JP5086451B2 - セレン化水素製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、セレン化水素製造装置に関し、詳しくは、金属セレンと水素とを加熱下で反応させてセレン化水素を製造するセレン化水素製造装置に関する。
セレン化水素は、シリコン半導体のドーピングガスとして重要な材料であり、セレン化亜鉛などの化合物半導体、特に、近年ではCIS系やCZTS系といった太陽電池用の原料としても重要な材料である。このセレン化水素の製造は、一般的に、500〜700℃に加熱した反応炉内で、金属セレン、酸化セレンなどのセレン化合物に水素を接触させ、セレンを直接水素化してガス状のセレン化水素を発生させる方法が採用されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−246342号公報
しかし、従来の方法では、反応炉に投入した水素の多くが未反応のまま反応炉から排出されるため、セレン化水素の生成量に比べて水素の消費量が多いという問題があった。また、従来のセレン化水素製造装置は、バッチ方式であることから、1回の反応処理終了後に、新たなセレン化合物を反応炉内に投入する際には、反応炉の温度を下げるとともに反応炉内から毒性の強いセレン化水素や金属セレンの蒸気を排除した後、反応炉を開いて新たなセレン化合物を投入し、このセレン化合物の投入の際に侵入した大気成分を反応炉から排除した後、反応炉の温度を所定の温度まで加熱する必要があった。
このため、反応炉の加熱や冷却に多くのエネルギーを消費し、また、冷却時に反応炉内からセレン化水素や金属セレンが排除されるため、セレン化水素の収率も低いという問題もあった。さらに、生成系のガスに不純物として存在する未反応の金属セレンや生成したセレン化水素が再分解した金属セレンは、容易に凝集して固化するため、収率が低下するたけでなく、系内に析出して配管系を閉塞させることがあるなどの問題から、長時間、連続的にセレン化水素を製造することが困難であった。
そこで本発明は、セレン化水素の収率を高めるとともに、連続して高純度のセレン化水素を製造することができるセレン化水素製造装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明のセレン化水素製造装置は、あらかじめ設定された加熱温度で原料の金属セレンと水素とを接触させてガス状のセレン化水素を生成させる反応炉と、該反応炉に前記水素を投入する水素投入経路と、前記反応炉に前記金属セレンを投入する金属セレン投入経路と、前記反応炉で生成したガス状のセレン化水素を含む反応ガスを反応炉から抜き出す反応ガス抜出経路と、該反応ガス抜出経路に抜き出した反応ガス中の前記セレン化水素をあらかじめ設定された冷却温度で捕集するセレン化水素捕集器とを備えるとともに、前記反応炉から前記セレン化水素捕集器に抜き出される前記反応ガスを冷却して反応ガス中に含まれる未反応の金属セレン及び生成したセレン化水素が再分解した金属セレンを凝縮させて捕集する冷却操作と前記水素投入経路から前記反応炉に導入する水素を加熱して前記冷却操作で捕集した金属セレンを気化させることにより水素に同伴させて前記反応炉に投入する加熱操作とに交互に切り替えられる複数の加熱冷却器を備え、前記金属セレン投入経路は、金属セレン投入容器と、該金属セレン投入容器と前記反応炉との間に設けられた投入経路開閉手段と、前記金属セレン投入容器内のガスを置換するためのパージ経路とを備え、前記セレン化水素捕集器は、前記セレン化水素捕集器でセレン化水素を捕集した後の前記反応ガスをセレン化水素捕集器から抜き出して前記水素投入経路に戻すガス循環経路を備えていることを特徴としている。
さらに、本発明のセレン化水素製造装置は、前記セレン化水素捕集器が複数設けられ、反応ガス中のセレン化水素を捕する操作と、捕したセレン化水素を採取する操作とを交互に行うこと、前記金属セレン投入経路は、前記金属セレン投入容器と前記反応炉との間に中継容器を備え、前記金属セレン投入容器と前記中継容器と前記反応炉との間に投入経路開閉手段をそれぞれ備えていること、前記中継容器に、あらかじめ設定された精製温度に加熱しながら精製用ガスを流通させて前記金属セレン中に含まれている不純物を除去して金属セレンを精製する金属セレン精製手段が設けられいることを特徴としている。
