JP5086459B2 - 容器詰麦茶飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、原料麦から抽出された抽出液を主成分とする麦茶飲料であって、これをプラスチックボトルや缶などの密閉容器に充填した容器詰麦茶飲料に関する。
麦茶飲料は、香りが高く、ミネラル分を含むものであり、嗜好品として飲用するのみではなく、喉の渇きを潤すために水分補給として飲用されることが多い。特に夏場は、ミネラル分の補給や熱中症対策として継続的に麦茶飲料を飲用することは推奨できる。
例えば、特許文献1には、浸出液中のカリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウムイオンの濃度が、カリウムイオンの濃度を1としたとき、ナトリウムイオン0.1〜30、カルシウムイオン0.05〜1及びマグネシウムイオン0.02〜0.5の範囲内になるようにこれらのイオンを含む可食性塩類又はこれらの塩類を含む食品が添加されていることを特徴とし、バランスの取れたミネラル補給機能を与えた麦茶などの茶飲料が開示されている。
特許文献2には、塩分を取り除いた海洋深層水を麦茶飲料に混合及び攪拌して、マグネシウムを麦茶飲料1リットルあたり2.5mg〜20mg、カリウムを麦茶飲料1リットルあたり100mg〜350mgになるように調整した、呈味を改善させた血流改善作用を有する麦茶飲料が開示されている。
特開昭62−83847号公報 特開2005−151981号公報
従来、麦茶は家庭等においてホール状態やティーバッグ形態から熱湯で抽出後、適当な容器に詰めて冷蔵保管し、適宜飲用するのが主であった。一方、近年では、ペットボトルや缶などの密閉容器に充填された容器詰麦茶飲料が普及し、従来にはなかった形態、場面での飲用が増えてきている。すなわち、容器詰麦茶飲料はあらゆる所で飲用できるため、特にペットボトルに充填した容器詰麦茶飲料は、携帯性があるばかりでなく、何度も栓ができ、少量ずつ繰り返し飲めるなど利便性が高いものである。
容器詰麦茶飲料は、水分補給として少量ずつ複数回に分けて飲用するため鞄などに携帯することやスポーツ時に飲用するために屋外に放置すること、さらに、例えば屋内においても、乾燥環境下での長時間にわたるデスクワーク等では、水分補給の目的で少しずつ飲むために常温環境に長時間置かれる場合があり、常温に近い液温になる。
しかし、麦茶飲料を、常温で飲用した場合は、生ぬるく感じられ、香味や甘味のバランスが崩れてしまい、冷えた場合に比べて爽快感を感じられるものではなかった。
そこで、本発明の目的は、冷たい状態に加えて、生ぬるい状態であっても、適度な香味と甘味を備え、ミネラル由来の適度な渋味を有し、止渇性ならびに爽快感を備え好適に飲用できる、容器詰麦茶飲料を提供せんとするものである。
本発明の容器詰麦茶飲料は、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)が30〜120であり、マルトース量(mg/L)が0.40〜2.00であり、麦由来可溶性固形分(%)が0.20〜0.40であり、ピラジン系化合物群量に対するフェノール系化合物群量の比が0.09〜0.50であることを特徴とする。
本発明は、デンプン量やβグルカン量などの多糖類量、マルトース量などの二糖類量、フェノール系化合物量やピラジン系化合物量の比などの香気成分量及び麦由来可溶性固形分を調整することにより、冷たい状態に加えて、生ぬるい状態であっても、適度な香味と甘味を備え、ミネラル由来の適度な渋味を有し、止渇性ならびに爽快感を備え好適に飲用できる容器詰麦茶飲料を得ることができた。
以下、本発明の容器詰麦茶飲料の実施形態を説明する。但し、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
本発明の容器詰麦茶飲料(以下、「本容器詰麦茶飲料」という。)は、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)が30〜120であり、マルトース量(mg/L)が0.40〜2.00であり、麦由来可溶性固形分(%)が0.20〜0.40であり、ピラジン系化合物群量に対するフェノール系化合物群量の比が0.09〜0.50であることを特徴とする。
本発明において「麦茶飲料」とは、大麦(二条、四条、六条の各皮麦、裸麦などの原料麦)や、水浸漬や酵素加工による加工麦、あるいはβグルカン高含有麦やアミロースフリー麦、低ポリフェノール麦のような改良種大麦を、熱風焙煎、砂炒焙煎、遠赤外線焙煎、開放釜焙煎、回転ドラム式焙煎、媒体焙煎などの焙煎処理をしたものを原料麦として、抽出、加工された飲料を意味する。なお、βグルカン高含有麦は、βグルカンを多く含む麦であり、例えば、CDC Fiber,CDC Alamo、Pronghorn、Salute、BG006、BG012、ビューファイバーなどの品種を挙げることができ、商標名としては「BGバーレイ」などを挙げることができる。
