JP5086987B2 - 臭素を使用するピラゾールへの2−ピラゾリンの変換 - Google Patents

臭素を使用するピラゾールへの2−ピラゾリンの変換 Download PDF

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Description

本発明は、4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール(2−ピラゾリンとしても既知)を相当するピラゾールに変換することに関する。
(特許文献1)は、殺虫剤の中間体として有用な式i
Figure 0005086987
[式中、Rはハロゲンであり;Rは、中でも、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、CN、C〜CアルコキシまたはC〜Cハロアルコキシであり;RはC〜Cアルキルであり;XはNまたはCRであり;RはHまたはRであり;そしてnは0〜3であるが、ただし、XがCHである場合、nは少なくとも1である]のピラゾールの製造プロセスを開示する。この方法は、場合により酸の存在下で、相当する式ii
Figure 0005086987
の2−ピラゾールの酸化剤による処理を含む。XがCRである場合、好ましい酸化剤は過酸化水素であり;そしてXがNである場合、好ましい酸化剤は過硫酸カリウムである。しかしながら、より費用が低いか、より効率的であるか、よりフレキシブルであるか、または操作がより都合のよい新規方法に対する要求が続いている。
国際公開第03/016283号パンフレット
本発明は、式1
Figure 0005086987
[式中、
XはH、ハロゲン、ORまたは場合により置換されていてもよい炭素部分であり;
Lは場合により置換されていてもよい炭素部分であり;
はHまたは場合により置換されていてもよい炭素部分であり;
はH、場合により置換されていてもよい炭素部分、NOまたはSOであり;
はHまたは場合により置換されていてもよい炭素部分であり;そして
は場合により置換されていてもよい炭素部分である]の化合物の製造方法に関する。この方法は、少なくとも約80℃の温度で、式2
Figure 0005086987
の2−ピラゾリンを臭素と接触させることを含んでなる。
また本発明は、式1a
Figure 0005086987
[式中、R10はHまたは場合により置換されていてもよい炭素部分である]
の化合物を使用、する式3
Figure 0005086987
[式中、
ZはNまたはCRであり;
各Rは独立してハロゲンまたはC〜Cハロアルキルであり;
はCH、F、ClまたはBrであり;そして
はF、Cl、Br、I、CNまたはCFであり;
8aはC〜Cアルキルであり;
8bはHまたはCHであり;
はH、ハロゲンまたはC〜Cハロアルキルであり;そして
nは0〜3の整数である]
の化合物の製造方法であって、上記で開示された方法によって式1aの化合物(すなわち、式1の亜属)を製造することを特徴とする方法にも関する。
本明細書に使用される場合、用語「含んでなる」、「含んでなっている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、またはそれらの他のいずれかの変形は、非排他的包含を包括するように意図される。例えば、要素のリストを含んでなる組成物、プロセス、方法、物品または装置はそれらの要素のみに必ず限定されるのではなく、明白に記載されていないか、またはかかる組成物、プロセス、方法、物品もしくは装置に固有である他の要素を含んでもよい。さらに、それとは反対の記載が明白にされない限り、「あるいは、または、もしくは」は包含的論理和を指し、そして排他的論理和を指さない。例えば、条件AまたはBは以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(または存在する)、そしてBが偽である(または存在しない)。Aが偽であり(または存在しない)、そしてBが真である(または存在する)。ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)。
また本発明の要素または構成成分を先行する不定冠詞「a」および「an」は、要素または構成成分の実例の数(すなわち、発生数)に関して非限定的であるように意図される。従って、「a」または「an」は1または少なくとも1を含むように読解されるべきであり、そして数が明らかに単数を意味しない限り、要素または構成成分の単数形は複数も含む。
本明細書の記載において、用語「炭素部分」は、炭素原子が式1および2の残部に連結される基を指す。炭素部分L、R、R、R、R、R10およびXは反応中心から分離された置換基であるため、それらは現在の合成有機化学の方法によって製造可能な非常に多種多様の炭素をベースとする基を包含し得る。本発明の方法は、一般的に、広範囲の式2の出発化合物および式1の生成化合物に適用可能である。炭素部分が反応条件下で臭素に対して反応性でないことが一般的に好ましい。しかしながら、本発明は、他の反応条件下(例えば80℃未満の温度)で臭素に対して反応性である炭素部分を有する式2の化合物の変換に特に適切である。従って、「炭素部分」は、アルキル、アルケニルおよびアルキニルを含み、それらは、直鎖または分枝鎖であり得る。また「炭素部分」は、炭素環および複素環も含み、それらは、飽和、部分的飽和または完全不飽和であり得る。さらに、ヒュッケル則が満たされる場合、不飽和環は芳香族であり得る。炭素部分の炭素環および複素環は、一緒に連結している複数の環を含んでなる多環式環系を形成し得る。用語「炭素環」は、環骨格鎖を形成する原子が炭素のみから選択される環を示す。用語「複素環」は、環骨格鎖原子の少なくとも1個が炭素以外である環を示す。「飽和炭素環」は、単結合によってもう一方と連結している炭素原子からなる骨格鎖を有する環を指し、特記されない限り、残りの炭素原子価は、水素原子によって占められる。用語「芳香族環系」は、多環式環系の少なくとも1個の環が芳香族である完全不飽和炭素環および複素環を示す。芳香族は、各環原子が本質的に同一平面に存在し、かつ環平面に対して垂直なp−軌道を有し、かつ(4n+2)π電子は、nが0または正の整数である場合、環に関連してヒュッケル則に従うことを表す。用語「芳香族炭素環系」は、完全芳香族炭素環および多環式環系の少なくとも1個の環が芳香族である炭素環を含む。用語「非芳香族炭素環系」は、完全飽和炭素環、ならびに環系における環がいずれも芳香族ではない部分的または完全不飽和炭素環を示す。用語「芳香族複素環系」および「芳香族複素環」は、完全芳香族複素環および多環式環系の少なくとも1個の環が芳香族である複素環を含む。用語「非芳香族複素環系」は、完全飽和複素環、ならびに環系における環がいずれも芳香族ではない部分的または完全不飽和複素環を示す。用語「アリール」は、少なくとも1個の環が芳香族であり、芳香族環が分子の残りの部分への連結を提供する炭素環または複素環もしくは環系を示す。