本発明のセレン化水素製造装置によれば、反応炉を開放することなく金属セレン投入経路から原料の金属セレンを反応炉内に投入できるので、反応炉を加熱冷却するためのエネルギーを低減することができる。また、反応炉から抜き出した反応ガス中の未反応の金属セレン及び生成したセレン化水素が再分解した金属セレンは、冷却操作中の加熱冷却器で捕集し、加熱操作中に水素に同伴させて反応炉に再導入するので、金属セレンを原料として有効に利用できるとともに、反応ガス抜出経路内で金属セレンが析出して経路を閉塞することがなくなる。さらに、セレン化水素捕集器でセレン化水素を捕集した後の反応ガスを水素投入経路に戻すことにより、反応ガス中の水素を原料として有効に利用することができる。したがって、連続的にセレン化水素を製造できるとともに、金属セレンや水素の有効利用が図れるので、セレン化水素の収率を向上させることができる。
本発明のセレン化水素製造装置の一形態例を示す系統図である。 運転状態の一例を示す説明図である。 運転状態の他の例を示す説明図である。
本形態例に示すセレン化水素製造装置は、原料の金属セレンと水素とからセレン化水素を生成させる反応炉11と、反応炉11に水素を投入する水素投入経路12と、反応炉11に金属セレンを投入する金属セレン投入経路13と、反応炉11で反応して生成したセレン化水素を含む反応ガスを反応炉11から抜き出す反応ガス抜出経路14と、反応ガス抜出経路14に抜き出した反応ガス中のセレン化水素を捕集するセレン化水素捕集器15と、水素投入経路12及び反応ガス抜出経路14の途中に設けられた一対の加熱冷却器16a,16bと、セレン化水素捕集器15でセレン化水素を捕集し後の反応ガスをセレン化水素捕集器15から抜き出して前記水素投入経路12に戻す水素ガス循環経路17とを備えている。
反応炉11は、金属セレン投入経路13から投入された金属セレンを保持する金属セレン保持部18と、反応炉11内をあらかじめ設定された温度に加熱するための反応炉加熱手段19と、反応炉11内の圧力を監視するための炉内圧力検出器20とを備えている。反応炉11内の温度は、反応炉11内で金属セレンと水素とが反応可能な400〜700℃の温度、例えば、反応速度や加熱エネルギーを考慮して500℃に設定されている。この反応炉11には、反応に必要な量より過剰の水素が投入されており、金属セレンと水素との反応で生成したガス状のセレン化水素は、未反応の水素に同伴され、反応ガスとして反応ガス抜出経路14に抜き出される。
水素投入経路12は、図示しない水素供給源からの水素を流量調節器21で流量調節して反応炉11に供給する経路であって、前記加熱冷却器16a,16bへの流入部に設けられた水素流路切替弁22a,22bによって加熱冷却器16a,16bのいずれか一方に水素を導入するように形成されている。また、反応ガス抜出経路14は、加熱冷却器16a,16bからの流出部に設けられた反応ガス流路切替弁23a,23bによって加熱冷却器16a,16bのいずれか一方から反応ガスを抜き出すように形成されている。
加熱冷却器16a,16bは、水素投入経路12から供給される水素をあらかじめ設定された加熱温度に加熱する加熱操作と、反応炉11から反応ガス抜出経路14に抜き出される反応ガスをあらかじめ設定された冷却温度に冷却する冷却操作とを交互に行うものであって、水素又は反応ガスが流れる一つの加熱冷却流路24a,24bと、該加熱冷却流路24a,24b内を流れる水素を加熱するための加熱手段25a,25b及び反応ガスを冷却するための冷却手段(図示せず)とを備えている。加熱冷却器16a,16bにおける加熱操作と冷却操作との切り替えは、水素流路切替弁22a,22b及び反応ガス流路切替弁23a,23bをあらかじめ設定された順序で開閉するとともに、加熱手段25a,25b及び冷却手段をあらかじめ設定された順序で作動させることによって行うようにしている。