また、原料麦としては、水に浸漬させて乾燥させた後、焙煎したもの、例えば麦芽などを適宜用いることもできる。これは、マルトース、スクロースなどの二糖類を多く含むものである。
麦茶飲料は、原料となる原料麦の他に、茶樹(Camellia sinensis var. sinensisやCamellia sinensis var. assamica、またはこれらの雑種)の葉や茎から製造された茶葉、玄米、ハト麦、とうもろこし、アマランサス、キヌア、ナンバンキビ、モズク、甘草、ハス、シソ、マツ、オオバコ、ローズマリー、桑、ギムネマ、ケツメイシ、大豆、昆布、霊芝、熊笹、柿、ゴマ、紅花、アシタバ、陳皮、グァバ、アロエ、ギムネマ、杜仲、ドクダミ、チコリー、月見草、ビワ等の各種植物の葉、茎、根等を併用して得られるものであってもよい。
麦茶飲料を調製する際の原料麦の抽出条件は、原料麦の種類、抽出機の種類、最終製品の形態等により適宜選択されるものであるが、例えば、抽出液温は、50〜100℃が好ましく、80〜99℃がより好ましい。また、抽出時間は、1〜90分が好ましく、5〜60分がより好ましい。抽出水は、例えば、天然水、水道水、蒸留水、海洋深層水などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
また、抽出時の原料麦の形態は、特に限定するものではなく、例えば、ホール(丸粒)、引き割などの形態を挙げることができる。
また抽出に際しては、種類、形態、焙煎法や処理法等、異なる原料麦を各々単独で抽出した抽出液を混合して飲料を製造するほか、あらかじめ目的に資する混合量で原料麦を混ぜた状態で抽出したものを飲料としてもよい。
抽出液量は、特に限定するものではないが、原料麦に対して3〜50重量倍量が好ましい。原料麦抽出液は、以上のような条件で原料麦を抽出した後、原料麦浸出液をカートリッジフィルター、ネル濾布、濾過板、濾紙、濾過助剤を併用したフィルタープレス等の濾過法や遠心分離法によって固液分離し、原料麦や粒子を除去して得ることができる。
得られた原料麦抽出液は、適宜濃度調整して調合液とし、これを単独で、或いは複数を混合し、これを容器に充填して容器詰麦茶飲料として製品化される。
本容器詰麦茶飲料は、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)を30〜120に調整し、マルトース量(mg/L)を0.40〜2.00に調整し、麦由来可溶性固形分(%)を0.20〜0.40に調整し、ピラジン系化合物群量に対するフェノール系化合物群量の比を0.09〜0.50に調製して製造することができる。
本容器詰麦茶飲料は、pHが20℃で5〜8であることが好ましく、5〜7であるのがより好ましく、6〜7であるのがさらに好ましく、L値が70〜98であることが好ましく、75〜95であるのがより好ましく、80〜90であるのがさらに好ましい。
い。
この際、所望する組成の麦調合液を容易に得るために麦抽出物を添加してもよい。ここで「麦抽出物」とは、麦を熱水、含水有機溶媒、有機溶媒、高温水蒸気などにより抽出したものであり、市販品を用いることもできる。
また、麦調合液には、長期保存しても沈殿物が発生しない限りにおいて、必要に応じて、アスコルビン酸やアスコルビン酸ナトリウム等の酸化防止剤、香料、炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤、乳化剤、保存料、甘味料、着色料、増粘安定剤、調味料、強化剤等の添加剤を単独又は組み合わせて配合することもできる。海洋深層水を混合してもよい。
また、本発明において「容器詰」とは、金属、ガラス、プラスチック、金属やプラスチックフィルムと複合された紙容器等に対象物が充填、密封されてなる状態を意味する。上記のようにして調製された麦茶飲料を充填、密封するための容器として、透明なガラス瓶、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、多層成形容器等の透明プラスチック容器を使用することができる。
本容器詰麦茶飲料は、液中の溶存酸素量(mg/L)が、1.0〜20.0であることが好ましく、1.5〜20.0であるのがより好ましく、2.0〜20.0であるのがさらに好ましい。これにより、保管中に麦茶飲料と酸素が反応し、甘みが出てくる。
なお溶存酸素量は、Doメーター等と呼ばれる市販の溶存酸素計を用いて測定することができる。
容器としてプラスチック容器を用いた場合は、25℃、湿度55%RHにおける容器の酸素透過量(cc/Day/ボトル500mL)が、0.01〜0.1であるのが好ましく、0.015〜0.08がより好ましく、0.02〜0.06がさらに好ましい。これにより、上述したように、保管中に麦茶飲料と酸素が反応し、甘みが出てくる。