L、R、R、R、R、R10およびXに関して明示される炭素部分、ならびにLに関して明示されるアリールおよび第三級アルキル基は、場合により置換されていてもよい。用語「場合により置換されていてもよい」は、これらの炭素部分に関連して、未置換であるか、または少なくとも1個の水素以外の置換基を有する炭素部分を指す。実例となる任意の置換基としては、それぞれさらに場合により置換されていてもよい、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヒドロキシカルボニル、ホルミル、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、シクロアルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、シクロアルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アリールアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキニルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキニルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルケニルオキシカルボニルアミノ、アルキニルオキシカルボニルアミノおよびアリールオキシカルボニルアミノ;ならびにハロゲン、シアノ、およびニトロが挙げられる。任意のさらなる置換基は、ハロアルキル、ハロアルケニルおよびハロアルコキシのような、L、R、R、R、R、R10およびXに対して追加の置換基を与えるために置換基自体に関して上記で説明されたもののような基から独立して選択される。さらなる例として、アルキルアミノはアルキルによってさらに置換され得、ジアルキルアミノが得られる。また1個もしくは2個の水素原子を2個の置換基のそれぞれまたは1個の置換基から比喩的に除去し、そして分子構造を支持し、そして基を連結して、置換基を支持する分子構造に縮合または結合された環式および多環式構造を製造することによって、置換基を一緒に結合することもできる。例えば、フェニル環に結合された隣接するヒドロキシ基とメトキシ基とを一緒に結合することにより、連結基−O−CH−O−を含有する縮合ジオキソラン構造が得られる。ヒドロキシ基と、それが結合されている分子構造とを一緒に結合することにより、エポキシドを含む環状エーテルを得ることができる。また実例となる置換基としては酸素も挙げられ、これは、炭素に結合された場合、カルボニル官能性を形成する。同様に、イオウは、炭素に結合された場合、チオカルボニル官能性を形成する。式2の4,5−ジヒドロピラゾール部分が1個の環を構成するため、RおよびRまたはLおよびRの結合によって縮合二環式または多環式環系が得られる。
本明細書において、単独または「アルキルチオ」もしくは「ハロアルキル」のような組み合わせられた単語のいずれかで使用される用語「アルキル」としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルまたは種々のブチル、ペンチルもしくはヘキシル異性体のような直鎖または分枝鎖アルキルが挙げられる。用語「1〜2アルキル」は、その置換基のために利用可能な位置の1つまたは2つが独立して選択されるアルキルであり得ることを示す。「アルケニル」としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、ならびに種々のブテニル、ペンテニルおよびヘキセニル異性体のような直鎖または分枝鎖アルケンが挙げられる。「アルケニル」としては、1,2−プロパジエニルおよび2,4−ヘキサジエニルのようなポリエンも挙げられる。「アルキニル」としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ならびに種々のブチニル、ペンチニルおよびヘキシニル異性体のような直鎖または分枝鎖アルキンが挙げられる。「アルキニル」としては、2,5−ヘキサジイニルのような複数の三重結合から構成される部分も挙げることができる。「アルコキシ」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ならびに種々のブトキシ、ペントキシおよびヘキシルオキシ異性体が挙げられる。「アルケニルオキシ」としては、直鎖または分枝鎖アルケニルオキシ部分が挙げられる。「アルケニルオキシ」の例としては、HC=CHCHO、(CHC=CHCHO、(CH)CH=CHCHO、(CH)CH=C(CH)CHOおよびCH=CHCHCHOが挙げられる。「アルキニルオキシ」としては、直鎖または分枝鎖アルキニルオキシ部分が挙げられる。「アルキニルオキシ」の例としては、HC≡CCHO、CHC≡CCHOおよびCHC≡CCHCHOが挙げられる。「アルキルチオ」としては、メチルチオ、エチルチオ、ならびに種々のプロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオおよびヘキシルチオ異性体のような分枝鎖または直鎖アルキルチオ部分が挙げられる。「アルキルスルフィニル」としては、アルキルスルフィニル基の両エナンチオマーが挙げられる。「アルキルスルフィニル」の例としては、CHS(O)、CHCHS(O)、CHCHCHS(O)、(CHCHS(O)ならびに種々のブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニルおよびヘキシルスルフィニル異性体が挙げられる。「アルキルスルホニル」の例としては、CHS(O)、CHCHS(O)、CHCHCHS(O)、(CHCHS(O)ならびに種々のブチルスルホニル、ペンチルスルホニルおよびヘキシルスルホニル異性体が挙げられる。「アルキルアミノ」、「アルケニルチオ」、「アルケニルスルフィニル」、「アルケニルスルホニル」、「アルキニルチオ」、「アルキニルスルフィニル」、「アルキニルスルホニル」等は上記例と同様に定義される。「アルキルカルボニル」の例としては、C(O)CH、C(O)CHCHCHおよびC(O)CH(CHが挙げられる。「アルコキシカルボニル」の例としては、CHOC(=O)、CHCHOC(=O)、CHCHCHOC(=O)、(CHCHOC(=O)および種々のブトキシ−またはペントキシカルボニル異性体が挙げられる。「シクロアルキル」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。用語「シクロアルコキシ」としては、シクロペンチルオキシおよびシクロヘキシルオキシのような酸素原子を通して連結される同様の基が挙げられる。「シクロアルキルアミノ」はアミノ窒素原子がシクロアルキル基および水素原子に取り付けられることを意味し、そしてシクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノおよびシクロヘキシルアミノのような基が挙げられる。「(アルキル)(シクロアルキル)アミノ」は、アミノ水素原子がアルキル基によって置換されたシクロアルキルアミノ基を意味し;例としては、(メチル)(シクロプロピル)アミノ、(ブチル)(シクロブチル)アミノ、(プロピル)シクロペンチルアミノ、(メチル)シクロヘキシルアミノ等が挙げられる。「シクロアルケニル」としては、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニル、ならびに1,3−および1,4−シクロヘキサジエニルのような2個以上の二重結合を有する基のような基が挙げられる。
用語「ハロゲン」としては、単独または「ハロアルキル」のような組み合わせられた単語のいずれかで、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素が挙げられる。用語「1〜2ハロゲン」は、その置換基のために利用可能な位置の1つまたは2つが独立して選択されるハロゲンであり得ることを示す。さらに「ハロアルキル」のような組み合わせられた単語で使用される場合、前記アルキルは、同一であっても、または異なっていてもよいハロゲン原子により部分的または完全に置換されていてよい。「ハロアルキル」の例としては、FC、ClCH、CFCHおよびCFCClが挙げられる。
