以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態では、撮像装置の画像表示部における表示モードの変更の有無あるいは設定された表示モードの種類に基づいた、画像表示部の表示輝度の制御について説明する。
撮像装置は、複数の表示モード(画像の撮影に関わる設定を含むメニューを表示する「MENU表示」モード、静止画を再生表示する「再生表示」モード、動画を再生表示する「動画表示」モードを含む)を有する。撮像装置では、画像表示部の表示モードを複数の表示モードのうち任意の表示モードに切り換えが可能であり、画像表示部の表示モードの切り換わり時における画像表示部の表示画像の切り換わりに同期して、表示画像の全体の明るさを変更することが可能である。
撮像装置が「MENU表示」モード(メニュー表示モード)にある場合は、随時、周囲の明るさの変化に応じて画像表示部の表示輝度を変更する。撮像装置が「再生表示」モード(画像表示モード)または「動画表示」モード(画像表示モード)にある場合は、周囲の明るさが変化しても、画像表示部の表示輝度を「再生表示」モードまたは「動画表示」モードへの切り換え時に設定した輝度に保持する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置の構成例を示すブロック図である。
図1において、撮像装置は、デジタルカメラとして構成されており、撮像部1、画像処理部2、マイクロコンピュータ(以下マイコンと略記)3、焦点検出部4、撮影レンズ5、画像表示部6、環境光照度センサ7、測光センサ8、外部記憶装置9を備えている。更に、撮像装置は、電源スイッチ、メカニカルシャッタ、シャッタ駆動部、クイックリターンミラー、モータドライバ(以上不図示)等を備えている。
撮像部1は、撮像素子(例えばCCDまたはCMOSエリアセンサ)と、撮像素子を駆動するセンサ駆動部とから構成されている。撮像部1は、撮影レンズ5の光学系を通じて撮影領域(被写体)からの光束を光学像として撮像素子に結像させ、撮像素子により光学像を光電変換し画像信号(電気的信号)として画像処理部2へ出力する。
画像処理部2は、A/D変換部、ローパスフィルタ、インタフェース(I/F)部、ホワイトバランス(以下WB)調整部、領域抽出及び平均輝度検出部、リサイズ部、VRAM(以上不図示)を備えている。画像処理部2は、撮像部1からの画像信号をA/D変換した後、撮像部1に起因する一連の補正(暗電流補正、シェーディング補正等)を行う。また、画像処理部2は、ローパスフィルタによりノイズ成分を除去し、いわゆる絵作りに関する一連の画像処理(画素及び色補間処理、WB処理、ガンマ補正等)を行う。また、画像処理部2は、I/F部により、一連の画像処理を行った撮影画像データの外部記憶装置9への送り出し、外部記憶装置9に記録された撮影画像データの取り込みを行う。
画像処理部2は、画像処理を行った撮像部1からの撮影画像データや外部記憶装置9に記録された撮影画像データに対し、表示のための所定の処理を行った後、画像表示部6に出力する。WB調整部は、領域抽出及び平均輝度検出部からの出力に基づいて、表示画像のWBを調整する。リサイズ部は、WB調整された表示画像は、画像表示部6のLCD表示部62に領域表示可能な解像度に解像度変換した後、その出力をVRAMに格納する。VRAMに格納された表示画像データは画像表示部6に出力される。
マイコン3(制御手段、判定手段)は、撮像装置全体の制御を行うものであり、CPU(中央演算処理部)、RAM、ROM、不揮発性メモリ、入出力ポート、A/D変換部等を内蔵すると共に、タイマ機能を有する。マイコン3は、ROMに格納されたシーケンスプログラムに基づいて、図7、図11、図12、図13の各フローチャートに示す処理を含む各種処理を実行する。マイコン3の不揮発性メモリには、露出制御や焦点調節に関する調整値等を含む制御パラメ−タや、撮像素子の調整値、撮影画像のWBから画像表示部6に撮影画像を表示する際の制御値等の画像処理の制御・調整に関係するパラメータが格納されている。
焦点検出部4は、結像面近傍に配置されたフィ−ルドレンズ、反射ミラ−、2次結像レンズ、絞り、ラインセンサ(複数の光電変換素子からなるCCD等)から構成されている。本実施の形態では、焦点検出部4は、公知の位相差方式で焦点の検出を行うと共に、観察画面内(ファインダ視野内)の複数の領域を測距点として該測距点の焦点が検出可能となるように構成されている。
撮影レンズ5には、焦点調節回路、絞り駆動回路、制御部が組み込まれており、撮像装置本体101に対し着脱自在に装着される。撮影レンズ5とマイコン3との間でマウント接点(不図示)を介して信号が伝達される。マイコン3は、焦点検出部4からの出力に基づき撮影レンズ5の焦点調節回路を制御して適正な焦点調節となる信号を出力すると共に、測光回路(不図示)からの出力に基づき撮影レンズ5の絞り駆動回路を制御して適正な露光量となる信号を出力する。
画像表示部6は、LCD制御部61、LCD表示部62、バックライト63から構成される。LCD表示部62とバックライト63により後述の液晶モニタ(図2)を構成している。LCD制御部61は、WB制御部64、コントラスト制御部65、輝度制御部66、γ補正部67、D/A変換部68、LCDドライバ部69を備えている。WB制御部64は、LCD表示部62の表示画像のWBを制御する。コントラスト制御部65は、LCD表示部62の表示画像のコントラストを制御する。輝度制御部66は、周囲の明るさからLCD表示部62の表示画像の明るさを制御する。