同様の理由から、麦茶飲料を容器に充填する際には、常温で充填するのが好ましく、また、窒素を充填しない方が好ましい。さらには、本容器詰麦茶飲料の容器の口部と容器内の飲料の液面との間の空間(「ヘッドスペース」とも言う。)の酸素量(mL)が、内容液1mLあたり、0.0008〜0.008があるのが好ましく、0.0028〜0.0068であるのがより好ましく、0.004〜0.006であるのがさらに好ましい。
本容器詰麦茶飲料は、必要に応じて製造工程のいずれかの段階で殺菌を行って製造される。殺菌の条件は食品衛生法に定められた条件と同等の効果が得られる方法を選択すればよいが、例えば、容器として耐熱容器を使用する場合にはレトルト殺菌を行えばよい。また、容器として非耐熱性容器を用いる場合、本容器詰麦茶飲料は、例えば、茶調合液を予めプレート式熱交換機等で高温短時間殺菌後、所定温度まで冷却し、熱時充填するか低温、たとえば10〜50℃で無菌充填を行うことで製造することができる。
より詳細に説明すると、本容器詰麦茶飲料は、水溶性多糖類、すなわちデンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)が30〜120である。
この範囲であることにより、多糖類由来の濃度感が付与される結果、爽快感と好適なコクを兼ね備えた麦茶飲料になる。
かかる観点から、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)は、好ましくは45〜120、特に好ましくは60〜120である。
本容器詰麦茶飲料は、デンプン量(mg/100mL)が30〜118であるのが好ましい。
この範囲であることにより、すっきりした味わいの麦茶飲料になる。
かかる観点から、デンプン量(mg/100mL)は、より好ましくは40〜95、特に好ましくは55〜95である。
本容器詰麦茶飲料は、βグルカン量(mg/100mL)が0.85〜3.25であるのが好ましい。
この範囲であることにより、止渇に適度なコクが感じられる麦茶飲料になる。
かかる観点から、βグルカン量(mg/100mL)は、より好ましくは0.85〜3.00、特に好ましくは1.20〜3.00である。
本容器詰麦茶飲料は、マルトース量(mg/L)が0.40〜2.00である。
この範囲であることにより、後味がすっきりとしながらも麦由来の甘味が豊かな麦茶飲料になる。
かかる観点から、マルトース量(mg/L)は、好ましくは0.50〜2.00、特に好ましくは1.00〜2.00である。
本容器詰麦茶飲料は、麦由来可溶性固形分(%)が0.20〜0.40である。
この範囲であることにより、口渇を抑えながら適度な呈味性を兼ね備えた麦茶飲料になる。
かかる観点から、麦由来可溶性固形分(%)は、好ましくは0.22〜0.40、特に好ましくは0.25〜0.40である。
なお、麦由来可溶性固形分とは、原料麦から抽出して得られた可溶性固形分をショ糖換算したときの値をいう。
本容器詰麦茶飲料は、ピラジン系化合物群量に対するフェノール系化合物群量の比(フェノール系化合物群量/ピラジン系化合物群量)が0.09〜0.50である。
この範囲であることにより、低温でも常温でも香りの良好な麦茶飲料になる。
かかる観点から、ピラジン系化合物群量に対するフェノール系化合物群量の比は、好ましくは0.09〜0.40、特に好ましくは0.09〜0.35である。
なお、本発明では、フェノール系化合物群とは、フェノール及びグアヤコールを示し、また、ピラジン系化合物群とは、ジメチルピラジン類、すなわち2,3−ジメチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン及び2,6−ジメチルピラジンを示す。
本容器詰麦茶飲料は、フェノール系化合物群が香気成分の全量に対し1.0〜5.0%程度、ピラジン系化合物群が5〜30%程度含まれるのが好ましい。
ここでいう香気成分とは、容器詰麦茶飲料に含まれる揮発性の低分子有機化合物で、麦茶の香りに影響を与える代表的な化合物群を示す。麦茶の香りに影響を与える化合物群には、先述のフェノール系化合物群、ピラジン系化合物群の他、アルデヒド系化合物群、ケトン系化合物群、フラン系化合物群、硫黄化合物群、及びその他の化合物群があり、より具体的には、アルデヒド系化合物群は2−メチルブタナール、3−メチルブタナール、ヘキサナール、ベンズアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物を指す。ケトン系化合物は、2−ブタノン、ジアセチル、2,3−ペンタジオン、6−メチル―5−ヘプテン―2―オン等のケトン基を有する化合物を指す。フラン系化合物群には2−フランメタノール、フルフラール、5−メチルフルフラール等、フラン環を有する化合物を指す。硫黄化合物群には4−メチルチアゾール、フルフリルメチルスルフィド等の硫黄原子を含む化合物を指す。その他の化合物としては、インドールやN−フルフリルピロール等が挙げられる。ここでいう香気成分の全量とは、ガスクロマトグラフィーによる定量分析において、上記に列挙した化合物群の合計量を指す。