置換基中の全炭素原子数を接頭辞「C〜C」で表し、ここで、iおよびjは、例えば1〜3の数であり;例えば、C〜Cアルキルはメチルからプロピルを示す。
上記で示される通り、L、R、R、R、R、R10およびXの炭素部分は芳香族環または環系を含んでなり得る。芳香族環または環系の例としては、フェニル環、5員もしくは6員芳香族複素環、芳香族8員、9員もしくは10員縮合カルボビシクロ環系および芳香族8員、9員もしくは10員縮合ヘテロビシクロ環系が挙げられ、ここでは各環または環系は場合により置換されていてもよい。用語「場合により置換されていてもよい」は、これらのL、R、R、R、R、R10およびX炭素部分に関連して、未置換であるか、または少なくとも1個の水素以外の置換基を有する炭素部分を指す。これらの炭素部分は、いずれかの利用可能な炭素または窒素原子において、水素以外の置換基によって水素原子を置換することにより、適応可能な限り多くの任意の置換基によって置換されていてもよい。一般的に、任意の置換基の数は(存在する場合)、1〜4の範囲に及ぶ。場合により1〜4個の置換基によって置換されていてもよいフェニルの例は、提示1においてU−1として説明される環であり、ここではRはいずれかの水素以外の置換基であり、そしてrは0〜4の整数である。場合により1〜4個の置換基によって置換されていてもよい芳香族8員、9員もしくは10員縮合カルボビシクロ環系の例としては、提示1においてU−85として説明される場合により1〜4個の置換基によって置換されていてもよいナフチル基、および場合によりU−86として説明される1〜4個の置換基によって置換されていてもよい1,2,3,4−テトラヒドロナフチル基が挙げられ、ここではRはいずれかの置換基であり、そしてrは0〜4の整数である。場合により1〜4個の置換基によって置換されていてもよい5員もしくは6員芳香族複素環の例としては、提示1に説明される環U−2〜U−53が挙げられ、ここではRはいずれかの置換基であり、そしてrは1〜4の整数である。場合により1〜4個の置換基によって置換されていてもよい芳香族8員、9員もしくは10員縮合ヘテロビシクロ環系の例としては、提示1に説明される環U−54〜U−84が挙げられ、ここではRはいずれかの置換基であり、そしてrは0〜4の整数である。LおよびRの他の例としては、場合により提示1においてU−87として説明される1〜4個の置換基によって置換されていてもよいベンジル基、および場合によりU−88として説明される1〜4個の置換基によって置換されていてもよいベンゾイル基が挙げられ、ここではRはいずれかの置換基であり、そしてrは0〜4の整数である。
構造U−1〜U−85においてR基が示されるが、それらは任意の置換基であるため、存在する必要はないことは注目されるべきである。それらの原子価を充填するために置換を必要とする窒素原子は、HまたはRによって置換される。ここで注目すべき点は、いくつかのU基は、4未満のR基によってのみ置換され得ることである(例えば、U−14、U−15、U−18〜U−21およびU−32〜U−34は、1個のRによってのみ置換され得る)。ここで注目すべき点は、(RとU基との間の結合点が固定されていない状態で図示される場合、(RはU基のいずれかの利用可能な炭素原子または窒素原子に結合可能であることである。ここで注目すべき点は、U基上の結合点が固定されていない状態で図示される場合、U基のいずれかの利用可能な炭素を通して、水素原子を置換することにより、U基は式1および2の残部に結合可能であることである。
Figure 0005086987
Figure 0005086987
Figure 0005086987
Figure 0005086987
Figure 0005086987
上記で示される通り、L、R、R、R、R、R10およびXの炭素部分は飽和または部分的飽和炭素環および複素環を含んでなり得、これらはさらに場合により置換されてもよい。用語「場合により置換されていてもよい」は、これらのLおよびR炭素部分に関連して、未置換であるか、または少なくとも1個の水素以外の置換基を有する炭素部分を指す。これらの炭素部分は、いずれかの利用可能な炭素または窒素原子において、水素以外の置換基によって水素原子を置換することにより、適応可能な限り多くの任意の置換基によって置換されていてもよい。一般的に、任意の置換基の数は(存在する場合)、1〜4の範囲に及ぶ。飽和または部分的飽和炭素環の例としては、場合により置換されていてもよいC〜Cシクロアルキルおよび場合により置換されていてもよいC〜Cシクロアルキルが挙げられる。飽和または部分的飽和複素環の例としては、場合により置換されていてもよい、C(=O)、S(O)またはS(O)よりなる群から選択される1個もしくは2個の環員を場合により含む、5員もしくは6員非芳香族複素環が挙げられる。かかるL、R、R、R、R、R10およびX炭素部分の例としては、提示2においてG−1〜G−35として説明されるものが挙げられる。ここで注目すべき点は、これらのG基における結合点が固定されていない状態で図示される場合、G基のいずれかの利用可能な炭素または窒素を通して、水素原子を置換することにより、G基は式1および2の残部に結合可能であることである。水素原子を置換することにより、任意の置換基をいずれかの利用可能な炭素または窒素に結合可能である(前記置換基は任意の置換基であるため、提示2において図示されていない)。ここで注目すべき点は、Gが、G−24〜G−31、G−34およびG−35から選択される環を含んでなる場合、Qは、O、S、NHまたは置換されたNから選択されてよいことである。
Figure 0005086987
場合によりL、R、R、R、R、R10およびXの炭素部分が置換されていてもよいことは注目すべきである。上記の通り、L、R、R、R、R、R10およびX炭素部分は、一般的に、中でも、さらに場合により1〜4個の置換基により置換されていてもよいU基またはG基を含んでなってもよい。従って、L、R、R、R、R、R10およびX炭素部分は、U−1〜U−88またはG−1〜G−35から選択されるU基またはG基を含んでなってもよく、かつ1〜4個のUまたはG基を含む追加の置換基(これらは同一であっても異なっていてもよい)によってさらに置換されており、そしてコアUまたはG基および置換基UまたはG基の両方は場合によりさらに置換されていてもよい。ここで特に注目すべきは、場合により1〜3個の追加の置換基によって置換されていてもよいU基を含んでなるL炭素部分である。例えば、Lは基U−41であり得る。
本発明の実施形態としては、以下が挙げられる。
実施形態1.臭素対式2の化合物のモル比が約3:1〜約1:1の比である式1の化合物の製造方法。
実施形態2.臭素対式2の化合物のモル比が約2:1〜約1:1である実施形態1の方法。
実施形態3.臭素対式2の化合物のモル比が約1.5:1〜約1:1である実施形態2の方法。
実施形態4.臭素が気体として式2の化合物に添加される式1の化合物の製造方法。
実施形態5.気体臭素が不活性気体によって希釈される実施形態4の方法。
実施形態6.不活性気体が窒素である実施形態5の方法。
実施形態7.不活性気体対臭素のモル比が約50:1〜2:1である実施形態5の方法。
実施形態8.不活性気体対臭素のモル比が約30:1〜4:1である実施形態7の方法。
実施形態9.温度が約100℃より高い式1の化合物の製造方法。
実施形態10.温度が約120℃より高いである実施形態9の方法。