γ補正部67は、VRAMからの出力に対しLCD表示部62に適した表示画像となるようガンマ補正を行う。D/A変換部68は、γ補正部67の出力をLCD表示部へ出力する信号にD/A変換する。LCDドライバ部69は、D/A変換部68でD/A変換された画像データに同期させてLCD表示部62の駆動信号を出力する。
LCD表示部62は、LCD表示パネル(TFT液晶ディスプレイ)を有し、バックライト63により照明される。LCD表示部62の表示対象は、撮像部1から画像表示部6に出力される画像データの他に、外部記憶装置9に記録された画像データ、撮像装置の設定情報を含む。バックライト63は、複数のLEDと光学部材から構成される。LEDの駆動制御は定電流及びマイコン3からのPWM制御信号によるオン−オフ制御により行われ、LEDの点灯時の輝度の変更はそのデューティ比を変えることで行う。デューティ制御分解能は例えば8bitであり、LEDのフルオン時には定電流で常時オンされる。このときバックライト63は最大輝度となる。
環境光照度センサ7(検出手段)は、マイコン3のA/D変換部(不図示)に接続されると共に、撮像装置の背面部の照度センサ受光部112(図2参照)の内側に設置されている。環境光照度センサ7は、液晶モニタ102の周囲の明るさ(照度)を検出するものであり、照度センサ受光部112を透過した入射光量に比例した出力が得られる。液晶モニタ102の周囲の明るさ(照度)と環境光照度センサ7の出力との関係は下記の関係式で示される。
明るさ:照度(入射光量)=環境光照度センサの出力
÷環境光照度センサの感度×受光窓の透過率
本実施の形態では、環境光照度センサ7は例えば10Lx(ルクス)から2万Lxの明るさを測定することができる。環境光照度センサ7の測定範囲は、画像表示部6のLCD表示部62が透過形LCDから構成されている場合は、変更可能な輝度の範囲を充分にカバーしている。マイコン3は、A/D変換部により環境光照度センサ7の出力信号をA/D変換した結果を用い、上記関係式に基づき明るさを算出している。
測光センサ8は、AE(Auto Exposure)センサとも呼ばれており、マイコン3の入出力ポートを介してA/D変換部に接続されている。測光センサ8には、撮影時の被写体及びその周囲からの光量が撮影レンズ5を透過して照射される。マイコン3のA/D変換部でA/D変換された結果から、明るさの強弱及びその程度が判る。撮像装置では、測光センサ8の出力に基づいて、ISO感度、シャッタ速度TV、絞りAVの関係を成り立たせている。この関係が成り立つことで、適正な明るさで撮影することができる。
測光センサ8の出力は、EV:Exposure Value(=Light Value)値として出力され、下記の関係式が成り立つ。
EV=log2(F^2/T)
F:レンズ絞り(AV)
T:露出時間(秒)(TV)
EV値は、絞り(F)と露出時間(T)で決まる値であり、更に撮像素子の感度補正により決まるISOが加わる。更に、EV値から照度への換算は公知の関係式により求めることができる。
外部記憶装置9は、不揮発性の記録メディア(例えばCFカード、SDカード等)として複数の画像データを保存することが可能であり、撮像装置に着脱可能となっている。外部記憶装置9を撮像装置に装着した状態で、画像処理部2から出力される画像データを外部記憶装置9に記憶する処理を1つまたは複数の撮影画面分について行うことが可能である。また、前記処理を行った後、外部記憶装置9を撮像装置から取り外し、撮像装置のデータ形式で画像データを読み出し可能な別の機器に装着し、外部記憶装置9に記憶されている画像データの再生・編集・保存を行うことが可能である。
また、外部記憶装置9を撮像装置に再度装着し、外部記憶装置9に記憶されている画像データが撮像装置のデータ形式で読み出し可能な画像データであれば、画像データの読み出し後、画像処理部2にて所定の画像処理を行うことが可能である。更に、画像表示部6のLCD制御部61にてLCD表示部62に表示するための処理を行った後、LCD表示部62に画像を表示することが可能である。
図2は、撮像装置の背面部の構成を示す図である。図3は、撮像装置の上面部の構成を示す図である。
図2、図3において、撮像装置本体101には、液晶モニタ102(表示手段)、背面操作ダイヤル103、上面操作ダイヤル104、レリーズボタン105、ファインダ接眼部110、照度センサ受光部112等が配置されている。ファインダ接眼部110は、撮像装置本体101の背面部に配設されており、撮影対象の被写体を観察するための部材である。液晶モニタ102は、撮像装置本体101の背面部に配設されると共に、内部に画像表示部6のLCD表示部62とバックライト63が配置されている。
背面操作ダイヤル(サブ電子ダイヤル)スイッチ103及び上面操作ダイヤル(電子ダイヤル)スイッチ104は、撮影時の露出値等の撮影条件の変更などを行う際に操作する(以下スイッチ省略)。レリーズボタン105は、撮影条件の決定後に撮影動作を開始する際に操作する。グリップ部106は、撮像装置本体101の前面右側が前方に張り出した部分であり、使用者が撮影を行う際に保持する。指充て部107は、撮像装置本体101の背面側に突出した部分であり、使用者がグリップ部106を握って撮像装置を把持した場合に親指がすべらないようにする役割を担っている。
操作スイッチ108は、指当て部107の上側に設けられており、所定の操作を行う際に用いる。メディアカバー109は、撮像装置本体101に対し回動可能に配設されており、外部記憶装置9(CFカード等の記録メディア)を挿抜する際に使用者の操作に従って開閉可能となっている。
照度センサ受光部112は、本発明の特徴の1つであり、液晶モニタ102の近傍に配設されると共に、内部に環境光照度センサ7(図1)が組み付けられている。照度センサ受光部112を透過した光が環境光照度センサ7に照射される。