本容器詰麦茶飲料は、フェノール系化合物群が上記範囲であることにより、戻り香が豊かな香り高い麦茶飲料になる。
かかる観点から、フェノール系化合物群は香気成分全量に対し、より好ましくは1.5〜5.0%、特に好ましくは1.5〜4.0%である。
また、ピラジン系化合物群が上記範囲であることにより、飲料を口に含んだ時に最初に鼻に抜ける香ばしさが顕著となり、低濃度でも心地よい香りが感じられる好適な麦茶が得られる。
かかる観点から、ピラジン系化合物群量は、より好ましくは5〜25%、特に好ましくは5〜15%である。
本容器詰麦茶飲料は、マルトース量(mg/L)に対するマグネシウム量とカルシウム量の合計量(mg/100mL)の比((マグネシウム量+カルシウム量)/マルトース量)が0.20〜1.70であるのが好ましい。
この範囲であることにより、呈味に厚みが増し、香りのバランスが良好な麦茶飲料になる。
かかる観点から、マルトース量に対するマグネシウム量とカルシウム量の合計量の比は、より好ましくは0.20〜1.50、特に好ましくは0.30〜0.70である。
本容器詰麦茶飲料は、マグネシウム量に対するカルシウム量の比(カルシウム量/マグネシウム量)が1.5以下であるのが好ましい。
この範囲であることにより、長期保管時にオリの発生しにくい麦茶飲料になる。
かかる観点から、マグネシウム量に対するカルシウム量の比は、より好ましくは0.01〜0.9、特に好ましくは0.13〜0.9である。
本容器詰麦茶飲料は、マグネシウム量(mg/100mL)が、0.01〜2.00であるのが好ましく、カルシウム量(mg/100mL)が、0.01〜0.7であるのが好ましい。
この範囲であることにより、さっぱりした飲後感と官能上適度な濃度感を兼ね備えた麦茶飲料になる。
かかる観点から、マグネシウム量は、より好ましくは0.05〜1.70、特に好ましくは0.20〜1.00であり、カルシウム量は、より好ましくは0.10〜0.60、特に好ましくは0.10〜0.50である。
本発明の容器詰麦茶飲料は、原料麦の焙煎条件や抽出条件を適宜調整して、上記各成分量及び麦由来可溶性固形分を所望の値にすることにより製造することができる。複数の焙煎麦やその浸出液を適宜ブレンドして麦茶飲料を調製して上記各成分量及び麦由来可溶性固形分を所望の値にすることもできる。
より具体的には、例えば、麦茶飲料のデンプン、βグルカン、マルトースの含量を多くしたい場合には、これらの含量が多い原料麦を使用麦量に占める割合を多くして調整することができる。また逆に、これらの成分を少なくしたい場合には、原料麦の焙煎条件を強くし、焙煎麦の抽出条件を弱くして調整することができる。
麦由来可溶性固形分については、例えば、焙煎麦の抽出条件等により調整することができる。
フェノール系化合物群量やピラジン系化合物群量の比は、例えば、麦の品種の選定や、処理方法、焙煎条件、および抽出条件の選択により調整することができる。
麦の種類では、例えばピラジン系化合物比率を高めるためにタンパク含量が多い麦を使う等の方法があげられる。また処理方法としては、大麦麦粒を水浸漬するなどによりピラジン含量を低減させる等の方法があげられる。
また焙煎条件としては、たとえば、穀粒表面がよく焙焼される直火焙煎等のような、高温短時間焙煎では、主にピラジン類の生成が促される。同焙煎法での強熱、あるいは芯部まで熱がじっくり伝わるような長時間焙煎では、フェノール系化合物の生成が促され同系化合物の比率が増大する。
抽出方法では、穀粒内におけるピラジン系化合物とフェノール系化合物の分布が異なると考えられ、麦との保持時間を短くする方法ではピラジン系化合物が浸出しやすくなり、長くする方法ではフェノール系化合物も浸出しやすくなる。
同化合物の物性(溶解度、pKa等)を利用した抽出条件の選択から、抽出液中の含有比率を変えることも可能である。麦を含む穀物等に必要に応じて適当な処理を行い、それを焙煎して得られた焙煎物から適当な方法により抽出してなる香気成分を含有する抽出エキスを添加するなどの方法により調整することができる。但し上記の方法に限定されるわけではない。
カルシウム量、マグネシウム量については、塩化カルシウムやリン酸カルシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウムなどの塩等を添加して調整することもできるが、麦茶飲料に海洋深層水(赤穂化成株式会社製「天海の水」など)を混合して調整することが好ましい。