実施形態11.温度が約180℃未満である式1の化合物の製造方法。
実施形態12.温度が約150℃未満である実施形態11の方法。
実施形態13.温度が約140℃未満である実施形態12の方法。
実施形態14.臭素との接触の前または後のいずれかに塩基を式2の化合物と組み合わせる式1の化合物の製造方法。
実施形態15.塩基が第三級アミン(場合により置換されていてもよいピリジンを含む)および無機塩基から選択される実施形態14の方法。
実施形態16.塩基が炭酸カルシウムであり、そして塩基の量が臭素に対して約0〜10.0当量である実施形態15の方法。
実施形態17.塩基の量が臭素に対して約0〜4.0当量である実施形態16の方法。
実施形態18.塩基の量が臭素に対して約0〜2.4当量である実施形態15の方法。
実施形態19.臭素との接触の前に溶媒を式2の化合物と組み合わせて混合物を形成する式1の化合物の製造方法。
実施形態20.溶媒が100℃より高い沸点を有する場合によりハロゲン化されていてもよい炭化水素である実施形態19の方法。
実施形態21.溶媒が場合により塩素化されていてもよい芳香族の炭化水素またはジブロモアルカンである実施形態20の方法。
実施形態22.溶媒がt−ブチルベンゼン、クロロベンゼンまたは1,2−ジブロモエタンである実施形態21の方法。
実施形態23.溶媒がt−ブチルベンゼンである実施形態22の方法。
実施形態24.溶媒がクロロベンゼンである実施形態22の方法。
実施形態24b.温度がほぼ溶媒の沸点である実施形態19〜24のいずれかの方法。
実施形態25.溶媒対式2の化合物のモル当量が約5:1〜50:1である式1の化合物の製造方法。
実施形態26.溶媒対式2の化合物のモル当量が約8:1〜40:1である実施形態25の方法。
実施形態27.溶媒対式2の化合物のモル当量が約10:1〜30:1である実施形態26の方法。
実施形態28.Xがハロゲン、ORまたは場合により置換されていてもよい炭素部分である式1の化合物の製造方法。
実施形態29.XがハロゲンまたはC〜Cハロアルキルである実施形態28の方法。
実施形態30.XがBrまたはCFである実施形態29の方法。
実施形態31.XがBrである実施形態30の方法。
実施形態32.XがORである実施形態28の方法。
実施形態33.RがHまたはC〜Cハロアルキルである実施形態32の方法。
実施形態34.RがCFHまたはCHCFである実施形態33の方法。
実施形態35.RがHである実施形態32の方法。
実施形態36.Lが、場合により1〜3個のRによって置換されていてもよいフェニル環または5員もしくは6員芳香族複素環である式1の化合物の製造方法。
実施形態37.Lが、場合により1〜3個のRによって置換されていてもよいピリジニルまたはフェニルであり、そして各Rが独立してハロゲンまたはC〜Cハロアルキルである実施形態36の方法。
実施形態38.Lが
Figure 0005086987
である実施形態37の方法。
実施形態39.ZがNまたはCRであり;そしてRがH、ハロゲンまたはC〜Cハロアルキルである実施形態38の方法。
実施形態40.ZがNである実施形態39の方法。
実施形態41.各Rが独立してハロゲンまたはCFである実施形態40の方法。
実施形態42.ハロゲンであるRによって環が3位で置換される実施形態41の方法。
実施形態43.nが1である実施形態42の方法。
実施形態44.RがBrまたはClである実施形態43の方法。
実施形態45.ZがCRである実施形態39の方法。
実施形態46.RがH、ハロゲンまたはCFである実施形態45の方法。
実施形態47.Rがハロゲンである実施形態46の方法。
実施形態48.RがBrまたはClである実施形態47の方法。
実施形態49.RがHまたはC〜Cアルキルである式1の化合物の製造方法。
実施形態50.RがHである実施形態49の方法。
実施形態51.RがH、CN、C〜Cアルキル、CO10、NOまたはSOであり;そしてR10がHまたはC〜Cアルキルである式1の化合物の製造方法。
実施形態52.RがCO10である実施形態51の方法。
実施形態53.R10がHまたはC〜Cアルキルである実施形態52の方法。
実施形態54.R10がC〜Cアルキルである実施形態53の方法。
実施形態55.R10がメチルまたはエチルである実施形態54の方法。
実施形態56.RがC〜Cアルキルまたは場合により置換されていてもよいフェニルである実施形態51の方法。
実施形態57.Rがメチル、フェニルまたは4−トリルである実施形態56の方法。
さらなる実施形態は、実施形態1〜57のいずれかに記載の方法によって製造された式1aの化合物を使用する式3の化合物の製造方法を含む。
注目すべきは以下の実施形態である。
実施形態A.
Xがハロゲン、ORまたはC〜Cハロアルキルであり;
Lが場合により1〜3個のRによって置換されていてもよいフェニル環または5員もしくは6員芳香族複素環であり;
がHであり;
がH、CN、C〜Cアルキル、CO10、NOまたはSOであり;
がHまたはC〜Cハロアルキルであり;
がC〜Cアルキルまたは場合により置換されていてもよいフェニルであり;
各Rが独立してハロゲンまたはC〜Cハロアルキルであり;そして
10がHまたはC〜Cアルキルである式1の化合物の製造方法。
実施形態B.
式1の化合物が、式1a
Figure 0005086987
であり、そして式2の化合物が、式2a
Figure 0005086987
であり、
ZがNまたはCRであり;
がH、ハロゲンまたはC〜Cハロアルキルであり;そして
nが0〜3の整数である実施形態Aの方法。
実施形態C.
XがBrまたはCFであり;
ZがNであり;
各Rが独立してハロゲンまたはCFであり;そして
10がメチルまたはエチルである実施形態Bの方法。
実施形態D.
XがORであり;
がHまたはC〜Cハロアルキルであり;
そしてR10がHまたはC〜Cアルキルである実施形態Bの方法。
実施形態E.
XがOH、OCFHまたはOCHCFであり;
ZがNであり;
各Rが独立してハロゲンまたはCFであり;
そしてR10がメチルまたはエチルである実施形態Dの方法。
実施形態F.温度が約120℃と140℃との間である式1の化合物の製造方法。
実施形態G.臭素との接触の前または後のいずれかに塩基を式2の化合物と組み合わせ、そして塩基対臭素のモル当量が約0:1〜4:1である式1の化合物の製造方法。
実施形態H.臭素対式2の化合物のモル当量が約2:1〜1:1である式1の化合物の製造方法。
実施形態I.臭素との接触の前に溶媒を式2の化合物と組み合わせて混合物を形成し、そして温度がほぼ溶媒の沸点である式1の化合物の製造方法。
実施形態J.臭素が気体として式2の化合物に添加され、そして気体臭素は不活性気体によって希釈される式1の化合物の製造方法。
実施形態K.
式1a
Figure 0005086987
[式中、R10はHまたはC〜Cアルキルである]
の化合物を使用する、式3
Figure 0005086987
[式中、
Xはハロゲン、ORまたはC〜Cハロアルキルであり;
ZはNまたはCRであり;
はHまたはC〜Cハロアルキルであり;
各Rは独立してハロゲンまたはC〜Cハロアルキルであり;
はCH、F、ClまたはBrであり;そして
はF、Cl、Br、I、CNまたはCFであり;
8aはC〜Cアルキルであり;
8bはHまたはCHであり;
はH、ハロゲンまたはC〜Cハロアルキルであり;そして
nは0〜3の整数である]
の化合物の製造方法であって、
実施形態Bの方法によって式1aの化合物を製造することを特徴とする方法。
実施形態L.
