焼形態フラグ設定手段134における処理で、筒内圧力センサやノックセンサの出力信号に基づき燃焼形態フラグを火花点火燃焼に設定する。
図12に基づき制御指令を出した場合の各種操作量(動作量)を図13に示す。時刻t1において設定した前記目標トルクを発生するため、時刻t1以降で、時刻t1以前に比べて、総燃料噴射量を増加し、負のオーバーラップ量を減少する。
具体的には、圧縮自己着火燃焼モードの燃焼制御において、内燃機関の吸気行程中の燃料噴射量を主燃料噴射量、負のオーバーラップ期間に燃料を副燃料噴射量として噴射し、吸気行程の燃料の主燃料噴射量を増量させる。
一方、実エンジントルクが目標中間トルクとなるように圧縮自己着火燃焼モードの燃焼制御を行う際(時刻t1)に、吸気弁の開弁時期の進角制御、又は排気弁の閉弁時期の遅角制御の少なくとも一方を行う。これにより、負のオーバーラップ量を減少させる。
このようにして、実エンジントルクを増加することができ、時刻t2において時刻t1で設定した前記目標トルクを発生することができる。
時刻t2において、同様にして、時刻t2以前に比べて負のオーバーラップ量をさらに減少させ、時刻t3までは、負のオーバーラップ量を一定にする。また、時刻t2以降で燃焼形態の変化によりエンジン100の効率が低下し、時刻t2以前と同量の燃料噴射量では発生するトルクが低下するため、時刻t2以降で、時刻t2以前に比べて、総燃料噴射量(吸気行程の燃料噴射(主燃料噴射)の量)を増加させ、時刻t3までは、実エンジントルクが一定となるように、総燃料噴射量を一定にする。
一方、時刻t2(圧縮自己着火燃焼モードから火花点火燃焼モードへの切替えの開始タイミング)にて、点火を開始し、負のオーバーラップ期間における燃料噴射(副燃料噴射)を停止し、吸気行程の燃料の噴射量を増量させる。前記点火の時期は、火花点火燃焼モード用の設定値に比べて早い時期に設定する(時刻t3まで一定の時期とする)。前記動作により、時刻t2以降、所定の範囲で実エンジントルクを維持できる。時刻t3において設定した目標トルクを発生するために、時刻t3において、時刻t3以前に比べて、さらに、負のオーバーラップ量を減少させ、点火開始時期を遅くし(遅角させ)、総燃料噴射量を増加させる。この結果、時刻tpにおいて火花点火燃焼モードへの切替えを完了でき、時刻tp以降で火花点火燃焼モードにより要求トルクを発生することができる。
次に、第2の実施形態における各種制御設定値及び各種動作量の時間変化を、図14及び図15を用いて説明する。第2の実施形態が、第1の実施形態と相違する点は、第一実施形態が、時刻t2(開始タイミング)から所定時刻t3まで、実エンジントルクが一定となるように、主燃料噴射量を調整したのに対して、第2の実施形態は、時刻t2(開始タイミング)から所定の時刻t3まで、燃料噴射量を増量し続け、所定の時間経過後、さらに燃料噴射量の増量の割合を増やす。
図14は、アクセル開度、要求トルク、目標トルク、燃焼形態切替フラグ、燃焼形態フラグ設定値の時間変化を示したグラフであり、図15は、負のオーバーラップ量、点火時期、総燃料噴射量、副燃料噴射量、主燃料噴射量、実エンジントルクの時間変化を示したグラフである。これらのパラメータは、第一実施形態のパラメータと同じ定義である。図14及び図15に示されている各グラフの量、t1、t2、t3、tc、tp及びThの説明は前記の通りである。図14において、負のオーバーラップ量、点火時期、総燃料噴射量、副燃料噴射量、主燃料噴射量の実線はECU10から各アクチュエータに指令される目標値であり、点線は各アクチュエータの動作量を表す。また、実エンジントルクの実線は、図15に示した目標トルクであり、点線は各アクチュエータが動作した結果として発生する実エンジントルクである。
時刻t1において、アクセル開度の変化を検出し、ECU10で演算した要求トルクが圧縮自己着火燃焼モードで運転可能なトルクを超えたことを要求トルク判定手段130で検出する。実エンジントルクを変更させるため、中間トルク演算手段131の処理で、圧縮自己着火燃焼モードで運転可能なトルクの最大値を上限値、時刻t1における実エンジントルクを下限値とする範囲で中間トルクを演算し、目標トルク設定手段135の処理で、時刻t1以後の目標トルクとして前記中間トルクの値を設定する。前記目標トルクと圧縮自己着火燃焼モード領域の最大トルクとの間には所定の値Tefの差を設ける。