操作スイッチ113〜117は、液晶モニタ102の左側に配設されている。操作スイッチ(以下再生表示スイッチ(DISPスイッチ))114は、外部記憶装置9に記録されている撮影画像を液晶モニタ102に表示する際に操作する。
操作スイッチ(以下撮影情報表示スイッチ(INFOスイッチ))115は、液晶モニタ102に撮影情報を撮影画像と併せて表示する際に操作する。外部記憶装置9に記録されている撮影画像が液晶モニタ102に表示された状態で、撮影情報表示スイッチ115を操作すると、各種の撮影情報(ISO、TV、AV、WBモード、撮影日時時刻等)が撮影画像と併せて液晶モニタ102に表示される。
操作スイッチ(以下MENU表示スイッチ)116は、液晶モニタ102に表示されたメニューの中から所望の項目を選択する際に操作する。前記メニューには、WBや画像圧縮率等の撮影に関わる一連の画像の処理、液晶モニタ102の点灯時時間、外部モニタ(NTSC方式、PAL方式等)にビデオ信号を出力し表示する際の設定が含まれる。
操作スイッチ(以下動画表示動作スイッチ(ライブビュースイッチ))17は、液晶モニタ102に対するリアルタイム動画の表示または動画記録画像の再生表示を行う際に操作する。
次に、上記構成を有する本実施の形態の撮像装置の動作について図4乃至図7を参照しながら説明する。
まず、撮像装置の動作モードの状態遷移について図4及び図5に基づき説明する。
図4は、撮像装置の動作モードの状態遷移を示す図である。図5(a)は、液晶モニタに表示されるメニューを示す図、図5(b)は、液晶モニタに表示される静止画再生状態における静止画を示す図である。
図4において、撮像装置の電源スイッチが使用者により操作され、パワーオフ状態からパワーオン状態となると、撮像装置は起動時動作(1)を行った後、MENU(メニュー)表示状態(2)に移行する。MENU表示状態(2)では、液晶モニタ102の表示内容は図5(a)に例示するような画像の撮影に関わる設定の表示となる。本実施の形態では、液晶モニタ102に対し「d−M1」(記録画質設定)、「d−M2」(ドライブモード設定)、「d−M3」(静止画オートプレイ)、「d−M4」(動画プレイ)の4項目のメニュー表示が行われる。
MENU表示状態(2)では、使用者が撮像装置の十字キー部(不図示)の上下キーを操作することで、「d−M1」、「d−M2」、「d−M3」、「d−M4」の中から選択項目を変更することができる。選択項目は他の項目と表示色を変えることで区別される。図5(a)の例では、項目「d−M1」が選択された状態が示されている。項目「d−M1」が選択された状態から使用者が背面操作ダイヤル103の中央部の選択スイッチ118をオンに操作すると、液晶モニタ102の表示を記録サイズ及び圧縮率の設定(記録画質設定)を行う画面に移行させることができる。
また、項目「d−M2」が選択された状態から使用者が選択スイッチ118をオンに操作すると、液晶モニタ102の表示をドライブモードを選択する画面に移行させることができる。また、項目「d−M3」が選択された状態から使用者が選択スイッチ118をオンに操作すると、撮像装置の動作モードは静止画オートプレイ状態(4)に移行する。また、項目「d−M4」が選択された状態から使用者が選択スイッチ118をオンに操作すると、撮像装置の動作モードは動画プレイ状態に移行する。
MENU表示状態(2)で使用者がMENU表示スイッチ116をオンに操作すると、撮像装置は液晶モニタ102を消灯する消灯状態(8)となる。MENU表示状態(2)で使用者が再生表示スイッチ114をオンに操作すると、撮像装置の動作モードは静止画再生状態(3)に移行する。図5(b)は静止画再生状態(3)における液晶モニタ102の表示例である。
液晶モニタ102には、外部記憶装置9に記録されている撮影済みの静止画ファイルの1駒(コマ)表示が行われる。静止画再生状態(3)で使用者が背面操作ダイヤル103を回転操作することで、液晶モニタ102の表示を外部記憶装置9に記録されている他の静止画ファイルの画像表示に切り替えることができる。また、静止画再生状態(3)で使用者が撮影情報表示スイッチ(INFOスイッチ)115をオンに操作すると、液晶モニタ102に再生表示されている駒画像の撮影情報が同一画面上に表示される。再び撮影情報表示スイッチ115をオンに操作すると、1駒表示状態に戻る。
静止画再生状態(3)で使用者が再生表示スイッチ(DISPスイッチ)114をオンに操作すると、撮像装置は静止画再生表示を終了し、液晶モニタ102を消灯する消灯状態(8)となる。消灯状態(8)で使用者が再生表示スイッチ114をオンに操作すると、液晶モニタ102は点灯し、静止画再生表示となる。また、使用者がMENU表示スイッチ116をオンに操作しても、液晶モニタ102は点灯し、MENU表示状態(2)に移行する。
また、MENU表示状態(2)から静止画オートプレイ状態(4)に移行すると、撮像装置は外部記憶装置9に記録されている静止画ファイルを一定時間間隔で自動的に駒送りし、液晶モニタ102の画像表示を切り替える。
また、静止画オートプレイ状態(4)で使用者がMENU表示スイッチ116をオンに操作すると、撮像装置は静止画オートプレイを終了し、MENU表示状態(2)に移行する。
MENU表示状態(2)で使用者がライブビュースイッチ117をオンに操作すると、ライブビュー状態(5)に移行する。ここで、ライブビュー状態とは、クイックミラーを跳ね上げることで、撮像部1が撮像する電子動画像を液晶モニタ102にスルー表示(ライブビュー表示)させる状態である。