加熱冷却器16a,16bにおける冷却操作は、反応炉11内から抜き出された高温の反応ガス中に含まれる未反応の金属セレン及び生成したセレン化水素が再分解した金属セレンを凝縮させて加熱冷却流路24a,24b内に捕集するための操作であって、加熱冷却流路24a,24bの冷却温度は、金属セレンを捕集可能な温度、通常は0〜100℃の温度範囲、例えば、冷却エネルギーを考慮して100℃に設定されている。これにより、反応ガス抜出経路14を経てセレン化水素捕集器15に流入する反応ガス中から金属セレンをあらかじめ分離除去しておくことができる。
一方、加熱冷却器16a,16bにおける加熱操作は、反応炉11に投入する水素を予熱するとともに、該加熱操作の前に行われた冷却操作で凝縮して加熱冷却流路24a,24b内に捕集された液状の金属セレンを加熱して気化し、気化した金属セレンを水素に同伴させて反応炉11に再投入する操作であって、加熱冷却流路24a,24bの加熱温度は、金属セレンを気化可能な温度で、かつ、反応炉11内の温度に悪影響を与えない温度、通常は200〜500℃、例えば金属セレンの確実な気化、反応炉11内の温度低下、かつ、加熱エネルギーを考慮して300℃に設定する。
セレン化水素捕集器15は、冷却ジャケットなどの冷却手段26を有するものであって、反応ガス抜出経路14からセレン化水素捕集器15内に導入される、セレン化水素を同伴した水素からなる反応ガスを冷却することにより、反応ガス中のセレン化水素を液化又は固化させて反応ガス中から分離捕集する。セレン化水素捕集器15のセレン化水素捕集中の温度は、−50℃以下、好ましくは、液体窒素などによって−100℃以下の低温に設定されている。セレン化水素捕集器15の冷却温度で液化したり固化したりしない水素は、セレン化水素捕集器15から水素ガス循環経路17に抜き出され、送風機27及び流量調節器28を介して前記水素投入経路12を流れる水素に合流する。
金属セレン投入経路13には、金属セレン投入容器29及び中継容器30が直列に設けられている。金属セレン投入容器29及び中継容器30における金属セレン投入容器29の投入側、金属セレン投入容器29と中継容器30との間、中継容器30と反応炉11との間には、投入経路開閉手段31,32,33がそれぞれ設けられるとともに、金属セレン投入容器29には、パージ弁34a,34bを有するパージ経路35a,35bが設けられ、中継容器30には、パージ弁36a,36bを有するパージ経路37a,37bと加熱手段30aとが設けられている。
さらに、図1に想像線で示すように、第2のセレン化水素捕集器15aを設けるとともに、第2の反応ガス抜出経路14a及び第2の水素ガス循環経路17aと、各反応ガス抜出経路14,14a及び各水素ガス循環経路17,17aを切り替えるための切替弁38a,38b,39a,39bを設けることにより、二つのセレン化水素捕集器15,15aをセレン化水素捕集操作と、捕集したセレン化水素の採取操作とに交互に切替使用することができる。
次に、図2及び図3も参照してセレン化水素を連続的に製造する手順を説明する。なお、図2及び図3においては、図1に示したセレン化水素製造装置における主要な構成要素のみに符号を付して説明する。
まず、図2の実線に示すように、一方の加熱冷却器16aが加熱操作、他方の加熱冷却器16bが冷却操作を行っている場合、水素投入経路12から供給される水素は、開状態となっている一方の水素流路切替弁22aを通って所定温度に加熱されている加熱冷却器16aで予熱されるとともに、前回の冷却操作で凝縮して捕集された金属セレンを気化させ、金属セレンを同伴して所定温度に加熱された反応炉11内に流入する。反応炉11内に流入した水素の一部は、金属セレン保持部18に保持された金属セレン及び加熱冷却器16aから同伴した金属セレンと反応してセレン化水素を生成する。
生成したセレン化水素は、未反応の水素に同伴されて所定温度に冷却された他方の加熱冷却器16bに流入し、未反応の金属セレン及び生成したセレン化水素が再分解した金属セレンが凝縮して反応ガス中から分離する。金属セレンを分離した反応ガスは、加熱冷却器16bから開状態となっている反応ガス流路切替弁23bを通って反応ガス抜出経路14に抜き出され、所定温度に冷却されたセレン化水素捕集器15内に流入する。