続いて、実エンジントルクが時刻t1で設定した目標トルクに達した時刻t2において、燃焼形態切替フラグ設定手段133における処理で燃焼切替フラグをOFFに設定し、圧縮自己着火燃焼モードから火花点火燃焼モードへ燃焼モードの切替を開始する。さらに前記時刻t2において、目標トルク設定手段135における処理で目標トルクを前記要求トルクの値に設定する。時刻tcでは、燃焼形態フラグ設定手段134における処理で、筒内圧力センサやノックセンサの出力信号に基づき燃焼形態フラグを混在燃焼に設定する。その後、時刻tpにおいて、筒内圧力センサやノックセンサの出力信号に基づき燃焼形態フラグ設定手段134における処理で燃焼形態フラグを火花点火燃焼に設定する。
図14に基づき制御指令を出した場合の各種動作量を図15に示す。時刻t1において設定した前記目標トルクを発生するため、時刻t1以降で、時刻t1以前に比べて総燃料噴射量を増加させ、負のオーバーラップ量を減少させる。その結果、実エンジントルクを増加することができ、時刻t2にて時刻t1で設定した前記目標トルクを発生することができる。時刻t2において、時刻t2以前に比べて負のオーバーラップ量を減少し、かつ、副燃料噴射を停止し、主燃料噴射量を増加させることにより、総燃料噴射量を増加させる。一方、時刻t2で、混合気への火花点火を開始する。前記点火の時期は、火花点火燃焼用の設定値に比べ早い時期に設定する。前記動作により、時刻tcから時刻tpにおいて、混在燃焼モードで実エンジントルクを上昇することができる。時刻t2において設定した目標トルクを発生するために、時刻t3において、時刻t3以前に比べて、負のオーバーラップ量を減少し、総燃料噴射量の増加割合をさらに増大させる。さらに、時刻t3以前に比べて点火開始時期を遅くして火花点火燃焼用の設定値に設定する。この結果、時刻tpにおいて火花点火燃焼モードへの切替えを完了し、時刻tp以降で火花点火燃焼モードにより要求トルクを発生することができる。
次に、第3の実施形態における各種制御設定値及び各種動作量の時間変化を図16及び図17を用いて説明する。
図16は、アクセル開度、要求トルク、目標トルク、燃焼形態切替フラグ、燃焼形態フラグ設定値、ノック検出信号の時間変化を示したグラフであり、図17は、負のオーバーラップ量、点火時期、総燃料噴射量、副燃料噴射量、主燃料噴射量、実エンジントルクの時間変化を示したグラフである。図16及び図17に示されている各グラフの量、t1、t2、t3、tc、tp及びThの説明は前述の通りである。また、tsは、エンジンに備えられたノックセンサにより、ノックの発生を検出し始めた時刻、teは時刻ts以降でノックを検出しなくなった時刻である。図17において、負のオーバーラップ量、点火時期、総燃料噴射量、副燃料噴射量、主燃料噴射量の実線はECU10から各アクチュエータに指令される目標値であり、点線は各アクチュエータの動作量を表す。また、実エンジントルクの実線は、図16に示した目標トルクであり、点線は各アクチュエータが動作した結果として発生する実エンジントルクである。
時刻t1において、アクセル開度の変化を検出し、ECU10で演算した要求トルクが圧縮自己着火燃焼モードで運転可能なトルクを超えたことを要求トルク判定手段130で検出する。次に、中間トルク演算手段131の処理で、圧縮自己着火燃焼モードのトルクの最大値を上限値、時刻t1における実エンジントルクを下限値とする範囲で中間トルクを演算し、目標トルク設定手段135の処理で、時刻t1以後の目標トルクとして前記中間トルクの値を設定する。前記目標トルクと圧縮自己着火燃焼モード領域の最大トルクとの間には所定の値Tefの差を設ける。
続いて、時刻tsにおいて、ノック検出信号がONになり、ノックの発生を検出する。このときの実エンジントルク及びエンジン回転速度を、中間トルク演算用マップ136にノック発生条件として保存し、中間トルク演算用マップ136を更新(修正)する。更新した前記中間トルク演算用マップ136を用いて、中間トルク演算手段131の処理で中間トルクを演算(変更)し、目標トルク設定手段135の処理で、前記中間トルクの値を目標トルクに設定する。時刻teにおいて、ノック検出信号がOFFになり、ノックの発生が無くなったことを検出する。