また、麦茶飲料の可溶性固形分は、麦茶飲料を調製する際に上記「麦抽出物」を添加することで調整することもできるが、麦茶本来の香りの余韻の感じを失わないようにするために「麦抽出物」の使用は極力控えるべきであり、可能であれば使用しないのが好ましい。
なお、上記各成分量の測定及び可溶性固形分の測定は、後述の実施例で示す方法により測定することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。但し、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
≪官能評価試験1≫
以下の実施例1〜8及び比較例1〜10の容器詰麦茶飲料を作製し、官能評価試験を行った。
<原料麦の作製>
まず、以下の原料麦1〜7を作製した。なお、L値は日本電色工業(株)製の色差計(日本電色SE−2000)にて測定した。
(原料麦1)
六条大麦に蒸気噴霧処理を施して含有水分量が約25重量%になるように調整し、回転ドラム式媒体焙煎窯に投入し、焙煎温度255℃で90秒間の一次焙煎を行った。その後、焙煎温度を280℃で90秒間の二次焙煎を行った後、冷却装置のコンベアに移し、麦の品温が80〜140℃の温度域に47秒間滞留するように冷却ファン及びコンベアの速度を調整して緩慢冷却をし、原料麦1を製造した。この麦のL値は31であった。
(原料麦2)
六条大麦150gを排気温度185℃にて小型熱風焙煎機に投入し、18分後品温194℃にて排出し、原料麦2を製造した。この麦のL値は34であった。
(原料麦3)
六条大麦200gを排気温度180℃にて小型熱風焙煎機に投入し、13分後品温195℃にて排出し、原料麦3を製造した。この麦のL値は39であった。
(原料麦4)
六条大麦200gを排気温度190℃にて小型熱風焙煎機に投入し、12分後品温184℃にて排出し、原料麦4を製造した。この麦のL値は46であった。
(原料麦5)
アメリカ産六条大麦(βグルカン高含有品種)を、蒸気噴霧処理を施して含有水分量が約20重量%になるように調整し、回転ドラム式媒体焙煎窯に投入し、焙煎温度255℃で90秒間の一次焙煎を行った。その後、焙煎温度を280℃で90秒間の二次焙煎を行った後、冷却装置のコンベアに移し、麦の品温が80〜140℃の温度域に120秒間滞留するように冷却ファン及びコンベアの速度を調整して緩慢冷却をし、原料麦5を製造した。この麦のL値は31であった。
(原料麦6)
二条大麦を約36時間、室温にて水浸漬後、さらに24時間程度湿潤環境下において十分に吸水させた後、約75℃の弱熱条件にて乾燥した。この乾燥麦300kgを排気温度380℃にて回転式熱風焙煎機に投入し、13分後品温227℃にて排出し、原料麦6を製造した。この麦のL値は32であった。
(原料麦7)
二条大麦を約24時間、室温にて水浸漬後、さらに24時間程度湿潤環境下において十分に吸水させた後、約75℃の弱熱条件にて乾燥した。これを再び室温にて18時間水浸漬し、余剰水分を除去後、引き続き蒸気雰囲気下にて90℃以下で30分加熱した。これを乾燥後、排気温度205℃にて120kgを回転式熱風焙煎機に投入し、5分後品温164℃にて排出し、原料麦7を製造した。この麦のL値は46であった。
<抽出液の作製>
(抽出液1〜7)
原料麦1〜7を、下記表1に示す1Lあたりの使用量(単位:g)および配合比にて、同表に示す加水倍率および温度の熱水を投入し、同温度・時間でニーダー抽出(一定時間保持)を行った。得られた抽出原液をステンレスメッシュ(20メッシュ、80メッシュ、235メッシュ)で濾過し、25℃に冷却後、イオン交換水を用いて定容し、抽出液1〜7を作製した。なお、原料麦1〜7は、ホールの状態で抽出した。
(抽出液8)
容器下部に流量制御が可能なコックを備えたステンレス製ドリップ抽出容器(内径150mm、円筒部高150mm、容積約3120cm)に80メッシュの金網(直径40mm)を設置した。熱湯を入れてあらかじめ全体を高温にした同容器に、ホール状態の麦3を200g投入し、高さを均一とした。これに98℃に加温した熱水2Lを注ぎ、15分保持後、内容液を引き抜いて抽出原液とした。これを235メッシュのステンレスメッシュで濾過し、25℃に冷却後、イオン交換水にて4Lに定容し抽出液8を作製した。
Figure 0005086459
<麦茶飲料の作製>
抽出液1〜8を、総量1重量部に対して以下の表2に示す割合で配合し、必要に応じて焙煎麦を水蒸気蒸留することにより得られる、フェノール系化合物群ならびにピラジン系化合物群などの香気成分を含有する抽出エキスを配合し、アスコルビン酸を300ppm添加した後、重曹を添加してpH6.3に調整し、イオン交換水を加えて全量を5000mlに調整し、この液を135℃、30秒のUHT殺菌の後、25℃に冷却し、ペットボトルに無菌環境で充填し、プラスチックキャップにて巻き締め、密封を行い、実施例1〜8及び比較例1〜10の容器詰麦茶飲料を作製した。