ライブビュー状態(5)で使用者がライブビュースイッチ117をオンに操作すると、撮像装置はライブビュー表示を終了し、クイックミラーを下げることでMENU表示状態(2)に戻る。
ライブビュー状態(5)で使用者が背面操作ダイヤル103の中央部の選択スイッチ(動作撮影スイッチ)118をオンに操作すると、撮像装置の動作モードは動画記録状態(6)に移行する。
動画記録状態(6)では、撮像部1により撮像され液晶モニタ102に表示されている電子動画像をファイルとして外部記憶装置9に記録する動作が行われる。
静止画再生状態(3)で使用者が背面操作ダイヤル103及び選択スイッチ118を操作することで動画ファイルが選択されると、撮像装置は外部記憶装置9に記録されている動画ファイルの再生を行う。
動画再生状態(7)で使用者がMENU表示スイッチ116をオンに操作すると、撮像装置は動画プレイを終了し、MENU表示状態(2)に移行する。
尚、動画記録状態(6)においても使用者がレリーズボタン105をオンに操作すると、撮像装置では動画記録を中断して静止画撮影を行うことになる。従って、静止画撮影操作が行われた動画ファイルにおいては、途中、静止画撮影のタイミングで動画の連続性が失われている場合がある。その部分については、数秒程度の一定時間だけ動画プレイ中に黒表示が行われる。
このように、MENU表示状態(2)〜消灯状態(8)において使用者がレリーズボタン105をオンに操作すると、撮像装置は静止画の撮影シーケンスに移行する。静止画撮影シーケンスに入ると、マイコン3は、液晶モニタ102を消灯し、続いて焦点検出部4の出力信号により測距情報を得て、撮影レンズ5を合焦位置に移動するように撮影レンズ5に内蔵された制御部に通信する。
更に、マイコン3は、測光センサ8の出力信号により測光情報を得て、適正な露出となるシャッタ速度や絞り値を決定し、決定された絞り値を撮影レンズ5に内蔵された絞り駆動回路に通信し、絞り込み動作が行われるようにする。マイコン3は、モータドライバを駆動してクイックリターンミラーを跳ね上げ、シャッタ駆動部を制御してメカニカルシャッタを駆動する。
尚、ライブビュー状態(5)あるいは動画記録状態(6)からの静止画撮影シーケンスへの移行である場合、すでにクイックリターンミラーは跳ね上げ状態でメカニカルシャッタも開かれており、測距情報や測光情報は撮像部1から得られている。従って、ここまでの動作は省略される。
続いて、マイコン3は、シャッタ駆動部によりメカニカルシャッタを閉じ、モータドライバを駆動してクイックリターンミラーを下げると共にメカニカルシャッタをチャージするなどの一連の撮影動作を行う。
撮像部1により撮像された静止画情報は、画像処理部2によって読み出されてA/D変換され、現像処理が行われる。現像処理が終了すると、マイコン3は、液晶モニタ102に撮影確認用画像を所定時間表示する。マイコン3は、液晶モニタ102に対する撮影確認用画像表示と並行して静止画記録ファイルとしての変換や圧縮処理を行い、静止画記録ファイルを外部記憶装置9に記録する。
こうして静止画撮影シーケンスが完了すると、動作モードは、通常、撮影待機状態に戻るが、ライブビュー状態(5)あるいは動画記録状態(6)から静止画撮影シーケンスに移行した場合、それぞれ元のライブビュー状態あるいは動画記録状態に戻る。
次に、液晶モニタ102における図5(a)に例示するMENU表示内容が変化すること無く継続して表示されている場合の液晶モニタ102の表示輝度制御を、図6及び図7に基づき説明する。
図6は、撮像装置の外光照度の変化、目標輝度及び設定輝度の変化、照度検出タイミングの関係を示すタイミングチャートである。
図6において、横軸は時間の経過を表す。屋外において撮像装置に照射される外光の照度は、時間の経過と共に実線で示す外光照度Leで表されるように変化する。本実施の形態では外光照度Leは以下のように変化する。
時間t1からt4付近にかけて比較的大きな変化量で上昇
時間t7付近までの間、比較的小さな変化量で上昇
時間t8付近までの間、大きな変化量で下降
時間t11付近までの間、比較的小さな変化量で下降
時刻t18付近までの間、比較的小さな変化量で上昇
マイコン3は、マイコン自身が有するタイマ機能による割り込み動作において、略一定間隔で(所定の時間間隔で)環境光照度センサ7により外光照度Leの検出を行う。図中、この検出タイミングは照度検出タイミングTintで表されている。照度検出タイミングTintの立ち上がり信号が発生すると、マイコン3はタイマ割り込みを発生し、外光照度を検出し、その検出結果に基づく液晶モニタ102の表示輝度の設定を行うための割り込みルーチンの処理を行う。尚、マイコン3によって行われる撮像装置の基本動作であるメインルーチンの処理は本発明と直接関係しないので説明を省略する。
図7は、撮像装置のタイマ割り込みルーチンによる輝度設定処理を示すフローチャートである。
図7において、撮像装置でタイマ割り込みが発生するとタイマ割り込みルーチンが実行される。まず、マイコン3は、環境光照度センサ7の出力信号をA/D変換して入力し、その時点での外光照度Leの情報を得る(ステップS10)。続いて、マイコン3は、外光照度Leの値に対し、適正となる液晶モニタ102の目標輝度Bt(n)を算出する(ステップS20)。目標輝度Bt(n)は、演算式に基づき算出してもよいし、予め用意されたテーブルを参照して算出してもよい。その際、演算式あるいはテーブルは、事前に行われた実験の値や周知データ等により得られた外光照度とこれに対応する目標輝度値との関係から求められる。
ここで、目標輝度Bt(n)におけるnは図6に示す照度検出タイミングTintに従った時間系列を表している。仮に、今回実行している割り込み処理が図6に示すタイミングt2によるものである場合、タイミングt2における外光照度Leの値に対して算出される目標輝度がBt(n)であるとする。前回のタイミングt1で実行した割り込み処理で算出された目標輝度はBt(n−1)になる。