実エンジントルクとして目標トルク(修正された目標トルク)に到達した時刻t2において、燃焼形態切替フラグ設定手段133の処理で、燃焼形態切替フラグをOFFに設定し、圧縮自己着火燃焼モードから火花点火燃焼モードへ燃焼モードの切替えを開始する。時刻tcで、燃焼形態フラグ設定手段134における処理で、筒内圧力センサやノックセンサの出力信号に基づき燃焼形態フラグを混在燃焼に設定する。時刻t3において、目標トルク設定手段135にて目標トルクを前記要求トルクに設定し、その後、時刻tpにおいて、燃焼形態フラグ設定手段134における処理で、筒内圧力センサやノックセンサの出力信号に基づき燃焼形態フラグを火花点火燃焼に設定する。
図16に基づき制御指令を出した場合の各種動作を図17を用いて説明する。時刻t1以降で、時刻t1以前に比べて総燃料噴射量を増加し、負のオーバーラップ量を減少させる。前記動作に応じて、実エンジントルクを増加することができる。時刻tsにおいて、修正された目標トルクに目標トルクを変更する。この修正された目標トルクを発生するため、燃料噴射量を減少させる。その結果、実エンジントルクを減少することができ、時刻teにてノックが検出されない値までトルクを減少することができる。時刻t2以降で、時刻t2以前に比べて、負のオーバーラップ量を減少させる。さらに、時刻t2以降で燃焼形態の変化によりエンジン100の効率が低下し、時刻t2以前と同量の燃料噴射量では、発生するトルクが低下するため、時刻t2以降で、時刻t2以前に比べて、総燃料噴射量を増加させる。その結果、時刻t2以降、所定の範囲で実エンジントルクを維持できる。時刻t3において設定した目標トルクを発生するために、時刻t3において、時刻t3以前に比べて、負のオーバーラップ量を減少し、総燃料噴射量を増加し、点火開始時期を遅くする。この結果、時刻tpにおいて、火花点火燃焼モードへの切替えが完了し、時刻tp以降で火花点火燃焼モードにより要求トルクを発生することができる。
10:制御装置、10c:RAM、10d:ROM、10e:CPU、10f:電駆スロットル駆動回路、10g:インジェクタ駆動回路、10h:点火出力回路、10j:可変バルブ駆動回路、11:エアフローセンサ、12:電子制御スロットル、13:インジェクタ、14:点火プラグ、15:可変バルブ、15a:吸気バルブ、15b:排気バルブ、16:吸気管、17:シリンダ、18:排気管、19:空燃比センサ、21:排気温度センサ、22:三元触媒、23:クランク角度センサ、24:ピストン、25:クランク軸、26:ノックセンサ、27:アクセル開度センサ、100:エンジン、101:要求トルク演算手段、102:目標トルク実現手段、103:燃焼切替判定手段、104:火花点火燃焼制御手段、105:圧縮自己着火燃焼制御手段、106:混在燃焼制御手段、107:燃焼切替実現手段、130:要求トルク判定手段、131:中間トルク演算手段、132:エンジントルク判定手段、133:燃焼形態切替フラグ設定手段、134:燃焼形態フラグ設定手段、135:目標トルク設定手段、136:中間トルク演算用マップ

Claims (10)

  1. 点火装置を用いて混合気を火花点火する火花点火の燃焼モードと、ピストン圧縮によって混合気を自己着火させる圧縮自己着火の燃焼モードと、を切替えて、切替えられた前記燃焼モードに応じた燃焼制御を行う内燃機関の制御装置であって、
    前記制御装置は、実エンジントルクを検出する実トルク検出手段と、
    アクセル開度に基づいて要求エンジントルクを演算する要求トルク演算手段と、
    前記火花点火燃焼モードにより燃焼制御を行う火花点火燃焼モード領域と、前記圧縮自己着火燃焼モードにより燃焼制御を行う圧縮自己着火燃焼モード領域とを、エンジントルクに応じて設定する燃焼領域設定手段と、
    前記要求エンジントルクに基づいて、前記火花点火燃焼モードと、前記圧縮自己着火燃焼モードと、の切替えの判定を行う燃焼モード切替判定手段と、