低温のセレン化水素捕集器15内に流入した反応ガス中に含まれているセレン化水素は、液化又は固化して捕集され、反応ガス中から分離される。セレン化水素を分離した反応ガス(水素)は、水素ガス循環経路17に抜き出され、送風機27で水素投入経路12に流入可能な圧力に昇圧された後、流量調節器28で流量調整されて水素投入経路12に導入され、水素供給源から流量調節器21を介して供給される水素と合流して加熱冷却器16aを通り、反応炉11内に循環供給される。
また、原料の金属セレンは、金属セレン投入容器29の投入側の投入経路開閉手段31のみを開いた状態で、金属セレン投入容器29内に所定量が投入される。金属セレンを金属セレン投入容器29に投入した後、投入経路開閉手段31を閉じてパージ弁34a,34bを開き、パージ経路35aからパージ用のガス、例えば不活性ガスである窒素ガスを金属セレン投入容器29内に導入し、金属セレン投入容器29内のガスをパージ経路35bに排出することにより、金属セレン投入時に金属セレン投入容器29内に侵入した空気成分をパージする。
金属セレン投入容器29内の空気成分を不活性ガスに置換した後、金属セレン投入容器29と中継容器30との間の投入経路開閉手段32のみを開き、金属セレンを金属セレン投入容器29から中継容器30に移動させる。そして、中継容器30の両側の投入経路開閉手段32,33を遮断した状態で、パージ弁36a,36bを開き、パージ経路37aからパージ用のガスを中継容器30内に導入し、中継容器30内のガスをパージ経路37bに排出することにより、金属セレン投入容器29から中継容器30に金属セレンを移動させたときに中継容器30内に侵入したガス成分をパージする。中継容器30内のガス置換を終了した後、投入経路開閉手段33のみを開くことにより、中継容器30内の金属セレンを反応炉11内に投入することができる。金属セレンを反応炉11内に投入した後は、中継容器30内を前記同様にして窒素ガスなどの不活性ガスでパージすることにより、反応炉11内で発生した毒性ガスが中継容器30から金属セレン投入容器29を介して外部に拡散することを防止できる。
このように、直列に配置した金属セレン投入容器29と中継容器30とを使用して原料の金属セレンを反応炉11に投入することにより、反応炉11での反応に悪影響を与えたりする不純物となる大気成分が反応炉11内に侵入することを確実に防止できるとともに、反応炉11内で発生した毒性ガスが外部に拡散することも確実に防止することができる。さらに、中継容器30に加熱手段30aを設けて金属セレンを加熱できるようにしたことにより、金属セレンを加熱して金属セレンの精製処理を行うことができ、金属セレンを水素と反応しない400℃未満の適当な温度、例えば300℃に加熱するとともに、パージガスとして水素を使用することにより、金属セレンの精製処理を効果的に行うことができる。同時に、金属セレンを予熱して反応炉11に投入できるので、反応炉11内の温度低下も抑えることができる。
なお、中継容器30を設けずに金属セレン投入容器29のみを設けても、投入経路開閉手段を開く前に金属セレン投入容器29内のパージを十分に行うことにより、大気成分が反応炉11内に侵入したり、毒性ガスが外部に拡散したりすることを防止することができる。
加熱冷却器16aの加熱操作及び加熱冷却器16bの冷却操作は、あらかじめ設定された時間、あるいは、あらかじめ設定されたセレン化水素捕集量などの条件に応じて切り替えられ、図3の実線に示すように、一方の加熱冷却器16aが反応ガスを冷却する冷却操作を行い、他方の加熱冷却器16bが水素を予熱する加熱操作を行う状態となる。したがって、一方の加熱冷却器16aでは、反応炉11から抜き出した反応ガスを冷却することにより、反応ガス中の金属セレンを凝縮させて捕集する操作が行われ、他方の加熱冷却器16bでは、反応炉11に投入する原料の水素を予熱するとともに、前回の冷却操作で凝縮させた金属セレンを気化させ、気化した金属セレンを水素に同伴させて反応炉11に導入する操作が行われる。このとき、加熱冷却器を3基以上設けて所定の順序で加熱及び冷却を切り替えることにより、操作切替時の加熱や冷却を円滑かつ確実に行うことができる。