実施形態ZがNであり;
各Rが独立してCl、BrまたはCFであり;
1つのRが3位にあり;そして
10がメチルまたはエチルであるKの方法。
実施形態M.XがBrであり;nが1であり;そしてRがClである実施形態Lの方法。
比較例1に例示されるように、周囲条件付近の温度で酸化剤として臭素を使用して式2の2−ピラゾリンを式1のピラゾールへと酸化させる試みは、ピラゾリンまたはピラゾール環上での置換基の臭素化を含む副反応をしばしばもたらす。スキーム1に示されるように、約80℃以上で式2の2−ピラゾリンを臭素と接触させることによって、式1の相当するピラゾールに優れた選択性を与えることができることが発見されている。
Figure 0005086987
典型的に不活性溶媒中の溶液として式2の2−ピラゾリンを高温で臭素と接触させることによって反応は実行される。副産物臭化水素は、化学的に、例えば適切な塩基の添加によって、または物理的に、例えば不活性ガスで反応質量のスパージングによって除去される。反応の完了後、生成物は、当業者に既知の方法、例えば結晶化または蒸留によって単離される。
様々な不活性溶媒、好ましくは低極性から中程度の極性の不活性溶媒中でプロセスを実行可能である。適切な溶媒としては、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭素、芳香族化合物および前記の混合物が挙げられる。脂肪族炭化水素溶媒としては、オクタン、ノナン、デカン等のような直鎖または分枝鎖アルカン、ならびにミネラルスピリットおよびリグロインのような脂肪族炭化水素の混合物が挙げられる。ハロゲン化炭素溶媒としては、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,2−ジブロモエタン等のような少なくとも1つのハロゲンによって置換された直鎖または分枝鎖アルカンが挙げられる。芳香族化合物溶媒としては、ハロゲン、ベンゼン環に連結する炭素原子上でハロゲンによって完全に置換され、そして他の炭素原子上で場合によりハロゲンによって置換されていてもよい第三級アルキルおよび場合により直鎖または分枝鎖アルキルから選択される1つ以上の置換基によって置換されていてもよいベンゼン、例えば、ベンゼン、第三級ブチルベンゼン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド、ベンゾトリクロリド等が挙げられる。最適な溶媒の選択は、操作の所望の温度および圧力に依存する。所望であれば、溶媒の沸点を高めるために周囲圧力より高い圧力でプロセスを実行してもよい。減圧も使用されてもよい。しかしながら、操作の容易さのため、好ましい操作圧力は周囲圧力であり、この場合、溶媒の沸点は所望の操作温度に等しいか、またはより高いであろう。本発明の一実施形態において、溶媒は場合によりハロゲン化されていてもよい炭化水素であり、100℃より高い沸点を有する。特に適切な溶媒としては、t−ブチルベンゼン、クロロベンゼンおよび1,2−ジブロモエタンが挙げられる。溶媒対式2の化合物のモル比は、典型的に約50:1〜5:1、好ましくは約40:1〜8:1、そして最も好ましくは約30:1〜10:1である。
本発明に従って、プロセス収率を最大にするために、競争する臭素化よりも酸化が有利であるレベルまで反応温度が高められるべきである。本発明のプロセスの一実施形態において、反応温度は典型的に約80℃〜180℃の範囲である。さらなる実施形態において、温度は約100℃〜150℃および約120℃〜140℃の範囲である。
本発明において、酸化剤臭素は液体として、または気体として添加可能である。一実施形態において、気体臭素を、窒素、ヘリウム、アルゴン等のような不活性気体によって希釈してもよい。臭素は、臭化水素の除去が可能である程度に短期間で添加可能である。一実施形態において、実施上、臭素の添加時間は典型的に0.5〜20時間の間、好ましくは0.5〜10時間の間、そして最も好ましくは1.5〜4時間の間である。広範囲の反応物比が可能であるが、臭素対式2化合物の公称モル比は、典型的に約3対1、好ましくは約2対1、そして最も好ましくは約1.5対1である。
本方法の反応が副産物として臭化水素を発生させる場合、それは式1および2の化合物上で塩基中心と別の様式で結合するか、または酸化反応と干渉するため、この方法は典型的に、適切な無機または有機塩基の添加によって化学的に溶液から臭化水素を除去することによって、および/または不活性気体によるスパージングによって、および/または還流下で加熱することによって実行される。炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム等のようなアルカリまたはアルカリ土属酸化物または炭酸塩を含む様々な無機塩基が使用可能である。トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン等のような三置換アミンまたはピリジン、ピコリン、イミダゾール等のような複素環式芳香族化合物塩基を含む様々な有機塩基が使用可能である。本発明の一実施形態において、炭酸カルシウムはコストおよび入手可能性の理由のため適切な塩基である。塩基は典型的に、臭素添加の前に添加される。スキーム1に示されるように、ピラゾール1の毎モル当量の発生から副産物水素臭化物の2モル当量が生じる。従って、副産物臭化水素を中和するため、式2の化合物の毎モル当量に対して塩基の少なくとも2モル当量が必要とされる。経済的に実行可能な範囲内で過剰量の塩基が使用されてもよい。充填された無機塩基対充填された臭素の公称モル当量比の一実施形態は約2〜10である。充填された有機塩基対充填された臭素の公称モル当量比率のもう一つの実施形態は約2〜4である。
また副産物水素臭化物は、物理的な手段、例えば不活性気体による溶液のスパージングによって、または還流下での加熱によって反応質量から除去可能である。適切な不活性気体の実施形態としては、窒素、ヘリウム、アルゴンおよび二酸化炭素が挙げられる。不活性気体は、反応器への導入の前に臭素と混合することができる。不活性気体の量は、それが生じる速度で効率的に臭化水素を除去するために十分でなければならない。必要とされる不活性気体の量は、溶媒、反応温度および臭素添加速度に依存する。本発明の一実施形態において、不活性気体対臭素の公称モル比は典型的に約50:1〜2:1であり、そして不活性気体は臭素添加と同じ期間で添加される。追加の実施形態において、不活性気体対臭素の公称モル比は約30:1〜4:1である。反応溶媒の還流温度における加熱時、蒸発する溶媒自体が臭化水素の除去のための不活性気体として機能し得る。一実施形態において、蒸発溶媒対臭素の公称モル比は、臭素添加の間、約5より高い。追加の実施形態において、蒸発溶媒対臭素の比率は、臭素添加の間、約10より高く、そして約50未満である。
本発明のプロセスに従って、不活性気体による溶液のスパージングによって、または還流での加熱によって副産物臭化水素が反応質量から除去される場合、反応混合物に存在する塩基対臭素のモル比は2:1未満であり得る。反応混合物に添加される塩基対臭素の公称モル比は、典型的に約0〜10、好ましくは約0〜4、そして最も好ましくは約0〜2.4である。
本発明に従って、溶媒は典型的に式2の化合物と組み合わせられて混合物を形成し、そして臭素との接触前に還流下で加熱される。臭素が反応混合物に添加されると、反応副産物水素臭化物は、還流で不活性気体および加熱で反応混合物をスパージングすることによって並行して除去され;従って、反応温度はほぼ溶媒の沸点である。従って、本発明による実施形態において、臭素との接触前に溶媒を式2の化合物と組み合わせて混合物を形成し、そして反応温度はほぼ溶媒の沸点である。
反応は典型的に1時間〜1日以内で完了し;反応の経過は、当業者に既知の薄層クロマトグラフィおよびH NMRスペクトル分析のような技術によってモニター可能である。式1の生成物ピラゾールは、抽出、結晶化および蒸留を含む当業者に既知の方法によって反応混合物から単離可能である。
スキーム2に示されるように、式1aは、X、R、R10およびZが以前に定義された通りである式1の亜属である。式1aの化合物は、前記の本発明の方法によって式2の亜属である式2aの相当する化合物から製造可能である。
Figure 0005086987
式2の化合物は、当業者に既知の多種多様な現代の合成方法論によって製造可能である。一般に、スキーム3に概説されるように、Xが炭素部分である式2の化合物は式4のα,β−不飽和ケトンおよび式5のヒドラジンの反応から製造可能である。
Figure 0005086987