このように、目標輝度Bt(n)は、割り込み発生タイミング毎にその時の外光照度Leの値に応じて更新されるので、図6のBtで示すように階段状になる。尚、目標輝度Btは破線、液晶モニタ102の設定輝度Bsetは実線で示している。外光照度Leの変化が分かりやすいように、設定輝度Bsetの線を目標輝度Btの線に重ねたものである。
続いて、マイコン3は、ステップS20で算出した目標輝度Bt(n)の値をそのまま液晶モニタ102の設定輝度(輝度設定値)Bset(n)に設定する(ステップS30)。その後、マイコン3は、前回の割り込み処理以降に使用者のスイッチ操作等による液晶モニタ102の表示モードに変更があったか否か(変更の有無)を判定する(ステップS50)。
液晶モニタ102の表示モードの変更があった場合は、直接、ステップS60に移行する。液晶モニタ102の表示モードの変更がない場合は、マイコン3は、液晶モニタ102がMENU表示モードにあるか否かを判定する(ステップS51)。液晶モニタ102の表示モードの変更がなくともMENU表示モードにある場合は、ステップS60に移行する。
液晶モニタ102の表示モードの変更があった場合、あるいは液晶モニタ102の表示モードの変更がなくともMENU表示モードにある場合は、マイコン3は、次の処理を行う。即ち、液晶モニタ102の表示輝度を、ステップS30の処理で決定した液晶モニタ102の設定輝度Bset(n)に変更するように画像表示部6に指示を出し(ステップS60)、割り込みルーチンを終了する。液晶モニタ102の表示モードの変更がなく且つMENU表示モードでない場合は、液晶モニタ102の表示輝度を更新することなく割り込みルーチンを終了する。
上記の割り込みルーチンを、図6に示すタイミングt0〜t18の各々で実行すると、液晶モニタ102の設定輝度Bset(n)は実線Bsetのように変化する。ここで、上記の表示モードの変更とは、図6に示す時間t45、t910、t1314、t1617に発生する状態の変化である。
時間t45は、使用者が再生表示スイッチ114をオン操作した時間であり、液晶モニタ102の表示状態はMENU表示状態(2)から静止画再生状態(3)に移行する。時間t5に、液晶モニタ102の設定輝度Bsetの内容はBt5に切り換わる。
時間t910は、使用者がMENU表示スイッチ116をオン操作した時間であり、液晶モニタ102の表示状態は静止画再生状態(3)からMENU表示状態(2)に移行する。時間t10に、液晶モニタ102の設定輝度Bsetの内容はBt5からBt10に切り換わる。
以降、時間t14で使用者の再生表示スイッチ114のオン操作を検知するまでは、上述の時間t0から時間t5と同じように毎回の割り込みのたびに設定輝度Bsetがそのときの目標輝度Btにて更新される。
時間t1314は、使用者が再生表示スイッチ114をオン操作した時間であり、時間t45と同じように、液晶モニタ102の表示状態はMENU表示状態(2)から静止画再生状態(3)に移行する。時間t14に、液晶モニタ102の設定輝度Bsetの内容はt13の直前に算出され、設定された輝度(本実施の形態ではBt10と同じ値)からBt14に切り換わる。
時間t1617は、使用者が背面操作ダイヤル103を操作した時間であり、液晶モニタ102に表示される再生画像は切り換わるものの静止画再生状態(3)から変化するものではない。液晶モニタ102の設定輝度BsetはBt14を保持継続し、Bt17への切り換わりは行わない。
液晶モニタ102の表示輝度を更新するとき、画像表示部6のLCD制御部61は、マイコン3の指示に従って液晶モニタ102のバックライト63の輝度を変更する。
尚、バックライト63の輝度が変更可能な上限値あるいは下限値に到達してしまった場合、それ以上の輝度の変更はできない。しかし、液晶モニタ102の画像の入力値に対する透過特性を変更し、擬似的に画像を明るく見せたり暗く見せたりすることも可能である。従って、バックライト63の輝度だけでは対応できないような外光照度の領域では、前記のような擬似的な表示制御手法を組み合わせてもよい。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、主として撮像装置の使用者の操作に応じた液晶モニタ102の表示モードの切り換わりタイミングで、外光照度に対する液晶モニタ102の表示輝度の変更を行う。これにより、撮像装置に照射される外光の照度が変化する状態であっても、液晶モニタ102の表示輝度の変更は生じることがないので、撮像装置の使用者が液晶モニタ102を観察している状態で、使用者に不自然さを与えることがない。
また、液晶モニタ102を外光照度に応じた適正な表示輝度へ更新するタイミングは、使用者の操作に伴う表示モードが変化するタイミングに合わせている。従って、使用者に不自然さや見辛さをあまり感じさせること無く液晶モニタ102を適正な表示輝度に設定することができる。これにより、撮像装置の使用者にそれ程の不自然さを与えずに、外光照度の変化に対する液晶モニタ102の表示輝度の追従性を確保しつつ、撮影画像の確認精度を高めることができる。
即ち、液晶モニタ102における表示内容を切り換える直前の周囲の明るさに応じた輝度で液晶モニタ102の表示輝度を設定し、表示内容によっては液晶モニタ102の表示輝度を変更する制御を行わない。これにより、液晶モニタ102における露出確認等の撮影画像の比較確認を的確に行うことが可能となる。