    該判定の結果に基づいて、前記燃焼モードを切替えて、前記実エンジントルクが前記要求エンジントルクとなるように前記燃焼制御を行う燃焼制御手段と、を備え、
    該燃焼モード切替判定手段は、前記圧縮自己着火燃焼モードの燃焼制御中に、前記要求エンジントルクが、前記火花点火モード領域内のエンジントルクになった要求タイミングで、前記火花点火燃焼モードへの切替えを判定し、前記圧縮自己着火燃焼モード領域内の最大エンジントルクを上限とし、前記要求タイミングの実エンジントルクを下限とする範囲内に目標中間トルクを設定し、
    前記燃焼制御手段は、前記実エンジントルクが前記目標中間トルクとなるように、前記圧縮自己着火燃焼モードの燃焼制御を行い、前記実エンジントルクが前記目標中間トルクに到達後、前記圧縮自己着火燃焼モードから前記火花点火燃焼モードへの切替えを開始し、
    前記燃焼制御手段は、前記圧縮自己着火燃焼モードの燃焼制御において、前記内燃機関の排気行程の上死点前後に設けた排気弁と吸気弁を同時に閉じる期間及び吸気行程中に燃料を噴射し、前記圧縮自己着火燃焼モードから前記火花点火燃焼モードへの切替えの開始タイミングにおいて、前記排気行程の上死点前後に設けた排気弁と吸気弁を同時に閉じる期間における燃料噴射を停止し、前記吸気行程の燃料の噴射量を増量させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記燃焼制御手段は、前記圧縮自己着火燃焼モードから前記火花点火燃焼モードへの切替えの開始タイミングで、混合気への火花点火を開始し、前記火花点火を開始してから所定の時間経過後に、火花点火の時期を遅角させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記燃焼制御手段は、前記開始タイミングから所定時刻まで、実エンジントルクが一定となるように、前記吸気行程の燃料の噴射量を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記燃焼制御手段は、前記開始タイミングから所定の時刻まで、前記燃料噴射量を増量し続け、所定の時間経過後、さらに燃料噴射量の増量の割合を増やすことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記燃焼制御手段は、前記実エンジントルクが前記目標中間トルクとなるように前記圧縮自己着火燃焼モードの燃焼制御を行う際に、吸気弁の開弁時期の進角制御、又は排気弁の閉弁時期の遅角制御の少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記燃焼モード切替判定手段は、燃焼室内の筒内圧力、燃焼室内の吸入空気量、燃焼室内の酸素濃度の少なくとも1つに基づいて、前記中間トルクを設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記燃焼モード切替判定手段は、前記中間トルクを、前記最大トルクから所定の値を減じた値に設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記制御装置は、燃焼室のノックを検出するノック検出手段をさらに備え、前記燃焼領域設定手段は、前記ノックが検出されたときの実エンジントルクに基づいて、圧縮自己着火燃焼モード領域内の最大トルクの値を修正することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記燃焼モード切替判定手段は、前記要求タイミングから前記中間トルクに到達するまでの間に、前記最大トルクが修正された場合には、修正された前記最大トルクに基づいて、前記中間トルクを変更することを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記燃焼制御手段は、燃焼室内の筒内圧力、燃焼室内の吸入空気量、燃焼室内の酸素濃度の少なくとも1つに基づいて、前記燃焼モードの切替えを禁止することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
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