また、セレン化水素捕集器15内にあらかじめ設定された量のセレン化水素を捕集したときには、該セレン化水素捕集器15をセレン化水素の気化温度以上に加熱し、セレン化水素捕集器15に捕集したセレン化水素を製品ガスとして採取する。このときも、セレン化水素捕集器を複数設けておくことにより、セレン化水素捕集器におけるセレン化水素の捕集操作とセレン化水素の採取操作とを交互に行うことで連続してセレン化水素の捕集を行うことが可能となる。
このように構成したセレン化水素製造装置でセレン化水素を製造することにより、反応ガス中の金属セレンを原料として再利用できるとともに、セレン化水素捕集器15から抜き出した水素も原料として再利用することができるので、原料となる金属セレン及び水素の利用効率を大幅に向上させることができ、セレン化水素の収率も大幅に向上させることができる。
図1に示す構成のセレン化水素製造装置を使用し、5kgの金属セレンを反応炉に投入し、反応炉を500℃に加熱しつつ、水素ガス源からの水素と循環する水素とを合流させて規定流量で反応炉に投入した。加熱操作を行う水素投入側の加熱冷却器の温度は300℃に設定し、冷却操作を行う反応ガス側の加熱冷却器の温度は100℃に設定した。また、セレン化水素捕集器の温度は−196℃に設定した。セレン化水素捕集器におけるセレン化水素の捕集量が1kgになった時点で、加熱冷却器の加熱操作と冷却操作とを切り替え、この加熱冷却操作の切り替えをセレン化水素捕集量が1kg毎に繰り返し、反応炉からセレン化水素が発生しなくなるまで水素を流通させた。その結果、セレン化水素の捕集量は5.1kg、金属セレンの投入量は5.0kgで収率は99.5%、水素の投入量は1415NL(NLは標準状態における体積[リットル]、以下同じ。)、収率は99.6%であった。
反応炉に投入した金属セレンの量を25kg、加熱冷却器における加熱冷却操作の切り替えをセレン化水素捕集量が5kg毎に繰り返した以外は実施例1と同じ操作を行った。その結果、セレン化水素の捕集量は25.4kg、金属セレンの投入量は25.0kgで収率は99.1%、水素の投入量は7050NLで収率は99.6%であった。
図1に想像線で示すように、セレン化水素捕集器を切替可能に2器設置したセレン化水素製造装置を使用した。まず、25kgの金属セレンを反応炉に投入し、反応炉を500℃に加熱しつつ水素を規定流量で投入した。加熱操作を行う水素投入側の加熱冷却器の温度は300℃に設定し、冷却操作を行う反応ガス側の加熱冷却器の温度は100℃に設定した。また、セレン化水素捕集器の温度は−196℃に設定した。セレン化水素捕集器におけるセレン化水素捕集量5kg毎に加熱冷却器における加熱冷却操作を切り替えた。
また、セレン化水素の捕集量が15kgになったとき、金属セレン投入容器に金属セレン25kgを投入し、窒素ガスによるガス置換を実施後、金属セレン25kgを中継容器30に移動させ、中継容器30内をパージして水素ガスに置換してから反応炉11に金属セレンを投入した。一方のセレン化水素捕集器に30kgのセレン化水素を捕集した時点で、セレン化水素を捕集するセレン化水素捕集器を他方のセレン化水素捕集器に切り替えた。その後、加熱冷却器の加熱冷却操作を切り替えながら、反応炉からセレン化水素が発生しなくなるまで水素を流通させた。その結果、セレン化水素の捕集量は50.8kg、金属セレンの投入量は50.0kgで収率は99.1%、水素の投入量は14100NLで収率は99.6%であった。
比較例1