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、下記の点において相違する。本実施の形態のその他の要素は、上記第1の実施の形態(図1乃至図3)の対応するものと同一なので説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、表示モードの切り換えにより液晶モニタ102の表示内容が変化したとき、これに同期して液晶モニタ102の明るさ(表示輝度)を変化させる場合について説明した。
これに対し、本実施の形態では、液晶モニタ102が「再生表示」モードにあっても、液晶モニタ102に表示する駒を切り換える場合は、その切り換えタイミングに同期して、周囲の明るさに応じた輝度に液晶モニタ102の表示輝度を切り換える。再生表示する駒がAEB撮影や連写撮影等の相関性のある駒の場合や、使用者が手動操作で意図的に輝度固定を選択した場合は、周囲の明るさが変化しても液晶モニタ102の表示輝度はそれまでに設定した内容を保持する。尚、AEB(Auto Exposure Bracket)撮影では露出補正を意図的に行う。
次に、本実施の形態に係る撮像装置において上記第1の実施の形態との相違点を中心に図8乃至図11を参照しながら説明する。
撮像装置の撮影情報表示スイッチ(INFOスイッチ)115(指示手段)は、上記第1の実施の形態で説明した撮影情報表示機能に加えて、液晶モニタ102の明るさを保持するための指示を行う機能を有する。撮影情報表示スイッチ115の操作に伴い出力される液晶モニタ102の明るさを保持するための指示信号は、マイコン3に入力される。マイコン3は、指示信号に基づき液晶モニタ102の明るさを保持する制御を行う。
撮影情報表示スイッチ115を押し込んだ状態(オン状態)では、照度センサ受光部112から内部の環境光照度センサ7に対する入射光量が大きく変化する。そして、通常の輝度自動制御動作であれば液晶モニタ102の明るさが変化するほどであっても、液晶モニタ102の明るさは変化せず、明るさ一定となる動作をする。この状態で、背面操作ダイヤル103の操作により、液晶モニタ102に再生表示している撮影画像(撮影駒)を切り換えても、やはり液晶モニタ102の明るさは変化せず、明るさ一定となる動作をする。
図8は、本実施の形態に係る撮像装置の動作モードの状態遷移を示す図である。
図8において、上記第1の実施の形態で説明した図4と同じ構成であるが、「(3)静止画再生」、「(4)静止画オートプレイ」の中に、それぞれAEB画像と連写画像が含まれることを意図的に示すものである。AEB画像や連写画像については、液晶モニタ102に対する再生画像の表示の際に連続性ありと判断し、これに応じた処理動作を行う。詳細は後述する。
更に、本実施の形態の撮像装置の一連の動作を図9乃至図11を用いて説明する。
図9は、撮像装置の外光照度の変化、目標輝度及び設定輝度の変化、照度検出タイミングの関係を示すタイミングチャートである。図10は、撮像装置の外光照度の変化、目標輝度及び設定輝度の変化、照度検出タイミングの関係を示すタイミングチャートであり、撮影情報表示スイッチ(INFOスイッチ)115の操作を加えている。
図9、図10において、2つの図には時間t1617での液晶モニタ102の設定輝度Bsetに違いがある。マイコン3は、使用者が撮影情報表示スイッチ115を操作してオンを保持した状態で背面操作ダイヤル103を操作し、液晶モニタ102への表示対象の画像を切り換えたときは、液晶モニタ102の表示輝度が変わらないように制御を行う。
図11は、撮像装置のタイマ割り込みルーチンによる輝度設定処理を示すフローチャートである。
図11において、本処理は、図7に示した処理内容にステップS52、ステップS53、ステップS54、ステップS55を追加したものであり、共通する処理は説明を簡略化または省略する。まず、追加したステップS52〜ステップS55の一連の流れを説明した後、図9・図10のタイミングチャートと共に詳述する。
液晶モニタ102の表示モードの変更がなくともMENU表示モードにある場合は(ステップS51でYES)、マイコン3は次の処理を行う。ステップS30の処理で決定した液晶モニタ102の設定輝度Bset(n)に基づき、液晶モニタ102の表示輝度を変更するように画像表示部6に指示を出す(ステップS60)。液晶モニタ102がMENU表示モードでない場合は、マイコン3は、再生画像表示中であるか否かを判定する(ステップS52)。
液晶モニタ102がMENU表示モードでなく再生画像表示中でない場合は、上述した液晶モニタ102の表示輝度更新を行う(ステップS60)。液晶モニタ102がMENU表示モードでなく再生画像表示中である場合は、マイコン3は、使用者により撮影情報表示スイッチ(INFOスイッチ)115がオンに操作されたか否かを判定する(ステップS53)。撮影情報表示スイッチ115がオンに操作された場合は、液晶モニタ102の表示輝度の更新を行うことなく割り込みルーチンを終了する。
液晶モニタ102がMENU表示モードでなく再生画像表示中であって撮影情報表示スイッチ115がオンに操作されていない場合は、マイコン3は次の判別を行う。即ち、液晶モニタ102において前回(n−1)に表示している撮影駒と、今回(n)に表示しようとしている撮影駒の連続性を判別する(ステップS54)。連続性とは、AEB撮影による撮影駒や連写撮影(連続撮影)による撮影駒を指し、外部記憶装置9に撮影画像と併せて記録されている撮影時のデータから判別する。