上記方法で作製した麦茶飲料の溶存酸素量は15mg/L、充填に使用したペットボトルの酸素透過量は0.04cc/Day/ボトル500mL(25℃、55%RH)、ヘッドスペース中の酸素量は、液1mLあたり0.006mLであった。
Figure 0005086459
(分析)
実施例1〜8及び比較例1〜10の容器詰麦茶飲料の成分を測定し、各値を算出した。また各配合液に使用された麦からの抽出効率を算出した。その結果を下記記表3に示す。なお、各成分の測定は以下のように行った。
Figure 0005086459
<デンプン>
試料溶液10gに対し、エタノールを10g加え、遠心分離(8000g〜10000g、20分)処理を行い、上澄を廃棄する。残渣に再び蒸留水を適宜加え、3分間加熱糊化を行う。
これに、グルコアミラーゼ(「AMYLOGLUCOSIDASE、Megazyme」日本バイオコン株式会社製)を加えて37℃にて2時間保温後、20mLに定容し、濾紙(「ADVANTEC No.5B」東洋濾紙株式会社製)にて濾過する。
この濾液について、市販のグルコース定量用キット(例えば、「グルコースCII−テストワコー」和光純薬株式会社製)を用いてグルコース量を求める。グルコース量から次の式により、試料に含まれるデンプン量が算出することができる。
(式) デンプン(g/100g)=グルコース量(g/100g)×0.9
<βグルカン>
βグルカン量は、βグルカン定量用キット(例えば、Megazyme社製「分析用キット」など)を用いて求めることができる。試料溶液5mLに2.5gの硫酸アンモニウムを加え、泡立たないように注意深く混和し、4℃で20時間静置する。この溶液を遠心分離(1000g、10分)し、上澄を除去する。残渣に1.0mLの50%エタノールを加えて激しく攪拌し、さらに10mLの50%エタノールを加えて混合し、これを遠心分離(1000g、5分)し、上澄を除去する。得られた残渣に対し再度同様の操作を繰り返し行ったのち、20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.5)4.8mLに溶解し、リケナーゼ(10U)を0.2mL加えて40℃で5分静置する。これを遠心分離(1000g、10分)し、得られた上澄を0.1mLずつ3本の試験管に移す。うち1本の試験管には50mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH4.0)0.1mLを加える(ブランク用サンプル)。残りの2本にはβ−グルコシダーゼ・50mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH4.0)溶液(0.2U)0.1mLを加える(反応用サンプル)。それぞれ40℃、15分間静置し、これにグルコース定量用試薬(GOPOD Reagent)をそれぞれ3.0mLずつ加えたのち、40℃,20分静置する。これらの溶液について、510nmにおける吸光度Aを測定し、次式により吸光度差ΔAを求める。
(式) ΔA=A(反応用サンプル)−A(ブランク)
さらに吸光度差ΔAより、次式により試料溶液に含まれるβグルカン量を算出することができる。
(式) βグルカン量(mg/L)=ΔA × F × 9
但し、F=100/A(グルコース標準液)
ここで、グルコース標準液は、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(0.1mL)、1.0mg/mLグルコース水溶液(0.1mL)、グルコース定量用試薬GOPOD(3.0mL)を混合することにより得られる。サンプルは2本以上測定し、その平均値を以てβグルカン量とした。
<マルトース>
試料溶液100μLに、100ppmのラクト−ス水溶液を100μL、蒸留水を800μL加え分析用原液とした。分析用原液を、1mLのメタノールおよび蒸留水で洗浄した固層担体(「BOND Elut−SAX、1mL」VARIAN社製)に通液した。最初の100μLは廃棄し、次いで得られる300μLを分析用検体とした。検量線用検体には、マルトースおよびラクト−スの混合液を、各10ppmから1/2ずつの希釈で6点検量線となるように調整した原液を同様に処理したものを用いた。校正用検体にはラクトース10ppmとなるように調整した溶液を同様に処理したものを用いた。各検体はそれぞれ0.45μmカートリッジフィルターに通液した後、後述の機器・条件を用いてHPLC分析に供した。得られた結果は、校正用検体のラクト−ス値(L’)を各分析用検体のラクトース値(L)で除した補正係数k=(L’)/(L)を、各分析検体のマルトース分析値に乗じて分析用原液の濃度を求め、さらに希釈率を乗じて試料溶液中の含量とした。
(分析条件)
サンプル注入量:25μL
流量:1.0mL/min
溶離液A:0.2M水酸化ナトリウム水溶液
溶離液B:1M酢酸ナトリウム水溶液