式2bの化合物は、式5のヒドラジンを式4aの化合物と接触させることによって製造可能である(スキーム4)。次いで、適切な塩基の存在下で式6のアルキル化剤Lg−Rによって式2bの化合物をアルキル化して式2cの化合物を得る。アルキル化反応は、テトラヒドロフランまたはジオキサンのようなエーテル、およびアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等のような極性非プロトン性溶媒を含んでなり得る溶媒において一般的に実行される。塩基は、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムまたは水素化ナトリウムのような無機塩基から選択可能である。好ましくは、反応は、溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルを使用し、炭酸カリウムを使用して実行される。アルキル化剤Lg−Rにおいて、Lgはハロゲン(例えば、Br、I)、OS(O)CH(メタンスルホネート)、OS(O)CF、OS(O)Ph−p−CH(p−トルエンスルホネート)等のような核脱離(すなわち、脱離基)である。式2cの生成物は、抽出のような従来の技術によって単離することができる。
Figure 0005086987
スキーム5に概説される通り、Xがハロゲンである式dの化合物は式2bの相当する化合物からハロゲン化により製造可能である。
Figure 0005086987
使用可能なハロゲン化試薬としては、オキシハロゲン化リン、トリハロゲン化リン、ペンタハロゲン化リン、塩化チオニル、ジハロトリアルキルホスホラン、ジハロトリフェニルホスホラン、塩化オキサリルおよびホスゲンが挙げられる。オキシハロゲン化リンおよびペンタハロゲン化リンが好ましい。このハロゲン化のための典型的な溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロブタン等のようなハロゲン化アルカン、ベンゼン、キシレン、クロロベンゼン等のような芳香族溶媒、テトラヒドロフラン、p−ジオキサン、ジエチルエーテル等のようなエーテル、およびアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等のような極性非プロトン性溶媒が挙げられる。場合により、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン等のような有機塩基を添加することができる。N,N−ジメチルホルムアミドのような触媒の添加も任意である。
あるいは、Xが異なるハロゲン(例えば、XがBrである式2dを製造するためにはCl)である式2dの相当する化合物を、それぞれ臭化水素または塩化水素で処理することによって、Xがハロゲンである式2dの化合物を製造することができる。この方法によって、式2dの出発化合物上のXハロゲン置換基は、それぞれ臭化水素または塩化水素からBrまたはClによって置換される。すでに記載された通り、XがClまたはBrである式2dの出発化合物は式2bの相当する化合物から製造可能である。
2−ピラゾリンの製造の一般的な参照のため、レバイ A.(Levai A.)、ジャーナル オブ ヘテロサイクリック ケミストリー(J.Heterocycl.Chem.)2002、39(1)、第1−13頁;エル−レイース,N.R.(El−Rayyes,N.R.);アル−アワジ N.A.(Al−Awadi N.A.)、シンテシス(Synthesis)1985、1028−22およびその引用文献を参照のこと。式2aがX、R、R10およびZが以前に定義された式2の亜属である場合、式2aの化合物は、スキーム3、4および5で前記された方法によって製造可能である。式2aの化合物の製造に関してさらなる参照のため、国際公開第2003/016283号パンフレットおよび国際公開第2004/011453号パンフレットを参照のこと。
式2の化合物を製造するための上記のいくつかの試薬および反応条件は、中間体に存在する特定の官能基には適合しないであろうことが認識される。これらの例において、合成系中に保護/脱保護配列または官能性の相互変換を組み入れることにより、所望の生成物を得ることが助けられるだろう。保護基の使用および選択は化学合成の当業者に明白であろう(例えば、グリーン,T.W.(Greene,T.W.);ワッツ,P.G.M.(Wuts,P.G.M.) プロテクティブ グループス イン オーガニック シンテシス(Protective Groups in Organic Synthesis),第2版;ウィリー(Wiley):ニューヨーク(New York),1991を参照のこと)。いくつかの場合、いずれかの個々のスキームに記述されたように与えられた試薬の導入後、式2の化合物の合成を完了するために、詳細に記載されていない追加の慣例合成工程を実行する必要があることを当業者は認識するだろう。式2の化合物を製造するために提案された特定の順序により示されるもの以外の順番で、上記スキームに図示された工程の組み合わせを実行する必要があることも当業者は認識するだろう。置換基を加えるため、または存在する置換基を変性するために、本明細書に記載の式2の化合物および中間体に、様々な求電子、求核、ラジカル、有機金属、酸化および還元反応を受けさせることができることも当業者は認識するだろう。
さらなる詳細がなくても、前記を使用する当業者は本発明をその最も十分な範囲まで利用することができると考えられる。以下の実施例は、スキーム6に概説される通り、3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートの臭素化に焦点を合わせる。式7の2−ピラゾリンの酸化のための酸化剤として臭素が使用される場合、3つの可能な生成物(式8、9および10)がある。これらの例は単なる実例として解釈されるべきであり、いずれかの様式で開示を限定するものではない。
Figure 0005086987
HPLCは高圧液体クロマトグラフィーを意味する。H NMRスペクトルは、テトラメチルシランからのppm低磁場で報告され、「s」は一重項を意味し、「d」は二重項を意味し、「t」は三重項を意味し、「m」は多重項を意味し、「dd」は二重項の二重項を意味し、「dt」は三重項の二重項を意味し、そして「br s」は広域一重項を意味する。
比較1
周囲温度付近での3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートの臭素化
メカニカルスターラー、温度計、添加ロート、還流冷却器および窒素インレットを備えた2L丸底フラスコに、50.0g(0.150モル)の3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル(製造に関して、国際公開第2003/16283号パンフレット、実施例9を参照のこと)、500mLのジクロロメタン、200mLの水および15.0g(0.179モル)の重炭酸ナトリウムを充填した。25mLのジクロロメタンに溶解された25.0g(0.156モル)の臭素によって約20分間、二相混合物を滴下処理した。反応質量の温度は19℃から25℃まで上昇し、そして添加の間、気体が迅速に発生した。得られたオレンジ色混合物を1時間、周囲条件下で保持した。反応質量を分液ロートに移動した。ジクロロメタン層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、次いでロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた茶色油状物(59.9g)は、H NMRによって測定したところ、3−ブロモ−1−(5−ブロモ−3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル(2%、式9)、エチル3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル(2%、式10)およびジクロロメタン(5%)と一緒に3−ブロモ−1−(5−ブロモ−3−クロロ−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル(91重量%、式8)を含有することがわかった。
式8化合物:
H NMR(DMSO−d)δ8.25(d,1H),8.16(d,1H),5.16(dd,1H),4.11(q,2H),3.61(dd,1H),3.31(dd,1H),1.15(t,3H)
式9化合物:
H NMR(DMSO−d)δ8.76(d,1H),8.73(d,1H),7.37(s,1H),4.18(q,2H),1.12(t,3H)