撮影駒の連続性がある場合は(ステップS55でYES)、上述した撮影情報表示スイッチ115がオンに操作された場合と同様に、液晶モニタ102の表示輝度の更新を行うことなく割り込みルーチンを終了する。即ち、液晶モニタ102において表示画像を切り換える際に液晶モニタ102の表示輝度を更新せずにそれまでの表示輝度を保持する。撮影駒の連続性がない場合は(ステップS55でNO)、上述した液晶モニタ102の表示輝度の更新を行う(ステップS60)。
上記の図9及び図10に示した各信号の意味は図6に示した各信号と同じであり、説明を省略する。また、外光照度Leと照度検出内容等も図6に示したものと同じであり、説明を省略する。
図6では、時間t0で既に液晶モニタ102はMENU表示がなされており、使用者により再生表示スイッチ114が操作される時間t45までの間は、マイコン3は次の輝度更新を行う。即ち、時間t1から時間t4までの各照度検出タイミングにて検出された外光照度Leに応じた目標輝度Bt及び設定輝度Bsetとなるよう、液晶モニタ102の表示輝度の更新を行う。
図11では、このとき液晶モニタ102はMENU表示であるから、MENU表示中か否かの判別処理(ステップS51)により設定輝度Bset(n)に基づく液晶モニタ102の表示輝度更新処理(ステップS60)が、割り込み発生のたびに行われている。
図9(図10)の時間t45に使用者が再生表示スイッチ114をオンに操作すると、時間t5による割り込み処理にて液晶モニタ102の表示内容はメニューから再生表示画像に切り換わる。すると、表示モードの変更であるから、ステップS60にて設定輝度BsetはBt5に更新される。そして、時間t6の割り込み処理ではスイッチ操作がないので、目標輝度Btは変化しているが、設定輝度Bsetは変わらない。
時間t910に使用者がMENU表示スイッチ116をオンに操作すると、時間t10での割り込み処理では、液晶モニタ102の表示内容は再生表示画像からメニューに切り換わる。すると、表示モード変更であるから、図11のステップS60にて設定輝度Bsetはこのときの目標輝度BtであるBt10に更新される。
以降、時間t14で使用者の再生表示スイッチ114のオン操作を検知するまでは、上述の時間t0から時間t5と同じように毎回の割り込みのたびに設定輝度Bsetがそのときの目標輝度Btにて更新される。
時間t14では使用者により再生表示スイッチ114がオンに操作されたことを検知し、このときは表示モードの変更であるから(ステップS50)、時間t5のときと同じ動作となる。
時間t1617に使用者が背面操作ダイヤル103を操作すると、マイコン3は該操作を時間t17に発生する割り込み処理で検知する。このときは液晶モニタ102は再生画像表示中であり(ステップS52)、撮影情報表示スイッチ115はオンされておらず(ステップS53)、連続性のない画像であり、設定輝度Bsetをこのときの目標輝度BtであるBt17で更新する。
図10では、時間t17の割り込み処理の際に、マイコン3は時間t1617に行われた背面操作ダイヤル103の操作を検知する。更に撮影情報表示スイッチ115もオンとする操作が行われていることから、設定輝度BsetはBt14のままとし、このときの目標輝度Bt17に更新することはない。
また、図9に示すように、時間t1617の操作で液晶モニタ102の撮影画像の表示を切り換える際に、撮影情報表示スイッチ115をオンにする操作が行われていないときであっても、マイコン3は次のように判別する。即ち、液晶モニタ102の表示で切り換える画像がAEB撮影モードまたは連続撮影モードによる撮影の画像であれば、連続性ありと判別する(ステップS54)。
尚、図10の時間t17での目標輝度Btと設計輝度Bsetの関係のように、時間t17の割り込み処理による液晶モニタ102の表示輝度の更新は行わない。
上述したように、MENU表示では、液晶モニタ102の表示輝度を随時更新するが、再生画像表示では、表示画像の切り換わりのタイミングに併せて液晶モニタ102の表示輝度を更新する。但し、切り換え表示する再生画像の相互間に関連性がある場合や、使用者が意図的に表示輝度が変化しないようスイッチ操作している場合は、液晶モニタ102の表示輝度の更新を行わない。これにより、再生画像表示を観察するときには、わずかな輝度変化もない明るさを制御することを実現している。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、液晶モニタ102における露出確認等の撮影画像の比較確認を的確に行うことが可能となる。
〔第3の実施の形態〕
本発明の第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、下記の点において相違する。本実施の形態のその他の要素は、上記第1の実施の形態(図1乃至図3)の対応するものと同一なので説明を省略する。
上記第1及び第2の実施の形態では、液晶モニタ102の表示輝度の切り換え制御方法として、所定の条件のもとで周囲の明るさに応じて液晶モニタ102の表示輝度を「自動設定」する場合について説明した。
これに対し、本実施の形態では、液晶モニタ102の表示輝度の切り換え制御方法として、「自動設定」の他に、使用者の意図した設定に従い液晶モニタ102の表示輝度を「手動設定」する場合を含む制御について説明する。
次に、本実施の形態に係る撮像装置において上記第1及び第2の実施の形態との相違点を中心に図12及び図13を参照しながら説明する。
撮像装置では、液晶モニタ102の表示輝度を自動設定する方法と手動設定する方法のうち任意の方法を、撮像装置の表示モードに応じて選択することが可能である。手動設定では、使用者が撮影の状況や好みに応じて、撮像装置に予め用意されている複数の設定の中から適宜選択するものである。