溶離液C:蒸留水
カラム温度30℃。
(分析機器)
HPLC装置の構成ユニットの型番は次の通り(全て日本ダイオネクス社製)。
ディテクター:統合アンペロメトリ検出器EC50A
オーブン:TCC−100
ポンプ:GP50
オートサンプラー:AS50
解析用ソフトウェア:CHROMELEON
カラム:CarboPac PA1(ガードカラム:径φ4×長さ50mm,分離用カラム:径φ4×長さ250mm)
(濃度勾配条件)
時間(溶離液A/溶離液B/溶離液C 各%)
0〜5分(5/0/95)
20分(60/0/40)
30分(80/0/20)
31〜40分(0/100/0)
41〜55分(5/0/95)
<フェノール系化合物群及びピラジン系化合物群>
フェノール系化合物群及びピラジン系化合物群の含量比は、以下の装置を用い、SPME法(固層マイクロ抽出法)で測定した。
なお、本実施例で測定されたフェノール系は、フェノール及びグアヤコールであり、ピラジン系化合物は、2,3−ジメチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン及び2,6−ジメチルピラジンである。
SPMEファイバー:スペルコ社製DVB/carboxen/PDMS
装置:アジレント社製5973N
GC-MSシステム
カラム:アジレント社製DB-WAX,60mm×0.25mm×0.25μm
カラムオーブン:35〜240℃、6℃/min
<麦由来可溶性固形分>
麦由来可溶性固形分(%)は、アタゴ社製の測定機(DD-7)で測定した。
(評価試験)
実施例1〜8および比較例1〜10の容器詰麦茶飲料を、低温保管室(5℃)中に1週間静置した。
まず、上記各容器詰麦茶飲料を、5人の熟練した審査官に、開栓直後に試飲してもらい甘さ、コク、トップの香り、戻り香、香味バランスについて5℃での官能評価をしてもらった。なお、香りの官能評価用語として、トップの香りとは、飲料を口に含んだ直後に鼻に抜ける香ばしさを示し、戻り香とは嚥下した後に感じられる口中の余韻および喉から感じられる香りのことを示す。
次に、5℃で1週間静置した各容器詰麦茶飲料を、さらに25℃の恒温槽にて6時間静置した後、同じ審査官に試飲してもらい、甘さ、コク、トップの香り、戻り香、香味バランスについて25℃での官能評価をしてもらった。
(評価基準)
官能評価は、各審査官に、下記に示す基準で評価してもらい、合議にて得た絶対値の評価結果をその容器詰麦茶飲料の点数とした。この結果を下記表4に示す。
<甘さ>
甘さは、弱い場合を「0」点、強い場合を「3」点として4段階で評価した。
<コク>
コクは、薄い場合を「0」点、厚い場合を「3」点として4段階で評価した。
<トップの香り>
トップの香りは、弱い場合を「0」点、強い場合を「2」点として3段階で評価した。
<戻り香>
戻り香は、弱い場合を「0」点、強い場合を「2」点として3段階で評価した。
<香味バランス>
香味のバランスは、悪い場合を「0」点、良い場合を「2」点として3段階で評価した。
(総合評価)
総合点は、まず、5℃での官能評価における、甘さ、コク、トップの香り、戻り香の点数を合計し、この合計点に香味バランスの点を乗じて5℃における点数を算出し、次に、25℃での官能評価における、甘さ、コク、トップの香り、戻り香の点数を合計し、この合計点に香味バランスの点を乗じて25℃における点数を算出し、これらを合算して総合点とした。
総合点が19点以上を「◎」、13〜18点を「○」、7〜12点を「△」、6点以下を「×」として判定した。
この結果を下記表4に示す。
Figure 0005086459
(結果)
実施例1〜8は、低温、常温のいずれの場合でも香味バランスが保たれる、すなわち「◎」又は「○」の判定であり、良好な結果であった。
比較例の飲料は、低温、常温のどちらかの温度で香味バランスが崩れる傾向がみられた。比較例5,6は総合評価で「△」の判定であり、比較例1〜4及び7〜10は「×」の判定であり、不良な結果であった。
比較例1〜4の結果から、ピラジン系化合物群量に対するフェノール系化合物群量の比が低いと戻り香が弱く、高いとトップの香りが弱いことが見出せた。
比較例5,7の結果から、マルトース量が高いと甘すぎ、低いと甘味が不足することが見出せた。
比較例6,8の結果から、デンプン量とβグルカン量との合計量が高いとコクがあり過ぎ、低いと濃度感がなくなることが見出せた。
比較例9,10の結果から、麦由来可溶性固形分が高いと濃すぎ、低いと薄すぎることが見出せた。
これら結果から、デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)が30〜120であり、マルトース量(mg/L)が0.40〜2.00であり、麦由来可溶性固形分(%)が0.20〜0.40であり、フェノール系量に対するピラジン量の比が0.09〜0.50である容器詰麦茶飲料は、低温だけでなく生ぬるい温度で飲用しても、適度な香味と甘味を備え、ミネラル由来の適度な渋味を有し、爽快感を備えた容器詰麦茶飲料になることが見出せた。
