JP5086169B2 - 電流センサ及び電流センサの製造方法 - Google Patents
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Description
同図2(a),(b)に示されるように、上記樹脂部材10の内部には、上記貫通孔12を囲繞する態様にて四角環状に形成された環状部22と4本のリード21a〜21dと構成されるリードフレーム20が設けられている。ちなみに、このリードフレーム20は、例えば銅や鉄などの磁性材料により形成されている。そして、本実施形態にかかる電流センサでは、このリードフレーム20の環状部22により磁気回路を構成し、この環状部22により上記バスバー40の周辺に生じる磁界を集磁させて、同環状部22に図中の一点鎖線に沿った方向の磁界Brを形成するようにしている。また、このリードフレーム20の環状部22の一辺を構成する部分には、巨大磁気抵抗効果(GMR)素子を有するセンサチップ60と、このセンサチップ60とボンディングワイヤ62を介して電気的に接続されて同センサチップ60から出力される電気信号の各種処理を実行する制御IC61とが実装されている。ちなみに、巨大磁気抵抗素子は、付与される磁界(詳しくは磁界の強度や方向等)に応じて巨大磁気抵抗効果により抵抗値の変化する素子であり、例えば磁気抵抗効果(MRE)素子と比較すると、付与される磁界に応じた抵抗値の変化量が大きい特性を有しているため、より高い感度で磁気を検出することが可能である。ここで、センサチップ60は、こうした巨大磁気抵抗効果素子をはじめ、この素子の抵抗値の変化を電気信号に変換するための回路等が一体に集積化されたチップである。また、このセンサチップ60には、同センサチップ60及び制御IC61を挟むようにして設けられる2つの磁石64a,64bから図中の一点鎖線の矢印にて示す方向、すなわち上記リードフレーム20の環状部22に集磁される磁界Brと平行な方向のバイアス磁界Bmが常に付与されている。そして、このセンサチップ60に付与されるこのバイアス磁界Bmが上記リードフレーム20の環状部22に集磁される磁界Brの変化の影響を受けて変化し、センサチップ60は、こうしたバイアス磁界Bmの変化を巨大磁気抵抗効果素子を通じて検出して上記バスバー40を流れる電流に応じた電気信号を出力する。一方、上記制御IC61は、ボンディングワイヤ63を介して上記リード21a〜21dに電気的に接続されるとともに、これらリード21a〜21dのうちのリード21aとリード21bとがコンデンサ65を介して電気的に接続されている。そして、これらセンサチップ60、制御IC61、磁石64a,64b、コンデンサ65、リードフレーム20の環状部22の一辺を構成する部分、及びリード21a〜21dの上端部分が樹脂部材13により一体に封止(モールド)されて1次成形されている。また、この1次形成体の下端部から導出されたリード21a〜21dは、2次成形体としての樹脂部材10の内部を通じてコネクタガイド30まで延設されている。
例えばいま、図3(a)に示すように、上記バスバー40内を図中の手前側から奥側の方向に電流I1が流れていたとする。このとき、バスバー40の周辺には、いわゆるアンペアの右ねじに法則に基づいて、図中の時計回りの方向の磁界が形成され、この磁界が環状部22により集磁されることで、環状部22に図中の一点鎖線の矢印にて示す時計回りの方向の磁界Brが形成されるようになる。そしてこの場合、図3(b)に示すように、センサチップ60の設けられる環状部22の一辺を構成する部分では、上記環状部22に形成される磁界Brの向きと、上記磁石64a,64bにより形成されるバイアス磁界Bmの向きとが互いに逆方向になる。したがって、センサチップ60には、環状部22に形成される磁界Brと、磁石64a,64bにより形成されるバイアス磁界Bmとを合成した合成磁界(Bm−Br)が作用するようになる。ここで、本実施形態にかかる電流センサでは、上記磁石64a,64bにより形成されるバイアス磁界Bmの強度が、環状部22に集磁される磁界Brの強度よりも大きくなるように予め設定されている。このため、センサチップ60に付与される合成磁界(Bm−Br)は、上記バイアス磁界Bmと同じ方向を有するとともに、合成磁界(Bm−Br)の強度の値は、バイアス磁界Bmの強度の値よりも小さくなる。また、上記電流I1の大きさに比例して環状部22に集磁される磁界Brの強度が大きくなることから、電流I1の大きさが大きくなるほど、合成磁界(Bm−Br)の強度の値とバイアス磁界Bmの強度の値との差分値が大きくなる。