図12は、本実施の形態に係る撮像装置のタイマ割り込みルーチンによる輝度設定処理を示すフローチャートである。図13は、図12の輝度自動設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図12において、撮像装置の使用者が所定の操作を行うと、マイコン3は、液晶モニタ102の表示を点灯した後(ステップS100)、液晶モニタ102の表示がMENU表示であるか否かを判定する(ステップS200)。液晶モニタ102の表示がMENU表示である場合は、マイコン3は、液晶モニタ102に輝度制御選択MENUを表示すると共に、液晶モニタ102を周囲の明るさに応じて選択された輝度で表示する輝度自動設定を行う(ステップS300)。そして、マイコン3は、表示モードが変更されるまで(ステップS350でYES)、同じ輝度設定制御を繰り返す。
一方、液晶モニタ102の表示がMENU表示ではない場合、即ち、撮影した静止画像や動画像を再生表示したり撮像部1から得られる画像をリアルタイムで連続的に表示したりする場合は、マイコン3は次の設定を行う。即ち、使用者が予め設定しておいた液晶モニタ102の手動設定値に基づき輝度設定を行う(ステップS400)。そして、マイコン3は、表示モードが変更されるまで(ステップS450でYES)、同じ輝度設定制御を繰り返す。
ステップS350またはステップS450で液晶モニタ102の表示モードが変更された場合、マイコン3は、液晶モニタ102の表示を消灯するか否かを判定する(ステップS500)。液晶モニタ102の表示を消灯する場合は、マイコン3は、液晶モニタ102の表示を消灯し(ステップS600)、本処理を終了する。液晶モニタ102の表示を消灯しない場合は、ステップS200に戻り、マイコン3は、液晶モニタ102の表示内容の変更と共に、液晶モニタ102の表示輝度設定制御方法も表示モードに従った内容に切り換える。
上記のステップS300における液晶モニタ102を周囲の明るさに応じて選択された輝度で表示する輝度自動設定の詳細は、図13のフローチャートに示す通りである。図13は、図7の構成からステップS50とステップS51を削除した構成であり、各ステップの処理内容は図7と同じなのでここでの説明は省略する。
また、輝度自動設定では、更に、使用者の明るさの好みを反映させるために「明るめ」、「標準」、「暗め」の明るさ調整がメニューとして用意されている。使用者は液晶モニタ102に表示される前記メニューから好みの項目を選択する。「明るめ」、「暗め」の各設定は、「標準」に対してそれぞれ50%増加、50%減少となる制御内容となっている。
図12のステップS400で使用する「表示輝度設定」の手動設定値はメニューの1項目である。手動設定値として選択できる輝度は、制御可能な輝度の範囲から複数用意されている。使用者が複数の輝度から1つの輝度を選択すると、選択した輝度が手動設定値反映動作の際に使用される。以降、ステップS400では手動設定値として選択した輝度で表示される。
また、図12のステップS300及びステップS400で選択したMENU内容は、マイコン3に内蔵されている不揮発性メモリに選択した制御内容として記憶される。これにより、撮像装置の電源を切断した場合でも、撮像装置の次回の起動時には不揮発性メモリに記憶されている選択した制御内容に基づき撮像装置が動作する。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、液晶モニタ102における露出確認等の撮影画像の比較確認を的確に行うことが可能となる。
〔他の実施の形態〕
第1乃至第3の実施の形態では、本発明を撮像装置(デジタルカメラ)に装備される画像表示部の表示制御に適用した場合を例に挙げたが、これに限定されるものではない。本発明は、撮像装置(デジタルカメラ)以外の光学機器や他の機器(カメラ機能を有する携帯電話機、携帯情報端末、ノート型パーソナルコンピュータ)に装備される表示部の表示制御にも適用することができる。
また、第1乃至第3の実施の形態では、画像表示部をバックライト方式の液晶ディスプレイとして構成した場合を例に挙げたが、これに限定されるものではない。有機ELディスプレイ、表面電界ディスプレイ(SED)、プラズマディスプレイ等の自発光方式のディスプレイとして構成する場合にも適用することができる。尚、有機ELディスプレイなどバックライトを持たない自己発光素子による画像表示部の場合、バックライトではなく直接表示素子の発光輝度が制御される。
また、第1乃至第3の実施の形態では、画像表示部の輝度制御について各種の実施態様を例に挙げたが、以下のような制御を行ってもよい。画像表示部に対するMENU表示内容は、文字やシンボルを使用し且つ識別・判別がし易いようにコントラストが高い構成であることが一般的である。そこで、例えばMENU表示中の表示輝度も再生画像を表示する時と同じように表示モード切り換え動作に同期して切り換え、MENU表示中は周囲の明るさが変化してもこれに呼応することなく、表示モード切り換え時の輝度を保持する制御であってもよい。
また、第1乃至第3の実施の形態では、画像表示部の構成及び輝度制御について各種の実施態様を例に挙げたが、これに限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲で示した機能または各実施の形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用することが可能である。
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによって達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。