≪官能評価試験2≫
官能評価試験1で作製した実施例3及び実施例5の容器詰麦茶飲料を用い、マグネシウム量及びカルシウム量の変化が麦茶飲料にどのような影響を及ぼすか試験した。
(麦茶飲料の作製)
実施例3及び実施例5の容器詰麦茶飲料に対して、海洋深層水又は塩化カルシウムを適宜配合して、カルシウム量及びマグネシウム量を相違させた実施例3A〜3D及び実施例5A〜5Dの容器詰麦茶飲料を作製した。
なお、海洋深層水としては、赤穂化成株式会社製「天海の水」(硬度250)を用いた。
(分析)
実施例3,3A〜3D及び実施例5,5A〜5Dの容器詰麦茶飲料のカルシウム量及びマグネシウム量の測定を行った。この結果を下記表5に示す。
これらの量は、ICP発光分析装置(VARIAN Vista Pro;VARIAN社製)を用い測定した。サンプルおよび元素標準液(SPEX社製)を1%硝酸(超微量分析用)で適宜希釈し、常法により分析定量を行った。
(評価試験)
各容器詰麦茶飲料を、低温保管室(5℃)中に1週間静置保管した後、さらに、25℃の恒温槽にて6時間静置した。
上記各容器詰麦茶飲料を、5名の熟練した審査官に、まず、目視にて沈殿がないかを確認してもらい、次に、試飲してもらい、味の厚みについて官能評価をしてもらった。
(評価基準)
官能評価は、各審査官に、下記に示す基準で評価してもらい、合議にて絶対値による点数評価を行い、その容器詰麦茶飲料の評価とした。この結果を下記表5に示す。
<味の厚み>
厚い「◎」、やや厚い「○」、やや薄い「△」、薄い「×」
<沈殿>
なし「〇」、容器を振ると消える程度にある「△」、容器を振っても消えない「×」
Figure 0005086459
(結果)
実施例5,5Cは味の厚みがやや薄いものであった。
実施例3D,5Dは沈殿が容器を振ると消える程度であるが発生した。
他の実施例については「◎」又は「○」の評価であった。
実施例5,5Cの結果から、マルトース量に対するマグネシウム量とカルシウム量との合計量の比が高くても低くても味の厚みがなくなることが見出せた。
実施例3D,5Dの結果から、マグネシウム量に対するカルシウム量の比が高いと沈殿が発生しやすことが見出せた。
これら結果から、マルトース量(mg/L)に対するマグネシウム量とカルシウム量との合計量(mg/100mL)の比が0.20〜1.70であり、マグネシウム量に対するカルシウム量の比が1.5以下である容器詰麦茶飲料は、常温時の呈味に厚みが増し、香りのバランスが良好であり、長期間保管時に微細なオリの発生しない容器詰麦茶飲料になることが見出せた。

Claims (6)

  1. デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)が30〜120であり、マルトース量(mg/L)が0.40〜2.00であり、麦由来可溶性固形分(%)が0.20〜0.40であり、ピラジン系化合物群量に対するフェノール系化合物群量の比が0.09〜0.50である容器詰麦茶飲料。
  2. マルトース量(mg/L)に対するマグネシウム量とカルシウム量との合計量(mg/100mL)の比が0.20〜1.70であり、マグネシウム量に対するカルシウム量の比が1.5以下である請求項1に記載の容器詰麦茶飲料。
  3. デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)を30〜120に調整し、マルトース量(mg/L)を0.40〜2.00に調整し、麦由来可溶性固形分(%)を0.20〜0.40に調整し、ピラジン系化合物群量に対するフェノール系化合物群量の比を0.09〜0.50に調整する容器詰麦茶飲料の製造方法。
  4. マルトース量(mg/L)に対するマグネシウム量とカルシウム量との合計量(mg/100mL)の比を0.20〜1.70に調整し、マグネシウム量に対するカルシウム量の比を1.5以下に調整する請求項3に記載の容器詰麦茶飲料の製造方法。
  5. デンプン量とβグルカン量との合計量(mg/100mL)を30〜120に調整し、マルトース量(mg/L)を0.40〜2.00に調整し、麦由来可溶性固形分(%)を0.20〜0.40に調整し、ピラジン系化合物群量に対するフェノール系化合物群量の比を0.09〜0.50に調整する容器詰麦茶飲料の香味改善方法。
  6. マルトース量(mg/L)に対するマグネシウム量とカルシウム量との合計量(mg/100mL)の比を0.20〜1.70に調整し、マグネシウム量に対するカルシウム量の比を1.5以下に調整する請求項5に記載の容器詰麦茶飲料の香味改善方法。
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