式10化合物
H NMR(DMSO−d)δ8.59(d,1H),8.39(d,1H),7.72(dd,1H),7.35(s,1H),4.16(q,2H),1.09(t,3H)
実施例1
ピリジンの存在下で3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチルの臭素化
A:臭素の気体添加用装置
実施例1A〜1C用の実験装置は、流量計と、シリンジポンプと、混合チャンバーと、トラップと、スクラッバーと、1つの口が水冷冷却器および冷却器を通してゲージへと通過するワイヤーを備えたテフロン(Teflon)(登録商標)コート熱電対を備えた2つ口10mLフラスコとを含んでなった。混合チャンバーで、反応容器として機能する2つ口フラスコへのそれらの導入前に臭素と窒素気体とを混合させた。混合チャンバーはゴムセプタムをかぶせた7mLガラス瓶からなった。混合チャンバーのゴムセプタムを穿孔する流量計およびテフロン(Teflon)(登録商標)フルオロポリマー管(外径1.6mm)を通して窒素気体を通過させる。混合チャンバーのゴムセプタムを穿孔するシリンジニードルを通して、臭素をシリンジポンプから混合チャンバー中に注入した。ゴムセプタムを穿孔するテフロン(Teflon)(登録商標)管を通して臭素および窒素の混合物を混合チャンバーに通過させ、そして管の端部が反応溶液の表面下で浸水するように2つ口フラスコの他の口でゴムセプタムを穿孔する管を通して流動させた。油浴を使用して反応フラスコを加熱し、そして熱電対ゲージによって反応温度をモニターした。冷却器の上部に連結された管は、排出窒素気体および凝縮されていない蒸気をトラップへと導き、次いで亜硫酸水素ナトリウム水溶液を含有するスクラッバーへと導き、副産物臭化水素およびいずれの過剰量の臭素を捕捉した。
実施例1A
ピリジンの存在下で
上記装置の2つ口フラスコ中に、0.500g(1.503ミリモル)の3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル、0.256g(3.23ミリモル)のピリジンおよび5.05gのクロロベンゼンを添加し、そして115℃まで加熱した。2時間かけてシリンジから混合チャンバー中に臭素(0.265g、85μL、1.66ミリモル)を注入し(すなわち、40μL/時間)、一方、0.41mL/秒の速度で混合チャンバーを通して窒素を反応混合物中に流動させた。さらに30分間、窒素流動を継続した。オレンジ色反応混合物を冷却し、次いで、内部基準としてO−テルフェニル(61.4mg)を使用して定量HPLCによって分析した。HPLC分析用の分析試料は、計量されたO−テルフェニルを反応混合物に添加することによって製造され、そして全ての沈殿塩を溶解するために5mLのジメチルスルホキシドを添加した。得られた溶液の20μLアリコートを取り出し、そして1mLのアセトニトリルによって希釈し、そして0.2μmフリットを通して濾過して、HPLC分析試料を得た。収率をモル%で報告する。HPLCによって、得られた溶液は、クロロベンゼンおよびピリジン以外に89%の3−ブロモ−1−(5−ブロモ−3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル(式10)および9%の3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル(式7)を含有することが示された。
実施例1B
炭酸カルシウムの存在下で
撹拌を促進するための撹拌バーも備えた上記装置の2つ口10mLフラスコ中に、0.500g(1.507ミリモル)の3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル、0.507g(5.06ミリモル)の炭酸カルシウムおよび5.00gのクロロベンゼンを添加し、そして130℃まで加熱した。2時間かけてシリンジから混合チャンバー中に臭素(0.265g、85μL、1.66ミリモル)を注入し(40μL/時間)、一方、0.41mL/秒の速度で混合チャンバーを通して窒素を撹拌反応混合物中に流動させた。さらに10分間、窒素流動を継続した。オレンジ色反応混合物を冷却し、次いで、内部基準としてO−テルフェニル(51.1mg)を使用して定量HPLCによって分析した。HPLCによって、得られた溶液は、クロロベンゼン以外に96%の3−ブロモ−1−(5−ブロモ−3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル(式10)および2%の3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル(式7)を含有することが示された。
実施例1C
窒素スパージングを用いて、塩基添加なし
上記装置の2つ口フラスコ中に、0.25g(0.76ミリモル)の3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチルおよび2.5gのクロロベンゼンを添加し、そして130℃まで加熱した。3時間かけてシリンジから混合チャンバー中に臭素(0.233g、75μL、1.46ミリモル)を注入し(15μL/時間)、一方、0.46mL/秒の速度で混合チャンバーを通して窒素を反応混合物中に連続的に流動させた。反応混合物を冷却し、次いで、内部基準としてO−テルフェニル(32.7mg)を使用して定量HPLCによって分析した。HPLCによって、得られた溶液は、クロロベンゼン以外に88%の3−ブロモ−1−(5−ブロモ−3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル(式10)および0%の3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル(式7)を含有することが示された。
実施例3
様々な反応条件下での3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチルの臭素化
実施例3−1〜3−38に関して、以下の一般手順を使用した。平底円筒形ガラス容器(内径15mm×80mm)に、5−ブロモ−2−(3−クロロ−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸エチル、クロロベンゼンおよび場合により炭酸カルシウムを充填した。次いでガラス容器に磁気撹拌バー、水冷冷却器および温度測定用テフロン(Teflon)(登録商標)コート熱電対を備えた。油浴によって反応混合物を所望の温度まで加熱し、そして反応混合物に挿入されたテフロン(Teflon)(登録商標)管を通して特定の流速の窒素流動を通過させた。付属のシリンジポンプへとシリンジから制御された速度で臭素を添加し;シリンジは、窒素流動を運搬するテフロン(Teflon)(登録商標)管にTコネクターを通して連結され、そのようにして臭素は蒸気相で反応混合物中に運搬された。排出気体は、反応混合物を通して通過する臭化水素およびいずれの過剰量の臭素を収集するために使用されたウォータートラップを通して通過させた。全臭素を添加した後、窒素流動を継続しながら反応混合物を冷却した。計量された量のジメチルスルホキシド(4.3〜4.4g)の添加によって、分析用に反応混合物を製造した。これは内部標準として既知量のオルト−テレフェニルを含有した。完全に混合した後、この混合物の7.5〜15μLアリコートを900μLのアセトニトリルで希釈し、そして0.2ミクロンのフィルターを通過させ、そしてアジレント(Agilent)1100シリーズ 高圧液体クロマトグラフィ機器上で分析した。各実施例に関して、式7の化合物の量、式7の出発化合物に対する溶媒(クロロベンゼン)および臭素のモル、臭素の添加速度、臭素に対する塩基(炭酸カルシウム)および窒素のモル当量、窒素流速、反応温度、ならびに式7の出発化合物の変換率%および式10、9および8の化合物の収率%を含む反応結果を表1に記載する。反応混合物の各化合物の反応収率は、表1において各実施例に関してモル%として記載される。
Figure 0005086987
Figure 0005086987
表2中、以下の略号を使用する:tは第三級を意味し、sは第二級を意味し、nはノルマルを意味し、iはイソを意味し、Meはメチルを意味し、Etはエチルを意味し、Prはプロピルを意味し、i−Prはイソプロピルを意味し、そしてBuはブチルを意味する。表2は、本発明の方法に従って式2aの化合物から式1aの化合物を製造するための特定の変形を説明する。
Figure 0005086987