(1)巨大磁気抵抗効果素子からなるセンサチップ60や制御IC61等をリードフレーム20に実装するようにした上で、該リードフレーム20の一部に四角環状の環状部22を設け、バスバー40の周辺に生じる磁界を集磁するための磁気回路をリードフレーム20の環状部22により構成するようにした。これにより、上述の集磁用コアが不要となるため、電流センサとしての部品点数の増大を回避することができるようになる。また、このようにバスバー40の周辺に生じる磁界を集磁することによってセンサチップ60の巨大磁気抵抗効果素子に付与される磁界の強度を所要の強度に維持することができるため、電流センサとしての高感度の電流検出をそのまま維持することもできる。したがって、部品点数の増大を招くことなく、高感度の電流検出が可能となる。
・電流センサとして電流の方向を検出する機能が必要ない場合には、上記磁石64a,64bを割愛し、リードフレーム20の環状部22に集磁される磁界のみがセンサチップ60に付与される構成としてもよい。電流センサとしてのこうした構成によれば、リードフレーム20の環状部22に集磁される磁界の強度をセンサチップ60を通じて検出することができるため、検出された磁界の強度に基づいてバスバー40を流れる電流の大きさを検出することができる。
Claims (6)
- 環状に形成されるとともに、前記環状に形成された部分の内部空間に挿入される被検出体に電流が流れることによって同被検出体の周辺に生じる磁界を集磁する磁気回路と、該磁気回路により集磁される磁界を検出する磁気検出素子とを備え、該磁気検出素子により検出された磁界に基づいて前記被検出体を流れる電流を検出する電流センサにおいて、
前記磁気検出素子が、磁性材料からなるリードフレームに実装されるとともに、該リードフレームの一部が環状に形成され、該リードフレームの環状に形成された部分により前記磁気回路が構成されて、前記リードフレーム及び前記磁気検出素子が前記被検出体とは別に一体に成形されてなる
ことを特徴とする電流センサ。 - 前記リードフレームと前記磁気検出素子とを樹脂材料により封止して1次成形された半導体パッケージのリードがそのままコネクタのオス端子となり、かつこのオス端子に係合、接続されるメス端子の保持体の挿入をガイドするコネクタガイドが同オス端子を囲む態様にて前記1次成形された半導体パッケージの全体が樹脂材料により封止されて2次成形されてなる
請求項1に記載の電流センサ。 - 前記磁気検出素子が、付与される磁界に応じて巨大磁気抵抗効果により抵抗値の変化する巨大磁気抵抗効果素子からなる
請求項1又は2に記載の電流センサ。 - 前記磁気検出素子には、前記リードフレームの環状に形成された部分に集磁される磁界の方向と平行な方向にバイアス磁界が付与されてなる
請求項3に記載の電流センサ。 - 環状に形成されるとともに、前記環状に形成された部分の内部空間に挿入される被検出体に電流が流れることによって同被検出体の周辺に生じる磁界を集磁する磁気回路と、該磁気回路により集磁される磁界を検出する磁気検出素子とを備え、該磁気検出素子により検出された磁界に基づいて前記被検出体を流れる電流を検出する電流センサの製造方法であって、
前記磁気回路を、磁性材料からなるリードフレームの一部を環状に形成することによって形成した後、該環状に形成された部分により集磁される磁界を検出する磁気検出素子を、同環状に形成された部分に実装する
ことを特徴とする電流センサの製造方法。 - 前記磁気検出素子を前記環状に形成された部分に実装した後、前記環状に形成された部分の内部空間に前記被検出体を挿入することのできる態様にて前記リードフレームと前記磁気検出素子とを樹脂材料により封止して半導体パッケージを1次成形するとともに、この1次成形された半導体パッケージのリードがそのままコネクタのオス端子となり、かつこのオス端子に係合接続されるメス端子の保持体の挿入をガイドするコネクタガイドが同オス端子を囲む態様にて、かつ前記環状に形成された部分の中央の空間に前記被検出体を挿入することのできる態様にて前記1次成形された半導体パッケージの全体を樹脂材料により封止して2次成形する
請求項5に記載の電流センサの製造方法。
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