図1に示す構成のセレン化水素製造装置において、加熱冷却器の加熱冷却操作の切り替えを行わず、水素ガス循環経路による水素の循環を停止した状態で、10kgの金属セレンを反応炉に投入し、反応炉を500℃に加熱しつつ、水素ガス源からの水素を規定流量で投入した。加熱冷却器の温度は、冷却操作に相当する100℃に設定して未反応の金属セレン及び再分解した金属セレンを凝縮させて捕集した。また、セレン化水素捕集器の温度は−196℃に設定し、セレン化水素捕集器でセレン化水素分離後のガス(水素)は循環させることなく系外に排出した。その結果、セレン化水素の捕集量は9.6kg、金属セレンの投入量は10.0kgで収率は93.6%、水素の投入量は6660NLで収率は39.9%であった。
比較例2
反応炉に投入した金属セレンの量を25kgとした以外は、比較例1と同様の操作を行った。セレン化水素捕集器に約20kgのセレン化水素が捕集されたときに反応炉内の圧力が徐々に上昇する現象が出始めたため、約21kgのセレン化水素を捕集した時点で、水素の投入を止めて反応を停止させた。その結果、セレン化水素の捕集量は20.8kg、金属セレンの投入量は25.0kgで収率は81.1%、水素の投入量は16100NLで収率は35.7%であった。
11…反応炉、12…水素投入経路、13…金属セレン投入経路、14,14a…反応ガス抜出経路、15,15a…セレン化水素捕集器、16a,16b…加熱冷却器、17,17a…水素ガス循環経路、18…金属セレン保持部、19…反応炉加熱手段、20…炉内圧力検出器、21…流量調節器、22a,22b…水素流路切替弁、23a,23b…反応ガス流路切替弁、24a,24b…加熱冷却流路、25a,25b…加熱手段、26…冷却手段、27…送風機、28…流量調節器、29…金属セレン投入容器、30…中継容器、30a…加熱手段、31,32,33…投入経路開閉手段、34a,34b…パージ弁、35a,35b…パージ経路、36a,36b…パージ弁、37a,37b…パージ経路、38a,38b,39a,39b…切替弁

Claims (4)

  1. あらかじめ設定された加熱温度で原料の金属セレンと水素とを接触させてガス状のセレン化水素を生成させる反応炉と、該反応炉に前記水素を投入する水素投入経路と、前記反応炉に前記金属セレンを投入する金属セレン投入経路と、前記反応炉で生成したガス状のセレン化水素を含む反応ガスを反応炉から抜き出す反応ガス抜出経路と、該反応ガス抜出経路に抜き出した反応ガス中の前記セレン化水素をあらかじめ設定された冷却温度で捕集するセレン化水素捕集器とを備えるとともに、前記反応炉から前記セレン化水素捕集器に抜き出される前記反応ガスを冷却して反応ガス中に含まれる未反応の金属セレン及び生成したセレン化水素が再分解した金属セレンを凝縮させて捕集する冷却操作と前記水素投入経路から前記反応炉に導入する水素を加熱して前記冷却操作で捕集した金属セレンを気化させることにより水素に同伴させて前記反応炉に投入する加熱操作とに交互に切り替えられる複数の加熱冷却器を備え、前記金属セレン投入経路は、金属セレン投入容器と、該金属セレン投入容器と前記反応炉との間に設けられた投入経路開閉手段と、前記金属セレン投入容器内のガスを置換するためのパージ経路とを備え、前記セレン化水素捕集器は、前記セレン化水素捕集器でセレン化水素を捕集した後の前記反応ガスをセレン化水素捕集器から抜き出して前記水素投入経路に戻すガス循環経路を備えていることを特徴とするセレン化水素製造装置。
  2. 前記セレン化水素捕集器が複数設けられ、反応ガス中のセレン化水素を捕する操作と、捕したセレン化水素を採取する操作とを交互に行うことを特徴とする請求項1記載のセレン化水素製造装置。
  3. 前記金属セレン投入経路は、前記金属セレン投入容器と前記反応炉との間に中継容器を備え、前記金属セレン投入容器と前記中継容器と前記反応炉との間に投入経路開閉手段をそれぞれ備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のセレン化水素製造装置。
  4. 前記中継容器に、あらかじめ設定された精製温度に加熱しながら精製用ガスを流通させて前記金属セレン中に含まれている不純物を除去して金属セレンを精製する金属セレン精製手段が設けられいることを特徴とする請求項3記載のセレン化水素製造装置。
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