有効性
収穫保護剤、医薬および他のファインケミカル製造のための中間体として有用である式1の多種多様な化合物を製造するために、本発明の臭素による2−ピラゾリンの選択的酸化を使用することができる。本発明の方法によって製造可能な化合物の中で、特に式1aの化合物は式3の化合物を製造するために有用である。
Figure 0005086987
[式中、X、Z、Rおよびnは上記で定義された通りであり;Rは、CH、F、ClまたはBrであり;Rは、F、Cl、Br、I、CNまたはCFであり;R8aはC〜Cアルキルであり、そしてR8bはHまたはCHである]
式3の化合物は、例えば、国際公開第01/015518号パンフレットに記載されるように、殺虫剤として有用である。式2および3の化合物の製造については、国際公開第01/015518号パンフレットおよび2004年12月7日出願の米国仮特許出願第60/633899号明細書[BA9343 US PRV]に記載され、そしてそれらは全体的に参照することにより本明細書に組み入れられる。
式3の化合物は、スキーム7〜10で概説されるプロセスによって式1aの相当する化合物から製造可能である。
例えば、R10がC〜Cアルキルである式1aの対応するエステル化合物から、加水分解によってR10がHである式1aのカルボン酸化合物を製造することができる。無水条件下における求核開裂、または酸もしくは塩基のいずれかの使用を伴う加水分解法を含む様々な方法によって、カルボン酸エステル化合物をカルボン酸化合物へと変換することができる(方法の概説に関して、T.W.グリーン(T.W.Greene)およびP.G.M.ワッツ(P.G.M.Wuts),プロテクティブ グループス イン オーガニック シンテシス(Protective Groups in Organic Synthesis),第2版;ジョン ウィリー & サンズ インコーポレイテッド(John Wiley & Sons,Inc.):ニューヨーク(New York),1991,第224〜269頁を参照のこと)。式1aの化合物に関して、塩基触媒による加水分解法が好ましい。適切な塩基としては、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウムまたはカリウム)の水酸化物が挙げられる。例えば、水と、エタノールのようなアルコールとの混合物中にエステルを溶解することができる。水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムによる処理によって、エステルは鹸化され、カルボン酸のナトリウムまたはカリウム塩が提供される。塩酸または硫酸のような強酸による酸化によって、R10がHである式1aのカルボン酸が得られる。抽出、蒸留および結晶化を含む当業者に既知の方法によって、カルボン酸を単離することができる。
スキーム7に説明されるように、R10がHである式1aのピラゾールカルボン酸と式11のアントラニル酸とのカップリングによって、式12のベンゾオキサジノンが提供される。スキーム7の方法において、トリエチルアミンまたはピリジンのような第三級アミンの存在下において、R10がHである式1aのピラゾールカルボン酸への塩化メタンスルホニルの連続添加、それに続いて式11のアントラニル酸の添加、それに続いて第三級アミンおよび塩化メタンスルホニルの第2の添加を経て、式12のベンゾオキサジノンを直接的に製造する。この手順によって一般的に良好な収率の式12のベンゾオキサジノンが得られる。
Figure 0005086987
[式中、R、R、R、X、Zおよびnは、式3に関して定義された通りである]
スキーム8に、直接的に式12のベンゾオキサジノンを提供するために式14のピラゾール酸塩化物と式13のイサト酸無水物とのカップリングを伴う、式12のベンゾオキサジノンの別の製造法を示す。
Figure 0005086987
[式中、R、R、R、X、Zおよびnは、式3に関して定義された通りである]
この反応に関して、ピリジンまたはピリジン/アセトニトリルのような溶媒が適切である。塩化チオニルまたは塩化オキサリルによる塩素化のような既知の手順によって、R10がHである対応する式1aの酸から、式14の酸塩化物を入手可能である。
スキーム9に概説される通り、式12のベンゾオキサジノンと、式15のNHR8a8bアミンとの反応によって、式3の化合物を製造することができる。
Figure 0005086987
[式中、R、R、R、R8a、R8b、X、Zおよびnは、式3に関して定義された通りである]
そのまま、あるいはアセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジクロロメタンまたはクロロホルムを含む様々な適切な溶媒中で、室温から溶媒の還流温度の範囲に及ぶ最適温度で、反応を実行することができる。アントラニルアミドを生成するベンゾオキサジノンとアミンとの一般的反応は、化学文献に十分に証明されている。ベンゾオキサジノンの化学に関する概説に関して、ジャコブセン(Jakobsen)ら、バイオーガニック アンド メディシナル ケミストリー(Bioorganic and Medicinal Chemistry)2000,8,2095−2103、およびその中の引用文献を参照のこと。コッポラ(Coppola)、ジャーナル オブ ヘテロサイクリック ケミストリー(J.Heterocyclic Chemistry)1999,36,563−588も参照のこと。
またスキーム10で示される方法によって、式3の化合物を製造することができる。塩化メタンスルホニルのような適切なカップリング試薬を使用して、式11の化合物と、R10がHである式1aの化合物との直接カップリングによって、式3のアントラニルアミドが提供される。
Figure 0005086987
式1aの化合物を式3の化合物へと変換するための手段がいずれであっても、本発明は、前記の通り、式1の化合物を製造する方法によって式1aの化合物を製造することを特徴とする式3の化合物の有効な製造方法を提供する。

Claims (6)

  1. 1a
    Figure 0005086987
    [式中、
    Xはハロゲン、OR 3 またはC 1 〜C 4 ハロアルキルであり;
    3 はHまたはC 1 〜C 4 ハロアルキルであり;
    各R 5 は独立してハロゲンまたはC 1 〜C 4 ハロアルキルであり;
    10 はHまたはC 1 〜C 4 アルキルであり;
    ZはNまたはCR 9 であり;
    9 はH、ハロゲンまたはC 1 〜C 4 ハロアルキルであり;そして
    nは0〜3の整数である]
    の化合物の製造方法であって、少なくとも80℃の温度で、式2a
    Figure 0005086987
    の2−ピラゾリンを臭素と接触させることを含んでなる方法。
  2. XがBrまたはCF3であり;そして
    ZがNであり;
    各R5が独立してハロゲンまたはCF3であり;そして
    10がメチルまたはエチルである
    請求項に記載の方法。
  3. 温度が120℃〜140℃である請求項1に記載の方法。
  4. 臭素との接触の前に溶媒を式2aの化合物と組み合わせて混合物を形成し、そして温度が溶媒の沸点である請求項1に記載の方法。
  5. 式1a
    Figure 0005086987
    [式中、R10はHまたはC1〜C4アルキルである]
    の化合物を使用する、式3
    Figure 0005086987
    [式中、
    Xはハロゲン、OR3またはC1〜C4ハロアルキルであり;
    ZはNまたはCR9であり;
    3はHまたはC1〜C4ハロアルキルであり;
    各R5は独立してハロゲンまたはC1〜C4ハロアルキルであり;
    6はCH3、F、ClまたはBrであり;そして
    7はF、Cl、Br、I、CNまたはCF3であり;
    8aはC1〜C4アルキルであり;
    8bはHまたはCH3であり;
    9はH、ハロゲンまたはC1〜C4ハロアルキルであり;そして
    nは0〜3の整数である]
    の化合物の製造方法であって、請求項に記載の方法によって式1aの化合物を製造することを特徴とする方法。
  6. ZがNであり;
    10がメチルまたはエチルであり;
    XがBrであり;
    nが1であり;そして
    5が3位にあるClである
    請求項に記載の方法。
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